JPH08176907A

JPH08176907A - ウエストサイズが調節可能なズボン

Info

Publication number: JPH08176907A
Application number: JP32413894A
Authority: JP
Inventors: Seiji Ikeda; 征司池田
Original assignee: SANKUANTO KK
Current assignee: SANKUANTO KK
Priority date: 1994-12-27
Filing date: 1994-12-27
Publication date: 1996-07-09
Anticipated expiration: 2012-04-02
Also published as: JP2596524B2

Abstract

(57)【要約】【目的】ズボンのウエストサイズの調節可能範囲をゴ
ムなどによるよりも大幅に広げ、しかも、身体に対する
締め付け感が調節量により変らないようにする。【構成】ズボンの前半部の上端部分において、両端部
のそれぞれにベルベット式ファスナーの一方の側の短い
片１、２が取り付けられ、中央部に同ファスナーの他方
の側の長い片３が取り付けられる。後部には、ゴム等の
伸縮性材料による伸縮可能な部分５が設けられる。両端
部のファスナー片１、２を中央部のファスナー片３の適
当な位置に係合することにより、ウエストサイズを調節
する。中央部のファスナー片３を２分して、別々に取り
付けてもよく、また、両端部のファスナー片１、２を別
の布に取り付けて、これらをズボン本体の側部に耳状に
縫い付けてもよい。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ズボンに関するもので
あり、特に、ウエストサイズが調節可能なズボンに関す
る。

【０００２】

【従来の技術】ズボンのウエストサイズを調節可能にす
るために、従来は、ウエスト部分の一部又は全部に、ゴ
ムなどの伸縮性材料を挿通するか、あるいは編込むなど
して、伸縮可能に構成するのが普通である。しかしなが
ら、この方法では、調節可能な範囲が狭く、しかも、身
体に対する締め付け感が調整量により変化するという欠
点がある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、ズボ
ンのウエストサイズの調節可能範囲を、ゴムなどの伸縮
性材料の使用によるよりも大幅に広げ、しかも、身体に
対する締め付け感が調整量により変らないようにするこ
とにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明によれば、ズボン
の前部の上端部分において、両端部のそれぞれと、前記
両端部を除く部分の少なくとも一部における左右対称な
位置とに、ベルベット式ファスナー（俗にいうマジック
テープ）の一方の側又は他方の側の片が取り付けられ、
左右各側における端部のファスナー片と中央部側のファ
スナー片が係合可能な対をなしている。例えば、両端部
のそれぞれにベルベット式ファスナーの一方の側の片が
取り付けられ、それの他方の側の単一の片がズボンの前
部中央を中心に取り付けられる。

【０００５】各端部のファスナー片が取り付けられた各
端部の部分で、前部と後部のズボン生地が縫い合わされ
ているのが好ましい。あるいは、各端部のファスナー片
を、ズボン本体に取り付ける代りに、別の布に取り付け
て、この布の一端をズボン本体の脇部に縫い付けてもよ
い。また、上端部分の後部に、ゴムなどの伸縮性材料を
用いた伸縮可能な部分を設けてもよい。縦空きポケット
は、ズボンの真横よりも後部中央寄りの位置に設けるの
がよい。

【０００６】

【作用】前記の構成によれば、左右各端部のファスナー
片を、同じ側の他の部分のファスナー片の適当な位置に
係合させることにより、ウエストサイズを容易に調節す
ることができる。その調節可能な範囲はゴムなどによる
よりもずっと広く、しかも、身体に対する締め付け感
は、調整量と無関係にほぼ一定である。

【０００７】ファスナー片が取り付けられた各端部の部
分で前部と後部のズボン生地が縫い合わされた構造は、
ウエストサイズ調整動作中の端部の扱いを容易にする。
後部に設けた伸縮可能な部分は、身体に対する締め付け
感を好みに応じて調節することを可能にし、また、臀部
にゆとりをもたらすので、着心地を向上させる。縦空き
ポケットをズボンの真横よりも後部中央寄りに設けれ
ば、ウエストサイズを縮小調節したときに、真横又はそ
れに近い位置に来るので、使いやすい。

【０００８】

【実施例】図１は、本発明の一実施例の斜視図を示す。
ズボンの前半部の上端部分において、左右の各端部に、
ベルベット式ファスナーの一方の側（例えばフック側）
の短い片１及び２がそれぞれ縫い付けられ、同ファスナ
ーの他方の側（例えばループ側）の長い片３が、ズボン
の前部中央を中心に縫い付けられている。ベルベット式
ファスナーの一対の側のうちで手触りの良い方を、中央
部のファスナー片３として使うのがよい。中央部のファ
スナー片３の中央には、適当な図柄の装飾用布片４をか
ぶせて縫い付けてある。中央部のファスナー片３が長い
ほど、ウエストサイズの調節可能範囲が広くなる。中央
部のファスナー片３を、その端が各端部のファスナー片
１、２と接するまで、延長してもよい。左右の各端部の
ファスナー片１及び２が取り付けられた部分では、ズボ
ン生地の前部と後部が縫い合わされている。

【０００９】ズボンの上端部分の後部には、ゴム等の伸
縮性材料の挿通、編み込み等による伸縮可能な部分５が
設けられている。図には示されていないが、縦空きポケ
ットが、真横よりもやや後（例えば、ウエストサイズを
調節可能範囲の中央値に調節した時に、真横又はそれに
近い位置に来る場所）に設けられている。なお、線６及
び７は、ズボンの前半部と後半部の境界（以後側端縁と
いう）を表わす。

【００１０】着用に際しては、まず、ベルベット式ファ
スナーの係合を解いた状態で、ズボンを履く。それか
ら、一方の側について、ズボンの前部の脇腹部分を体に
沿わせて押さえながら、端部を前方に折り返し、同端部
のファスナー片（例えば１）を中央部のファスナー片３
に係合する。次いで、反対側も同様に処置すれば、適正
なウエストサイズとなる。その際、端部を引張る力を加
減して、後部の伸縮可能部分５による緊迫力を好みの強
さに調整する。必要に応じて、最初に調節した方の係合
を一旦外して、最適状態に微調節してもよい。端部のズ
ボン生地の前部と後部を縫い合わせてあるので、上記の
一連の動作における端部の扱いが容易になる。後部の伸
縮可能部分５は、また、臀部にゆとりを作るので、着心
地が向上する。

【００１１】図２は、前述のようにしてウエストサイズ
の調節を済ませたズボンの上半部の様子を、斜視図で示
す。前方に折り返された側端縁６及び７は、外観上はタ
ックのように見えるので、外観上の不自然感は僅少であ
り、また、機能上も、タックと同様に、ヒップサイズに
ゆとりを与える効果を有する。

【００１２】具体的寸法の一例として、無調整時のウエ
ストサイズを９０cmに作り、５cm幅のベルベット式ファ
スナーテープを用いて、各端部のファスナー片１及び２
の長さをそれぞれ５cm、中央部のファスナー片３の長さ
を３５cmとし、装飾用布片４の長さを１０cmにする。こ
の寸法によれば、調整後の最大ウエストサイズ（各端部
片１、２を中央部片３の最外端部に係合した時）は８０
cmで、同最小ウエストサイズ（各端部片１、２を装飾用
布片４に隣接する位置に係合した時）は６５cmとなる。
この寸法は女性向きである。中央部のファスナー片３を
両端部のファスナー片１、２に接する所まで延長する
（このときの長さは４５cm）とともに、装飾用布片４を
除去すれば、調節可能範囲は９０cmから５５cmまでとな
るが、最大サイズ又は最小サイズの近くに調整した時
に、側端縁６と７が極端に脇又は中央に寄るので、見た
目の恰好はあまりよくない。

【００１３】他の例としては、無調整時のウエストサイ
ズを１１０cm、中央部のファスナー片３の長さを４０cm
として、他を前記と同じに作れば、調整後の最大ウエス
トサイズは９５cmで、同最小ウエストサイズは７５cmと
なる。この寸法は男性向きである。恰好を問題にしなけ
れば、中央部のファスナー片３を両端部のファスナー片
１、２に接する所まで延長する（このときの長さは５５
cm）とともに、装飾用布片４を除去することにより、１
１０cmから６５cmまで調節可能である。

【００１４】図３は、ファスナー片の別の取付け方を示
す。この実施例においては、図１における中央の単一の
ファスナー片３に代えて、中央からやや離れた左右対称
の位置に、ファスナー片３ａと３ｂがそれぞれ取り付け
られている。この実施例の場合には、片３ａと３ｂがベ
ルベット式ファスナーの異なる側のもの（すなわち、一
方がループ側で他方がフック側）であっても、実用上は
差し支えがなく、要は、左右の各側において、端部と中
央部のファスナー片が係合可能な組合せになっていれば
よい。しかし、美感上は、片３ａと３ｂを同質のものと
するのが好ましい。この構造の場合には、ズボンの前部
中央を開閉可能にすることができる。ファスナー片３ａ
と３ｂの外端は、端部のファスナー片１と２にそれぞれ
接するまで、延長してもよい。

【００１５】また、両端部のファスナー片１及び２を、
ズボン本体の生地に直接取り付ける代りに、それぞれ別
の布に取り付けて、この布を、図３に示すように、ズボ
ン本体の両側端縁に耳状に縫い付けてもよい。

【００１６】

【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、ウエストサイズを広い範囲で無理なく調節す
ることができ、最大サイズを最小サイズの２５％（１５
〜２０cm）増程度にするのは、外観を損なうこともなく
容易に実現することができ、恰好を気にしなければ、こ
れを６５％（３５〜４５cm）増程度とすることも可能で
ある。しかも、このような広い調節範囲にもかかわら
ず、身体に対する締め付け感は一定である。そして、こ
の締め付け感も、伸縮可能部分を付加すれば、好みに応
じて調節できる。

【００１７】ファスナー片が取り付けられた各端部の部
分で前部と後部のズボン生地が縫い合わされた構造は、
ウエストサイズ調整動作における端部の扱いを容易にす
る。後部に設けた伸縮可能な部分は、身体に対する締め
付け感を好みに応じて調節することを可能にし、また、
臀部にゆとりをもたらすので、着心地を向上させる。縦
空きポケットを真横よりも後部中央寄りに設ければ、ウ
エストサイズを縮小調節したときに、真横又はそれに近
い位置に来るので、使いやすい。本発明によるズボン
は、特に、普段着、作業着、運動着等に好適である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例であるズボンの斜視図。

【図２】ウエストサイズ調節後における図１に示された
ズボンの上半部の状態を示す斜視図。

【図３】本発明の他の実施例であるズボンの上半部の斜
視図。

【符号の説明】

１、２…ベルベット式ファスナーの一方の側の片３、３ａ、３ｂ…ベルベット式ファスナーの他方の側の
片５…伸縮可能部分

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】ズボンの前半部の上端部分において、左右
の各端部と、前記両端部を除く部分の少なくとも一部に
おける左右対称な位置とに、ベルベット式ファスナーの
一方の側又は他方の側の片が取り付けられ、左右各側に
おける端部のファスナー片とその余の部分のファスナー
片とが係合可能な対をなしているズボン。
【請求項２】請求項１において、前記両端部のそれぞれ
にベルベット式ファスナーの一方の側の片が取り付けら
れ、前記ベルベット式ファスナーの他方の側の単一の片
がズボンの前部中央を中心として取り付けられたズボ
ン。
【請求項３】請求項１又は２において、前記各端部のフ
ァスナー片が取り付けられた部分でズボンの前部と後部
の生地が縫い合わされているズボン。
【請求項４】請求項１又は２において、前記各端部のフ
ァスナー片が、ズボン本体にではなく、その両脇に一端
が縫い付けられた別の布に取り付けられているズボン。
【請求項５】請求項１、２、３又は４において、ズボン
の上端部分の後部に伸縮性材料を用いて伸縮可能に構成
された部分を有するズボン。
【請求項６】請求項１ないし５のいずれかにおいて、縦
空きポケットがズボンの真横よりも後部中央寄りに設け
られているズボン。