JPH08175966A - 化粧料 - Google Patents

化粧料

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JPH08175966A
JPH08175966A JP33907894A JP33907894A JPH08175966A JP H08175966 A JPH08175966 A JP H08175966A JP 33907894 A JP33907894 A JP 33907894A JP 33907894 A JP33907894 A JP 33907894A JP H08175966 A JPH08175966 A JP H08175966A
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JP
Japan
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polysaccharide
acid
weight
production example
cosmetic
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JP33907894A
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Yoichi Oiso
洋一 大磯
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Tayca Corp
Original Assignee
Tayca Corp
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  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Cosmetics (AREA)
  • Polysaccharides And Polysaccharide Derivatives (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 高い保湿効果を示す多糖類を配合した化粧料
を提供する。 【構成】 以下に記載の理化学的性質を有する多糖類
を、化粧料に配合する。 (1) 構成糖が、D−グルコース、D−ガラクトー
ス、D−グルクロン酸、D−リボースおよびD−リブロ
ン酸の5種からなる。 (2) 構成モル比が、D−グルコース:D−ガラクト
ース:D−グルクロン酸:D−リボース:D−リブロン
酸=10:1.8〜2.9:1.8〜2.6:0.5〜
1.7:0.5〜1.7である。 (3) ゲルろ過クロマトグラフィーを用いて測定した
分子量が、約1×103 〜10×106 である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】特開昭63−156707号公報には、
保湿剤としてヒアルロン酸を含有する化粧料が提案され
ている。上記保湿剤は、外界からの刺激や肌荒れを防
ぎ、化粧料の使用感を向上させる機能を有する。化粧品
原料としての保湿剤は、一般的には、相対湿度40〜8
0%の通常の環境条件下において、保湿率が10〜50
%の範囲にあることが望ましいと言われている。また、
その保湿能は、相対湿度変化の影響を受けにくい特性も
要求される(フレグランス・ジャーナル臨時増刊No.
9「保湿剤の科学」1988年,第34頁、など)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ヒアル
ロン酸からなる保湿剤は、保湿能が湿度条件によって影
響を受け易く一定でないという重大な欠点がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は鋭意検討した
結果、先に本発明者らが特願平6−142369号とし
て出願した方法によって得られる、アグロバクテリウム
属細菌が生産する多糖類が、優れた保湿能を有し、しか
も化粧料として配合しても、従来知られているヒアルロ
ン酸などよりも優れた保湿効果を示すことを見出し、本
発明に到達した。
【0005】すなわち本発明は、ゲルろ過クロマトグラ
フィーにて測定した分子量が、約1×103 〜10×1
6 であり、構成糖が、D−グルコース、D−ガラクト
ース、D−グルクロン酸、D−リボースおよびD−リブ
ロン酸の5種からなり、その構成モル比が、D−グルコ
ース:D−ガラクトース:D−グルクロン酸:D−リボ
ース:D−リブロン酸=10:1.8〜2.9:1.8
〜2.6:0.5〜1.7:0.5〜1.7であり、O
−アセチル基の含有量が、0〜10重量%である多糖類
を含有することを特徴とする化粧料である。
【0006】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
化粧料に配合される多糖類は、一般に酸性ヘテロ多糖類
として分類され、上述の特徴の他に、以下の物性を有し
ている。
【0007】性状:白色繊維状(凍結乾燥物)。 溶解性:水、希酸、希アルカリ、DMSOに対して可溶
であり、メタノール、エタノール、アセトンに対して不
溶である。 紫外吸収スペクトル:蛋白質(ペプチド)に特有な28
0nm、および核酸に特有な260nmに、吸収が認め
られない。 赤外吸収スペクトル:3400cm-1付近、2950c
-1付近、1620cm-1付近、1250cm-1付近、
1110cm-1付近のそれぞれに赤外吸収のピークが認
められる。 呈色反応:フェノール硫酸法、カルバゾール硫酸法およ
びm−フェニルフェノール法のいずれも陽性。
【0008】なお、本発明の化粧料が含有する多糖類の
分子量や構成糖の種類、それらの構成比などは、液体ク
ロマトグラフィーや酸加水分解後のクロマトグラフィー
分析などにより特定が可能である。
【0009】上記多糖類の特定方法としては、具体的に
は、たとえば下記に示す方法が適用できる。 分子量:GPCモードの高速液体クロマトグラフィーを
測定装置とし、たとえば旭化成社製の「Asahipa
k GFA−7MF」をカラムとして、0.1Mの硝酸
ナトリウム水溶液を移動相として用い、分子量既知のプ
ルランなどを標準サンプルとしてあらかじめ作成した分
子量−保持時間標準曲線を基に測定する。 構成糖および各構成糖の構成比:測定対象の多糖類およ
び、対象とする多糖類のガラクツロン酸、リブロン酸残
基のカルボキシル基をあらかじめ還元したものについ
て、酸加水分解を行い、アルジトールアセテートに誘導
し(加水分解条件例:2Mトリフルオロ酢酸および5m
M硫酸を使用し、100℃で6時間処理)、得られた各
誘導体について、和光純薬社製「Gaschrom
Q」などのECNSS−Mコートカラムを使用してガス
クロマトグラフィー分析を行う。
【0010】上記ガスクロマトグラフィー分析結果によ
り、D−グルコース、D−ガラクトースおよびD−リボ
ースの存在が確認でき、さらに、ガラクツロン酸、リブ
ロン酸残基のカルボキシル基をあらかじめ還元したもの
との比較などから、本発明で使用する多糖類の構成糖
は、D−グルコース、D−ガラクトース、D−グルクロ
ン酸、D−リボースおよびD−リブロン酸であると判定
でき、その構成モル比は、D−グルコース:D−ガラク
トース:D−グルクロン酸:D−リボース:D−リブロ
ン酸=10:1.8〜2.9:1.8〜2.6:0.5
〜1.7:0.5〜1.7であると決定することができ
る。
【0011】次に、本発明の化粧料に配合する多糖類の
製造方法について説明する。通常、上記多糖類は、アグ
ロバクテリウム・ラデイオバクターTNM2株(通商産
業省工業技術院生命工学工業技術研究所受託番号FER
M BP−4393)またはその変異株による微生物培
養により、その培養物から採取される。上記変異株は、
紫外線、X線などの放射線、または、エチルメタンスル
ホン酸(EMS)、N−メチル−N´−ニトロ−N−ニ
トロソグアニジン(MNNG)などの化学的突然変異誘
発物質のような公知の突然変異誘発手段により発生させ
ることができる。
【0012】上記菌株を用いた微生物培養について、さ
らに詳細に説明する。本発明で用いる多糖類を産生する
微生物を培養するための培地としては、アグロバクテリ
ウム(Agrobacterium)属に属する微生物
が生育でき、上記多糖類を生産する炭素源、窒素源、無
機塩類及び微量栄養源を適量含有するものであれば特に
制限されない。そして、炭素源としては、グルコース、
ガラクトース、フルクトース、キシロース、マンニッ
ト、サッカロース、トレハロース、グルクロン酸、ガラ
クツロン酸などが使用できる。窒素源としては、硝酸
塩、アンモニウム塩、尿素などの合成化合物、ポリペプ
トン、コーンスティープリカー、酵母エキス、肉エキ
ス、脱脂大豆抽出物、ペプチド、アミノ酸などの天然有
機物が使用できる。無機塩類としては、リン酸塩、カリ
ウム塩、硫酸塩、マグネシウム塩などが使用できる。培
地には、必要に応じ、鉄塩、カルシウム塩、マンガン塩
などを添加してもよい。また、微量栄養源としては、酵
母エキス、各種ビタミン類などが使用できる。
【0013】培地の状態は、固体でも液体でも構わな
い。液体培地を使用する場合には、静置培養でもよい
が、振盪培養、通気撹拌培養の方がより高収量で多糖類
が得られる。培養時のpHは、微生物が生育できて多糖
類を生産し得るpHであれば特に制限されないが、通常
はpH4〜8が適切である。培養温度についても、特に
制限されないが、通常は20〜35℃が適切である。培
養時間は、本発明で使用する多糖類の生産量が最大に達
する期間が選ばれるが、通常は1〜7日が適切である。
【0014】上記培養方法で得られた培養物から、本発
明の化粧料に使用する多糖類を採取する方法としては、
従来公知の方法を採用することができる。たとえばま
ず、遠心分離やろ過などにより、培養物から菌体を除去
した後、得られた培養液にメタノール、エタノール、イ
ソプロパノール、アセトンなどの有機溶媒を加えて沈殿
を生じさせる。次いで、沈殿物を水に溶解させた後、水
に対して透析を行い、得られる透析内液を、通風乾燥、
熱風乾燥、噴霧乾燥、ドラム乾燥、減圧乾燥、凍結乾燥
などの方法により乾燥して多糖類を回収する。上記採取
方法の他に、限外ろ過により、上記培養液から多糖類以
外の成分を除去し、得られた濃縮液を上述の乾燥工程に
供する方法を採用してもよい。さらに必要に応じ、通常
の多糖類の精製法に従って精製することにより、高純度
精製品を得ることも可能である。精製法としては、イオ
ン交換、ゲルろ過、アフィニティーなどの各種カラムク
ロマトグラフィー、4級アンモニウム塩による沈殿や塩
析、有機溶媒による沈殿などが採用できる。
【0015】本発明で用いる多糖類の重合度は、製造時
の培地組成、採取法などの条件を調節することによって
変化させることができる。また、トリフルオロ酢酸、ギ
酸、塩酸などを使用しかつ条件を調節することにより、
採取品や精製品を加水分解することができる。またさら
に、加圧下での加温や超音波処理などを行って重合度を
変化させても、好適な結果が得られる。したがって、上
記多糖類の分子量は、約1×103 〜10×106 の範
囲で自由に調節することが可能である。
【0016】このようにして得られる、本発明で用いる
多糖類は、後述の実施例に示すとおり、保湿能を有して
おり、保湿剤の代表的存在であるヒアルロン酸ナトリウ
ムに比べ、その効果は湿度の変動による影響を受けにく
い。
【0017】本発明の化粧料として上記保湿能を有する
多糖類を配合する場合、その配合量は0.0001〜2
0重量%、好ましくは0.001〜10重量%である。
この配合量が0.0001重量%未満では、その効果が
充分発揮されず好ましくない。また、20重量%を超え
て配合すると、得られる化粧料組成物自体の使用感が悪
くなる。
【0018】本発明の化粧料は、たとえば、水/油、油
/水型乳化化粧料、クリーム、化粧乳液、化粧水、油性
化粧料、口紅、ファンデーション、ヘアートニック、整
髪剤、養毛剤、育毛剤など、皮膚・毛髪化粧料として種
々の形態で用いることができる。
【0019】本発明の化粧料の調製に当っては、油性成
分として、たとえば、流動パラフィン、パラフィンワッ
クス、セレシン、スクワランなどの炭化水素;蜜ロウ、
鯨ロウ、カルナバロウなどのワックス類;オリーブ油、
椿油、ホホバ油、ラノリンなどの天然動植物油脂;シリ
コーン油、脂肪酸、高級アルコールおよびこれらを基に
反応して得られるエステル油などが、好適に使用でき
る。
【0020】また、界面活性剤としては、ポリオキシエ
チレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エ
ステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステ
ル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油アルキル硫酸エステ
ル、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル、アルキ
ルリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルリン酸
エステル、脂肪酸アルカリ金属塩、ソルビタン脂肪酸エ
ステル、グリセロール脂肪酸エステルなどが好適に使用
できる。
【0021】さらに、上記化粧料組成物に、各種任意成
分として、たとえば下記の成分を、化粧料の種類や目的
に合せて適宜配合した方が好ましい。 粘度調整剤:ポリビニルアルコール、カルボキシビニル
ポリマー、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピ
ロリドン、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロ
ースなどの高分子化合物;ゼラチン、タラカントガムな
どの天然ガム類;エタノール、イソプロパノールなどの
アルコール類。 保湿剤:ヒアルロン酸、プロピレングリコール、グリセ
ロール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレング
リコール、ソルビトール、乳酸、乳酸ナトリウム、ピロ
リドンカルボン酸ナトリウムなど。 防腐剤:パラオキシ安息香酸エステル、安息香酸、安息
香酸ナトリウム、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、フ
ェノキシエタノールなど。
【0022】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明は、その要旨を越えない限り、下記実
施例に限定されるものではない。
【0023】〔多糖類の製造例1〕500ミリリットル
容の坂口フラスコに、表1に示す組成の培地を100ミ
リリットル入れ、121℃で20分間湿熱滅菌後、表1
に示す組成の培地でスラント培養(斜面培養)していた
アグロバクテリウム・ラデイオバクターTNM2株(F
ERM BP−4393)を、一白金耳分植菌し、振盪
数毎分110ストローク、28℃で2日間レシプロ振盪
培養を行った。
【0024】
【表1】 培地組成(重量%) スクロース 4 % 硝酸ナトリウム 0.1 % リン酸−水素カリウム 0.1 % 硫酸マグネシウム・7水和物 0.05 % 硫酸鉄・7水和物 0.001 % 酵母エキス 0.4 % pH 7
【0025】上記表1と同様の組成培地6リットルを入
れて前記と同様の滅菌を行った10リットル容のジャー
ファーメンターに、上記で得られた培養液60ミリリッ
トルを接種し、温度28℃、通気量6リットル/min
の条件下で、94時間通気撹拌培養を行った。なお、回
転数は、培養19時間目までは200rpm、それ以降
51時間までは300rpm、それ以降70時間までは
300rpm、それ以降は400rpmとした。
【0026】得られた培養物を水で2倍に希釈し、遠心
分離により菌体を除去した。得られた培養上清分につい
ては、残留培地成分など多糖類以外の成分が除去される
まで、クロスフロー方式の限外ろ過を繰り返した。限外
ろ過には、東ソー社製限外ろ過システム「UF−LMS
II」(分画分子量:3×106 )を使用した。限外ろ過
膜を透過しなかった濃縮液を凍結乾燥し、培地1リット
ル当たり、約17gの単一な多糖類を得た。なお、多糖
類の単一性の確認は、GPCモードの高速液体クロマト
グラフィーを使用して行った。
【0027】旭化成社製「Asahipak GFA−
7MF」をカラムとし、0.1Mの硝酸ナトリウム水溶
液を移動相とした高速液体クロマトグラフィーを使用し
て、上記多糖類の分子量を測定した結果、多糖類のクロ
マトグラムのピークトップの保持時間は、分子量既知の
プルランを標準サンプルとして作成した分子量−保持時
間標準曲線において、分子量約2×106 に相当する値
を示した。
【0028】また、上記多糖類について、各構成糖まで
加水分解を行い、そのまま液体クロマトグラフィー分析
を行うと共に、加水分解物に蛍光標識を施して液体クロ
マトグラフィー分析を行った。各々の場合であらかじめ
作成した検量線から求めた各構成糖のモル比は、D−グ
ルコース:D−ガラクトース:D−グルクロン酸:D−
リボース:D−リブロン酸=10.0:2.1:2.
0:1.0:0.9であった。
【0029】さらに、製造例1で得られた多糖類におけ
る水酸基の修飾度合いについて調べるため、0.01M
の水酸化カリウムおよび0.13Mの塩化カリウム水溶
液中で、室温下6時間、脱アシル化処理を行った。処理
試料の赤外線吸収スペクトルを測定したところ、173
0cm-1近傍のピークが消失していた。また、上記処理
試料の高速液体クロマトグラフィー分析を行ったとこ
ろ、得られるピークの保持時間は、アセチル基が離脱し
た場合に生じる酢酸カリウムの存在を示し、さらに、そ
のピーク高さとあらかじめ作成した検量線とから、製造
例1で得られた多糖類におけるアセチル基含有量は、多
糖類全体の約8重量%であることがわかった。
【0030】〔多糖類の製造例2〕製造例1で得られた
多糖類を、0.01Mの水酸化カリウムおよび0.13
Mの塩化カリウム水溶液中で、室温下5時間、脱アシル
化処理した。処理後の多糖類は、1N塩酸で中和し、水
に対して透析を行い、さらに凍結乾燥を行った。
【0031】〔多糖類の製造例3〕製造例1と同様の工
程により得た培養物の菌体除去の際、水で2倍に希釈す
る代わりに、pHを10%硫酸で4.5に調整し、12
1℃で90分間の湿熱滅菌後、遠心分離により菌体を除
去した。菌体除去後の培養上清分については、残留培地
成分などの多糖類以外の成分が除去されるまで、東ソー
社製、限外ろ過システム「UF−LMSII」(分画分子
量:1×105 )を使用して、クロスフロー方式の限外
ろ過を繰返した。限外ろ過膜を透過しなかった濃縮液を
凍結乾燥し、培地1リットルあたり、約16gの単一な
多糖類を得た。得られた多糖類を製造例1と同様に分析
したところ、構成糖のモル比が、D−グルコース:D−
ガラクトース:D−グルクロン酸:D−リボース:D−
リブロン酸=10.0:2.0:2.0:0.9:0.
9で、O−アセチル基含有量は約7重量%であり、分子
量は2×105 であった以外は、製造例1で得られた多
糖類と同様の結果を示した。
【0032】〔多糖類の製造例4〕製造例3で得られた
多糖類を、製造例2と同様に脱アシル化処理し、中和、
透析後、凍結乾燥を行った。
【0033】実施例1 (多糖類の保湿能の測定) 製造例1〜4で得られた多糖類を秤量管に入れて完全に
真空乾燥した後、塩化アンモニウムにより相対湿度79
%に調整したデシケーター中に入れ、その重量が一定に
なるまで放置した。次に、硝酸亜鉛・6水塩により相対
湿度42%に調整したデシケーター中に移し、再び、そ
の重量が一定になるまで放置した。上記の操作は、いず
れも、20℃の一定温度下で行った。また、保湿能の比
較のため、鶏冠由来のヒアルロン酸ナトリウム(キュー
ピー社製、分子量:約2×106 )と微生物醗酵生産の
ヒアルロン酸ナトリウム(電気化学工業社製、分子量:
約2×106 )について、上記と同様な操作を行った。
各相対湿度条件下での保湿率は、下記の数式により算出
した。保湿能測定を行った結果を表2に示す。 保湿率(%)=(A−B)/B×100 ただし、Aは各相対湿度条件下において一定になった時
のサンプル重量、Bは乾燥サンプル重量を表す。
【0034】
【表2】 保湿率 保湿率の差 試料 相対湿度79% 相対湿度42% ─────────────────────────────────── 製造例1の多糖類 30% 21% 9% 製造例2の多糖類 30% 21% 9% 製造例3の多糖類 34% 25% 9% 製造例4の多糖類 34% 25% 9% ─────────────────────────────────── 鶏冠由来の ヒアルロン酸ナトリウム 45% 30% 15% 微生物醗酵生産の ヒアルロン酸ナトリウム 42% 30% 12% ───────────────────────────────────
【0035】上記結果から明らかな通り、相対湿度40
〜80%の通常環境下においては、いずれの化合物も、
一般に要求される10〜50%の保湿率を有する。しか
しながら、相対湿度の変化による影響、すなわち、相対
湿度79%と42%との間の保湿率の差は、鶏冠由来の
ヒアルロン酸ナトリウムでは15%、微生物醗酵生産の
ヒアルロン酸ナトリウムでは12%であるのに対して、
本発明で用いる多糖類では、いずれの場合においても9
%の差しか生じていない。したがって、本発明で用いる
多糖類は、相対湿度の変化によって影響を受けにくい点
において、各種ヒアルロン酸ナトリウムよりも優れてい
る。
【0036】実施例2 (多糖類含有化粧水の調製およ
び保湿効果の測定) 表3に示す処方により化粧水を調製した。すなわち、
(10)に(1),(2),(3),(5),(6)を
加温溶解し、室温に戻した後、(7)に(4),
(8),(9)をそれぞれ溶解したものをゆっくりと加
えて可溶化し、ろ過して化粧水を得た。
【0037】
【表3】 (1)製造例1で得た多糖類 0.5重量% (2)1,3−ブチレングリコール 2.5重量% (3)グリセロール(86%) 0.5重量% (4)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(40E.O.) 0.5重量% (5)乳酸 0.05重量% (6)乳酸ナトリウム 0.7重量% (7)エタノール 7.0重量% (8)パラオキシ安息香酸メチル 0.1重量% (9)香料 0.05重量% (10)精製水 88.1重量%
【0038】さらに、製造例2〜4で得た多糖類につい
ても上記と同様に化粧水を調製し、各試料を用いて保湿
効果の測定を行った。
【0039】健常人10名の前腕部に本発明の化粧水を
各々20μl/4cm2 塗布し、1時間後に化粧水塗布
部と無塗布部位の角層水分量をIBS社製SKICON
−200を用いて測定した。また、保湿能の比較のた
め、鶏冠由来のヒアルロン酸ナトリウムと微生物醗酵生
産のヒアルロン酸ナトリウムについても、上記と同様な
操作を行った。保湿効果の測定を行った結果を表4に示
す。角層水分量相対値とは、無塗布部位における角層水
分量を1とした場合の、各化粧水が有する角層水分量の
相対値を意味する。
【0040】
【表4】 化粧水に配合した物質の種類 角層水分量相対値 ────────────────────────────────── 製造例1の多糖類 1.75 製造例2の多糖類 1.75 製造例3の多糖類 1.73 製造例4の多糖類 1.73 ────────────────────────────────── 鶏冠由来のヒアルロン酸ナトリウム 1.65 微生物醗酵生産のヒアルロン酸ナトリウム 1.68 ────────────────────────────────── 無塗布 1.00 ──────────────────────────────────
【0041】上記の結果から明らかな通り、本発明の化
粧水は、ヒアルロン酸を含有させた化粧水よりも高い角
層水分量を示しており、本発明の化粧水が有する高い保
湿効果が確認された。
【0042】実施例3 (多糖類含有乳液の調製および
保湿効果の測定) 表5に示す処方により乳液を調製した。すなわち、まず
(1)〜(8)、(12)を加熱溶解し、70℃に保つ
(油相)。そして、(9)〜(11)を(13)に加熱
溶解し、これを上記の油相へ徐々に加えて乳化し、徐冷
して乳液を得た。
【0043】
【表5】 (1)流動パラフィン 4.0重量% (2)スクワラン 4.0重量% (3)セタノール 0.5重量% (4)ステアリン酸 1.5重量% (5)モノオレイン酸ソルビタン 1.0重量% (6)モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(20E.O.) 1.0重量% (7)モノステアリン酸グリセロール 0.5重量% (8)パラオキシ安息香酸エチル 0.2重量% (9)グリセロール 3.0重量% (10)1,3−ブチレングリコール 5.0重量% (11)製造例1で得た多糖類 0.3重量% (12)香料 0.05重量% (13)精製水 78.95重量%
【0044】さらに、製造例2〜4で得た多糖類につい
ても上記と同様に乳液を調製し、各試料を用いて保湿効
果の測定を行った。測定方法は、実施例2で行った場合
と同様である。結果を表6に示す。
【0045】
【表6】 乳液に配合した物質の種類 角層水分量相対値 ────────────────────────────────── 製造例1の多糖類 1.77 製造例2の多糖類 1.77 製造例3の多糖類 1.74 製造例4の多糖類 1.74 ────────────────────────────────── 鶏冠由来のヒアルロン酸ナトリウム 1.68 微生物醗酵生産のヒアルロン酸ナトリウム 1.69 ────────────────────────────────── 無塗布 1.00 ──────────────────────────────────
【0046】上記結果から明らかな通り、本発明のいず
れの乳液についても、ヒアルロン酸含有乳液よりも高い
角層水分量を示しており、優れた保湿効果を有してい
る。
【0047】実施例4 (多糖類含有クリームの調製お
よび保湿効果の測定) 表7に示す処方によりクリームを調製した。すなわち、
まず(1)〜(7)、(11)を加熱溶解し、70℃に
保つ(油相)。そして、(8)〜(10)を(12)に
加熱溶解し、これに上記の油相を攪拌しながら徐々に加
える。得られたものをホモミキサー処理した後、急冷し
てクリームを得た。
【0048】
【表7】 (1)ワセリン 8.0重量% (2)ラノリン 2.0重量% (3)スクワラン 20.0重量% (4)セタノール 5.0重量% (5)モノステアリン酸グリセロール 2.0重量% (6)ポリオキシエチレンモノラウリン酸ソルビタン(20E.O.) 2.0重量% (7)パラオキシ安息香酸エチル 0.2重量% (8)製造例1で得た多糖類 0.5重量% (9)グリセロール(86%) 5.0重量% (10)1,3−ブチレングリコール 5.0重量% (11)香料 0.1重量% (12)精製水 50.2重量%
【0049】さらに、製造例2〜4で得た多糖類につい
ても上記と同様にクリームを調製し、各試料を用いて保
湿効果の測定を行った。測定方法は、実施例2で行った
場合と同様である。結果を表8に示す。
【0050】
【表8】 クリームに配合した物質の種類 角層水分量相対値 ────────────────────────────────── 製造例1の多糖類 1.78 製造例2の多糖類 1.78 製造例3の多糖類 1.74 製造例4の多糖類 1.74 ────────────────────────────────── 鶏冠由来のヒアルロン酸ナトリウム 1.66 微生物醗酵生産のヒアルロン酸ナトリウム 1.67 ────────────────────────────────── 無塗布 1.00 ──────────────────────────────────
【0051】上記結果から明らかな通り、本発明のいず
れのクリームについても、ヒアルロン酸含有のものより
高い角層水分量を示し、優れた保湿効果が確認された。
【0052】実施例5 (多糖類含有パックの調製およ
び保湿効果の測定) 表9に示す処方によりパックを調製した。すなわち、
(8)に(2),(3),(4),(6)を加えて攪拌
溶解し、次に(1)を加えて加熱攪拌する。さらに
(7)を溶解させた(5)を加え、溶解してパックを得
た。
【0053】
【表9】 (1)ポリビニルアルコール 18.0重量% (2)ポリエチレングリコール 2.0重量% (3)1,3−ブチレングリコール 5.0重量% (4)製造例1で得た多糖類 0.5重量% (5)エタノール 8.0重量% (6)パラオキシ安息香酸メチル 0.1重量% (7)香料 0.05重量% (8)精製水 66.35重量%
【0054】さらに、製造例2〜4で得た多糖類につい
ても上記と同様にパックを調製し、各試料を用いて保湿
効果の測定を行った。測定方法は、実施例2で行った場
合と同様である。結果を表10に示す。
【0055】
【表10】 パックに配合した物質の種類 角層水分量相対値 ────────────────────────────────── 製造例1の多糖類 1.82 製造例2の多糖類 1.82 製造例3の多糖類 1.77 製造例4の多糖類 1.77 ────────────────────────────────── 鶏冠由来のヒアルロン酸ナトリウム 1.71 微生物醗酵生産のヒアルロン酸ナトリウム 1.72 ────────────────────────────────── 無塗布 1.00 ──────────────────────────────────
【0056】上記結果から明らかな通り、本発明のパッ
クについても、優れた保湿効果が確認された。
【0057】実施例6 (多糖類含有エッセンスの調製
および保湿効果の測定) 表11に示す処方によりエッセンスを調製した。すなわ
ち、(1)〜(8)を(10)に加熱溶解したものに、
(9)を加えて可溶化して、エッセンスを得た。
【0058】
【表11】 (1)製造例1で得た多糖類 1.0重量% (2)1,3−ブチレングリコール 20.0重量% (3)グリセロール(86%) 15.0重量% (4)ポリエチレングリコール 5.0重量% (5)ポリオキシエチレンヘキサデシルエーテル(20E.O.) 0.1重量% (6)クエン酸 0.05重量% (7)クエン酸ナトリウム 0.5重量% (8)パラオキシ安息香酸メチル 0.2重量% (9)香料 0.1重量% (10)精製水 58.05重量%
【0059】さらに、製造例2〜4で得た多糖類につい
ても上記と同様にエッセンスを調製し、各試料を用いて
保湿効果の測定を行った。測定方法は、実施例2で行っ
た場合と同様である。結果を表12に示す。
【0060】
【表12】 エッセンスに配合した物質の種類 角層水分量相対値 ────────────────────────────────── 製造例1の多糖類 1.75 製造例2の多糖類 1.75 製造例3の多糖類 1.71 製造例4の多糖類 1.71 ────────────────────────────────── 鶏冠由来のヒアルロン酸ナトリウム 1.65 微生物醗酵生産のヒアルロン酸ナトリウム 1.66 ────────────────────────────────── 無塗布 1.00 ──────────────────────────────────
【0061】上記結果から明らかな通り、エッセンスに
ついても、本発明の化粧料は優れた保湿効果を有するこ
とが確認された。
【0062】
【発明の効果】以上説明した本発明によれば、従来品の
問題点を克服した化粧料を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 (C12P 19/04 C12R 1:01)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゲルろ過クロマトグラフィーにて測定し
    た分子量が、約1×103 〜10×106 であり、構成
    糖が、D−グルコース、D−ガラクトース、D−グルク
    ロン酸、D−リボースおよびD−リブロン酸の5種から
    なり、その構成モル比が、D−グルコース:D−ガラク
    トース:D−グルクロン酸:D−リボース:D−リブロ
    ン酸=10:1.8〜2.9:1.8〜2.6:0.5
    〜1.7:0.5〜1.7であり、O−アセチル基の含
    有量が、0〜10重量%である多糖類を含有することを
    特徴とする化粧料。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1417954A1 (de) * 2002-10-18 2004-05-12 Bernhard Heising Ribose-haltige kosmetische Zusammensetzung

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1417954A1 (de) * 2002-10-18 2004-05-12 Bernhard Heising Ribose-haltige kosmetische Zusammensetzung

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