JPH08169799A - 磁気光学ガーネット,それを用いたファラデー回転素子,及び光増幅素子 - Google Patents

磁気光学ガーネット,それを用いたファラデー回転素子,及び光増幅素子

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JPH08169799A
JPH08169799A JP31657094A JP31657094A JPH08169799A JP H08169799 A JPH08169799 A JP H08169799A JP 31657094 A JP31657094 A JP 31657094A JP 31657094 A JP31657094 A JP 31657094A JP H08169799 A JPH08169799 A JP H08169799A
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light
mol
optical
faraday rotation
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JP31657094A
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Yoichi Honda
洋一 本田
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Tokin Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 増幅作用を持つファラデー回転子と,それに
用いる磁気光学ガーネットと,それを用いた光増幅素子
と提供すること。 【構成】 磁気光学ガーネットは,化学式,R3-X-Y
X NdY Fe5 12(但し,RはY,La,Sm,G
d,Tb,Dy,Tm,Yb,Luで示される元素のう
ち少なくとも1種であり,0.3≦X≦1.5,0.0
3≦Y≦0.3)で示される。ファラデー回転素子8
は,この磁気光学ガーネットの単結晶板を備えている。
また,光増幅素子は,この磁気光学ガーネットの単結晶
板を備えている。第1の安定化光源1からの波長1.3
1μmの光と第2の安定化光源2からの波長0.808
μmの光とを入力して,前記波長1.31μmの光の強
度を高めて出力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,光アイソレータ等のフ
ァラデー回転子に用いられる磁気光学ガーネット材料に
関する。
【0002】
【従来の技術】波長0.3〜1.55μmの光を信号光
に用いる光ファイバ通信において,反射戻り光が原因と
なる雑音を除去するために,飽和磁界下における磁気光
学ガーネット単結晶のファラデー効果を利用した光アイ
ソレータの実用化が進んでいる。光アイソレータ中のフ
ァラデー回転子には,信号光に対して45度のファラデ
ー回転を生じさせる能力が必要であり,当初は,赤外線
集中加熱法等で育成されたバルク状のY3 Fe5
12(イットリウム・鉄・ガーネット)単結晶を厚さ2〜
3mmに切断して用いられていたが,近年では,生産性
に優れる液相エピタキシャル法で育成される厚膜タイプ
の単結晶が最も広く普及している。これら厚膜タイプの
磁気光学ガーネット単結晶の化学式は,R3-X-Y BiX
Fe5 12(RはYおよびGd,Lu等の希土類元素)
で示される。Bi(ビスマス)はファラデー効果を飛躍
的に増大させる効果があるため単結晶中に固溶される。
Bi量Xとファラデー回転係数(単位長さ当たりのファ
ラデー回転角)はほぼ比例し,例えば波長1.31μm
の光を例にとるとBi量Xが1.0当たりファラデー回
転係数がほぼ1500(deg./cm)増加する。液
相エピタキシャル法で育成される厚膜タイプの単結晶
は,約1mmまで育成することが可能であるので,Bi
量Xは0.3以上あれば良いことになる。しかしBi量
Xが1.5を越える場合,単結晶の品質が劣化し入射光
が散乱するなど光学材料として適さなくなるため実用上
Bi量Xは0.3≦X≦1.5の範囲で規定される。
【0003】一方,光アイソレータ以外の光デバイスの
中で,やはりガーネット単結晶を用いるものが試作され
ている。Nd(ネオジウム)を固溶したイットリウム・
ガリウム・ガーネット(化学式Y3-Y Ndy Ga5 12
Y=〜0.1で示される)による波長1.3μm域の光
増幅器である。この方法は波長0.8μm域の励起光に
より波長1.3μm域の信号光を増幅するものである。
そしてこの方法によれば,従来,光電変換を介して為さ
れていた信号光の増幅が,直接信号光を増幅できるため
に増幅回路やそれを用いた通信装置等を大幅に簡略化で
きるという利点を有している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】光アイソレータおよび
光増幅器は,光通信システムにおいて必須の光デバイス
である。そしてこれらの機能を一個のデバイスに持たせ
ることができれば,電子デバイスの小型化や構成の簡略
化に極めて有効となるが現在未だに実現されていなかっ
た。
【0005】そこで本発明の技術的課題は,増幅作用を
持つファラデー回転子と,それに用いる磁気光学ガーネ
ットとそれを用いた光増幅素子と提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は,この課題を
解決するために液相エピタキシャル法により,BiとN
dを同時に固溶した希土類・鉄・ガーネット単結晶を育
成し,その単結晶の波長1.31μmに対するファラデ
ー回転と,0.808μmの励起光による波長1.31
μmの光の増幅を調査した。その結果これらの単結晶は
光アイソレータ用ファラデー回転子として充分なファラ
デー回転を有し,同時に1.31μmの光が増幅される
ことを見いだし,本発明をなすに至ったものである。
【0007】本発明によれば,化学式,R3-X-Y BiX
NdY Fe5 12(RはY,La,Sm,Gd,Tb,
Dy,Tm,Yb,Luで示される元素のうち少なくと
も1種であり,0.3≦X≦1.5,0.03≦Y≦
0.3)で示されることを特徴とする磁気光学ガーネッ
トが得られる。
【0008】本発明によれば,前記磁気光学ガーネット
の単結晶板を備えたことを特徴とするファラデー回転素
子が得られる。
【0009】本発明によれば,前記磁気光学ガーネット
の単結晶板を備え,第1の波長の光と前記第1の波長と
異なる第2の波長の光とを入力して,前記第1及び第2
の波長の光の内のいずれか一方の光の強度を高めて出力
することを特徴とする光増幅素子が得られる。
【0010】
【実施例】以下,本発明の実施例について説明する。
【0011】図1は本発明の実施例1〜5において使用
された測定用光学系を示す図である。図1に示すよう
に,光学系の光源には,波長1.31μmおよび0.8
08μmの第1及び第2安定化光源1及び2を2台用い
ている。これらの第1及び第2安定化光源1及び2は半
導体レーザを発光源としており,いずれも自動出力制御
機構を備え,安定した強度の光を出力できる。このうち
波長0.808μmの第2の安定化光源2の出力は最大
50mWとかなり大きいものである。これはこの光を波
長1.31μmの光の励起光として使用するためであ
る。
【0012】これら2台の第1及び第2安定化光源2の
出力端子には,図示しないFCコネクタが装着されてお
り,出射光を接続した光ファイバ3に導入できる。これ
らの光ファイバ3は各々片方の端面にコリメートレンズ
4が付いたものを用いている。それにより,波長1.3
1μmおよび0.808μmの2波長の安定した強度の
コリメート光が得られた。この2波長のコリメート光を
プリズム5を介して一本の光路になるよう設定した。こ
の光路上にファラデー回転角測定系10を組んだ。すな
わち,この測定系10は2個のグラントムソンプリズム
6とその間に磁界印加用円筒形磁石7を配し,この円筒
形磁石内に測定試料8を脱着できるようにした。円筒形
磁石7は円筒内の磁界により測定するガーネット単結晶
が完全に磁気飽和するものを用いた。パラメータ9のパ
ワーメータヘッド9aの直前には波長1.0μmより短
波長の光を完全に吸収するフィルタ11を置いた。この
フィルタの波長1.31μmの光の透過率は90%であ
った。この光学系でクロスニコル状態を作れば,波長
1.31μmの光に対するファラデー回転角が測定でき
る。また平行ニコル状態を作れば,波長1.31μmの
光に対する透過率も測定できる。
【0013】以下,本発明の実施例に係る磁気光学ガー
ネットの製造の具体例を示す。
【0014】(実施例1)酸化ガドリニウム(Gd2
3 )3.0mol%,酸化ネオジウム(Nd2 3
2.0mol%,酸化鉄(Fe2 3 )15mol%,
酸化鉛(PbO)30mol%,酸化ビスマス(Bi2
3 )30mol%,酸化硼素(B2 3 )20mol
%からなる融液よりGd1.85Bi1.00Nd0.15Fe5
12なる組成の希土類・鉄・ガーネット単結晶厚膜を液相
エピタキシャル法により500μmの厚さまで育成し
た。この単結晶厚膜を450μmの厚さに研磨し,両面
に無反射コーティングを施した。この試料を図1に示し
た光学系により測定した。
【0015】まず波長1.31μmの安定化光源のみ一
定出力(約1mW)で発振させた。その結果ファラデー
回転角は45.0度であり,透過率(測定試料を円筒形
磁石内に装着した場合としなかった場合のパワーメータ
ヘッドに達する光強度の比)は99%であった。次に波
長1.31μmの安定化光源出力はそのままで波長0.
808μmの安定化光源を20mWの出力で発振させ
た。その結果ファラデー回転角は45.0度と全く変化
しなかったが,透過率は149%となり100%を越え
ていた。以上の結果を下記表1に示した。また波長0.
808μmの半導体レーザを発振させた状態で,パワー
メータヘッドに達している光を光スペクトラムアナライ
ザにより,波長解析したところ全て1.31μmの波長
であり,波長0.808μmをはじめ他の波長の光は全
く存在していなかった。すなわちこの試料は波長1.3
1μmの光に対する光アイソレータ用ファラデー回転子
であり,しかもこの波長の光を波長0.808μmの光
で増幅できることが確認できた。
【0016】(実施例2)酸化ガドリニウム(Gd2
3 )3.2mol%,酸化ネオジウム(Nd2 3
1.8mol%,酸化鉄(Fe2 3 )15mol%,
酸化鉛(PbO)45mol%,酸化ビスマス(Bi2
3 )10mol%,酸化硼素(B2 3 )20mol
%からなる融液よりGd2.55Bi0.30Nd0.15Fe5
12なる組成の希土類・鉄・ガーネット単結晶厚膜を液相
エピタキシャル法により1050μmの厚さまで育成し
た。この単結晶厚膜を1000μmの厚さに研磨し,両
面に無反射コーティングを施した。この試料を図1に示
した光学系により測定した。
【0017】まず波長1.31μmの安定化光源のみ一
定出力(約1mW)で発振させた。その結果ファラデー
回転角は45.0度であり,透過率は99%であった。
次に波長1.31μmの安定化光源出力はそのままで波
長0.808μmの安定化光源を20mWの出力で発振
させた。その結果ファラデー回転角は45.0度と全く
変化しなかったが,透過率は149%となり100%を
越えていた。以上の結果を表1に示した。また波長0.
808μmの半導体レーザを発振させた状態で,パワー
メータヘッドに達している光を光スペクトラムアナライ
ザにより,波長解析したところ全て1.31μmの波長
であり,波長0.808μmをはじめ他の波長の光は全
く存在していなかった。すなわちこの試料は波長1.3
1μmの光に対する光アイソレータ用ファラデー回転子
であり,しかもこの波長の光を波長0.808μmの光
で増幅できることが確認できた。
【0018】(実施例3)酸化ガドリニウム(Gd2
3 )2.6mol%,酸化ネオジウム(Nd2 3
2.4mol%,酸化鉄(Fe2 3 )15mol%,
酸化鉛(PbO)45mol%,酸化ビスマス(Bi2
3 )10mol%,酸化硼素(B2 3 )20mol
%からなる融液よりGd1.35Bi1.50Nd0.15Fe5
12なる組成の希土類・鉄・ガーネット単結晶厚膜を液相
エピタキシャル法により250μmの厚さまで育成し
た。この単結晶厚膜を200μmの厚さに研磨し,両面
に無反射コーティングを施した。この試料を図1に示し
た光学系により測定した。
【0019】まず波長1.31μmの安定化光源のみ一
定出力(約1mW)で発振させた。その結果ファラデー
回転角は45.0度であり,透過率は99%であった。
次に波長1.31μmの安定化光源出力はそのままで波
長0.808μmの安定化光源を20mWの出力で発振
させた。その結果ファラデー回転角は45.0度と全く
変化しなかったが,透過率は149%となり100%を
越えていた。以上の結果を下記表1に示した。また波長
0.808μmの半導体レーザを発振させた状態で,パ
ワーメータヘッドに達している光を光スペクトラムアナ
ライザにより,波長解析したところ全て1.31μmの
波長であり,波長0.808μmをはじめ他の波長の光
は全く存在していなかった。すなわちこの試料は波長
1.31μmの光に対する光アイソレータ用ファラデー
回転子であり,しかもこの波長0.808μmの光で増
幅できることが確認できた。
【0020】(実施例4)酸化ガドリニウム(Gd2
3 )4.6mol%,酸化ネオジウム(Nd2 3
0.4mol%,酸化鉄(Fe2 3 )15mol%,
酸化鉛(PbO)30mol%,酸化ビスマス(Bi2
3 )30mol%,酸化硼素(B2 3 )20mol
%からなる融液よりGd1.97Bi1.00Nd0.03Fe5
12なる組成の希土類・鉄・ガーネット単結晶厚膜を液相
エピタキシャル法により350μmの厚さまで育成し
た。この単結晶厚膜を300μmの厚さに研磨し,両面
に無反射コーティングを施した。この試料を図1に示し
た光学系により測定した。
【0021】まず波長1.31μmの安定化光源のみ一
定出力(約1mW)で発振させた。その結果ファラデー
回転角は45.0度であり,透過率は99%であった。
次に波長1.31μmの安定化光源出力はそのままで波
長0.808μmの安定化光源を20mWの出力で発振
させた。その結果ファラデー回転角は45.0度と全く
変化しなかったが,透過率は105%となり100%を
越えていた。以上の結果を下記表1に示した。また波長
0.808μmの半導体レーザを発振させた状態で,パ
ワーメータヘッドに達している光を光スペクトラムアナ
ライザにより,波長解析したところ全て1.31μmの
波長であり,波長0.808μmをはじめ他の波長の光
は全く存在していなかった。すなわちこの試料は波長
1.31μmの光に対する光アイソレータ用ファラデー
回転子であり,しかもこの波長の光を波長0.808μ
mの光で増幅できることが確認できた。
【0022】(実施例5)酸化ガドリニウム(Gd2
3 )2.0mol%,酸化ネオジウム(Nd2 3
3.0mol%,酸化鉄(Fe2 3 )15mol%,
酸化鉛(PbO)30mol%,酸化ビスマス(Bi2
3 )30mol%,酸化硼素(B2 3 )20mol
%からなる融液よりGd1.70Bi1.00Nd0.30Fe5
12なる組成の希土類・鉄・ガーネット単結晶厚膜を液相
エピタキシャル法により350μmの厚さまで育成し
た。この単結晶厚膜を300μmの厚さに研磨し,両面
に無反射コーティングを施した。この試料を図1に示し
た光学系により測定した。
【0023】まず波長1.31μmの安定化光源のみ一
定出力(約1mW)で発振させた。その結果,ファラデ
ー回転角は45.0度であり,透過率は99%であっ
た。次に波長1.31μmの安定化光源出力はそのまま
で波長0.808μmの安定化光源を20mWの出力で
発振させた。その結果ファラデー回転角は45.0度と
全く変化しなかったが,透過率は105%となり100
%を越えていた。以上の結果を下記表1に示した。また
波長0.808μmの半導体レーザを発振させた状態
で,パワーメータヘッドに達している光を光スペクトラ
ムアナライザにより,波長解析したところ全て1.31
μmの波長であり,波長0.808μmをはじめ他の波
長の光は全く存在していなかった。すなわちこの試料は
波長1.31μmの光に対する光アイソレータ用ファラ
デー回転子であり,しかもこの波長の光を波長0.80
8μmの光で増幅できることが確認できた。
【0024】(実施例6)酸化ガドリニウム(Gd2
3 )2.2mol%,酸化ネオジウム(Nd2 3
2.8mol%,酸化鉄(Fe2 3 )15mol%,
酸化鉛(PbO)30mol%,酸化ビスマス(Bi2
3 )30mol%,酸化硼素(B2 3 )20mol
%からなる融液よりGd2.40Bi0.30Nd0.30Fe5
12なる組成の希土類・鉄・ガーネット単結晶厚膜を液相
エピタキシャル法により1050μmの厚さまで育成し
た。この単結晶厚膜を1000μmの厚さに研磨し,両
面に無反射コーティングを施した。この試料を図1に示
した光学系により測定した。
【0025】まず波長1.31μmの安定化光源のみ一
定出力(約1mW)で発振させた。その結果,ファラデ
ー回転角は45.0度であり,透過率は99%であっ
た。次に波長1.31μmの安定化光源出力はそのまま
で波長0.808μmの安定化光源を20mWの出力で
発振させた。その結果ファラデー回転角は45.0度と
全く変化しなかったが,透過率は105%となり100
%を越えていた。以上の結果を下記表1に示した。また
波長0.808μmの半導体レーザを発振させた状態
で,パワーメータヘッドに達している光を光スペクトラ
ムアナライザにより,波長解析したところ全て1.31
μmの波長であり,波長0.808μmをはじめ他の波
長の光は全く存在していなかった。すなわちこの試料は
波長1.31μmの光に対する光アイソレータ用ファラ
デー回転子であり,しかもこの波長の光を波長0.80
8μmの光で増幅できることが確認できた。
【0026】(実施例7)酸化ガドリニウム(Gd2
3 )4.7mol%,酸化ネオジウム(Nd2 3
3.0mol%,酸化鉄(Fe2 3 )15mol%,
酸化鉛(PbO)30mol%,酸化ビスマス(Bi2
3 )30mol%,酸化硼素(B2 3 )20mol
%からなる融液よりGd2.67Bi0.30Nd0.03Fe5
12なる組成の希土類・鉄・ガーネット単結晶厚膜を液相
エピタキシャル法により1050μmの厚さまで育成し
た。この単結晶厚膜を1000μmの厚さに研磨し,両
面に無反射コーティングを施した。この試料を図1に示
した光学系により測定した。
【0027】まず波長1.31μmの安定化光源のみ一
定出力(約1mW)で発振させた。その結果ファラデー
回転角は45.0度であり,透過率は99%であった。
次に波長1.31μmの安定化光源出力はそのままで波
長0.808μmの安定化光源を20mWの出力で発振
させた。その結果ファラデー回転角は45.0度と全く
変化しなかったが,透過率は105%となり100%を
越えていた。以上の結果を下記表1に示した。また波長
0.808μmの半導体レーザを発振させた状態で,パ
ワーメータヘッドに達している光を光スペクトラムアナ
ライザにより,波長解析したところ全て1.31μmの
波長であり,波長0.808μmをはじめ他の波長の光
は全く存在していなかった。すなわちこの試料は波長
1.31μmの光に対する光アイソレータ用ファラデー
回転子であり,しかもこの波長の光を波長0.808μ
mの光で増幅できることが確認できた。
【0028】(実施例8)酸化ガドリニウム(Gd2
3 )1.5mol%,酸化ネオジウム(Nd2 3
3.5mol%,酸化鉄(Fe2 3 )15mol%,
酸化鉛(PbO)30mol%,酸化ビスマス(Bi2
3 )30mol%,酸化硼素(B2 3 )20mol
%からなる融液よりGd1.20Bi1.50Nd0.3 Fe5
12なる組成の希土類・鉄・ガーネット単結晶厚膜を液相
エピタキシャル法により250μmの厚さまで育成し
た。この単結晶厚膜を200μmの厚さに研磨し,両面
に無反射コーティングを施した。この試料を図1に示し
た光学系により測定した。
【0029】まず波長1.31μmの安定化光源のみ一
定出力(約1mW)で発振させた。その結果ファラデー
回転角は45.0度であり,透過率は99%であった。
次に波長1.31μmの安定化光源出力はそのままで波
長0.808μmの安定化光源を20mWの出力で発振
させた。その結果ファラデー回転角は45.0度と全く
変化しなかったが,透過率は105%となり100%を
越えていた。以上の結果を下記表1に示した。また波長
0.808μmの半導体レーザを発振させた状態で,パ
ワーメータヘッドに達している光を光スペクトラムアナ
ライザにより,波長解析したところ全て1.31μmの
波長であり,波長0.808μmをはじめ他の波長の光
は全く存在していなかった。すなわちこの試料は波長
1.31μmの光に対する光アイソレータ用ファラデー
回転子であり,しかもこの波長の光を波長0.808μ
mの光で増幅できることが確認できた。
【0030】(実施例9)酸化ガドリニウム(Gd2
3 )2.5mol%,酸化ネオジウム(Nd2 3
2.5mol%,酸化鉄(Fe2 3 )15mol%,
酸化鉛(PbO)30mol%,酸化ビスマス(Bi2
3 )30mol%,酸化硼素(B2 3 )20mol
%からなる融液よりGd1.47Bi1.50Nd0.03Fe5
12なる組成の希土類・鉄・ガーネット単結晶厚膜を液相
エピタキシャル法により250μmの厚さまで育成し
た。この単結晶厚膜を200μmの厚さに研磨し,両面
に無反射コーティングを施した。この試料を図1に示し
た光学系により測定した。
【0031】まず波長1.31μmの安定化光源のみ一
定出力(約1mW)で発振させた。その結果ファラデー
回転角は45.0度であり,透過率は99%であった。
次に波長1.31μmの安定化光源出力はそのままで波
長0.808μmの安定化光源を20mWの出力で発振
させた。その結果ファラデー回転角は45.0度と全く
変化しなかったが,透過率は105%となり100%を
越えていた。以上の結果を下記表1に示した。また波長
0.808μmの半導体レーザを発振させた状態で,パ
ワーメータヘッドに達している光を光スペクトラムアナ
ライザにより,波長解析したところ全て1.31μmの
波長であり,波長0.808μmをはじめ他の波長の光
は全く存在していなかった。すなわちこの試料は波長
1.31μmの光に対する光アイソレータ用ファラデー
回転子であり,しかもこの波長の光を波長0.808μ
mの光で増幅できることが確認できた。
【0032】(比較例1)酸化ガドリニウム(Gd2
3 )1.5mol%,酸化ネオジウム(Nd2 3
3.5mol%,酸化鉄(Fe2 3 )15mol%,
酸化鉛(PbO)30mol%,酸化ビスマス(Bi2
3 )30mol%,酸化硼素(B2 3 )20mol
%からなる融液よりGd1.60Bi1.00Nd0.40Fe5
12なる組成の希土類・鉄・ガーネット単結晶厚膜を液相
エピタキシャル法により350μmの厚さまで育成し
た。この単結晶厚膜を300μmの厚さに研磨し,両面
に無反射コーティングを施した。この試料を図1に示し
た光学系により測定した。
【0033】まず波長1.31μmの安定化光源のみ一
定出力(約1mW)で発振させた。その結果ファラデー
回転角は45.0度であり,透過率は99%であった。
次に波長1.31μmの安定化光源出力はそのままで波
長0.808μmの安定化光源を20mWの出力で発振
させた。その結果ファラデー回転角は45.0度と全く
変化しなかった。また透過率は99%と変化しなかっ
た。以上の結果を下記表1に示した。
【0034】すなわちこの試料は波長1.31μmの光
に対する光アイソレータ用ファラデー回転子であるが,
この波長の光を波長0.808μmの光で増幅できない
ことが確認できた。
【0035】(比較例2)酸化ガドリニウム(Gd2
3 )4.7mol%,酸化ネオジウム(Nd2 3
0.3mol%,酸化鉄(Fe2 3 )15mol%,
酸化鉛(PbO)30mol%,酸化ビスマス(Bi2
3 )30mol%,酸化硼素(B2 3 )20mol
%からなる融液よりGd1.98Bi1.00Nd0.02Fe5
12なる組成の希土類・鉄・ガーネット単結晶厚膜を液相
エピタキシャル法により350μmの厚さまで育成し
た。この単結晶厚膜を300μmの厚さに研磨し,両面
に無反射コーティングを施した。この試料を図1に示し
た光学系により測定した。
【0036】まず波長1.31μmの安定化光源のみ一
定出力(約1mW)で発振させた。その結果ファラデー
回転角は45.0度であり,透過率は99%であった。
次に波長1.31μmの安定化光源出力はそのままで波
長0.808μmの安定化光源を20mWの出力で発振
させた。その結果ファラデー回転角は45.0度と全く
変化しなかった。また透過率は99%と変化しなかっ
た。以上の結果を下記表1に示した。
【0037】すなわちこの試料は波長1.31μmの光
に対する光アイソレータ用ファラデー回転子であるが,
この波長の光を波長0.808μmの光で増幅できない
ことが確認できた。
【0038】(比較例3)酸化ガドリニウム(Gd2
3 )2.2mol%,酸化ネオジウム(Nd2 3
2.8mol%,酸化鉄(Fe2 3 )15mol%,
酸化鉛(PbO)30mol%,酸化ビスマス(Bi2
3 )30mol%,酸化硼素(B2 3 )20mol
%からなる融液よりGd1.25Bi1.60Nd0.15Fe5
12なる組成の希土類・鉄・ガーネット単結晶厚膜を液相
エピタキシャル法により350μmの厚さまで育成し
た。この単結晶厚膜を275μmの厚さに研磨し,両面
に無反射コーティングを施した。この試料を図1に示し
た光学系により測定した。
【0039】まず波長1.31μmの安定化光源のみ一
定出力(約1mW)で発振させた。その結果ファラデー
回転角は45.0度であり,透過率は80%であった。
これはこの試料の結性晶が悪く光の散乱,吸収等があっ
たためである。次に波長1.31μmの安定化光源出力
はそのままで波長0.808μmの安定化光源を20m
Wの出力で発振させた。その結果ファラデー回転角は4
5.0度と全く変化しなかったが,透過率は120%と
なり100%を越えていた。以上の結果を下記表1に示
した。
【0040】すなわちこの試料は波長1.31μmの光
に対する光ファラデー回転子であり,この波長の光を波
長0.808μmの光で増幅できるのではあるが,入射
光が散乱するために光アイソレータ等の光部品としては
使用できないことが明らかだった。
【0041】(比較例4)酸化ガドリニウム(Gd2
3 )2.7mol%,酸化ネオジウム(Nd2 3
2.3mol%,酸化鉄(Fe2 3 )15mol%,
酸化鉛(PbO)30mol%,酸化ビスマス(Bi2
3 )30mol%,酸化硼素(B2 3 )20mol
%からなる融液よりGd1.60Bi0.25Nd0.15Fe5
12なる組成の希土類・鉄・ガーネット単結晶厚膜を液相
エピタキシャル法により1050μmの厚さまで育成し
た。この膜の両面に無反射コーティングを施した。この
試料を図1に示した光学系により測定した。
【0042】まず波長1.31μmの安定化光源のみ一
定出力(約1mW)で発振させた。その結果ファラデー
回転角は39.4度であり,透過率は99%であった。
次に波長1.31μmの安定化光源出力はそのままで波
長0.808μmの安定化光源を20mWの出力で発振
させた。その結果ファラデー回転角は39.4度と全く
変化しなかったが,透過率は149%となり100%を
越えていた。以上の結果を下記表1に示した。
【0043】
【表1】
【0044】また波長0.808μmの半導体レーザを
発振させた状態で,パワーメータヘッドに達している光
を光スペクトラムアナライザにより,波長解析したとこ
ろ全て1.31μmの波長であり,波長0.808μm
をはじめ他の波長の光は全く存在していなかった。すな
わちこの試料は波長1.31μmの光に対するファラデ
ー回転子であり,しかもこの波長の光を波長0.808
μmの光で増幅できることが確認できた。すなわちこの
膜を波長1.31μmの光に対するファラデー回転角が
45.0度以上を示す厚さである1200μmの厚さま
で育成できれば増幅機能を持つ光アイソレータ用ファラ
デー回転子となるのだが1200μmの厚さまで育成を
試みたところクラックが多量に発生し,使用できなかっ
た。
【0045】以上,実施例を用いて本発明を説明した。
上記実施例には,希土類元素RがGd(ガドリニウム)
の場合のみを示している。しかしファラデー回転の起源
がBiにあり,増幅作用の起源がNdにあることは明か
であり,本発明の請求範囲に示される組成全般において
も波長1.31μmの光に対する光アイソレータ用ファ
ラデー回転子となり,しかもこの波長の光を波長0.8
08μmの光で増幅できることは明かである。
【0046】
【発明の効果】以上,説明したように,本発明によれ
ば,増幅作用を持つファラデー回転子と,それに用いる
磁気光学ガーネット,それを用いた光増幅素子とを提供
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る磁気光学ガーネットの測
定用光学系を示す図である。
【符号の説明】
1 第1の安定化光源(波長1.31μm) 2 第2の安定化光源(波長0.808μm) 3 光ファイバ 4 コリメートレンズ 5 プリズム 6 グラントムソンプリズム 7 磁界印加用円筒形磁石 8 試料 9a パワーメータヘッド 9 パワーメータ 11 フィルタ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 化学式;R3-X-Y BiX NdY Fe5
    12(但し,RはY,La,Sm,Gd,Tb,Dy,T
    m,Yb,Luで示される元素のうち少なくとも1種で
    あり,0.3≦X≦1.5,0.03≦Y≦0.3)で
    示されることを特徴とする磁気光学ガーネット。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の磁気光学ガーネットの単
    結晶板を備えたことを特徴とするファラデー回転素子。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の磁気光学ガーネットの単
    結晶板を備え,第1の波長の光と前記第1の波長と異な
    る第2の波長の光とを入力して,前記第1及び第2の波
    長の光の内のいずれか一方の光の強度を高めて出力する
    ことを特徴とする光増幅素子。
JP31657094A 1994-12-20 1994-12-20 磁気光学ガーネット,それを用いたファラデー回転素子,及び光増幅素子 Pending JPH08169799A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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