JPH0817744A - ヘリコン波プラズマ装置およびこれを用いたプラズマcvd方法 - Google Patents

ヘリコン波プラズマ装置およびこれを用いたプラズマcvd方法

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JPH0817744A
JPH0817744A JP14831594A JP14831594A JPH0817744A JP H0817744 A JPH0817744 A JP H0817744A JP 14831594 A JP14831594 A JP 14831594A JP 14831594 A JP14831594 A JP 14831594A JP H0817744 A JPH0817744 A JP H0817744A
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Shingo Kadomura
新吾 門村
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 TEOSを用いて成膜したSiOx 膜のステ
ップ・カバレージの良さと、SiH4 を用いて成膜した
SiOx 膜の膜質の良さを兼ね備えたSiOx 膜を成膜
する。 【構成】 ヘリコン波プラズマ装置の高周波アンテナ2
への高周波印加を切り換えスイッチ14により間欠/連
続のいずれかに切り換え可能とし、かつヘリコン波プラ
ズマPH の輸送に寄与する外周側ソレノイド・コイル3
bへの電流の印加/遮断をON/OFFスイッチ17に
より切り換え可能とすることで、ベルジャ1内およびウ
ェハW近傍のプラズマ密度を自在に変化させる。低密度
プラズマ中でTEOSを解離させれば、膜形成前駆体の
良好な流動性を利用してステップ・カバレージに優れる
SiOx 膜が成膜でき、高密度プラズマ中でSiH4
解離させれば、残留成分の少ない緻密で耐水性に優れる
SiOx 膜が成膜できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、たとえば半導体装置の
製造に適用して好適なヘリコン波プラズマ装置およびこ
れを用いたプラズマCVD方法に関し、特に優れたステ
ップ・カバレージと緻密な膜質とを併せ持つ酸化シリコ
ン系絶縁膜を成膜することを可能とする装置および方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年のVLSI,ULSI等の高集積化
半導体デバイスにおいては、パターンの微細化やデバイ
ス構造の複雑化が進行し、特にロジック系デバイスでは
4層以上の多層配線構造も採用されるようになってい
る。これに伴って、基体表面の段差や接続孔のアスペク
ト比が増大しており、基体を平坦化したり、あるいはボ
イドを生ずることなく接続孔等を埋め込む上で、ステッ
プ・カバレージ(段差被覆性)に優れる層間絶縁膜を形
成することが極めて重要となっている。
【0003】シリコン・デバイスの場合、上記層間絶縁
膜は通常、SiOx 系材料膜を用いて形成される。ここ
で、その平坦化性や埋め込み特性を向上させるための方
法には大別して、原料ガスの選択により膜形成前駆体の
優れた流動性を利用する方法と、プラズマ放電方式の選
択によりイオン・スパッタ作用による平坦化を利用する
方法とがある。たとえば、O2 −TEOSプラズマCV
D法、H2 O−TEOSプラズマCVD法、O3 −TE
OS常圧CVD法といった有機シリコン系化合物ガスを
用いる方法は、前者の例である。また、SiH4 /O2
混合系等の無機シリコン系化合物ガスを用いるバイアス
ECRプラズマCVDは後者の例である。バイアスEC
RプラズマCVDとは、ECR(電子サイクロトロン共
鳴)を利用して低ガス圧下ながら高いイオン電流密度を
有するECRプラズマを生成させ、かつ上記プラズマ生
成とは独立に基板バイアスを通じてイオン・スパッタ作
用による平坦化効果を制御することにより、埋め込み能
力に優れる成膜を可能とするCVDの一手法である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の従来の技術にも解決すべき課題がある。まず、有機シ
リコン系化合物ガスを用いて形成されたSiOx 膜は、
平坦化特性や埋め込み特性に優れる反面、膜質に問題が
ある。すなわち、この方法で成膜されるSiOx 膜中に
は、CVD反応の副生成物として発生する水分や未反応
のSi−OH基が成膜条件によっては大量に取り込まれ
るが、このようなSiOx膜を半導体デバイスの層間絶
縁膜として利用すると、ビアホール、Al配線膜、トラ
ンジスタに様々な不良が発生する。
【0005】たとえば、このSiOx 層間絶縁膜に開口
したビアホールを高温スパッタリング法により上層Al
配線膜で埋め込む場合、スパッタリング時の基板加熱に
よりこの膜から水分が放出されるとAl配線膜が変質
し、導通不良(ポイズンドビア)が発生する。また、A
lグレインの成長が妨げられて上層Al配線膜にヒロッ
クが多発したり、SiOx 層間絶縁膜に強い応力が生じ
て下層Al配線膜にボイドが生ずることもある。さら
に、膜中の水分によりMOS−FETの閾値の変動やホ
ットキャリア耐性の劣化が生ずることも知られている。
【0006】一方、バイアスECRプラズマCVDによ
り成膜されたSiOx 膜は、Si原子のダングリングボ
ンドが少ないために水分のトラップが少なく、したがっ
てSi−OH基やSi−H基の含有量の低い緻密な膜質
を持つことが知られている。しかし、この方法では原料
ガスとして有機シラン系ガスを用いることができない。
これは、ECRプラズマのプラズマ密度が極めて高いた
めに、流動性に寄与する筈の膜形成前駆体の解離が進み
過ぎてしまい、多量の炭素分を膜中に残存させてSiO
x 膜の膜質を劣化させる虞れが大きいからである。
【0007】このため、バイアスECRプラズマCVD
によるSiOx 膜の成膜は、無機シリコン系化合物ガス
に頼らざるを得ないが、平坦化性や埋め込み特性の向上
には限界がある。たとえば、図6に示されるように、S
i基板20に積層されたSiOx 層間絶縁膜21上でバ
リヤメタル22とAl−1%Si膜23からなる積層配
線膜24をパターニングし、さらに積層配線膜24の配
線間スペースを平坦に埋め込もうとしても、今後のさら
に微細化したデザイン・ルールの下では図示されるよう
な鬆29が生ずる可能性が高い。
【0008】この他、ECRプラズマCVDには、装置
構成に本質的に起因する問題もある。。すなわち、EC
RプラズマCVD装置においては、近年の大口径ウェハ
に対応してプラズマ・ソース内のプラズマ均一性を向上
させるためにプラズマ生成室が大型化する傾向にあり、
またこのプラズマ生成室から発散磁界によって拡散チャ
ンバへプラズマを引き出しているため、拡散チャンバも
必然的に大型化している。したがって、拡散チャンバ内
部における堆積物の付着可能面積もそれだけ大きくな
り、ウェハ近傍に常に大量のパーティクルが存在する状
態となっている。しかも、この拡散チャンバはプラズマ
・ソースから離れた位置にあるため、プラズマ中からチ
ャンバ壁面へのイオン入射も余り期待できず、特に拡散
チャンバの側壁面へのイオン入射は少ない。したがっ
て、たとえ成膜サイクルの一部にプラズマ・クリーニン
グを採り入れたとしても、壁面上の堆積物のスパッタ除
去機構を効率良く働かせることができず、パーティクル
・レベルが悪化する結果を招いている。
【0009】このように、従来はSiOx 膜の成膜に関
して、ステップ・カバレージと膜質との両方の要求を満
足できるプラズマCVD方法、およびこの方法を実施で
きるコンパクトで低汚染型の装置が無かった。そこで本
発明は、これらの課題を解決できる装置およびこれを用
いたプラズマCVD方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述の目的を
達するために提案されるものである。すなわち本発明の
ヘリコン波プラズマ装置は、外周を高周波アンテナと少
なくとも2つのソレノイド・コイルとにより周回され、
内部にヘリコン波プラズマが生成されるようになされた
プラズマ生成チャンバと、前記高周波アンテナへの高周
波の間欠/連続印加を切り換える高周波電界制御手段
と、前記ソレノイド・コイルのうち前記ヘリコン波プラ
ズマの輸送に寄与するソレノイド・コイルに対する電流
の印加/遮断を時系列的に制御する磁界制御手段と前記
プラズマ生成チャンバに接続される真空容器であって、
その内部に収容した基板に対し、前記プラズマ生成チャ
ンバから引き出されたヘリコン波プラズマを用いて所定
のプラズマ処理を行うプラズマ拡散チャンバと、少なく
とも前記プラズマ生成チャンバに前記所定のプラズマ処
理のためのガスを供給する処理ガス供給手段とを備えた
ものである。
【0011】ヘリコン波プラズマ装置に関しては、プラ
ズマ生成チャンバをその軸を中心として同心的に配置さ
れた内周側ソレノイド・コイルと外周側ソレノイド・コ
イルとで二重に包囲した装置構成が従来より知られてお
り、本発明においてもかかる構成を採用することができ
る。一般的には内周側ソレノイド・コイルが主としてヘ
リコン波の伝搬、また外周側ソレノイド・コイルが主と
してヘリコン波プラズマの輸送に寄与しているため、こ
のような場合には外周側ソレノイド・コイルへの電流の
印加/遮断を時系列的に制御する。これにより、プラズ
マ生成チャンバから拡散チャンバへのヘリコン波プラズ
マの輸送が時系列的に制御される。
【0012】一方、内周側ソレノイド・コイルには電流
を常時印加した状態としておく。したがって、ヘリコン
波プラズマの生成そのものは、高周波アンテナへの高周
波の印加方式にのみ依存することとなる。つまり、ヘリ
コン波プラズマは高周波が印加されている間のみ生成可
能とされる。
【0013】ここで、「時系列的」と「間欠的」とを明
瞭に区別する科学的根拠は特に無いが、本明細書中では
便宜上、ある状態から他の状態への切り替えが手動スイ
ッチングでも追従できる程度の速度で行われる場合に
「時系列的」、電気的スイッチングでなければ追従でき
ないほど高速に行われる場合に「間欠的」という語を用
いることにする。本発明において高周波アンテナへの高
周波印加を間欠的に行う場合には、高周波印加系統にお
いて高周波アンテナと高周波電源との間にパルス生成回
路を挿入すれば良い。
【0014】ヘリコン波プラズマは、高周波の印加期間
中のみ放電励起される。一般に、放電時間とガスの解離
状態との間には相関関係があり、構成原子数が多い化学
種ほど短時間の放電で生成し、その後放電時間が長くな
るにしたがって構成原子数の少ない化学種が多く生成す
るようになる。また、高周波の遮断期間中には、生成し
た化学種の一部が再結合やプラズマ装置の壁材との反応
により消失する。したがって、パルス生成回路における
パルス長やデューティ比は、これらの事情を考慮した上
で、十分な量の成膜種を生成させ、かつ原料ガスや膜形
成前駆体の過剰な解離を抑えるように最適化する必要が
ある。
【0015】一方、本発明のプラズマCVD方法は、上
述のプラズマ装置を用い、前記プラズマ生成チャンバ内
に間欠的または連続的に励起されると共に前記拡散チャ
ンバ内へ時系列的に輸送されるヘリコン波プラズマを利
用して前記基板上に所定の薄膜を成膜するものである。
この方法によると、ヘリコン波プラズマの間欠/連続励
起と時系列輸送との組み合わせにより、次の4種類のモ
ードが成立可能である。すなわち、 (a)プラズマ生成チャンバ内にヘリコン波プラズマが
励起されているが、拡散チャンバへは輸送されていない
モード (b)プラズマ生成チャンバ内にヘリコン波プラズマが
励起されておらず、かつ拡散チャンバへも輸送されてい
ないモード (c)プラズマ生成チャンバ内にヘリコン波プラズマが
励起されており、かつ拡散チャンバへも輸送されている
モード (d)プラズマ生成チャンバ内にヘリコン波プラズマが
励起されていないが、拡散チャンバへは輸送されている
モード である。ヘリコン波プラズマが間欠励起される場合に
は、以上の4種類のモードがすべて成立し、プラズマ輸
送が起こる場合には(a)と(b)、起こらない場合に
は(c)と(d)の各モードが高速に切り替わる。ま
た、ヘリコン波プラズマが連続励起される場合には、
(a)と(c)のモードのみが成立し、この両者が時系
列的に切り替わる。
【0016】本発明では、成膜途中でこれらのモードを
適宜切り換えることにより、基板近傍におけるプラズマ
密度を自在に制御することができる。一例として、前記
薄膜の成膜初期に前記高周波アンテナへ高周波を間欠印
加し、成膜後期に連続印加すれば、同じプラズマ輸送状
態下で比較した場合、成膜初期にはプラズマ密度を比較
的低く、また成膜後期には比較的高く変化させることが
できる。
【0017】また、一例として成膜初期に前記ヘリコン
波プラズマの輸送に寄与するソレノイド・コイルに対し
て電流を遮断し、成膜後期に印加すれば、同じプラズマ
励起状態下で比較した場合、成膜初期にはプラズマ密度
を比較的低く、成膜後期には比較的高く変化させること
ができる。
【0018】本発明は、SiOx 系薄膜を成膜するプロ
セスに適用して特に好適である。この場合、前記薄膜の
成膜初期には前記プラズマ処理のためのガスとして有機
シリコン系化合物ガス、成膜後期には無機シリコン系化
合物ガスをそれ用いると、成膜初期にはステップ・カバ
レージに優れるSiOx 膜、成膜後期には膜質に優れる
SiOx 膜を形成することができる。
【0019】さらに、上述の説明からも明らかなよう
に、本発明では基板近傍のプラズマ密度は高周波アンテ
ナへ高周波を間欠印加し、かつソレノイド・コイルへ電
流を遮断した場合に最も低くなる。したがって、成膜初
期にこの条件下で有機シリコン系化合物ガスを用いれ
ば、膜形成前駆体を過剰に解離させることなく、平坦化
特性および埋め込み特性に優れるSiOx 膜を成膜する
ことができる。
【0020】これに対し、高周波アンテナへ高周波を連
続印加し、かつソレノイド・コイルヘ電流を印加すれ
ば、基板近傍のプラズマ密度は最も高くなる。したがっ
て、成膜初期にこの条件下で無機シリコン系化合物ガス
を用いれば、未解離成分の取り込みの極めて少ない緻密
な膜質を有するSiOx 膜を成膜することができる。
【0021】
【作用】ヘリコン波プラズマは、ヘリコン波からランダ
ウ減衰の過程を通じたエネルギー輸送により電子を加速
し、この電子をガス分子に衝突させることにより高いイ
オン化率を得るタイプのプラズマである。したがって、
これを発生させるプラズマ装置内では元来、プラズマ生
成チャンバ内よりも拡散チャンバ側においてプラズマ密
度が高いという性質を有する。このため、従来のヘリコ
ン波プラズマ装置内でTEOS等の有機シリコン化合物
系ガスを用いてSiOx 膜を成膜しようとしても、この
ガスあるいは膜形成前駆体の解離が過剰に進み、良好な
平坦化特性、良好埋め込み特性、良好な膜質のいずれも
期待できない可能性が高い。
【0022】しかし、本発明のヘリコン波プラズマ装置
は、プラズマの励起と輸送を独立に制御できる機構を備
え、電子密度を適宜低減できる構成とされている。この
ため、基板近傍におけるプラズマ密度を、有機シリコン
系化合物ガスの解離に適した低密度から、残留成分の少
ない緻密なSiOx 膜を形成できる高密度まで、自在に
変化させることができる。しかもこの変化は、電気的操
作により瞬時に達成可能である。
【0023】したがって、たとえば成膜初期に低密度の
ヘリコン波プラズマ中で有機シリコン系化合物ガスを解
離させてステップ・カバレージに優れたSiOx 膜を成
膜し、成膜後期には高密度のヘリコン波プラズマ中で無
機シリコン系化合物ガスを解離させて膜質に優れたSi
x 膜を成膜すれば、従来では両立困難であったこれら
各特性を同時に満足する絶縁膜を形成することが可能と
なる。
【0024】しかも、ヘリコン波プラズマ装置は、プラ
ズマ・ソースがECRプラズマ装置に比べてコンパクト
であるため、拡散チャンバ内のパーティクル汚染が低減
できるというメリットも得られる。
【0025】
【実施例】以下、本発明の具体的な実施例について説明
する。
【0026】実施例1 本実施例では、本発明のヘリコン波プラズマCVD装置
の一構成例について、図1および図2を参照しながら説
明する。本装置は、ヘリコン波プラズマ生成部とヘリコ
ン波プラズマ拡散部とに大別される。
【0027】上記ヘリコン波プラズマ生成部は、内部に
ヘリコン波プラズマPH を生成させるための非導電性材
料からなるベルジャ1、このベルジャ1を周回する2個
のループを有し、RFパワーをプラズマへカップリング
させるためのループ・アンテナ2、同じく上記チャンバ
1を周回するごとく設けられ、該チャンバ1の軸方向に
沿った磁界を生成させるソレノイド・コイル3を主な構
成要素とする。
【0028】上記ベルジャ1の構成材料は、ここでは石
英とした。
【0029】上記ループ・アンテナ2には、周波数1
3.56MHzのプラズマ励起用RF電源13からパル
ス発生回路15、インピーダンス整合用の第1のマッチ
ング・ネットワーク(M/N)16を介してRFパワー
が印加され、その上下2個のループには互いに逆回り方
向の電流が流れる。この両ループ間の距離は、所望のヘ
リコン波の波数に応じて最適化されている。ここで、上
記プラズマ励起用RF電源13からの高周波をパルス発
生回路15を介してループ・アンテナ2に印加すると高
周波の間欠印加を行うことができるが、本装置ではこれ
を適宜連続印加に切り換えることも可能である。この切
り替えは、上記プラズマ励起用RF電源13と上記パル
ス発生回路15との間に設けられた切り換えスイッチ1
4で行われ、該パルス発生回路15につながる端子aが
選択されれば間欠印加、端子bが選択されれば連続印加
となる。
【0030】上記ソレノイド・コイル3は、主としてヘ
リコン波の伝搬に寄与する内周側ソレノイド・コイル3
aと、主としてヘリコン波プラズマPH の輸送に寄与す
る外周側ソレノイド・コイル3bの二重構成とされてい
る。このソレノイド・コイル3は、DC電源18から電
流供給を受けるが、内周側ソレノイド・コイル3aには
常時電流が印加されているのに対し、外周側ソレノイド
・コイル3bについてはスイッチ17のON/OFF状
態により適宜電流が遮断できるようになされている。
【0031】上記ベルジャ1はプロセス・チャンバ7に
接続され、主として上記の外周側ソレノイド・コイル3
bが形成する発散磁界に沿って該プロセス・チャンバ7
の内部へヘリコン波プラズマPH を引き出すようになさ
れている。上記プロセス・チャンバ7は、図示されない
真空排気系統により底面の排気孔8を通じて矢印A方向
に排気される高真空容器であり、その内部に収容するウ
ェハ・ステージ9上にウェハWを載置して所定の成膜を
行う部分である。その側壁面および底面は、ステンレス
鋼等の導電性材料を用いて構成されている。特に、ウェ
ハ・ステージ9の対向面である天井部分は、ウェハ・バ
イアスに対する大面積のDC接地電極として機能してい
る。
【0032】天井部分からはガス供給管5,6が挿通さ
れ、ガス供給管5を通じて矢印B方向から供給されるガ
スをベルジャ1内に、またガス供給管6を通じて矢印C
方向から供給されるガスをウェハWの近傍にそれぞれ供
給するようになされている。プロセス・チャンバ7の下
部側壁面は、ゲート・バルブ13を介し、たとえば図示
されないロード・ロック室に接続されている。
【0033】上記ウェハ・ステージ9は、拡散チャンバ
7の壁面から電気的に絶縁された導電性部材からなり、
その脚部は第2のマッチング・ネットワーク(M/N)
11を介してバイアス印加用RF電源12に接続されて
いる。これにより、プラズマ中からウェハWへ入射する
イオンのエネルギーが制御される。ここでは、バイアス
印加用RF電源12の周波数を13.56MHzとし
た。
【0034】また、ウェハ・ステージ9の内部には、成
膜中のウェハWを所望の温度に維持するためのヒータ1
0が内蔵されている。
【0035】さらに、上記拡散チャンバ7の外部には、
上記ウェハ・ステージ9近傍における発散磁界を収束さ
せるために、補助磁界生成手段としてマルチカスプ磁場
を生成可能な永久磁石4が配設されている。なお、この
永久磁石4の配設位置は、図示される例に限られず、た
とえばウェハ・ステージ9の脚部の周囲等の他の場所で
あっても良い。さらにあるいは、これをミラー磁場形成
用のソレノイド・コイルに置き換えても良い。
【0036】かかる構成を有するヘリコン波プラズマC
VD装置において、ベルジャ1内に低密度のヘリコン波
プラズマPH を生成させたい場合には、図1に示される
ようにスイッチ14の端子aを選択し、プラズマ励起用
RF電源13の高周波をパルス発生回路15を介してル
ープ・アンテナ2に印加する。一方、高密度のヘリコン
波プラズマPH を生成させたい場合には、図2に示され
るようにスイッチ14の端子bを選択し、高周波を直接
にループ・アンテナ2に印加する。
【0037】また、上記ベルジャ1内に生成したヘリコ
ン波プラズマPH を余りウェハW近傍に輸送したくない
場合には、図1に示されるようにスイッチ17をOFF
とし、DC電源18から外周側ソレノイド・コイル3b
への電流供給を遮断する。逆に大量に輸送したい場合に
は、図2に示されるようにON/OFFスイッチ17を
ONとし、DC電源18の電流を外周側ソレノイド・コ
イル3bへ印加する。
【0038】実施例2 本実施例では、H2 O−TEOS系による低密度プラズ
マを用いたSiOx 膜の成膜初期段階と、SiH4 /O
2 系による高密度プラズマを用いたSiOx 膜の成膜後
期段階とを組み合わせることにより、Al系積層配線パ
ターンの配線間スペースを良好なステップ・カバレージ
および膜質を有するSiOx 膜で埋め込んだ。
【0039】本実施例で用いたサンプル・ウェハを図3
に示す。このウェハは、Si基板20上に積層されたS
iOx 層間絶縁膜21上に、所定のAl系配線パターン
24が形成されたものである。ここで、上記Al系配線
パターン24は、たとえばTi/TiN積層膜からなる
バリヤメタル22とAl−1%Si膜23とが積層され
たものである。上記Al系配線パターン24の線幅、お
よび配線間スペース幅は約0.25μmである。
【0040】このウェハを上述のヘリコン波プラズマC
VD装置のウェハ・ステージ9上にセットし、図1に示
されるように、切り換えスイッチ14の端子aを選択す
ると共に、ON/OFFスイッチ17をOFFとした。
この状態で、一例として下記の条件によりSiOx 膜を
堆積させた。 〔成膜初期段階〕 O2 流量(ガス供給管5) 50 SCCM TEOS流量(ガス供給管6) 20 SCCM H2 O流量(ガス供給管6) 50 SCCM ガス圧 0.13 Pa ソース・パワー 800 W (プラズマ励起用RF電源13) パルス幅(パルス発生回路15) 30 μsec(デ
ューティ比=1) RFバイアス・パワー 100 W (バイアス印加用RF電源12) 成膜温度 150℃
【0041】この成膜初期段階では、ループ・アンテナ
2へのソース・パワー印加を間欠的に行ったこと、およ
び入力パワーの絶対値を800W程度に抑えたことによ
り、プラズマ密度を109 オーダーに低く抑えることが
できた。また、外周側ソレノイド・コイル3bによる磁
場が形成されないため、ベルジャ内1に生成したヘリコ
ン波プラズマPH は、拡散チャンバ7側へそれほど多く
は輸送されない。さらに、ウェハ・ステージ9に印加さ
れているRFバイアス・パワーの効果により膜堆積反応
とイオン入射による膜除去反応が競合する。これらの効
果が相まって、図4に示されるように、流動性を持つ膜
形成前駆体を経て良好な平坦化特性を有する第1のSi
x 層間絶縁膜25が成膜された。
【0042】次に、この第1のSiOx 層間絶縁膜25
上に緻密な膜質を有する第2のSiOx 層間絶縁膜26
を積層するため、図2に示されるように、切り換えスイ
ッチ14の端子bを選択すると共に、ON/OFFスイ
ッチ17をONとした。この状態で、一例として下記の
条件により成膜を行った。 〔成膜後期段階〕 O2 流量(ガス供給管5) 50 SCCM SiH4 流量(ガス供給管6) 20 SCCM ガス圧 0.13 Pa ソース・パワー 2500 W (プラズマ励起用RF電源13) RFバイアス・パワー 100 W (バイアス印加用RF電源12) 成膜温度 150 ℃
【0043】この成膜後期段階では、ループ・アンテナ
2へのソース・パワー印加を連続的に行い、かつ入力パ
ワーの絶対値を2500Wに高めてプラズマ密度を上昇
させたこと、さらに無機シリコン化合物系の原料ガスを
用いたこと等の効果により、図5に示されるように、緻
密な膜質を有する第2のSiOx 層間絶縁膜26が成膜
された。
【0044】以上の2段階の成膜により、最終的には第
1のSiOx 層間絶縁膜25と第2のSiOx 層間絶縁
膜26の各々の長所を併せ持つ、積層型SiOx 層間絶
縁膜27が得られた。
【0045】以上、本発明を2例の実施例にもとづいて
説明したが、本発明はこれらの実施例に何ら限定される
ものではない。たとえば近年、SiOx 膜にFを若干含
有させると誘電率を低下できることが知られているが、
これを達成するために、実施例2の成膜初期段階におい
てC26 等のフルオロカーボン系ガス20SCCM
を、ガス供給管5を通じて添加しても良い。
【0046】この他、ヘリコン波プラズマCVD装置の
構成、サンプル・ウェハの構成、CVD条件等の細目は
適宜変更可能である。
【0047】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明を適用すれば、従来は極めて両立困難であったSiO
x 膜の良好なステップ・カバレージと膜質とを同時に満
足させることが可能となる。かかるSiOx 膜は、半導
体デバイスの製造工程においてトレンチあるいは配線間
スペース等の微細なギャップを精密に埋め込むための絶
縁膜として用いるに極めて好適であり、半導体デバイス
の信頼性や歩留りを大幅に向上させる上で多大な貢献を
なすものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したヘリコン波プラズマCVD装
置の一構成例において、ループ・アンテナへ高周波を間
欠印加すると共に外周側ソレノイド・コイルへの電流供
給を遮断した状態を示す模式的断面図である。
【図2】図1のプラズマCVD装置において、ループ・
アンテナへ高周波を連続印加すると共に外周側ソレノイ
ド・コイルへの電流供給を行った状態を示す模式的断面
図である。
【図3】本発明をAl系配線パターンを被覆するSiO
x 層間絶縁膜の形成に適用したプロセスにおいて、Si
x 層間絶縁膜形成前のウェハの状態を示す模式的断面
図である。
【図4】図3のAl系配線パターンの配線間スペースが
ステップ・カバレージに優れる第1のSiOx 層間絶縁
膜で埋め込まれた状態を示す模式的断面図である。
【図5】図4のSiOx 層間絶縁膜の上に膜質に優れる
第2のSiOx 層間絶縁膜を積層した状態を示す模式的
断面図である。
【図6】従来のSiOx 膜のプラズマCVD方法におい
て、アスペクト比の高い配線間スペースがSiOx 膜で
良好に埋め込まれず、鬆が生じた状態を示す模式的断面
図である。
【符号の説明】
1 ベルジャ 2 ループ・アンテナ 3 ソレノイド・コイル 3a 内周側ソレノイド・コイル 3b 外周側ソレノイド・コイル 4 永久磁石 5,6 ガス導入管 7 拡散チャンバ 9 ウェハ・ステージ 12 バイアス印加用RF電源 13 プラズマ励起用RF電源 14 切り換えスイッチ 15 パルス発生回路 18 DC電源 19 ON/OFFスイッチ W ウェハ PH ヘリコン波プラズマ 24 Al系配線パターン 25 第1のSiOx 層間絶縁膜 26 第2のSiOx 層間絶縁膜 27 積層型SiOx 層間絶縁膜

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外周を高周波アンテナと少なくとも2つ
    のソレノイド・コイルとにより周回され、内部にヘリコ
    ン波プラズマが生成されるようになされたプラズマ生成
    チャンバと、 前記高周波アンテナへの高周波の間欠/連続印加を切り
    換える高周波電界制御手段と、 前記ソレノイド・コイルのうち前記ヘリコン波プラズマ
    の輸送に寄与するソレノイド・コイルに対する電流の印
    加/遮断を時系列的に制御する磁界制御手段と、 前記プラズマ生成チャンバに接続される真空容器であっ
    て、その内部に収容した基板に対し、前記プラズマ生成
    チャンバから引き出されたヘリコン波プラズマを用いて
    所定のプラズマ処理を行うプラズマ拡散チャンバと、 少なくとも前記プラズマ生成チャンバに前記所定のプラ
    ズマ処理のためのガスを供給する処理ガス供給手段とを
    備えたヘリコン波プラズマ装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のヘリコン波プラズマ装置
    を用い、前記プラズマ生成チャンバ内に間欠的または連
    続的に励起されると共に前記拡散チャンバ内へ時系列的
    に輸送されるヘリコン波プラズマを利用して前記基板上
    に所定の薄膜を成膜することを特徴とするプラズマCV
    D方法。
  3. 【請求項3】 前記薄膜の成膜初期には前記高周波アン
    テナへ高周波を間欠印加し、成膜後期には連続印加する
    ことを特徴とする請求項2記載のプラズマCVD方法。
  4. 【請求項4】 前記薄膜の成膜初期には前記ヘリコン波
    プラズマの輸送に寄与するソレノイド・コイルへの電流
    を遮断し、成膜後期には印加することを特徴とする請求
    項2または請求項3に記載のプラズマCVD方法。
  5. 【請求項5】 前記薄膜の成膜初期には前記プラズマ処
    理のためのガスとして有機シリコン系化合物のガス、成
    膜後期には無機シリコン系化合物のガスをそれぞれ用
    い、該薄膜として酸化シリコン系薄膜を成膜することを
    特徴とする請求項2ないし請求項4のいずれか1項に記
    載のプラズマCVD方法。
JP14831594A 1994-06-29 1994-06-29 ヘリコン波プラズマ装置およびこれを用いたプラズマcvd方法 Withdrawn JPH0817744A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN107045999A (zh) * 2016-02-05 2017-08-15 朗姆研究公司 使用ald和高密度等离子体cvd形成气隙密封件的系统和方法
US10424594B2 (en) 2011-12-22 2019-09-24 Samsung Electronics Co., Ltd. Methods of forming a thin film and methods of fabricating a semiconductor device including using the same

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CN107045999B (zh) * 2016-02-05 2023-10-20 朗姆研究公司 使用ald和高密度等离子体cvd形成气隙密封件的系统和方法

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