JPH08177775A - スクロール式流体機械 - Google Patents

スクロール式流体機械

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JPH08177775A
JPH08177775A JP33480994A JP33480994A JPH08177775A JP H08177775 A JPH08177775 A JP H08177775A JP 33480994 A JP33480994 A JP 33480994A JP 33480994 A JP33480994 A JP 33480994A JP H08177775 A JPH08177775 A JP H08177775A
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scroll
wrap portion
wrap
heat
casing
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JP33480994A
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Hiroki Okada
裕樹 岡田
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Tokico Ltd
Original Assignee
Tokico Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 各ラップ部の外周側に熱抵抗部を設け、吸込
空気等の温度上昇を抑えることにより圧縮効率を向上さ
せる。 【構成】 固定スクロール10と旋回スクロール14の
各鏡板11,15からの熱がラップ部12,16の外周
側に伝わるのを抑制する薄肉部12D,16Dを、ラッ
プ部12,16の外周側に設ける。そして、空気の圧縮
熱で高温になった鏡板11,15からの熱がラップ部1
2,16の外周側等に伝わるのを確実に防止する。この
結果、吸込ポート21から吸込室22内等に吸込んだ空
気がラップ部12,16からの熱で温度上昇してしまう
のを効果的に抑えることができ、当該スクロール圧縮機
の圧縮効率を大幅に向上できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば真空ポンプや圧
縮機等に用いて好適なスクロール式流体機械に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、ケーシングと、該ケーシングの
先端側に設けられ鏡板にうず巻き状のラップ部が立設さ
れた固定スクロールと、前記ケーシングに回転可能に設
けられ先端側がケーシング内に延びた駆動軸と、前記ケ
ーシング内に位置して該駆動軸の先端側に旋回可能に設
けられ鏡板にうず巻き状のラップ部が立設された旋回ス
クロールと、該旋回スクロールと固定スクロールとのラ
ップ部間に形成される複数の圧縮室と、該各圧縮室のう
ち最外周側の圧縮室に連通する吸込ポートと、前記固定
スクロールに設けられ前記圧縮室のうち最内周側の圧縮
室に連通する吐出ポートとからなるスクロール式流体機
械は知られている。
【0003】そして、この種のスクロール式流体機械を
空気圧縮機として用いる場合には、駆動軸を外部から電
動モータ等で回転駆動することにより旋回スクロールを
旋回させ、旋回スクロールと固定スクロールとの間に形
成される複数の圧縮室内で吸込ポートから吸込んだ空気
を圧縮しつつ、この圧縮空気を吐出ポートから外部の空
気タンク等に向けて吐出させるようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来技術では、吸込ポート側から吸い込んだ空気等の流体
を各圧縮室内で外周側から内周側へと順次高い圧力に圧
縮しているから、内周側(中央側)の圧縮室には高温の
圧縮熱が発生し、この圧縮熱は、鏡板の中央部から外周
側へと伝わり、鏡板全体が高温状態となってしまう。そ
して、鏡板全体が高温になると、このときの熱はラップ
部へと伝わり、該ラップ部は外周側までが高温状態とな
ってしまう。
【0005】このため、従来技術では、ラップ部の外周
側からの熱が、吸込ポートから吸込んだ空気等の流体に
伝わって、吸込空気等が加熱されるようになり、吸込空
気量(密度)が低下し圧縮効率が低下してしまうという
問題がある。
【0006】一方、このような問題を解決するために、
特開昭59−110894号公報に記載のスクロール式
流体機械(以下、他の従来技術という)では、旋回スク
ロールと固定スクロールとの各ラップ部間に形成する各
圧縮室(密閉空間)内に冷却管を設け、該冷却管内に冷
却媒体を流通させることにより、各圧縮室内を冷却し、
圧縮効率を改善するようにしている。
【0007】しかし、この他の従来技術でも、鏡板から
の熱がラップ部の外周側へと伝わって、該ラップ部の外
周側が温度上昇することがあるために、吸込ポートから
吸込んだ空気等の流体が高温となってしまう。そして、
高温の吸込空気等を冷却するためには、冷却管内を流れ
る冷却媒体の流量を増やす必要が生じ、これによって余
分なエネルギーを消費するという問題がある。
【0008】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みな
されたもので、本発明は吸込ポート側の温度上昇を効果
的に抑制することができ、圧縮効率を確実に向上できる
ようにしたスクロール式流体機械を提供することを目的
としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、本発明は、ケーシングと、該ケーシングの先端
側に設けられ鏡板にうず巻き状のラップ部が立設された
固定スクロールと、前記ケーシングに回転可能に設けら
れ先端側がケーシング内に延びた駆動軸と、前記ケーシ
ング内に位置して該駆動軸の先端側に旋回可能に設けら
れ鏡板にうず巻き状のラップ部が立設された旋回スクロ
ールと、該旋回スクロールと固定スクロールとのラップ
部間に形成される複数の圧縮室と、該各圧縮室のうち最
外周側の圧縮室に連通する吸込ポートと、前記固定スク
ロールに設けられ前記圧縮室のうち最内周側の圧縮室に
連通する吐出ポートとからなるスクロール式流体機械に
適用される。
【0010】そして、請求項1の発明が採用する構成の
特徴は、前記固定スクロールと旋回スクロールのうち少
なくともいずれか一方のスクロールには、前記鏡板から
の熱がラップ部側に伝わるのを抑制する熱抵抗部を前記
ラップ部の少なくとも外周側に設けたことにある。
【0011】この場合、請求項2に記載の発明のよう
に、前記熱抵抗部は、前記ラップ部の最外周端から周方
向に180°前,後の範囲に亘って延びる構成とするの
が好ましい。
【0012】また、請求項3に記載の発明のように、前
記熱抵抗部は、前記ラップ部の外側面を部分的に切欠く
ことにより形成された薄肉部によって構成してもよい。
【0013】さらに、請求項4に記載の発明のように、
前記熱抵抗部は、前記鏡板の背面側からラップ部内に向
けて軸方向溝を設けることにより前記ラップ部に形成さ
れた薄肉部によって構成してもよい。
【0014】
【作用】上記構成により、請求項1に記載の発明では、
鏡板からの熱がラップ部の外周側へと伝わるのを熱抵抗
部で抑制できるから、各圧縮室のうち内周側(中央部
側)の圧縮室で高温の圧縮熱が発生し、これが鏡板の中
央部から外周側へと伝わり、鏡板全体が高温状態になっ
ても、鏡板からの熱が外周側のラップ部に伝わるのを熱
抵抗部によって防止でき、吸込ポート側から吸込んだ流
体の温度上昇を抑えることができる。
【0015】この場合、請求項2に記載の発明のよう
に、前記熱抵抗部をラップ部の最外周端から周方向に1
80°前,後の範囲に亘って延びる構成とすることによ
り、吸込ポートから各圧縮室内に吸込んだ流体が、熱抵
抗部を介して吸込ポート側に漏洩(逆流)してしまうの
を防止でき、各圧縮室間を互いに密閉状態に保持するこ
とができる。
【0016】また、請求項3に記載の発明のように、ラ
ップ部の外側面を部分的に切欠いて薄肉部とすることに
よって熱抵抗部を構成するようにすれば、鏡板から外周
側のラップ部に伝わる熱に対して薄肉部で大きな熱抵抗
を与えることができ、外周側のラップ部が温度上昇する
のを確実に防止できる。
【0017】さらに、請求項4に記載の発明のように、
鏡板の背面側からラップ部内に向けて軸方向溝を設け、
該当するラップ部の部位を薄肉部とすることによっても
熱抵抗部を構成でき、ラップ部が温度上昇するのを抑え
ることができる。そして、この場合には、ラップ部の側
面を平滑面とすることができ、固定スクロールと旋回ス
クロールのラップ部間(各圧縮室間)を確実にシールし
続けることができる。
【0018】
【実施例】以下、本発明の実施例によるスクロール式流
体機械を図1ないし図8に基づいき、スクロール式空気
圧縮機に適用した場合を例に挙げて説明する。
【0019】まず、図1ないし図4は本発明の第1の実
施例を示している。
【0020】図中、1は本体ブラケットを示し、該本体
ブラケット1は支持板1Aと、該支持板1Aから上向き
に立設され、前,後方向に所定寸法だけ離間した保持板
1B,1Cとからなり、該保持板1B,1Cは支持板1
A上に後述の冷却風ダクト2内にケーシング6および固
定スクロール10等を位置決めしている。また、該保持
板1B,1Cにはそれぞれ通気穴1D,1D,…が形成
され、該各通気穴1Dは冷却風ダクト2内で図1中の矢
示A方向に冷却風を流通させる。
【0021】2はケーシング6および固定スクロール1
0の周囲を外側から取囲んだ冷却風ダクトを示し、該冷
却風ダクト2は図1に示す如く、一側が外部に開口する
冷却風の流入口2Aとなり、後述の冷却ファン5を取囲
むようにうず巻き状に形成されたファンダクト部2B
と、該ファンダクト部2Bに小径筒部2Cを介して連結
され、後述するケーシング6の底部6A側周囲を取囲む
ようにテーパ状に拡開されたテーパ部2Dと、該テーパ
部2Dの大径側から後述するケーシング6の筒部6B外
周側および固定スクロール10の外周側を取囲むように
軸方向に延設された筒状の胴部2Eと、該胴部2Eの他
側端部から固定スクロール10の背面側周囲を取囲むよ
うにテーパ状に縮径した他のテーパ部2Fとから構成さ
れ、該テーパ部2Fの小径側端部には後述する吐出配管
24の周囲に開口する冷却風の流出口2Gが形成されて
いる。
【0022】3はプーリを示し、該プーリ3は後述の駆
動軸7に一体的に設けられ、電動モータ等(図示せず)
により、ベルト4を介して駆動軸7を回転駆動させる。
【0023】5は駆動軸7に設けられた冷却ファンを示
し、該冷却ファン5は後述のケーシング6の軸受部6C
とプーリ3との間で駆動軸7の突出端側に固着され、該
駆動軸7と一体回転される。そして、該冷却ファン5は
冷却風ダクト2内で図1中の矢示A方向に冷却風を発生
させ、この冷却風によってケーシング6や固定スクロー
ル10等を外側から冷却する。
【0024】6は当該スクロール式空気圧縮機の本体と
なるケーシングを示し、該ケーシング6は図2に示す如
く、円板状の底部6Aと、該底部6Aの外周側から固定
スクロール10側に向けて延設された筒部6Bと、底部
6Aの内周側に形成された段付筒状の軸受部6Cと、筒
部6Bの先端側から径方向内向きに突出し、固定スクロ
ール10に衝合された衝合部6Dと、該衝合部6Dの内
周側に一体形成され、後述する旋回スクロール14の背
面に摺接してスラスト方向の荷重を受承するスラスト受
部6Eとから構成されている。
【0025】7はケーシング6の軸受部6Cに軸受8,
9を介して回転可能に支持された駆動軸を示し、該駆動
軸7の先端側はケーシング6内へと伸長してクランク7
Aとなり、該クランク7Aの軸線は駆動軸7の軸線に対
して所定寸法dだけ偏心している。
【0026】10はケーシング6の先端側を施蓋するよ
うにケーシング6の衝合部6Dに衝合して設けられた固
定スクロールを示し、該固定スクロール10は、その中
心が駆動軸7の軸線と一致するように中央部に配設され
た鏡板11と、該鏡板11の表面11A側からうず巻き
状に立設され、中心側が巻始め端12Aとなり外周側が
巻終り端12Bとなったラップ部12と、該ラップ部1
2および鏡板11の外周側を取囲むように筒状に形成さ
れ、ケーシング6の衝合部6D外周側に衝合した筒部1
3とから構成されている。
【0027】また、固定スクロール10のラップ部12
には図3および図4に示す如く、該ラップ部12の歯元
側に位置して該ラップ部12の外側面を断面U字形状に
切欠くことにより切欠き部12Cが形成され、該切欠き
部12Cは図3に示すようにラップ部12の最外周端と
なる巻終り端12Bから該ラップ部12のうず巻き方向
に沿って周方向に180°前,後に亘り延びている。そ
して、該ラップ部12の歯元側には切欠き部12Cによ
って熱抵抗部となる薄肉部12Dが形成され、該薄肉部
12Dは鏡板11からラップ部12の外周側(巻終り端
12B側)に伝わる熱に対して熱抵抗を与え、ラップ部
12の巻終り端12B側での温度上昇を抑えるようにな
っている。
【0028】14はケーシング6内に位置して駆動軸7
のクランク7Aに旋回可能に設けられた旋回スクロール
を示し、該旋回スクロール14は、円板状に形成された
鏡板15と、該鏡板15の表面15A側からうず巻き状
に立設され、前記固定スクロール10のラップ部12と
同様に中心側が巻始め端16Aとなり外周側が巻終り端
16Bとなったラップ部16と、前記鏡板15の背面1
5B側中央に設けられたボス部17とから構成され、該
ボス部17内にはクランク7Aが旋回軸受18を介して
回転可能に取付けられている。
【0029】また、旋回スクロール14のラップ部16
にも固定スクロール10のラップ部12と同様に、ラッ
プ部16の巻終り端16B(最外周端)から周方向に1
80°前,後の範囲に亘って、ラップ部16の外側面を
部分的に切欠くことにより形成された切欠き部16Cと
熱抵抗部として薄肉部16Dとが設けられ、該薄肉部1
6Dは鏡板15からの熱がラップ部16の巻終り端16
B側に伝わるのを抑えるようになっている。そして、旋
回スクロール14のラップ部16は、固定スクロール1
0のラップ部12に対して所定角度(例えば180°
前,後)だけずらした状態で重なり合うように配設さ
れ、各ラップ部12,16間には後述の各圧縮室20が
形成されている。
【0030】ここで、旋回スクロール14の鏡板15と
ケーシング6との間には、自転防止機構としてのオルダ
ム継手(図示せず)等が配置されている。そして、旋回
スクロール14は、オルダム継手によって自転が防止さ
れることにより、駆動軸7の軸線を中心にして前記所定
半径dの旋回半径をもった旋回運動を続けるようになっ
ている。
【0031】19はケーシング6のスラスト受部6Eと
の間で旋回スクロール14の鏡板15を摺動可能に保持
した環状の受け板を示し、該受け板19は外周側がケー
シング6の衝合部6Dまたは固定スクロール10の筒部
13に固着され、内周側が旋回スクロール14の鏡板1
5に摺接するようになっている。そして、受け板19は
旋回スクロール14から固定スクロール10側に向けて
作用するスラスト方向の荷重を受承することにより、旋
回スクロール14が円滑に旋回運動するのを補償してい
る。
【0032】20,20,…は固定スクロール14のラ
ップ部12と旋回スクロール14のラップ部16との間
に形成された複数の圧縮室を示し、該各圧縮室20は固
定スクロール10に対して旋回スクロール14が旋回運
動をするときに、ラップ部12,16間でその体積が順
次縮小するように形成されている。そして、該各圧縮室
20は、旋回スクロール14が旋回運動することによ
り、後述の吸込ポート21から空気(外気)を取込みつ
つ、この空気を最内周(中心)側の圧縮室20に向けて
順次圧縮する。
【0033】21は固定スクロール10の筒部13側に
穿設された吸込ポートを示し、該吸込ポート21は前記
各圧縮室20のうち最外周側の圧縮室20に吸込室22
を介して連通し、これらの圧縮室20内に空気(外気)
を吸込ませるものである。ここで、吸込室22は固定ス
クロール10の鏡板11と筒部13との間に凹設され、
ラップ部12等を径方向外側から取囲む環状通路として
形成されている。
【0034】23は固定スクロール10の鏡板11中心
部に穿設された吐出ポートを示し、該吐出ポート23は
各圧縮室20のうち最内周側(中心側)の圧縮室20と
連通し、該吐出ポート23には図1に示すように吐出配
管24が接続されている。そして、該吐出配管24の先
端側は外部の空気タンク(図示せず)等に接続され、吐
出ポート23から吐出された圧縮空気をこの空気タンク
内に貯留させる。
【0035】25は駆動軸7に固着されたカウンタウェ
イトで、該カウンタウェイト25は駆動軸7の回転バラ
ンスをとるものである。
【0036】本実施例によるスクロール式空気圧縮機
は、以上の如き構成を有するもので、次にその作動につ
いて説明する。
【0037】まず、駆動軸7を電動モータ等(図示せ
ず)によって回転駆動すると、この回転はクランク7A
から旋回軸受18を介して旋回スクロール14に伝えら
れる。これにより、該旋回スクロール14は、駆動軸7
の軸線を中心として所定寸法dの旋回半径で旋回運動
し、この旋回運動により、吸込ポート21から外部の空
気を吸込室22を介して最外周側の圧縮室20へと吸込
む。そして、この吸込空気は各圧縮室20が連続的に縮
小することにより内周側の圧縮室20内に順次送込まれ
るようにして圧縮され、圧縮空気となって吐出ポート2
3から吐出配管24を介し外部の空気タンク等に吐出さ
れる。
【0038】このとき、吸込ポート21から吸込室22
を介して吸込んだ空気は、各圧縮室20のうち外周側の
圧縮室20から内周側の圧縮室20へと順次高い圧力で
圧縮されるから、内周側(中央側)の圧縮室20には高
温の圧縮熱が発生し、この圧縮熱は、各鏡板11,15
の中央部から外周側へと伝わり、各鏡板11,15全体
が高温状態となってしまう。
【0039】そして、高温状態となった鏡板11,15
からの熱は、ラップ部12,16の外周側(巻終り端1
2B,16B等)にも伝わり、例えば吸込室22内の空
気を高温に加熱させる傾向がある。
【0040】そこで、本実施例では、固定スクロール1
0および旋回スクロール14のラップ部12,16に、
それぞれの歯元側に位置して断面U字状をなす切欠き部
12C,16Cを設け、該切欠き部12C,16Cをラ
ップ部12,16の巻終り端12B,16Bから周方向
に180°前,後に亘って延ばすことにより、ラップ部
12,16の外周側には熱抵抗部としての薄肉部12
D,16Dを形成し、それぞれの鏡板11,15からの
熱がラップ部12,16の外周側(巻終り端12B,1
6B側)等に伝わるのを、薄肉部12D,16Dによっ
て抑制できるようにしている。
【0041】従って、本実施例によれば、固定スクロー
ル10と旋回スクロール14の各鏡板11,15からの
熱がラップ部12,16側に伝わるのを抑制する薄肉部
12D,16Dをラップ部12,16の外周側に設けた
から、空気の圧縮熱で高温になった鏡板11,15から
の熱がラップ部12,16の外周側(巻終り端12B,
16B側)等に伝わるのを確実に防止できると共に、吸
込ポート21から吸込室22内等に吸込んだ空気が温度
上昇してしまうのを確実に抑えるこができ、当該スクロ
ール式空気圧縮機の圧縮効率を大幅に向上できる。
【0042】また、前記薄肉部12D,16Dを形成す
る切欠き部12C,16Cはラップ部12,16のう
ち、最外周端となる巻終り端12B,16Bから周方向
に180°前,後の範囲に亘って延びる構成であるか
ら、吸込ポート21から環状の吸込室22を介して圧縮
室20内に吸込んだ空気が、切欠き部12C,16Cを
介して吸込室22(吸込ポート21)側に漏洩(逆流)
してしまうのを効果的に防止でき、各圧縮室20間を互
いに密閉状態に保持することができる。
【0043】さらに、本実施例では、当該スクロール式
空気圧縮機のケーシング6および固定スクロール10等
を冷却風ダクト2内に収納し、冷却ファン5からの冷却
風を矢示A方向に流通させ、ケーシング6および固定ス
クロール10を冷却風によって外側から冷却する構成と
したから、この冷却風で固定スクロール10および旋回
スクロール14の鏡板11,15等をも冷却でき、ラッ
プ部12,16等の熱膨張や熱変形等を抑えることがで
きると共に、当該スクロール式空気圧縮機全体の温度を
確実に低減でき、これによっても、吸込ポート21側か
ら吸込室22内に吸込んだ空気の温度上昇を抑えること
ができ、吸込空気量(密度)の低下を防止して、圧縮効
率を向上させることができる。
【0044】次に、図5および図6は本発明の第2の実
施例を示し、本実施例の特徴は、固定スクロールのラッ
プ部外側面を、該各ラップ部の歯先から歯元付近まで部
分的に切欠くことにより、熱抵抗部としての薄肉部を形
成したことにある。なお、本実施例では前記第1の実施
例と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省
略する。
【0045】図中、31は固定スクロール10のラップ
部を示し、該ラップ部31は前記第1の実施例で述べた
ラップ部12とほぼ同様に、最内周端側が巻始め端31
Aとなり、最外周端側が巻終り端31Bとなってうず巻
き状に形成されている。しかし、該ラップ部31の外側
面にはその巻終り端31Bから周方向に180°前,後
の範囲に亘って、該ラップ部31の歯先から歯元付近ま
でを部分的に切欠くことにより、切欠き部31Cが形成
されている。そして、該ラップ部31には歯先から歯元
側に亘って切欠き部31Cにより熱抵抗部となる薄肉部
31Dが形成され、該薄肉部31Dは鏡板11からラッ
プ部31の外周側(巻終り端31B側)に伝わる熱に対
して熱抵抗を与え、ラップ部31の巻終り端31B側で
の温度上昇を抑えるようになっている。
【0046】かくして、このように構成される本実施例
のスクロール式空気圧縮機によっても、前記第1実施例
とほぼ同様の作用効果を奏する。特に本実施例では、ラ
ップ部31の歯先から歯元側に亘って薄肉部31Dの長
さ(高さ)寸法を大きく取るようにしたから、ラップ部
31の外周側での温度上昇をより確実に防止することが
でき、圧縮効率を効果的に向上できる。なお、旋回スク
ロール14のラップ部についても、固定スクロール10
のラップ部31と同様に形成すればよい。
【0047】次に、図7および図8は本発明の第3の実
施例を示し、本実施例の特徴は、固定スクロールのラッ
プ部内に向けて鏡板の背面側から軸方向溝を設け、該軸
方向溝によりラップ部を部分的に熱抵抗部となる薄肉部
として形成したことにある。なお、本実施例では前記第
1の実施例と同一の構成要素に同一の符号を付し、その
説明を省略する。
【0048】図中、41は固定スクロール10の鏡板を
示し、該鏡板41は前記第1の実施例で述べた鏡板11
とほぼ同様に形成されているものの、該鏡板41には後
述のラップ部42内に向けて軸方向溝43が形成されて
いる。
【0049】42は固定スクロール10のラップ部を示
し、該ラップ部42は前記第1の実施例で述べたラップ
部12とほぼ同様に、最内周端側が巻始め端42Aとな
り、最外周端側が巻終り端42Bとなってうず巻き状に
形成されている。しかし、該ラップ部42には、鏡板4
1の背面側から軸方向に深い細溝として形成された軸方
向溝43が設けられ、該軸方向溝43はラップ部42の
巻終り端42Bから周方向に180°前,後の範囲に亘
って延びている。
【0050】ここで、軸方向溝43は鏡板41の背面側
からラップ部42の歯元側に達することにより、該ラッ
プ部42の歯元側に熱抵抗部となる二又状の薄肉部42
C,42Cを形成している。そして、該各薄肉部42C
は鏡板41からラップ部42の外周側(巻終り端42B
側)に伝わる熱に対して熱抵抗を与え、ラップ部42の
巻終り端42B側での温度上昇を抑えるようになってい
る。なお、旋回スクロール14のラップ部等について
も、固定スクロール10のラップ部42(鏡板41)と
同様に形成すればよい。
【0051】かくして、このように構成される本実施例
でも、前記第1実施例とほぼ同様の作用効果を奏する。
特に本実施例では、各薄肉部42Cを形成したラップ部
42の両側面を平滑面とすることができ、固定スクロー
ル10と旋回スクロール14のラップ部42間(各圧縮
室20間)等を確実にシールし続けることができる。ま
た、軸方向溝43は、ラップ部42の巻終り端42Bか
ら周方向に180°を越えて延びるように設けた場合で
も、ラップ部42の強度やシール性等に悪影響を与える
ことがなく、鏡板41からの熱がラップ部42の外周側
等に伝わるのをさらに効果的に防止できる。
【0052】なお、前記各実施例では、ラップ部12,
16(31,42)の外側面を部分的に切欠いたり、鏡
板41の背面側から軸方向溝43を設けることにより、
熱抵抗部としての薄肉部12D,16D(31D,42
C)を形成するものとして述べたが、本発明はこれに限
らず、例えばラップ部の歯元側に熱抵抗の高い材料を部
分的に設けたり、また、ラップ部自体を少なくとも巻終
り端(外周)側で熱抵抗の高い材料により形成するよう
にしてもよい。
【0053】また、前記各実施例では、スクロール式流
体機械としてスクロール式空気圧縮機の場合を例に挙げ
て説明したが、例えばスクロール式真空ポンプ等に用い
てもよい。
【0054】
【発明の効果】以上詳述した通り、請求項1に記載の発
明では、固定スクロールと旋回スクロールのうち少なく
ともいずれか一方のスクロールに、鏡板からの熱がラッ
プ部側に伝わるのを抑制する熱抵抗部をラップ部の少な
くとも外周側に設ける構成としたから、各圧縮室のうち
内周側(中央部側)の圧縮室で高温の圧縮熱が発生し、
これが鏡板の中央部から外周側へと伝わり、鏡板全体が
高温状態になっても、鏡板からの熱が外周側のラップ部
に伝わるのを熱抵抗部によって防止でき、吸込ポート側
から吸込んだ流体の温度上昇を抑えることができる。従
って、吸込ポートから吸込む流体の吸込量(密度)が低
下してしまうのを防止でき、圧縮効率を効果的に向上さ
せることができる。
【0055】また、請求項2に記載の発明では、ラップ
部の最外周端から180°前,後の範囲に亘って周方向
に熱抵抗部を形成することにより、吸込ポートから圧縮
室内に吸込んだ流体が熱抵抗部を介して吸込ポート側に
漏洩(逆流)してしまうのを防止でき、各圧縮室間を互
いに密閉状態に保持することができる。
【0056】さらに、請求項3に記載の発明では、鏡板
から外周側のラップ部に伝わる熱に対し薄肉部によって
大きな熱抵抗を与えることができ、外周側のラップ部が
温度上昇するのを確実に防止できる。
【0057】さらにまた、請求項4に記載の発明のよう
に、鏡板の背面側からラップ部内に向けて軸方向溝を設
け、該当するラップ部の部位を薄肉部とすることによっ
ても熱抵抗部を構成でき、ラップ部が温度上昇するのを
抑えることができると共に、薄肉部を形成したラップ部
の両側面を平滑面とすることができ、固定スクロールと
旋回スクロールのラップ部間(各圧縮室間)を確実にシ
ールし続けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例によるスクロール式空気
圧縮機を冷却風ダクト内に収納した状態で示す縦断面図
である。
【図2】図1中のスクロール式空気圧縮機を拡大して示
す縦断面図である。
【図3】図2中の固定スクロール(旋回スクロール)を
ラップ部側から見た平面図である。
【図4】図3中の矢示IV−IV方向から見た拡大断面図で
ある。
【図5】第2の実施例による固定スクロールのラップ部
等を示す平面図である。
【図6】図5中の矢示VI−VI方向から見た拡大断面図で
ある。
【図7】第3の実施例による固定スクロールのラップ部
等を示す平面図である。
【図8】図7中の矢示VIII−VIII方向から見た拡大断面
図である。
【符号の説明】
6 ケーシング 7 駆動軸 10 固定スクロール 11,15,41 鏡板 12,16,31,42 ラップ部 12C,16C,31C 切欠き部 12D,16D,31D,42C 薄肉部(熱抵抗部) 14 旋回スクロール 20 圧縮室 21 吸込ポート 22 吸込室 23 吐出ポート 43 軸方向溝

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケーシングと、該ケーシングの先端側に
    設けられ鏡板にうず巻き状のラップ部が立設された固定
    スクロールと、前記ケーシングに回転可能に設けられ先
    端側がケーシング内に延びた駆動軸と、前記ケーシング
    内に位置して該駆動軸の先端側に旋回可能に設けられ鏡
    板にうず巻き状のラップ部が立設された旋回スクロール
    と、該旋回スクロールと固定スクロールとのラップ部間
    に形成される複数の圧縮室と、該各圧縮室のうち最外周
    側の圧縮室に連通する吸込ポートと、前記固定スクロー
    ルに設けられ前記圧縮室のうち最内周側の圧縮室に連通
    する吐出ポートとからなるスクロール式流体機械におい
    て、前記固定スクロールと旋回スクロールのうち少なく
    ともいずれか一方のスクロールには、前記鏡板からの熱
    がラップ部側に伝わるのを抑制する熱抵抗部を前記ラッ
    プ部の少なくとも外周側に設けたことを特徴とするスク
    ロール式流体機械。
  2. 【請求項2】 前記熱抵抗部は、前記ラップ部の最外周
    端から周方向に180°前,後の範囲に亘って延びる構
    成としてなる請求項1記載のスクロール式流体機械。
  3. 【請求項3】 前記熱抵抗部は、前記ラップ部の外側面
    を部分的に切欠くことにより形成された薄肉部によって
    構成してなる請求項1または2記載のスクロール式流体
    機械。
  4. 【請求項4】 前記熱抵抗部は、前記鏡板の背面側から
    ラップ部内に向けて軸方向溝を設けることにより前記ラ
    ップ部に形成された薄肉部によって構成してなる請求項
    1または2記載のスクロール式流体機械。
JP33480994A 1994-12-20 1994-12-20 スクロール式流体機械 Pending JPH08177775A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010196677A (ja) * 2009-02-27 2010-09-09 Anest Iwata Corp 空冷式スクロール圧縮機

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