JP4400959B2 - ファラデー回転子用ガーネット結晶体、およびそれを有する光アイソレータ - Google Patents

ファラデー回転子用ガーネット結晶体、およびそれを有する光アイソレータ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光通信システムに使用される光学部品であって、ファラデー回転子用ガーネット結晶体を有する光アイソレータに関する。
【0002】
【従来の技術】
光通信システムで、半導体レーザ光源から発した伝送光が光学系を介して伝達される際、一部の光が途中の光学系の入射端面で反射して光源まで戻ると、通信障害を起こす。光アイソレータは、そのような戻り光を遮断するためにレーザと光学系との間に配置される光学部品であり、常磁性体のガーネット結晶体からなるファラデー回転子が偏光子と検光子とに挟まれ例えば筒状磁石の中に納められたものである。
【0003】
光アイソレータは、半導体レーザと一体化して用いられるので、▲1▼小型で半導体レーザ等の表面に直接装着が可能なこと、▲2▼ファラデー回転子の素子長が短いこと、▲3▼消光比の温度依存性が小さなこと、▲4▼光挿入損失の小さなことという条件を満足する必要がある。
【0004】
光アイソレータを小型化するために、ファラデー回転子の飽和磁化を低下させて、磁石を小さくすることが図られている。例えば、特開平9−185027号公報には、飽和磁化の小さい、安定した角型ヒステリシス特性を示すビスマス置換希土類鉄ガーネット結晶がファラデー回転子として開示されているが、低いファラデー回転能のためファラデー回転子の素子長が長くなるうえ、ファラデー回転角の温度依存性が大きい。特開平11−1394号公報には、飽和磁化が小さく、高いファラデー回転能を有し、ファラデー回転角の温度依存性が小さな低飽和ビスマス置換鉄ガーネット単結晶膜が開示されているが、ファラデー回転子の素子長が長い。
従来、前記条件を満足する小型な光アイソレータはなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は前記の課題を解決するためなされたもので、小型で直接装着が可能であり、消光比の温度依存性や光挿入損失が小さな、ファラデー回転子用のガーネット結晶体を有する光アイソレータを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するためになされた本発明の光アイソレータ、下記組成式
(Tb1-(a+b+c+d)LnaBibM1 cEud)3(Fe1-eM2 e)5O12
【0007】
式中、LnはLa、Pr、Gd、Dy、Ho、Tm、Yb、LuおよびYから選択される元素、M1はCa、Mg、Srから選択される元素、M2はAl、Ga、Sc、In、Ti、Si、Geから選択される元素である。a、b、c、d、eは、0≦a≦0.5、0.3<b≦0.6、0≦c≦0.02、0<3d0.1、0.01<e≦0.3である。)で示されるものであり、−40〜100℃の温度での飽和磁化を最大400ガウスとする性質を有するビスマス置換テルビウム鉄からなるファラデー回転子を有する光アイソレータであって、偏光子と該ファラデー回転子と検光子の順、または、偏光子と第1の該ファラデー回転子と検光子と第2の該ファラデー回転子の順、または、偏光子と第1の該ファラデー回転子と第1の検光子と第2の該ファラデー回転子と第2の検光子の順で配置され、それらの側面のうちの1面に磁石が載置されている。
光アイソレータは、前記ガーネット結晶体が、液相エピタキシャル法によって成長されたものであってもよい。また、前記ガーネット結晶体が、格子定数12.514±0.015Åのガーネットの基板上に、前記液相エピタキシャル法によって成長されたものであってもよい。
前記組成式中、LnはYで、0<a≦0.5であることが好ましい。
前記組成式中、a=0であってもよい。
前記組成式中、c=0であってもよい。
前記組成式中、M 2 はGaであってもよい。
【0008】
Lnは、TbとEu以外の希土類元素のなかでもLa、Pr、Gd、Dy、Ho、Tm、Yb、Luが好ましく、Yであると一層好ましい。このLnは各々異なったイオン半径を有しており、いずれかの元素がガーネット結晶体中に0≦a≦0.5の範囲内の適当量存在していると、液相エピタキシャル法によって成長するガーネット結晶体の格子定数を所望の範囲12.514±0.015Åにすることができる。
【0009】
Biは、ガーネット結晶体中の存在量に比例してファラデー回転能を向上させ、ファラデー回転子の素子長を短くする。ガーネット結晶体中に0.3<b≦0.6の範囲内で存在する必要があり、通常の光通信に用いられる1.55μmの波長でのファラデー回転係数を1050°/cm以上にすることができる。bが0.6を越えると、ガーネット結晶体の格子定数が所望の範囲から外れてしまう。
【0010】
M1で示されるCa、Mg、Srは、ガーネット結晶体の光透過率を高め、光挿入損失を小さくしている。
【0011】
Euは、ガーネット結晶体中に必須に含まれ、ガーネット結晶体の光透過率を高め、光挿入損失を小さくしている。
【0012】
M2はFeと置換し得るGa、Al、Sc、In、Ti、Si、Geである。Ga、Al、Sc、Inが存在すると、格子定数を所望の範囲内にするとともに、飽和磁束密度に関わっており飽和磁化を低下させる。ガーネット結晶体中の鉄が2価イオンである場合にTi、Si、Geが共存していると、Ca、Mg、Srの共存の場合と同様にガーネット結晶体の光透過率を高め、光挿入損失を小さくする。M2は、ガーネット結晶体中に0.01<e≦0.3の範囲で含まれ、この範囲を超えると、格子定数が所望範囲から外れるうえ、1.55μmの波長でのファラデー回転係数の絶対値が1000°/cm以下となり、ファラデー回転能が小さくなってしまう。
【0013】
格子定数12.514±0.015Åのガーネットの基板は、Nd非含有ガーネットからなることが好ましい。このような基板には、例えば、ガドリニウム・ガリウム・ガーネットにCa、Zr、Mgを添加し置換した組成式(CaGdMgZrGa)8O12で示されるガーネットの基板であるNOG(信越化学工業(株)の商品名)が挙げられる。Ndには1.55μm帯の光を吸収する性質がある。したがって、Nd3Ga5O12の組成式で示されるガーネット構造を有する基板NGG(信越化学工業(株)の商品名)上に液相エピタキシャル法により結晶を成長させる際、微細な破断片のNd3Ga5O12が溶融した原料に混入すると、成長しつつあるガーネット結晶体にNdが夾雑してしまう結果、ファラデー回転子の光挿入損失を大きくしてしまう。
【0014】
このガーネット結晶体は、飽和磁化の零となる補償温度が-50℃以下であり、-40〜100℃の温度での飽和磁化が400ガウス以下と小さいものである。
【0015】
光アイソレータ1は、図1に示すとおり、偏光子2と、このガーネット結晶体を有するファラデー回転子3と、検光子4とを有している。
【0016】
光アイソレータ1は、偏光子2−ファラデー回転子3−検光子4がこの順で配置され、それらの側面のうちの少なくとも1面に磁石5が載置されていることが好ましい。偏光子、ファラデー回転子、検光子、および磁石は、例えばシリコン系接着剤で貼り合わされている。磁石は厚み1mm以下の小型のものを用いることができる。
【0017】
光アイソレータは、偏光子−第1のファラデー回転子−検光子−第2のファラデー回転子、または、偏光子−第1のファラデー回転子−第1の検光子−第2のファラデー回転子−第2の検光子のいずれかの順で配置されていてもよい。光アイソレータが、第2のファラデー回転子、さらに第2の検光子を有していると、順方向から入射した光は通過させ、逆方向から入射した光は遮断する効果が一層強化される。
【0018】
光アイソレータは、通常-40〜100℃の温度範囲で用いられる。このガーネット結晶体は、この温度範囲での飽和磁化が小さく、飽和磁化の零となる補償温度がこの範囲より低く、さらにファラデー回転能が高い性質を有している。この結晶体からなるファラデー回転子を有する光アイソレータの消光比の温度依存性、光挿入損失は小さい。
【0019】
【実施例】
以下、本発明の実施例を詳細に説明する。
ガーネット結晶体は、以下のように液相エピタキシャル法により得られるものである。ガーネット成分原料であるTb4O7、Bi2O3、Eu2O3、Ga2O3、Fe2O3等と、フラックス成分原料であるB2OとPbO等とを白金るつぼ中で混合し、加熱して溶融物とし、この溶融物に、格子定数12.514±0.015Åのガーネット基板を侵せきし、基板を回転する。これにより、基板上に格子定数12.514±0.015Åのガーネット結晶体が成長する。
【0020】
得られたガーネット結晶体を基板から切り離し、両面を研磨して適宜な厚さにする。両面に無反射コートを施し、一方の面に偏光ガラス製の偏光子、他面に偏光ガラス製の検光子をシリコン系接着剤により貼り付ける。所定幅の角型断片に切断後、断片の側面すなわち切断面のうちの一面に磁石をシリコン系接着剤により貼り付けると、光アイソレータが得られる。
なお、偏光子、ファラデー回転子、および検光子は筒状磁石の中に納められていてもよい。
【0021】
本発明を適用するガーネット結晶体を用いた光アイソレータの試作例を、実施例1〜3に示す。また本発明を適用外のガーネット結晶体を用いた光アイソレータの例を、比較例1〜2に示す。
【0022】
(実施例1)
ガーネット結晶体の原料としてTb4O7を12.26g、Eu2O3を1.31g、Ga2O3を7.30g、Bi2O3を1036g、B2O3を35.40g、PbOを794g、白金るつぼに充填し、1040℃に加熱して溶融物とした後、790℃に維持した。格子定数12.501Åのガーネットを有する直径74mm、厚さ1.4mmの基板NOG(信越化学工業(株)の商品名)を溶融物表面に接触させ、回転しつつ結晶を成長させた。基板の両面に約0.51mmの厚さで、クラックのないガーネット結晶体が得られた。これを、プラズマ発光分析法により測定したところ、組成式がTb1.75Bi1.15Eu0.1Fe4.45Ga0.55O12で示されるガーネット結晶体であった。その格子定数をボンド法で測定したところ、12.500Åであった。
【0023】
基板面からガーネット結晶体を切り離し、その両面に鏡面研磨加工を施して0.37mmの厚さとした後、2mm四方に切断した。この両面に、SiO2とAl2O3とからなる2層の無反射コートを蒸着により施し、ファラデー回転子を試作した。
【0024】
このファラデー回転子を500エルステッド(Oe)の磁場強度の中に設置し波長1.55μmの直線偏光を透過させたところ、透過光の偏光面は45.0°回転した。ファラデー回転子の光挿入損失は0.05dBと小さかった。
【0025】
このファラデー回転角の温度係数(TCF)は、温度t1、t2におけるファラデー回転角θf(t1)、θf(t2)により、次式(1)で定義される。
TCF=(θf(t2)−θf(t1))/(t2−t1) (1)
【0026】
このファラデー回転角の温度依存性を‐40〜85℃まで調べたところ、θf(‐40℃)は‐47.2°、θf(25℃)は‐45°、θf(85℃)は‐41.0°であった。
【0027】
t1=-40℃、t2=85℃として(1)式よりファラデー回転角の温度係数を算出すると、0.050°/℃と小さかった。
【0028】
また、このガーネット結晶体の飽和磁化の温度依存性を-100〜100℃まで調べたところ、図2に示すように、磁化が零となる補償温度は-55℃であり、-40〜100℃において、飽和磁化4πMsは255ガウス以下と小さかった。
【0029】
別途、ガーネット結晶体の両面に鏡面研磨加工を施して光学面を平滑とし、0.37mmの厚さで、15mm四方に切断し、SiO2とAl2O3とからなる2層の無反射コートを施し、ファラデー回転子とした。ファラデー回転子の両面に厚さ30μmの偏光ガラスをシリコン系の接着剤により貼り合わせて、0.5mm幅の短冊状に切断し、片側の切断面に厚さ0.2mmの磁石をシリコン系の接着剤により貼り付けた。この長辺を0.7mm幅で切断し、光アイソレータを得た。この光アイソレータの波長1.55μmでの光挿入損失は0.15dBと小さく、-40〜85℃における消光比は25dB以上と大きかった。
【0030】
(実施例2)
原料として、Tb4O7を12.11g、Eu2O3を1.30g、Ga2O3を8.73g、Bi2O3を1166g、B2O3を29.90g、PbOを670g用いたことと、格子定数12.525Åのガーネットの基板NOG(信越化学工業(株)の商品名)を用いたこと以外は実施例1と同様にして液相エピタキシャル法により、ガーネット結晶体を試作したところ、基板の両面に約0.35mmの厚さで、クラックのないガーネット結晶体が得られた。このガーネット結晶体は、組成式がTb1.30Bi1.65Eu0.05Fe4.3Ga0.7O12であり、格子定数が12.523Åであった。0.28mmの厚さとしたこと以外は実施例1と同様にして、ファラデー回転子を試作した。ファラデー回転子を500エルステッド(Oe)の磁場強度の中に設置し波長1.55μmの直線偏光を透過させたところ、透過光の偏光面は45.0°回転した。ファラデー回転子の光挿入損失は0.04dBと小さかった。
【0031】
このファラデー回転角の温度依存性を‐40〜85℃まで調べたところ、θf(‐40℃)は‐47.4°、θf(25℃)は‐45°、θf(85℃)は‐40.9°であり、t1=-40℃、t2=85℃として算出したときのファラデー回転角の温度係数は、0.052°/℃と小さかった。
【0032】
このガーネット結晶体の飽和磁化の温度依存性を-100〜100℃まで調べたところ、図2に示すように、磁化が零となる補償温度は-83℃であり、-40〜100℃において、飽和磁化4πMsは230ガウス以下と小さかった。
【0033】
このガーネット結晶体の両面に鏡面研磨加工を施して光学面を平滑とし、厚さを0.29mmにしたこと以外は、実施例1と同様にして、光アイソレータを得た。1.55μmの波長で、この光アイソレータのおける光挿入損失は0.14dBと小さく、-40〜85℃における消光比は25dB以上と大きかった。
【0034】
(実施例3)
原料として、Tb4O7を9.39g、Eu2O3を1.29g、Ga2O3を9.32g、Y2O3を1.66g、Bi2O3を1166g、B2O3を29.9g、PbOを670g用いたことと、ガーネットの格子定数12.517Åの基板NOG(信越化学工業(株)の商品名)を用いたこと以外は実施例1と同様にして液相エピタキシャル法により、ガーネット結晶体を試作したところ、基板の両面に約0.4mmの厚さで、クラックのないガーネット結晶体が得られた。このガーネット結晶体は、組成式がTb0.9Bi1.6Eu0.1Y0.4Fe4.15Ga0.85O12であり、格子定数が12.514Åであった。0.33mmの厚さとしたこと以外は実施例1と同様にして、ファラデー回転子を試作した。ファラデー回転子を500エルステッド(Oe)の磁場強度の中に設置し波長1.55μmの直線偏光を透過させたところ、透過光の偏光面は45.0°回転した。ファラデー回転子の光挿入損失は0.04dBと小さかった。
【0035】
このファラデー回転角の温度依存性を‐40〜85℃まで調べたところ、θf(‐40℃)は‐47.2°、θf(25℃)は‐45°、θf(85℃)は‐40.9°であり、t1=-40℃、t2=85℃として算出したときのファラデー回転角の温度係数は、0.052°/℃と小さかった。
【0036】
このガーネット結晶体の飽和磁化の温度依存性を-100〜100℃まで調べたところ、図2に示すように、磁化が零となる補償温度は-93℃であり、-40〜100℃において、飽和磁化4πMsは180ガウス以下と小さかった。
【0037】
このガーネット結晶体の両面に鏡面研磨加工を施して光学面を平滑とし、厚さを0.31mmにしたこと以外は、実施例1と同様にして、光アイソレータを得た。1.55μmの波長で、この光アイソレータのおける光挿入損失は0.14dBと小さく、-40〜85℃における消光比は25dB以上と大きかった。
【0038】
(比較例1)
原料として、Tb4O7を14.00g、Ga2O3を7.30g、Bi2O3を1036g、B2O3を35.40g、PbOを794g用いたことと、格子定数12.501Åのガーネットの基板NOG(信越化学工業(株)の商品名)を用いたこと以外は実施例1と同様にして液相エピタキシャル法により、ガーネット結晶体を試作したところ、基板の両面に約0.51mmの厚さのガーネット結晶体が得られた。このガーネット結晶体は、組成式がTb1.85Bi1.15Fe4.45Ga0.55O12であり、格子定数が12.500Åであった。0.37mmの厚さとしたこと以外は実施例1と同様にして、ファラデー回転子とした。ファラデー回転子を500エルステッド(Oe)の磁場強度の中に設置し波長1.55μmの直線偏光を透過させたところ、透過光の偏光面は45.0°回転した。しかしファラデー回転子の光挿入損失は0.12dBと大きかった。
【0039】
(比較例2)
原料として、Tb4O7を9.39g、Eu2O3を1.29g、Ga2O3を10.25g、Y2O3を1.66g、Bi2O3を1166g、B2O3を29.9g、PbOを670g用いたことと、格子定数が12.509ÅでありNdを含むガーネットの基板NGG(信越化学工業(株)の商品名)を用いたこと以外は実施例1と同様にして液相エピタキシャル法により、ガーネット結晶体を試作したところ、基板の両面に約0.4mmの厚さのガーネット結晶体が得られた。このガーネット結晶体は、組成式がTb0.9Bi1.6Eu0.1Y0.38Nd0.02Fe4.0Ga1.0O12であり、格子定数が12.510Åであった。0.33mmの厚さとしたこと以外は実施例1と同様にして、ファラデー回転子とした。ファラデー回転子を500エルステッド(Oe)の磁場強度の中に設置し波長1.55μmの直線偏光を透過させたところ、透過光の偏光面は45.0°回転した。しかし、ファラデー回転子単体の光挿入損失は0.12dBと大きかった。
【0040】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように本発明のファラデー回転子用のガーネット結晶体は、飽和磁化が零となる補償温度が−50℃以下であり、動作温度範囲の−40〜100℃で飽和磁化が400ガウス以下と小さいため、小さな磁石による微弱な磁界で飽和される。ファラデー回転係数が1050°/cm以上と大きいことから素子長が短くできる。そのため、この結晶体からなるファラデー回転子を有する光アイソレータは、小型化でき、半導体レーザ等の表面に直接装着が可能である。光アイソレータは、1.55μmの波長での消光比が25dB以上と大きく、光挿入損失が0.1dB以下と小さい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用する光アイソレータの実施例を示す斜視図である。
【図2】本発明を適用するファラデー回転子に用いられるガーネット結晶体の飽和磁化と、温度との相関を示す図である。
【符号の説明】
1は光アイソレータ、2は偏光子、3はファラデー回転子、4は検光子、5は磁石である。

Claims (6)

  1. 下記組成式
    (Tb 1-(a+b+c+d) Ln a Bi b M 1 c Eu d ) 3 (Fe 1-e M 2 e ) 5 O 12
    (式中、Lnは、La、Pr、Gd、Dy、Ho、Tm、Yb、LuおよびYから選択される元素、M 1 はCa、Mg、Srから選択される元素、M 2 はAl、Ga、Sc、In、Ti、Si、Geから選択される元素、0≦a≦0.5、0.3<b≦0.6、0≦c≦0.02、0<3d≦0.1、0.01<e≦0.3)で示されるものであり、−40〜100℃の温度での飽和磁化を最大400ガウスとする性質を有するビスマス置換テルビウム鉄ガーネット結晶体からなるファラデー回転子を有する光アイソレータであって、偏光子と該ファラデー回転子と検光子の順、または、偏光子と第1の該ファラデー回転子と検光子と第2の該ファラデー回転子の順、または、偏光子と第1の該ファラデー回転子と第1の検光子と第2の該ファラデー回転子と第2の検光子の順で配置され、それらの側面のうちの1面に磁石が載置されていることを特徴とする光アイソレータ。
  2. 前記組成式中、LnはYで、0<a≦0.5であることを特徴とする請求項1に記載の光アイソレータ。
  3. 前記組成式中、a=0であることを特徴とする請求項1に記載の光アイソレータ。
  4. 前記組成式中、c=0であることを特徴とする請求項1に記載の光アイソレータ。
  5. 前記組成式中、M 2 はGaであることを特徴とする請求項1に記載の光アイソレータ。
  6. 前記ガーネット結晶体が、液相エピタキシャル法によって成長されていることを特徴とする請求項1に記載の光アイソレータ。
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