JPH08176016A - 生分解可能で注射可能な薬物運搬ポリマー - Google Patents

生分解可能で注射可能な薬物運搬ポリマー

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JPH08176016A
JPH08176016A JP6333816A JP33381694A JPH08176016A JP H08176016 A JPH08176016 A JP H08176016A JP 6333816 A JP6333816 A JP 6333816A JP 33381694 A JP33381694 A JP 33381694A JP H08176016 A JPH08176016 A JP H08176016A
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polymer
pharmaceutically active
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active agent
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JP6333816A
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Gabriel Simon
サイモン ガブリエル
A Davis Patricia
エイ.デイビス パトリシャ
W Cousins Scott
ダブリュ.カズンズ スコット
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University of Miami
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  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 長時間に亙って薬物を放出することができる
注射可能な薬物組成物を提供する。 【構成】 この薬物組成物は、生分解可能なポリマーの
マトリックス中の調剤的に活性な剤でできている。ここ
にポリマーマトリックスは温度範囲20〜37℃では固
体であるが38〜52℃の温度範囲では流体になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、持続して放出する薬物
を人体に投与するに際して使用される改良された媒体物
を提供する生分解可能[biodegradable]で注射可能な薬
物運搬ポリマー系に関する。
【0002】
【発明の背景】薬物の眼内導入に関する現在の技術は、
かさ張る植込み可能な薬物運搬デバイスか、または薬物
を含有した注射可能な微小球体かのいずれかである。こ
うした運搬系は一般の臨床使用には不都合になる欠点が
あった。特にかさ張る眼内植込みのインプランテーショ
ンは外科手術を必要とし、ひいてはそれに付随する危険
がある。一方微小球体は、眼内、つまり視軸か、または
近隣組織部位に移動するおそれがある。
【0003】この種の技術の現状を例示するような特許
について以下に述べるが、それらはいずれも臨床的に使
用可能な有効なデバイスまで開拓されていない。これら
のデバイスについて述べるために、まずこれら特許で使
われている用語につき説明する。文献は「眼」[ocular]
なる語を、眼内デバイスなのに眼外デバイスと一緒に分
類するなど、混乱して使っている。「眼」[ocular]と
は、解剖学、生理学、および一定手法の侵略性を反映す
る語を使うときに用いられるべき語である。本願におい
て使用されているように、「眼外」[extraocular]と
は、眼表面、および眼球[eyeball]と瞼[eyelid]との間
の(外側の)空隙[space]とを指す語である。例えば
「眼外」領域といえば、瞼の円蓋[fornix]または窩[cul
-de-sac],結膜表面および角膜表面などである。この部
分はすべての眼組織に対し外側にあり、この領域に入る
のに侵略的手法を必要としない。眼外デバイスは一般に
容易に除去することができ、患者本人でもできるくらい
である。眼外系といえば、例えば、コンタクトレンズと
か「局部的に」投与される滴などである。
【0004】次の特許は眼外領域に薬物を投与するのに
使われる眼外系について開示するものである。
【0005】Higuchiらは米国特許第3981303号、 同3986
510号、 同3995635号で薬物含有の生分解可能な眼挿入物
について開示している。この挿入物は眼球と瞼との間の
眼外空隙の眼球窩[in the cul-de-sac of the eye-bal
l]中に保持するために3つの異なる形状に造り得る。い
くつかの種類の一般的なバイオ適合性あるポリマーがこ
のデバイスを組み立てるために使われるのに適するとさ
れている。これらのポリマーとしてはアルギン酸亜鉛、
ポリ(乳酸)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(酸無
水物)およびポリ(グリコール酸)が挙げられる。これ
らの特許は薬物に対する浸透性を減少させた、薬物形態
[the drug formulation]を保持する複数の空洞室のある
膜でコーティングしたデバイスについても開示してい
る。
【0006】英国特許第1529143号は半月形の薬物を放
出する眼挿入物について開示している。この挿入物は上
の瞼と眼球の上の上円蓋[the upper fornix]中に保持さ
れるもので、もう一つの眼外デバイスである。
【0007】Hughesらは米国特許第4201210号で動物の
眼に使う眼外デバイスについて開示している。このデバ
イスは輪形で制御された放出系である。
【0008】Theeuwesは米国特許第4217898号で制御し
た薬物運搬に使う微小多孔性の貯蔵器について開示して
いる。これらのデバイスは眼外的に眼窩内に配置され
る。4つのデバイスの形状が開示されている。係わるポ
リマー系にはポリ(塩化ビニル)-コ-ポリ(酢酸ビニ
ル)コポリマーが包含される。
【0009】Kaufmanは米国特許第4865846号、 同第4882
150号で結膜嚢[the conjunctival sac]に少なくとも一
つのバイオ被侵食性物質または軟膏担体[ointment carr
ier]を含有する点眼薬運搬系について開示している。こ
の運搬系に使うのに適した薬物としてはピロカルピンが
ある。当該特許は、妥当なポリマー系としてポリ(ラク
チド)、ポリ(グリコリド)[poly(glycolide)]、ポリ
(ビニルアルコール)、および架橋したコラーゲンを挙
げている。
【0010】Brightmanらは米国特許第4474751号で制御
運搬の点眼物質としての生分解可能な眼挿入物について
開示している。この挿入物は動物の眼の第三瞼に付着可
能な眼外挿入物である。該挿入物は薬物治療の制御運搬
に使われる。
【0011】上述の特許はすべて、既述の定義の意味に
おける眼外系に関するものである。次に眼内系とは、眼
自身の組織層の中間または回りにある組織小室[tissue
compartment]中に使うのに適した系をいう。ここでいう
部位とは結膜下(眼球に隣接する眼粘膜の下)、眼窩[o
rbital](眼球の後ろ)、およびイントラカメーラル[in
tracameral](眼球自身のチャンバー内)などをいう。
眼外系と対蹠的に、これらの領域に入り込むには注射と
か薬物の皮下植込み[implantation]といった外科的手法
が要求される。このことは皮下植え込み手術中に眼の安
全性を直接侵略することを必要とするもので、除去する
ための大々的な外科手術が必要とされる。次に挙げる特
許は眼内デバイスに関するものである。
【0012】Wongは米国特許第4853224号で、眼のチャ
ンバー内に導入するための微小なカプセル封入された薬
物について開示している。この系に使われるポリマーと
してはポリエステルおよびポリエーテルがある。この系
によって運搬することができる薬物の例としては、5-フ
ルオロウラシル、ピロカルピン、およびアシクロビル[a
cyclovir]がある。
【0013】Leeは米国特許第4863457号で、治療剤の継
続放出をさせるため眼内に外科的に植え込まれる生分解
可能なデバイスについて開示している。このデバイスは
結膜(眼球の粘膜)の下に外科的に植え込むすることが
できるように設計されている。このデバイスは縫合固定
のために突出した「ハンドル」の付いた円盤形をしてい
る。
【0014】Krezancakiは米国特許第4188373号で人の
体温でゲル化する薬品担体について開示している。この
担体は薬物の水性懸濁液およびゴムないしセルロース由
来の合成誘導体である。この懸濁液は30℃(室温)以
下では液体であって25〜40℃の温度範囲において初
めてゾル−ゲル転換を起こす。したがってこの系におい
ては注射部位内で共有化学相互作用が生ずる。
【0015】Haslamらは米国特許第4474751号、 同第447
4752号で、 室温で液体で、人の体温でゲル化するポリマ
ー薬物について開示している。この系に使われるのに適
するポリマーとしてはポリオキシエチレン、ポリオキシ
プロピレンのブロック共重合体がある。適した薬物とし
ては5-FU,ゲンタマイシン、トリアムシロノン[tria
mcinolon]、およびアシクロビル[acyclovir]がある。こ
の系は眼内のポリマー成分間の温度依存性化学重合反応
を必要とする。これは基本的に本願発明の概念とは異な
るものである。米国特許第4474753号はこの系の局部的
な利用法について開示するものである。
【0016】
【発明の概要】本願発明は「メルタマー」[meltamer]と
呼ばれる新規な生分解可能なポリマー系、および人体に
調剤的に活性な剤を導入するためのその利用法に関す
る。本願のポリマー組成物[polymer compositions]は注
射によって導入することができるので外科的手法を取る
必要がない。また、本願の組成物は人体内で共有化学反
応を起こす必要がない。これらのことは従来法に比し手
続を著しく簡素化するものである。
【0017】本願発明の1側面は、調剤的に活性な剤と
生分解可能な[biodegradable]ポリマーとを含有する薬
物運搬組成物よりなり、ここに生分解可能なポリマー
は、20〜37℃の温度範囲では固体であるが、38〜
52℃の温度範囲、好ましくは38〜45℃の温度範
囲、では液体となるものである。
【0018】本願発明のもう一つの側面は、調剤的に活
性な化合物を人体中に導入する方法である。その方法と
は下記のステップから構成される。すなわち、(a) 生分
解可能なポリマーが20〜37℃の温度域では固体で、
38〜52℃の温度域では液体であり、薬物運搬組成物
が生分解可能なポリマーと調剤的に活性な剤とを混合す
ることによって構成される所の調剤的に活性な剤と生分
解可能なポリマーとを含有する薬物運搬組成物をつく
り、(b) 薬物運搬系が液化する温度にまで加熱すること
によって薬物運搬系を液化し、そして(c) その液化した
ポリマーを人体に注射する、というステップである。本
願発明のその他の目的、特徴、特性、ならびに構成や関
連する部分の機能についての作用の仕方、製造のための
成分の組合せ等については、次の詳細な説明および特許
請求の範囲の記載を考察して戴ければ一層明らかになろ
う。
【0019】
【現時点での好ましい実施例についての詳細な説明】本
願発明は注射可能な薬物運搬系および人体に導入して薬
物を持続的に放出させる方法について開示する。
【0020】本願発明の薬物運搬系は20〜37℃では
固体で、38〜52℃の温度域では流動可能、例えば液
体、になるポリマーマトリックスを含有する薬物を含む
生分解可能な薬物運搬系となっている。この系はやく5
0℃まで加熱することができ、その辺の温度になると液
化し処置を必要としている人体に注射され、そして人体
中で固化する。冷却すること以外には共有反応、セッテ
ィングその他の臨床工程は不要である。このことは注射
前に研究室で予め形成されるべきポリマー/薬物相互作
用のすべてを可能にする。この前段階での形成は侵害的
な外科手術とか化学反応といった欠点なしに優れた持続
的薬物放出特性のある注射可能な系をもたらす。このポ
リマーは完全に生分解していかなる残滓も残さない。
【0021】本願発明の注射可能な運搬系は人体中に薬
物を運搬するための改良された方法を提供するものであ
る。本発明は人体中に薬物の化合物を持続的に放出する
ことを可能にする形式で薬物を提供する。現段階では局
部的薬物治療または溶解性薬物の注射が臨床使用可能な
唯一の選択枝である。しかしこうしたメディア[media]
は短い半減期である。
【0022】薬物運搬ポリマーは溶解性または液体の薬
物形態の運搬に限られるものではない。例えばポリマー
は薬物含有微小球体、リポソーム[liposome]その他の個
々の微粒子からなる薬物を、注射部位において安定化し
保持するマトリックスとして利用することができる。さ
らに、成長因子、シトキン[cytokines]、または他の生
物的応答を修飾する物質のような薬理学的に活性なタン
パク質をこのポリマー系に組み込み運搬することができ
る。
【0023】多くの問題が眼内に持続的に放出させるた
めの現段階で利用できる技術を使用することに関係して
いる。例えば外科的植え込み手術を必要とするかさ張っ
た植え込みの利用、また移動の問題に対処しなければな
らない注射可能な微小球体などである。
【0024】本発明の系は使用することが簡単であると
いう利点を有する。例えば25ゲージの針で行う簡単な
注射が薬物運搬デバイスを眼中に導入させるのに必要な
すべてである。ひとたび眼中に入れば、簡単な冷却工程
を経るだけで固化するのである。するとその固化したポ
リマーは徐々に分解し薬物を放出するのである。いかな
る共有化学反応も要求されていないから、先行する外科
的手術または合併症に起因して起こるさまざまな眼内状
態に関係する問題を解消する。さらに本発明のデバイス
は完全に溶解するので、外科的手術を施して除去しなけ
ればならなくなるような残滓を少しも残さない。
【0025】本発明の有力な用途としては、複雑な網膜
剥離、AIDSにみられるCMV網膜などの疾病を処置するた
めに眼の硝子体液窩に薬物ないし活性物質を制御下に運
搬することなどがある。また、線維芽細胞の増殖[fibro
blast proliferation]を制御するために行われるレーザ
ー緑内障フィルタリング手術[laser glaucoma filterin
g surgery]をした後のフィルタリング気泡の外傷治癒を
予防するため結膜下に代謝拮抗物質を持続的に放出させ
るのにも利用することができる。また、例えば白内障手
術後に眼中に抗生物質または抗炎症薬[anti-inflammato
ry drugs]を持続的に放出運搬するのにも利用すること
ができる。さらに、持続的な薬物治療を必要とする人体
の眼以外の部所に使用するのにも適している。例えば皮
膚異常の病変内治療[intralesional therapy],試薬の
関節内運搬および頭蓋内への薬物運搬などがある。これ
らの使用例は単なる一例として挙げたものであって本発
明の範囲を限定するものではない。当業者なら本発明の
他の利用法を本発明の記載の範囲内に見いだすことであ
ろう。
【0026】本発明の好ましい実施例は調剤的に活性な
化合物を眼内領域に導入するための使用である。しかし
本発明の薬物運搬系は眼内使用に限定されたものと考え
られてはならない。
【0027】本発明は薬物運搬デバイスを挿入するため
に眼の外科手術をする危険、ならびに眼内化学反応を回
避するものである。
【0028】次の特性を有する全ての生分解可能なポリ
マー系は本発明の系の生分解可能なポリマーマトリック
スに使うのに適している。すなわち、生分解可能で、さ
まざまな薬物と共存でき、20〜37℃では固体で、3
8〜52℃では液体となり、これらの温度で何らの化学
反応も起こすことなく溶融および固化する能力を有し、
研究室で形成することができて、それ以上の化学反応を
させる必要なく使用することができる、ホモポリマー、
コポリマー、ブロック共重合体、ワックスおよびゲルで
ある。ポリマーマトリックスは適当な手段によって研究
室または工場で形成することができるし、上記の満足さ
れるべき要件を具備する何らかの手段によって薬物と配
合させることができる。
【0029】好ましいポリマー系はトリブロック共重合
体である。このブロック共重合体は次の一般式をもつ: A−B−A ここでAは疎水性ポリマーのブロックで、Bは親水性ポ
リマーである。生分解可能なモノマーとポリマーは好ま
しくはエステル基を介して結合されているのがよい。好
ましい疎水性ポリマーとオリゴマーとしては、下記に限
定するものではないが、ポリグリコール酸、ポリブチル
ラクトース、ポリ(ε-カプロラクトン),D-ポリ乳
酸、L-ポリ乳酸、ポリグリタミン酸[polyglytamic aci
d]、ポリ-L-リジンおよびポリ-L-アスパラギン酸から
選択されたユニットがある。好ましい親水性ポリマーは
ポリエチレン グリコールである。
【0030】特に好ましい生分解可能なポリマーマトリ
ックスは、ポリ(ε-カプロラクトン)(PCL)-ポリエチレ
ングリコール(PEG)-ポリ(ε-カプロラクトン)のトリブ
ロック共重合体である。このポリマーは眼のような親水
性環境下にあって加水分解するエステル結合を含んでい
る。この好ましいポリマーは次の式を有する。
【式2】ここでmは6.67〜16.67のレンジ内、n
は4.65〜17.54のレンジ内である。
【0031】このポリマーの特に好ましい実施例は、分
子量2,000のポリ(ε-カプロラクトン)の2ユニットと、
分子量600のポリエチレングリコールの1ユニットとの
ブロック共重合体である。このタイプのポリマーは溶融
重合によって製造することができる。
【0032】生分解可能なポリマーマトリックスは、薬
物運搬組成物の30重量%〜99.5重量%、好ましく
は65重量%〜99重量%、さらに好ましくは薬物運搬
組成物の75重量%〜98重量%となるべきである。
【0033】生分解可能なマトリックスと共存できる調
剤的に活性な組成物であれば何でもこの系に使うことが
できる。適切な薬物の例としては、ガンシクロビル[gan
ciclovir]、アシクロビル[acyclovir]、フォスカーネッ
ト[foscarnet]、5-フルオロウラシル、デキサメタゾ
ン、トリアムシノロン[triamcinolone]、プレドニソ
ン、フロクスリジン[floxuridine]、ドクソロビシン[do
xorobicin]、ダウノラルビシン[daunorulbicin]、マイ
トマイシン、シタラビン[cytarabine]、メトトレキセー
ト、およびチオグアニンがある。
【0034】薬物は薬物運搬組成物中に、その組成物全
重量に対し0.5〜70重量%、好ましくは1〜35重
量%、最も好ましくは2〜25重量%存在しているべき
である。
【0035】以下に本発明の構成法および利用法につき
例示することによってより詳細に説明する。これらの実
施例は説明の用に供するために挙げるものであって本発
明の範囲を限定するためのものではない。
【0036】
【実施例】
実施例1:PEG600をPCL2000で溶融重合してPC
L2000−PEG600−PCL2000のメルタマーを製造す
る例。
【0037】PEG600、19.7gm(0.033 モル)と、 PC
L2000、 136.2gm(0.068モル)とを丸底フラスコに入れ5
0〜60℃で24時間0.5mm Hg真空下で混合する。反
応から生ずる逃げ水のために副生物貯槽を設けておく。
ポリマーを熱酢酸エチル(第1溶媒)中に溶解し、その
溶液をファットマン第2フィルタ[Whatman No. 2 filte
r]で濾過して再晶出する。次に溶液が濁り始めるまでそ
の温濾過水にヘキサン(第2溶媒)を滴加する。溶液を
再び透明にするため第1溶媒を十分に加える。その溶液
を冷却する(一晩冷凍)。メルタマーの結晶が冷却中に
形成される。その冷却溶液を濾過し、結晶を冷たい新鮮
な第1溶媒で洗浄する。結晶を分圧真空(〜0.5mm
Hg)中、加温(<50℃)したオーブン中で乾燥させ
る。再晶出後の収率は69%であった。
【0038】実施例2:PEG400をPCL1250
で溶融重合してPCL1250−PEG400−PCL
1250のメルタマーを製造する例。
【0039】0.04モルのPEG−400と0.08
モルのPCL−1250とを丸底フラスコに入れ50〜
60℃で24時間0.5mm Hg真空下で混合する。反応か
ら生ずる逃げ水のために副生物貯槽を設けておく。上述
したと同様にして再晶出する。再晶出後の収率は74%
であった。上記のほかに使用可能な第1溶媒としては、
アセトン、クロロホルム、ジクロロエタン、およびトル
エンがある。その他の可能な第2溶媒としては、水、メ
タノールおよびエタノールがある。
【0040】
【一般的分析】生体外のメルタマーの分解は37℃で水
浴中で行うことができる。各メルタマーのサンプルをシ
リンジに入れ、55℃オーブン中で加熱してから、37
℃の水中に注射する。さまざまな消失時間を記録する
(30分〜3日)。
【0041】生体内の眼内適合性寿命[compatibility l
ifetime]および眼内分解寿命は試験ラビットの眼の前房
(anterior chamber,AC)および硝子体腔の両方に殺
菌したメルタマーを注入することによって確かめること
ができる。硝子体腔での分解は前房での分解より迅速で
あるようである。それでもメルタマーは3カ月以上に亙
って前房および硝子体腔の両方に存在し続けている。
【0042】化学分析としては、化学構造を確認するた
めの一般研究室の溶媒における溶解度の測定、核磁気共
鳴分析、およびフーリエ変換赤外分析、また、融点温度
を決定するための示差走査熱測定分析などがある。ある
示差走査熱測定結果をまとめてみると表1の通りであ
る。
【表1】
【0043】
【薬物を組み入れてメルタマーにする】ガンシクロビル
[gancyclovir]のような薬物は次のようにすることでメ
ルタマー中に組み入れることができる。すなわち薬物お
よびメルタマー双方を液体窒素にさらしてから、それら
を押し潰して粉にする。このとき薬物の比率は2.5〜
30%である。次にメルタマー−薬物の組成物を生体内
で使うためエチレンオキシド滅菌を行うためシリンジに
入れる。
【0044】本発明は現段階において最も実際的で好ま
しい態様として考えられる所を説明したが、ここに開示
した態様にのみ限定されるものではなく、特許請求の範
囲の記載に従い種々の変形例、均等物をも含むものとさ
れるべきものであることを付言する。
【化1】
【化2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 31/52 ADY 31/57 AEH 31/70 ADU 31/71 ADU 45/00 (72)発明者 スコット ダブリュ.カズンズ アメリカ合衆国、33136 フロリダ州、マ イアミ、 ノースウエスト テンス アベ ニュー 1638

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 物理的に混合された、調剤的に活性な剤
    と生分解可能なポリマーとを含有する組成物で、上記ポ
    リマーは20〜37℃の温度範囲で固体であり、38〜
    52℃の温度範囲で流動性であって、当該組成物は、
    式:A−B−Aのブロック共重合体であることを特徴と
    する人体注射投与用の薬物運搬組成物。ただしAは疎水
    性のポリマーまたはオリゴマーで、Bは親水性のポリマ
    ーまたはオリゴマーである。
  2. 【請求項2】 ポリマーが調剤的に活性な剤にマトリッ
    クスを供給し、該剤は可溶剤[soluble agents]、液体剤
    [liquid agents]、 極小微粒子[micro-particulates]、
    微小球体[microspheres]、 およびタンパク質の化合物か
    らなる群から選択される形態である、請求項1記載の薬
    物運搬組成物。
  3. 【請求項3】 上記Aがポリグリコール酸、ポリエチレ
    ンテレフタレート、ポリブチルラクトン、ポリ(ε-カプ
    ロラクトン)、D-ポリ乳酸,L-ポリ乳酸、ポリグルタ
    ミン酸、ポリL-リシン、およびポリL-アスパラギン酸
    からなる群から選択され、Bはポリエチレングリコール
    からなる請求項1記載の薬物運搬組成物。
  4. 【請求項4】 上記生分解可能なポリマーが下記式1の
    ポリマーである請求項1記載の薬物運搬組成物。 【式1】ただしmは9.09〜45.45のレンジ内、n
    は6.15〜45.45のレンジ内にある。
  5. 【請求項5】 上記調剤的に活性な剤がガンシクロビル
    [gancyclovir]、5−フルオロウラシル、アシクロビル
    [acyclovir]、デキサメタゾン、トリアムシノロン[tria
    mcinolone]、プレドニソン、フロクスリジン[floxuridi
    ne]、ドクソルビシン[doxorubicin]、ダウノルビシン[d
    aunorubicin]、マイトマイシン、シタラビン[cytarabin
    e]、メトトレキセート、およびチオグアニンから選択さ
    れることを特徴とする請求項1記載の薬物運搬組成物。
  6. 【請求項6】 上記調剤的に活性な剤がガンシクロビル
    [gancyclovir]、および5−フルオロウラシルから選択
    されることを特徴とする請求項5記載の薬物運搬組成
    物。
  7. 【請求項7】 上記調剤的に活性な剤が当該組成物の全
    重量に対して0.5〜70重量%の量で存在することを
    特徴とする請求項1記載の薬物運搬組成物。
  8. 【請求項8】 上記調剤的に活性な剤が当該組成物の全
    重量に対して1〜〜35重量%の量で存在することを特
    徴とする請求項7記載の薬物運搬組成物。
  9. 【請求項9】 上記調剤的に活性な剤が当該組成物の全
    重量に対して2〜〜25重量%の量で存在することを特
    徴とする請求項8記載の薬物運搬組成物。
  10. 【請求項10】 調剤的に活性な剤と式:A−B−Aの
    生分解可能なトリブロック共重合体とを含有する薬物運
    搬組成物。ただしAは分子量2000のポリカプロラク
    トンで、Bは分子量600のポリエチレングリコールで
    ある。
  11. 【請求項11】 上記ポリマーが上記調剤的に活性な剤
    にマトリックスを供給する請求項10の薬物運搬組成
    物。ただし上記剤は可溶剤、液体剤、極小微粒子、微小
    球体、およびタンパク質化合物からなる群から選択され
    る形になっている。
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