JPH08177482A - マフラー - Google Patents

マフラー

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JPH08177482A
JPH08177482A JP33961094A JP33961094A JPH08177482A JP H08177482 A JPH08177482 A JP H08177482A JP 33961094 A JP33961094 A JP 33961094A JP 33961094 A JP33961094 A JP 33961094A JP H08177482 A JPH08177482 A JP H08177482A
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muffler
cover
muffler cover
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cover plate
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Yoshiro Yamane
芳郎 山根
Tadao Yashirodai
忠雄 八代醍
Kazuhiko Takemoto
和彦 竹本
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Kawasaki Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 組立・分解に手間がかからず、取り扱いが容
易で、小型軽量化が図れるマフラーを提供する。 【構成】 エンジン1側に取り付けられるマフラー本体
11とこのマフラー本体に接合される蓋板12とマフラ
ーカバー13とに分割されたマフラー10であって、マ
フラーカバー13を熱硬化性樹脂で成形するとともに、
その表面に多数のリブ13cを熱硬化性樹脂で一体に突
設し、蓋板12を板金で形成し、この蓋板12を断熱材
層18を介在させてマフラーカバー13の内面に一体的
に装着している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、主として刈払い機や
発電機などを駆動するための小型エンジン(汎用エンジ
ンともいう)に取り付けられるマフラーの改良に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】この種のマフラーは、一般に、図10に
示すように、マフラー本体21とその蓋体22とに二分
割され、マフラー本体21がエンジン1に取り付けられ
る。マフラー本体21と蓋体22は、アルミニウム合金
でダイキャスト成形したり、板金で成形したりしてい
る。またこのようにマフラーが金属材料で成形されるこ
とから、マフラー表面が排気ガスの温度(400℃以
上)近くまで熱くなるため、マフラーの周囲を覆う樹脂
製のマフラーカバー23を取り付けている。なお、マフ
ラーカバー23は直接に熱が伝わるのを避けるため、マ
フラーの蓋体22から離して設けられている。なお、図
中の符号26はステー、27は取付用ネジ(ボルト)を
示す。
【0003】こうした構造のマフラーは、例えば、実開
昭62−184124号公報や実開平4−89819号
公報に記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来構造のマ
フラーでは、次のような不都合がある。すなわち、 マフラーカバー23が蓋体22と別体であるうえ
に、蓋体22との間に断熱用の空間部を設けているた
め、マフラーカバー23がマフラーの本体部分(マフラ
ー本体21および蓋体22)に比べてかなり大きくな
り、汎用エンジン全体の小型軽量化を阻害する。
【0005】 マフラーカバー23が蓋体22とは別
体で、蓋体22はマフラー本体21に取り付けられて接
合されるが、この蓋体22の取り付けとは別に、マフラ
ーカバー32を取り付ける必要があるため、組み立てに
手間がかかる。当然に、分解にも手間がかかる。
【0006】この発明は従来のマフラーにおける上記し
た不都合な点を解消するもので、組立・分解に手間がか
からず、取り扱いが容易で、小型軽量化が図れるマフラ
ーを提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めにこの発明のマフラーは、a)エンジン側に取り付けら
れるマフラー本体とこのマフラー本体に接合される蓋板
とマフラーカバーとに分割されたマフラーにおいて、b)
前記マフラーカバーを熱硬化性樹脂で成形するととも
に、その表面に多数のリブを熱硬化性樹脂で一体に突設
し、c)前記蓋板を板金で形成し、この蓋板を断熱材層を
介在させて前記マフラーカバーの内面に一体的に装着し
ている。
【0008】請求項2に記載のように、d)前記マフラー
カバーに複数個の取付ネジ用穴を穿設するとともに、各
穴内にカラーをその一部を前記マフラーカバーの内面よ
りわずかに突出させて嵌着し、e)前記蓋板を各カラーの
前記突出端に当接させることにより、前記マフラーカバ
ーの内面と蓋板との間にわずかに隙間を設けるのが望ま
しい。
【0009】請求項3に記載のように、f)前記蓋板を方
形状に形成し、その一縁から2つの係止片を間隔をあけ
て外向きに延設するとともに、対向縁の中央部に取付穴
を有する支持片を外向きに延設し、g)前記マフラーカバ
ーの内面側に、前記各係止片に対応する係止穴部を設け
るとともに、前記支持片の取付穴に対応する突起部を設
け、h)前記蓋板の各係止片を前記マフラーカバーの係止
穴部に緩挿するとともに、前記蓋板の支持片の取付穴を
前記マフラーカバーの突起部に嵌め込みスプリングバッ
ク式のワッシャーで止着してもよい。
【0010】請求項4に記載のように、i)前記熱硬化性
樹脂を、ガラス繊維を含浸させたフェノール樹脂にする
となおよい。
【0011】請求項5記載のように、j)前記リブの高さ
を、交互にあるいは数本おきに変化させることができ
る。
【0012】
【作用】上記した構成を有する本発明のマフラーによれ
ば、マフラー本体があらかじめエンジンに取り付けられ
た状態で、マフラーカバーが蓋板と一体の状態でマフラ
ー本体に取り付けられるなど、マフラーカバーと蓋板と
は常に(清掃時を除く)一体化された状態で取り扱われ
る。したがって、蓋板およびマフラーカバーの取り付け
あるいは取り外しが、それぞれ一回の作業で終了するこ
とになり、蓋板(蓋体)とマフラーカバーが完全に別体
で個々に取り付けなければならない従来のマフラーに比
べて、作業が簡単でかつ作業時間が短縮される。また、
製造面から見た場合にも、蓋板(蓋体)に対しマフラー
カバーを取り付けるためのネジなどの部品が減ることに
なり、組立・分解が容易で保守管理も楽になり、製造コ
ストが低減される。
【0013】機能上は、高温の排気ガスがマフラー本体
と蓋板との空間部内を通るが、上記c)の断熱材層にて
断熱され、マフラーカバーには排気ガスの熱が直接伝わ
らない、蓋板の温度はかなり高温(排気ガス温度近
く)になるが、マフラーカバーの表面には多くの放熱用
のリブを設けているため、リブの先端部では温度が低下
する、マフラーカバーは熱硬化性樹脂で形成され、ま
た多数のリブが補強する作用を有しているから、熱によ
る変形がない、などの理由で上記した従来構造のマフラ
ーと比べて優れている。
【0014】さらにマフラーカバーと蓋板とを一体的に
装着したことで、蓋板(蓋体)とマフラーカバーとの間
に隙間(空間部)がほとんどない状態になるから、従来
のマフラーカバー付きマフラーに比べて全体の容積が縮
小される。この結果、エンジンからの突出部分の容積が
削減され、小型化および軽量化が図られるほか、外観的
にも良好になる。
【0015】結局、本発明のマフラーは、マフラーカバ
ーと蓋体が完全に別体であった従来のマフラー構造にお
いて、蓋体を(薄い板状の)蓋板に形成し、マフラーカ
バーに一体的に組み込み、実質的に一部品(マフラーカ
バー又は蓋体)としての取り扱いを可能にしたことによ
り、組立・分解などの作業が容易になり、またマフラー
自体の小型軽量化が簡単に図れるようになり、しかもマ
フラーとしての機能面においても、従来のマフラーに比
べて遜色がなく、むしろ優れたものになっている。
【0016】請求項2記載のマフラーによれば、マフラ
ー本体に対しマフラーカバーをボルトなどの取付ネジで
締め付けて固定することにより、蓋板が複数のカラーを
介してマフラー本体に押し付けられ、堅固に接合される
とともに、マフラーカバーも複数の取付ネジを介してマ
フラー本体に堅固に固定される。また蓋板は複数のカラ
ーの突出端に当接し、マフラーカバーの内面からわずか
に浮き上がった状態に支持されることから、マフラーカ
バーの内面と蓋板との間に微小な隙間がほぼ全面にわた
って均一に形成される。このため、排気ガスに接触する
蓋板は高温になるが、マフラーカバーには複数のカラー
を介して蓋板の熱の一部が伝達されるだけで、マフラー
カバーの温度は大きくは上昇せず、したがってマフラー
カバーの熱劣化が生じにくく、耐久性が向上する。
【0017】請求項3記載のマフラーによれば、蓋板の
2つの係止片をマフラーカバーの係止穴部に緩挿した状
態で、2つの係止片を支点にして蓋板の対向する側の支
持片の取付穴をマフラーカバーの突起部に嵌め込み、そ
の突起部にスプリングバック式ワッシャーを嵌着するこ
とにより、マフラーカバーに対し蓋板を一体的に装着で
きる。一方、スプリングバック式ワッシャーをマフラー
カバーの突起部から取り外したのち、蓋板の2つの係止
片を支点にして蓋板の対向する側をマフラーカバーから
引き上げることにより、支持片(の取付穴)をマフラー
カバーの突起部から抜き取り、蓋板を支持片側に引き抜
いて2つの係止片をマフラーカバーの係止穴部から抜き
取ることにより、マフラーカバーから蓋板を取り外せ
る。
【0018】請求項4記載のマフラーによれば、ガラス
繊維を含浸したフェノール樹脂でマフラーカバーが形成
されたことで、耐熱性ならびに強度が一段と向上し、ま
た樹脂自体の熱伝導率も低いことから、その表面温度が
さらに降下する。
【0019】請求項5記載のマフラーによれば、手など
が接触するときに山の高いリブにしか接触しないので、
接触範囲(接触面積)が狭い。
【0020】
【実施例】以下、この発明のマフラーの実施例を図面に
基づいて説明する。
【0021】図1は本発明の実施例にかかるマフラー
(断面で表した)を備えた2サイクル汎用エンジンを概
略的に示す正面図、図2はマフラーカバーの一実施例を
示す正面図、図3は図2のマフラーカバーの背面図、図
4は図2のマフラーカバーの左側面図、図5は図2のマ
フラーカバーの平面図、図6は蓋板の一実施例を示す背
面図、図7は図6の蓋板の右側面図、図8はガスケット
の一例を示す正面図、図9(a)はマフラーカバーの内面
に蓋板を一体的に組み込んだ状態を示す中央縦断面図
で、図9(b)はスプリングバック式ワッシャーの正面図
である。
【0022】図1に示すように、エンジン1の中央部の
背面に、操作ノブ2を備えたリコイルスタータ(図示せ
ず)が併設されている。エンジン1の右側にマフラー1
0が配設されている。エンジン1の左側には、キャブレ
ター4が配設され、このキャブレター4にエアクリーナ
5が接続されている。エンジン1の下面には、燃料タン
ク3が固定されている。
【0023】さて、マフラー10は、アルミダイキャス
ト又は板金などで成形された金属製のマフラー本体11
と金属製の蓋板12と合成樹脂製のマフラーカバー13
とに三分割され、マフラー本体11はエンジン1に取付
用ネジ7で取り付けられている。
【0024】蓋板12は板金で形成された鋼板の薄い板
からなり、マフラーカバー13の内面凹凸形状に対応す
るように形成され、マフラーカバー13の内面側に一体
的に組み込み、あたかも従来の蓋体をマフラーカバーを
兼ねた形態としている。蓋板12は、図6・図7に示す
ように略四角形で、中央部分が大きく一方に窪んだ凹所
12aに形成され、凹所12aの周縁部12bが平坦状
に形成され、その外周に内向きの枠部12cが形成され
ている。周縁部12bには、後述のネジ穴14aに対応
する位置に、ネジ穴12dが開口されている。枠部12
cの一縁に、幅方向に間隔をあけて2つの係止片12e
が外向きにそれぞれ突設され、またその対向縁の中央に
支持片12fが外向きに突設され、支持片12fには取
付穴12gが穿設されている。さらに凹所12aの一部
を、図7のようにさらに一方に窪ませたうえ、横向きに
開口して排気筒12h(図6)を固着している。
【0025】また、マフラーカバー13は、本例では、
ガラス繊維を含浸させたフェノール樹脂で一体成形され
ている。成形法として本例の場合には、SMC、すなわ
ち一定厚みの板状のフェノール樹脂材を金型で加圧する
と同時に加熱して成形する方法を採用している。熱硬化
性樹脂には、フェノール樹脂のほか、尿素樹脂、メラミ
ン樹脂などがある。が、耐熱変形温度が高く(250℃
以上)且つ曲げ強さが大きい(14kgf/mm)こ
とから、ガラス繊維入りフェノール樹脂(本例ではガラ
ス含有率30%)が望ましい。
【0026】マフラーカバー13は、図2〜図5に示す
ように、一面を開口した略四角形状の、従来の蓋体22
(図10)に対応する箱形部13aと、この箱形部13
aの周縁から開口方向にやや拡がるように延設されたス
カート部13bとを備えている。また、箱形部13aの
表面には、図2のように横方向に伸びるリブ(フィンと
もいう)13cが一定の間隔で突設され、また取付用ネ
ジ15(図1)のネジ穴(4カ所)14aが貫通し、ネ
ジ15の頭部15aが収容される凹所14が設けられ、
この凹所14の周囲にはネジ15の頭部15aが外方へ
突出しないように円筒形の周壁14bが突設されてい
る。なおリブ13cの突出量(高さ)は、リブ先端に手
が触れても熱くない程度に温度降下が十分に生じるよう
5mm以上にし、また手などが触れる場合でもリブ全面
に触れるのを防ぐため、図1・図4・図5などに示すよ
うに、リブ13cの山の高さを交互に変えたり、数本お
きに変えたりしている。また、リブ13cはスカート部
13bまで連続して設けている。さらにマフラーカバー
13の箱形部13aの一端には、図2のように排気孔1
6をリブ13cと平行に横向きに開口させている。
【0027】また、スカート部13bの内面において、
図3に示すように、1つの内壁面に蓋板12の2つの前
記係止片12e(図6)に対応する係止穴部13dが内
方に突設されている。また係止穴部13dに対向する側
で前記支持片12f(図6)の取付穴12gに対応する
位置に、棒状の突起部13eが突設されている。なお蓋
板12の一側縁の中央付近に、図6のように舌片12i
を外方に張出させて延設しているが、この舌片12iは
マフラー本体11から蓋板12を引き離すときに、ドラ
イバーの先端を挿入するために設けている。これは、マ
フラー本体11に蓋板12をマフラーカバー13ととも
に接合するときに、接合面に接着性の液状ガスケット
(図示せず)を塗布するので、マフラー本体11から蓋
板12を簡単に引き離せないときがあるからである。
【0028】ここで、蓋板12のマフラーカバー13内
への組み込み構造について詳しく説明する。
【0029】図9(a)に示すように、マフラーカバー1
3の各ネジ穴14aの内周面には、金属製の円筒状カラ
ー17が嵌着され、それらのカラー17の一端をマフラ
ーカバー13の内面からわずかに(0.5mm〜1mm
程度)突出させている。これは、蓋板12をマフラーカ
バー13の内面に装着する際に、蓋板12との間に微小
な間隙を生じさせ、蓋板12がマフラーカバー13の内
面に接触するのを避けて、蓋板12の熱がマフラーカバ
ー13に直接伝達されるのを防ぐためである。またマフ
ラーカバー13の箱形部13a内の凹状部には、吸音材
を兼ねた断熱材層18をほぼ全面に添接している。本例
では、断熱材層18として、厚さ10mm前後のセラミ
ックス繊維を、箱形部13aの凹状部内面形状に合わせ
てプレスしたものを使用している。とくに、マフラー本
体11の排気ガス出口(図示せず)が蓋板12と向かい
合い、高温の排気ガスが蓋板12の内面に当たるが、断
熱材層18が内張りされているので、マフラーカバー1
3が蓋板12に当たる排気ガスで集中的に加熱されるこ
とがない。なお、図示は省略するが、マフラー本体11
の内面にも吸音断熱層材が装着されている。
【0030】さらにマフラーカバー13の内面において
箱形部13aの周縁部上に、図8に示す略四角形枠状の
断熱用石綿製ガスケット19が添接され、この上に蓋板
12が配置される。ガスケット19には、前記カラー1
7に対応する4つの穴19aが開口され、それらの穴1
9aからカラー17が突出する。なおガスケット19の
厚みは、カラー17の突出量に応じて0.5mm〜1m
m程度になっている。
【0031】さて、マフラーカバー13の係止穴部13
dに対し、蓋板12の2つの係止片12eをそれぞれ緩
挿し、この状態で、2つの係止片12eを支点にして蓋
板12の対向する側の支持片12fの取付穴12gを突
起部13eに嵌め込む。それから突起部13eの端部
に、図9(b)に示すスプリングバック式ワッシャー20
を嵌着することにより、蓋板12がマフラーカバー13
に対し一体的に装着される。ワッシャー20は、突起部
13eの外径よりわずかに口径の小さい穴20aを中心
に、多数の切れ目20bが放射状に入れられ、突起部1
3eにいったん嵌め込むと、簡単には抜けないようにな
っている。
【0032】このようにして、蓋板12がマフラーカバ
ー13の内面に一体的に装着されるが、たとえば点検時
や清掃時に分解する場合には、ワッシャー20を工具を
用いてマフラーカバー13の突起部13eの端部から取
り外したのち、蓋板12の2つの係止片12eを支点に
して対向する支持片12fの取付穴12gを突起部13
eから引き抜くことにより、蓋板12を取り外すことが
できる。
【0033】ところで、蓋板12と一体化されたマフラ
ーカバー13は、以下のような手順でマフラー本体11
に簡単に取り付けられる。すなわち、図1に示すよう
に、エンジン1にステー6や取付用ネジ7によりあらか
じめ取り付けたマフラー本体11に対し、蓋板12との
接合面に液状ガスケット(図示せず)を塗布した後、マ
フラーカバー13が4本のボルト(取付用ネジ)15
(図1)によってそれぞれ締め付けることにより、取り
付けられる。この状態で、蓋板12が4個のカラー17
を介してマフラー本体11に押し付けられ、接合される
が、蓋板12は各カラー17の突出端でマフラー本体1
1側へ押圧され、マフラーカバー13の内面との間に隙
間がほぼ全面にわたり生じている。つまり、蓋板12は
4本のカラー17によってマフラー本体11に押し付け
て支持され、マフラーカバー13の内面とにわずかに間
隙が生じている。また、マフラーカバー13の係止穴部
13dは蓋板12の各係止片12eよりやや大きく形成
されるとともに、支持片12fの取付穴12gも突起部
13eの外径より大きく形成されており、さらにワッシ
ャー20は突起部13eの端部で蓋板12の支持片12
fに接触しないようにしているから、蓋板12の係止片
12eは係止穴部13d内で浮いた状態に、また支持片
12fの取付穴12gも突起部13eから浮いた状態に
なっており、蓋板12はマフラーカバー13に対し、カ
ラー17との接触を除き、無接触状態で一体的に装着さ
れている。
【0034】そして、図9(a)に示すように、蓋板12
とマフラーカバー13の内面との隙間の一部にはガスケ
ット19が介在し、また他の一部には断熱材層18が介
在する。このため排気ガスと直接に接触する蓋板12の
温度はかなり高くなるが、マフラーカバー13には4本
のカラー17を介して熱の一部が伝達されるだけで、マ
フラーカバー13の温度は大きくは上昇しない。しか
も、マフラーカバー13の表面には5mm以上突出する
リブ13cが設けられ、リブ13cの先端ではかなりの
温度降下があるため、手で触れてもあまり熱くなく、熱
劣化も起こりにくい。また、マフラーカバー13も、4
本のボルト15(図1)によってマフラー本体11に固
定され支持されるから、エンジン1の振動などによって
簡単にボルト15(図1)が緩んだり、マフラーカバー
13が外れたりすることがない。
【0035】上記に本発明のマフラーの一実施例につい
て説明したが、下記のように実施することもできる。
【0036】 リブ13cの方向は、縦向きにしても
よく、もしくは斜め向き、あるいは縦横にリブを交差さ
せてもよい。
【0037】 断熱材層18には、グラスウールのほ
か、石綿などを使用することができる。
【0038】 マフラーカバー13の材質は熱硬化性
樹脂であれば、ガラス繊維入りフェノール樹脂に限ら
ず、たとえばガラス繊維なしのフェノール樹脂尿素樹
脂、メラミン樹脂を使用してもよい。
【0039】 スプリングバック式ワッシャー20の
代わりに、たとえば突起部13eの端部に螺合するナッ
トを用いて支持片12fを抜け止めしてもよいが、この
場合にもナットが支持片12fに接触しないように止着
する。
【0040】
【発明の効果】以上説明したことから明らかなように、
この発明のマフラーには下記のような効果がある。
【0041】(1) マフラーカバーと蓋体が完全に別体で
あった従来のマフラー構造において蓋体(蓋板)をマフ
ラーカバーに一体的に組み込み、実質的に一部品(マフ
ラーカバー又は蓋体)としての取り扱いを可能にしたこ
とにより、組立・分解などの作業が容易になり、機能面
においても従来のマフラーよりも優れている。
【0042】(2) 従来のマフラーカバー付きマフラーに
比べて全体の容積が縮小されるために、エンジンからの
突出量が抑制され、小型化および軽量化が図られるうえ
に、デザインの幅が広がり、外観上も良好になる。
【0043】(3) マフラーカバー自体の熱伝導率が低
く、またリブを突設しているために、表面(リブ先端
部)の温度は手で触れても熱くない程度に低く、リブに
よる補強作用で熱による変形がほとんど生じない。
【0044】請求項2記載のマフラーでは、 (4) マフラー本体に対しマフラーカバーを取付ネジで締
め付けて固定することにより、蓋板が複数のカラーを介
してマフラー本体に押し付けられ、堅固に接合されると
ともに、マフラーカバーも複数の取付ネジを介してマフ
ラー本体に堅固に固定される。
【0045】(5) 蓋板を複数のカラーの突出端で支持さ
せ、マフラーカバーの内面と蓋板との間に隙間をほぼ全
面にわたって設けたので、マフラーカバーには複数のカ
ラーを介して蓋板の熱の一部が伝達されるだけで、マフ
ラーカバーの温度は大きくは上昇せず、マフラーカバー
の熱劣化が生じにくく、耐久性が向上する。
【0046】請求項3記載のマフラーでは、 (6) マフラーカバーに対する蓋板の一体的な装着および
分解の各作業を、簡単に且つ短時間で確実に行える。
【0047】請求項4記載のマフラーでは、 (7) ガラス繊維入りフェノール樹脂でマフラーカバーを
形成したので、耐熱性ならびに強度が一段と向上し、そ
の表面温度がさらに降下する。
【0048】請求項5記載のマフラーでは、 (8) 仮に手などがマフラーカバーに接触したときにも、
リブの全面に接触することがなく、接触範囲(接触面
積)が非常に狭い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例にかかるマフラー(断面で表し
た)を備えた2サイクル汎用エンジンを概略的に示す正
面図である。
【図2】マフラーカバーの一実施例を示す正面図であ
る。
【図3】図2のマフラーカバーの背面図である。
【図4】図2のマフラーカバーの左側面図である。
【図5】図2のマフラーカバーの平面図である。
【図6】は蓋板の一実施例を示す背面図である。
【図7】図6の蓋板の右側面図である。
【図8】ガスケットの一例を示す正面図である。
【図9】図9(a)はマフラーカバーの内面に蓋板を一体
的に組み込んだ状態を示す中央縦断面図、図9(b)はス
プリングバック式ワッシャーの正面図である。
【図10】従来の一般的な汎用エンジン用マフラーを示
す側面図である。
【符号の説明】
1 エンジン 10 マフラー 11 マフラー本体 12 蓋板 12e 係止片 12f 支持片 12g 取付穴 13 マフラーカバー 13a 箱形部 13c リブ 13d 係止穴部 13e 突起部 17 カラー 18 断熱材層 19 ガスケット 20 スプリングバック式ワッシャー

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジン側に取り付けられるマフラー本
    体とこのマフラー本体に接合される蓋板とマフラーカバ
    ーとに分割されたマフラーにおいて、 前記マフラーカバーを熱硬化性樹脂で成形するととも
    に、その表面に多数のリブを熱硬化性樹脂で一体に突設
    し、 前記蓋板を板金で形成し、この蓋板を断熱材層を介在さ
    せて前記マフラーカバーの内面に一体的に装着したこと
    を特徴とするマフラー。
  2. 【請求項2】 前記マフラーカバーに複数個の取付ネジ
    用穴を穿設するとともに、各穴内にカラーをその一部を
    前記マフラーカバーの内面よりわずかに突出させて嵌着
    し、 前記蓋板を各カラーの前記突出端に当接させることによ
    り、前記マフラーカバーの内面と蓋板との間にわずかに
    隙間を設けた請求項1記載のマフラー。
  3. 【請求項3】 前記蓋板を方形状に形成し、その一縁か
    ら2つの係止片を間隔をあけて外向きに延設するととも
    に、対向縁の中央部に取付穴を有する支持片を外向きに
    延設し、 前記マフラーカバーの内面側に、前記各係止片に対応す
    る係止穴部を設けるとともに、前記支持片の取付穴に対
    応する突起部を設け、 前記蓋板の各係止片を前記マフラーカバーの係止穴部に
    緩挿するとともに、前記蓋板の支持片の取付穴を前記マ
    フラーカバーの突起部に嵌め込みスプリングバック式の
    ワッシャーで止着した請求項1又は2記載のマフラー。
  4. 【請求項4】 前記熱硬化性樹脂が、ガラス繊維を含浸
    させたフェノール樹脂である請求項1〜3のいずれかに
    記載のマフラー。
  5. 【請求項5】 前記リブの高さを、交互にあるいは数本
    おきに変化させた請求項1〜4のいずれかに記載のマフ
    ラー。
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