JPH0817556B2 - 複数固定子誘導電動機 - Google Patents

複数固定子誘導電動機

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JPH0817556B2
JPH0817556B2 JP63002697A JP269788A JPH0817556B2 JP H0817556 B2 JPH0817556 B2 JP H0817556B2 JP 63002697 A JP63002697 A JP 63002697A JP 269788 A JP269788 A JP 269788A JP H0817556 B2 JPH0817556 B2 JP H0817556B2
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利彦 佐竹
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株式会社佐竹製作所
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Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
本発明は複数固定子誘導電動機の変速装置に関する。
【従来技術とその問題点】
誘導電動機の速度を制御する方法の一つとして、電源
周波数を変える方法がある。この方法は連続的かつ広範
囲な速度制御が可能である反面、高価な周波数変換装置
を必要とし、また、周波数変換装置により交流を直流に
変換して再度交流に変換する過程において、一般に高調
波および電波が発生し、これらによってコンピュータ
ー,その他の各種電気制御機器の誤動作あるいはコンデ
ンサーの過熱等の損害を招くことがある。このうち高調
波障害に対しては、フィルターを設置することにより対
策を講じることもできるが、フィルターの設置にはコス
トがかかる。また、電源周波数を変える方法は、低速時
において一般に性能が不十分となる等の欠点を有するも
のである。 電源の電圧を変えて速度を制御する更に他の方法で
は、速度制御が連続的に行える反面、特に低速領域にお
いて効率が悪くなる欠点がある。 巻線型電動機においては、二次抵抗を変化させ、すべ
りを変えて速度制御を行う方法がある。この方法は、比
較的簡単に連続的な速度制御が可能である反面、外部か
らブラシとスリップリングを介して回転子巻線回路へ抵
抗を挿入するために、ブラシの消耗による保守点検を必
要とする。なお、かご形誘導電動機では、二次抵抗を変
化させて速度制御を行うことはできない。 極数変換電動機は段階的速度制御を行えるものであ
り、同一鉄心上に極数の異なる二組以上の独立した巻線
を巻装するか、又は同一巻線の接続切換によって異なる
極数を得て変速するものである。このものは、多極数を
設けることにより、段階的に変速することができるが、
任意の速度に連続的に変速できない。また、極数切換時
にトルク変動による衝撃を生じること、多極数とするた
めに大型化すること等の問題点を有するものであった。 上記の如き問題点に対処する技術は、例えば、特開昭
54-29005号公報に開示されているものがある。このもの
は、同軸上に設置された2組の回転子鉄心と、2組の回
転子鉄心に対向してそれぞれ独立する固定子巻線を有す
る2組の固定子と、2組の回転子鉄心に跨って共通に設
置され、かつ両端にてそれぞれ短絡環を介して相互間を
短絡したかご形導体と、2組の回転子鉄心間におけるか
ご形導体の中央箇所にてかご形導体の相互間を短絡する
高抵抗体とを備え、始動時には固定子巻線の相互間の位
相を180℃ずらせ、始動後の運転時には位相を合わせて
給電することを特徴とした双鉄心かご形電動機である。
この電動機は、始動時に固定子巻線の相互間の位相を18
0℃ずらすとにより始動トルクを大にして始動特性を向
上し、運転時には固定子巻線の相互間の位相を合わせて
通常のトルク特性で運転できる点に特徴を有するもので
ある。したがって、この電動機は回転磁界の位相のずれ
を0°と180°に設定できるものであって、始動特性の
向上効果は認められても、本来、可変速電動機ではない
から変速を必要とする負荷に対する動力源としては適さ
ないものである。 なお、上記特開昭54-29005号公報において、起動から
定常運転への移行に伴うトルクの急激な変動によるショ
ックを緩和する目的で一時的に両固定子巻線の給電回路
への接続を直列接続とする中間ステップを設けることが
1例として記載されているが、これによって、変速制御
ができるようになる訳ではない。しかも、直列に切換え
たことにより固定子に加わる電圧は半減されるのでトル
クは1/4に減殺されることも相俟って変速制御が全く不
可能になることは、この公報に開示する要旨が変速を目
的としていないことからも明白なところである。
【発明の目的】
本発明は上記従来技術の欠点を解消し、トルク特性に
優れ、速度制御領域を広範囲にかつ任意の所望速度に設
定保持可能にすると共に衝撃のない変速を可能とした複
数固定子誘導電動機を提供することを目的とする。 なお、本発明の複数固定子誘導動電動機は、単相また
は3相電源等に接続して使用され、回転子の形態は、普
通かご形,二重かご形,深溝かご形,特殊かご形等のい
ずれの型式のものにも適用できるものである。
【問題点を解決するための手段】
上記技術的課題を達成するために、本発明は、同一回
転軸に任意の間隔を設けて軸着した複数個の回転子コア
を有し、前記複数個の回転子コアのそれぞれを貫通して
装設した複数個の導体のそれぞれを両端において短絡す
ると共に、前記複数個の回転子コア間において、前記複
数個の導体を抵抗材によって連結して一体的に形成した
回転子と、 前記複数個の回転子コアにそれぞれ対峙する外周部に
配設した複数種の極数に切換可能な巻線を施した複数個
の固定子と、 前記複数個の固定子のうち少なくとも1個の固定子を
前記回転子と同心的に回動させて固定子間に位相差を設
けると共にその回動角度を検出する回動角度検出装置を
有する回動装置と、 前記固定子の巻線の極数を切換える極数切換装置とを
有し、 前記回動装置と前記極数切換装置とを制御装置を介し
連結して、回動装置によって少なくとも1個の固定子を
回動させて回転子速度を変速し、変速中に回動角度検出
装置があらかじめ設定した切換回動角度を検出すると、
前記制御装置は極数切換装置に連絡して前記固定子巻線
の極数を切り換えるようにした複数固定子誘導電動機に
おいて、 前記複数個の固定子の巻線は、それぞれの固定子に任
意の少極数と該極数の2相の極数となる多極数とに切換
可能に巻装してあり、前記切換回動角度における多極数
の時の電動機トルク特性と負荷トルク特性との交点と、
前記切換回動角度における少極数の時の電動機トルク特
性とを一致させた複数固定子誘導電動機により前記課題
を解決するための手段とした。 また、前記切換回動角度は、多極数の時の位相差が0
°で、且つ少極数の時の位相差が180°となる回動角度
とすること、あるいは、前記多極数の巻線で始動すると
共に、2πを多極数の極対数で除して得られる値を、固
定子の巻線を多極数と少極数とに切り換える切換回動角
度とすることも前記課題を解決するための手段とした。
【作用】
本発明は複数個の固定子のうち少なくとも1個の固定
個に回動装置を設けて回動し、任意の固定子と他の固定
子のそれぞれに対峙する回転子の導体部分に誘起する電
圧に位相のずれを生じさせて回転子導体に誘起する電圧
を増減に制御できることにあわせ、複数個の回転子コア
間において複数個の導体を抵抗材を介して連結してある
から前記位相のずれに応じて前記複数個の導体から抵抗
材へ電流が流れ強力な回転トルクを出すことができる。
以上が、複数固定子構成にした誘導電動機の作用とな
る。 また、本発明ではそれぞれの固定子に複数種の極数に
切換可能な巻線を施してあり、極数切換装置と制御装置
とを回動装置に連結してある。この作用を以下に説明す
る。なお回動角度とは機械的な固定子間の相対回動角度
を意味し、位相差(角)とは、固定子間の相対的な電気
的角度を意味している。 さて、多極数の巻線で固定子間の回動角度を変えて位
相差の大きい位置、例えば位相差180°で始動し、次第
に位相差を少なくして加速し、位相差0°に至らしめ
る。そして、多極数における位相差0°となる回動角度
を切換回動角度としておき少極数に切換える。この時に
少極数にした固定子巻線における位相差が180°近辺と
なるようにしておく。言い換えれば、多極数で位相差0
°となる回動角度と少極数で位相差180°となる回動角
度とが同じ回動角度となる位置を切換回動角度とすると
いうことである。しかも、本発明では電動機に加えられ
ている負荷による反抗トルクに関し、多極数から少極数
に切換える時点で、多極数の時の位相差0°における電
動機トルク特性と負荷トルク特性との交点に、少極数の
時の位相差180°における電動機トルク特性が一致する
ように少極数の電動機トルク特性を設定したので、多極
数の電動機トルク特性から少極数の電動機トルク特性へ
の切り換えは、固定子の回動角度が多極数の位相差0°
となる回動角度のまま、極数切換装置で極数を多極数か
ら少極数に切換えるだけで同時に多極数の位相差0°の
電動機トルク特性から少極数の位相差180°の電動機ト
ルク特性へ連続的に変化して、この極数変化に伴うトル
ク変動は発生しない。この後、少極数において位相差を
180°から位相差0°に変化させれば回転速度は上昇す
る。つまり、増速時に衝撃がなく減速時にも同様に衝撃
がないので従来の極数変換だけの変速作用と異なり滑ら
かに変速されるものである。 任意の少極数とその2倍の多極数とに切換可能にした
固定子で、前述のように多極数とした場合の位相差0°
と少極数にした場合の位相差180°とを同時に満足する
固定子の回動角度つまり切換回動角度は、2πを多極数
の極対数で除した値であり、例えば、極対数が2極と4
極の場合90°(=2π÷4)を切換回動角度に選定すれ
ば、この切換回動角度を中心にした極数の切換によっ
て、前述のようにトルク変動が少なくスムーズな変速が
可能となる。
【実施例】
本発明の実施例を第1図〜第7図に基づき説明する。 第1図〜第3図により本発明の1実施例を説明する。
符号1は本発明による複数固定子誘導電動機であり、該
複数固定子誘導電動機1は以下のような構成を有する。
磁性材料からなる固定子コア2,3を任意の間隔を設けて
回転子軸4に装着し、回転子コア2,3間は非磁性体コア
5を介設するか、または空間とする。そして、漏れリア
クタンスを重視しない場合には連続した回転子コアと
し、固定子(24,25)と対峙しない回転子コア部を導体
と絶縁することで目的を達成することができる。回転子
コア2,3に装設した複数個の導体6…のそれぞれを回転
子コア2,3に貫通して連結し一体的な回転子7を形成
し、その直列に連結した複数個の導体6…の両端部は短
絡環8,8により短絡される。また、回転子コア2,3および
非磁性体コア5に回転子7の両側部10,11に連絡する複
数個の通風胴12…を設け、通風胴12…から直交状に回転
子7の外周部に貫通する複数個の通気孔13…を穿設して
ある。回転子7に装設された導体…6は回転子コア2,3
間の非磁性体コア5部において、それぞれを任意のベク
トルの差の電流が流れると通電する抵抗材9を介して、
即ちニクロム線,炭素混入鋼,通電セラミック等からな
る抵抗材を介して連結する。円筒状の機枠14の両側部に
設けた軸受盤15,16を連結棒17…にナット18…を締める
ことにより一体的に組付ける。回転子7の両側部に冷却
用翼車19,20を装着し、回転子軸4の両側部を軸受盤15,
16に嵌装した軸受21,21に軸支し、回転子7を回転自在
としてある。 固定子コア2,3に対峙する外側部に巻線22,23を施した
第1固定子24と第2固定子25を機枠14に並設し、機枠14
と第1固定子24との間にすべり軸受27を装設し、すべり
軸受27を機枠14に嵌装したストップリング26によって固
定し、第2固定子25は固定環28により機枠14に固定す
る。第1固定子24の一側外周面にはギヤー29を嵌着して
ある。機枠14の外周部に固設した小型モーター30に駆動
用歯車31を軸着し、該駆動用歯車31は第1固定子24に嵌
着したギヤー29に係合される。このように構成すること
により、第1固定子24は小型モーター30の作動によって
回転子7と同心的に回動して回動固定子を構成し、そう
して、第1固定子24の回動と第2固定子25によって電圧
移相装置が構成される。 機枠14の外周部に送風口34と排風口35を穿設し、排風
口35にはモーター37を有する排風機36を固着し、空間部
38の空気を機枠14外に流通させる。また、固定子軸4と
一体的に回転する冷却用翼車19,20を通風口32より空気
を取り入れて側部10,11、通風胴12、通気口13に空気を
流通させるために設けてある。33は空気流通のための通
気口で、機枠14の第1固定子24と、第2固定子24に対峙
する部分に穿設してある。 次に、第2図を参照して、第1固定子24の回動位置を
検出する手段の構成について説明する。回動する第1固
定子24の外周に磁気体39を固設し、磁気体39に対向する
機枠14の任意の部位に複数の磁気センサー40a〜40d等よ
りなる回動位置検出器40…を設け、第1固定子24の回動
位置を表示する回動位置表示器41を備える制御装置42と
連絡する。43は第1固定子24の回動の開放またはロック
を行うためのソレノイドであるが、固定子の回動の開放
およびロックは公知の任意の作動機構により行うことが
できる。 回動機構および回動位置検出装置の別実施例を第3図
を参照して説明する。機枠14に固着した軸受44には回動
軸45と一体的に回転するウォームギヤ46を設けた回動軸
45が回転自在に設けられ、ウォームギヤー29に係合す
る。該回動軸の一端には正逆に回転する回動用のパルス
モーター47を回動軸45と同心に設けて該パルスモーター
47は機枠14に固着される。 次に、第4図により複数個の固定子に巻装した複数種
の極数に切換可能な巻線と、極数切換スイッチにより極
数を切換える極数切換装置の接続につき説明する。 第1,第2固定子24,25のそれぞれに施した巻線22,23に
それぞれ2つの極数に変換する端子を設けてある。第1,
第2固定子24,25の巻線22,23のそれぞれには、端子U1,V
1,W1およびU2,V2,W2とX1,Y1,Z1とを設け、巻線23の端子
U2,V2,W2の端子は極数切換スイッチS1を介し、また、端
子U1,V1,W1は極数切換スイッチS4を介してそれぞれ商用
3相電源に接続し、巻線23の端子U1とX1,端子V1とY1,端
子W1とZ1を極数切換スイッチS2を介してそれぞれを短絡
接続し、巻線22と巻線23とを直列に接続する。 即ち、巻線23の端子X1,Y1,Z1を巻線22の端子U1,V1,W1
に極数切換スイッチS7を介して接続し、巻線22の端子U1
とX1,端子V1とY1,端子W1とZ1を極数切換スイッチS3を介
してそれぞれ短絡接続し、その短絡接続された各端子は
極数切換スイッチS6を介して短絡可能としてある。 さらに、巻線23の端子X1,Y1,Z1を巻線22の端子U2,W2,
V2に極数切換スイッチS5を介して接続し、巻線22の端子
X1,Y1,Z1を極数切換スイッチS8を介して商用3相電源に
接続してある。 以下に、上記構成における作用を図面を参照しながら
説明する。第1固定子24の巻線22に商用3相電源から通
電すると、固定子24,25に回転磁界が生じて回転子7に
電圧が誘起され、回転子7の導体6…に電流が流れて回
転子7は回転する。第2固定子25に対して第1固定子24
の回動量をゼロにしたときには、それぞれの固定子24,2
5により、回転子7の導体6…部分に誘起する電圧には
位相のずれがなく、抵抗材9には電流が流れないので、
この状態では一般の誘導電動機と同一のトルク特性を持
つものである。次に、小型モーター30を作動して、第1
固定子24を電気的位相角でPθだけ回動した場合につい
て説明する。ここでPは極対数,θは固定子の機械的な
回動角度である。第1固定子24と第2固定子25が作る回
転磁界の磁束φ1,φ2の位相は回転子7の任意の導体6
に関してはPθだけずれており、そのため第1固定子24
と第2固定子25とにより回転子7の導体6…に誘起され
る電圧12の位相はPθだけずれることになる。
今、第2固定子24によって回転子7の導体6…に誘起さ
れる電圧2を基準とし、該電圧を2=SEとする。ここ
でSはすべり,Eはすべり1のときの誘起電圧である。こ
のとき、第1固定子24によって導体6…に誘起される電
1は、1=SEεJPθとなり、回転子コア間において
抵抗材9を設けてあるので、抵抗材9には電圧の位相差
に起因するベクトル差分の電流が必然的に流れることに
なる。これは巻線型誘導電動機の二次挿入抵抗を変化さ
せた場合と同等の第5図に示すような特性を持つことに
なる。 第5図において横軸Sはすべりを表し、S=0は極対
数P(少極数)の場合の同期速度を表す。そして、極対
数P1(P1=2P:少極数の2倍の多極数)の場合の同期速
度はS1=0である。縦軸Tはトルクを表す。第5図の曲
線L1は極対数P(少極数)の場合の回動角度θ=0(位
相差0°)における電動機トルク特性曲線である。この
場合には、第1固定子24と第2固定子25に対峙する回転
子の導体6…の誘起電圧の位相が一致するので両回転子
電流の位相も一致して、回転子電流は抵抗材9に分流す
ることなしに両回転子導体を貫流して流れる。従って、
公知のかご形誘導電動機と全く同様のトルク特性であ
る。曲線L4は極対数P(少極数)で回動角度θ=π/P
(位相差180°)とした場合の電動機トルク特性曲線で
ある。この場合には、両固定子に対峙するかご形回転子
の導体6…の誘起電圧の位相が逆向きになるので両回転
子電流の位相も逆向きになって、回転子電流は、両方の
回転子導体を貫流することなく両方の回転子電流はすべ
て抵抗材9を通って流れる。従って、公知の巻線形誘導
電動機に二次抵抗を挿入した場合の特性、すなわち公知
のかご形誘導電動機の回転子導体の抵抗を大きくした場
合の特性と同じになり、抵抗材9の抵抗値を所定の値に
すると、曲線L4はほぼ直線になる。極対数Pでθ=0
(位相差0°)、およびθ=π/P(位相差180°)以外
の電動機トルク特性曲線は、例えば0<θ1<θ2<π
/Pなるθ1およびθ2に対する電動機トルク特性曲線
は、曲線L1とL4の中間の曲線L2とL3のようになる。この
曲線L1から曲線L4への変化は、公知の巻線形誘導電動機
の二次挿入抵抗の抵抗値をゼロから増大させた場合また
は公知のかご形誘導電動機の導体の抵抗値を増大変化さ
せた場合のトルク特性の変化と同じである。 第6図に示すものはP=2(少極数)の場合の、電動
機トルク特性曲線をL1〜L4と変化させる回動角度θの変
化を示したものである。第6図のL1ないしL4は、回動角
度0,θ1,θ2,π/Pに対応する第5図のトルク特性曲線L1
ないしL4を示している。 第5図において、極対数P1=2P(多極数)に切換えた
場合の速度対トルク特性曲線は、前述と全く同じ理由
で、θ=0(位相差0°)およびθ=2π/P1(位相差
0°)に対してはL5で示す曲線に、θ=π/P1(位相差1
80°)およびθ=3π/P1(位相差180°)に対してはL8
で示す曲線になる。また、0<θ1<θ2<π/P1なる
θ1およびθ2に対する曲線は、L6とL7で示す形状にな
る。第7図は第6図に対応するP1=4(=2P)の場合の
トルク特性曲線をL5ないしL8と変化させるための回動角
度θの変化を示したものである。また、第6図の回動角
度π/P(位相差180°)のL4と第7図の回動角度2π/P1
(位相差0°)のL5とは、同じ回動角度であり、L4は位
相差180°で、L5は位相差0°となっており、このポイ
ントを切換回動角度とすることが最適であることが理解
できる。 第5図に一点鎖線で示す負荷の速度対トルク特性曲線
と、極対数P1におけるθ=2π/P1(=π/P)の電動機
トルク特性曲線L5との交点Dを通るように、極対数Pに
おけるθ=π/Pのときの電動機トルク特性曲線L4を設計
する。これは抵抗材9の抵抗値を調整することによって
容易に行うことができる。このようにして、極対数をP1
に設定して起動時にはθ=3π/P1(L8)にする。起動
して後、回動角度を減少して速度を上昇し、θ=2π/P
1(L5)でD点に達する。速度を第5図のD点より上昇
させる場合にはD点で極対数をP1からPに切換え、D点
より速度を下降させる場合にはD点で極対数をPからP1
に切換えることにより、電動機トルク特性曲線をL5から
L4に、またはL4からL5に切換えることになり、L4とL5と
は交点Dを通るトルク特性となっているので、このよう
な極数変換に伴うトルク変動を全く無くすることができ
る。 P=2でP1=4の場合について、第4,第5図を参照し
て具体的に速度を上昇させる場合について説明すると、
まず、起動時にはθ=3π/4で極数切換スイッチS4,S7,
S8を投入して他を開放し、極対数4に設定する。そうす
ると、速度はA点に達する。θを3π/4から順次減少さ
せてθ=π/2+θ2にすると速度はB点に達し、π/2+
θ1にすると速度はC点に達し、θ=π/2にすると速度
はD点に達する。ここで極数切換スイッチS4,S7,S8を開
放し、同時に極数切換スイッチS1,S2,S3,S5,S6を投入し
て極対数を2に切換える。極対数のみを切換えても、速
度はD点に留まる。次にθをさらに順次減少させ、θ=
θ2にすると速度はE点に達し、θ=θ1にすると速度
はF点に達し、θ=0とすると速度はG点まで上昇する
ことになる。そして、減速する場合は全く逆の操作を行
うことにより、同様の作用が実施できる。 本発明を実施する際には、電動機および負荷のトルク
特性の変動および設計誤差を考慮し、また、極数変換に
伴う多少のトルク変動がA点の近傍で生じるために起こ
る頻繁な極数変換を防止するために、トルク特性曲線L4
のトルクを第5図に図示するよりもやや低く設計する方
がよい。こうすると、極数変換時に多少のトルク変動を
生じることにはなるが、頻繁な極数変換を避けることが
できる。 上記回転子7の回転により、軸受盤15,16に穿設した
通風口32から冷却用翼車19,20により機枠14内に外気を
吸引し、冷却用翼車19,20により第1,第2固定子24,25、
巻線22,23に通風して冷却し、また通風胴12…を介し通
気孔13…に流通させる風により回転子コア2,3、導体6
…、抵抗材9…等を冷却してそれぞれの機能を安定的に
作用させる。また、第1,第2固定子24,25の回動は小型
モーター30をスイッチにより正・逆回転させて行うが、
小型モーター30に限定されるものではなく他の正逆転モ
ータでも、また気体,液体シリンダー等によるサーボ機
構等任意の駆動装置を転用できるものである。そして、
固定子を回動する駆動装置の作動速度に関連して、固定
子の回動を任意の回動速度にすれば、回転子7の回転速
度の変化速度を制御することができる。 第3図に示す駆動装置はパルスモーター47とギヤー29
に係合したウォームギヤ46とから成り、パルスモーター
47に制御装置42から送るパルス数とパルス間隔で回動量
と回動速度が制御できる。この実施例ではウォームギヤ
46が回動の固定の機能をも持つものである。 また、本発明の複数固定子誘導電動機1に従来公知の
スターデルター起動装置を組合せることも可能であり、
電動機の始動・運転の速度範囲を拡大するとともに、高
効率域での使用が可能となる。 本発明においては複数個の固定子のそれぞれに複数種
の極数に切換可能な巻線を施すがこれには単一巻線の結
線切換によって複数種の極数に切換える場合もあれば、
あらかじめそれぞれ独立した多重巻線を施しておいて巻
線を切換えることにより複数種の極数に切換える場合も
ある。 また、回転子コア間は磁性体で構成する場合もあれば
非磁性体あるいは空間で構成する場合もあり、抵抗材を
使用する場合には抵抗材は任意の電圧が加わると通電す
る連結材、たとえばダイオードのようなものであっても
よい。 〔発明の効果〕 上記に説明した如く、本発明によれば、複数個の固定
子のうち少なくとも1個の固定子に回動装置を設けて電
圧位相装置を形成した任意の固定子と他の固定子のそれ
ぞれに対応する導体部分に誘起する電圧に位相差を生じ
させるようにし、複数個の固定子に複数種の極数に切換
可能な巻線を施し、極数切換装置と制御装置とを回動装
置に連結したので、増速時である多極数から少極数への
切換え時点で、負荷トルクに関して、電動機の出力トル
クをほぼ同等に設定できるので衝撃がなく、減速的にも
同様に衝撃のない滑らかな変速を可能とし、単一極数に
比べて広い変速範囲を得ることができるなどの顕著な効
果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第7図は、本発明の実施例図であり、第1図は
複数固定子誘導電動機の側断面図、第2図は固定子の回
動機構と回動位置検出機構を示す側断面図、第3図は回
動機構にパルスモーターを用い回動位置検出を記憶演算
回路で行う実施例図、第4図は複数個の固定子に複数種
の巻線を施し極数を切換える場合の結線図、第5図は複
数極数の結線におけるすべりとトルク特性を示すグラ
フ、第6図,第7図は第5図の特性曲線L1〜L8と回動角
度との関係を示す概念図である。 1……複数固定子誘導電動機、2,3……回転子コア、4
……回転子軸、5……非磁性体コア、6……導体、7…
…回転子、8……短絡環、9……抵抗材、10,11……側
部、12……通風胴、13……通気口、14……機枠、15,16
……軸受盤、17……連結棒、18……ナット、19,20……
冷却用翼車、21……軸受、22,23……巻線、24……第1
固定子、25……第2固定子、26……ストップリング、27
……すべり軸受、28……固定環、29……ギヤー、30……
小型モーター、31……駆動用歯車、32……通風口、33…
…通気口、34……送風口、35……排風口、36……排風
機、37……モーター、38……空間部、39……磁気体、4
0,40a,40b,40c,40d……回動位置検出器、41……回動位
置表示器、42……制御装置、43……ソレノイド、44……
軸受、45……回動軸、46……ウォームギヤー、47……パ
ルスモーター。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】同一回転軸に任意の間隔を設けて軸着した
    複数個の回転子コアを有し、前記複数個の回転子コアの
    それぞれを貫通して装設した複数個の導体のそれぞれを
    両端において短絡すると共に、前記複数個の回転子コア
    間において、前記複数個の導体を抵抗材によって連結し
    て一体的に形成した回転子と、 前記複数個の回転子コアにそれぞれ対峙する外周部に配
    設した複数種の極数に切換可能な巻線を施した複数個の
    固定子と、 前記複数個の固定子のうち少なくとも1個の固定子を前
    記回転子と同心的に回動させて固定子間に位相差を設け
    ると共にその回動角度を検出する回動角度検出装置を有
    する回動装置と、 前記固定子の巻線の極数を切換える極数切換装置とを有
    し、 前記回動装置と前記極数切換装置とを制御装置を介し連
    結して、回動装置によって少なくとも1個の固定子を回
    動させて回転子速度を変速し、変速中に回動角度検出装
    置があらかじめ設定した切換回動角度を検出すると、前
    記制御装置は極数切換装置に連絡して前記固定子巻線の
    極数を切り換えるようにした複数固定子誘導電動機にお
    いて、 前記複数個の固定子の巻線は、それぞれの固定子に任意
    の少極数と該極数の2倍の極数となる多極数とに切換可
    能に巻装してあり、前記切換回動角度における多極数の
    時の電動機トルク特性と負荷トルク特性との交点と、前
    記切換回動角度における少極数の時の電動機トルク特性
    とを一致させたことを特徴とする複数固定子誘導電動
    機。
  2. 【請求項2】多極数の時の位相差が0°で、且つ少極数
    の時の位相差が180°となる回動角度を切換回動角度と
    したことを特徴とする請求項1記載の複数固定子誘導電
    動機。
  3. 【請求項3】前記多極数の巻線で始動すると共に、2π
    を多極数の極対数で除して得られる値を、固定子の巻線
    を多極数と少極数とに切り換える切換回動角度としたこ
    とを特徴とする請求項1記載の複数固定子誘導電動機。
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