JPH08173427A - 超音波診断装置 - Google Patents
超音波診断装置Info
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Abstract
て得た受信信号に基づいて被検体内の情報を表示する超
音波診断装置に関し、A/D変換のビット長を大きくす
ることなく、被検体内の動きの情報を高精度に抽出す
る。 【構成】受信信号から、その受信信号に対応する走査線
もしくはその走査線とは異なる走査線に対応する受信信
号に基づいて作成された減算信号を減算することにより
差分信号を得、この差分信号を適宜増幅してA/D変換
する。
Description
音波を受信して得た受信信号に基づいて被検体内の情報
を表示する超音波診断装置に関する。
し、人体内の組織で反射して戻ってきた超音波を受信し
て受信信号を得、この受信信号に基づく人体内の超音波
画像を表示することにより人体の内蔵等の疾患の診断を
容易ならしめる超音波診断装置が知られており、この超
音波診断装置の一態様として、もしくはBモード像(断
層像)表示を行なう超音波診断装置のオプションとし
て、体内を流れる血液中の血球等で反射して戻ってきた
超音波を受信して血流の速度、分散、パワー等の血流情
報を得る超音波ドプラ診断装置が用いられている。
構成図である。超音波診断装置の一般的構成については
既に広く知られているため、ここでは本発明に関連す
る、被検体内の動き、特に血流を表わす情報を抽出する
構成(超音波ドプラ診断装置)に絞って説明する。図3
にブロックで示す超音波探触子1には、複数の超音波振
動子(図示せず)が配列されており、それらの各超音波
振動子に向けて、送受信回路2から、各所定のタイミン
グでパルス信号が送信され、これにより超音波探触子1
から被検体(図示せず)内に超音波パルスビームが送信
される。ここでは例えばセクタ走査がなされ、各走査線
方向に例えば8回ずつ超音波パルスビームが送信され
る。被検体内に送信された超音波パルスビームは、被検
体内を流れる血球やその他の組織で反射され、超音波探
触子1内の複数の超音波探触子で受信される。各超音波
探触子で受信された受信信号は送受信回路2に入力され
て、所定の走査線に沿う情報を担持した受信信号が得ら
れるように遅延加算される。この遅延加算後の受信信号
は直交検波回路3に入力され、超音波の中心周波数を参
照周波数とする正弦信号、余弦信号を参照信号として直
交検波される。直交検波後の受信信号は、A/D変換回
路4に入力されてディジタル信号に変換された後、MT
I(Moving Target Indicatio
n)フィルタ5に入力される。このMTIフィルタ5
は、レーダにおけるMTIフィルタと同様のものであ
り、通常は、パルス信号の繰り返し周期に相当する遅延
時間をもつ遅延回路と積和器とで構成される、低周波信
号を遮断するディジタルハイパスフィルタであって、超
音波診断装置の分野において広く用いられているもので
ある。このMTIフィルタ5では、入力された信号の低
周波成分、即ち、被検体内の比較的低速度の組織の動き
の情報がカットされ、比較的高速度の血流の情報(血流
情報)を担持する信号が抽出される。
は、流速演算回路6に入力されて血流速度が求められ
る。この血流速度を表わす情報はスキャンコンバータ7
に入力されて表示用の信号に変換され、CRT8の表示
画面上に、例えば図示しないBモード像生成回路により
生成されたBモード像に重畳されて、例えばカラーで表
示される。
上述のように組織で反射した超音波を受信して得た成分
(以下、「クラッタ情報」と称する)と血球で反射した
超音波を受信して得た成分(血流情報)が含まれてお
り、通常、クラッタ情報は血流情報と比べはるかに大き
なパワー(例えば強度比が20dB〜50dB程度)を
有している。したがって、A/D変換回路4が例えば1
0ビットのディジタル信号を生成するものである場合、
血流情報はその10ビットのうち2〜3ビット程度で表
わされていることになる。このA/D変換回路4から出
力されたディジタル信号はMTIフィルタ5に入力され
てクラッタ情報がカットされ、結局2〜3ビット程度で
表わされる血流情報が抽出される。このため、血流情報
の分解能が悪く、したがって流速演算回路6で求められ
る血流速度の精度が極めて悪いという問題がある。この
精度が悪いと、特に受信信号レベルの小さい末梢血管な
どにおいて、実際には血流が存在するにも拘らず血流と
して抽出されず、CRT8にその血流が表示されない場
合が生じることになる。
4におけるビット長を大きくすることが考えられるが、
そうするとA/D変換回路4の規模やその後段のMTI
フィルタ5、流速演算回路6等の規模が大きくなり、大
幅なコストアップが避けられないという問題がある。本
発明は、上記事情に鑑み、A/D変換のビット長を大き
くすることなく、被検体内の動きの情報を高精度に抽出
することのできる超音波診断装置を提供することを目的
とする。
明の超音波診断装置は、 (1)被検体内に延びる複数の走査線それぞれについ
て、走査線上の各点で反射した超音波を受信して該走査
線に対応する受信信号を得る超音波受信手段 (2)所定の減算信号を作成する減算信号作成手段 (3)上記受信信号と上記減算信号との差分を演算する
ことにより差分信号を生成する差分信号生成手段 (4)該差分信号をA/D変換することによりディジタ
ル差分信号を得るA/D変換手段 (5)該ディジタル差分信号に基づいて被検体内の動き
を表わす情報を算出する動き情報算出手段 (6)該情報に基づく画像を表示する表示手段 を備えたことを特徴とする。
の受信信号と減算信号との差分を演算するものであるこ
とが好ましい。また上記差分信号生成手段は、所定の走
査線に対応する受信信号との差分を演算するための減算
信号を、その所定の走査線に対応する受信信号に基づい
て作成するものであってもよく、あるいは上記差分信号
生成手段は、所定の走査線に対応する受信信号との差分
を演算するための減算信号を、その所定の走査線とは異
なる走査線に対応する受信信号に基づいて作成するもの
であってもよい。
線に対応する受信信号との差分を演算するための各減算
信号を、各走査線毎に、複数回の超音波受信により得ら
れる複数の受信信号に基づいて作成するものであっても
よく、あるいは、上記差分信号生成手段は、各走査線に
対応する受信信号との差分を演算するための各減算信号
を、各走査線毎に、1回の超音波受信により得られる1
つの受信信号に基づいて作成するものであってもよい。
に、例えばMTIフィルタにより低周波信号成分をカッ
トすることにより行われる。受信信号から所定の減算信
号を引き算して差分信号を求めると、その差分信号は、
いわば、受信信号の直流成分がカットされた信号であ
る。この直流成分は、MTIフィルタ等によりクラッタ
情報をカットする際にカットされてしまう成分であり、
この差分信号に基づいて演算を行なっても何ら差し支え
ない。また、この直流成分にはクラッタ情報の大部分が
集まっており、したがって差分信号には、直流成分をカ
ットする前の受信信号と比べ血流情報が凝集されており
クラッタ情報に対する血流情報の強度比が格段に高く、
したがってこの差分信号をA/D変換に適切な信号レベ
ルにまで増幅してA/D変換を行なうことにより血流情
報分解能が高まり、血流速度等の血流情報を高精度に求
めることができる。
の受信信号とそれに対応する減算信号との差分を演算す
るものであってもよいが、検波後の受信信号の方が演算
に向いており、したがって検波後の受信信号とそれに対
応する減算信号との差分を演算する差分信号生成手段を
備えることにより、差分信号生成手段の構成が簡単にな
る。
査線に対応する受信信号との差分を演算するための減算
信号を、その所定の走査線に対応する受信信号に基づい
て作成するものである場合、直流成分がより正確にカッ
トされた差分信号を生成することができる。ただしこの
場合、減算信号を得るために少なくとも1回余計に超音
波送受信を行なう必要があり、フレームレートの低下に
つながる恐れがある。
査線に対応する受信信号との差分を演算するための減算
信号を、その走査線とは異なる走査線、例えば典型的に
は、その走査線に隣接する走査線に対応する受信信号に
基づいて作成するものである場合、フレームレートの低
下は避けられるが、直流成分が多少残存する可能性があ
る。ただし直流成分が多少残っても、その後クラッタ成
分を除去する過程で残存する直流成分がカットされるた
め、A/D変換の分解能に影響しなければ直流成分が残
存すること自体は問題とはならない。
を演算するための各減算信号を作成するにあたっては、
各走査線毎に、複数回の超音波受信により得られる複数
の受信信号に基づいて作成してもよく、あるいは、1回
の超音波受信により得られる1つの受信信号に基づいて
作成してもよい。各減算信号を複数の受信信号に基づい
て作成すると、ノイズ等が低減された減算信号を作成す
ることができ好ましいが、所定の走査線に対応する受信
信号との差分を演算するための減算信号を、その所定の
走査線の受信信号に基づいて作成する場合、その減算信
号を複数の受信信号に基づいて作成するとその分フレー
ムレートの低下を招くこととなる。したがっていくつの
受信信号に基づいて減算信号を作成するかは、フレーム
レートや必要な精度を考慮して選択される。
1は、本発明の超音波診断装置の第1実施例の部分ブロ
ック図である。この図1において、前述した従来の超音
波診断装置(図3参照)の各構成要素に対応する構成要
素は、図示を省略し、あるいは図3に付した符号と同一
の符号を付して示し、相違点のみについて説明する。
線について超音波送受信を8回行ない、次に隣接する走
査線に移ってその走査線について超音波送受信を8回行
なうというシーケンスが繰り返される。直交検波回路3
から出力された直交検波後の受信信号は、一回目信号検
出回路11と減算器15に入力される。一回目信号検出
回路11では、同一の走査線について行なった、例えば
8回の超音波送受信のうちの一回目の超音波送受信によ
り得られた受信信号(以下これを「一回目受信信号」と
称する)であるか2回目以降の超音波送受信により得ら
れた受信信号であるかが識別され、一回目の場合、その
一回目受信信号がA/D変換器12に向けて出力され
る。このA/D変換器12は、本発明にいうA/D変換
手段とは異なり、一回目信号検出回路11、および後述
するメモリ13,D/A変換器14とともに、本発明に
いう減算信号作成手段の一例を成すものである。A/D
変換器12から出力されたディジタルの一回目受信信号
は、メモリ13に格納される。このディジタルの一回目
受信信号は、本発明にいう減算信号の一例に対応する。
信により得られた受信信号が直交検波回路3で検波され
て減算器15に入力されるタイミングで、これと同期し
て、同一走査線上の同一深さの受信信号と減算信号が同
時に減算器15に入力されるようにタイミング調整され
て、メモリ13からディジタルの1回目受信信号、すな
わち減算信号が読み出されD/A変換器14によりアナ
ログの減算信号に変換されて減算器15に入力される。
この減算器15は、本発明にいう差分信号生成手段に相
当するものであり、この減算器15では、同一走査線上
の同一深さの点の受信信号から減算信号が減算されて差
分信号が求められる。この差分信号は、必要に応じて適
宜増幅された後A/D変換器4に入力され、ディジタル
の差分信号に変換される。このディジタルの差分信号
は、図3に示すように、MTIフィルタ5に入力されて
クラッタ成分の除去が行なわれ、流速演算回路6により
血流速度が求められ、スキャンコンバータ7により表示
用の信号に変換され、CRT8に、血流速度が、例えば
カラーで表示される。尚、本実施例では、A/D変換器
4が、本発明にいうA/D変換手段に相当する。
施例の部分ブロック図である。この図においても、図1
の場合と同様、前述した従来の超音波診断装置(図3参
照)の各構成要素に対応する構成要素は、図示を省略
し、あるいは図3に付した符号と同一の符号を付して示
し、相違点のみについて説明する。直交検波回路3から
出力された直交検波後の受信信号は、A/D変換器21
と減算器15に入力される。A/D変換器21では入力
された受信信号がディジタルの受信信号に変換され、そ
のディジタルの受信信号はメモリ22に格納される。こ
のようにして、ある1本の走査線に沿う8回の超音波送
受信が終了し、次に隣接する走査線に沿う超音波送受信
に移った状態を考える。このとき、メモリ22には、隣
接する走査線に沿う超音波送受信に移る前の、直前に超
音波送受信を行なったときに得た8つのディジタルの受
信信号が格納されている。
する受信信号が検波されて出力されると、その受信信号
は、上述と同様に、A/D変換器21に入力されるとと
もに減算器15に入力される。これと同期して、メモリ
22からは既に入力されている一本前の走査線に対応す
る8つのディジタル受信信号が読み出されてその走査線
の各深さ毎に平均値が求められ、これにより、それら8
つのディジタル受信信号の平均値からなる減算信号が作
成される。さらに、この作成された減算信号はD/A変
換器24によりアナログの減算信号に変換されて減算器
15に入力される。この減算器15では、同一深さの点
の受信信号から減算信号が減算されて差分信号が求めら
れる。この差分信号は、上述のように、ある走査線に対
応する受信信号から、一本前の走査線に対応する8つの
受信信号の平均値を減算した信号である。この差分信号
は、必要に応じて適宜増幅された後、A/D変換器4に
入力されディジタルの差分信号に変換される。このディ
ジタルの差分信号は、図3に示すように、MTIフィル
タ5に入力されてクラッタ成分の除去が行なわれ、流速
演算回路6により血流速度が求められ、スキャンコンバ
ータ7により表示用の信号に変換され、CRT8に血流
速度が表示される。
1,メモリ22,平均値演算回路23,およびD/A変
換器24の組合せが、本発明にいう減算信号作成手段の
一例であると観念される。尚、同一の走査線に対応する
受信信号を減算信号として用いる第1実施例の場合は1
つの受信信号のみに基づいて減算信号が作成され、隣接
する走査線に対応する受信信号を減算信号として用いて
第2実施例の場合は複数の受信信号に基づいて減算信号
が作成されたが、同一の走査線に対応する受信信号を減
算信号として用いる場合であっても複数の受信信号に基
づいて減算信号を作成してもよく、隣接する、あるいは
異なる走査線に対応する受信信号を減算信号として用い
る場合であっても、1つの受信信号のみに基づいて減算
信号を作成してもよい。
断装置は、受信信号と減算信号との差分を演算すること
により差分信号を得、この差分信号をA/D変換するも
のであるため、被検体内の動きの情報の分解能が高ま
り、その動きの情報を高精度に求めることができる。
ロック図である。
ロック図である。
る。
Claims (6)
- 【請求項1】 被検体内に延びる複数の走査線それぞれ
について、走査線上の各点で反射した超音波を受信して
該走査線に対応する受信信号を得る超音波受信手段と、
所定の減算信号を作成する減算信号作成手段と、前記受
信信号と前記減算信号との差分を演算することにより差
分信号を生成する差分信号生成手段と、該差分信号をA
/D変換することによりディジタル差分信号を得るA/
D変換手段と、該ディジタル差分信号に基づいて被検体
内の動きを表わす情報を算出する動き情報算出手段と、
該情報に基づく画像を表示する表示手段とを備えたこと
を特徴とする超音波診断装置。 - 【請求項2】 前記差分信号生成手段が、検波後の前記
受信信号と前記減算信号との差分を演算するものである
ことを特徴とする請求項1記載の超音波診断装置。 - 【請求項3】 前記差分信号生成手段が、所定の走査線
に対応する受信信号との差分を演算するための減算信号
を、該所定の走査線に対応する受信信号に基づいて作成
するものであることを特徴とする請求項1又は2記載の
超音波診断装置。 - 【請求項4】 前記差分信号生成手段が、所定の走査線
に対応する受信信号との差分を演算するための減算信号
を、該所定の走査線とは異なる走査線に対応する受信信
号に基づいて作成するものであることを特徴とする請求
項1又は2記載の超音波診断装置。 - 【請求項5】 前記差分信号生成手段が、各走査線に対
応する受信信号との差分を演算するための各減算信号
を、各走査線毎に、複数回の超音波受信により得られる
複数の受信信号に基づいて作成するものであることを特
徴とする請求項1から4のうちいずれか1項記載の超音
波診断装置。 - 【請求項6】 前記差分信号生成手段が、各走査線に対
応する受信信号との差分を演算するための各減算信号
を、各走査線毎に、1回の超音波受信により得られる1
つの受信信号に基づいて作成するものであることを特徴
とする請求項1から4のうちいずれか1項記載の超音波
診断装置。
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1995
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