JPH08176923A - 繊維およびそれを用いた不織布 - Google Patents

繊維およびそれを用いた不織布

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JPH08176923A
JPH08176923A JP33730594A JP33730594A JPH08176923A JP H08176923 A JPH08176923 A JP H08176923A JP 33730594 A JP33730594 A JP 33730594A JP 33730594 A JP33730594 A JP 33730594A JP H08176923 A JPH08176923 A JP H08176923A
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俊孝 金井
Katsuhisa Ota
勝寿 太田
Kazumasa Tsuji
一誠 辻
Shuji Machida
修司 町田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 紡糸特性および熱融着特性に優れた繊維、並
びに柔軟性および風合いのみならず生産性に優れた不織
布を提供することを目的とする。 【構成】 主要成分として、所定の特性を有する二種類
のエチレン・α−オレフィン及び/又は非共役ジエン共
重合体((A)成分および(B)成分)を所定割合で含
有したMw /Mn が5以下のポリエチレン系樹脂組成物
を、溶融紡糸し、得られた繊維をさらにウェブ化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、繊維およびそれを用い
た不織布に関する。さらに詳しくは、使い捨ておむつ,
生理用ナプキン等の衛生材料の表面材、食品用の各種包
装材等に好適に用いられる繊維およびそれを用いた不織
布に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、不織布の素材としてポリオレフィ
ンが、ポリエステル、ナイロンと比べて軽量であり、か
つ柔軟性、風合い、およびヒートシール性にも優れてい
ることから、使い捨ておむつ、生理用ナプキン等の衛生
材料の表面材や食品用等の各種袋物、包装材に広く利用
されている。一方、近年、省エネルギー化及び製品化ス
ピードの高速化の要請に伴い、柔軟性、および風合いの
みならず生産性にも優れた不織布が要求されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような状況下、従
来より不織布の素材として紡糸性に優れていることから
ポリオレフィンの中でもポリプロピレンが用いられてい
る。しかし、この素材からなる不織布は、熱融着温度が
高いため、製品化スピードの高速化には限界があり、か
つ柔軟性、風合いについても、必ずしも十分に満足しう
るものではなかった。一方、ポリエチレンを素材とする
不織布は、ポリプロピレンよりも融点が低いことから熱
融着温度が低く、製品化スピードの高速化だけでなく、
柔軟性、風合いにも優れているが、紡糸特性に劣るとい
った欠点を有していた。このような問題を解決すべく、
特開平3−82816号公報では、紡糸特性に優れ、か
つ熱融着特性に優れた低密度ポリエチレンからなる不織
布用バインダー繊維が開示されている。しかし、数万本
のノズルを有するダイを用いて紡糸する過程で低密度ポ
リエチレンの結晶化速度が遅いために隣接した半溶融状
態の紡糸が付着して束状になり、不織布の性能を低下さ
せるという問題があった。
【0004】本発明は、上述の問題に鑑みなされたもの
であり、紡糸特性および熱融着特性に優れた繊維、並び
に柔軟性および風合いのみならず生産性に優れた不織布
を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明によれば、主要成分として下記(A)および
(B)成分を下記組成割合で含有し、かつ重量平均分子
量(Mw )と数平均分子量(Mn )との比(Mw /Mn
)が5以下であるポリエチレン系樹脂組成物を、溶融
紡糸して得られることを特徴とする繊維が提供される。 (A):下記特性およびを有するエチレン・α−オレフィン及び/又は非 共役ジエン共重合体 10〜90重量% メルトインデックス(MI):20〜100g/10分 密度(ρ) :920〜970kg/m3 (B):下記特性,およびを有するエチレン・α−オレフィン及び/又 は非共役ジエン 10〜90重量% メルトインデックス(MI) :20〜100g/10分 炭素数1000個当たりの分岐の数(BN):10〜80個 最高融点(Tmmax ) :(130−BN)℃以下
【0006】また、上記の繊維をウェブ化して形成され
てなることを特徴とする不織布が提供される。
【0007】また、前記不織布の好ましい態様として、
上記繊維のウェブ化が、スパンボンド法、ステープル
法、メルトブロー法またはフラッシュ紡糸法によるもの
であることを特徴とする不織布が提供される。
【0008】以下、本発明の繊維およびそれを用いた不
織布について具体的に説明する。 1.繊維 本発明の繊維は、主要成分として所定の特性を有する二
種類のエチレン・α−オレフィン及び/又は非共役ジエ
ン共重合体((A)成分、および(B)成分)を所定割
合で含有したMw /Mn が5以下のポリエチレン系樹脂
組成物を、溶融紡糸することによって得られるものであ
る。
【0009】(1)エチレン・α−オレフィン及び/又
は非共役ジエン共重合体(A) α−オレフィン,非共役ジエン (A)成分に用いられるα−オレフィンとしては、例え
ば炭素数が3〜18の直鎖状、分岐状、芳香核で置換さ
れたα−オレフィンを挙げることができる。具体的に
は、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキサン、1−オク
テン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−
ドデセン等の直鎖状モノオレフィン、3−メチルブテン
−1、3−メチルペンテン−1、4−メチルペンテン−
1、2−エチル−1,2−エチルヘキセン−1、2,
2,4−トリメチルペンテン等の分岐鎖モノオレフィ
ン、さらにはスチレン等の芳香核で置換されたモノオレ
フィンを挙げることができる。また、非共役ジエンとし
ては、例えば、炭素数6〜20個の直鎖状または分岐状
を有する非共役ジオレフィンを挙げることができる。具
体的には、1,5−ヘキサジエン、1,6−ヘプタジエ
ン、1,7−オクタジエン、1,8−ノナジエン、1,
9−デカジエン、2,5−ジメチル−4−tert−ブ
チル−2,6−ヘプタジエン、さらには1,5,9−デ
カトリエン等のポリエンや5−ビニル−2−ノルボルネ
ン等のエンドメチレン系環式ジエン類等を挙げることが
できる。これらのα−オレフィンや非共役ジエンは、そ
れぞれ単独で用いても二種類以上組み合わせて用いても
良い。
【0010】共重合体(A)の特性 (i)メルトインデックス(MI) (A)成分の共重合体の有する特性のうち、メルトイン
デックス(MI)は、20〜100g/10分、好まし
くは25〜80g/10分、さらに好ましくは30〜7
0g/10分である。20g/10分未満であると、成
形時に糸切れが発生する。100g/10分を超える
と、溶融張力が減少し、絞り板部の風速分布に大きく左
右されやすくなるとともに、糸列の乱れが生じやすく、
糸切れが発生する。測定方法は、JIS−K−7210
(測定条件:荷重2160g,温度190℃)に準拠し
た。
【0011】(ii)密度(ρ) (A)成分の共重合体の有する特性のうち、密度(ρ)
は、920〜970kg/m3 、好ましくは、930〜
970kg/m3 である。920kg/m3 未満である
と、溶融紡糸時に互いの紡糸が付着して束状になる現象
(ローピング現象)が発生するため、不織布を安定に成
形することができない。測定方法は、JIS−K−71
12に準拠した。
【0012】(2)エチレン・α−オレフィン及び/又
は非共役ジエン共重合体(B) α−オレフィン (B)成分に用いられるα−オレフィンとしては、
(A)成分に用いられるものと同様に、例えば炭素数3
〜18個の直鎖状、分岐状、芳香核で置換されたα−オ
レフィンを挙げることができる。具体的には、プロピレ
ン、1−プテン、1−ヘキサン、1−オクテン、1−ノ
ネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン等の
直鎖状モノオレフィン、3−メチルブテン−1、3−メ
チルペンテン−1、4−メチルペンテン−1、2−エチ
ル−1、2−エチルヘキセン−1、2、2、4−トリメ
チルペンテン等の分岐鎖モノオレフィン、さらにはスチ
レン等の芳香核で置換されたモノオレフィンを挙げるこ
とができる。また、非共役ジエンとしては、(A)成分
に用いられるものと同様に、例えば炭素数6〜20個の
直鎖状または分岐状を有する非共役ジオレフィンを挙げ
ることができる。具体的には、1、5−ヘキサジエン、
1、6−ヘプタジエン、1、7−オクタジエン、1、8
−ノナジエン、1、9−デカジエン、2、5−ジメチル
−4−tert−ブチル−2、6−ヘプタジエン、さら
には1、5、9−デカトリエン等のポリエンや5−ビニ
ル−2−ノルボルネン等のエンドメチレン系環式ジエン
類等を挙げることができる。これらのα−オレフィンや
非共役ジエンは、それぞれ単独で用いても二種類以上組
み合わせて用いても良い。
【0013】共重合体(B)の特性 (i)メルトインデックス(MI) (B)成分の共重合体の有する特性のうち、メルトイン
デックス(MI)は、20〜100g/10分、好まし
くは25〜80g/10分、さらに好ましくは30〜7
0g/10分である。20g/10分未満であると、成
形時に糸切れが発生する。100g/10分を超える
と、溶融張力が減少し、絞り板部の風速分布に大きく左
右されやすくなるとともに、糸列の乱れが生じやすく、
糸切れが発生する。測定方法は、JIS−K−7210
(測定条件:荷重2160g,温度190℃)に準拠し
た。
【0014】(ii)炭素数1000当たりの分岐の数
(BN) (B)成分の共重合体の有する特性のうち、炭素数10
00当たりの分岐の数(BN)は、10〜80個、好ま
しくは25〜75個である。10個未満であると熱融着
特性が劣化する。80個を超えると、融着強度が減少す
る。測定方法は、試料220mgを直径10mmのNM
R試料管に入れ、1,2,4−トリクロロベンゼン/重
ベンゼン(90/10vol%)混合溶媒3mlを加
え、次いでアルミブロックヒーターを用いて140℃で
均一に溶解した。日本電子社製EX−400(1H核共
鳴周波数400.1MHz)に試料管を装填し、プロト
ン完全デカップリング法で13C−NMRスペクトルを測
定した。測定条件は下記のようにした。 パルス幅:9.2μs(45°パルス) スペクトル幅:25000Hz 測定温度:130℃ パルス繰り返し時間:4秒 積算回数:1000〜10000回 スペクトルの帰属及びα−オレフィンの定量方法は、例
えばPooter M.D.J.Appl.Poly
m.Scl.,42,399(1991)を参考にし、
直鎖の炭素数1000個当たりの分岐の数を分岐数とし
た。
【0015】(iii)最高融点(Tmmax ) (B)成分の共重合体の有する特性のうち、最高融点
(Tmmax )は、(130−BN)℃以下、好ましくは
(125−BN)℃以下である。(130−BN)℃を
超えると熱融着性が劣化する。測定方法は、次のように
した。試料の重量が約10mgである厚さ0.6mmの
シートを作成し、示差走査熱量計(DSC−7:Per
kin−Elmer社製)を用いて、190℃、3分間
熱処理した後、降温速度10℃/分で25℃まで徐冷し
て結晶化させ、その試料を25℃から160℃まで昇温
速度10℃/分で昇温して融解曲線を得た。この時得ら
れるピークのうち最も高い温度を最高融点とした。
【0016】(3)(A)成分及び(B)成分の製造方
法 本発明に用いられるエチレン・α−オレフィン及び/又
は非共役ジエン共重合体(A)および(B)は、種々の
方法によって製造することができる。本発明において
は、例えば、原料として、エチレンと少なくとも一種の
α−オレフィン及び/又は非共役ジエンを用いる方法を
挙げることができる。すなわち、エチレンと他のα−オ
レフィンの一種またはそれ以上とを併用しても、エチレ
ンと一種またはそれ以上の非共役ジエンとを併用しても
よい。さらに、例えばエチレンと少なくとも一種のα−
オレフィンと少なくとも一種の非共役ジエンを用いるこ
とができる。ここで、α−オレフィンとしては、プロピ
レン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−
ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン等
の直鎖状モノオレフィン、3−メチルブテン−1、3−
メチルペンテン−1、4−メチルペンテン−1、2−エ
チルヘキセン−1等の分岐鎖状モノオレフィン、さらに
スチレン等の芳香核で置換されたモノオレフィンを挙げ
ることができる。また、非共役ジエンとしては、1,5
−ヘキサジエン、1,8−ノナジエン、1,4−ジメチ
ル−4−t−ブチル−2,6−ヘプタジエン等炭素数6
〜18の直鎖状または分岐鎖を有する非共役ジオレフィ
ンを挙げることができる。さらに、1,5,9−デカト
リエン等のポリエンまたは5−エチリデン−2−ノルボ
ルネン等のエキソメチレン系環状ジエン類等を用いるこ
とができる。
【0017】また、用いる触媒に関しても制限はなく、
種々のものを用いることができる。例えば、(1)
(a)遷移金属化合物、(b)遷移金属化合物と反応し
てイオン性の錯体を形成し得る化合物及び(c)有機ア
ルミニウム化合物を主成分とする触媒、(2)(a)遷
移金属化合物、(d)アルミニウムオキシ化合物及び
(c)有機アルミニウム化合物を主成分とする触媒、
(3)(a)成分及び/又は(b)成分を主成分とし、
この(a)成分及び/又は(b)成分を担体(e)に担
持したもの、(4)上記(3)に(c)成分を加えたも
の、(5)(a)成分及び/又は(d)成分を主成分と
し、この(a)成分及び/又は(d)成分を(e)に担
持したもの、(6)上記(5)に(c)成分を加えたも
の等を挙げることができる。
【0018】本発明における(a)遷移金属化合物とし
ては、一般式 Q1 a(C55-a-b1 b)(C55-a-C2 C)MX11 ・・・(I) Q2 a(C55-a-d3 d)Z1 MX11 ・・・(II) または一般式 MX2 4 ・・・(III) で表される化合物を好適に用いることができる。
【0019】前記一般式(I)〜(III)において、Q1
は二つの共役五員環配位子(C55-a-b1 b)及び
(C55-a-c2 c)を架橋する結合性基を、Q2 は共
役五員環配位子(C55-a-d3 d)とZ基を架橋する
結合性基を示す。このQ1 及びQ2 として、アルキル基
及びシリル基が好ましい。aは、0,1または2であ
る。また、(C55-a-b1 b)、(C55-a-c
2 c)及び(C55-a-d3 d)は共役五員環配位子で
あり、R1 、R2 及びR3 は、それぞれ炭化水素基、ハ
ロゲン原子、アルコキシ基、ケイ素含有炭化水素基、リ
ン含有炭化水素基、窒素含有炭化水素基または硼素含有
炭化水素基を示し、b、c及びdはa=0のときは、そ
れぞれ0〜5の整数、a=1のときは、それぞれ0〜4
の整数、a=2のときは、それぞれ0〜3の整数を示
す。ここで、炭化水素基としては炭素数1〜20のもの
が好ましい。この炭化水素基は、一価の基として、共役
五員環であるシクロペンタジエニル基と結合していても
よく、またこれが複数個存在する場合には、その2個が
互いに結合してシクロペンタジエニル基の一部と共に環
構造を形成してもよい。一方、Mは周期律表4〜6族遷
移金属を示し、チタン、ジルコニウムまたはハフニウム
が好ましい。Z1 は酸素、硫黄、炭素数1〜20のアル
コキシ基やチオアルコキシ基、炭素数1〜40のリン含
有炭化水素基を示す。X1及びY1は、水素原子、ハロゲ
ン原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20
のアルコキシ基、アミノ基、炭素数1〜20のリン含有
炭化水素基または炭素数1〜20のケイ素含有炭化水素
基を示す。X2 はハロゲン原子またはアルコキシ基を示
す。
【0020】また、(b)遷移金属化合物と反応してイ
オン性の錯体を形成し得る化合物としては、(a)成分
と反応してイオン性の錯体を形成しうるものであればい
ずれのものでも使用できるが、カチオンと複数の基が元
素に結合したアニオンとからなる化合物、特にカチオン
と複数の基が元素に結合したアニオンとからなる配位錯
体化合物を好適に使用することができる。
【0021】また、(c)有機アルミニウム化合物とし
ては、一般式(IV) R4 r AlQ3-r ・・・(IV) (式中、R4 は、炭素数1〜20、好ましくは1〜12
のアルキル基、アルケニル基、アリールアルキル基等の
炭化水素基、Qは水素原子、炭素数1〜20のアルコキ
シ基またはハロゲン原子を示し、rは1〜3の数であ
る。)で表される化合物を挙げることができる。また、
(d)アルミニウムオキシ化合物としては、下記一般式
(V)
【0022】
【化1】
【0023】(式中、R4 は、前記と同じである。sは
重合度を示し、通常2〜50、好ましくは3〜40の整
数である。)で表される鎖状アルミノキサン及び下記一
般式(VI)
【0024】
【化2】
【0025】(式中、R4 は、前記と同じである。pは
重合度を示し、通常3〜50、好ましくは7〜40の整
数である。)で表される環状アルミノキサンを好ましく
挙げることができる。
【0026】本発明においては、触媒成分の少なくとも
一種を、例えば、炭化水素系溶媒に不溶の固体状の無機
や有機の担体(e)に担持して用いることができる。例
えば、 SiO2 、MgCl2 、Mg(OC252
Al23 等を好適に用いることができる。重合方法に
ついては、特に制限はなく、スラリー重合法、気相重合
法、塊状重合法、溶液重合法等のいずれの方法を用いて
もよいが、スラリー重合法、気相重合法が好ましい。
【0027】(4)ポリエチレン系樹脂組成物 組成 本発明におけるポリエチレン系樹脂組成物は、前記
(A)成分と(B)成分とを下記の組成割合で含有す
る。 (i)(A)成分 (A)成分の組成割合は、10〜90重量%、好ましく
は20〜80重量%、さらに好ましくは25〜75重量
%である。10重量%未満であると、紡糸特性が劣化
し、90重量%を超えると熱融着特性が劣化する。 (ii)(B)成分 (B)成分の組成割合は、10〜90重量%、20〜8
0重量%、さらに好ましくは25〜75重量%である。
10重量%未満であると、熱融着特性が劣化し、90重
量%を超えると、紡糸特性が劣化する。
【0028】重量平均分子量と数平均分子量との比
(Mw /Mn ) 本発明におけるポリエチレン系樹脂組成物の重量平均分
子量と数平均分子量との比(Mw /Mn )は、5以下、
好ましくは4以下である。5を超えると、糸切れが発生
し易く、紡糸性能が劣化する。Mw /Mn は、ゲルパー
ミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により求
めた。カラムShodex UT−806L(昭和電工
社製)を2本用い、サンプル量2mg/ml、温度13
5℃、流量1ml/分、溶媒トリクロロベンゼン、注入
量200μgとした。測定機器はGPCM150C(W
aters社製)にディファレンシャルビスコメータ
(Viscotek社製:MODEL110)を接続し
た。この測定から得られる重量平均分子量Mw と数平均
分子量Mn からMw /Mn を求めた。
【0029】添加剤 本発明におけるポリエチレン系樹脂組成物には、必要に
応じて、繊維及び不織布に通常用いられる酸化防止剤、
紫外線吸収剤、消臭剤、熱加工安定剤、着色剤、滑剤、
帯電防止剤、艶消剤、耐候剤等を添加してもよい。
【0030】(5)溶融紡糸 本発明の繊維は、上記ポリエチレン系樹脂組成物を溶融
紡糸することによって得ることができるが、その溶融紡
糸方法としては、例えば繊維便覧(丸善 平成4年,P
25〜28)に記載されているような、押出装置,紡糸
筒,オイリング装置,巻取装置を使用して行う方法、ま
たは、これに準じた方法を用いることができる。
【0031】2.不織布 本発明の不織布に用いる繊維およびウェブ化の方法に
は、特に制限はないが、例えば、スパンボンド法、ステ
ープル法、メルトブロー法、フラッシュ紡糸法を挙げる
ことができる。連続長繊維より構成される不織布を製造
するスパンボンド法を用いる場合、紡糸を牽引するのに
高圧エアを利用したエジェクタまたはエアサッカーを
用いる方法、サクションブロアを用い導風路を密閉と
しエア速度を高めるために絞り板を用いる方法、または
その両者を併用する方法のいずれを用いてもよく、ま
た特にこれらに限定されるものではない。短繊維を出発
原料とし、これをウェブ化し不織布を作るステープル法
を用いてもよい。また、用途によっては多層不織布であ
ってもよいし、芯鞘構造を有する繊維及び不織布であっ
てもよい。例えば、芯部をPP、ポリエステル、ポリア
ミド等の硬い樹脂によって形成し、融着面である表面相
を本発明の組成物によって形成してもよい。
【0032】
【実施例】以下、本発明を実施例によってさらに具体的
に説明する。 [実施例1] エチレン・1−オクテンン共重合体(B)の製造 乾燥窒素置換した重合反応器にトルエン50リットル、
1−オクテン8.0リットルを室温で投入した。次にト
リイソブチルアルミニウム(TiBA)125mmol
を添加し80℃まで昇温した。さらに、テトラ(ペンタ
フルオロフェニル)硼酸トリn−ブチルアンモニウム
0.125mmol、ジメチルシリレンイソプロピリデ
ン−ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロ
リド[(iPr)(SiMe2 )Cp2 ZrCl2
0.125mmolを添加し、引続きエチレンを分圧で
8kg/cm2 Gで導入した。エチレン分圧を保持しな
がら、重合温度を80℃に制御しながら120分間重合
した。重合終了後、イソプロピルアルコールを100m
l添加し反応を停止し、反応器は冷却したのち、脱圧開
放を行なった。生成したエチレン・1−オクテン共重合
体はメタノールで洗浄した後、ろ別乾燥を行なった。そ
の結果、密度880kg/m3 、MI30g/10分、
炭素数1000個当たりの分岐の数42.5個、最高融
点72.5℃のエチレン・1−オクテン共重合体(B)
を5700g得た。
【0033】不織布の形成及び評価 次に、密度935kg/m3 、MI40g/10分のエ
チレン・1−ブテン共重合体(A)(出光石油化学社
製:モアテック5064G)650gと上記で得られ
たエチレン・1−オクテン共重合体(B)350gとを
20mmφ単軸押出機(東洋精密社製)を用いて210
〜230℃で溶融混練し、ポリエチレン系樹脂組成物
((A)+(B))を得た。この組成物の密度は、91
7kg/m3、MIは、36g/10分であった。次い
で、この組成物を用いてスパンボンド法により不織布を
成形した。装置の構成は押出機・ダイ・ノズル・冷却チ
ャンバー・フィラメント牽引装置並びに開繊装置・ウェ
ブコレクタ・エンボスロール・巻取機の順からなるもの
を用いた。成形条件は以下のようにした。 押出機のスクリュー径:20mmφ ダイ設定温度:20℃ ダイにあるノズルの径:0.4mmφ 個数:168個 ノズル当たりの吐出量:0.42kg/hr 紡糸牽引装置:密閉導風路方式(ライコフィルモデル) 得られた不織布の物性は以下の方法に従って評価した。
【0034】(1)紡糸性 1時間成形中にダイスのノズル168本から得られる糸
の中で破断した糸の数で評価した。破断しない場合:
○,1、2本の場合:△,2本を超える場合:×、とし
た。
【0035】(2)ローピング 絞り板部の風の乱れおよび絞り板部で隣接する糸が付着
して束になる現象(ローピング現象)の発生の有無を目
視で評価した。発生しない場合:○,少し発生した場
合:△,発生が多い場合:×、とした。
【0036】(3)熱融着性−エンボス温度 ウェブをエンボスロールにより熱融着して不織布化する
時のエンボス温度で評価した。温度が高過ぎるとウェブ
はロールに付着して巻きつき、低過ぎると十分な接着強
度が得られず、毛羽立ちやほつれが発生する。このよう
なロール付着、毛羽立ちが発生しない温度をエンボス温
度と定義した。評価条件は以下のようにした。 エンボスロール:トクデン社製、誘導発熱ローラ エンポス圧力(線圧):24daN/cm スピード:5m/min 評価ウェブ目付:40g/m2 ウェブ幅0.2m ウェブ密度:40g/m2
【0037】(4)ソフト感 エンボスロールで熱融着した後の不織布を用い、5人の
パネラーによる官能評価を行なった。非常に柔らかい場
合、まあまあ柔らかい、硬いを各々○、△、×とし、多
数決の評価結果を用いた。得られた物性値を表1に示
す。
【0038】[実施例2]実施例1において、エチレン
・1−ブテン共重合体(A)の配合量を650gから7
00gに変え、かつエチレン・1−オクテン共重合体
(B)の配合量を350gから300gに変えたこと以
外は実施例1と同様にした。なお、工程中で得られるポ
リエチレン系樹脂組成物の密度は920kg/m3、M
Iは、37g/10分であった。
【0039】[比較例1]実施例において、エチレン・
1−オクテン共重合体(B)を用いることなく、エチレ
ン・1−ブテン共重合体(A)を1000g用いたこと
以外は実施例1と同様にした。
【0040】[比較例2]実施例1において、エチレン
・1−ブテン共重合体(A)を用いることなく、エチレ
ン・1−オクテン共重合体(B)を1000g用いたこ
と以外は実施例1と同様にした。
【0041】[比較例3]比較例1において、エチレン
・1−ブテン共重合体(A)の代わりに、密度が920
kg/m3 、MIが29g/10分、Mw /Mn が4.
1のエチレン・ブテン−1共重合体(A')(三菱油化
社製:UJ280)を1000g用いたこと以外は比較
例1と同様にした。
【0042】[比較例4]比較例1において、エチレン
・1−ブテン共重合体(A)の代わりに、密度が920
kg/m3 、MIが25g/10分、Mw /Mn が3.
4のエチレン・1−オクテン共重合体(A'')(三井石
油化学社製:2034G)を1000g用いたこと以外
は比較例1と同様にした。
【0043】以上、実施例1〜2及び比較例1〜4で用
いたエチレン・α−オレフィン共重合体(A),
(B),(A')及び(A'')の特性を表1に示し、ま
た、用いたエチレン・α−オレフィン共重合体のそれぞ
れの組成割合、得られたエチレン系樹脂または樹脂組成
物((A)+(B))の密度、MIおよびMw /Mn 、
並びに得られた不織布の物性評価を表2に示す。
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によって、
紡糸特性および熱融着特性に優れた繊維、並びに柔軟性
および風合いのみならず生産性に優れた不織布を提供す
ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 町田 修司 千葉県袖ケ浦市上泉1280番地 出光興産株 式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主要成分として下記(A)および(B)
    成分を下記組成割合で含有し、かつ重量平均分子量(M
    w )と数平均分子量(Mn )との比(Mw /Mn )が5
    以下であるポリエチレン系樹脂組成物を、溶融紡糸して
    得られることを特徴とする繊維。 (A):下記特性およびを有するエチレン・α−オレフィン及び/又は非 共役ジエン共重合体 10〜90重量% メルトインデックス(MI):20〜100g/10分 密度(ρ) :920〜970kg/m3 (B):下記特性,およびを有するエチレン・α−オレフィン及び/又 は非共役ジエン 10〜90重量% メルトインデックス(MI) :20〜100g/10分 炭素数1000個当たりの分岐の数(BN):10〜80個 最高融点(Tmmax ) :(130−BN)℃以下
  2. 【請求項2】 請求項1記載の繊維をウェブ化して形成
    されてなることを特徴とする不織布。
  3. 【請求項3】 前記繊維のウェブ化が、スパンボンド
    法、ステープル法、メルトブロー法またはフラッシュ紡
    糸法によるものであることを特徴とする請求項2記載の
    不織布。
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