JPH08173436A - 縫糸を固定する方法及び装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 外側角部により相互連結される複数の平らな
側面領域により形成される外側を備えた多角形横断面形
状を有する改良された縫糸アンカー及び該アンカーを使
用して縫糸を人体組織へ固定する方法の提供。 【解決手段】 管状アンカーは複数の外側角部により連
結される平らな外側面領域を備えた多角形横断面形状を
有する。アンカーを貫通する通路が内側角部により相互
連結した平らな内側側面により形成される。縫糸は該通
路を通って挿入される。集中した力をアンカーの後端の
限定した領域に加えてアンカーを回転させてアンカーの
外側角部を人体組織へ係合させる。縫糸はアンカーの内
側角部と係合する。縫糸は複数のアンカーを通って挿入
され、複数のアンカーは後続アンカーから先導アンカー
へ伝達される力の影響で管状部材を貫通して人体組織内
へ入る。先導アンカーが人体組織内へ入ると、アンカー
の後端に加えられる力の影響で回転する。所望なら、２
つのアンカーを相互連結することが可能である。アンカ
ーの端部及び側部に溝を設けて縫糸を収容するのが効果
的である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、新たに改良されたアン
カー及び１つ以上のアンカーを使用して人体組織に縫糸
を固定する新たに改良された方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】公知のアンカー及び人体組織に縫糸を固
定する方法は、１９９１年８月２０日に発行された米国
特許第５，０４１，１２９号明細書に開示されている。
この特許はアンカー及びプッシャチューブが収容される
中空外側針または管の使用を開示する。縫糸はプッシャ
チューブ及びアンカーを貫通して伸長する。プッシャチ
ューブによりアンカーの後端に力が加えられて該アンカ
ーが中空外側針または管を貫通して人体組織内へ移動さ
れる。人体組織内に縫糸を固定するのに使用されるその
他の公知のアンカーは、１９９３年１月５日発行の米国
特許第５，１７６，６８２号明細書、１９９０年１１月
６日発行の米国特許第４，９６８，３１５号明細書及び
１９８８年５月３日発行の米国特許第４，７４１，３３
０号明細書に開示される。

【０００３】

【発明の概要】改良された縫糸アンカーは外側角部によ
り相互連結された複数の平らな側面領域により形成され
る外側を備えた多角形の横断面形状を有する。アンカー
は複数の内側角部により相互連結された複数の平らな内
側面領域により形成される通路を有する。縫糸は内側角
部の１つと係合自在となってアンカーの外側角部を人体
組織内へ押圧する。アンカーの端部及び／又は外側に縫
糸を収容する溝が設けられる。

【０００４】上記に説明した改良されたアンカーの構成
または異なる構成を有する複数のアンカーが縫糸を固定
するため用いられ得る。複数のアンカーを使用する時に
は、縫糸は該複数のアンカーの各々に挿入貫通され、該
アンカーが人体組織内へ順次移動される。先端のアンカ
ーが人体組織内へ移動されると、縫糸がぴんと張られて
先端のアンカーの角部を移動させて人体組織と係合させ
る。コネクタを各アンカー間に設けることも可能であ
る。

【０００５】本発明の前記及びその他の特徴は添付図面
を参照すつつ以下の説明を斟酌すればさらに明白とな
る。

【０００６】

【実施例】アンカー 本発明の特徴の１つに従って構成されたアンカー１０
（図１）を使用して人体の硬質または軟質組織に縫糸１
２を固定することが可能となる。アンカー１０は外側１
４及び内側１６を備えた管状壁１３を有している。内側
１６はアンカー１０を貫通して伸長する通路１８を画定
する。

【０００７】管状壁１３の外側１４は多角形の横断面形
状を有する。従って、アンカー１０の外側１４は複数の
長手方向に伸長する外側角部２２、２４及び２６を含
む。外側角部２２、２４及び２６は直線状になっており
複数の平らな矩形外側表面領域２８、３０及び３２を相
互連結する。

【０００８】図１に例示したアンカー１０の具体的な好
適な実施例では、管状壁１３が正三角形の横断面形状を
有して中空の角柱を形成する。従って、角部２２、２４
及び２６の各々の外側面領域２８、３０及び３２間の角
度は同一、即ち、１２０°の角度にされる。アンカー１
０の外側１４は所望により異なる形状を有することも可
能であることに留意する必要がある。

【０００９】例えば、アンカー１０の外側１４の横断面
形状を円の扇形部分の形状に類似したもにすることが可
能である。斯かる形状を有した外側面を備えたアンカー
１０は複数の平らな矩形外側面領域を有することにな
る。これらの面領域は角部により相互連結されることに
なる。弧状表面領域が平らな外側面領域間において角部
の対向位置で伸長することになる。

【００１０】アンカー１０の内側１６は該アンカーの多
角形の外側１４に対応し且つ整合した多角形の横断面形
状を有する。アンカー１０の内側１６はアンカーを貫通
して伸長する通路１８の開口端部を画定する。従った、
アンカーの内側１６は長手方向に伸長内側角部４０、４
２、及び４４を有する。内側角部４０、４２及び４４は
直線状であって、外側角部２２、２４及び２６とアンカ
ー１０の長手方向中心軸線とに整合し且つ平行に伸長す
る。

【００１１】更に、アンカー１０の内側１６は内側角部
により相互に連結された平らな矩形の内側面領域４８、
５０及び５２を含む。内側面領域４８、５０及び５２は
外側面領域２８、３０及び３２と平行に伸長し且つ該外
側面領域から等間隔で隔置されている。内側１６は三角
形の横断面形状を有し且つ外側１４に整合している。従
って、内側１６は外側１４の長手方向中心軸線と一致す
る長手方向中心軸線を有する。

【００１２】内側１６及び外側１４の形状を異なるもの
にすることが考えられる。例えば、内側１６を円形また
は円の扇形部分の形状に類似した横断面形状を有するよ
うに形成することが可能である。所望なら、内側１６を
該内側の円周方向に、例えば、４０°の広がりを有する
半径方向に伸長した角部を備えたほぼ完全な円筒として
形成することが可能である。

【００１３】図１に例示したアンカー１０の実施例で
は、管状壁１３は同一サイズの３つの側壁５６、５８及
び６０を有する。管状壁１３の側壁５６、５８及び６０
は該管状壁１３の矩形部分を形成する。しかしながら、
側壁５６、５８及び６０の形状を異なるものにすること
が可能であり、且つ、所望なら側壁の数を増減させるこ
とも可能である。

【００１４】アンカー１０の一具体的な実施例では、該
アンカーが図１に例示した形状を有し、且つ、ステンレ
ス鋼によりＡＳＴＭ指定のＦ−１３８−８６の仕様に形
成された。この具体的な実施例によるアンカー１０の長
さはは３．１０ミリメートルであった。側壁５６、５８
及び６０の各々の幅は１．８３ミリメートルであった。
側壁５６、５８及び６０の厚さは０．５ミリメートルで
あった。外側角部２２、２４及び２６の半径は０．３ミ
リメートルであり、内側角部４０、４２及び４４の半径
は０．１５ミリメートルであった。

【００１５】本発明の別の具体的な実施例では、アンカ
ー１０はステンレス鋼によりＡＳＴＭ指定のＦ−１３８
−８６の仕様に形成された。この実施例によるアンカー
の長さは７．２ミリメートルであった。矩形側壁５６、
５８及び６０の各々の幅は１．８３ミリメートルであっ
た。側壁の厚さ０．５ミリメートルであった。前記の具
体的な例の双方ともアンカー１０は図１に例示した中空
の角柱の形状を有していた。

【００１６】前記のアンカー１０の具体的な例における
具体的な寸法及び材料は説明を明確にするために本書に
記載されたものであることに留意する必要がある。アン
カー１０は上記した具体的な寸法とは異なる寸法で形成
することが可能であると考えられる。しかしながら、ア
ンカー１０を２乃至８ミリメートルの長さ及び１．０乃
至２．５ミリメートルの幅で形成するのが効果的である
と考えられる。勿論、アンカー１０の具体的な寸法は該
アンカーが縫糸１２を固定するのに使用される環境に応
じて変更することは可能である。

【００１７】本発明の別の特徴によれば、アンカー１０
は縫糸１２により隣接した内側角部４０、４２または４
４に加えられる力により人体組織に埋設される外側角部
２２、２４または２６の１つに向けられて人体組織中に
取付られる。縫糸１２によりアンカー１０の内側角部２
２、２４または２６の１つに対して加えられる力は人体
組織に埋設された角部により相互連結される平らな外側
面領域を押圧する。従って、縫糸１２が内側角部４０に
対して力を加える場合には、外側角部２２が人体組織中
に埋設されるようになり、平らな外側面領域２８及び３
２は人体組織に対して押圧される。

【００１８】埋設された外側角部２２、２４または２６
から隔置された外側角部は人体組織と協働してアンカー
１０を安定させ且つ該アンカーを保持して横方向の移動
を防止する。アンカー１０の平行で平らな端部表面６６
及び６８は外側表面２８、３０及び３２に垂直に伸長し
且つ人体組織と協働してアンカー１０を保持し、人体組
織に対して該アンカーが軸線方向に移動するのを防止す
る。外側角部２２、２４及び２６及び外側表面２８、３
０及び３２と人体組織との協働によりアンカー１０が人
体組織の所定位置に確実に保持される。

【００１９】装置の装着 アンカー１０を人体組織中に装着する時には、アンカー
を直接人体組織中に押し込むかまたはアンカーを収容す
るために人体組織に形成された凹所内へ押し込む。アン
カー１０を人体の硬質または軟質組織のどちらへでも装
着することが可能である。図２、図４、図５及び図６で
は、アンカー１０は人体の骨７２に装着される。該骨７
２は緊密な外側層７４及び該緊密な外側層に取り囲まれ
たより多孔性の網状組織７６を含んでいる。

【００２０】円筒状凹所または空洞７８を前記骨組織に
形成して図２に例示した方法でアンカー１０を収容す
る。アンカー１０は骨７２の硬質組織よりはむしろ軟質
組織に使用することが可能であることに留意する必要が
ある。所望なら凹所または空洞７８の形成を省略するこ
とが可能であることにも留意する必要がある。

【００２１】管状案内部材８２（図２乃至図６）が空洞
７８（図２）内へ挿入される。該管状案内部材８２の形
状を様々なものにすることが可能であるが、例示した案
内部材８２は円筒状であり且つ円形開口部８４を介して
凹所７８内へ挿入される。案内部材８２は骨組織の緊密
な外側層７４を貫通して挿入される。案内部材８２の円
形開口内側端８６は骨組織７２の緊密な外側層７４の内
側の直ぐ下方（図２で見て）に配置される。

【００２２】管状案内部材８２は円筒状凹所７８及び該
凹所へ開口した円形開口部８４の径と略同一の径を有す
る円筒状外側表面８８を有する。従って、骨組織７２は
案内部材８２の外側表面８８に堅固に係合して該案内部
材を凹所７８に対して所定位置に保持する。凹所７８は
案内部材の下方（図２で見て）端８６を通って少なくと
もアンカー１０の長さと同一の距離、即ち、少なくとも
アンカー１０の端面６６から端面６８（図１）までの距
離と距離と同一の距離内側へ伸長する。

【００２３】管状案内部材８２は円筒状の内側面９２
（図３）を有する。アンカー１０が骨組織７２内へ装着
される時には、アンカーは端面６６が該アンカー１０の
先端にまた端面６８が該アンカー１０の後端になるよう
にして案内部材８２内へ位置決めされる。アンカー１０
の外側角部２２、２４及び２６は案内部材の内側表面の
周囲に等間隔で隔置されて（約１２０°）案内部材８２
の内側面９２（図３）と係合する。アンカー１０の長手
方向中心軸線は案内部材８２の長手方向中心軸線と一致
する。

【００２４】アンカー１０の外側表面領域２８、３０及
び３２（図３）は案内部材８２の内側面９２から隔置さ
れる。該外側表面領域２８、３０及び３２は案内部材８
２の長手方向中心軸線と平行に伸長する。アンカー１０
の外側面領域２８、３０及び３２は案内部材８２の内側
面領域９２と協働してアンカー１０と案内部材８２の内
側面９２との間に複数の溝９６、９８及び１００を形成
する。該溝９６、９８及び１００はアンカー１０の全長
に沿って軸線方向に伸長する。

【００２５】縫糸１２の一部１０４（図２）が案内部材
８２の上部を通ってアンカー１０の通路１８内へ下方へ
（図２で見て）伸長する。縫糸１２の比較的短い部分１
０６はアンカー１０の先端面６６を横断して伸長する。
縫糸１２の第２の比較的長い部分１０８は溝１００を通
ってアンカー１０の外側表面領域３２に沿って上方へ伸
長する。縫糸１２の比較的長い部分１０４及び１０８は
案内部材８２から骨組織７２内の凹所７８の一方の側へ
オフセットした位置まで伸長する。

【００２６】アンカー１０が図２及び図３に示した方法
で一旦管状案内部材８２内へ挿入されると、中空円筒状
のプッシャ部材１１２（図２）が案内部材の開口した上
方または外側端を通って案内部材８２内へ挿入される。
プッシャ部材１１２は案内部材８２の開口した上方また
は外側端を通って伸長する。プッシャ部材１１２伸長し
て案内部材８２と入れ子式に係合する距離はプッシャ部
材を案内部材に対して軸線方向に移動することで変更す
ることができる。プッシャ部材１１２の形状を案内部材
８２の円筒状の形状と異なるものにすることが可能であ
るが案内部材と同一の形状を有したプッシャ部材を使用
する方が好適である。

【００２７】縫糸１２は管状プッシャ部材１１２内に形
成された円筒状通路１１４を通って伸長する。従って、
縫糸の一部分１０４は骨組織７２内の凹所７８の一方の
側へオフセットした位置からプッシャ部材１１２内へ伸
長する。縫糸１２の一部分１０４はプッシャ部材１１２
内の通路１１４を通ってアンカー１０の通路１８まで伸
長する。縫糸１２の一部分１０６はアンカー１０の先端
６６を横断して伸長する。

【００２８】縫糸１２の一部分１０８はアンカー１０の
外側面に沿って溝１００を通って上方へ伸長する（図２
及び図３）。縫糸１２の一部分１０８は、次いで、プッ
シャ部材１１２の開口した下方または内側の端部１１６
（図２）を通って管状プッシャ部材内の通路１１４内へ
伸長する。縫糸１２の一部分１０８は、次いで、プッシ
ャ部材の開口した上方端から凹所７８の一方の側へオフ
セットした位置まで伸長する。外科医は手でプッシャ部
材１１２の開口した上方端の近傍で縫糸１２を把持する
ことが可能となる。

【００２９】プッシャ部材１１２は案内部材８２の円筒
状内側表面９２に入れ子式に係合する円筒状外側表面１
２２を有する。プッシャ部材１１２の該円筒状外側表面
１２２の径は案内部材８２の円筒状内側面９２の径より
ほんの若干小さくされている。従って、案内部材が円筒
状プッシャ部材の内側表面をアンカー１０（図２）の長
手軸方向中心軸線に整合させて保持する一方で、プッシ
ャ部材１１２は案内図材８２の内側面９２に沿って自在
に摺動することが可能になる。このように、案内部材８
２の円筒状内側面９２はアンカー１０の外側角部２２、
２４及び２６に係合してアンカーの移動を案内し且つプ
ッシャ部材１１２の外側円筒状側面１２２に係合してプ
ッシャ部材の移動を案内する。

【００３０】プッシャ部材１１２の開口端部１１６は軸
線方向に先細りするようにされており、プッシャ部材１
１２がアンカー１０の後端面に集中した力をかけるのを
可能にしている。従って、プッシャ部材１１２は該プッ
シャ部材（図４）の長手方向中心軸線に対して鋭角に傾
斜された下方（図２で見て）端面１２６を有する。更
に、プッシャ部材１１２はアンカー１０の後端面６８と
係合する平らな端面１２８を有する。

【００３１】平らな端面１２８はアンカーの後端面６８
に対するプッシャ部材１１２の向きがどうであってもア
ンカーの後端面６８に係合可能な長さと幅にされてい
る。これにより、プッシャ部材１１２はアンカーの外側
角部２２、２４または２６（図２）の１つに隣接した位
置でアンカーの後端面６８及び／またはアンカーの外側
面領域２８、３０または３２の１つに隣接した位置でア
ンカーに係合することが可能になる。

【００３２】プッシャ部材１１２の開口端部１１６の形
状が先細りにされていることでプッシャ部材がアンカー
の中心軸線からオフセットした位置でアンカーの後端面
に集中した力を加えられる。プッシャ部材１１２により
アンカーの後端面６８に加えられる力はアンカー１０の
中心軸線からオフセットしているのでプッシャ部材１１
２の端部１１６がアンカーの後端面６８と係合する位置
を通って伸長する軸線の回りにアンカーを回転させよう
とするトルクがアンカーに作用する。

【００３３】アンカー１０が案内部材８２内（図２及び
図３）にある時は、アンカー部材の外側角部２２、２４
及び２６が案内部材８２の円筒状内側面９２に係合して
アンカーを保持してプッシャ部材１１２によりアンカー
の後端面６８に対して加えられる集中力の影響によるア
ンカーの回転運動を防止する。このように、案内部材８
２の円筒状内側面９２がアンカー１０と協働してアンカ
ー１０の長手方向中心軸線を案内部材の長手方向中心軸
線と同一に保持する。加えて、案内部材８２の円筒状内
側面９２はプッシャ部材１１２の円筒状外側面１３２と
協働してプッシャ部材の長手方向中心軸線が案内部材８
２の長手方向中心軸線と同一となる向きにプッシャ部材
を保持する。

【００３４】図２及び図３に例示した本発明の実施例で
は、案内部材８２及びプッシャ部材１１２の双方の形状
が円筒状とされている。しかしながら、プッシャ部材１
１２及び案内部材８２の形状を異なるものにすることが
可能である。例えば、案内部材８２及びプッシャ部材１
１２双方の形状を三角形の横断面を有する形状にするこ
とが可能である。所望なら、案内部材８２の形状を円形
横断面を有する形状にし、プッシャ部材１１２の形状を
三角形の横断面を有する形状にすることが可能である。

【００３５】装着方法 アンカー１０を硬質または軟質の人体組織に装着する時
には、縫糸１２が通路１８（図２）を通ってアンカー１
０内へ挿入される。縫糸１２の比較的長い部分１０４が
通路１８を貫通して縫糸の一部分１０６まで伸長する。
縫糸の一部分１０６はアンカーの端面６６を横断して伸
長する。縫糸の一部分１０８がアンカー１０の外側１３
に沿って伸長する。図２では、縫糸１２の一部分１０８
が外側面領域３２に沿って伸長する。しかしながら、縫
糸１２の一部分１０８は外側面領域２８、３０及び３２
のいずれに沿っても伸長することが可能である。

【００３６】縫糸１２が一旦通路１８を通ってアンカー
１０内に挿入されると、アンカーが案内部材８２内へ挿
入される。この時、アンカーの外側角部２２、２４及び
２６（図３）が案内部材８２の内側面９２に係合して案
内部材に対してアンカーを位置決めする。縫糸１２の一
部分１０８がアンカー１０の外側面領域３２と案内部材
８２の内側面９２との間に形成された溝１００を通って
伸長する。案内部材８２はアンカーの長手方向中心軸線
が案内部材の長手方向中心軸線と同一となる向きにアン
カー１０を保持する。

【００３７】アンカー１０の案内部材内への挿入前また
は後で縫糸１２がプッシャ部材１１２の開口端を備えた
通路１１４（図２）を通って挿入される。アンカー１０
の案内部材８２内への挿入が完了するとプッシャ部材１
１２が案内部材内へ挿入される。プッシャ部材１１２の
開口先端部１１６が移動されてアンカー１０の後端面６
８と係合する。

【００３８】プッシャ部材１１２がアンカー１０の後端
面６８に押圧されてアンカーを骨７２内の凹所７８に向
けて案内部材８２を通って移動させる。こうなると、ア
ンカー１０及びプッシャ部材１１２が相互且つ案内部材
８２に対してそれぞれの同一となった中心軸線の回りに
回転する可能性が考えられる。しかしながら、案内部材
８２の内側面９２がアンカー１０の角部２２、２４及び
２６と係合してアンカーを保持してアンカーの長手方向
中心軸線を横断する方向に且つ該長手方向中心軸線から
オフセットして伸長する軸線を中心にした回転運動が防
止される。

【００３９】プッシャ部材１１２の先細りした端部１１
６によりアンカーの後端面６８に集中した力が加えられ
る。プッシャ部材１１２はアンカー１０の長手方向中心
軸線の一方の側へオフセットした位置でアンカー１０に
対して集中力を作用させる。このように、プッシャ部材
１１２の先細りした端部１１６上の平らな端面１２８が
角部２２、２４または２６の１つの後端及び／または側
壁５０、５８または６０の１つの後端でアンカー１０に
係合する。プッシャ部材１１２の先細りした端部１１６
の半径方向厚さは先細りした端部が溝９６、９８または
１００（図３）の１つを架橋してアンカー１０の角部２
２、２４及び２６から隔置した位置で側壁５６、５８ま
たは６０の後端に係合するのを可能とするのに十分な厚
さにされている。

【００４０】プッシャ部材１２の先細り端部１６がアン
カーの長手方向中心軸線の一方の側へオフセットした位
置でアンカー１０の後端に係合するとアンカーへトルク
が加わる。このトルクはプッシャ部材１２の先細り端部
１１６がアンカーの後端面６８と係合する位置を通って
伸長する軸線の回りにアンカーを回転させようとする。
アンカー１０の外側角部２２、２４及び２６が案内部材
８２の内側面９２と係合してアンカーを保持してアンカ
ーが案内部材を通って移動する時にプッシャ部材１２に
よりアンカーに加えられるトルクの影響によりアンカー
が回転するのを防止する。

【００４１】プッシャ部材１２が案内部材８２に対して
下方（図２で見て）へ移動するにつれてアンカー１０が
案内部材内を下方へ押し下げられる。これが起きるとア
ンカー１０が縫糸を下方へ引っ張る。このように、力が
アンカー１０の先端面６６から縫糸１２の一部分１０６
まで伝達されて縫糸をプッシャ部材１１２及び案内部材
８２内へ引っ張る。

【００４２】アンカーが下方（図２で見て）へ移動し続
けると、アンカーの先端及び縫糸１２の一部分１０６が
案内部材８２の開口下方端８６から出現して凹所７８内
へ入る。アンカー１０が案内部材８２の開口下方（図２
で見て）端部を通って移動すると、縫糸１２がぴんと張
られて力がアンカーの先端面６６に加わる。外科医が縫
糸１２の部分１０４及び１０８を引っ張って縫糸をピン
と張る。この力がアンカーを上方（図２で見て）へ引張
上げてプッシャ部材１１２に当接させる。

【００４３】縫糸がぴんと張られてアンカー１０の後端
部が案内部材８２から出始まると、縫糸がアンカーの内
側面領域４８、５０または５２の１つに沿って摺動して
内側角部４０、４２または４４の１つの中へ入る。これ
によりアンカーをその長手方向中心軸線の回りにプッシ
ャ部材１２に対して回転させて、アンカーの側壁５６、
５８または６０の１つをプッシャ部材１１２の先細り端
部を整合しようとする。これが起きると、プッシャ部材
１１２の先細り端部１１６により加えられる力がアンカ
ー側壁５６、５８または６０の１つの後端部に集中する
ようになる。

【００４４】例えば、アンカー１０が図２に示した位置
から図４に示した位置までその中心軸線の回りを回転す
る。これが起きると、プッシャ部材１１２の先細り端部
１１６上の面１２６がアンカー１０の側壁５８（図１）
の後端に係合する。これによりプッシャ部材１１２によ
り加えられた力がアンカーの外側角部２２と対向する位
置に集中する。プッシャ部材１２によりアンカーの後端
面６８に加えられる力を角部２２と対向する位置に集中
させることでプッシャ部材１１２によりアンカー１０に
加えられるトルクが図４の矢印１４０で示した如くアン
カーを時計回りの方向へ回転させようとする。

【００４５】アンカー１０がその中心軸線の回りに回転
すると同時に縫糸１２がピンと張られてアンカーの先端
面６６に力が加わる。縫糸１２によりアンカー１０の先
端６６に加えられた力がアンカーの後端６８をプッシャ
部材１１２の先細りされた先端部１１６に向けて後方ま
たは上方（図４で見て）に引っ張る。従って、縫糸１２
がピンと張られてアンカー１０を矢印１４０で概略示し
たように反時計回りの方向（図４で見て）へ更に回転さ
せようとする。アンカー１０の内側角部４０が縫糸１２
を保持してアンカーに対して横方向へ移動するのを防止
して、縫糸により加えられる力をアンカーの内側角部に
おいてアンカーへ集中させる。

【００４６】プッシャ部材１１２によりアンカー１０の
後端面６８に加えられる集中力と、縫糸１２により先端
面６６の近傍でアンカーの内側角部４０に加えられる力
との影響が組合わさることでアンカーが図４の矢印１４
０により概略しめしたように回転されて網状骨組織７６
内へ入って行く。従って、アンカー１０は案内部材８２
の中心軸線に垂直に且つ該中心軸線からオフセットして
伸長する軸線の回りに回転させられる。アンカー１０が
回りを回転する軸線はプッシャ部材１１２の先端面１２
８がアンカー１０の後端面６８と係合する位置を通って
伸長する。これが起きると、プッシャ部材１１２が案内
部材８２内を軸線方向下方（図４で見て）へ移動して凹
所７８内へ入る。アンカー１０はプッシャ部材１１２の
端面１２８がアンカー１０の端面６８と係合する位置を
通って伸長する軸線の回りをアンカーの面６８がプッシ
ャ部材１１２の傾斜端面１２６と当接係合するまで回転
し続ける。

【００４７】アンカーの長手方向中心軸線の一方の側で
アンカーの後端面６８を押す集中力と、アンカーの長手
方向中心軸線の反対の側のアンカーの角部で先端面６６
に加わる引張力との組み合わせでかなりの反時計方向回
り（図４で見て）のトルクが生じて骨７２の軟質網状組
織７６により生じる抵抗に逆らってアンカーを回転させ
る。これによりアンカー１０が図２の直立した配置から
図４に示した配置を介してアンカー１０の後端面６８が
プッシャ部材１１２の傾斜端面１２６に係合する配置ま
で移動する。

【００４８】アンカー１０の後端面６８がプッシャ部材
１１２の傾斜端面１２６（図４）と係合すると、アンカ
ーの中心軸線が傾斜端面１２６に垂直に伸長して、案内
部材の中心軸線に対して４５°の角度で斜めにされる。
次いで、プッシャ部材１１２が案内部材８２内へ後退す
る。プッシャ部材１１２が図４で見て軸線方向上方へ移
動されて案内部材８２内へ入ると、縫糸１２によりアン
カー１０の先端６６に加えられる力がアンカーを反時計
回り方向へ回転し続ける。縫糸１２によりアンカーの先
端部６６に加えられる力がアンカーの後端部６８を凹所
７８の左（図４及び図５で見て）側に押圧させる。

【００４９】縫糸１２を引張またはぴんと張り続ける
と、アンカー１０の外側角部２２が案内部材８２の内側
または下方（図５で見て）端面８６に向かって引っ張ら
れる。これが起きると、縫糸からアンカー１０へ伝達さ
れる力がアンカーの後端を図４で見て左に向かって引っ
張る。従って、アンカー１０が最初にプッシャ部材１１
２及び縫糸１２によりアンカーに加えられた力の影響が
組合わさって案内部材８２の中心軸線の右（図４で見
て）に向かって移動される。次いで、プッシャ部材１１
２がゆっくりと後退し、これと同時にアンカー１０がピ
ンと張った縫糸１２によりアンカーに加えられた力の影
響で右（図４及び図５で見て）へ向かって移動される。
縫糸１２は外科医が該縫糸を手で引っ張ることでピンと
張られる。

【００５０】アンカー１０に加わった力で該アンカーが
図５及び図６に示した略水平の配置に移動される。この
時、アンカー１０の長手方向中心軸線と該アンカーの外
側角部２２、２４及び２６が案内部材８２及びプッシャ
部材１１２の一致した長手方向中心軸線に対して垂直に
伸長する。縫糸１２の引張力がアンカー１０の外側角部
２２を案内部材８２の下方端へ向かって引張上げる。

【００５１】これが起きると、アンカー１０の外側角部
２２が比較的軟質の網状骨組織７６（図６）内へ埋設さ
れる。更に、平らな外側面領域２８及び３２が網状骨組
織に押圧してアンカー１０を安定させる。角部２２と対
向する外側角部２４及び２６は網状骨組織７６と協働し
てアンカーを更に安定させ且つ該アンカーを保持して該
アンカーが人体組織７２に対して移動するのを防止す
る。

【００５２】アンカー１０の多角形の形状によりアンカ
ーが人体組織７２に対して移動しないように保持され
る。従って、アンカー１０の外側角部２２、２４及び２
６が人体組織７２内へ埋設されるようになる。アンカー
の平らな外側面領域２８及び３２は人体組織に押圧され
てアンカーを更に安定させる。

【００５３】時間が経過すると、人体組織は凹所７８及
びアンカー１０を図２に示した位置から図４に示した位
置を介して図５に示した位置まで移動させることにより
生じた空間内へ成長しようとする。これが起きると、人
体組織が成長してアンカーの平らな外側面領域３０と係
合してアンカーを更に安定させる。アンカー１０は人体
組織７２内で非常に安定しているが本願書が位置部継続
出願となる前記の１９９３年５月１４日出願の米国特許
出願番号第０８／０６２，２９５号に開示されたものと
同一の方法で人体組織からアンカーを除去することがで
きる。

【００５４】アンカーガイド及びプッシャ部材−第２実
施例 図１乃至図６に例示した本発明の実施例では、アンカー
１０が案内部材８２に対して任意の向きに配置された。
アンカー１０が案内部材８２から出現するにつれて、縫
糸１２をピンと張ることによりアンカーに加えられる力
により縫糸がアンカーの内側面領域４８、５０及び５２
に沿って移動して内側角部４０、４２及び４４の１つと
係合する。これが起きると、アンカーがプッシャ部材１
１２に対してプッシャ部材１１２の先細り端部１１６が
縫糸が係合する内側角部と対向するアンカーの一部に集
中力を加える配置まで移動する。例えば、縫糸１２が図
４に示すように内側角部４０と係合する場合、プッシャ
部材１１２は外側角部２４及び２６に隣接した側壁５８
に集中力を加える。

【００５５】アンカーが凹所７８内へ移動する前にアン
カー１０の人体組織７２に対する向きを決めておくこと
が所望される可能性も考えられる。図７乃至図１０に例
示した本発明の実施例では、管状案内部材はアンカーが
案内部材を通って軸線方向に移動する時にアンカーを案
内部材に対して選択した配置保持するように構成されて
いる。更に、プッシャ部材はアンカーの選択した部分に
集中力を加えるように構成されている。図７乃至図１０
に例示した本発明の実施例は図１乃至図６に例示した本
発明の実施例と概ね類似していることから、同じ符号が
同じ構成部品を示すのに使用されており、混乱を避ける
ために図７乃至図１０の符号には接尾語「ａ」を付して
ある。

【００５６】管状案内部材８２ａ（図７）は円筒状の外
側面８８ａ及び円筒状の内側面９２ａを有している。加
えて、案内部材８２ａは案内部材８２ａ内でアンカー１
０ａの位置を画定する直線状の位置決めリブ１４２を有
する。該位置決めリブ１４２は案内部材の全長に亙って
案内部材８２ａの内側面９２ａに沿って軸線方向に伸長
する。位置決めリブ１４２の長手方向中心軸線は案内部
材８２ａの長手方向中心軸線と平行に伸長する。

【００５７】位置決めリブ１４２は平らな内向位置決め
面１４４を有する。平らな位置決め面１４４は案内部材
８２ａの円筒状内側面９２ａに対して弦を形成する平面
内に配置される。位置決め面１４４が配置される該平面
は案内部材８２ａの長手方向中心軸線に平行に伸長す
る。位置決め面１４４はの軸線方向長さは案内部材８２
ａの軸線方向長さと同一である。

【００５８】アンカー１０ａが図７に示した向きに配置
されると、位置決め面１４４がアンカー１０ａの平らな
外側面領域３０ａと係合して該アンカーを案内部材に対
して所定向きに位置決めする。アンカー１０ａの角部２
２ａは位置決め面１４４か直径方向横断して配置され
る。勿論、アンカー１０ａを平らな位置決め面１４４を
アンカーの平らな外側面領域２８ａ、３０ａ及び３２ａ
のいずれか１つに当接係合させた状態で管状案内部材８
２ａに対して位置決めすることが可能である。

【００５９】アンカー１０ａの角部２２ａ、２４ａ及び
２６ａは案内部材８２ａの円筒状内側面９２ａ係合して
アンカー１０ａを案内部材８２ａの長手方向中心軸線と
整列した状態で保持する。位置決め面１４４はアンカー
１０ａの平らな外側面領域３０ａに係合してアンカーを
案内部材８２ａの長手方向中心軸線に対して所定の向き
に保持する。従って、位置決め面１４４はアンカー１０
ａの平らな外側面３０ａと係合してアンカーがその長手
方向中心軸線の回りに案内部材８２ａに対して回転する
のを防止する。アンカー１０ａの長手方向中心軸線は案
内部材８２ａの長手方向中心軸線と一致する。

【００６０】アンカー１０ａが挿入される人体組織に対
する該アンカーの位置はその挿入前に外科医が選択す
る。従って、アンカー１０ａの角部２２ａは位置決め面
１４４からは案内部材８２ａを直径方向に横断した位置
にある。この時、アンカー１０ａの角部２２ａは位置決
めリブ１４２の長手方向中心軸線を含んだ平面内に配置
される長手方向中心軸線を有する。従って、人体組織に
対する位置決めリブ１４２の向きを選択することで外科
医は人体組織に対するアンカーの角部２２ａの向きを選
択できる。

【００６１】アンカー１０ａが人体組織内へ装着されて
図５及び図６でアンカー１０に就いて示したように縫糸
１２ａを固定する時には、アンカー１０ａの角部２２ａ
の長手方向中心軸線は依然として案内部材８２ａ及び位
置決めリブ１４２の平行な長手方向中心軸線を含む平面
内に配置されている。アンカー１０ａの長手方向中心軸
線もまた案内部材８２ａ及び位置決めリブ１４２の長手
方向中心軸線を含む平面に配置されている。しかしなが
ら、アンカー１０ａが図５及び図６にアンカー１０に就
いて示したように人体組織内へ装着されると、角部２２
ａ及びアンカー１０ａの長手方向中心軸線が案内部材８
２ａ及び位置決めリブ１４２の平行な長手方向中心軸線
と垂直に伸長する。

【００６２】プッシャ部材１１２ａ（図８及び図９）は
案内部材８２ａと協働して外側角部２２ａと対向し且つ
位置決めリブ１４２の対向する長手方向に伸長する側面
１４６及び１４８（図７）に隣接した位置でアンカー１
０ａに力を加える。側面１４６及び１４８は位置決め面
１４４に垂直に伸長する。側面１４６及び１４８は互い
に平行に伸長し且つアンカー１０ａの角部２４ａ及び２
６ａ間の距離より略短い距離に隔置さる。

【００６３】プッシャ部材１１２ａは先細りの端部１１
６ａ（図８）を有する円筒状管状部材である。該管状プ
ッシャ部材１１２ａはプッシャ部材の全長に亙って伸長
し且つ位置決めリブ１４２を収容する半径方向に伸長す
るスロット１５０（図９）を有する。該スロット１５０
の対向する側面１５１及び１５２は互いに平行に伸長し
て位置決めリブ１４２の対向側面１４６及び１４８に係
合する。従って、位置決めリブ１４２はスロット１５０
と協働して案内部材８２ａに対するプッシャ部材１１２
の向きを決定する。アンカー１０ａもまた位置決めリブ
１４２により案内部材８２ａに対する向きを決定される
ことから、位置決めリブはアンカーに対するプッシャ部
材１１２ａの向きを決定するのに有効である。

【００６４】プッシャ部材１１２ａは管状案内部材８２
ａ内の位置決めリブ１４２の対向する両側に隣接した位
置でアンカー１０ａに力を加える先細りの先端または下
方（図８で見て）端面１２８ａを有する。プッシャ部材
１１２ａの端面１２８ａがアンカー１０ａに力を加える
方法は図７の矢印１５４及び１５６により概略示されて
いる。該矢印１５４及び１５６は位置決めリブ１４２の
長手方向中心軸線及びアンカー１０ａの長手方向中心軸
線に平行に伸長する。

【００６５】矢印１５４及び１５６で示したプッシャ部
材の力はアンカー１０ａの外側角部２２ａと対向した側
壁５８ａ（図７）の後端面領域６８ａに加えられる。従
って、プッシャ部材１１２ａの加える力は位置決めリブ
１４２の位置決め面１４４に係合されたアンカーの前記
側壁５８ａに集中される。これにより、プッシャ部材１
１２ａが案内部材８２ａ内のアンカーの向きを選択する
ことにより選択される位置においてアンカー１０ａの後
端面６８ａに力を加えることになる。

【００６６】アンカー１０ａが人体組織内へ装着される
時には、管状案内部材８２ａが人体組織に対して選択さ
れた向きに位置決めされる。このように、案内部材８２
ａの開口下方端９６ａ（図１０）がアンカー１０ａの外
側角部２２ａの人体組織内への埋設を所望する位置に位
置決めリブ１４２を配置した状態で案内部材８２に就い
て図２において示した方法で人体組織内の凹所内へ挿入
される。

【００６７】縫糸１２ａ（図１０）は中心通路１８ａを
通ってアンカー１０ａ内へ挿入される。従って、縫糸１
２ａの部分１０４ａは通路１８ａを通ってアンカー１０
ａ内へ伸長し、縫糸１２ａの部分１０８ａはアンカーの
外側面３２ａに沿って伸長する。縫糸はまた中央通路１
１４ａ（図８）を通ってプッシャ部材１１２ａ内へ挿入
される。

【００６８】次いで、アンカー１０ａが該アンカーの平
らな外側面領域３０ａ（図７）を位置決めリブ１４２の
平らな位置決め面１４４と当接係合させた状態で案内部
材８２ａ内へ位置決めされる。縫糸の部分１０８ａは案
内部材８２ａの内側面９２とアンカー１０ａの外側との
間に形成された溝１００ａを通って伸長する。

【００６９】次いで、プッシャ部材１１２ａが縫糸１２
ａの部分１０４ａ及び１０８ａが管状プッシャ部材の円
筒状通路１１４ａを通って伸長した状態で案内部材８２
ａ内へ挿入される。位置決めリブ１４２がプッシャ部材
１１２ａ内に形成されたスロット１５０を通って半径方
向に伸長する。スロット１５０（図９）の側面１５１及
び１５２は位置決めリブ１４２の対向する側面１４６及
び１４８と係合する。位置決めリブ１４２がプッシャ部
材１１２ａ内のスロット１５０と係合するとプッシャ部
材１１２ａのアンカー１０ａ及び案内部材８２ａの双方
に対する向きが決定される。

【００７０】プッシャ部材１１２ａの下方または先端面
１２８ａ（図８）が位置決めリブ１４２の対向する両側
近傍でアンカー１０ａの側壁５８ａ（図７）の上方端面
に係合する。従って、プッシャ部材１１２ａがアンカー
１０ａに押圧されると、プッシャ部材１１２ａの端面１
２８ａが図７において矢印１５４及び１５６で示したよ
うにアンカー１０ａの側壁５８ａにおいて該アンカーの
後端面６８ａに力を加える。

【００７１】プッシャ部材１１２ａによりアンカー１０
ａの後端面６８ａに加えられた力はアンカーの先端面６
６ａ（図１０）が案内部材８２ａの開口下方（図１０で
見て）端９２ａから出現するまでアンカーを案内部材８
２ａを通って軸線方向下方（図７で見て）へ移動する。
アンカー１０ａが管状案内部材８２ａを通って移動する
間にアンカー及びプッシャ部材１１２ａの双方は位置決
めリブ１４２により案内部材に対して所定の向きに維持
される。位置決めリブ１４２はプッシャ部材１１２ａ及
びアンカー１０ａと協働して該プッシャ部材及びアンカ
ーを保持して案内部材８２ａの中心軸線の回りに該双方
の部材が相対的に回転するのを防止する。

【００７２】アンカー１０ａが管状案内部材８２ａの下
方（図１０で見て）端部８６ａから出現し始まると、プ
ッシャ部材１１２ａによりアンカーの後端面６８ａに加
えられた力がアンカーを反時計回り方向（図１０で見
て）に回転しようとするトクルをアンカーに加える。こ
れが起きると、縫糸１２ａがピンと張られてアンカーの
先端面６６ａに隣接したアンカー１０ａの内側角部４０
ａに力が加えられる。この力によりアンカーが図１０で
見て反時計回り方向に回転される。

【００７３】アンカー１０ａの後端が一旦移動して管状
案内部材８２ａを通過すると、縫糸１２ａの部分１０６
ａによりアンカー１０ａの先端面６６ａに加えられた力
によりアンカー１０ａが左（図１０で見て）側へ移動さ
れる。従って、アンカー１０ａが案内部材８２ａの開口
下方端部９２ａを直径方向に横断する位置まで移動す
る。これにより、アンカー１０ａが図５及び図６におい
てアンカー１０に就いて示した位置に類似した位置で人
体組織内に装着される。

【００７４】縫糸１２ａを引張りまたはぴんと張り続け
るとアンカーの角部２２ａが人体組織内へ埋設されるよ
うになると共にアンカーの外側面２８ａ及び３２ａが人
体組織に力を加えるようになる。この時、外側角部２４
ａ及び２６ａが人体組織と協働してアンカー１０ａを更
に安定させる。アンカー１０ａが一旦人体組織内へ移動
してしまうと、案内部材８２ａ及びプッシャ部材１１２
ａの双方が人体組織から後退させられる。

【００７５】図７乃至図１０に例示した本発明の実施例
では、位置決めリブ１４２が案内部材８２ａに対してア
ンカーを位置決めする。しかしながら、様々な異なる構
造の位置決め面を案内部材に設けてアンカーを案内部材
に対して位置決めすることが考えられる。例えば、案内
部材８２ａを円の扇形部分の形状に類似した形状で形成
することが可能である。これがなされると、縫糸１２ａ
の部分１０８ａが案内部材の弧状部分に隣接して配置さ
れる一方で、アンカーの対向する外側角部が案内部材の
頂点に係合することになる。所望なら、案内部材の横断
面形状をアンカーの多角形横断面形状に対応する多角形
横断面形状にすることが可能である。この場合、案内部
材の溝を縫糸１２ａの部分１０８ａを収容する溝として
使用することが可能となる。

【００７６】アンカー−第２実施例 図１乃至図６のアンカー１０を使用中に、縫糸１２をア
ンカーを使用する環境における面と係合させないように
することが望ましいとされることが考えられる。図１１
及び図１２に例示したアンカーの実施例では、縫糸を保
護するために該縫糸を収容する溝が設けられる。図１１
及び図１２に例示したアンカーの実施例は図１乃至図６
に例示した本発明の実施例と概ね同様であることから、
同様な構成部品を示すのに同様な符号を使用するが、混
乱を避けるために、図１１及び図１２の符号には接尾語
「ｂ」を付すこととする。

【００７７】アンカー１０ｂは平らな外側面領域２８
ｂ、３０ｂ及び３２ｂを相互連結する外側角部２２ｂ、
２４ｂ及び２６ｂを有する。中央通路１８ｂがアンカー
を貫通して伸長する。アンカー１０ｂの形状は図１のア
ンカー１０の形状と同一である。

【００７８】本発明の本実施例の特徴によれば、アンカ
ー１０ｂは縫糸１２ｂが収容される溝１６２（図１１）
を有する。該溝１６２はアンカー１０ｂの平らな外側面
３２ｂから内方に配置された長手方向に伸長する主部１
６４を有する。溝１６２の該主部１６４は平らな側面領
域３２ｂと平行に伸長し且つアンカー１０ｂの軸線方向
の対向端間に伸長する平らな底面１６６を有する。溝１
６２の主部１６４はアンカーの外側に沿って伸長する縫
糸１２ｂの部分１０８ｂを収容する。

【００７９】溝１６２の主部１６４は平らな外側面３２
ｂの中央部に配置された平らな長手方向に伸長する側面
１７０と、外側角部２２ｂ（図１２）の中央部に配置さ
れた平らな長手方向に伸長する側面１７２とを有する。
これにより、縫糸の内側部分が移動してアンカー１０ｂ
の内側角部４０ｂ（図１２）と係合する時に、縫糸１２
ｂの部分１０８ｂが平らな外側面３２ｂの中央部に隣接
した位置から外側角部２２ｂまで移動するのが可能とな
る。従って、図４及び図５においてアンカー１０に就い
て示した方法でアンカー１０ｂが回転して案内部材の端
に相対した位置に移動すると、縫糸１２ｂの部分１０８
ｂが横方向に、即ち、溝１６２の主部１６４の長手方向
中心軸線を横断する方向に移動して、前記溝の長手方向
に伸長する側面１７２に係合する。これはアンカー１０
ｂの通路１８ｂを通って伸長する縫糸の部分が移動して
アンカーの内側角部４０ｂと係合する時に起きる。

【００８０】更に、溝１６２は該溝１６２の主部１６４
に対して横断方向に伸長し且つアンカー１０ｂの端面６
６ｂを横断して伸長する端部１７６を有する。溝１６２
の該端部１７６は側壁６０ｂの端部の中央部から内側及
び外側角部４０ｂ及び２２ｂまで伸長する。溝１６２の
端部１７６は縫糸１２ｂの部分１０６ｂを収容して縫糸
を保護する。溝の端部１７６が側壁６０ｂの中央部から
外側角部２２ｂまで伸長することから、縫糸の部分１０
６ｂは、アンカーがアンカー１０に就いて図４に示した
向きから図５に示した向きまで移動すると、内側角部４
０ｂ及び外側角部２２ｂ間に伸長する位置まで移動する
ことができる。

【００８１】本実施例では、溝１６２は主部１６４及び
端部１７６の双方を有する如く例示されているが、所望
なら主部１６４または端部１７６のいずれか一方のみを
有することも可能であると考えられる。溝１６２の形状
は本実施例で例示した形状以外の形状にすることも可能
であると考えられる。

【００８２】複数のアンカー 図１乃至図６に例示した本発明の実施例では、アンカー
１０を唯一使用して人体組織内に縫糸１２を固定した。
図１３乃至図１６に例示する本発明の実施例では、複数
のアンカーを使用して縫糸を人体組織内に固定する。図
１３乃至図１６に例示する本発明の実施例は図１乃至図
６に例示した本発明の実施例と概ね同様であるから、同
様の構成部品を示すのに同様の符号を使用することとす
るが、混乱を避けるために図１３乃至図１６の符号には
接尾語「ｃ」を付す。

【００８３】本発明の本実施例の特徴によれば、一対の
アンカー１８２及び１８４（図１３）が使用されて縫糸
１２ｃを人体組織内に固定する。しかしながら、所望な
ら２つ以上のアンカーを使用することも可能である。ア
ンカー１８２及び１８４の構造は図１乃至図６のアンカ
ー１０の構造と概ね同一である。しかしながら、後続ア
ンカー１８２は先細りの先端部１８６を有している。所
望なら、アンカー１８２及び１８４の構造とアンカー１
０の構造とが異なるものであっても良い。

【００８４】後続アンカー１８２の先細り先端部１８６
は該アンカー１８２の外側角部２２ｃから側壁５８ｃの
外側面３０ｃ及びアンカー１８２の角部２２ｃに対向す
る角部まで伸長する。外側面領域３０ｃは平らな矩形形
状を有している。アンカー１８２の先細りの先端部１８
６は後端面６８ｃに対して鋭角に斜めにされた平面内に
配置される平らな先端面６６ｃを含む。先細りの先端部
１８６を有すること以外は、アンカー１８２の構造は図
１乃至図６のアンカー１０の構造と同一である。

【００８５】先導アンカー１８４の構造は図１乃至図６
のアンカー１０の構造と同一である。従って、先導アン
カー１８４は後端面６８ｃと平行な先端面６６ｃを有す
る。先導アンカー１８４の先端面６６ｃ及び後端面６８
ｃは縫糸の長手方向中心軸線に対して垂直に伸長する。

【００８６】図１乃至図６のアンカー１０と同一の形状
を有するアンカー１８２及び１８４をしようするのが好
適であるが、アンカー１８２及び１８４の形状はアンカ
ー１０の形状と異なったもので良い。例えば、アンカー
１８２及び１８４の形状は円筒状であっても、または、
本願書が一部継続出願である前記の１９９３年５月１４
日出願の米国特許出願第０８／０６２，２９６号に開示
されたその他のアンカー形状のいずれかであっても良
い。

【００８７】アンカーの中心軸線に垂直に伸長する後端
面６８ｃを備えた先導アンカー１８４を形成することが
好適であるが、先導アンカー１８４の後端部を後続アン
カー１８２の先細りの先端部１８６と同様な方法で先細
りにすることが可能である。アンカー１８４の後端部が
先細りにされる場合には、アンカー１８２の先端部をア
ンカー１８２の中心軸線と垂直に伸長するようにする
か、または、図１３で示した方法と同様な方法で先細り
にすることが可能である。

【００８８】アンカー１８２及び１８４を使用して縫糸
１２ｃを骨７２ｃまたはその他の人体組織内に固定する
場合には、人体組織中に円筒状の凹所７８ｃを形成する
ことが可能である。管状案内部材８２ｃの構造は図２乃
至図６の案内部材８２と同一であるが、所望により異な
る構造の案内部材を使用することも可能である。

【００８９】縫糸１２ｃは中央通路１８ｃを通ってアン
カー１８２及び１８４内へ挿入される。この結果２つの
アンカー１８２及び１８４に縫糸１２ｃが通されて一体
にされる。縫糸１２ｃの一部分１０４ｃ（図１３）は中
央通路１８ｃを通ってアンカー１８２内へ且つ中央通路
１８ｃを通ってアンカー１８４内へ挿入される。縫糸１
２ｃの一部１０６ｃは先導アンカー１８４の先端面６６
ｃを横断して伸長する。縫糸１２ｃの一部分１０８ｃは
２つのアンカー１８２及び１８４の外側に沿って伸長す
る。

【００９０】アンカー１８２及び１８４に縫糸１２ｃが
通されると、アンカー１８２及び１８４は管状案内部材
８２ｃ内へ位置決めされる。アンカー１８２及び１８４
の角部が案内部材８２ｃの円筒状内側面に係合する。従
って、アンカー１８２及び１８４の角部はアンカー１０
の角部２２、２４及び２６が管状案内部材８２（図３）
の内側面９２と係合するのと同じ方法で案内部材８２ｃ
の内側面９２ｃと係合する。

【００９１】アンカー１８２及び１８４が該アンカーの
角部が互いに整合し且つ該アンカー同志が互いに同軸関
係になった状態で円筒状の案内部材８２ｃ内に位置決め
される。アンカー１８２及び１８４はまた該アンカー同
志が互いに且つ案内部材と同軸関係になった状態で案内
部材８２ｃ内に位置決めされる。アンカー１８２の先細
りの先端部のナイフ刃端１９０がアンカー１８４の側壁
５８ｃに沿って該アンカー１８４の後端面６８ｃと係合
した状態に配置される。アンカー１８２の先細りの先端
部１８６のナイフ刃端１９０はのみの切断部の形状と同
様な形状を有する。ナイフ刃端１９０は側壁の対向端の
角部間で、即ち、アンカー１０の角部２４及び２６（図
３）に対応する角部間で側壁５８ｃに沿って伸長する。
従って、力は後続アンカー１８２から先導アンカー１８
４へ先導アンカー１８４の側壁５８ｃの後端面の全幅に
沿って伝達される。

【００９２】円筒状管状プッシャ部材１１２ｃが案内部
材８２ｃ内へ挿入されて後続アンカー１８２の後端面６
８ｃに力を加える。プッシャ部材１１２ｃはプッシャ部
材１１２ｃの長手方向中心軸線に垂直に伸長する平面内
に配置される平らな円形先端面１２６ｃを有する。従っ
て、図１３のプッシャ部材１１２ｃは図２及び図４のプ
ッシャ部材が有しているような先細り開口端部を有しな
い。しかしながら、所望ならプッシャ部材１１２（図２
及び図４）の先細り開口端部１１６の形状と同一の形状
を有する先細り開口端部を設けることも可能である。

【００９３】プッシャ部材１１２ｃの円形先端面１２６
ｃがアンカーの３つの角部のそれぞれで後続アンカー１
８２の後端面６８ｃに継続する。この結果後続アンカー
１８２がプッシャ部材１１２ｃにより真っすぐ下方（図
１３で見て）へ押し下げられる。プッシャ部材１１２ｃ
は後続アンカー１８２にトルクを加えない。これはプッ
シャ部材１１２ｃによりアンカー１８２の後端面６８ｃ
に加えられた力のアンカーの中心軸線の回りでのバラン
スが取れているためである。

【００９４】プッシャ部材１１２ｃは後続アンカー１８
２にトルクを加えないが後続アンカー１８２は先導アン
カー１８４にトルクを加えるのに有効である。これは力
が後続アンカー１８２から該後続アンカー１８２の先細
りの先端部１８６を介して先導アンカー１８４へ伝達さ
れるからである。後続アンカー１８２から先導アンカー
１８４へ伝達される力は後続アンカーのナイフ刃端１９
０により先導アンカーの側壁５８ｃの幅に沿って集中さ
れる。この集中された力は先導アンカー１８４の長手方
向中心軸線からオフセットされる。従って、後続あんか
ー１８２が先導アンカー１８４にトルクを加えて後続ア
ンカー１８２のナイフ刃端１９０が先導アンカー１８４
の側壁５８ｃと係合する位置を通って伸長する軸線の回
りに図１３で見て反時計回り方向へ先導アンカー１８４
を回転する。このように、後続アンカー１８２により先
導アンカー１８４に加えられたトルクは前記アンカーの
平らな外側面３０ｃに平行に伸長し且つ後続アンカーの
ナイフ刃端１９０と先導アンカーの後端面６８ｃとの直
線状の係合ラインに沿って伸長する軸線の回りに先導ア
ンカーを回転させようとする。

【００９５】先導アンカー１８４の３つの外側角部がア
ンカー１０に就いて図３に例示した方法で案内部材８２
ｃの円筒状内側面９２ｃと係合状態に配置されているこ
とから、先導アンカー１８４が後続アンカー１８２から
該先導アンカー１８４へ伝達されるトルクの影響で回転
運動をしようとするのが防止される。従って、先導アン
カー１８４は後続アンカー１８２から該先導アンカーへ
伝達される力の影響で真っすぐ下方（図１３で見て）へ
移動される。先導アンカー１８４の先端面６６ｃが縫糸
１２の部分１０６ｃに力を加えて該縫糸を下方に案内部
材８２ｃ内へ引張込む。

【００９６】アンカー１８２及び１８４がプッシャ部材
１１２ｃにより後続アンカー１８２に加えられる力の影
響で案内部材８２ｃに沿って一体となって下方（図１３
で見て）へ移動すると、先導アンカー１８４が案内部材
８２ｃの開口下方端部８６ｃを通って移動する。これが
起きると、後続アンカー１８２の先細りのナイフ刃端部
１８６により先導アンカー１８４の後端面６８ｃに加え
られた集中力により先導アンカーが図１４の矢印１４０
ｃで示したように反時計回りの方向に回転させられる。
この結果、後続アンカー１８２のナイフ刃端１９０が先
導アンカー１８４の側壁５８ｃの後端に配置される先導
アンカー１８４の後端面６８ｃの一部分と係合する位置
を通って伸長する軸線の回りに先導アンカー１８４が回
転することになる。

【００９７】後続アンカー１８２により先導アンカー１
８４に加えられるトルクの影響で先導アンカー１８４が
回転させられている間に後続アンカーは管状案内部材８
２ｃに沿って真っすぐ下方（図１４で見て）へ移動し続
ける。先導アンカー１８４が図１４の矢印１４０ｃで示
したように反時計回り方向に回転すると、先導アンカー
の先端６６ｃが右方向へ移動して比較的軟質の網状骨組
織７６ｃ内へ入る。アンカー１８４の外側角部２２ｃが
先導する。先導アンカー１８４の外側角部２２ｃが楔形
の形状をしているので先導アンカー１８４の網状骨組織
内への移動が容易になる。

【００９８】これが起きると、縫糸１２が該縫糸の２つ
の部分１０６ｃ及び１０８ｃを引っ張ることでぴんと張
られる。これにより縫糸の部分１０６ｃが引っ張られて
先導アンカー１８４の先端面６６ｃに当接する。縫糸１
２ｃにより先導アンカー１８４の先端面６６ｃに加えら
れる力により先導アンカーを上方且つ後続アンカー１８
２の先細りの先端部１８６に向けて左（図１４で見て）
方向に付勢される。先導アンカーの後端面６８ｃが後続
アンカー１８２の先端面６６ｃに係合するまで先導アン
カー１８４が反時計回り方向（図１４で見て）に回転し
続ける。

【００９９】先導アンカー１８４の後端面６８ｃが後続
アンカー１８２の先端面６６ｃに係合した後でプッシャ
部材１１２ｃが案内部材８２ｃから後続アンカー１８２
の後端面６８ｃを押し出す。これが起きると、後続アン
カー１８２の外側角部が案内部材８２ｃの円筒状内側面
９２ｃとの係合から離脱する。縫糸１２ｃから先導アン
カー１８４を介して後続アンカー１８２に伝達される力
により後続アンカーが回転して図１５に示した位置に向
かって左方向へ移動する。

【０１００】これが起きている間は、先導アンカー１８
４が縫糸１２ｃにより先導アンカーに加えられる力の影
響で回転し続ける。縫糸１２ｃがぴんと張られると、２
つのアンカー１８２及び１８４が図１５に示した位置を
介して図１６に示した位置まで一体に回転される。アン
カー１８２及び１８４が図１６に示した位置に到達する
と、該アンカーの外側角部２２ｃが案内部材８２ｃの下
方端面８６に係合して軟質網状骨組織内へ埋設される。

【０１０１】縫糸１２ｃをぴんと張ることで２つのアン
カー１８２及び１８４に加えられる力で後続アンカー１
８２の先細りの先端部１８６の先端面６６ｃが先導アン
カー１８４の後端面６８ｃに堅固に押圧される。この
時、アンカー１８２及び１８４の平らな外側大側面が軟
質網状骨組織を押圧し、且つ、アンカー１８２及び１８
４の外側角部が軟質網状骨組織に係合して図１乃至図６
に例示した本発明の実施例に関連して先に説明したのと
同じ方法でアンカー１８２及び１８４を安定させる。従
って、アンカー１８２及び１８４が互いに安定した当接
係合状態に配置され且つ保持されて骨組織７２ｃに対す
る移動が防止される。

【０１０２】アンカー１８２及び１８４が図１６に示し
たように人体組織７２ｃ内に装着されると、案内部材８
２ｃ及びプッシャ部材１１２ｃが人体組織から後退させ
られる。この時、アンカー１８２及び１８４の長手方向
中心軸線が互いに斜めにされると共に人体組織７２ｃの
外側面に向かって反対方向に上方（図１６で見て）に傾
斜する。縫糸１２ｃをぴんと張ると後続アンカー１８２
の先端面６６ｃが先導アンカー１８４の後端面６８ｃに
しっかりと押圧される。２つのアンカー１８２及び１８
４が一体に楔で固定された如くなると共に人体組織７２
ｃ内の開口部を架橋して人体組織７２ｃからアンカー１
８２及び１８４と縫糸１２ｃとを引き抜くのに強く抵抗
する。

【０１０３】アンカー１８２及び１８４が人体組織７２
ｃの外側面に向かって上方（図１６で見て）且つ互いに
離間するように傾斜することから縫糸１２ｃを引っ張る
ことでアンカーが人体組織内で更にしっかりと楔で固定
された如くなる。縫糸１２ｃを引っ張ることでアンカー
１８２及び１８４の内側面に加えられる力は後続アンカ
ー１８２の後端部及び先導アンカー１８４の先端部を人
体組織内へ更に埋設させようとする。縫糸１２ｃを引っ
張ることで２つのアンカー１８２及び１８４が該２つの
アンカーが人体組織７２ｃ内へ挿入される時に通る開口
部の横断方向の中心に配置される。

【０１０４】図１３乃至図１６に例示した本発明の実施
例では、アンカー１８２及び１８４の双方の構造は図１
のアンカー１０と同一の略多角形構造である。しかしな
がら、所望であるなら、アンカー１８２及び１８４が異
なる構造を有することが可能であると考えられる。従っ
て、アンカー１８２及び／またはアンカー１８４の構造
が円筒状構造となることも可能である。

【０１０５】複数のアンカー−案内及びプッシャ部材 図１３乃至図１６に例示した本発明の実施例では、アン
カー１８２及び１８４は案内部材８２ｃに対して任意の
向きに配置される。アンカーが凹所７８内へ移動する前
にアンカー１８２及び１８４の人体組織７２ｃに対する
向きを決定しておくことが望まれる場合も考えられる。
図１７に例示した本発明の実施例では、案内部材がアン
カーが軸線方向に案内部材を通って移動する時に該アン
カー部材を案内部材に対して選択した向きに保持するよ
うな構造にされる。更に、プッシャ部材がアンカーの選
択された部分に対して集中力を加えるような構造にされ
る。図１７に例示した本発明の実施例は図１３乃至図１
６に例示した本発明の実施例と概ね同様であり且つ案内
部材及びプッシャ部材が図７乃至図１０に例示した本発
明の実施例と概ね同様な方法で構成されることから、同
様な符号を同様な構成部品を示すのに使用するが、混乱
を避けるために図１７の符号には接尾語「ｄ」を付す。

【０１０６】図１７に例示した本発明の実施例では、管
状案内部材８２ｄが円筒状内側面９２ｄを備えた円筒状
外側面８８ｄを有する。更に、案内部材８２ｄは該案内
部材内でアンカー１８２ｄ及び１８４ｄの向きを決定す
る位置決めリブ１４２ｄを有する。該位置決めリブ１４
２は案内部材の全長に亙って該案内部材８２ｄの内側面
９２ｄに沿って伸長する。

【０１０７】位置決めリブ１４２ｄは平らな内向位置決
め面１４４ｄを有する。該平らな内向位置決め面１４４
ｄは案内部材８２ｄの円筒状内側面９２ｄに対して弦を
形成する平面内に配置される。位置決め面１４４ｄの軸
線方向長さは案内部材８２ｄの軸線方向長さと同一であ
る。

【０１０８】位置決め面１４４ｄは後続アンカー１８２
ｄの平らな外側面３０ｄ及び先導アンカー１８４ｄの平
らな外側面領域３０ｄと係合する。これにより位置決め
面１４４ｄが案内部材８２ｄに対してアンカー１８２ｄ
及び１８４ｄを所定の向きに位置決めするのが可能とな
る。従って、アンカー１８２ｄ及び１８４ｄの角部２２
ｄは位置決め面１４４ｄから直径方向に横断した位置に
配置される。位置決め面１４４ｄはアンカー１８２ｄ及
び１８４ｄの平らな外側面領域３０ｄに係合して案内部
材８２ｄの長手方向中心軸線に対してアンカーを所定の
向きに保持する。

【０１０９】プッシャ部材１１２ｄは案内部材８２ｄと
協働して後続アンカーの角部で後続アンカー１８２ｄに
力を加える。プッシャ部材１１２ｄはプッシャ部材の全
長に亙って伸長し且つ位置決めリブ１４２ｄを収容する
半径方向に伸長するスロット１５０ｄを有した円筒状管
状部材である。プッシャ部材１１２ｄが案内部材８２ｄ
と協働する方法は図７乃至図１０に例示した本発明の実
施例に関連して先に説明したものと同一である。しかし
ながら、プッシャ部材１１２ｄはプッシャ部材１１２ａ
の先細り先端部１１６ａ（図８）に対応する先細り先端
部を有しない。所望なら、先細り先端部をプッシャ部材
１１２ｄに設けることも可能である。

【０１１０】プッシャ部材１１２ｄは後続アンカー１８
２及び先導アンカー１８４と、案内部材８２ｄと協働し
て図１３乃至図１６に例示した本発明の実施例に関連し
て先に説明したものと同一の方法でアンカー１８２ｄ及
び１８４ｄを位置決めする。位置決めリブ１４２ｄを使
用することにより、外科医は人体組織に対するアンカー
１８２ｄ及び１８４ｄの所望の向きに対応する向きに案
内部材８２ｄを人体組織７２ｄに対して位置決めするこ
とで人体組織７２ｃ内でのアンカーの向きを決定でき
る。

【０１１１】複数のアンカー−案内部材−第３の実施例 図１７に例示した本発明の実施例では、案内部材８２ｄ
に位置決めリブ１４２ｄを設けて人体組織７２ｄに対し
てアンカー１８２ｄ及び１８４ｄを位置決めする。図１
８に例示する本発明の実施例では、人体組織に対してア
ンカーを位置決めする案内部材に複数の長手方向に伸長
する溝が設けられる。図１８に例示した本発明の実施例
は図１３乃至図１７に例示した本発明の実施例と概ね同
様であることから、同様の符号を同様の構成部品を示す
のに使用するが、混乱を避けるために、図１８に関係し
た符号には接尾語「ｅ」をに付す。

【０１１２】案内部材８２ｅは円筒状の内側面９２ｅを
有する。本発明の本実施例の特徴によれば、案内部材８
２ｅは３つの隔置され且つ平行な長手方向に伸長する位
置決め溝２０２、２０４及び２０６（図１８）を備え
る。これらの位置決め溝２０２、２０４及び２０６は案
内部材８２ｅの全長に亙って軸線方向に伸長すると共に
案内部材８２ｅの円筒状内側面９２ｅの回りに等弧状距
離に隔置される。従って、位置決め溝２０２、２０４及
び２０６は約１２０°に隔置されている。

【０１１３】アンカー１８２ｅの角部２２ｅ、２４ｅ及
び２６ｅは図１８に例示した方法で案内溝２０２、２０
４及び２０６に係合する。図１８には後続アンカー１８
２ｅの角部２２ｅ、２４ｅ及び２６ｅのみを図示した
が、図１３の先導アンカー１８４に対応する先導アンカ
ーが後続アンカーの角部が係合したと同一の方法で案内
溝２０２、２０４及び２０６に係合する角部を有するこ
とを理解する必要がある。

【０１１４】図１８にはプッシャ部材を図示しなかった
が、図８及び図９のプッシャ部材１１２と同様な円筒状
プッシャ部材を使用してアンカー１８２ｅ（図１８）の
後端面６８ｅに力を加えることが考えられる。

【０１１５】複数のアンカー−第２の実施例 図１３乃至図１６に例示した本発明の実施例では、アン
カー１８２及び１８４が互いに別個に形成された。これ
では外科医はアンカーを適切に整合させ且つ図１３に例
示した方法で該アンカーに縫糸１２ｃを通さねばならな
い。図１９及び図２０に例示の本発明の実施例では、コ
ネクタ部が２つのアンカーを相互連結するために設けら
れる。コネクタ部はアンカーを互いに適切な向きに保持
して、２つのアンカーに糸を通すのを容易にする。図１
９及び図２０に例示した本発明の実施例は図１３乃至ず
１６に例示した本発明の実施例と同様であることから、
同様の符号を使用して同様の構成部品を表すこととする
が、混乱を避けるために図１９及び図２０に関係した符
号には接尾語「ｆ」を付す。

【０１１６】アンカー１８２ｆ（図１９）は図１３乃至
図１６のアンカー１８２と同一の構造を有する。アンカ
ー１８４ｆは図１３乃至図１６のアンカー１８４と同一
の構造を有する。本発明の本実施例の特徴によれば、ア
ンカー１８２ｆ及び１８４ｆは該２つのアンカー１８２
ｆ及び１８４ｆ間に伸長するコネクタ２２０により相互
に連結される。コネクタ２２０の長さはアンカー１８２
ｆ及び１８４ｆの側壁５８ｆの幅と同一である。

【０１１７】アンカー１８２ｆ及び１８４ｆは共通の平
面に配置された平らな外側面領域３０ｆを備えた側壁５
８ｆを有する。加えて、アンカー１８２ｆ及び１８４ｆ
は互いに軸線方向に整合した外側角部２２ｆを有する。
アンカー１８２ｆ及び１８４ｆの側壁５８ｆの外側面領
域３０ｆはコネクタ２２０により互いに整合した状態に
維持される。更に、コネクタ２２０はアンカー１８２ｆ
及び１８４ｆの外側角部２４ｆを整合した状態に維持す
る。

【０１１８】２つのアンカー１８２ｆ及び１８４ｆはコ
ネクタ２２０により相互に連結されていることから、後
続アンカー１８２ｆの先細りの先端部１８６ｆが常に先
導アンカー１８４ｆの後端面６８ｆに向いている。従っ
て、アンカー１８２ｆ及び１８４ｆに縫糸１２ｆ（図２
０）を通すときには、アンカーは常に互いに適切な向き
にされている。

【０１１９】アンカー１８２ｆ及び１８４ｆがアンカー
１８２及び１８４に就いて図１３に例示した方法で人体
組織内へ装着される時には、コネクタ２２０が変形して
先導アンカー１８４ｆが後続アンカー１８２に対して図
１９に示した向きから図２０に示した向きまで移動する
のを可能にする。従って、アンカー１８２ｆ及び１８４
ｆが図２０に例示した方法で互いに対してそれぞれの装
着位置まで移動さると、コネクタ２２０が曲げられて、
アンカー１８２ｆの先端面６６ｆ及びアンカー１８４ｆ
の後端面６８ｆと係合した状態に配置される。

【０１２０】コネクタ２２０はアンカー１８２ｆの側壁
５８ｆの外側面３０ｆの先端部及びアンカー１８４ｆの
側壁５８ｆの外側面３０ｆの後端部に沿って伸長するウ
ェブである。コネクタ２２０を形成する比較的薄いウェ
ブは２つのアンカー１８２及び１８４ｆと一体に形成さ
れる。従って、２つのアンカー１８２ｆ及び１８４ｆは
正三角柱の形状をした一体物として形成される。アンカ
ー１８２ｆの先端面６６ｆ及びアンカー１８４ｆの後端
面６８ｆは一体の角柱に切欠きを形成することで形成さ
れる。該切欠きは側壁５８ｆを完全に貫通して伸長して
おらず、薄いウェブのコネクタ２２０が２つのアンカー
１８２ｆ及び１８４ｆを連結したままとなる。

【０１２１】２つのアンカー１８２ｆ及び１８４ｆを薄
いウェブまたはコネクタ２２０を該２つのアンカー間に
備えた一片の材料から形成するのが好適であるが、アン
カー１８２ｆ及び１８４ｆを２つの別個の材料で形成し
て、別体のコネクタ２２０で相互連結することが可能で
あると考えられる。この場合には、コネクタ２２０はア
ンカー１８２ｆ及び１８４ｆの材料と異なる材料で形成
することが可能である。例えば、コネクタ２２０を適当
なポリマー材料で形成して、アンカー１８２ｆの先端面
６６ｆ及びアンカー１８４ｆの後端面６８ｆに接着する
ことが可能である。この場合には、アンカー１８２ｆ及
び１８４ｆが装着される間及び図２０に示した向きにア
ンカーが移動される間にコネクタ２２０が変形するので
ポリマー材料が破断または破壊する可能性がある。

【０１２２】コネクタ２２０をアンカー１８２ｆの側壁
５８ｆの平らな外側面３０ｆの先端及び先導アンカー１
８４ｆの側壁５８ｆの平らな外側面３０ｆの後端に沿っ
た隔置された位置に配置された複数の比較的薄い要素で
形成することが可能であると考えられる。これらの薄い
隔置されたコネクタ部をアンカー１８２ｆ及び１８４ｆ
と一体に形成することが可能であり、あるいは、アンカ
ー間に伸長する接着剤のスポットまたは小塊等の適当な
コネクタ材料で形成して、該アンカーを連結するのに使
用することが可能である。

【０１２３】結論 上記の説明を鑑みると、本発明は新たに改良された人体
組織内に縫糸１２を固定する方法及び装置を提供するこ
とは明らかである。改良された縫糸アンカー１０は外側
角部２２、２４及び２６により相互連結された複数の平
らな側面領域２８、３０及び３２により形成される外側
１４を備えた多角形横断面形状を有する。アンカー１０
は複数の内側角部４０、４２及び４４により相互連結さ
れた複数の平らな内側面領域４８、５０及び５２により
形成される通路１８を有する。縫糸１２は内側角部４
０、４２または４４の１つと係合自在となってアンカー
１０の外側角部２２、２４または２４の１つを付勢して
人体組織７２に係合させる。溝１６２をアンカーの端部
及び／又は該アンカーの外側に設けて縫糸を収容するよ
うにすることも可能である。

【０１２４】アンカー１０の形状または異なる形状をし
た複数のアンカー１８２及び１８４を使用して縫糸を固
定することも可能である。複数のアンカーを使用する場
合には、縫糸１２がアンカーの各々に挿入されて、アン
カーが順次人体組織内へ移動される。先導アンカー１８
４が人体組織内へ移動されると、縫糸１２がぴんと張ら
れて、先導アンカーの角部２２を移動して人体組織に係
合させる。コネクタ２２０を各アンカー間に設けること
も可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の特徴の１つに従って構成されたアンカ
ーと縫糸との間の関係を表した部分絵画図である。

【図２】本発明の別の特徴による方法であって、図１の
アンカーが人体組織内へ移動される方法を示した部分断
面図である。

【図３】アンカーと管状部材と縫糸との関係を図示した
図２の概略線３−３に沿った拡大断面図である。

【図４】力がプッシャ部材によりアンカーの後端部に集
中されて、アンカーの人体組織に対する回転を促進する
様子を図示した図２の線４−４に沿った部分断面図であ
る。

【図５】縫糸がぴんと張られてアンカーの角部を押圧し
て人体に係合させる様子を図示した図４と同様な部分断
面図である。

【図６】アンカーの角部と、人体組織と、管状案内部材
との関係を更に図示した概略図５の線６−６に沿った部
分断面図である。

【図７】図１のアンカーと、管状案内部材に対して該ア
ンカーを所望の向きに位置決めする位置決め面を有する
管状案内部材の実施例との関係を図示した部分絵画略図
である。

【図８】図７の管状案内部材と共に使用するプッシャ部
材の構造を図示した部分横断面図である。

【図９】プッシャ部材の構造を更に図示した概略図８の
線９−９に沿った端面図である。

【図１０】アンカーが管状案内部材から出て人体組織内
へ入る時の図７の管状案内部材に対するアンカーの関係
を図示した横断面概略図である。

【図１１】縫糸を収容する溝を有する図１のアンカーの
実施例の側面図である。

【図１２】溝の構造及び該溝に対する縫糸の関係を更に
図示した概略図１１の線１２−１２に沿った端面図であ
る。

【図１３】縫糸が複数のアンカーを貫通して伸長し且つ
該複数のアンカーが管状部材を通って人体組織内へ入る
様を図示した概略図２と同様な部分断面図である。

【図１４】複数のアンカーの中の先導アンカーが管状案
内部材から出る時に該先導アンカーが後続アンカーに対
して回転する様を図示した概略図１３と同様な部分断面
図である。

【図１５】後続アンカーが管状案内部材から出る様を図
示した概略図１４と同様な部分断面図である。

【図１６】縫糸がぴんと張られることにより先導アンカ
ーと後続アンカーが人体組織に付勢されて係合する様を
図示した概略図１５と同様な部分断面図である。

【図１７】複数のアンカーが図７の管状案内部材と同一
の構造を有する管状案内部材と協働する様を図示した概
略図１３と同様な部分断面図である。

【図１８】アンカーが管状案内部材の長手方向に伸長す
る溝に係合する様を図示した概略図３と同様な拡大断面
図である。

【図１９】コネクタ部分により相互連結される一対のア
ンカーの関係を図示した拡大断面図である。

【図２０】縫糸がぴんと張ることによりコネクタ部分が
アンカーを付勢して図６に図示したのと同様な方法で人
体組織に係合させる様子を図示した概略図である。

フロントページの続き (71)出願人 595134010 1303 Ｗｅｓｔ ＥｖｅｒｇｒｅｅｎＰｌ ａｚａ， Ｅｆｆｉｎｇｈａｍ， Ｉｌｌ ｉｎｏｉｓ 62401， Ｕｎｉｔｅｄ Ｓ ｔａｔｅｓ ｏｆ Ａｍｅｒｉｃａ

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 長手方向中心軸線を有するアンカーであ
   って、多角形横断面形状を有し且つ該アンカーの前記長
   手方向中心軸線に沿って伸長する管状壁を含み、該管状
   壁が複数の長手方向に伸長する外側角部により相互連結
   される複数の平らな外側面領域を有し、該長手方向に伸
   長する外側角部及び該平らな外側面領域が人体組織と係
   合自在となり、前記外側面領域及び外側角部が前記アン
   カーの前記長手方向中心軸線と平行な長手方向中心軸線
   を有し、前記管状壁が複数の長手方向に伸長する内側角
   部により相互連結される複数の平らな内側面領域を有
   し、該長手方向に伸長する内側角部及び該平らな内側面
   領域が前記アンカーの前記長手方向中心軸線と平行な長
   手方向中心軸線を有し、前記長手方向に伸長する内側角
   部及び前記平らな内側面領域が協働して少なくとも前記
   アンカーを長手方向に伸長して貫通する通路を画定し、
   前記管状壁が前記アンカーの第１の長手方向端に配置さ
   れた第１端面を有し、前記管状壁が前記アンカーの第２
   の長手方向端に配置された第２端面を有するアンカー
   と、 人体組織内へ伸長し、前記アンカーを貫通し且つ人体組
   織外へ戻る縫糸であって、該縫糸が前記管状壁内の前記
   通路内に配置された第１部分を有し、前記縫糸が前記ア
   ンカーの前記第１の長手方向端において前記管状壁の前
   記第１端面に沿って伸長し且つ人体組織から伸長する第
   ２部分を有し、前記縫糸が前記アンカーの前記第２の長
   手方向端において前記管状壁の前記第２端面に沿って伸
   長し且つ前記人体組織から戻って伸長する第３部分を有
   し、前記管状壁が前記縫糸の前記第１部分の回りに伸長
   し、前記縫糸の前記第１部分が前記管状壁の前記内側角
   部の１つと係合自在となって、前記アンカーの前記外側
   角部の少なくとも１つを付勢して人体組織に係合させる
   縫糸とを備えることを特徴とする少なくとも部分的に人
   体組織内に収容される装置。
2. 【請求項２】 外側角部により相互連結される平らな外
   側面領域を有する少なくとも１つのアンカーであって、
   該１つのアンカーの前記平らな外側面領域及び前記角部
   が該アンカーの軸線方向に対向する第１及び第２端部間
   で該アンカーに沿って軸線方向に伸長し、前記１つのア
   ンカーが内側角部により相互連結され前記第１及び第２
   端部間で前記アンカーを軸線方向に伸長して貫通する内
   側面領域を有する内側を備えた通路を有する少なくとも
   １つのアンカーを提供する段階と、 前記アンカーの前記第１及び第２端部間に伸長する前記
   通路を通して縫糸を挿入する段階と、 前記１つのアンカーの前記第１端部を先頭にし且つ縫糸
   が前記１つのアンカー内の前記通路を通り且つ前記１つ
   のアンカーの外側に沿って伸長するようにした状態で前
   記１つのアンカーを移動する段階と、 前記縫糸を移動して、前記１つのアンカーの前記内側角
   部と係合させる段階と、 前記縫糸をぴんと張り且つ該縫糸から前記１つのアンカ
   ーの前記内側角部に力を伝達して、前記１つのアンカー
   の前記外側角部及び平らな外側面領域を押圧して、人体
   組織に係合させる段階とから成ることを特徴とする縫糸
   を固定する方法。
3. 【請求項３】 第１及び第２のアンカーであって、各々
   が該アンカーの第１及び第２端部間に該アンカーに沿っ
   て軸線方向に伸長する外側と、前記アンカーの前記第１
   及び第２端部間で前記アンカーを通って伸長する通路と
   を有した第１及び第２のアンカーを用意する段階と、 縫糸を前記第１及び第２アンカーを伸長貫通する通路を
   通して挿入する段階と、 前記第１アンカーの前記第１端面を先導させ、前記第１
   アンカーの前記第２端面を後続させ、前記第２アンカー
   の前記第１端部を先頭にし且つ前記第１アンカーの前記
   第２端部近傍に配置し、且つ、前記第２のアンカーの前
   記第２端部を後端にした状態で前記第１及び第２アンカ
   ーを人体組織内の開口部を通して移動する段階であっ
   て、該第１及び第２アンカーを前記人体組織内の開口部
   を通して移動する段階が縫糸が前記第１及び第２アンカ
   ーの前記通路を通り且つ前記第１及び第２アンカーの外
   側に沿って伸長する状態で行われる第１及び第２アンカ
   ーを前記人体組織内の開口部を通して移動する段階と、 前記縫糸をぴんと張り且つ該縫糸から前記第１及び第２
   アンカーへ力を伝達することで前記第１及び第２アンカ
   ーの外側を付勢して人体組織に係合させる段階であっ
   て、縫糸をピンと張る段階が前記縫糸から前記第１アン
   カーの前記第１端部及び前記第２アンカーの前記第２端
   部へ伝達される力の影響で前記第１アンカーの前記第２
   端部と前記第１アンカーの前記第２端部を一体に押圧す
   ることを含んだ第１及び第２アンカーの外側を押圧して
   人体組織に係合させる段階とから成ることを特徴とする
   縫糸を固定する方法。
4. 【請求項４】軸線方向に伸長する中央通路を有する第１
   及び第２アンカーを用意する段階、前記第１及び第２ア
   ンカーの前記中央通路を通して縫糸を挿入する段階、前
   記縫糸が前記第１及び第２アンカーの前記中央通路通っ
   て伸長する状態で前記第１及び第２アンカーを人体組織
   内へ挿入する段階を含み、該第１及び第２アンカーを人
   体組織内へ挿入する段階は、前記第１アンカーを人体組
   織中に維持したままで、前記第１アンカーの向きを前記
   第２アンカーに対して変更することを特徴とする縫糸を
   固定する方法。
5. 【請求項５】 中央通路を有する第１アンカー部分と、
   中央通路を有する第２のアンカー部分と、該第１及び第
   ２アンカー部分を相互連結するコネクタとを備えたアン
   カー装置を用意する段階と、 縫糸を前記第１及び第２アンカー部分の前記中央通路を
   通して挿入する段階と、 前記縫糸が前記第１及び第２アンカー部分の前記中央通
   路を通って伸長した状態で、前記第１及び第２アンカー
   部分を人体組織内へ移動する段階であって、該第１及び
   第２アンカー部分を人体組織内へ移動する段階が前記第
   ２アンカー部分から前記コネクタを介して前記第１のア
   ンカー部分へ力を伝達して前記第１及び第２アンカー部
   分を一体に第１の方向へ移動することを含んだ第１及び
   第２アンカー部分を人体組織内へ移動する段階と、 前記第２アンカー部分を前記第１の方向へ移動し続けな
   がら、前記第１の方向を横断する第２の方向へ前記第１
   アンカー部分を移動することで人体組織内の第１アンカ
   ー部分で前記コネクタを変形する段階とから成ることを
   特徴とする縫糸を固定する方法。
6. 【請求項６】 少なくとも部分的に人体組織内に収容さ
   れる装置であって、 第１管状アンカー部分、該第１管状アンカー部分から隔
   置された第２管状アンカー部分、及び前記第１及び第２
   管状アンカー部分間に伸長するコネクタ部分とを含む長
   手方向に伸長するアンカーと、前記第１及び第２アンカ
   ー部分を通って人体組織内へ伸長し、そして人体組織か
   ら戻って伸長する縫糸と、を備え、 縫糸は、少なくとも人体組織内の前記第１アンカー部分
   と共に緊張可能となって、前記コネクタ部分を変形し且
   つ前記第１アンカー部分を前記第２アンカー部分に対し
   て前記第１アンカー部分の中心軸線が前記第２アンカー
   部分の中心軸線と平行になる第１の位置から前記第１ア
   ンカー部分の中心軸線が前記第２アンカー部分の中心軸
   線を横断する第２の位置へ移動することを特徴とする少
   なくとも部分的に人体組織内に収容される装置。