JPH08171052A - 単レンズ及びそれを用いた光ヘッド - Google Patents

単レンズ及びそれを用いた光ヘッド

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JPH08171052A
JPH08171052A JP31378994A JP31378994A JPH08171052A JP H08171052 A JPH08171052 A JP H08171052A JP 31378994 A JP31378994 A JP 31378994A JP 31378994 A JP31378994 A JP 31378994A JP H08171052 A JPH08171052 A JP H08171052A
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lens
equation
optical axis
single lens
ring
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JP31378994A
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English (en)
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Michihiro Yamagata
道弘 山形
Yasuhiro Tanaka
康弘 田中
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 光学式情報記録再生装置の光が器ヘッドに用
いられる単レンズの軸上色収差を除去する。 【構成】 単レンズの少なくとも1つの面上に回折効果
を生じる段差を同心円状に配した輪帯を形成し、面の形
状を 【数1】 により与えられる形状とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光情報記録再生装置等
に用いられる対物レンズに関し、特に軸上色収差を除去
した単レンズに関する。
【0002】
【従来の技術】光学式情報記録再生装置における光学系
では、対物レンズにより光源からの光束を情報記録媒体
上に集光する。対物レンズは、アクチュエータにより、
情報記録媒体に対してトラッキング及びフォーカシング
制御される。従って、対物レンズは小型・軽量であるこ
とが望ましく、一般に、両面非球面の単レンズが多く用
いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】光学式情報記録再生装
置の光源として用いられている半導体レーザは、温度及
び出力の変化に伴い波長が変動する。対物レンズに色収
差が残っている場合、光源の波長が変動すると、フォー
カス位置も変動する。温度変化の場合ような波長変動が
緩やかな場合には、フォーカシング制御によりフォーカ
ス位置の変化に追従することが可能である。しかし、例
えば記録時と再生時とで光源の出力を変化させる場合、
光源の波長変動が急激であり、フォーカシング制御によ
ってもフォーカス位置の変化に追従することができず、
正確な情報の記録・再生ができないという問題点を有し
ている。
【0004】対物レンズの色収差を除去する手段とし
て、分散値のことなる硝材を用いた正レンズと負レンズ
を接合させた接合色消しレンズを用いる方法が広く知ら
れているが、光ディスク用の対物レンズは上述のように
単レンズであることが望ましいため、必ずしも最適な方
法ではない。また、単レンズのままで軸上色収差を除去
する手法として、例えば特開平6−242373号公報
に示されているように、対物レンズのいずれかの表面に
回折効果を生ずるような段差又は透過率の変化を設け、
回折レンズを対物レンズの少なくとも一方の表面上に形
成する方法が提案されている。しかしながら、上記の公
報に開示されている手段は、各輪帯毎に非球面係数を決
定するため、設計が煩雑であるという問題点を有してい
た。
【0005】本発明は、以上のような問題点を解決する
ためになされたものであり、製作が容易で、且つ良好に
軸上色収差を補正した単レンズ及びそれを用いた光ヘッ
ドを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の単レンズは、少なくとも1つの面上に、位
相差を生じる段差を同心円状に配した輪帯が形成され、
前記輪帯が形成された面の形状が(数1)により与えら
れる形状である。
【0007】上記構成において、光軸から数えて第z番
目の輪帯が、光軸からh(z−1)からh(z)の間の
高さにあって、光軸から数えてz+1番目の輪帯との間
の段差の大きさをd(z)として、前記(数2)、(数
3)及び(数4)により与えられるr(z)及びs
(z)を用いて構成されていることが好ましい。
【0008】また、本発明の別の単レンズは、少なくと
も一つの面上に、位相差を生じる段差を同心円状に配し
た輪帯が形成され、前記輪帯の段差の大きさ(面の光軸
方向におけるシフト量)が光軸から離れるにしたがい大
きくなり、前記(数5)を満足する。
【0009】また、本発明のさらに別の単レンズは、少
なくとも一つの面上に、位相差を生じる段差を同心円状
に配した輪帯が形成され、前記輪帯の段差の大きさ(面
の光軸方向におけるシフト量)が光軸から離れるにした
がい大きくなり、前記(数6)を満足する。
【0010】また、本発明のさらに別の単レンズは、少
なくとも1つの面上に、位相差を生じる段差を同心円状
に配した輪帯が形成され、前記輪帯の段差が、全ての輪
帯においてほぼ同一の大きさであり、前記(数7)を満
足する。
【0011】上記各構成において、前記輪帯が形成され
た面の形状が前記(数1)により与えられる形状である
ことが好ましい。また、上記各構成において、光軸から
数えて第z番目の輪帯が、光軸からh(z−1)からh
(z)の間の高さにあって、光軸から数えてz+1番目
の輪帯との間の段差の大きさd(z)が前記(数2)、
(数3)及び(数4)により与えられるr(z)及びs
(z)を用いて構成されていることが好ましい。
【0012】また、本発明の光ヘッドは、光源と、光源
からの光束を略平行光束にするコリメート手段と、略平
行光束を情報記録媒体上に集光する集光手段と、情報記
録媒体からの透過或いは反射光を検出する検出手段を有
する光情報記録再生装置において、前記集光手段とし
て、上記各構成のうちのいずれかを有する単レンズを対
物レンズとして用いる。
【0013】
【作用】回折効果によるレンズの設計手法として、非常
に高屈折率の仮想の硝材を用いる方法が知られている
(例えば、スウェット著、「デスクライビングホログラ
フィックオプティカルエレメンツアズレンジーズ」、ジ
ャーナルオブオプティカルソサエティーオブアメリカ、
67巻6号、1977年 William C.Sweatt,"Describi
ng holographic optical elements as lenses",J.Opt.S
oc.Am,Vol.67,No6(1977))。まず、レンズの屈折による
パワーと、レンズ表面の回折効果によるパワーにより軸
上色収差を補正できるように、各レンズのパワー配分を
決定する。次に、通常の硝材のレンズと仮想の高屈折率
硝材のレンズとの接合レンズを設計する。このとき、仮
想の高屈折率硝材を用いたレンズの肉厚を非常に薄く設
計する。これで、レンズの表面に回折効果のレンズを設
けたレンズの設計ができたことになる。
【0014】次に、具体的なレンズの面形状を決定する
作業を行う。段差を設けるべき位置は、仮想の高屈折率
硝材を通る光線の光路長が波長のちょうど整数倍になる
位置としてもとまる。次に、先に求めた位置で段差がで
きるように元のレンズの非球面形状のサグ量(レンズ面
上の点からレンズの光軸における接平面までの距離)に
回折レンズ用のサグ量を加える。このとき、回折レンズ
用のサグ量も理想的には高次多項式で表される2次曲線
にて与えられる。しかしながら、その2次曲線を求める
のは設計作業において容易ではなく、さらに、各輪帯毎
に与えられる定数の数が多くなるため、加工機の記憶容
量に制約がある場合などには用いることができないなど
の欠点がある。尚、本明細書中での段差とは、面の光軸
方向への移動量をさすものとする。実際の加工時には段
差の頂点部は面取り加工を施すため、例えば図1に示す
実線のような形状となるが、ここでいう段差は面を面取
り加工を行なわなかったものとして延長した(図1中の
破線)面の間にある光軸に平行な線分の長さ(図1中で
A−A’)を意味するものとする。
【0015】ここで、本発明の単レンズでは輪帯の形状
を記述する式として、上記(数1)を用いていることを
特徴としている。(数1)は大きく2つの部分からでき
ており、第1の項と第2の項が回転対称非球面の定義式
であって、第3項及び第4項が輪帯の段差を表す項であ
る。ここで、第3項及び第4項は光軸上に中心がある半
径r(z)の円弧の一部を用いた分だけサグ量を増減す
ることを意味する。この(数1)で形状を表した場合、
回折レンズ用のサグ量を高次多項式で表した場合に比べ
ると若干収差が増えるが、実質上問題にならない程度に
抑えることが可能である。また、各輪帯に固有の定数が
少ないため、比較的容易に定数を決定することができ
る。
【0016】さらに、段差を与えるべき光軸からの高さ
と段差の大きさがわかっている場合、上記(数2)、
(数3)及び(数4)を用いれば(数1)にとって最適
なr(z)、s(z)を計算することができる。また、
上記(数5)又は(数6)は回折レンズの輪帯の最適な
範囲を与える。回折レンズを設計する場合、輪帯間の段
差は光路長が波長の整数倍になるように与える。硝材の
屈折率をN、光の波長をλとするとき位相差が整数倍に
なるような段差の大きさtはMを任意の定数として、
【数8】 (数8)で表すことができる。平面上に回折レンズを形
成する場合には上式の段差を用いてもほぼ問題がない
が、球面や非球面などのような曲面上に回折レンズを形
成する場合には、光軸から離れるにしたがい屈折による
光線の偏角が大きくなるため、上式よりも深く作らねば
ならない。光線の偏角を考慮して位相差が波長の整数倍
になる深さを厳密に求めるのは困難であるが、近似的に
【数9】 (数9)により求めることができる。レンズ設計におい
て、屈折光線の方向ベクトルや、非球面の法線方向など
は比較的容易に求めることができるため、それらを用い
て近似的に段差を求めることができると設計時に有効で
ある。また、段差の大きさは(数9)による値から5%
以内の誤差であれば問題ない。より望ましくは、3%以
内がよい。
【0017】なお、上記(数5)及び(数6)は、それ
ぞれ回折レンズの輪帯の深さが、(数9)で与えられる
深さから5%及び3%以内に入るための条件式である。
つまり、(数5)の下限を越えると段差で生じる位相差
が少なくなりすぎ、上限を越えると段差で生じる位相差
が大きくなりすぎ、いずれの場合も収差が発生して望ま
しくない。また、(数6)で与えられる範囲内に製造で
きれば段差の誤差が非常に小さくなり、望ましい。
【0018】また、加工機の制約から段差の深さを各輪
帯ごとに変えることが困難な場合もある。その場合に
は、(数8)で各輪帯の最適段差を求めた後に、その中
心付近の値で全ての段差の大きさを決定してもかまわな
い。このようにした場合には、光軸近傍では位相差が大
きすぎ、光軸から離れるにしたがい位相差が小さくなっ
ていき、最外周付近の輪帯では位相差が小さすぎる。こ
のため、理想的な場合に比べて収差が多くなるが、段差
を(数9)で与える場合に比べ、加工機の制約が大幅に
軽減される。
【0019】
【実施例】
(第1の実施例)本発明の単レンズの好適な第1の実施
例を説明する。(表1)は、仮想の高屈折率硝材を用い
て設計した第1の仮想レンズの設計データである。第1
の仮想レンズの開口数(NA)は0.55、焦点距離は
3.0mmである。
【0020】
【表1】 (表1)において、第2面が仮想の高屈折率硝材を用い
た面であり、第3面及び第4面が屈折レンズであり、第
5面及び第6面がディスクの保護樹脂である。第2面、
第3面及び第4面は、次の(数10)で表される非球面
である。
【数10】
【0021】各面での非球面係数をそれぞれ以下に示
す。
【0022】
【数11】
【0023】
【数12】
【0024】
【数13】
【0025】上記のレンズデータの光路長差(以下、O
PDと略称する)のグラフを図2に示す。このOPDの
グラフは、軸上光線に対して光路長が長い場合を負に、
短い場合を正に取ってある。次の(表2)は、第1の実
施例の単レンズにおける、位相差を生じる段差を有する
面の形状に関する表である。第1の実施例の単レンズ
は、(表1)に示した仮想の高屈折率硝材を用いて設計
した第1の仮想レンズを元に(数2)、(数3)及び
(数4)を用いてr(z)、s(z)を計算したもので
ある。
【0026】
【表2】
【0027】図3は第1の実施例の単レンズの光路図で
ある。図3において、1は単レンズ、2は情報記録媒体
の保護樹脂、3は回折レンズを形成した面である。図4
は、回折レンズを形成した面の段差をわかりやすくする
ため、光軸方向に誇張して拡大した図面の一部である。
第1の実施例の単レンズのOPDを図5に示す。図5か
ら、輪帯ごとに光路が長くなるため、OPDが階段状に
なっていることがわかる。図5を元に、1輪帯ごとに1
波長づつ光路を短く補正して描いたOPDを図6に示
す。また、図7は図2と図6とを重ねて描いた図であ
る。図7中、実線は第1の実施例の単レンズのOPDで
あり、破線は第1の実施例の元となった第1の仮想レン
ズのOPDである。図6から、第1の実施例の単レンズ
が満足な性能を有していることがわかる。また、図7か
ら、第1の実施例の単レンズのOPDと、その元となっ
た第1の仮想レンズのOPDとの誤差が充分小さいこと
がわかる。従って、本手法により面形状を決定した、レ
ンズ面上に回折レンズを形成した第1の実施例の単レン
ズが、仮想の高屈折率硝材を用いて設計した第1の仮想
レンズとほぼ同等の光学性能を有することがわかる。
【0028】(第2の実施例)次に、本発明の単レンズ
の好適な第2の実施例を説明する。(表3)は、仮想の
高屈折率硝材を用いて設計した第2の仮想レンズの設計
データを示す。第2の仮想レンズの開口数(NA)は
0.55、焦点距離は3.0mm、設計波長は780n
mである。
【0029】
【表3】
【0030】(表3)において、第2面が仮想の高屈折
率硝材を用いた面であり、第3面及び第4面が屈折レン
ズ、第5面及び第6面が情報記録媒体の保護樹脂であ
る。ここで、第2面、第3面、第4面は(数1)で表さ
れる非球面であり、各面のその非球面データを以下に示
す。また、第2の仮想レンズのOPDを図8に示す。
【0031】
【数14】
【0032】
【数15】
【0033】
【数16】
【0034】次の(表4)は第2の実施例の単レンズに
おける、位相差を生じる段差を有する面の形状に関する
表であり、段差の位置及び大きさとそれらを元に計算し
た(数1)のr(z)及びs(z)に関する。第2の実
施例の単レンズは、(表3)に示した仮想の高屈折率硝
材を用いた第2の仮想レンズの設計データを元に構成し
たものである。
【0035】
【表4】
【0036】第2の実施例の単レンズのOPDを図9に
示す。図9を元に、各輪帯毎に1波長づつ光路長差を、
少なくなるように補正したOPDが図10である。図1
1は図8と図10を重ねて描いた図である。図10か
ら、第2の実施例の単レンズが満足な性能を有している
ことがわかる。また、図11から、第2の実施例の単レ
ンズのOPDと、その元となった第2の仮想レンズのO
PDの誤差が充分小さいことがわかる。従って、本手法
により面形状を決定した、レンズ面上に回折レンズを形
成した第2の実施例の単レンズが、仮想の高屈折率硝材
を用いて設計した第2の仮想レンズとほぼ同等の光学性
能を有することがわかる。
【0037】(第3の実施例)次に、本発明の単レンズ
の好適な第3の実施例を説明する。(表5)は、本発明
の第3の実施例の単レンズにおける、位相差を生じる段
差を有する面の形状に関する表であり、段差の位置及び
大きさとそれらを元に計算した(数1)のr(z)及び
s(z)に関する。第3の実施例の単レンズは、(表
1)に示す仮想の高屈折率硝材を用いて設計した第1の
仮想レンズのレンズデータを用いたものであり、段差の
大きさを一定値としたものである。
【0038】
【表5】
【0039】第3の実施例の単レンズのOPDを図12
に示す。図12を元に、各輪帯毎に1波長づつ光路長差
を、少なくなるように補正したOPDが図13である。
図13から、光軸付近の輪帯では最適な段差よりも深め
になっているため、位相差が大きすぎ、第7番目から第
9番目辺りの輪帯では最適な深さとなり、最外周付近で
は逆に最適な段差よりも浅めであることから、位相差が
小さすぎることが分かる。しかし、全体的には使用可能
な収差性能である。
【0040】(第4の実施例)次に、本発明の単レンズ
の好適な第4の実施例を説明する。(表6)は本発明の
第4の実施例における位相差を生じる段差を有する面の
形状に関する表であり、段差の位置及び大きさとそれら
を元に(数5)を用いて計算した、(数1)のr(z)
及びs(z)に関する。第4の実施例は、(表3)に示
した仮想の高屈折率硝材を用いて設計した第2の仮想レ
ンズのレンズデータを用いたものであり、段差の大きさ
を一定値としたものである。
【0041】
【表6】
【0042】第4の実施例の単レンズのOPDを図14
に示す。図14を元に、各輪帯毎に1波長づつ光路長差
を、少なくなるように補正したOPDが図15である。
図15から、光軸付近の輪帯では最適な段差よりも深め
になっているため、位相差が大きすぎ、第7番目から第
9番目辺りの輪帯では最適な深さとなり、最外周付近で
は逆に最適な段差よりも浅めであることから、位相差が
小さすぎることが分かる。しかし、全体的には使用可能
な収差性能である。
【0043】(第5の実施例)次に、上記本発明の単レ
ンズを用いた、光ヘッドの好適な実施例(第5の実施
例)を説明する。図16は第5の実施例の光ヘッドの概
略構成図である。第5の実施例の光ヘッドは、対物レン
ズとして第1の実施例に示した単レンズを用いている。
半導体レーザ4からの発散光束5は、コリメートレンズ
6により平行光となった後、ビームスプリッタ7を透過
し、本発明の対物レンズ8により情報記録媒体9の記録
面上に集光される。情報記録媒体9からの反射光束は、
本発明の対物レンズ8により平行光となった後、ビーム
スプリッタ7により反射され、検出光学系のレンズ系1
0により、受光素子11に結像される。情報の記録時と
再生時に半導体レーザ4の出力を変動させると、発振波
長も変動するが、本発明の光ヘッドでは、対物レンズ8
として第1の実施例に示したレンズを用いているため、
軸上色収差が除去されている。そのため、作動距離12
の変動はコリメートレンズ6などの色収差分のみであ
り、変動量は微少である。従って、本発明の光ヘッド
は、記録と再生動作を安定して行うことができる。
【0044】
【発明の効果】以上のように、本発明の単レンズによれ
ば、輪帯の形状を記述する式として、上記(数1)を用
いているので、実質上問題にならない程度に収差を抑え
ることができ、且つ各輪帯に固有の定数が少ないため、
比較的容易に定数を決定することができる。さらに、段
差を与えるべき光軸からの高さと段差の大きさがわかっ
ている場合、上記(数2)、(数3)及び(数4)を用
いることにより、(数1)にとって最適なr(z)、s
(z)を計算することができる。
【0045】また、前記(数6)で近似することによ
り、平面上に回折レンズを形成する場合に、実用状問題
のない単レンズを簡単な式により得ることができる。ま
たは、前記(数7)で近似することにより、光軸から離
れるにしたがい屈折による光線の偏角が大きくなる球面
や非球面などのような曲面上に回折レンズを形成する場
合に、光線の偏角を考慮した単レンズを得ることができ
る。また、上記(数5)又は(数6)の条件を満たすこ
とにより、段差の大きさが(数9)による値から誤差が
5%以内となり、回折レンズの輪帯の最適な範囲が得ら
れる。
【0046】また、加工機の制約から段差の深さを各輪
帯ごとに変えることが困難な場合もある。その場合に
は、(数8)で各輪帯の最適段差を求めた後に、その中
心付近の値で全ての段差の大きさを決定してもかまわな
い。このようにした場合には、光軸近傍では位相差が大
きすぎ、光軸から離れるにしたがい位相差が小さくなっ
ていき、最外周付近の輪帯では位相差が小さすぎる。こ
のため、理想的な場合に比べて収差が多くなるが、段差
を(数9)で与える場合に比べて大幅に改善される。
【0047】従って、本発明によれば、色収差を補正で
きるような位相差を生じる段差を有する単レンズを比較
的容易に設計及び製造できる。また、本発明の単レンズ
を対物レンズとして用いることにより、軸上色収差が除
去されているため、記録と再生の切り替え時でも安定し
て動作する光ヘッドを構成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の単レンズにおける段差を説明するため
の図
【図2】第1の実施例における仮想の高屈折率硝材を用
いて設計した第1の仮想レンズのOPDを示す図
【図3】第1の実施例の単レンズの光路図
【図4】第1の実施例の単レンズにおける回折レンズを
有する面の拡大図
【図5】第1の実施例の単レンズのOPD
【図6】第1の実施例の単レンズの補正OPD
【図7】第1の仮想レンズと第1の実施例の単レンズの
OPDを重ね書きした図
【図8】第2の実施例における仮想の高屈折率硝材を用
いて設計した第2の仮想レンズのOPD
【図9】第2の実施例の単レンズのOPD
【図10】第2の実施例の単レンズの補正OPD
【図11】第2の仮想レンズと第2の実施例の単レンズ
のOPDを重ね書きした図
【図12】第3の実施例の単レンズのOPD
【図13】第3の実施例の単レンズの補正OPD
【図14】第4の実施例の単レンズのOPD
【図15】第4の実施例の単レンズの補正OPD
【図16】第5の実施例の光ヘッドの光路図
【符号の説明】
1 :単レンズ 2 :情報記録媒体の保護樹脂 3 :回折レンズを形成したレンズ面 4 :半導体レーザ 5 :光源からの発散光束 6 :コリメートレンズ 7 :ビームスプリッタ 8 :対物レンズ 9 :情報記録媒体の保護樹脂 10:検出レンズ系 11:受光素子 12:作動距離

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1つの面上に、位相差を生じ
    る段差を同心円状に配した輪帯が形成された単レンズで
    あって、前記輪帯が形成された面の形状が(数1)によ
    り与えられる形状である単レンズ。 【数1】
  2. 【請求項2】 光軸から数えて第z番目の輪帯が、光軸
    からh(z−1)からh(z)の間の高さにあって、光
    軸から数えてz+1番目の輪帯との間の段差の大きさを
    d(z)として、 【数2】 【数3】 ただし、 【数4】 上記(数2)、(数3)及び(数4)により与えられる
    r(z)及びs(z)を用いて構成されている請求項1
    記載の単レンズ。
  3. 【請求項3】 少なくとも一つの面上に、位相差を生じ
    る段差を同心円状に配した輪帯が形成された単レンズで
    あって、前記輪帯の段差の大きさ(面の光軸方向におけ
    るシフト量)が光軸から離れるにしたがい大きくなり、
    (数5)を満足する単レンズ。 【数5】
  4. 【請求項4】 少なくとも一つの面上に、位相差を生じ
    る段差を同心円状に配した輪帯が形成された単レンズで
    あって、前記輪帯の段差の大きさ(面の光軸方向におけ
    るシフト量)が光軸から離れるにしたがい大きくなり、
    (数6)を満足する単レンズ。 【数6】
  5. 【請求項5】 少なくとも1つの面上に、位相差を生じ
    る段差を同心円状に配した輪帯が形成された単レンズで
    あって、前記輪帯の段差が、全ての輪帯においてほぼ同
    一の大きさであり、(数7)を満足する単レンズ。 【数7】
  6. 【請求項6】 前記輪帯が形成された面の形状が前記
    (数1)により与えられる形状である請求項3から5の
    いずれかに記載の単レンズ。
  7. 【請求項7】 光軸から数えて第z番目の輪帯が、光軸
    からh(z−1)からh(z)の間の高さにあって、光
    軸から数えてz+1番目の輪帯との間の段差の大きさd
    (z)が前記(数2)、(数3)及び(数4)により与
    えられるr(z)及びs(z)を用いて構成されている
    請求項3から6のいずれかに記載の単レンズ。
  8. 【請求項8】 光源と、光源からの光束を略平行光束に
    するコリメート手段と、略平行光束を情報記録媒体上に
    集光する集光手段と、情報記録媒体からの透過或いは反
    射光を検出する検出手段を有する光ヘッドであって、前
    記集光手段として、請求項1から9のいずれかに記載の
    単レンズを対物レンズとして用いた光ヘッド。
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