JPH08170208A - 袋 帯 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 斜め織りの織機を用いることなく、伸び過
ぎ、保形性、縫い糸の傷み、意匠面での緒問題が一挙に
解決されている袋帯を提供すること。 【構成】 筒状長尺織物地を螺旋状にカットして長尺状
表地１を形成し、この斜め織り状の表地の側縁部2aと平
織り状の裏地３の側縁部3aを重合させて縫合した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は袋帯に関する。

【０００２】

【従来の技術】例えば、出願人が開発した袋帯（実公平
3-39452 号公報参照、以下開発品と称する）がある。こ
の袋帯の構成は、長尺状織物地を螺旋状に折り返して略
筒状に形成し、その縁部同士を互いに当接させて縫合し
ているものである。そして、次の効果を有している。斜
め織りの織機を用いること無く、バイヤス効果のある袋
帯を得られるので、非常に安価である。しかも、長尺状
に織った織物地を螺旋状に折り返すことにより傾斜して
向かい合う該織物地の縁部同士を互いに当接させた状態
で縫合するので、螺旋状に連続するこの縫合部位は平板
状となり、該部位においてもバイヤス効果が中断するこ
となく発揮される。従って、袋帯全体で滑らかに変形す
るので伸縮性に優れ、体に適合し易い。また、螺旋状に
折り返す時にねじれ角を変更することによって、幅や長
さを変更することができ、便利である。ところで、前記
したものは、袋帯全体が伸縮性を有している構成のもの
であるため、引っ張り力に対応して伸び過ぎる問題と、
伸び易いことにより型崩れ即ち保形性の問題がある。ま
た、帯の表側には縫合縁部が顕在しているために、帯締
め時に擦り合うことによって縫い糸が傷み易く、意匠的
にも好ましくない。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】解決しようとする課題
は、前記した開発品の利点を有しながら、尚且、伸び過
ぎ、保形性、縫い糸の傷み、意匠面での緒問題を一挙に
解決することができる袋帯を提供するにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】前記の課題を達成するた
め、筒状長尺織物地を螺旋状にカットして長尺状表地を
形成し、この斜め織り状の表地側縁部と平織り状の裏地
側縁部を重合させて縫合してなることを特徴とする。

【０００５】

【作用】手段筒状長尺織物地を螺旋状にカットして長尺
状表地を形成し、この斜め織り状の表地側縁部と平織り
状の裏地側縁部を重合させて縫合してあるため、バイア
ス効果を発揮する表地とバイアス効果が乏しくて保形性
を発揮する裏地とが相互に補い合って働く。

【０００６】

【実施例】図１および図２には本発明の袋帯の一実施例
を例示しており、袋帯１は、筒状長尺織物地を螺旋状に
カットして形成した斜め織り状の長尺状表地２と平織り
状の裏地３を、その表地２の側縁部2aと裏地３の側縁部
3aを重合させて縫い糸４で縫合してある。また、表地２
裏面には予め平織り状の中芯５を添着してある。

【０００７】表地２は、公知の平織りの筒状長尺織物地
を約45度角の螺旋状にカットして形成した斜め織り状の
もので、経糸2bと緯糸2cは表地長手方向（胴回り方向）
に対してそれぞれ45度の傾斜角を有しており、この経糸
2bと緯糸2cで形成される織目2dが、長手方向の引っ張り
力を受けて四角形から菱形状に変形することによって、
長手方向に伸縮性を有するようにしてある。この表地２
における経糸2bと緯糸2cの傾斜角は、筒状長尺織物地Ａ
のカット角度ａに対応し、図面上では45度にカットして
複数枚の表地２を得ている。（図３参照）

【０００８】裏地３は、長手方向に沿う経糸3bと、長手
方向と直角に交わる方向に沿う緯糸3cからなる平織り状
のものである。そして、中芯５は表面にたたみいわし等
の糊材をコーティングしていて、表地２裏面に熱押圧し
て一体的に添着してある。

【０００９】これにより、袋帯１は、バイアス効果を発
揮する表地２とバイアス効果が乏しくて保形性を発揮す
る裏地３とが相互に補い合って調整して働くため、適度
の伸縮性と保形性を併せ持ち、体に適合し易く且つ美し
い装帯状態が得られる。さらに、表地２と裏地３はその
側縁部2a,3a を重合させて縫合してあるため、縫い糸４
が表に露出せず、帯締め時に縫い糸が傷まず、意匠的に
も好ましい。しかも、表地２裏面には予め平織り状の中
芯５を添着して一体化してあるため、表地２の伸縮度合
いを直接調整でき、適度の伸縮性と保形性の面で一層優
れている。

【００１０】また、図示していないが、筒状長尺織物地
Ａのカット角度ａを45度以上あるいは以下にして、袋帯
１における表地２の経糸2bと緯糸2cの傾斜角が異なる態
様にすることも任意であり、この場合、経糸2bと緯糸2c
の伸縮度が違う袋帯１を得ることができる。

【００１１】

【発明の効果】Ａ．請求項１により、袋帯は、バイアス
効果を発揮する表地とバイアス効果が乏しくて保形性を
発揮する裏地とが相互に補い合って調整して働くため、
適度の伸縮性と保形性を併せ持ち、体に適合し易く且つ
美しい装帯状態が得られる。さらに、表地と裏地はその
側縁部を重合させて縫合してあるため、縫い糸が表に露
出せず、帯締め時に縫い糸が傷まず、意匠的にも好まし
い。

【００１２】Ｂ．同項により、斜め織りの織機を用いる
こと無く、バイヤス効果が適度に調整された袋帯を得ら
れるので、非常に安価である。また、筒状長尺織物地を
螺旋状にカットする際におけるカット角度を変更するこ
とによって、幅や長さを変更することができ、便利であ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の袋帯の一実施例を例示した正面図で
一部切欠してある。

【図２】 図１の(2)-(2) 横断面図。

【図３】 筒状長尺織物地の縮小正面図。

【符号の説明】

１ 袋帯 ２ 袋帯の表地 2a 表地の側縁部 2b 表地の経糸 2c 表地の緯糸 2d 表地の織目 ３ 袋帯の裏地 3a 裏地の側縁
部 3b 裏地の経糸 3c 裏地の緯糸 ４ 縫い糸 ５ 袋帯の中芯 Ａ 筒状長尺織物地 ａ 筒状長尺織
物地のカット角度

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 筒状長尺織物地を螺旋状にカットして長
   尺状表地を形成し、この斜め織り状の表地側縁部と平織
   り状の裏地側縁部を重合させて縫合してなる袋帯。