JPH08169705A - 濃硫酸の白濁防止方法 - Google Patents

濃硫酸の白濁防止方法

Info

Publication number
JPH08169705A
JPH08169705A JP33405294A JP33405294A JPH08169705A JP H08169705 A JPH08169705 A JP H08169705A JP 33405294 A JP33405294 A JP 33405294A JP 33405294 A JP33405294 A JP 33405294A JP H08169705 A JPH08169705 A JP H08169705A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sulfuric acid
concentrated sulfuric
oxidizing agent
impurities
present
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP33405294A
Other languages
English (en)
Inventor
Keisuke Utani
啓介 宇谷
Mitsugi Fujiwara
貢 藤原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Seika Chemicals Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Seika Chemicals Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Seika Chemicals Co Ltd filed Critical Sumitomo Seika Chemicals Co Ltd
Priority to JP33405294A priority Critical patent/JPH08169705A/ja
Publication of JPH08169705A publication Critical patent/JPH08169705A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Inorganic Compounds Of Heavy Metals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 ろ過操作等の煩雑な操作を必要としない工業
的に簡易かつ安価な濃硫酸の白濁防止方法、及び、白濁
増加抑制方法を提供する。 【構成】 不純物を含有する濃硫酸の白濁防止方法にお
いて、前記濃硫酸中に酸化剤を添加する濃硫酸の白濁防
止方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、濃硫酸の白濁防止方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】濃硫酸には、銅、亜鉛、鉛等の非鉄金属
精錬の焙焼過程で発生する亜硫酸ガスを原料として製造
されるものがある。この濃硫酸には、有機化合物等の不
純物が含まれているので着色しており、これらは、過酸
化水素等の酸化剤を添加して脱色されている。
【0003】しかしながら、上記酸化剤による脱色方法
においては、濃硫酸中の着色成分であるハイドロカーボ
ンの化学当量に対して、過剰量の酸化剤、例えば、過酸
化水素を添加するものであるが、未反応の過酸化水素が
残留することとなる。その際、残留過酸化水素によっ
て、濃硫酸中の2価の鉄イオン塩は3価の鉄イオン塩に
酸化され、生成した硫酸第二鉄が後述する理由で不溶性
の塩を生じさせることにより白濁の原因となっていた。
【0004】特開平3−141106号公報には、濃硫
酸中に硫酸第一鉄、鉄粉末等を還元剤として添加して過
酸化水素を完全に分解し、生成した3価の鉄イオン塩を
ろ過することにより白濁を除去する技術が開示されてい
る。しかしながら、この方法は、ろ過等の煩雑な操作が
必要であり、また、長時間の放置により再び白濁が進行
する等の実用面での問題があって、工業的に簡易かつ安
価である濃硫酸の白濁防止方法は、未だ見い出されてい
ないのが現状であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、濃硫
酸の白濁防止方法及び白濁の増加抑制方法として、工業
的に簡易かつ安価な方法を提供することにある。とりわ
け、ろ過操作等の煩雑な操作を必要としない白濁防止方
法の提供にある。本発明者らは、上記問題を解決すべく
鋭意検討を重ね、先ず白濁の生成原因について検討し
た。
【0006】
【課題を解決するための手段】濃硫酸の白濁は、濃硫酸
中に含まれる硫酸第一鉄と硫酸第二鉄とが加熱下で相互
に作用して不溶性の白濁物質が生成することに起因して
いる。このことは、試薬濃硫酸中に、試薬を用いて調製
した硫酸第一鉄溶液及び硫酸第二鉄溶液を添加し、80
〜100℃に加熱すると不溶性の白濁物質が生成するこ
とからも明白である。即ち、濃硫酸中の全鉄イオン濃度
が一定の場合においても、硫酸第一鉄と硫酸第二鉄との
モル比が違うと、白濁の程度即ち、白濁物質の生成量は
大きく異なる。とりわけ、硫酸第一鉄単独、又は、硫酸
第二鉄単独では、白濁を生成することがないので、濃硫
酸中に含有される微量の硫酸第一鉄を硫酸第二鉄に酸化
すれば、白濁の生成が抑制されることとなる。
【0007】従来の白濁防止方法は、硫酸第一鉄を過剰
に添加し、濃硫酸中の硫酸第二鉄を不溶性の白濁物質と
した後にこれをろ過分離し、濃硫酸中に存在する鉄イオ
ン塩を硫酸第一鉄として存在するもののみとする濃硫酸
の白濁防止方法であったのに対し、本発明は、濃硫酸中
に酸化剤を添加し、硫酸第一鉄を酸化し、濃硫酸中に存
在する鉄イオン塩を硫酸第二鉄として存在するもののみ
とするものである。
【0008】本発明の白濁防止方法は、不純物を含有す
る濃硫酸を対象とする。上記不純物を含有する濃硫酸と
しては、例えば、銅、亜鉛、鉛等の非鉄金属精錬の焙焼
過程で発生する亜硫酸ガスを原料として製造されるもの
等を挙げることができる。これらの濃硫酸が含有する不
純物としては、例えば、鉱石中に含有されていた有機
物、転炉においてスクラップ等の処理中に混入する有機
物、油類等のほか、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄等を挙げる
ことができる。
【0009】上記不純物を含有する濃硫酸は、通常、酸
化剤を添加して脱色して使用されている。上記脱色に使
用する酸化剤としては、例えば、過酸化水素、過マンガ
ン酸カリウム等を挙げることができる。これらの酸化剤
を添加して脱色された濃硫酸も、本発明の白濁防止方法
の対象となる。
【0010】本発明の濃硫酸の白濁防止方法において
は、上記不純物を含有する濃硫酸中に酸化剤を添加す
る。上記酸化剤としては、硫酸第一鉄を硫酸第二鉄に酸
化することができ、上記濃硫酸中で安定して存在するも
のが使用され、例えば、硝酸イオン、亜硝酸イオン等が
挙げられる。過酸化水素等は、不安定であり、分解され
て酸化力がなくなった時点で白濁が生じるので、本発明
の方法には適当でない。上記酸化剤は、濃硫酸中に1〜
100ppm添加するのが好ましい。
【0011】上記酸化剤として硝酸イオンを用いる場
合、上記硝酸イオンの添加量は、上記濃硫酸中に存在す
る硫酸第一鉄に対して1/3当量、又は、やや過剰量が
好ましい。上記酸化剤として亜硝酸イオンを用いる場
合、上記亜硝酸イオンの添加量は、上記濃硫酸中に存在
する硫酸第一鉄に対して当量又はやや過剰量が好まし
い。
【0012】本発明の方法を実施すると、濃硫酸中に存
在する硫酸第一鉄と硫酸第二鉄とのモル比に関係なく白
濁の生成が防止でき、更に濃硫酸を長時間保存する場合
の白濁生成も抑制できる。本発明は、従来技術に比べ
て、ろ過等の煩雑な操作の必要がなく、硫酸第一鉄の酸
化による再白濁の心配がなく、ろ過分離前の白濁物質生
成工程も不要であるので、工程が簡易であり処理時間を
必要としない等の利点が多い。
【0013】通常の濃硫酸は、数ppm〜数十ppmの
窒素酸化物を含有している。本発明は、酸化剤の添加量
が1〜100ppm程度と少量で済むので、酸化剤以外
の添加剤を用いる場合に比べて他の成分の混入がないた
め濃硫酸の品質を低下させる要因が少なく、濃硫酸の品
質を高く保つことができる。
【0014】通常濃硫酸中には、硝酸イオンが不純物と
して数10ppm程度で含まれており、同時に、濃硫酸
中に存在する鉄イオン塩の大部分は、脱色工程で添加さ
れた過酸化水素等により酸化されて硫酸第二鉄として存
在する。従って、酸化剤として硝酸イオンを用いる場合
には、微量存在する硫酸第一鉄に対して1/3当量か又
はやや過剰量の添加で十分であるので、濃硫酸中の不純
物の含有量を増加させることがなく、濃硫酸の品質低下
が避けられる。
【0015】
【実施例】以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるもの
ではない。
【0016】実施例1 試薬硫酸に、試薬の硫酸第一鉄と硫酸第二鉄とを用いて
調製した硫酸第一鉄溶液及び硫酸第二鉄を加え、更に、
これに硝酸溶液及びイオン交換水を添加して、硫酸濃度
98.35%、全鉄イオン濃度40ppmとした。それ
ぞれのイオン濃度を表1に示した。85℃のウオーター
バス中で2時間反応させ、その後、10mmセルを用い
て日立製作所社製U−3000型分光光度計で透過率を
測定した。
【0017】比較例1 硝酸溶液を添加しなかったこと以外は、実施例1と同様
に操作し透過率を測定した。実施例1、比較例1の測定
結果を表1に示した。表1から明らかなように、実施例
1では、98〜99%の透過率を示したのに対して、比
較例1では、24〜32%となり、硝酸イオンの添加に
よる白濁防止効果が確認された。
【0018】実施例2 試薬硫酸に、試薬の硫酸第二鉄を用いて調製した硫酸第
二鉄溶液を加え、これに硝酸溶液及びイオン交換水を添
加して、硫酸濃度98.35%、第二鉄イオン濃度40
ppmとした後、比較例1の実験No.2で得た白濁硫
酸を5%の比率で加え、85℃のウオーターバス中で2
時間加熱させた後、透過率を測定した。
【0019】比較例2 硝酸溶液を添加しなかったこと以外は、実施例2と同様
に操作し透過率を測定した。実施例2、比較例2の測定
結果を表2に示した。表2から明らかなように、実施例
2では、93%の透過率を示したのに対して、比較例2
では、29%となり、硝酸イオンの添加による白濁の進
行抑制効果が確認された。なお、実施例2において、加
熱前の透過率は、94%であった。また、20時間加熱
した後における透過率は、93%で2時間経過後と変化
なかった。
【0020】実施例3 亜鉛精錬の焙焼工程で発生する亜硫酸ガスを原料として
製造した着色硫酸に、過酸化水素水を加えて脱色した硫
酸(硫酸濃度98.25%、鉄イオン濃度36ppm、
窒素酸化物1ppm以下、残存過酸化水素濃度50pp
m、透過率98%)に、硝酸イオン10ppmを添加
し、45℃の恒温槽内で14日間放置した後、再び、透
過率を測定した結果は、98%で変化が認められなかっ
た。 比較例3 硝酸イオンを添加しなかったこと以外は、実施例3と同
様に操作し、透過率を測定したところ38%であり、強
く白濁した。
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】
【発明の効果】本発明の濃硫酸の白濁防止方法は上述の
構成よりなるので、簡易かつ安価に濃硫酸の白濁が防止
でき、高品位の濃硫酸製造に好適に利用できる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不純物を含有する濃硫酸の白濁防止方法
    において、前記濃硫酸中に酸化剤を添加することを特徴
    とする濃硫酸の白濁防止方法。
  2. 【請求項2】 不純物を含有する濃硫酸が、酸化剤を添
    加して脱色されたものである請求項1記載の濃硫酸の白
    濁防止方法。
  3. 【請求項3】 濃硫酸中に酸化剤を添加することが、濃
    硫酸中に硝酸イオンを添加することである請求項1記載
    の濃硫酸の白濁防止方法。
  4. 【請求項4】 濃硫酸中に酸化剤を添加することが、濃
    硫酸中に硝酸を添加することである請求項1記載の濃硫
    酸の白濁防止方法。
  5. 【請求項5】 酸化剤の添加量が、1〜100ppmで
    ある請求項1記載の濃硫酸の白濁防止方法。
JP33405294A 1994-12-16 1994-12-16 濃硫酸の白濁防止方法 Pending JPH08169705A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33405294A JPH08169705A (ja) 1994-12-16 1994-12-16 濃硫酸の白濁防止方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33405294A JPH08169705A (ja) 1994-12-16 1994-12-16 濃硫酸の白濁防止方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08169705A true JPH08169705A (ja) 1996-07-02

Family

ID=18272978

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP33405294A Pending JPH08169705A (ja) 1994-12-16 1994-12-16 濃硫酸の白濁防止方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08169705A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008170243A (ja) * 2007-01-11 2008-07-24 Sumitomo Metal Mining Co Ltd 転化器廃熱ボイラーチューブの破損発見方法。

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008170243A (ja) * 2007-01-11 2008-07-24 Sumitomo Metal Mining Co Ltd 転化器廃熱ボイラーチューブの破損発見方法。

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Caughey et al. The Stability of Metalloetioporphyrins toward Acids1
JPH08169705A (ja) 濃硫酸の白濁防止方法
US5279743A (en) Process of using chloric acid to separate zinc oxide and manganese oxide
US4053562A (en) Production of alkali metal phosphate solutions of low vanadium content
US3966880A (en) Method for producing alkali metal gold sulfite
JPH028963B2 (ja)
CN108754179B (zh) 一种氧化预处理含锌二次物料的方法
US4434146A (en) Scrubbing of hydrogen sulphide using pH control to control thiosulfate formation
JP2923757B2 (ja) 6価セレンの還元方法
JPS6214018B2 (ja)
SU1677076A1 (ru) Способ очистки цинковых растворов от хлора
JP2535882B2 (ja) 精製リン酸中の溶解有機物の除去法
GB2246561A (en) Aqueous ferric sulphate solutions
JP2852692B2 (ja) 亜鉛を含むメッキ液からの鉄の除去方法
JPS5884123A (ja) リン酸溶液からのウラニウムの選択的回収方法
SU531073A1 (ru) Способ раздельного определени соединений свинца
BE1001781A6 (fr) Procede de traitement de matieres contenant des metaux lourds par lixiviation acide.
JPH05105451A (ja) 三価クロムあるいは六価クロムもしくは両者が混在するクロム含有組成物より高純度のクロム(vi)酸溶液を製造する方法
JPH0798647B2 (ja) 濃硫酸の脱硝・脱色方法
Musgrave et al. The kinetics of the oxidation of picric acid by potassium permanganate in aqueous solution
RU1798324C (ru) Способ обработки осадков сточных вод гальванических производств
RU1801139C (ru) Способ переработки молибденовых огарков
SU870474A1 (ru) Способ очистки цинковых растворов от примесей
RU1838436C (ru) Способ извлечени золота из золотосодержащих отходов
KR820000072B1 (ko) 진한 황산의 탈수은 방법