JPH08169351A - 駆動装置 - Google Patents

駆動装置

Info

Publication number
JPH08169351A
JPH08169351A JP31509294A JP31509294A JPH08169351A JP H08169351 A JPH08169351 A JP H08169351A JP 31509294 A JP31509294 A JP 31509294A JP 31509294 A JP31509294 A JP 31509294A JP H08169351 A JPH08169351 A JP H08169351A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
steering
output shaft
shaft
driving force
auxiliary driving
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP31509294A
Other languages
English (en)
Inventor
Akira Hasegawa
晃 長谷川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP31509294A priority Critical patent/JPH08169351A/ja
Publication of JPH08169351A publication Critical patent/JPH08169351A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Power Steering Mechanism (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 入力軸の駆動力を出力軸へ伝達して駆動させ
ることができると共にこれに迅速に追従して補助駆動力
を出力軸に付与することができ、かつこれを簡単で小型
軽量の構造により実現できる駆動装置を得る。 【構成】 駆動装置としての操舵装置10では、操舵軸
18はベルト26を介して転舵棒14に連結されてい
る。転舵棒14の摩擦板46は、一定方向に回転する無
端ベルト44を挟持する状態で対向している。操舵軸1
8の操舵により転舵棒14が駆動される際には、ベルト
26に作用する張力の分力により転舵棒14が軸線周り
の回転され、摩擦板46が無端ベルト44に圧接し、ア
シスト力が転舵棒14に付与されて操舵軸18の操舵力
が軽減される。この場合、操舵軸18の操舵に追従して
摩擦板46が無端ベルト44に圧接されるため、アシス
ト力が付与されるタイミングに遅れがなく迅速に作動さ
れ、構造も簡単になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は例えば車両用の操舵装置
に用いて好適な駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】入力軸の駆動力を出力軸へ伝達して駆動
させる駆動装置として、例えば車両の操舵装置が挙げら
れる。ここで、車両の操舵装置のうち、パワーアシスト
付きの操舵装置(所謂、パワーステアリング装置)が一
般的に知られている。(一例として、実公平5−377
41号公報)。
【0003】この操舵装置では、ラックアンドピニオン
から成るかじ取り機構に加えて、操舵補助力(アシスト
力)を発生するモータを備えている。このモータは、ラ
ック軸と同軸的に配置されており、回転軸を食違い歯車
機構を介してラック軸に連結した構成となっている。ハ
ンドルが操舵されると、この操舵トルクに基づいてモー
タが駆動され、モータの駆動トルクがラック軸に伝達さ
れて操舵補助力が得られるようになっている。このよう
な操舵装置では、ラック軸の径方向に部品が突出配置さ
れることがなく小型化を図ることができる等の利点があ
る。
【0004】しかしながら、前記公報に示された従来の
パワーアシスト付き操舵装置では、ハンドルを左右に操
舵した場合に、モータも反転駆動されるが、モータの慣
性力によって迅速な反転駆動が困難であり、ハンドル操
舵に対応する追従性が悪い欠点があった。また、前記従
来のパワーアシスト付き操舵装置では、ラック軸と同軸
的に配置されたモータやモータの駆動トルクをラック軸
に伝達するための食違い歯車機構が複雑であり、部品点
数が多く、依然として小型軽量化及び低コスト化を阻害
する原因が残存していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事実を考
慮し、入力軸の駆動力を出力軸へ伝達して駆動させるこ
とができると共に入力軸の駆動に迅速に追従して補助駆
動力を出力軸へ付与して入力軸の駆動力を軽減すること
ができ、かつこれを簡単で小型軽量の構造より実現する
ことができる駆動装置を得ることが目的である。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明の駆
動装置は、入力軸と、軸線周りに回転可能な出力軸と、
前記入力軸に巻装されると共に前記出力軸の軸線方向お
よび径方向に離間した位置で前記出力軸に連結され、前
記入力軸の駆動力を前記出力軸へ伝達して軸線方向に駆
動させる可撓性長尺体と、前記出力軸と直交する回転軸
を有し、一定方向に回転して補助駆動力を発生する補助
駆動力発生手段と、前記出力軸の軸線周りの回転に伴っ
て前記補助駆動力発生手段に係合可能に配置され、前記
係合状態では前記補助駆動力発生手段の前記補助駆動力
を前記出力軸へ伝達する前記出力軸に固定された動力伝
達手段と、を備えている。
【0007】請求項2に係る発明の駆動装置は、請求項
1記載の駆動装置において、前記入力軸はハンドルが取
り付けられる操舵軸とされ、前記出力軸は左右のナック
ルアームに連結されて転舵輪を転舵するための転舵棒と
され、前記可撓性長尺体は前記転舵棒に連結されたベル
トとされ、前記補助駆動力発生手段は前記回転軸によっ
て回転される無端ベルトとされ、前記動力伝達手段は前
記無端ベルトから所定距離離間し無端ベルトを挟持する
状態で配置された摩擦板とされる、ことを特徴としてい
る。
【0008】請求項3に係る発明の駆動装置は、出力軸
と噛み合って配置され駆動力を前記出力軸へ伝達して軸
線方向に駆動させる共に、前記出力軸の軸線方向に沿っ
て移動可能な入力軸と、前記出力軸に対し軸線周りに相
対回転可能でかつ軸線方向に相対移動が阻止された状態
で前記出力軸の外周に配置され、一定方向に回転して補
助駆動力を発生する補助駆動力発生手段と、前記補助駆
動力発生手段に接触すると共に前記入力軸に連結され、
前記補助駆動力発生手段の回転方向に対する接触状態
が、前記出力軸の軸線方向に沿った前記入力軸の移動に
応じて変化することにより前記補助駆動力発生手段の前
記補助駆動力を前記出力軸へ付与する動力付与手段と、
を備えている。
【0009】請求項4に係る発明の駆動装置は、請求項
3記載の駆動装置において、前記出力軸はラックギヤが
設けられると共に左右のナックルアームを連結し転舵輪
を転舵するための転舵棒とされ、前記入力軸は前記ラッ
クに噛み合うピニオンが設けられると共にハンドルが取
り付けられた操舵軸とされ、前記補助駆動力発生手段は
回転ドラムとされ、前記動力付与手段は前記回転ドラム
に接触し回転ドラムの軸線方向移動力を発生する接触手
段とされる、ことを特徴としている。
【0010】請求項5に係る発明の駆動装置は、出力軸
と噛み合って配置され駆動力を前記出力軸へ伝達して軸
線方向に駆動させると共に、前記出力軸の軸線方向に沿
って移動可能な入力軸と、前記出力軸に接触可能に配置
され、一定方向に回転して補助駆動力を発生する補助駆
動力発生手段と、前記補助駆動力発生手段に係合可能で
かつ前記入力軸に連結され、前記出力軸の軸線方向に沿
った前記入力軸の移動に応じて前記補助駆動力発生手段
を前記出力軸に圧接させることにより前記補助駆動力発
生手段の前記補助駆動力を前記出力軸へ付与する動力付
与手段と、を備えている。
【0011】請求項6に係る発明の駆動装置は、請求項
5記載の駆動装置において、前記出力軸はラックギヤが
設けられると共に左右のナックルアームに連結されて転
舵輪を転舵するための転舵棒とされ、前記入力軸は前記
ラックに噛み合うピニオンが設けられると共にハンドル
が取り付けられた操舵軸とされ、前記補助駆動力発生手
段は可撓性を有する回転ディスクとされ、前記動力付与
手段は、前記回転ディスクに対応して固定配置された一
対のカム板と前記操舵軸に連結され前記カム板にそれぞ
れ係合することにより前記回転ディスクを押圧して弾性
変形させる一対のローラとされる、ことを特徴としてい
る。
【0012】
【作用】請求項1記載の駆動装置では、入力軸の駆動力
は可撓性長尺体を介して出力軸へ伝達されて、出力軸が
軸線方向に駆動される。
【0013】ここで、入力軸の駆動力により可撓性長尺
体に張力が作用するが、可撓性長尺体は出力軸の軸線方
向および径方向に離間した位置で出力軸に連結されてい
るため、前記可撓性長尺体に作用する張力によって出力
軸に軸線周りの回転モーメントが発生し、出力軸が軸線
周りに回転される。これにより、出力軸に固定された動
力伝達手段が補助駆動力発生手段に係合し、補助駆動力
発生手段が発生する補助駆動力が動力伝達手段を介して
出力軸へ伝達される。したがって、入力軸の駆動力が軽
減される。
【0014】この場合、入力軸の駆動にそのまま連動し
て動力伝達手段が補助駆動力発生手段に係合するため、
動力伝達手段が補助駆動力発生手段に係合するタイミン
グに遅れがなく、即座に補助駆動力が出力軸へ伝達され
る。したがって、入力軸の駆動に迅速に追従して補助駆
動力を出力軸へ付与して入力軸の駆動力を軽減すること
ができる。さらに、出力軸へ付与される補助駆動力は入
力軸の駆動力に比例して増減するため、サーボ機構とし
て作動させることができる。
【0015】このように、請求項1記載の駆動装置で
は、入力軸の駆動力を出力軸へ伝達して駆動させること
ができると共に入力軸の駆動に迅速に追従して補助駆動
力を出力軸へ付与して入力軸の駆動力を軽減することが
でき、かつこれを簡単で小型軽量の構造より実現するこ
とができる。
【0016】請求項2記載の駆動装置では、操舵軸の操
舵力はベルトを介して転舵棒へ伝達されて、転舵棒が軸
線方向に駆動され転舵輪が転舵される。
【0017】ここで、操舵軸の操舵力によりベルトに張
力が作用するが、ベルトは転舵棒の軸線方向および径方
向に離間した位置で転舵棒に連結されているため、前記
ベルトに作用する張力によって転舵棒に軸線周りの回転
モーメントが発生し、転舵棒が軸線周りに回転される。
これにより、転舵棒に固定された摩擦板が回転する無端
ベルトに圧接係合し、無端ベルトの回転力が摩擦板を介
して補助駆動力として転舵棒へ伝達される。したがっ
て、操舵軸の操舵力が軽減される。
【0018】このように、操舵軸の操舵力はベルトを介
して転舵棒へ伝達されるため、従来のラックアンドピニ
オン式の操舵装置の如きギヤの噛み合い部分が無く、こ
のため異音の発生を防止できる。また、従来のラックア
ンドピニオン式の操舵装置におけるラックガイド等が不
要となり、このため転舵棒の支持剛性を左右で均等にす
ることができ、右操舵時と左操舵時との操縦性、安定性
に左右差を生じることが無くなる。さらに、ラックギヤ
やピニオンギヤの製造のための煩雑な工程を必要としな
いため、コストの低減を図ることができる。
【0019】さらに、請求項2記載の駆動装置では、操
舵軸の操舵にそのまま連動して摩擦板が回転する無端ベ
ルトに圧接係合するため、摩擦板が無端ベルトに係合す
るタイミングに遅れがなく、即座に補助駆動力が転舵棒
へ伝達される。したがって、操舵軸の操舵に迅速に追従
して補助駆動力を転舵棒へ付与して操舵軸の操舵力を軽
減することができる。さらに、転舵棒へ付与される補助
駆動力は操舵軸の操舵力に比例して増減するため、従来
の油圧式や電気式のパワーステアリング装置と同様にサ
ーボ機構として作動させることができる。
【0020】このように、請求項2記載の駆動装置で
は、操舵軸の操舵力を転舵棒へ伝達して駆動させること
ができると共に操舵軸の操舵に迅速に追従して補助駆動
力を転舵棒へ付与して操舵軸の操舵力を軽減することが
でき、かつこれを簡単で小型軽量の構造より実現するこ
とができる。
【0021】請求項3記載の駆動装置では、入力軸の駆
動力がこれと噛み合う出力軸へ伝達されて、出力軸が軸
線方向に駆動される。
【0022】ここで、入力軸の駆動直後においては、出
力軸の抵抗が大きいため出力軸は不動であり、このため
入力軸が出力軸の軸線方向に沿って相対移動する。これ
により、入力軸に連結された動力付与手段が移動され
て、補助駆動力発生手段の回転方向に対する接触状態が
変化される。この動力付与手段の接触状態の変化によっ
て、補助駆動力発生手段の補助駆動力が出力軸へ付与さ
れる。したがって、入力軸の駆動力が軽減される。
【0023】この場合、入力軸の駆動にそのまま連動し
て動力付与手段の接触状態が変化するため、補助駆動力
が出力軸へ付与されるタイミングに遅れがなく、即座に
補助駆動力が出力軸へ伝達される。したがって、入力軸
の駆動に迅速に追従して補助駆動力を出力軸へ付与して
入力軸の駆動力を軽減することができる。さらに、出力
軸へ付与される補助駆動力は、動力付与手段の接触状態
(補助駆動力発生手段の回転方向に対する接触状態)の
変化すなわち入力軸の駆動力に比例して増減するため、
サーボ機構として作動させることができる。
【0024】このように、請求項3記載の駆動装置で
は、入力軸の駆動力を出力軸へ伝達して駆動させること
ができると共に入力軸の駆動に迅速に追従して補助駆動
力を出力軸へ付与して入力軸の駆動力を軽減することが
でき、かつこれを簡単で小型軽量の構造より実現するこ
とができる。
【0025】請求項4記載の駆動装置では、操舵軸のピ
ニオンは転舵棒のラックギヤに噛み合って連結されてお
り、また、接触手段は回転ドラムの軸線方向中間部に位
置している。操舵軸が操舵されると、操舵軸の操舵力は
ピニオン及びラックギヤを介して転舵棒へ伝達されて、
転舵棒が軸線方向に駆動され転舵輪が転舵される。
【0026】ここで、操舵軸の操舵直後においては、転
舵棒(すなわち、タイヤ側)の抵抗が大きいため転舵棒
は不動であり、このため操舵軸が転舵棒の軸線方向に沿
って相対移動する。これにより、操舵軸に連結された接
触手段が移動されて、回転ドラムの回転方向に対する接
触状態(接触角)が変化(偏向)される。この接触手段
の接触状態の変化によって接触手段に発生する回転ドラ
ムの軸線方向移動力が回転ドラムに作用し、さらに回転
ドラムは転舵棒に対し軸線方向相対移動が阻止されてい
るため、回転ドラムに作用した軸線方向移動力は補助駆
動力として転舵棒へ付与される。したがって、操舵軸の
操舵力が軽減される。
【0027】この場合、操舵軸の操舵にそのまま連動し
て接触手段の接触状態が変化するため(偏向されるた
め)、補助駆動力(接触手段に発生する回転ドラムの軸
線方向移動力)が転舵棒へ付与されるタイミングに遅れ
がなく、即座に補助駆動力が転舵棒へ伝達される。した
がって、操舵軸の操舵に迅速に追従して補助駆動力を転
舵棒へ付与して操舵軸の操舵力を軽減することができ
る。さらに、転舵棒へ付与される補助駆動力(接触手段
に発生する回転ドラムの軸線方向移動力)は、接触手段
の接触状態の変化(回転ドラムの回転方向に対する偏
向)すなわち操舵軸の操舵力に比例して増減するため、
従来の油圧式や電気式のパワーステアリング装置と同様
にサーボ機構として作動させることができる。
【0028】このように、請求項4記載の駆動装置で
は、操舵軸の操舵力を転舵棒へ伝達して駆動させること
ができると共に操舵軸の操舵に迅速に追従して補助駆動
力を転舵棒へ付与して操舵軸の操舵力を軽減することが
でき、かつこれを簡単で小型軽量の構造より実現するこ
とができる。
【0029】請求項5記載の駆動装置では、入力軸の駆
動力がこれと噛み合う出力軸へ伝達されて、出力軸が軸
線方向に駆動される。
【0030】ここで、入力軸の駆動直後においては、出
力軸の抵抗が大きいため出力軸は不動であり、このため
入力軸が出力軸の軸線方向に沿って相対移動する。これ
により、入力軸に連結された動力付与手段が移動されて
補助駆動力発生手段に係合し、補助駆動力発生手段が出
力軸に圧接され、補助駆動力発生手段の補助駆動力が出
力軸へ付与される。したがって、入力軸の駆動力が軽減
される。
【0031】この場合、入力軸の駆動にそのまま連動し
て動力付与手段が補助駆動力発生手段に係合して補助駆
動力発生手段が出力軸に圧接されるため、補助駆動力が
出力軸へ付与されるタイミングに遅れがなく、即座に補
助駆動力が出力軸へ伝達される。したがって、入力軸の
駆動に迅速に追従して補助駆動力を出力軸へ付与して入
力軸の駆動力を軽減することができる。さらに、出力軸
へ付与される補助駆動力は、動力付与手段の補助駆動力
発生手段に対する係合力すなわち入力軸の駆動力(移動
量)に比例して増減するため、サーボ機構として作動さ
せることができる。
【0032】このように、請求項5記載の駆動装置で
は、入力軸の駆動力を出力軸へ伝達して駆動させること
ができると共に入力軸の駆動に迅速に追従して補助駆動
力を出力軸へ付与して入力軸の駆動力を軽減することが
でき、かつこれを簡単で小型軽量の構造より実現するこ
とができる。
【0033】請求項6記載の駆動装置では、操舵軸のピ
ニオンは転舵棒のラックギヤに噛み合って連結されてお
り、操舵軸が操舵されると、操舵軸の操舵力はピニオン
及びラックギヤを介して転舵棒へ伝達されて、転舵棒が
軸線方向に駆動され転舵輪が転舵される。
【0034】さらにここで、操舵軸の操舵直後において
は、転舵棒(すなわち、タイヤ側)の抵抗が大きいため
転舵棒は不動であり、このため操舵軸が転舵棒の軸線方
向に沿って相対移動する。これにより、操舵軸に連結さ
れた一対のローラが移動されてそれぞれカム板に係合し
て回転ディスクに接近移動する。このため、回転ディス
クが押圧されて変形し転舵棒に圧接され、回転ディスク
の回転力が補助駆動力として転舵棒へ付与される。した
がって、操舵軸の操舵力が軽減される。
【0035】この場合、操舵軸の操舵にそのまま連動し
てローラが移動されてカム板に係合し回転ディスクが転
舵棒に圧接されるため、補助駆動力が転舵棒へ付与され
るタイミングに遅れがなく、即座に補助駆動力が転舵棒
へ伝達される。したがって、操舵軸の操舵に迅速に追従
して補助駆動力を転舵棒へ付与して操舵軸の操舵力を軽
減することができる。さらに、転舵棒へ付与される補助
駆動力は、ローラの回転ディスクに対する圧接力すなわ
ち転舵軸の転舵力(移動量)に比例して増減するため、
従来の油圧式や電気式のパワーステアリング装置と同様
にサーボ機構として作動させることができる。
【0036】このように、請求項6記載の駆動装置で
は、操舵軸の操舵力を転舵棒へ伝達して駆動させること
ができると共に操舵軸の操舵に迅速に追従して補助駆動
力を転舵棒へ付与して操舵軸の操舵力を軽減することが
でき、かつこれを簡単で小型軽量の構造より実現するこ
とができる。
【0037】
【実施例】図1には本発明の第1実施例に係る駆動装置
としての車両用操舵装置10の主要部の構成が縦断面図
にて示されており、図2にはこの操舵装置10の主要部
の構成が横断面図にて示されている。また、図3には図
1の3−3線に沿った断面図が示されている。
【0038】操舵装置10では、ハウジング12内に配
置された出力軸としての転舵棒14を備えている。この
転舵棒14は、軸線方向両端部近傍がそれぞれブッシュ
16によって支持されており、さらに、ナックルアーム
に連結されたタイロッド(共に図示省略)を介して転舵
輪に連結されている。これにより、転舵棒14は軸線方
向に移動することによって転舵輪を転舵することができ
る。なお、この転舵棒14は、軸線周りに若干量回転可
能とされている。
【0039】また、ハウジング12には、入力軸として
の操舵軸18が支持されている。操舵軸18は、転舵棒
14に直交する向きに配置され軸受20、22によって
ハウジング12に支持されている。この操舵軸18には
ローラ24が同軸的で一体に取り付けられている。
【0040】このローラ24と転舵棒14には、可撓性
長尺体としてのベルト26が連結されている。ベルト2
6は、可撓性を有した薄肉の長尺体で、長手方向中間部
が滑りが阻止された状態でローラ24に巻き掛けられる
と共に、両端部がそれぞれピン28、30によって転舵
棒14に連結固定されている。この場合、ベルト26の
両端部(すなわち、ピン28、30)は、互いに転舵棒
14の軸線方向に離間して位置すると共に、転舵棒14
の径方向に離間した位置で(換言すれば、転舵棒14の
径方向両側に位置して)転舵棒14に連結されている。
これにより、操舵軸18(ローラ24)の回転力はベル
ト26を介して転舵棒14へ伝達されて転舵棒14が軸
線方向へ移動される構成である。
【0041】また、操舵軸18の側方のハウジング12
には、補助駆動力発生手段を構成するモータ32が配置
されている。モータ32は、回転軸34が軸受36によ
って転舵棒14と直交する状態でハウジング12に支持
されており、回転軸34の先端はハウジング12内に入
り込んでいる。この回転軸34の先端にはプーリ38が
一体的に取り付けられている。プーリ38の側方のハウ
ジング12内には、支軸40によって支持されたプーリ
42がプーリ38に対向して配置されており、さらに、
これらのプーリ38とプーリ42には、補助駆動力発生
手段としての無端ベルト44が巻き掛けられている。こ
れにより、モータ32の駆動によって無端ベルト44が
一定方向に回転される構成である。
【0042】一方、無端ベルト44に対応する転舵棒1
4には、動力伝達手段としての一対の摩擦板46、48
が取り付けられている。摩擦板46、48は、無端ベル
ト44から所定距離離間して対向し無端ベルト44を挟
持する状態で、ブラケット50によって転舵棒14に一
体に固定されている。これにより、転舵棒14が軸線周
りに回転した場合には、一対の摩擦板46、48が転舵
棒14と共に回転して、何れか一方の摩擦板46、48
が無端ベルト44に圧接される構成である。
【0043】上記構成の操舵装置10では、操舵軸18
が左右何れかの方向に操舵されると(例えば、図1矢印
A方向にて示す如く、右切り時には)、この操舵力はベ
ルト26を介して転舵棒14へ伝達されて、転舵棒14
が軸線方向(矢印B方向)に駆動され転舵輪が転舵され
る。
【0044】ここで、例えば、前述の如く右切り時にお
いては、操舵軸18の操舵力によりベルト26に張力F
が作用するが、ベルト26は各端部(ピン28、30)
が転舵棒14の径方向に離間した位置で(互いに径方向
反対側に位置して)転舵棒14に連結されているため、
このベルト26に作用する張力Fの分力F1 によって転
舵棒14に軸線周りの回転モーメントが発生し、転舵棒
14が軸線周りに回転される。これにより、図4及び図
5に示す如く、転舵棒14に固定された摩擦板46、4
8のうち一方の摩擦板48が回転する無端ベルト44に
圧接係合し、無端ベルト44の回転力がこの摩擦板48
を介して補助駆動力(アシスト力)として転舵棒14へ
伝達される。したがって、操舵軸18の操舵力が軽減さ
れる。
【0045】また、左切り時においては、前述と同様の
作用により他方の摩擦板46が無端ベルト44に圧接係
合し、無端ベルト44の回転力がこの摩擦板46を介し
て補助駆動力(左切り方向:矢印C方向)として転舵棒
14へ伝達され、同様に操舵軸18の操舵力が軽減され
る。
【0046】このように、第1実施例に係る操舵装置1
0では、操舵軸18の操舵力はベルト26を介して転舵
棒14へ伝達されるため、従来のラックアンドピニオン
式の操舵装置の如きギヤの噛み合い部分が無く、このた
め異音の発生を防止できる。また、従来のラックアンド
ピニオン式の操舵装置におけるラックガイド等が不要と
なり、このため転舵棒の支持剛性を左右で均等にするこ
とができ、右操舵時と左操舵時との操縦性、安定性に左
右差を生じることが無くなる。さらに、ラックギヤやピ
ニオンギヤの製造のための煩雑な工程を必要としないた
め、コストの低減を図ることができる。
【0047】さらに、操舵装置10では、操舵軸18の
操舵にそのまま連動して転舵棒14と共に摩擦板46、
48が回転され、モータ32によって回転する無端ベル
ト44に圧接係合するため、摩擦板46、48が無端ベ
ルト44に圧接するタイミングに遅れがなく、即座に補
助駆動力が転舵棒14へ伝達される。したがって、操舵
軸18の操舵に迅速に追従して補助駆動力を転舵棒14
へ付与して操舵軸18の操舵力を軽減することができ
る。さらに、転舵棒14へ付与される補助駆動力は操舵
軸18の操舵力に比例して増減するため、従来の油圧式
や電気式のパワーステアリング装置と同様にサーボ機構
として作動させることができる。
【0048】このように、本第1実施例に係る操舵装置
10では、操舵軸18の操舵力を転舵棒14へ伝達して
駆動させることができると共に、操舵軸18の操舵に迅
速に追従して補助駆動力を転舵棒14へ付与して操舵軸
18の操舵力を軽減することができ、かつこれを簡単で
小型軽量の構造より実現することができる。
【0049】なお、本第1実施例においては、補助駆動
力発生手段としての無端ベルト44をモータ32の駆動
によって一定方向に回転させる構成としたが、これに限
らず、例えばエンジン等の他の駆動源によって無端ベル
ト44を一定方向に回転させる構成としてもよい。
【0050】次に、本発明の他の実施例を説明する。な
お、前記第1実施例と基本的に同一の部品には前記第1
実施例と同一の符号を付与しその説明を省略する。
【0051】図6には本発明の第2実施例に係る駆動装
置としての車両用操舵装置60の主要部の構成が横断面
図にて示されており、図7にはこの操舵装置60の主要
部の構成が縦断面図にて示されている。また、図8には
図6の8ー8線に沿った断面図が示されており、図9に
は図6の9−9線に沿った断面図が示されている。
【0052】操舵装置60では、ハウジング12内に配
置された出力軸としての転舵棒14には、ラックギヤ6
2が設けられている。一方、入力軸としての操舵軸18
は、軸受64、66によってホルダ68に支持されてお
り、さらに、ホルダ68は転舵棒14に軸線方向に沿っ
て相対移動可能に支持されている。操舵軸18の先端に
はピニオン70が設けられており、転舵棒14のラック
ギヤ62に噛み合っている。
【0053】一方、ホルダ68の側方の転舵棒14に
は、補助駆動力発生手段としての回転ドラム72が配置
されている。回転ドラム72は、転舵棒14の外周に一
対の軸受74によって支持されており、転舵棒14に対
し軸線周りに相対回転可能でかつ軸線方向の相対移動が
阻止された状態とされている。回転ドラム72の軸線方
向一側の外周面にはギヤ部76が形成されている。この
ギヤ部76にはアイドルギヤ78が噛み合っており、さ
らにアイドルギヤ78はモータ32の回転軸に設けられ
たギヤ80に噛み合っている。これにより、モータ32
の駆動によって回転ドラム72が転舵棒14の軸線周り
に一定方向に回転される構成である。
【0054】また、回転ドラム72の軸線方向他側の外
周面には接触部82が設けられている。この接触部82
は、軸線方向中間部が次第に凹状(テーパー状)に縮径
されて形成されている。
【0055】回転ドラム72の接触部82には、接触手
段としてのキャスター車84が接触している。キャスタ
ー車84は、例えばゴムやウレタン等の高摩擦係数を有
する素材によって形成されており、ホルダ86によって
支持されて接触部82の軸線方向中間部(最も縮径され
た部分)に位置している。ホルダ86には支軸88が設
けられており、この支軸88が軸受90によってハウジ
ング12に回転可能に支持された構成である。さらに、
軸受90から突出する支軸88の先端には圧縮スプリン
グ92が係合しており、常に支軸88(ホルダ86)す
なわちキャスター車84を回転ドラム72(接触部8
2)の方向へ付勢している。これにより、キャスター車
84は、常に回転ドラム72の接触部82に圧接される
と共に、支軸88周りに偏向可能な構成である。
【0056】キャスター車84を支持するホルダ86に
は、タイロッド94の一端が連結されており、さらにタ
イロッド94の他端は前述したホルダ68に連結されて
いる。これにより、ホルダ68(操舵軸18)が転舵棒
14の軸線方向に移動するとこれに連動してホルダ86
すなわちキャスター車84が支軸88周りに(回転ドラ
ム72の回転方向に対して)偏向される構成である。な
お、操舵軸18の中立状態において、キャスター車84
が回転ドラム72の軸線と直交して位置するように、タ
イロッド94等の各部の寸法が設定されている。
【0057】上記構成の操舵装置60では、操舵軸18
のピニオン70は転舵棒14のラックギヤ62に噛み合
って連結されており、また、キャスター車84は凹状に
縮径された回転ドラム72の接触部82の軸線方向中間
部に位置している。
【0058】操舵軸18が左右何れかの方向に操舵され
ると(例えば、図10矢印A方向にて示す如く、右切り
時には)、操舵軸18の操舵力はピニオン70及びラッ
クギヤ62を介して転舵棒14へ伝達されて、転舵棒1
4が軸線方向(矢印B方向)に駆動され転舵輪が転舵さ
れる。
【0059】ここで、例えば前述の如く右切り時におい
て、操舵軸18の操舵直後においては、転舵棒14(す
なわち、タイヤ側)の抵抗が大きいため転舵棒14は不
動であり、このため操舵軸18がホルダ68と共に転舵
棒14の軸線方向(矢印C方向)に沿って相対移動す
る。このため、図10に示す如く、ホルダ68にタイロ
ッド94を介して連結されたホルダ86が同方向に移動
されてキャスター車84が移動され、回転ドラム72の
回転方向に対する接触状態(接触角)が変化(偏向)さ
れる(キャスター車84は接触部82の軸線方向外側へ
向く)。ここで、接触部82は軸線方向外側へ向けて拡
径されているため、キャスター車84と接触部82の圧
接力が増加して、キャスター車84にコーナリングフォ
ースが発生し、このキャスター車84に発生するコーナ
リングフォースが回転ドラム72に作用する。さらにこ
こで、回転ドラム72は転舵棒14に対し軸線方向相対
移動が阻止されているため、回転ドラム72に作用した
コーナリングフォースは補助駆動力(矢印B方向)とし
て転舵棒14へ付与される。これにより、操舵軸18の
操舵力が軽減される。
【0060】また、左切り時においては、前述と同様の
作用によりキャスター車84が移動されて接触状態(接
触角)が偏向され、キャスター車84に発生するコーナ
リングフォースが補助駆動力(矢印C方向)として転舵
棒14へ付与され、同様に操舵軸18の操舵力が軽減さ
れる。
【0061】この場合、操舵軸18の操舵にそのまま連
動してキャスター車84の接触状態が変化するため(偏
向されるため)、補助駆動力(キャスター車84に発生
するコーナリングフォース)が転舵棒14へ付与される
タイミングに遅れがなく、即座に補助駆動力が転舵棒1
4へ伝達される。したがって、操舵軸18の操舵に迅速
に追従して補助駆動力を転舵棒14へ付与して操舵軸1
8の操舵力を軽減することができる。さらに、転舵棒1
4へ付与される補助駆動力(キャスター車84に発生す
るコーナリングフォース)は、キャスター車84の接触
状態の変化(回転ドラム72の回転方向に対する偏向)
すなわち操舵軸18の操舵力に比例して増減するため、
従来の油圧式や電気式のパワーステアリング装置と同様
にサーボ機構として作動させることができる。
【0062】このように、第2実施例に係る操舵装置6
0では、操舵軸18の操舵力を転舵棒14へ伝達して駆
動させることができると共に操舵軸18の操舵に迅速に
追従して補助駆動力を転舵棒14へ付与して操舵軸18
の操舵力を軽減することができ、かつこれを簡単で小型
軽量の構造より実現することができる。
【0063】なお、本第2実施例においては、接触手段
としてキャスター車84を適用した例を説明したが、接
触手段としてはこれに限らず、例えばスキー板の如き部
材を用いることも可能である。
【0064】次に、図11には本発明の第3実施例に係
る駆動装置としての車両用操舵装置100の主要部の構
成が縦断面図にて示されており、図12にはこの操舵装
置100の主要部の構成が横断面図にて示されている。
また、図13には図11の13−13線に沿った断面図
が示されている。
【0065】操舵装置100では、ハウジング12内に
配置された出力軸としての転舵棒14には、ラックギヤ
102が設けられている。一方、入力軸としての操舵軸
18は、軸受104、106によってホルダ108に支
持されており、さらに、ホルダ108は転舵棒14に軸
線方向に沿って相対移動可能に支持されている。操舵軸
18の先端にはピニオン110が設けられており、転舵
棒14のラックギヤ102に噛み合っている。
【0066】一方、ホルダ108の側方の転舵棒14に
は、摩擦板114が転舵棒14の一側面に一体的に固着
されている。この摩擦板114は、転舵棒14の径方向
に大きく突出する寸法形状となっている。また、摩擦板
114に対向する側には、補助駆動力発生手段としての
回転ディスク116が摩擦板114と若干の隙間を有し
て対向配置されている。回転ディスク116は、金属あ
るいは樹脂製によって薄肉で摩擦板114の幅寸法と同
程度の径寸法に形成されて可撓性を有しており、押圧さ
れて撓むことにより摩擦板114に接触可能とされてい
る。
【0067】回転ディスク116の中心部には軸部11
8が設けられており、軸受120によってハウジング1
2に回転可能に支持されている。この軸部118は、図
示を省略したモータあるいはエンジン等の駆動源に連結
されており、これにより、回転ディスク116は軸部1
18周りに一定方向に回転される構成である。
【0068】軸部118を支持する軸受120近傍のハ
ウジング12内周面には、動力付与手段としての一対の
右カム板122、左カム板124が固定されている。こ
の右カム板122と左カム板124は、互いに軸部11
8を挟んだ状態で軸部118の両側に位置している(換
言すれば、転舵棒14の径方向両側に位置している)。
また、右カム板122、左カム板124には、それぞれ
回転ディスク116の側へ向けて突出する右カム部12
2A、左カム部124Aが形成されている。ここで、右
カム部122Aと左カム部124Aとは、互いに傾斜方
向が逆向きに形成されている。
【0069】一方、右カム板122、左カム板124と
回転ディスク116との間には、動力付与手段としての
一対の右ローラ126、左ローラ128がそれぞれ配置
されている。右ローラ126は、右カム板122の右カ
ム部122Aと回転ディスク116に接触しており、ま
た、左ローラ128は、左カム板124の左カム部12
4Aと回転ディスク116に接触している。これらの右
ローラ126、左ローラ128は、それぞれ右カム部1
22A、左カム部124Aの傾斜面に沿って移動(登り
上がる)ことにより、それぞれ回転ディスク116を押
圧して変形させることができる構成である。
【0070】さらに、右ローラ126、左ローラ128
には、それぞれタイロッド130、132の一端が連結
されており、さらにタイロッド130、132の他端は
前述したホルダ108にそれぞれ連結されている。これ
により、ホルダ108(操舵軸18)が転舵棒14の軸
線方向に移動するとこれに連動して右ローラ126、左
ローラ128が転舵棒14の軸線方向に沿って移動され
てそれぞれ右カム部122A、左カム部124Aを登り
上がる構成である。なお、操舵軸18の中立状態におい
て、右ローラ126、左ローラ128がそれぞれ右カム
部122A、左カム部124Aの最も低位置(すなわ
ち、回転ディスク116を押圧して変形させない位置)
に位置するように、タイロッド130、132等の各部
の寸法が設定されている。
【0071】上記構成の操舵装置100では、操舵軸1
8のピニオン110は転舵棒14のラックギヤ102に
噛み合って連結されており、また、右ローラ126、左
ローラ128はそれぞれ右カム部122A、左カム部1
24Aの最も低位置(回転ディスク116を押圧して変
形させない位置)に位置している。
【0072】操舵軸18が左右何れかの方向に操舵され
ると(例えば、図14矢印A方向にて示す如く、右切り
時には)、操舵軸18の操舵力はピニオン110及びラ
ックギヤ102を介して転舵棒14へ伝達されて、転舵
棒14が軸線方向(矢印B方向)に駆動され転舵輪が転
舵される。
【0073】ここで、例えば前述の如く右切り時におい
て、操舵軸18の操舵直後においては、転舵棒14(す
なわち、タイヤ側)の抵抗が大きいため転舵棒14は不
動であり、このため操舵軸18がホルダ108と共に転
舵棒14の軸線方向(矢印C方向)に沿って相対移動す
る。このため、ホルダ108にタイロッド130、13
2を介して連結された右ローラ126、左ローラ128
が共に同方向へ移動される。さらにここで、右カム板1
22の右カム部122Aと左カム板124の左カム部1
24Aとは互いに傾斜方向が逆向きに形成されているた
め、右ローラ126と左ローラ128が共に同方向へ移
動されると、右ローラ126のみが右カム板122の右
カム部122Aに係合する。
【0074】右ローラ126が右カム部122Aに係合
すると、右ローラ126が回転ディスク116に接近移
動する。このため、図14及び図15に示す如く、回転
ディスク116が押圧されて変形し、転舵棒14に固定
された摩擦板114に圧接される。これにより、回転デ
ィスク116の回転力が補助駆動力(矢印B方向)とし
て転舵棒14へ付与される。したがって、操舵軸18の
操舵力が軽減される。
【0075】また、左切り時においては、前述と同様の
作用により左ローラ128のみが左カム板124の左カ
ム部124Aに係合して左ローラ128が回転ディスク
116に接近移動し、回転ディスク116が押圧されて
変形して摩擦板114に圧接される。これにより、回転
ディスク116の回転力が補助駆動力(矢印C方向)と
して転舵棒14へ付与され、同様に操舵軸18の操舵力
が軽減される。この場合、操舵軸18の操舵にそのまま
連動して右ローラ126及び左ローラ128が移動され
て右カム部122Aまたは左カム部124Aに係合し回
転ディスク116が摩擦板114(転舵棒14)に圧接
されるため、補助駆動力が転舵棒14へ付与されるタイ
ミングに遅れがなく、即座に補助駆動力が転舵棒14へ
伝達される。したがって、操舵軸18の操舵に迅速に追
従して補助駆動力を転舵棒14へ付与して操舵軸18の
操舵力を軽減することができる。さらに、転舵棒14へ
付与される補助駆動力は、右ローラ126または左ロー
ラ128の回転ディスク116に対する圧接力すなわち
操舵軸18の操舵力(移動量)に比例して増減するた
め、従来の油圧式や電気式のパワーステアリング装置と
同様にサーボ機構として作動させることができる。
【0076】このように、第3実施例に係る操舵装置1
00では、操舵軸18の操舵力を転舵棒14へ伝達して
駆動させることができると共に操舵軸18の操舵に迅速
に追従して補助駆動力を転舵棒14へ付与して操舵軸1
8の操舵力を軽減することができ、かつこれを簡単で小
型軽量の構造より実現することができる。
【0077】なお、前述した第1乃至第3実施例におい
ては、本発明に係る駆動装置を車両の操舵装置10、6
0、100等に適用して説明したが、本発明はこれに限
らず、入力軸の駆動力を出力軸へ伝達して軸線方向に駆
動させる構成のものであれば他の装置においても適用可
能である。
【0078】
【発明の効果】以上説明した如く本発明に係る駆動装置
は、入力軸の駆動力を出力軸へ伝達して駆動させること
ができると共に入力軸の駆動に迅速に追従して補助駆動
力を出力軸へ付与して入力軸の駆動力を軽減することが
でき、かつこれを簡単で小型軽量の構造より実現するこ
とができる優れた効果を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る操舵装置の主要部の
構成を示す縦断面図である。
【図2】本発明の第1実施例に係る操舵装置の主要部の
構成を示す横断面図である。
【図3】本発明の第1実施例に係る操舵装置の主要部の
構成を示す図1の3−3線に沿った断面図である。
【図4】本発明の第1実施例に係る操舵装置の主要部の
構成を示し操舵軸が右に操舵された状態の図2に対応す
る横断面図である。
【図5】本発明の第1実施例に係る操舵装置の主要部の
構成を示し操舵軸が右に操舵された状態の図3に対応す
る断面図である。
【図6】本発明の第2実施例に係る操舵装置の主要部の
構成を示す横断面図である。
【図7】本発明の第2実施例に係る操舵装置の主要部の
構成を示す縦断面図である。
【図8】本発明の第2実施例に係る操舵装置の主要部の
構成を示す図6の8ー8線に沿った断面図である。
【図9】本発明の第2実施例に係る操舵装置の主要部の
構成を示す図6の9−9線に沿った断面図である。
【図10】本発明の第2実施例に係る操舵装置の主要部
の構成を示し操舵軸が右に操舵された状態の図7に対応
する縦断面図である。
【図11】本発明の第3実施例に係る操舵装置の主要部
の構成を示す縦断面図である。
【図12】本発明の第3実施例に係る操舵装置の主要部
の構成を示す横断面図である。
【図13】本発明の第3実施例に係る操舵装置の主要部
の構成を示す図11の13−13線に沿った断面図であ
る。
【図14】本発明の第3実施例に係る操舵装置の主要部
の構成を示し操舵軸が右に操舵された状態の図11に対
応する縦断面図である。
【図15】本発明の第3実施例に係る操舵装置の主要部
の構成を示し操舵軸が右に操舵された状態の図13に対
応する断面図である。
【符号の説明】
10 操舵装置(駆動装置) 14 転舵棒(出力軸) 18 操舵軸(入力軸) 20 ベルト(可撓性長尺体) 44 無端ベルト(補助駆動力発生手段) 46 摩擦板(動力伝達手段) 48 摩擦板(動力伝達手段) 60 操舵装置(駆動装置) 62 ラックギヤ 68 ホルダ 70 ピニオン 72 回転ドラム(補助駆動力発生手段) 84 キャスター車(動力付与手段、接触手段) 100 操舵装置(駆動装置) 102 ラックギヤ 108 ホルダ 110 ピニオン 114 摩擦板 116 回転ディスク(補助駆動力発生手段) 122 右カム板(動力付与手段) 122A右カム部 124 左カム板(動力付与手段) 124A左カム部 126 右ローラ(動力付与手段) 128 左ローラ(動力付与手段)

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力軸と、 軸線周りに回転可能な出力軸と、 前記入力軸に巻装されると共に前記出力軸の軸線方向お
    よび径方向に離間した位置で前記出力軸に連結され、前
    記入力軸の駆動力を前記出力軸へ伝達して軸線方向に駆
    動させる可撓性長尺体と、 前記出力軸と直交する回転軸を有し、一定方向に回転し
    て補助駆動力を発生する補助駆動力発生手段と、 前記出力軸の軸線周りの回転に伴って前記補助駆動力発
    生手段に係合可能に配置され、前記係合状態では前記補
    助駆動力発生手段の前記補助駆動力を前記出力軸へ伝達
    する前記出力軸に固定された動力伝達手段と、 を備えた駆動装置。
  2. 【請求項2】 前記入力軸はハンドルが取り付けられる
    操舵軸とされ、前記出力軸は左右のナックルアームに連
    結されて転舵輪を転舵するための転舵棒とされ、前記可
    撓性長尺体は前記転舵棒に連結されたベルトとされ、前
    記補助駆動力発生手段は前記回転軸によって回転される
    無端ベルトとされ、前記動力伝達手段は前記無端ベルト
    から所定距離離間し無端ベルトを挟持する状態で配置さ
    れた摩擦板とされる、 ことを特徴とする請求項1記載の駆動装置。
  3. 【請求項3】 出力軸と噛み合って配置され駆動力を前
    記出力軸へ伝達して軸線方向に駆動させる共に、前記出
    力軸の軸線方向に沿って移動可能な入力軸と、 前記出力軸に対し軸線周りに相対回転可能でかつ軸線方
    向に相対移動が阻止された状態で前記出力軸の外周に配
    置され、一定方向に回転して補助駆動力を発生する補助
    駆動力発生手段と、 前記補助駆動力発生手段に接触すると共に前記入力軸に
    連結され、前記補助駆動力発生手段の回転方向に対する
    接触状態が、前記出力軸の軸線方向に沿った前記入力軸
    の移動に応じて変化することにより前記補助駆動力発生
    手段の前記補助駆動力を前記出力軸へ付与する動力付与
    手段と、 を備えた駆動装置。
  4. 【請求項4】 前記出力軸はラックギヤが設けられると
    共に左右のナックルアームを連結し転舵輪を転舵するた
    めの転舵棒とされ、前記入力軸は前記ラックに噛み合う
    ピニオンが設けられると共にハンドルが取り付けられた
    操舵軸とされ、前記補助駆動力発生手段は回転ドラムと
    され、前記動力付与手段は前記回転ドラムに接触し回転
    ドラムの軸線方向移動力を発生する接触手段とされる、 ことを特徴とする請求項3記載の駆動装置。
  5. 【請求項5】 出力軸と噛み合って配置され駆動力を前
    記出力軸へ伝達して軸線方向に駆動させると共に、前記
    出力軸の軸線方向に沿って移動可能な入力軸と、 前記出力軸に接触可能に配置され、一定方向に回転して
    補助駆動力を発生する補助駆動力発生手段と、 前記補助駆動力発生手段に係合可能でかつ前記入力軸に
    連結され、前記出力軸の軸線方向に沿った前記入力軸の
    移動に応じて前記補助駆動力発生手段を前記出力軸に圧
    接させることにより前記補助駆動力発生手段の前記補助
    駆動力を前記出力軸へ付与する動力付与手段と、 を備えた駆動装置。
  6. 【請求項6】 前記出力軸はラックギヤが設けられると
    共に左右のナックルアームに連結されて転舵輪を転舵す
    るための転舵棒とされ、前記入力軸は前記ラックに噛み
    合うピニオンが設けられると共にハンドルが取り付けら
    れた操舵軸とされ、前記補助駆動力発生手段は可撓性を
    有する回転ディスクとされ、前記動力付与手段は、前記
    回転ディスクに対応して固定配置された一対のカム板と
    前記操舵軸に連結され前記カム板にそれぞれ係合するこ
    とにより前記回転ディスクを押圧して弾性変形させる一
    対のローラとされる、 ことを特徴とする請求項5記載の駆動装置。
JP31509294A 1994-12-19 1994-12-19 駆動装置 Pending JPH08169351A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31509294A JPH08169351A (ja) 1994-12-19 1994-12-19 駆動装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31509294A JPH08169351A (ja) 1994-12-19 1994-12-19 駆動装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08169351A true JPH08169351A (ja) 1996-07-02

Family

ID=18061319

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP31509294A Pending JPH08169351A (ja) 1994-12-19 1994-12-19 駆動装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08169351A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2866302B2 (ja) 車両用可変舵角比操舵装置
JP3643950B2 (ja) 電動式舵取装置
JP3658683B2 (ja) 電動式舵取装置
JPH0234822B2 (ja)
JP2002187561A (ja) 電動パワーステアリング装置
KR101303460B1 (ko) 차량용 전동 스티어링 장치의 기어 치합 상태 유지장치
JPH07502953A (ja) 原動機付き車両用の補助動力式ステアリング装置
JPH08169351A (ja) 駆動装置
JP3815962B2 (ja) 電動パワーステアリング装置
JPS61122073A (ja) 自動車のステアリング装置
JP3632114B2 (ja) ローラ伝動装置及び電動パワーステアリング装置
JP4400078B2 (ja) 車両用操舵装置
JP2004232675A (ja) 電動式パワーステアリング装置
JP2978338B2 (ja) 操舵装置
JP5434250B2 (ja) 車両用ステアリングダンパ装置及びステアリング装置
JPH0611864Y2 (ja) 動力舵取装置
JP2909322B2 (ja) 操舵装置
JP2003063427A (ja) 電動式パワーステアリング装置
JP3536159B2 (ja) 後輪操舵装置
JPS63306971A (ja) 動力舵取装置
JP2017165328A (ja) 操舵装置
JPH0811727A (ja) ラックアンドピニオン式ステアリング装置
JPH06234368A (ja) 操舵装置
JP4100218B2 (ja) 電動パワーステアリング装置
JP3991841B2 (ja) 車両用操舵装置