JPH08170055A - 表面保護フィルム - Google Patents

表面保護フィルム

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Publication number
JPH08170055A
JPH08170055A JP6316530A JP31653094A JPH08170055A JP H08170055 A JPH08170055 A JP H08170055A JP 6316530 A JP6316530 A JP 6316530A JP 31653094 A JP31653094 A JP 31653094A JP H08170055 A JPH08170055 A JP H08170055A
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JP
Japan
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sensitive adhesive
adhesive layer
thin layer
pressure
film
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Application number
JP6316530A
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English (en)
Inventor
Tadashi Kono
忠 甲野
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ステンレススチールや表面処理アルミニウム
等の金属板や合成樹脂板の表面保護フィルムとして、紫
外線による粘着剤の劣化を防止した耐候性に優れた表面
保護フィルムを提供する。 【構成】 波長250〜400nmの光線透過率が0.
005〜5%である基材フィルムの一面に、紫外線吸収
剤を10〜2000ppm及び/又は分子量が500〜
5000である酸化防止剤を100〜3000ppm添
加された薄層が設けられ、反対面にアクリル系粘着剤層
が設けられている多層構成体が、上記薄層にアクリル系
粘着剤層が直接接するようにロール状に捲取られ、又は
シート状に積層されていることを特徴とする表面保護フ
ィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、ステンレススチールや表面処理
されたアルミニウム板等の金属板や合成樹脂板等の被保
護物の表面に貼り付けて、その表面を保護するために用
いる、光、特に紫外線による被保護物の汚染や接着力の
変化の少ない表面保護フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、合成樹脂板や金属板等の被保
護物の輸送時や保管時に、表面が汚れたり、傷付いたり
するのを防止するために、輸送や保管の前に被保護物の
表面に表面保護フィルムを貼り付けて保護している。
又、被保護物のシャーリング、打ち抜き、曲げ、絞り、
印刷等の加工時に、表面が汚れたり傷付くのを防止する
ため、被保護物の表面に表面保護フィルムを貼り付けて
加工している。そして、用済み後に、表面保護フィルム
を被保護物の表面から剥離して廃棄する。
【0003】しかし、被保護物をその表面に表面保護フ
ィルムを貼り付けた状態で、日光、その他の高紫外線含
有光線に曝すと、短時間の間に表面保護フィルムが劣化
し、剥離時に基材フィルムが破れたり、粘着剤が劣化し
被保護物の表面に部分的に剥離して残り、該表面を汚染
したり、表面保護フィルムの接着力が上昇し、剥離が困
難になる等の問題がある。
【0004】このような問題を解決するために、基材フ
ィルムに紫外線吸収剤、酸化防止剤ないしは光安定剤等
を添加しているが、効果を得るために相当量の添加が必
要であるので経時的にこれ等の添加剤がブリードアウト
し、基材フィルムと粘着剤層とのアンカーを低下させ、
所謂糊残りや添加剤自体による被保護物の表面の汚染を
惹起する等の問題がある。
【0005】又、基材フィルムを着色することにより日
光等の高紫外線含有光線を遮断し、粘着剤層の劣化を防
止する手段も採られているが、このためには相当量の着
色剤の添加が必要であり、多量の顔料等を添加すること
により凝集によるフィッシュアイが発生したり、保護フ
ィルムの強度が低下する。又、被保護物の表面の状態を
表面保護フィルム面を透して目視で観察することができ
なくなる。
【0006】上記表面保護フィルムの透視性を向上する
ために、例えば、特開平4−153287号公報には、
無機系微粒子を基材フィルムに添加する方法が提案され
ている。しかし、上記公報の技術では、300〜360
nmの紫外線透過率を10%以下にする程度であって、
更に高いレベルで紫外線をカットするためには、この技
術では、かなり大量の無機系微粒子を基材フィルムに添
加しなければならず、この場合、微粒子なるが故に2次
凝集が起こり、効果としている透明性が損なわれたり、
フィッシュアイが発生したりする問題がある。
【0007】又、上記公報の技術と同様な趣旨で、特開
平5−148460号公報には、粘着シートの支持体又
は粘着剤にもしくは支持体と粘着剤との間に特定の粒径
の無機顔料を分散し、もしくは透明遮断層を設けた耐候
性に優れた粘着シートが提案されている。しかし、上記
公報では、ポリエチレン樹脂等80部に、無機顔料20
部と高濃度に配合しているが、それが故に更に前記引例
において指摘したと同様な問題が懸念される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記先行技術において
は、無機系微粒子を基材フィルム又は粘着剤に添加し、
もしくは支持体と粘着剤との間に透明な紫外線遮断層を
設けることにより、紫外線透過率を10%以下にし、も
しくは耐候性を改善することが提案されているが、実際
には無機系微粒子の無添加のものより添加した効果はあ
るが十分満足できるものではない。
【0009】又、一般的な使用方法として、粘着剤中に
各種の安定剤を添加することもできると記載されている
が、ゴム系の粘着剤においてはHALS(Hinder
edAmine Light Stabilizer
s)等の光安定剤によってその耐候性の顕著な改善がみ
られるが、それでも十分満足できるレベルではなく、
又、アクリル系粘着剤においてはその硬化機構への阻害
があるために殆どの安定剤・酸化防止剤は直接は使用で
きないという問題点を有している。
【0010】紫外線の遮蔽のみによって長期的に接着昂
進を防止するためには、紫外線透過率を少なくとも0.
5%以下にする必要がある。ところが、上記無機系微粒
子の添加によって、紫外線透過率を数%のレベルまで達
成するのは容易であるが、紫外線透過率を1%以下に低
減するには更に大量の添加が必要となり、そのために上
記無機系微粒子の分散に問題を生じ、透明性の低下やフ
ィッシュアイが発生するという問題を生ずる。
【0011】又、無機系微粒子のように透明性を考慮し
ない場合、酸化チタンやカーボン等による着色によって
比較的容易に紫外線透過率を低下させることができる
が、この場合でも大量に添加すると前記同様フィッシュ
アイが発生する等分散の問題を有している。
【0012】又、粘着剤による接着昂進抑制の方法に関
して、一般的に耐候性の低いゴム系やEVA(エチレン
−酢酸ビニル共重合体)系の粘着剤に各種安定剤が添加
されているが、その効果はもともと耐候性のあまりよく
ないゴム系やEVA系を使用しているのでそれほど大き
いものでない。又、アクリル系粘着剤も同様であると追
記しているが、実際にはアクリル系粘着剤は上記粘着剤
に比較して耐候性が良好であるので安定剤の配合は検討
されておらず、接着昂進抑制を防止する手段としては、
金属石鹸を添加することが記載されている程度である。
しかし、上記金属石鹸の添加による方法は、粘着剤層表
面に金属石鹸をブリードアウトさせることによって剥離
性を発現し、接着昂進を抑制するものであるため、被保
護体表面をブリードアウトした金属石鹸等で汚染してし
まう等の問題を有している。
【0013】しかし、表面保護された被保護体が屋外で
長期暴露されるケースがままあり、前記ゴム系等の粘着
剤に各種安定剤が添加されたもの、アクリル系粘着剤、
更に紫外線透過率を0.5%以下にした基材フィルムに
粘着剤層を設けたものであっても、いずれも夏季1〜2
ケ月程度の屋外暴露で大幅な接着力の上昇(接着昂進)
や糊残り等を発生する場合が多くみられる。
【0014】本発明者らは、前記紫外線透過率を数%に
まで低減しても粘着剤の接着昂進が起こる原因を検討し
た結果、接着昂進の発生が被保護体の光線反射率が高い
場合顕著に発生していることから、紫外線透過率が低い
場合でも、被保護体表面と基材フィルム面を反復する反
射光が主原因で劣化が進行し粘着剤における接着昂進が
発生するものとの結論に到達した。そこで、基材フィル
ムに無機系微粒子を添加し、紫外線の透過率を0.00
5〜5%の範囲にすると、上記無機系微粒子等の2次凝
集の発生を防止でき、更に薄層を設け、その薄層に上記
微量の透過紫外線に対応して、通常太陽光線用に使用す
るよりも非常に少量の紫外線吸収剤及び/又は高分子タ
イプの酸化防止剤を添加すると、捲回状態或いは積層状
態で該薄層と粘着剤とが直接接することにより、粘着剤
中に添加剤の適度な移行が起こり十分な劣化防止がで
き、且つ、これらの紫外線吸収剤もしくはラジカル捕捉
剤の添加量が極微量であるためブリードアウトも少なく
粘着剤層の粘着力の低下や被保護体表面の汚染もないこ
とを見いだした。
【0015】本発明は叙上の事実に鑑みなされたもので
あって、その目的とするところは、ステンレススチール
や表面処理アルミニウム等の金属板や合成樹脂板の表面
保護フィルムとして、紫外線による粘着剤の劣化を防止
した耐候性に優れた表面保護フィルムを提供するもので
ある。
【0016】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の本発明
は、波長250〜400nmの光線透過率が0.005
〜5%である基材フィルムの一面に、紫外線吸収剤を1
0〜2000ppm及び/又は分子量が500〜500
0である酸化防止剤を100〜3000ppm添加され
た薄層が設けられ、反対面にアクリル系粘着剤層が設け
られている多層構造体が、上記薄層にアクリル系粘着剤
層が直接接するようにロール状に捲取られ、又はシート
状に積層されていることを特徴とする表面保護フィルム
をその要旨とするものである。
【0017】請求項2記載の本発明は、波長250〜4
00nmの光線透過率が0.005〜5%である基材フ
ィルムの一面に、分子量が500〜5000である酸化
防止剤を100〜3000ppm添加された薄層が設け
られ、反対面に紫外線吸収剤を10〜2000ppm添
加されたアクリル系粘着剤層が設けられているている多
層構造体が、上記薄層にアクリル系粘着剤層が直接接す
るようにロール状に捲取られ、又はシート状に積層され
ていることを特徴とする表面保護フィルムをその要旨と
するものである。
【0018】本発明において使用される基材フィルム
は、通常カレンダー法、インフレーション法、Tダイ法
等で成膜できる熱可塑性樹脂からなるものである。熱可
塑性樹脂は、特に限定されるものではないが、例えば、
ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹
脂等からなるフィルムが好適に使用される。基材フィル
ムは1層のみであってもよいし、又、カール防止や表面
の滑り性の向上その他の目的、用途によって、適宜2層
以上のものであってもよい。又、粘着剤層その他の層と
の密着性を改善するためにその表面をコロナ放電処理や
下塗り処理が施されてもよい。
【0019】本発明において使用される波長250〜4
00nmの光線透過率が0.005〜5%である基材フ
ィルムは、上記熱可塑性樹脂に無機系顔料、例えば、酸
化チタン、酸化亜鉛、シリカ、アルミナ等を均質に分散
して得られ、基材フィルムに透明性を必要としない場
合、平均粒子径数μmの一般の顔料が使用でき、透明性
を必要とする場合、平均粒子径が1μm以下の微粉砕粒
子が使用される。上記無機系顔料の添加量は、その種
類、粒径の大きさ、その分布等を勘案し、所定紫外線透
過率以下となるように適宜選択して定められる。
【0020】上記基材フィルムの光線透過率は、分光光
度計による250、300、350及び400nmにお
ける4点の光線透過率の平均値で定義されている。
【0021】請求項1記載の本発明の薄層は、熱可塑性
樹脂に紫外線吸収剤を10〜2000ppm及び/又は
分子量が500〜5000である酸化防止剤を100〜
3000ppm添加して形成されるが、その形成方法は
特に限定されるものではなく、基材フィルムに塗布法又
はラミネート法によってもよく、インフレーション法乃
至Tダイ法による共押出成形法によってもよい。
【0022】上記熱可塑性樹脂は前記する基材フィルム
に使用した熱可塑性樹脂と同種のものであってもよく、
又、異種のものであってもよい。上記基材フィルム及び
薄層に使用される熱可塑性樹脂の性質が相当異なる場
合、両層間に接着層を設けることが好ましい。又、上記
共押出成形による方法は、製造装置及び製造工程が簡単
であり、製造能率が高く、且つ、得られる積層体の積層
強度も大きいので好ましい。
【0023】上記薄層の厚さは、基材フィルムによって
低減された紫外線による粘着剤層の劣化を防止できる機
能をもつものであればよく、特に限定されるものではな
い。又、薄層は単一層から構成されていてもよいが、上
記紫外線吸収剤や酸化防止剤をその濃度を変えた2以上
の層から構成されていてもよい。
【0024】上記請求項1記載の本発明の薄層及び請求
項2記載の本発明のアクリル系粘着剤に添加される紫外
線吸収剤は、特に限定されるものではなく、薄層に使用
される熱可塑性樹脂やアクリル系粘着剤の構成成分との
相溶性等を勘案し、適宜選択使用される。これらの紫外
線吸収剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系やベ
ンゾフェノン系の紫外線吸収剤が好適に使用される。
【0025】上記紫外線吸収剤の添加量は、10ppm
未満の場合、その効果が十分に得られず、2000pp
mを超えると、粘着剤層へ移行して該粘着剤層の粘着力
を低下させたり、基材フィルムと粘着剤層の層間の密着
性を低下させたり、ないしは粘着剤層からブリードアウ
トし被保護体表面を汚染する等の問題を起こす。
【0026】又、上記薄層に添加される分子量が500
〜5000である酸化防止剤は、特に限定されるもので
はなく、薄層に使用される熱可塑性樹脂やアクリル系粘
着剤の構成成分との相溶性等を勘案し、適宜選択使用さ
れる。これらの酸化防止剤としては、例えば、フェノー
ル系(ビスフェノール系、高分子型フェノール系を含
む)やヒンダードアミン系の酸化防止剤が好適に使用さ
れる。
【0027】上記酸化防止剤の劣化防止機能は、発生ラ
ジカルの捕捉にあるので、その反応機構上、必ずアクリ
ル系粘着剤の硬化反応と拮抗する。従って、直接粘着剤
層に添加せず、これと相接する薄層又は基材フィルムに
添加することにより、粘着剤層が形成された後、その極
性及び濃度勾配によって薄層又は基材フィルムより粘着
剤層に移行し、前述する好ましい濃度において粘着剤層
に存在できるのである。
【0028】上記薄層又は基材フィルムより粘着剤層に
移行する酸化防止剤の量は、添加する酸化防止剤の種類
等によっても異なるが、表面保護フィルムの生産から流
通、加工等を経て使用される迄に、10〜70%程度で
ある。又、逆に薄層から基材フィルムへの移行や、系外
への揮散等もあるのでこれらの要因を勘案して添加量は
設定されなければならない。
【0029】上記酸化防止剤は、その分子量が500未
満の場合、移行やブリードアウトが大きく、被保護体表
面を汚染したり、揮散等により系外へ逸散し、その効果
が失われる。逆に、分子量が5000を超えると、上記
の基材フィルムより粘着剤層に移行が殆ど行われず、い
ずれもその効果が得られない。
【0030】上記酸化防止剤の添加量は、100ppm
未満の場合、その効果が十分に得られず、3000pp
mを超えると、粘着剤層へ移行して該粘着剤層の粘着力
を低下させたり、基材フィルムと粘着剤層の層間の密着
性を低下させたり、ないしは粘着剤層からブリードアウ
トし被保護体表面を汚染する等の問題を起こす。
【0031】本発明において、アクリル系粘着剤層は、
特に限定されるものではなく、アクリル系の重合体、共
重合体等を主材とする粘着剤から適宜選択使用される。
【0032】本発明の表面保護フィルムの厚みは、被保
護物を傷、汚れ等から防止する機能を果たす厚さであれ
ば、特に限定されるものではないが、総厚さで30〜1
50μmが好ましい。
【0033】
【作用】請求項1記載の本発明の表面保護フィルムは、
波長250〜400nmの光線透過率が0.005〜5
%である基材フィルムの一面に、紫外線吸収剤を10〜
2000ppm及び/又は分子量が500〜5000で
ある酸化防止剤を100〜3000ppm添加された薄
層が設けられ、反対面にアクリル系粘着剤層が設けられ
ている多層構造体が、上記薄層にアクリル系粘着剤層が
直接接するようにロール状に捲取られ、又はシート状に
積層されていることにより、基材フィルムによって照射
される太陽光線、特に波長250〜400nmの紫外線
が0.005〜5%に低減され、更に、ロール状に捲取
られ、又はシート状に積層された表面保護フィルムは、
使用されるまでの保管時間中にアクリル系粘着剤層が直
接接している薄層からアクリル系粘着剤層へ紫外線吸収
剤や酸化防止剤が好ましい濃度で移行するので、被保護
物がステンレススチール板、表面処理アルミニウム板等
の金属板や合成樹脂板であっても、アクリル系粘着剤層
が劣化することが少なく、従って、紫外線吸収剤や酸化
防止剤等のブリードアウトによって被保護物が汚染され
たり、表面保護フィルムを剥離するに際して粘着剤層が
部分的に被保護物表面に残る所謂糊残りや、接着昂進の
少ない耐候性に優れたものである。
【0034】請求項2記載の本発明の表面保護フィルム
は、波長250〜400nmの光線透過率が0.005
〜5%である基材フィルムの一面に、分子量が500〜
5000である酸化防止剤を100〜3000ppm添
加された薄層が設けられ、反対面に紫外線吸収剤を10
〜2000ppm添加されたアクリル系粘着剤層が設け
られている多層構造体が、上記薄層にアクリル系粘着剤
層が直接接するようにロール状に捲取られ、又はシート
状に積層されていることにより、請求項1記載の本発明
の表面保護フィルムと同様に、基材フィルムによって照
射される太陽光線、特に波長250〜400nmの紫外
線が0.005〜5%に低減され、更にアクリル系粘着
剤層に紫外線吸収剤が好ましい濃度で存在し、アクリル
系粘着剤塗布時に添加できない酸化防止剤が、ロール状
に捲取られ、又はシート状に積層された表面保護フィル
ムの使用されるまでの保管時間中にアクリル系粘着剤層
が直接接している薄層から好ましい濃度で移行するの
で、被保護物がステンレススチール板、表面処理アルミ
ニウム板等の金属板や合成樹脂板であっても、アクリル
系粘着剤層が劣化することが少なく、従って、紫外線吸
収剤等のブリードアウトによって被保護物が汚染された
り、表面保護フィルムを剥離するに際して粘着剤層が部
分的に被保護物表面に残る所謂糊残りや、接着昂進の少
ない耐候性に優れたものである。
【0035】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明する。 (実施例1)酸化チタン(ルチル型、平均粒子径300
nm)を5重量部(樹脂100重量部に対し)添加した
低密度ポリエチレン(三菱化学社製:商品名:LK─3
0)を45μm(基材フィルム)、ベンゾトリアゾール
系紫外線吸収剤(チバガイギー社製、商品名:チヌビン
326)を0.05重量部(樹脂100重量部に対し)
添加した低密度ポリエチレン(同上)を5μm(薄層)
となるようにインフレーション共押出法にて成膜し、ベ
ンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を添加していない低密
度ポリエチレン(基材フィルム)側にコロナ放電処理を
施し、その上にアクリル系粘着剤(綜研化学社製、商品
名:AG105)を5μmとなるように塗布し、上記薄
層にアクリル系粘着剤層が直接接するようにロール状に
捲とって表面保護フィルムを得た。
【0036】(実施例2)ベンゾトリアゾール系紫外線
吸収剤に替えてヒンダードアミン系光安定剤(チバガイ
ギー社製、商品名:キマソーブ944)を0.1重量部
添加したこと以外、実施例1と同様にして表面保護フィ
ルムを得た。
【0037】(実施例3)実施例1のベンゾトリアゾー
ル系紫外線吸収剤に替えて実施例1と同じベンゾトリア
ゾール系紫外線吸収剤0.05重量部と実施例2と同じ
ヒンダードアミン系光安定剤を0.1重量部添加したこ
と以外、実施例1と同様にして表面保護フィルムを得
た。
【0038】(実施例4)実施例2と同じ構成の基材フ
ィルムの薄層が設けられている反対の面に、コロナ放電
処理を施しその上に実施例1と同じベンゾトリアゾール
系紫外線吸収剤0.05重量部(アクリル系粘着剤10
0重量部に対して)を添加したアクリル系粘着剤を5μ
mとなるように塗布し、上記薄層にアクリル系性粘着剤
層が直接接するようにロール状に捲とって表面保護フィ
ルムを得た。
【0039】(比較例1)実施例1と同じ構成の基材フ
ィルムを50μmにインフレーション法にて成膜し、コ
ロナ放電処理を施し、その上に実施例1と同じアクリル
系粘着剤を塗布し、ロール状に捲とって表面保護フィル
ムを得た。
【0040】(比較例2)酸化チタンを添加しなかった
こと以外、実施例3と同様にして表面保護フィルムを得
た。
【0041】(比較例3)ベンゾトリアゾール系紫外線
吸収剤の添加量を0.05重量部から0.3重量部に変
更したこと以外、実施例1と同様にして表面保護フィル
ムを得た。
【0042】(比較例4)実施例2のヒンダードアミン
系光安定剤の添加量を0.1重量部から0.5重量部に
変更したこと以外、実施例2と同様にして表面保護フィ
ルムを得た。
【0043】(比較例5)実施例1の酸化チタンの添加
量を5重量部から20重量部に変更した組成の基材フィ
ルムを50μmにインフレーション法にて成膜し、コロ
ナ放電処理を施し、その上に実施例1と同じアクリル系
粘着剤を塗布し、ロール状に捲とって表面保護フィルム
を得た。
【0044】上記実施例及び比較例の表面保護フィルム
の各構成要素毎に、その組成を表1にとり纏めて示し
た。
【0045】
【表1】
【0046】上記実施例及び比較例で得られた表面保護
フィルムについて、紫外線透過率、フィッシュアイの発
生量、接着昂進度評価、被保護体表面の汚染度評価の試
験は以下に示した方法で測定、評価した。測定、評価結
果は表2に示した。
【0047】1.紫外線透過率:分光光度計で250、
300、350及び400nmにおける光線透過率を測
定し、これら4点の測定値の平均値を算出した。
【0048】2.フィッシュアイの発生量:得られた表
面保護フィルムの1,000mm×1,000mmの面
積を任意に選び、フィッシュアイの発生の有無を目視に
より観察し、○:実用的になしと判断できるもの、×:
中心部が明確に他の部分と識別できるサイズのものが1
0個以上あるもの、の2段階で評価した。
【0049】3.接着昂進度評価:得られた表面保護フ
ィルムを40℃にて1週間養生後、ステンレススチール
板(SUS#304ヘアーライン仕上げ)に貼付し、屋
外暴露1ケ月後及び3ケ月後の剥離強度を暴露前の剥離
強度で除した百分率で示した。猶、剥離強度は、25m
m幅の試験片について180°方向に300mm/分の
剥離速度で引張り、その強度を測定した。
【0050】4.汚染度評価:前項の屋外暴露1ケ月後
の剥離試験時の被保護体ステンレススチール板の表面の
曇りの発生及び糊残りの有無等、目視により観察し、
○:実用的になしと判断できるもの、×:曇りの発生又
は糊残りのあるもの、の2段階で評価した。
【0051】
【表2】
【0052】
【発明の効果】本発明の表面保護フィルムは、各々上記
の如き構成からなっているので、被保護物がステンレス
スチール板、表面処理アルミニウム板等の金属板や合成
樹脂板であっても、接着昂進による剥離の困難性や粘着
剤や添加剤による汚染がない極めて耐候性に優れたもの
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09J 7/02 JKZ JLD JLF

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 波長250〜400nmの光線透過率が
    0.005〜5%である基材フィルムの一面に、紫外線
    吸収剤を10〜2000ppm及び/又は分子量が50
    0〜5000である酸化防止剤を100〜3000pp
    m添加された薄層が設けられ、反対面にアクリル系粘着
    剤層が設けられている多層構造体が、上記薄層にアクリ
    ル系粘着剤層が直接接するようにロール状に捲取られ、
    又はシート状に積層されていることを特徴とする表面保
    護フィルム。
  2. 【請求項2】 波長250〜400nmの光線透過率が
    0.005〜5%である基材フィルムの一面に、分子量
    が500〜5000である酸化防止剤を100〜300
    0ppm添加された薄層が設けられ、反対面に紫外線吸
    収剤を10〜2000ppm添加されたアクリル系粘着
    剤層が設けられているている多層構造体が、上記薄層に
    アクリル系粘着剤層が直接接するようにロール状に捲取
    られ、又はシート状に積層されていることを特徴とする
    表面保護フィルム。
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