JPH08177596A - ディーゼルエンジンの燃料噴射ポンプの制御装置 - Google Patents

ディーゼルエンジンの燃料噴射ポンプの制御装置

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Publication number
JPH08177596A
JPH08177596A JP32846094A JP32846094A JPH08177596A JP H08177596 A JPH08177596 A JP H08177596A JP 32846094 A JP32846094 A JP 32846094A JP 32846094 A JP32846094 A JP 32846094A JP H08177596 A JPH08177596 A JP H08177596A
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JP
Japan
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injection timing
injection
minimum
timing
amount
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Application number
JP32846094A
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English (en)
Inventor
Akira Shirakawa
暁 白河
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B3/00Engines characterised by air compression and subsequent fuel addition
    • F02B3/06Engines characterised by air compression and subsequent fuel addition with compression ignition

Landscapes

  • High-Pressure Fuel Injection Pump Control (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 噴射時期の初期セットにバラツキがあると
きでも、PMの排出量が悪化しないようにする。 【構成】 記憶手段51は少なくともエンジン回転数
に応じた噴射時期を記憶する。アイドル時に燃料噴射量
を調節してエンジン回転数が所定値に保持されるように
アイドル回転数フィードバック制御手段52がフィード
バック制御し、燃料噴射量が最低となる噴射時期とPM
の排出量が最低となる噴射時期との偏差を記憶手段53
が予め記憶する。アイドル回転数のフィードバック制御
時に噴射時期を徐々に変化させて燃料噴射量が最低とな
る噴射時期を計測手段54が計測し、この計測した噴射
量最低噴射時期と前記偏差とに基づいてPMの排出量が
最低となる最適セットを予測手段55が予測すると、こ
の予測した最適セットでエンジン回転数に応じた噴射時
期を補正手段56が補正する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はディーゼルエンジンの
燃料噴射ポンプの制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ディーゼルエンジンでは、燃焼室に燃料
が噴射されてから着火するまでに着火遅れ期間が存在
し、その期間はエンジン回転数に関係なく略一定なの
で、エンジン回転数の上昇にあわせて噴射時期を進角さ
せる必要があることから、メカニカルな分配型噴射ポン
プではタイマー機構をもっており、さらに燃料噴射量、
燃料噴射時期とも電子制御とした分配型噴射ポンプで
は、タイマーピストンの高圧室から低圧側への漏らし量
を調整可能なタイミングコントロールバルブを備えてい
る(自動車技術会発行の「自動車技術ハンドブック」の
ディーゼル噴射の項参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】タイマー機構をもつ上
記の噴射ポンプでは、ポンプのエンジンへの取り付け角
度で噴射時期が初期セットされ、この初期セットを基準
としてすべての回転域における噴射時期が制御される。
この場合に、ポンプの取り付け精度は±1°CA(以下
CAは省略する)と高くなく、ノズルからの噴射時期で
は±2°の誤差が噴射系全体で生じるので、この噴射時
期の初期セットのバラツキにより、排気エミッション特
にPMの排出量が悪くなる。さらに、噴射時期のマップ
値は基本的に燃費が最低となるように定めたとき図20
のように右上がりの直線特性となるのであるが、NOx
やすすの排出量の低減とのバランスをめざしたときは噴
射時期のマップ値が図13示すように単純な直線の特性
でなくなり、こうしたものでは、噴射時期制御に一段と
高い精度が要求されるため、初期セットのバラツキによ
るPM排出量の悪化を無視できなくなっている。
【0004】しかしながら、従来の噴射ポンプでは、こ
うした噴射時期の初期セットのバラツキに対してなんら
考慮されていない。
【0005】また、VE型の噴射ポンプではフェイスカ
ムでプランジャーを駆動しているため、初期セットのバ
ラツキが当初はなかったとしても、ポンプの稼働時間や
負荷に比例してフェイスカムの摩耗が生じたときは、噴
射時期が遅角側にずれ、その結果としてPM排出量が増
える。
【0006】一方、ポンプに生じる噴射時期の初期セッ
トのずれに対応して、噴射ノズル位置での噴射時期も同
じ側にずれるので、この噴射ノズル位置での噴射時期
を、針弁リフトセンサーとTDCセンサーを用いて実際
に検出し、噴射ノズル位置での噴射時期のフィードバッ
ク制御を行うことで、初期セットのバラツキを吸収する
ことは可能であるが、センサーが必要となるため、コス
トアップが生じる。さらに噴射時期センサーの信頼性も
決して高くない。
【0007】そこでこの発明は、アイドル回転のフィー
ドバック制御中に噴射時期を変化させて燃料噴射量が最
低となる噴射時期を計測し、その噴射時期からPM排出
量が最低となる噴射時期の初期セットを予測し、その初
期セットでエンジン回転数に応じて予め記憶されている
噴射時期を補正することにより、噴射時期の初期セット
にバラツキがあるときでも、PMの排出量が悪化しない
ようにすることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、図21に
示したように、少なくともエンジン回転数に応じた噴射
時期を記憶する手段51と、アイドル時に燃料噴射量を
調節してエンジン回転数が所定値に保持されるようにフ
ィードバック制御する手段52と、燃料噴射量が最低と
なる噴射時期とPMの排出量が最低となる噴射時期との
偏差ITdを予め記憶する手段53と、前記アイドル回
転数のフィードバック制御時に噴射時期を徐々に変化さ
せて燃料噴射量が最低となる噴射時期を計測する手段5
4と、この計測した噴射量最低噴射時期と前記偏差IT
dとに基づいて前記PMの排出量が最低となる最適セッ
トを予測する手段55と、この予測した最適セットで前
記エンジン回転数に応じた噴射時期を補正する手段56
とを設けた。
【0009】第2の発明は、第1の発明において、初回
の前記補正を行った後は再補正時期になるまで2回目以
降の補正を行わない。
【0010】第3の発明は、第2の発明において、前記
2回目以降の補正のときは前記噴射量最低噴射時期を計
測する際の噴射時期の変化幅を初回より小さくする。
【0011】第4の発明は、第1から第3までの発明の
いずれか一つにおいて、前記噴射量最低噴射時期の計測
をアイドルアップされた状態で行う。
【0012】第5の発明は、第4の発明において、アイ
ドル時の負荷を検出し、より負荷の大きい状態が発生し
たとき前記噴射量最低噴射時期の計測を行う。
【0013】第6の発明は、第1から第3までの発明の
いずれか一つにおいて、前記噴射量最低噴射時期の計測
を行う際にアイドルアップの負荷指令を強制的に出す。
【0014】
【作用】第1の発明では、アイドル回転数のフィードバ
ック制御時に噴射量最低噴射時期が計測され、この噴射
時期と予め記憶されている偏差とに基づいて最適セット
が予測され、この最適セットでエンジン回転数に応じた
噴射時期が補正されるので、噴射時期の初期セットにバ
ラツキがあっても、そのバラツキが最適セットによって
吸収されることになり、噴射時期の初期セットのバラツ
キによるPM排出量の悪化やフェイスカムの摩耗による
PM排出量の悪化が防止される。
【0015】また、特に追加のセンサーを必要としない
ため、コストアップになることもない。
【0016】噴射時期の補正を頻繁に行うとすれば、噴
射量最低噴射時期の計測のたびに運転性やアイドル音が
変化することになるが、第2の発明では、噴射時期の補
正が一度行われた後は、再補正時期になるまで2回目の
補正が行われないので、運転性やアイドル音の変化を少
なくすることができる。
【0017】第3の発明では、2回目以降の補正のとき
は、噴射量最低噴射時期を計測する際の噴射時期の変化
幅を初回より小さくし、その範囲内で噴射量最低噴射時
期を求めるので、噴射量最低噴射時期の計測が短時間に
行われる。
【0018】第4の発明では、噴射量最低噴射時期の計
測をアイドルアップされた状態で行うので、噴射量最低
噴射時期がより正確に計測されることになり、補正精度
が高まる。
【0019】アイドルアップされた状態で噴射量最低噴
射時期の計測を頻繁に行うとすれば、その計測のたびに
運転性やアイドル音が変化することになるが、第5の発
明では、より負荷の大きい状態が発生したときに計測を
行うので、運転性やアイドル音の変化を少なくすること
ができる。
【0020】エアコンがONにされるなど運転中のアイ
ドルアップを待って噴射量最低噴射時期の計測に入ると
きは、その計測の途中でエアコンのOFFなどによりア
イドルアップが中止されると、噴射量最低噴射時期に計
測誤差が生じてくることも考えられる。このとき、第6
の発明では、アイドルアップの負荷指令を強制的に出す
ので、噴射量最低噴射時期の計測のあいだアイドルアッ
プの状態が変わらず、これによって噴射量最低噴射時期
がより正確に測定できることになり、噴射時期の補正精
度が高まる。
【0021】
【実施例】図1は電子制御の分配型燃料噴射ポンプで、
公知である。
【0022】まず、燃料は、ポンプ本体の図示しない入
口からドライブシャフト(エンジン出力軸に連結されて
いる)2により駆動されるフィードポンプ3によって吸
引され、ポンプ室5に導かれた燃料は、作動部分の潤滑
を行うと同時に吸入ポート6を通って高圧プランジャー
ポンプ7に送られる。
【0023】ポンプ7のプランジャー8は、ドライブシ
ャフト2に連結したカムディスク9に固定されており、
継手2Aを介してドライブシャフト2によりエンジン回
転に同期して駆動される。カムディスク9は、エンジン
のシリンダ数と同数のフィイスカム10をもち、回転し
ながらローラーリング11に配設されたローラー12を
このフェイスカム10が乗り越えるたびに、所定のカム
リフトだけ往復運動する。
【0024】このようにしてプランジャー8が回転しな
がら往復運動をすると、この往復運動によって吸入ポー
ト6から吸引された燃料が分配ポート13よりデリバリ
ーバルブ14を通って図示しない噴射ノズルへと圧送さ
れる。
【0025】一方、燃料の噴射量は、プランジャー8に
形成したカットオフポート15を被覆するコントロール
スリーブ16の位置により決められる。たとえば、カッ
トオフポート15の開口部がプランジャー8の右側への
移動により、コントロールスリーブ16の右端部を越え
ると、それまでプランジャー高圧室7A内から分配ポー
ト13へと圧送されていた燃料が、カットオフポート1
5を通って低圧のポンプ室5へと解放されるので、分配
ポート13への圧送を終了する。
【0026】このため、コントロールスリーブ16をプ
ランジャー8に対して右方向に相対的に変位させると、
燃料噴射終了時期が遅くなって燃料噴射量が増加し、逆
に左方向に変位させたときは燃料噴射終了時期が早まっ
て燃料噴射量が減少するのである。
【0027】コントロールスリーブ16はロータリーソ
レノイド(比例ソレノイドの一種)21のローター(回
転シャフト)22先端に偏心して設けたボール23に支
持され、図2に示したローター22の回転角に応じてコ
ントロールスリーブ位置が変位する。図3にも示したよ
うに、ローター22の回転運動がコントロールスリーブ
16の左右方向への直線運動に変換されるわけである。
【0028】図3において、ローター22の時計方向へ
の回転角が大きくなるほど、コントロールスリーブ16
の右方向への移動量が大きくなる(燃料噴射量が多くな
る)ので、ロータリーソレノイド21に与えるデューテ
ィー値(一定時間当たりのON時間割合)に比例してロ
ーター22の時計方向への回転角が大きくなるようにし
ている。
【0029】燃料の噴射時期は、ローラーリング11に
よりフェイスカム10とローラー12との相対位置を変
化させることによって調整される。
【0030】ローラーリング11は、タイマースライド
ピン25を介してローラーリング11の回転接線方向に
回動自在なタイマーピストン26と連結される。図4に
も示したようにシリンダー27の中で摺動するタイマー
ピストン26の一端面の高圧室28に通路29を介して
ポンプ室5の燃料圧力が導かれ、また反対側の低圧室3
0はフィードポンプ3の吸い込み側に連通して負圧に近
い状態になるが、スプリング31の弾性力でタイマーピ
ストン26を押し戻している。
【0031】ポンプ室5の燃料圧力がエンジン回転の上
昇で高くなると、タイマーピストン30が図4で右方へ
と押され、これによりカムディスク8の回転と逆方向へ
ローラーリング11を回動し、噴射時期を相対的に早め
るように作用する。カムディスク9のフェイスカム10
がローラー12に乗り上げたときに燃料が噴射されるの
で、カムディスク9の回転方向と逆方向にローラーリン
グ11を回動させると、フェイスカム10のローラー1
2に乗り上げる時期がそれだけ早くなり、クランク角に
対する燃料の噴射時期を早めることができるわけであ
る。
【0032】しかしながら、ポンプ室5の燃料圧力は、
エンジン回転数に比例して直線的に増加するので、噴射
時期も基本的にエンジン回転数に比例して直線的に進角
させることができるだけである。このため、バイパス通
路32に設けたタイミングコントロールバルブ33を開
けることによって高圧室28の燃料を低圧側に漏らす
と、同じ回転数でも噴射時期を遅らせることができる。
低圧側への漏らし流量をタイミングコントロールバルブ
33に与えるデューティー値(以下TCVデューティー
値という)により調整するのである。
【0033】ただし、TCVデューティー値は、一定時
間当たりのON時間割合ではなく、一定時間当たりのO
FF時間割合である。TCVデューティー値が100%
(つまりタイミングコントロールバルブ33が全閉位
置)で最大進角となり、0%(タイミングコントロール
バルブ33が全開位置)で最小進角(低圧側への漏らし
流量が最大)となるわけである。OFF時間割合が10
0%ということは、タイミングコントロールバルブ33
が非通電の状態にあることであり、非通電の状態でタイ
ミングコントロールバルブ33を全閉位置としているの
は、フェイルセーフのためである。たとえば、タイミン
グコントロールバルブ33への配線の断線時はタイミン
グコントロールバルブ33が全閉状態(つまりタイミン
グコントロールバルブ33が設けられてないのと同じ状
態)となるのである。
【0034】図5は電子制御の上記噴射ポンプの制御シ
ステム図である。
【0035】コントロールスリーブ位置センサー38
は、図2にも示したようにロータリーソレノイド21の
ローター22と一体に取り付けられ、ローター22の回
転角に応じた信号を出力する。図4にも示したようにタ
イマーピストン位置センサー39は、タイマーピストン
26の変位量を電圧値に変換して出力する。
【0036】リファレンスパルス(Ref信号)は噴射
ポンプ1回転当たり一個のパルス、スケールパルスは噴
射ポンプ1回転当たり36個のパルスである。噴射ポン
プからのこれらのパルスとコントロールスリーブ位置セ
ンサー38、タイマーピストン位置センサー39の各セ
ンサー信号が、アクセル開度を検出するセンサー36、
水温センサー40、エアコンスイッチ41、自動変速機
のシフト位置を検出するインヒビタースイッチ42から
の信号とともに、ECU(エレクトロニックコントロー
ルユニット)35に入力され、マイクロコンピューター
からなるECU35では、上記のロータリーソレノイド
21とタイミングコントロールバルブ33に与える駆動
量をともに制御する。
【0037】ECU35の内部には、少なくとも燃料噴
射量が最低となる噴射時期をエンジン回転数に応じて割
り付けたマップを記憶しており、このマップ値を用いて
噴射時期を制御するとともに、アイドル時には燃料噴射
量を調節して回転数が所定値に保持されるようにフィー
ドバック制御を行う。
【0038】なお、アクセル開度は実際には噴射ポンプ
のコントロールレバー位置より得ている。噴射ポンプか
らの上記2つのRef信号とスケールパルスにもとづ
き、コントロールユニット35内でポンプ回転数が計算
され、このポンプ回転数からさらにエンジン回転数(ポ
ンプ回転数の2倍)Neが計算されることはいうまでも
ない。
【0039】さて、タイマー機構をもつ上記の噴射ポン
プでは、ポンプのエンジンへの取り付け角度で噴射時期
が初期セットされ、この噴射時期の初期セットを基準と
してすべての回転域における噴射時期が制御される。詳
細には、ポンプセット角を含めた静的噴射時期IT〔°
BTDC〕は、 IT=ITset+ITTIMER …(a) ただし、ITset:ポンプセット角〔°BTDC〕 ITTIMER:L〔mm〕×2.44〔°/mm〕 の式で表される。このうち、ITsetは、タイミング
コントロールバルブ全開位置におけるプランジャーのリ
フト始めの圧縮上死点に対する角度のことで、前述した
図4よりポンプセット角以下には噴射時期を遅角できな
いので、ITsetを予め遅角側にしている。なお、タ
イマーピストンの1mmの移動で噴射時期がほぼ2.4
4°進角する構成であり、タイマーピストン移動量L
を、ポンプセット角を基準にした噴射時期進角量に変換
した値が、図13や図20の特性のマップ値なわけであ
る。また、アイドル時のITTIMERの値は0°である。
(a)式で静的噴射時期といっているのはポンプ側の噴
射時期のことで、ノズルの噴射時期と区別するため用い
ている。
【0040】この場合に、ポンプの取り付け精度はあま
り高くないので、初期セット(あるいはポンプセット
角)のバラツキにより、特にPM排出量が悪くなるので
あるが、従来の噴射ポンプでは、こうした初期セットの
バラツキに対してなんら考慮されていない。たとえばI
Tsetに1°のずれが生じたとき(a)式よりITに
も1°のずれが生じる。こうした噴射時期の初期セット
のバラツキがPMとNOxの各排出量に及ぼす影響を図
6に示すと、同図は、エンジンと車両が同一の条件で、
噴射ポンプの初期セット角度をわざと振ってNOx排出
量、PM排出量および燃費を調べた実験結果である。図
において、初期セット角度を振った幅(つまり左右方向
の振れ幅)が、製作と取り付けの両方の誤差を加味した
バラツキ幅に相当する。こうしたバラツキにより、NO
x排出量、PM排出量、燃費を同時に満足していない場
合が多いことがわかる。
【0041】いま、アイドル回転数のフィードバック制
御時に、噴射時期を相違させたときのPM排出量と燃料
噴射量の関係がどうなるかを実験してみると、図7に示
すように、PM排出量と燃料噴射量とがそれぞれ所定の
噴射時期で極小値をとることがわかった。
【0042】同図よりアイドル回転数のフィードバック
制御時に噴射時期を最小進角位置から徐々に動かして燃
料噴射量が最低となるときのITTIMER(これをITq
〔°〕とする)を計測すると、ITset+ITqの静
的噴射時期で噴射量が最低となるのであるから、PM排
出量が最低となるときの静的噴射時期ITP〔°BTD
C〕は、 ITP=ITset+(ITq−ITd) …(b) の式で表される。
【0043】(b)式より(ITq−ITd)がITs
etに対する進角補正量であり、この進角補正量をあら
ためて最適セットITs〔°〕とすれば、このITsに
よってITsetを進角補正することで、ポンプセット
角にバラツキがあっても、PM排出量が最低となる噴射
時期を与えることができる。なお、ITP〔°BTD
C〕と噴射量が最低となるときの静的噴射時期ITQ
〔°BTDC〕とのあいだのクランク角度差ITdは燃
焼室形状と噴射ポンプが定まれば一定であり、あらかじ
め求めて記憶させておく。
【0044】一方、アイドル時以外でもPM排出量が最
低となるときの静的噴射時期を得るには、 ITP=ITset+ITTIMER+ITs …(c) とすればよく、(c)式よりITsでITsetを進角
補正することと、ITsでITTIMERを進角補正ことと
は同等である。ITsでITTIMERを進角補正すること
は、図13や図20に示す特性のマップ値をITsだけ
進角側にシフトさせることを意味する。
【0045】本発明では、このようにして最適セットI
Tsを予測し、そのITsを用いて噴射時期のマップ値
を補正することによって、NOx排出量、PM排出量、
燃費を同時に満足させようというのである。
【0046】なお、図7のように燃料噴射量に極小値が
生じるエンジンは、どちらかといえば特殊な部類のほう
に属するので、一般的なエンジンについても同様の実験
を行ってみると、図8の結果が得られた。一般的なエン
ジンでは、噴射時期の遅角によって燃料噴射量が増加す
るのが普通であるから、このような一般的なエンジンで
は、燃料噴射量が増加側に立ち上がる手前のクランク角
度をITQとして定めればよいことになる。
【0047】図7と図8はITPのほうがITQより遅
角側にきている例であるが、この関係が常に成立するわ
けでなく、図9や図10に示したように、ITQのほう
がITPより遅角側にくるケースも考えられ、通常は、
図10のタイプが最も多いと予測される。いずれにせ
よ、実験でITdを求める際にいずれのタイプに属する
のかが分かるので、属するタイプに応じてITsを求め
るようにすればよい。
【0048】燃焼室形状と噴射ポンプが同じでも、運転
条件の違いでタイプの違いが生じる可能性もあり得る。
図7、図8の特性はEGRを行っているケースで、EG
Rを行わない場合はITdの値が変化する。なぜなら、
EGRを行わない場合は燃費最低点で燃焼が最もよいた
めPM排出量も最低となると思われるからである。
【0049】以上の実験結果を考慮して、この例ではア
イドル回転のフィードバック制御時に噴射時期を変化さ
せて燃料噴射量が最低となるときのITTIMER(IT
q)を計測し、そのITqからPMの排出量が最低とな
るときの最適セットITsを予測し、その最適セットで
噴射時期のマップ値を補正する。
【0050】以下では図7のケースで具体的に述べてい
く。図11は噴射時期の補正を実行するための流れ図
で、バックグランドジョブあるいは時間同期(たとえば
50msec周期)で実行する。
【0051】ステップ1〜5は、噴射時期の補正条件で
あるかどうかを判断する部分で、以下に示す項目を1つ
ずつチェックして、すべての項目を満たす場合に、ステ
ップ8以降の噴射時期の補正操作を行う。
【0052】まずステップ1ではアイドル時かどうかみ
て、アイドル時でないときはスタートに戻る。
【0053】ステップ2では冷却水温Twがしきい値T
w1とTw2の間にあるかどうかみて、この範囲内にな
ければスタートに戻る。暖機完了前(Tw<Tw1)や
高水温時(Tw2<Tw)は燃料噴射量が増量補正され
ることがあるので、スタートに戻される。
【0054】ステップ3では燃料温度Tfが所定の範囲
(Tf1≦Tf≦Tf2)にあるかどうかみて、所定の
範囲をはずれているときはスタートに戻る。所定の範囲
はほぼ40℃を中心とする範囲である。所定の範囲以外
では燃料粘度が変化して実際の噴射時期が変わってくる
からである。
【0055】ステップ4と5ではエンジン回転数Neと
燃料噴射量Qとが各所定の範囲にあるかどうかみて、回
転数Ne、燃料噴射量Qのいずれかでも所定の範囲にな
いときはスタートに戻る。回転数のアイドルアップが行
われるときは所定の範囲をはずれる。エアコンの作動
時、バッテリー電圧の低下時、パワステアリングの据え
切りが行われたときなどには燃料噴射量Qが所定の範囲
をはずれる。
【0056】アイドル時でかつ冷却水温、燃料温度、回
転数、燃料噴射量のすべてが各所定の範囲にあるとき初
めてステップ6に進み、燃料噴射量が最低となるときの
ITTIMER(ITq)を計測する。このITqの計測は
図12のフローチャートで説明する。
【0057】図12のステップ21では噴射時期変化量
ITn〔°〕に0を入れることによって初期化する。
【0058】ステップ22ではこのITnを指令噴射時
期ITi(=ITTIMER)とし、このITiに応じた制
御命令(つまりTCV=0%)をステップ23で出力
し、かつITnの値を記憶する。このときの噴射時期は
最小進角位置(ポンプセット角にバラツキがなければ2
0°BTDC)である。
【0059】噴射時期を最小進角位置としたことによっ
て回転数が低下するので、アイドル回転数のフィードバ
ック制御により燃料噴射量が増やされる。つまり、回転
数と噴射量が変化するので、ステップ24,25で単位
時間当たりの回転変動量ΔNeと単位時間当たりの噴射
量変動量ΔQを各所定値と比較し、回転変動量ΔNeが
所定値Nest以下かつ噴射量変動量ΔQが所定値Qs
t以下となるまではステップ26に進むことなく待機
し、回転変動量ΔNeが所定値Nest以下かつ噴射量
変動量ΔQが所定値Qst以下となったとき、変動が収
束したと判断してステップ26に進む。
【0060】ステップ26では変動が収束したタイミン
グでの燃料噴射量QをITn時の燃料噴射量Qnとし
て、ITnの値とともにカップルにして記憶する。
【0061】ステップ27では噴射時期変化量ITn
を、 ITn=ITn+ITk …(1) ただし、ITk:一定値 の式で大きくし、ステップ28でこのITnの最大量I
Teを比較する。ITn<ITeであれば、ステップ2
2〜27を繰り返す。(1)式によって噴射時期を最小
進角位置から一定値ITk(たとえば0.4°CA程
度)ずつ進角側に移動させてゆくわけである。この過程
で、Qnの各データがサンプリングされてゆく。図7の
例ではQnが徐々に小さくなり、極小値を取ったあとふ
たたび大きくなっていく。
【0062】ITn≧ITeになったタイミングでステ
ップ29に移り、複数個のQnのデータの中から最小の
Qnを求め、その最小のQnとカップルになっているI
TnをITq〔°〕として決定する。
【0063】このようにしてITqを計測したら、図1
1に戻り、ステップ7で最適セット値ITs〔°〕を、 ITs=ITq−ITd …(2) の式で求め、このITsだけステップ8で噴射時期のマ
ップ値を進角側にシフトして書き換える。
【0064】上記のITqは、図7においてたとえば左
端(最小進角位置)を基準とした進角値であり、ITs
もまた最小進角位置からの進角値である。当初の噴射時
期のマップ値の特性を図13に示すと、初期セット位置
で破線の特性であったものが、これを上方(進角側)に
ITsだけずらせた実線の特性が補正後の噴射時期の進
角特性になるわけである。
【0065】なお、図13からは、エンジン回転数Ne
だけをパラメーターとして噴射時期が求められるように
思われるが、実際には、図20にも示したように、エン
ジン負荷をもパラメーターとして噴射時期が求められる
ことはいうまでもない。
【0066】なお、ITsは実験では圧縮上死点からの
進角値であったが、圧縮上死点からの遅角値になるケー
スもあると考えられ、このときは噴射時期のマップをI
Tsだけ遅角側にシフトして書き換えることになる。
【0067】ここで、この例の作用を図7を参照しなが
ら説明する。
【0068】この例では、アイドル回転数のフィードバ
ック制御時に噴射時期の補正条件が満たされると、燃料
噴射量が最低となるときのITqが計測され、このIT
qよりあらかじめ記憶してあるITdだけ遅角側の値が
最適セットITsとして求められ、この最適セットIT
sを用いて、図13のように噴射時期の進角特性全体が
進角側にシフトして書き換えられる。すなわち、燃料噴
射量が最低となるときのITqからPM排出量が最低と
なる最適セットITsを予測しているわけで、この予測
した最適セットで噴射時期のマップ値を補正することに
より、噴射時期の初期セットのバラツキによるPM排出
量の悪化やフェイスカムの摩耗によるPM排出量の悪化
を防ぐことができるのである。
【0069】また、特に追加のセンサーを必要としない
ため、コストアップになることもない。
【0070】また、噴射時期の補正条件を定め、冷却水
温、燃料温度、エンジン回転数、アクセル開度が所定の
条件を満たすときだけITqを計測するようにしている
ので、ITqの精度が向上する。
【0071】図14は第2実施例で、図11に対応す
る。図11と相違するのは、ステップ11、12、1
3、14を追加した点である。
【0072】ステップ11では噴射時期が補正済みかど
うかを噴射時期補正フラグ(図ではIT補正フラグ)か
らみる。補正が一度も行われてないときはフラグがOF
Fであることからステップ6,7,8に進んで、第1実
施例と同じに噴射時期の補正を行った後、ステップ14
で噴射時期補正フラグをONにする。
【0073】ステップ15では最適セットITsと前回
の最適セットITsbとの差dITsを計算し、2回目
以降の補正に備える。
【0074】次回にステップ11にきたときは、フラグ
ONよりステップ12に流れ、再補正時期かどうかをみ
る。これは、たとえば噴射時期の補正を行ったタイミン
グでポンプ回転数の積算を開始し、その積算値が所定値
に達したとき再補正時期であると判断する。再補正時期
になると、ステップ13で前回のITsをITsbとし
て記憶した後、ステップ6,7,8で噴射時期のマップ
値を全体的にシフトさせる補正を行う。再補正時期の間
隔は、ポンプフェイスカムの摩耗による噴射時期の遅角
を考慮して定めるが、噴射時期の再補正の前後で運転感
覚が大きく変わらないように配慮する。
【0075】図15においては、ステップ31で噴射時
期補正フラグをみてONであれば、ステップ32〜35
でITq計測時の噴射時期の変化幅を小さくする。詳細
にはステップ32,33で学習時ITn初期値ITng
と学習時ITn最大値ITegを、 ITng=(dITs×C1)×ITng0 …(3) ITeg=(dITs×C1)×ITeg0 …(4) ただし、ITng0:ITnの学習初期値 ITeg0:ITeの学習初期値 c1:0から1のあいだの定数 の式で計算し、ステップ34,35でITnとITe
を、 ITn=ITq−ITng …(5) ITe=ITq+ITeg …(6) の式で計算する。
【0076】(3),(4)式のdITsは補正のたび
に徐々に0に近づいてゆくので、これに合わせて、IT
ngとITnも小さくなってゆく。たとえば、初回のI
Tnがほぼ20°、ITeがほぼ28°であったとすれ
ば、噴射時期の変化幅は8°であるが、上記のステップ
32,33,34,35の操作によって、2回目の変化
幅が8°より小さくなるのである。
【0077】第1実施例のように、補正条件が成立する
たびに噴射時期の補正を行うとすれば、ITqの計測の
たびに運転性やアイドル音が変化するが、この例では、
噴射時期の補正を一度行った後は、再補正時期と判断さ
れるまで2回目の噴射時期の補正に際してのITqの計
測が行われないので、運転性やアイドル音の変化を少な
くすることができる。
【0078】また、再補正時期には前回のITq計測時
の変化幅を狭め、その範囲内でITqを求めるので、I
Tqの計測を短時間に行うことができる。
【0079】図16は第3実施例で、第1実施例の図1
1に対しステップ41,42を追加したものである。
【0080】ステップ41では、アイドル時におけるエ
ンジン負荷状況の検出処理を図17のサブルーチンにし
たがって行う。
【0081】図17において、ステップ51ではラジエ
ーターファンの作動状態をみて、ラジエーターファンが
ONであればステップ52で負荷係数F1を1.05と
して記憶し、それ以外ではステップ53に飛んでF1=
1とする。ステップ54ではエアコンの作動状態をみて
これがONであればステップ55で負荷係数F2を1.
2とし、それ以外ではステップ56でF2=1とする。
同様にして、ステップ57ではパワーステアリングの状
態をみてパワーステアリングの据え切りが行われている
ときはステップ58で負荷係数F3を1.5とし、それ
以外ではステップ59でF2=1とする。ステップ60
ではシフト位置をみて、シフト位置がDレンジのときは
ステップ61で負荷係数F4を1.1とし、それ以外で
はステップ62でF4=1とする。
【0082】ステップ63では F=F1×F2×F3×F4 …(7) の式により総負荷係数Fを計算し、計算結果(F値)を
ステップ64で記憶する。
【0083】ラジエーターファンなど4つの場合で代表
させたが、これらは燃料噴射量の増量補正が行われてア
イドル回転がアップされる場合の例であり、いずれかの
増量補正が行われるときは、Fが1を越える値になる。
なお、1.05と1.2とかいった負荷係数の値は補機
負荷の大きさに対応させたものである。
【0084】このようにしてFを計算したら図16に戻
り、ステップ42でF値と前回のF値を比較し、前回の
F値以上になっているときだけステップ6以降に進んで
ITqの計測を行う。
【0085】この例ではアイドル回転のフィードバック
制御中におけるエンジンの負荷状態を調べ、できるだけ
エンジン負荷が高い状態でITqの計測を行うようにし
たので、ITqがより正確に計測できるため、噴射時期
の補正精度を高めることができる。
【0086】図18は第4実施例で、第2実施例の図1
4に対応する。図14と相違して、図18は工場出荷時
あるいは自動車整備工場等でだけ走らせるフローで、よ
り正確に噴射時期の補正を行うために、アイドル回転数
のフィードバック制御時に強制的にエンジンに負荷がか
かるようなエンジン負荷命令を出した上で、初回の噴射
時期の補正を行わせるようにするものである。
【0087】図18のステップ71では噴射時期補正フ
ラグをみて、フラグがONであれば、ステップ72に進
み、エンジン負荷指令を図19のサブルーチンにしたが
って行う。
【0088】図19において、ステップ81では噴射時
期補正中(図ではIT補正中)であることを、メータに
設けられた適当なランプを点滅させることで作業者に知
らせる。
【0089】ステップ82ではアクセル信号をキャンセ
ルし、ステップ83と84でラジエーターファンとエア
コン用コンプレッサーとを強制的にONにする。
【0090】なお、エンジン制御用のECU35と通信
装置を介して連絡することで、エンジンの各種の診断を
行うことのできるハンディタイプの装置があるが、この
装置を利用することもできる。この装置における作業項
目に、このエンジン負荷指令メニューを組み込んでおく
ことで、エンジン用ECU35と連絡をとりながら、初
回の噴射時期の補正を行わせるのである。
【0091】第3実施例では、たとえばエアコンが作動
している状態でITqの計測に入ったのに、その計測の
途中でエアコンがOFFにされるときなどには、ITq
に計測誤差が生じてくることも考えられる。これに対し
て、第4実施例では、ITqの計測のあいだは、補機負
荷の作動状態が変わらないようにできるので、ITqが
より正確に測定でき、噴射時期の補正精度を高めること
ができる。
【0092】実施例ではエンジン回転数と負荷をパラメ
ーターとして噴射時期のマップ値を割り付けている例で
説明したが、エンジン回転数だけをパラメーターとする
噴射時期のテーブルを備える場合であっても、本発明を
適用できることはいうまでもない。
【0093】
【発明の効果】第1の発明は、少なくともエンジン回転
数に応じた噴射時期を記憶する手段と、アイドル時に燃
料噴射量を調節してエンジン回転数が所定値に保持され
るようにフィードバック制御する手段と、燃料噴射量が
最低となる噴射時期とPMの排出量が最低となる噴射時
期との偏差を予め記憶する手段と、前記アイドル回転数
のフィードバック制御時に噴射時期を徐々に変化させて
燃料噴射量が最低となる噴射時期を計測する手段と、こ
の計測した噴射量最低噴射時期と前記偏差とに基づいて
前記PMの排出量が最低となる最適セットを予測する手
段と、この予測した最適セットで前記エンジン回転数に
応じた噴射時期を補正する手段とを設けたので、噴射時
期の初期セットのバラツキによるPM排出量の悪化やフ
ェイスカムの摩耗によるPM排出量の悪化を防ぐことが
でき、かつコストアップになることがない。
【0094】第2の発明は、第1の発明において、初回
の前記補正を行った後は、再補正時期になるまで2回目
以降の補正を行わないので、運転性やアイドル音の変化
を最小限にとどめることができる。
【0095】第3の発明は、第2の発明において、前記
2回目以降の補正のときは前記噴射量最低噴射時期を計
測する際の噴射時期の変化幅を初回より小さくするの
で、噴射量最低噴射時期の計測を短時間に行うことがで
きる。
【0096】第4の発明は、第1から第3までの発明の
いずれか一つにおいて、前記噴射量最低噴射時期の計測
をアイドルアップされた状態で行うので、噴射量最低噴
射時期がより正確に計測されることになり、補正精度を
高めることができる。
【0097】第5の発明は、第4の発明において、アイ
ドル時の負荷を検出し、より負荷の大きい状態が発生し
たとき前記噴射量最低噴射時期の計測を行うので、アイ
ドルアップされた状態での運転性やアイドル音の変化を
少なくすることができる。
【0098】第6の発明は、第1から第3までの発明の
いずれか一つにおいて、前記噴射量最低噴射時期の計測
を行う際にアイドルアップの負荷指令を強制的に出すの
で、噴射量最低噴射時期の計測のあいだアイドルアップ
の状態が変わらず、これによって噴射量最低噴射時期が
より正確に測定できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電子制御の分配型燃料噴射ポンプの縦断面図で
ある。
【図2】ロータリーソレノイドの斜視図である。
【図3】ロータリーソレノイドの回転シャフトとコント
ロールスリーブとの位置関係をを示す図である。
【図4】タイマー部分の断面図である。
【図5】電子制御噴射ポンプの制御システム図である。
【図6】噴射時期の初期セットがエミッションに及ぼす
影響を調べた実験結果である。
【図7】アイドル回転数のフィードバック制御時におけ
る静的噴射時期に対する燃料噴射量とPM排出量の特性
図である。
【図8】アイドル回転数のフィードバック制御時におけ
る静的噴射時期に対する燃料噴射量とPM排出量の特性
図である。
【図9】アイドル回転数のフィードバック制御時におけ
る静的噴射時期に対する燃料噴射量とPM排出量の特性
図である。
【図10】アイドル回転数のフィードバック制御時にお
ける静的噴射時期に対する燃料噴射量とPM排出量の特
性図である。
【図11】噴射時期のマップ値の補正を説明するための
流れ図である。
【図12】ITqの計測を説明するための流れ図であ
る。
【図13】第1実施例の静的噴射時期の進角特性図であ
る。
【図14】第2実施例の噴射時期のマップ値の補正を説
明するための流れ図である。
【図15】第2実施例のITqの計測を説明するための
流れ図である。
【図16】第3実施例の噴射時期のマップ値の補正を説
明するための流れ図である。
【図17】第3実施例のエンジン負荷状況の検出処理を
説明するための流れ図である。
【図18】第4実施例の噴射時期のマップ値の補正を説
明するための流れ図である。
【図19】第4実施例のエンジン負荷指令を説明するた
めの流れ図である。
【図20】従来例の静的噴射時期の進角特性図である。
【図21】第1の発明のクレーム対応図である。
【符号の説明】
16 コントロールスリーブ 26 タイマーピストン 31 タイマースプリング 33 タイミングコントロールバルブ 35 ECU 51 噴射時期記憶手段 52 アイドル回転数フィードバック制御手段 53 偏差記憶手段 54 噴射量最低噴射時期計測手段 55 最適セット予測手段 56 噴射時期補正手段

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくともエンジン回転数に応じた噴射時
    期を記憶する手段と、 アイドル時に燃料噴射量を調節してエンジン回転数が所
    定値に保持されるようにフィードバック制御する手段
    と、 燃料噴射量が最低となる噴射時期とPMの排出量が最低
    となる噴射時期との偏差を予め記憶する手段と、 前記アイドル回転数のフィードバック制御時に噴射時期
    を徐々に変化させて燃料噴射量が最低となる噴射時期を
    計測する手段と、 この計測した噴射量最低噴射時期と前記偏差とに基づい
    て前記PMの排出量が最低となる最適セットを予測する
    手段と、 この予測した最適セットで前記エンジン回転数に応じた
    噴射時期を補正する手段とを設けたことを特徴とするデ
    ィーゼルエンジンの燃料噴射ポンプの制御装置。
  2. 【請求項2】初回の前記補正を行った後は再補正時期に
    なるまで2回目以降の補正を行わないことを特徴とする
    請求項1に記載のディーゼルエンジンの燃料噴射ポンプ
    の制御装置。
  3. 【請求項3】前記2回目以降の補正のときは前記噴射量
    最低噴射時期を計測する際の噴射時期の変化幅を初回よ
    り小さくすることを特徴とする請求項2に記載のディー
    ゼルエンジンの燃料噴射ポンプの制御装置。
  4. 【請求項4】前記噴射量最低噴射時期の計測をアイドル
    アップされた状態で行うことを特徴とする請求項1から
    3までのいずれか一つに記載のディーゼルエンジンの燃
    料噴射ポンプの制御装置。
  5. 【請求項5】アイドル時の負荷を検出し、より負荷の大
    きい状態が発生したとき前記噴射量最低噴射時期の計測
    を行うことを特徴とする請求項4に記載のディーゼルエ
    ンジンの燃料噴射ポンプの制御装置。
  6. 【請求項6】前記噴射量最低噴射時期の計測を行う際に
    エンジンにアイドルアップの負荷指令を強制的に出すこ
    とを特徴とする請求項1から3までのいずれか一つに記
    載のディーゼルエンジンの燃料噴射ポンプの制御装置。
JP32846094A 1994-12-28 1994-12-28 ディーゼルエンジンの燃料噴射ポンプの制御装置 Pending JPH08177596A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102606328A (zh) * 2012-03-23 2012-07-25 潍柴动力股份有限公司 根据喷油器磨损程度控制喷油的方法和系统
CN114992028A (zh) * 2022-06-30 2022-09-02 东风商用车有限公司 一种油泵安装角度的识别控制方法

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