JPH08167695A - 強誘電体不揮発性記憶装置及びその製造方法 - Google Patents

強誘電体不揮発性記憶装置及びその製造方法

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JPH08167695A
JPH08167695A JP6331672A JP33167294A JPH08167695A JP H08167695 A JPH08167695 A JP H08167695A JP 6331672 A JP6331672 A JP 6331672A JP 33167294 A JP33167294 A JP 33167294A JP H08167695 A JPH08167695 A JP H08167695A
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JP
Japan
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ferroelectric
capacitor
volatile memory
bit line
memory device
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JP6331672A
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English (en)
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Hisanobu Sugiyama
寿伸 杉山
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Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 強誘電体キャパシタの分極特性等にばらつき
があっても読み出し余裕を大きくして、信頼性を高め
る。 【構成】 データの読み出し時に、強誘電体キャパシタ
に電気的に接続されるビット線の電位Vbl0 、Vbl1
基準電位Vbl1 、Vbl0 との電位差ΔVblが最大になる
容量Cb を、ビット線が有している。このため、電位差
ΔVblの検知及び増幅が容易であり、強誘電体キャパシ
タに分極特性のばらつき等があっても読み出し余裕が大
きい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本願の発明は、強誘電体キャパシ
タを用いてメモリセルが構成されている強誘電体不揮発
性記憶装置及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図6は強誘電体に印加する電界Eとその
分極電荷Pとの関係を示すヒステリシス曲線であり、±
c は抗電界、±Pr は残留分極電荷である。この様な
強誘電体を用いた不揮発性記憶装置として種々の構造の
ものが提案されているが、何れも、基本的には、強誘電
体の2方向の分極状態に対応して2値のデータを記憶す
るものである。
【0003】強誘電体不揮発性記憶装置のうちで最も一
般的なものは、通常のDRAMの蓄積キャパシタを強誘
電体キャパシタに置き換えたものである。図7は、この
様な強誘電体不揮発性記憶装置のうちで、1個のメモリ
セル11が一対のスイッチングトランジスタ12、13
と一対の強誘電体キャパシタ14、15とで構成されて
いて、2トランジスタ−2キャパシタ方式と称されてい
るものを示している。
【0004】スイッチングトランジスタ12、13には
別個のビット線BL1 、BL2 が接続されているが、共
通のワード線WLがスイッチングトランジスタ12、1
3のゲート電極になっており、共通のプレート線PLが
強誘電体キャパシタ14、15に接続されている。
【0005】図8(a)は、図7に示した強誘電体不揮
発性記憶装置にデータを書き込む際の印加電位のタイミ
ングチャートを示しており、図8(b)は、その時の強
誘電体キャパシタ14、15における分極状態を示して
いる。なお、強誘電体キャパシタ14、15に印加する
電位の向きは、ビット線BL1 、BL2 からプレート線
PLへ向かう方向を正にしている。
【0006】書き込みに際しては、まず、期間T1 にお
いて、ビット線BL1 及びプレート線PLを接地電位0
にし、ビット線BL2 を電源電位VCCにする。また、ス
イッチングトランジスタ12、13の閾値電圧が1V未
満であるとして、VCC+1Vに昇圧した電位をワード線
WLに印加して、これらのスイッチングトランジスタ1
2、13側における強誘電体キャパシタ14、15の電
極の電位を夫々0及びVCCにする。
【0007】すると、強誘電体キャパシタ14には電圧
が印加されないので、この強誘電体キャパシタ14では
分極が生じない。一方、強誘電体キャパシタ15にはV
CCの電圧が印加されるので、この強誘電体キャパシタ1
5では図6におけるA点の状態の分極が生じる。
【0008】次に、期間T2 において、プレート線PL
を電源電位VCCにする。すると、強誘電体キャパシタ1
4には−VCCの電圧が印加されるので、この強誘電体キ
ャパシタ14では図6におけるC点の状態の分極が生じ
る。一方、強誘電体キャパシタ15には電圧が印加され
なくなるので、この強誘電体キャパシタ15の分極は図
6におけるB点の状態になる。
【0009】次に、期間T3 において、プレート線PL
を接地電位0にする。すると、強誘電体キャパシタ14
には電圧が印加されなくなるので、この強誘電体キャパ
シタ14の分極は図6におけるD点の状態になる。一
方、強誘電体キャパシタ15にはVCCの電圧が印加され
るので、この強誘電体キャパシタ15の分極は図6にお
けるA点の状態になる。
【0010】その後、ワード線WLを接地電位0にする
と、スイッチングトランジスタ12、13と強誘電体キ
ャパシタ14、15との間が浮遊状態になるが、スイッ
チングトランジスタ12、13の拡散層を通した放電に
よって、強誘電体キャパシタ15にも電圧が印加されな
くなる。従って、強誘電体キャパシタ15の分極は図6
におけるB点の状態になる。
【0011】以上で書き込みが完了するが、記憶すべき
2値のうちのもう一方の値を書き込むためには、強誘電
体キャパシタ14、15の分極方向を上述の方向とは逆
の方向にする。
【0012】図9(a)は、図7に示した強誘電体不揮
発性記憶装置からデータを読み出す際の印加電位のタイ
ミングチャートを示しており、図9(b)は、その時の
強誘電体キャパシタ14、15における分極状態を示し
ている。
【0013】読み出しに際しては、まず、期間T1 にお
いて、ビット線BL1 、BL2 を接地電位0にした後、
これらのビット線BL1 、BL2 を浮遊状態にし、プレ
ート線PLも接地電位0にする。また、VCC+1Vに昇
圧した電位をワード線WLに印加して、スイッチングト
ランジスタ12、13側における強誘電体キャパシタ1
4、15の電極の電位も0にする。
【0014】この状態では、強誘電体キャパシタ14、
15の何れにも電圧が印加されないので、強誘電体キャ
パシタ14、15における分極方向は、書き込み状態か
ら変化しない。
【0015】次に、期間T2 において、プレート線PL
を電源電位VCCにする。この時、ビット線BL1 、BL
2 が浮遊状態であるので、まず、強誘電体キャパシタ1
4、15の容量及びビット線BL1 、BL2 の寄生容量
による容量結合によって、ビット線BL1 、BL2 の電
位が共に僅かに上昇する。
【0016】しかし、強誘電体キャパシタ14、15の
何れにも−VCCの電圧が印加されるので、強誘電体キャ
パシタ14の分極状態は図6のヒステリシス曲線上をD
点からC点へ向かって移動し、強誘電体キャパシタ15
の分極状態は図6のヒステリシス曲線上をB点からC点
へ向かって移動する。この結果、強誘電体キャパシタ1
4では分極方向が変化せず、この強誘電体キャパシタ1
4とビット線BL1 との間では電荷が殆ど移動しないの
で、ビット線BL1 の電位は殆ど変化しない。
【0017】一方、強誘電体キャパシタ15では分極方
向が反転し、強誘電体キャパシタ15からビット線BL
2 へ正電荷が移動するので、ビット線BL2 の電位は僅
かに上昇する。従って、差動型のセンスアンプで、ビッ
ト線BL1 、BL2 間の電位差を検知し且つビット線B
1 、BL2 の電位を0及びVCCに増幅して、読み出し
を行う。
【0018】次に、期間T3 において、プレート線PL
を接地電位0にする。すると、強誘電体キャパシタ14
には電圧が印加されなくなるので、この強誘電体キャパ
シタ14の分極は図6におけるD点の状態に復帰する。
一方、強誘電体キャパシタ15にはVCCの電圧が印加さ
れるので、この強誘電体キャパシタ15の分極は図6に
おけるA点の状態になる。
【0019】その後、ワード線WLを接地電位0にする
と、スイッチングトランジスタ12、13と強誘電体キ
ャパシタ14、15との間が浮遊状態になるが、スイッ
チングトランジスタ12、13の拡散層を通した放電に
よって、強誘電体キャパシタ15にも電圧が印加されな
くなる。従って、強誘電体キャパシタ15の分極は図6
におけるB点の状態に復帰する。
【0020】2トランジスタ−2キャパシタ方式の強誘
電体不揮発性記憶装置の動作方法は以上の通りである
が、1個のメモリセルが単一のスイッチングトランジス
タと単一の強誘電体キャパシタとで構成されていて、1
トランジスタ−1キャパシタ方式と称されている強誘電
体不揮発性記憶装置の動作方法も、基本的には上述の方
法と同様である。
【0021】但し、この構造では、1個のメモリセルに
1本のビット線しか存在していないので、ダミーセルに
接続されているビット線との間の電位差を検知及び増幅
して、読み出しを行う。
【0022】このために、プレート線に電源電位VCC
印加した時のビット線への電荷の移動量が、強誘電体キ
ャパシタが図6のB点及びD点の分極状態にあるメモリ
セルの場合の中間の量になって、ビット線の電位もこれ
らの場合の中間の値になる様に、ダミーセルにおけるキ
ャパシタの面積等が調節されている。
【0023】ところで、以上の説明からも明らかな様
に、2トランジスタ−2キャパシタ方式及び1トランジ
スタ−1キャパシタ方式の何れにおいても、データの読
み出しに際しては、検知及び増幅すべきビット線間の電
位差を大きくする必要がある。もし、この電位差が小さ
ければ、強誘電体キャパシタ14、15の分極特性のば
らつき等を補うことができず、読み出し余裕が小さく
て、信頼性が低下する。
【0024】一方、DRAMでも、ビット線間の電位差
を検知及び増幅することによって、データの読み出しを
行っている。そして、DRAMでは、ビット線の容量を
小さくすればビット線間の電位差を大きくすることがで
きるので、従来の強誘電体不揮発性記憶装置でも、ビッ
ト線の容量を小さくすることが考えられていた。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】しかし、強誘電体不揮
発性記憶装置とDRAMとでは、データの読み出しに際
してビット線の電位を変化させる方法が互いに異なって
いるので、強誘電体不揮発性記憶装置におけるビット線
の容量を小さくしても、ビット線間の電位差を必ずしも
大きくすることはできない。このため、従来の強誘電体
不揮発性記憶装置では信頼性が高くなかった。
【0026】
【課題を解決するための手段】請求項1の強誘電体不揮
発性記憶装置は、強誘電体から成るキャパシタ絶縁膜を
有する強誘電体キャパシタ14、15を用いてメモリセ
ル11が構成されており、前記強誘電体の2方向の分極
状態に対応して2値のデータを記憶し、前記強誘電体キ
ャパシタ14、15に電気的に接続されるビット線BL
1 、BL2 の電位Vbl0 、Vbl1 と基準電位Vbl1 、V
bl0 との電位差ΔVbl、ΔVbl0 、ΔVbl1 によって前
記2値のデータの読み出しを行う強誘電体不揮発性記憶
装置において、前記電位差ΔVbl、ΔVbl0 、ΔVbl1
が最大になる容量Cb を前記ビット線BL1 、BL2
有していることを特徴としている。
【0027】請求項2の強誘電体不揮発性記憶装置は、
請求項1の強誘電体不揮発性記憶装置において、前記ビ
ット線BL1 、BL2 に付加キャパシタ16、17が設
けられており、この付加キャパシタ16、17の容量C
a と前記ビット線の寄生容量Cp との和Ca +Cp が、
前記電位差ΔVbl、ΔVbl0 、ΔVbl1 が最大になる前
記容量Cb になっていることを特徴としている。
【0028】請求項3の強誘電体不揮発性記憶装置は、
請求項2の強誘電体不揮発性記憶装置において、前記付
加キャパシタ16、17のキャパシタ絶縁膜が強誘電体
から成っていることを特徴としている。
【0029】請求項4の強誘電体不揮発性記憶装置は、
請求項1〜3の何れかの強誘電体不揮発性記憶装置にお
いて、前記メモリセル11が一対の前記強誘電体キャパ
シタ14、15を含んでおり、前記一対の強誘電体キャ
パシタ14、15における前記強誘電体を互いに反対方
向へ分極させ、前記一対の強誘電体キャパシタ14、1
5に電気的に接続される一対の前記ビット線BL1 、B
2 の一方が他方に対して前記基準電位を与えることを
特徴としている。
【0030】請求項5の強誘電体不揮発性記憶装置は、
請求項1〜3の何れかの強誘電体不揮発性記憶装置にお
いて、前記メモリセルが単一の前記強誘電体キャパシタ
を含んでおり、基準ビット線が前記ビット線に対して前
記基準電位を与えることを特徴としている。
【0031】請求項6の強誘電体不揮発性記憶装置の製
造方法は、請求項3の強誘電体不揮発性記憶装置を製造
するに際して、前記強誘電体キャパシタ14、15と前
記付加キャパシタ16、17とを同時に形成することを
特徴としている。
【0032】請求項7の強誘電体不揮発性記憶装置の製
造方法は、請求項1〜6の何れかの強誘電体不揮発性記
憶装置を製造するに際して、前記2方向の分極状態と前
記読み出しのための分極状態とを結ぶ前記強誘電体のヒ
ステリシス曲線D−C、B−Cと、前記2方向の分極状
態に対応する電荷軸上の点から前記ビット線BL1 、B
2 の前記容量Cb の値を勾配にして延びる直線との交
点から、前記ビット線BL1 、BL2 の前記電位
bl0 、Vbl1 を求めることを特徴としている。
【0033】
【作用】請求項1の強誘電体不揮発性記憶装置では、読
み出し時にビット線BL1 、BL2 の電位Vbl0 、V
bl1 と基準電位Vbl1 、Vbl0 との電位差ΔVbl、ΔV
bl0 、ΔVbl1 が最大になるので、この電位差ΔVbl
ΔVbl0 、ΔVbl1 の検知及び増幅が容易であり、強誘
電体キャパシタ14、15に分極特性のばらつき等があ
っても読み出し余裕が大きい。
【0034】請求項2の強誘電体不揮発性記憶装置で
は、ビット線BL1 、BL2 に付加キャパシタ16、1
7が設けられているので、この付加キャパシタ16、1
7の容量Ca を調節することによって、読み出し時にビ
ット線BL1 、BL2 の電位Vbl0 、Vbl1 と基準電位
bl1 、Vbl0 との電位差ΔVbl、ΔVbl0 、ΔVbl1
が最大になる様なビット線BL1 、BL2 の容量Cb
容易に得ることができる。
【0035】請求項3の強誘電体不揮発性記憶装置で
は、付加キャパシタ16、17のキャパシタ絶縁膜が強
誘電体から成っているので、キャパシタ絶縁膜が常誘電
体から成っている構造に比べて、ビット線BL1 、BL
2 が最適な容量Cb を有するために必要な付加キャパシ
タ16、17の平面的な面積が小さくてよい。
【0036】請求項4の強誘電体不揮発性記憶装置で
は、メモリセル11が一対の強誘電体キャパシタ14、
15を含んでいるので、2トランジスタ−2キャパシタ
方式を実現することができる。
【0037】請求項5の強誘電体不揮発性記憶装置で
は、メモリセルが単一の強誘電体キャパシタを含んでい
るので、1トランジスタ−1キャパシタ方式を実現する
ことができる。
【0038】請求項6の強誘電体不揮発性記憶装置の製
造方法では、メモリセル11を構成する強誘電体キャパ
シタ14、15とビット線BL1 、BL2 に付加される
付加キャパシタ16、17とを同時に形成するので、ビ
ット線BL1 、BL2 に付加キャパシタ16、17を付
加するにも拘らず製造工程は増加しない。
【0039】請求項7の強誘電体不揮発性記憶装置の製
造方法では、読み出し時におけるビット線BL1 、BL
2 の電位Vbl0 、Vbl1 を作図法によって求めるので、
強誘電体キャパシタ14、15におけるヒステリシス曲
線D−C、B−Cの具体的な関数式が不明でも読み出し
時におけるビット線BL1 、BL2 の電位Vbl0 、V
bl1 を求めることができる。
【0040】
【実施例】以下、本願の発明の第1及び第2実施例を、
図1〜5を参照しながら説明する。図1〜4が2トラン
ジスタ−2キャパシタ方式の強誘電体不揮発性記憶装置
に適用した本願の発明の第1実施例を示しているが、こ
の第1実施例の説明に先立って、まず、本願の発明の原
理を説明する。
【0041】図1(b)はメモリセル11を構成してい
るスイッチングトランジスタ12、13が導通している
場合の等価回路を示しており、容量Cs を有する強誘電
体キャパシタ14または15と、ビット線BL1 または
BL2 の容量Cb と等価な容量を有するキャパシタと
が、プレート線PLと接地線GLとの間に互いに直列に
接続されている。
【0042】データの読み出しに際してプレート線PL
に電位Vplを印加したときのビット線BL1 、BL2
電位をVblとすると、読み出し時はビット線BL1 、B
2が浮遊状態であり、且つ上述の様に容量Cs と容量
b とが互いに直列に接続されているので、これらの容
量Cs 、Cb には、以下の連立方程式で表される互いに
等しい電荷Q0 が蓄積される。 Q0 =Q(Vpl−Vbl) Q0 =Cb ・Vbl
【0043】式におけるQ(V)は、容量Cs の両側
の電極に電位差Vが印加された場合にこの容量Cs に蓄
積される電荷の関数を表している。ところが、強誘電体
キャパシタ14、15の容量Cs に蓄積される電荷Q
(V)の具体的な関数式は明らかでないので、上記の連
立方程式からビット線BL1 、BL2 の電位Vblを解析
的に求めることはできない。そこで、図1(a)は、こ
の電位Vblを作図的に求める方法を示している。
【0044】書き込み状態で強誘電体キャパシタ14、
15が図1(a)の夫々D、B点の状態にあるとする
と、図9における期間T2 の説明で述べた様に、読み出
しに際しては、強誘電体キャパシタ14の分極状態は図
1(a)のヒステリシス曲線上をD点からC点へ向かっ
て移動し、強誘電体キャパシタ15の分極状態は図1
(a)のヒステリシス曲線上をB点からC点へ向かって
移動する。
【0045】このため、接地電位0における電荷軸上で
D点と同じ高さの点を原点とする式の直線と、強誘電
体キャパシタ14における式に対応する曲線D−Cと
の交点が、読み出し時におけるビット線BL1 の増幅前
の電位Vbl0 になる。また、接地電位0における電荷軸
上でB点と同じ高さの点を原点とする式の直線と、強
誘電体キャパシタ15における式に対応する曲線B−
Cとの交点が、読み出し時におけるビット線BL2 の増
幅前の電位Vbl1 になる。
【0046】つまり、電位Vbl1 と電位Vbl0 との差で
あるΔVblが、検知及び増幅すべきビット線BL1 、B
2 間の電位差になる。そして、この図1(a)から、
同じヒステリシス曲線でも容量Cb によって電位差ΔV
blが異なり、容量Cb を小さくしても電位差ΔVblは必
ずしも大きくならず、電位差ΔVblを最大にする最適な
容量Cb が存在することが分かる。
【0047】従って、逆に、図2からこの最適な容量C
b を求めて、ビット線の容量Cb としてこの最適な容量
b を選択すれば、電位差ΔVblが最大になる。この結
果、電位差ΔVblの検知及び増幅が容易になり、強誘電
体キャパシタ14、15に分極特性のばらつき等があっ
ても読み出し余裕が大きくなる。
【0048】図2は、膜厚が282nmのPZT(Pb
ZrTiO3 )をキャパシタ絶縁膜とし面積が4μm2
である強誘電体キャパシタのヒステリシス曲線を用い、
電位Vplとして電源電位Vcc=5Vを採用し、容量Cb
を200〜800fFに変化させた場合の、電位差ΔV
blの求め方を示している。
【0049】図3は、図2の方法で求めた電位差ΔVbl
を示している。この図3から、ビット線の容量Cb が4
00fF付近のときに電位差ΔVblの最大値が存在する
ことが分かる。従って、図2に示したヒステリシス曲線
を有するPZTが強誘電体キャパシタ14、15のキャ
パシタ絶縁膜である場合は、ビット線の容量Cb を40
0fFにするのが最も良い。しかし、図7に示した一従
来例では、ビット線BL1 、BL2 の容量Cb として
は、その寄生容量が存在するだけである。
【0050】そこで、この第1実施例では、図4に示す
様に、ビット線BL1 、BL2 と接地線GLとの間に容
量Ca の付加キャパシタ16、17を接続し、ビット線
BL1 、BL2 の寄生容量Cp と付加キャパシタ16、
17の容量Ca との和Ca +Cp が上述の最適な容量C
b になる様に、付加キャパシタ16、17の容量Ca
調節してある。但し、ビット線BL1 、BL2 の寄生容
量Cp のみで上述の最適な容量Cb に等しくなれば、付
加キャパシタ16、17は不要である。
【0051】ところで、図2についての上述の説明で
は、強誘電体キャパシタの面積を4μm2 としたので、
ビット線の最適な容量Cb が400fFになったが、強
誘電体キャパシタ14、15の面積を12μm2 とする
と、ビット線BL1 、BL2 の最適な容量Cb は120
0fFになる。従って、ビット線BL1 、BL2 の寄生
容量を400fFと仮定すると、付加キャパシタ16、
17によって800fFを補う必要がある。
【0052】しかし、例えば、膜厚が30nmのSiO
2 膜をキャパシタ絶縁膜とする付加キャパシタ16、1
7でこの800fFを補おうとすると、付加キャパシタ
16、17の面積として約26×26μm2 が必要にな
り、強誘電体キャパシタ14、15に比べても面積が非
常に大きくて、強誘電体不揮発性記憶装置の微細化が困
難である。
【0053】この様な場合は、強誘電体キャパシタ1
4、15と同様に、付加キャパシタ16、17のキャパ
シタ絶縁膜にも膜厚が282nmのPZTを用いると、
PZTの比誘電率が1000と大きいので、付加キャパ
シタ16、17の面積も約5×5μm2 でよい。但し、
その場合の付加キャパシタ16、17は、PZTの分極
方向を反転させない様に使用する。
【0054】なお、この様に強誘電体キャパシタ14、
15と付加キャパシタ16、17とでキャパシタ絶縁膜
が共通であれば、これらの強誘電体キャパシタ14、1
5と付加キャパシタ16、17とを同時に形成すること
ができて、工程が簡略化される。
【0055】図5は、1トランジスタ−1キャパシタ方
式の強誘電体不揮発性記憶装置に適用した本願の発明の
第2実施例における、メモリセルに接続されているビッ
ト線の容量及びダミーセルに接続されているビット線の
容量の求め方を示している。この第2実施例でも、メモ
リセルに接続されているビット線の容量Cb の求め方
は、上述の第1実施例と同様である。
【0056】一方、ダミーセルに接続されているビット
線の容量としては、データの読み出しに際してプレート
線に電位Vplを印加したときに、記憶している2値のデ
ータに対応するビット線の電位Vbl0 、Vbl1 の中間の
値になる様な容量を求める。従って、データの読み出し
に際して、メモリセルに接続されているビット線とダミ
ーセルに接続されているビット線との間の電位差ΔV
bl0 、ΔVbl1 は、上述の第1実施例の場合の半分にな
る。
【0057】
【発明の効果】請求項1の強誘電体不揮発性記憶装置で
は、強誘電体キャパシタの分極特性等にばらつきがあっ
ても読み出し余裕が大きいので、信頼性が高い。
【0058】請求項2の強誘電体不揮発性記憶装置で
は、読み出し時にビット線の電位と基準電位との電位差
が最大になる様なビット線の容量を容易に得ることがで
きるので、高い信頼性を容易に得ることができる。
【0059】請求項3の強誘電体不揮発性記憶装置で
は、ビット線が最適な容量を有するために必要な付加キ
ャパシタの平面的な面積が小さくてよいので、微細化が
可能である。
【0060】請求項4、5の強誘電体不揮発性記憶装置
では、2トランジスタ−2キャパシタ方式及び1トラン
ジスタ−1キャパシタ方式を実現することができるの
で、これらの方式の強誘電体不揮発性記憶装置の信頼性
を高めることができる。
【0061】請求項6の強誘電体不揮発性記憶装置の製
造方法では、ビット線に付加キャパシタを付加するにも
拘らず製造工程は増加しないので、信頼性の高い強誘電
体不揮発性記憶装置を低コストで製造することができ
る。
【0062】請求項7の強誘電体不揮発性記憶装置の製
造方法では、強誘電体キャパシタにおけるヒステリシス
曲線の具体的な関数式が不明でも読み出し時におけるビ
ット線の電位を求めることができるので、信頼性の高い
強誘電体不揮発性記憶装置を容易に製造することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願の発明の第1実施例を示しており、(a)
はデータの読み出し時におけるビット線の電位を作図的
に求める方法を示すグラフ、(b)はメモリセルを構成
しているスイッチングトランジスタが導通している場合
の等価回路図である。
【図2】第1実施例の具体例を示すグラフである。
【図3】図2のグラフで求めたビット線の容量とビット
線間の電位差との関係を示すグラフである。
【図4】第1実施例のメモリセルの等価回路図である。
【図5】本願の発明の第2実施例を示しており、データ
の読み出し時におけるビット線の電位を作図的に求める
方法を示すグラフである。
【図6】強誘電体のヒステリシス曲線を示すグラフであ
る。
【図7】本願の発明の一従来例におけるメモリセルの等
価回路図である。
【図8】本願の発明の第1実施例及び一従来例を示して
おり、(a)はデータを書き込む際の印加電位のタイミ
ングチャート、(b)はその時の強誘電体キャパシタに
おける分極状態を示す概念図である。
【図9】本願の発明の第1実施例及び一従来例を示して
おり、(a)はデータを読み出す際の印加電位のタイミ
ングチャート、(b)はその時の強誘電体キャパシタに
おける分極状態を示す概念図である。
【符号の説明】
11 メモリセル 14 強誘電体キャパシタ 15 強誘電体キャパシタ 16 付加キャパシタ 17 付加キャパシタ BL1 ビット線 BL2 ビット線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 21/8247 29/788 29/792

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 強誘電体から成るキャパシタ絶縁膜を有
    する強誘電体キャパシタを用いてメモリセルが構成され
    ており、前記強誘電体の2方向の分極状態に対応して2
    値のデータを記憶し、前記強誘電体キャパシタに電気的
    に接続されるビット線の電位と基準電位との電位差によ
    って前記2値のデータの読み出しを行う強誘電体不揮発
    性記憶装置において、 前記電位差が最大になる容量を前記ビット線が有してい
    ることを特徴とする強誘電体不揮発性記憶装置。
  2. 【請求項2】 前記ビット線に付加キャパシタが設けら
    れており、 この付加キャパシタの容量と前記ビット線の寄生容量と
    の和が、前記電位差が最大になる前記容量になっている
    ことを特徴とする請求項1記載の強誘電体不揮発性記憶
    装置。
  3. 【請求項3】 前記付加キャパシタのキャパシタ絶縁膜
    が強誘電体から成っていることを特徴とする請求項2記
    載の強誘電体不揮発性記憶装置。
  4. 【請求項4】 前記メモリセルが一対の前記強誘電体キ
    ャパシタを含んでおり、 前記一対の強誘電体キャパシタにおける前記強誘電体を
    互いに反対方向へ分極させ、 前記一対の強誘電体キャパシタに電気的に接続される一
    対の前記ビット線の一方が他方に対して前記基準電位を
    与えることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記
    載の強誘電体不揮発性記憶装置。
  5. 【請求項5】 前記メモリセルが単一の前記強誘電体キ
    ャパシタを含んでおり、 基準ビット線が前記ビット線に対して前記基準電位を与
    えることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載
    の強誘電体不揮発性記憶装置。
  6. 【請求項6】 前記強誘電体キャパシタと前記付加キャ
    パシタとを同時に形成することを特徴とする請求項3記
    載の強誘電体不揮発性記憶装置の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記2方向の分極状態と前記読み出しの
    ための分極状態とを結ぶ前記強誘電体のヒステリシス曲
    線と、前記2方向の分極状態に対応する電荷軸上の点か
    ら前記ビット線の前記容量の値を勾配にして延びる直線
    との交点から、前記ビット線の前記電位を求めることを
    特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の強誘電体
    不揮発性記憶装置の製造方法。
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