JPH08167381A - 交流型プラズマディスプレイ及びその製造方法 - Google Patents

交流型プラズマディスプレイ及びその製造方法

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JPH08167381A
JPH08167381A JP33136994A JP33136994A JPH08167381A JP H08167381 A JPH08167381 A JP H08167381A JP 33136994 A JP33136994 A JP 33136994A JP 33136994 A JP33136994 A JP 33136994A JP H08167381 A JPH08167381 A JP H08167381A
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俊夫 吉原
Nobuko Takahashi
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来の塗布法における問題点を解消し、化学
的手法により簡便かつ低温での安定成膜が可能であり、
かつ安価に製造でき、放電開始電圧及び駆動電圧を低下
させたプラズマディスプレイを提供すること。 【構成】 交流型プラズマディスプレイにおいて、保護
層が、マグネシウム化合物の加水分解反応によって得ら
れる水酸化マグネシウムとフッ化マグネシウムとから形
成された酸化マグネシウム含有層、又はマグネシウム化
合物とフッ化ホウ素錯塩とを反応させて得られるフッ化
マグネシウムから形成された酸化マグネシウム含有層で
あることを特徴とする交流型プラズマディスプレイ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は交流型プラズマディスプ
レイ及びその製造方法に関する。さらに詳しくは、交流
型プラズマディスプレイにおける誘電体層上に形成する
酸化マグネシウム保護層の形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】放電に伴う発光現象をディスプレイに利
用する、いわゆるプラズマディスプレイは、電極の構造
によって、放電空間に金属電極が露出している直流型
と、金属電極が誘電体層で覆われている交流型とに大別
される。特に、このディスプレイを薄型かつ大画面のカ
ラーテレビ用に用いる場合には、メモリ機能を有してお
りかつ大型化に対応可能な交流型が好適である。この交
流型プラズマディスプレイは、電極の配向構造によっ
て、面放電方式と対向電極方式とに分けられるが、いず
れの方式においても前記誘電体層表面にはは主として酸
化マグネシウムからなる保護層が形成されている。
【0003】ところで、保護層を形成する方法として
は、EB蒸着法を用いる薄膜法と厚膜法が代表的な方法
である。厚膜法では酸化マグネシウムの原料である塩基
性炭酸マグネシウムの溶液をスプレー等によって塗布し
て層を形成させ、次いで加熱処理して酸化マグネシウム
層を形成させる方法である(例えば、特公昭57−13
983号公報、特公昭60−42579号公報、特公昭
63−59221号公報等参照)。これら以外にも保護
層の形成方法としてスパッタ法、CVD法や塗布法等も
ある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の方法のうち、E
B蒸着法、スパッタ法やCVD法等の真空プロセスを用
いる方法は、概して生産性が低く、製造コストも高価に
なるという欠点に加え、プラズマディスプレイのような
大きな被付着体を真空チャンバー内に収納することも非
常に困難であり、大画面のプラズマディスプレイの保護
層を形成する方法としては適していない。塗布法は手軽
な方法であることから鋭意検討されてきたが、従来から
保護層形成用に使用されている市販の酸化マグネシウム
粒子が混入されたペーストは、保護層製造プロセスに合
致せず、又、必要なディスプレイのパネル特性が得られ
ないという性能上の問題がある。従来の上記の保護層形
成用ペーストによる造膜のメカニズムは、ペースト中の
造膜性を有する有機金属化合物の熱分解による酸化マグ
ネシウム層の形成にあるが、該ペーストの使用では通常
の熱処理温度(600℃以下)では膜強度や誘電体層と
の密着性等が充分でなかったり、該化合物の熱分解時に
膜に亀裂が生じるという問題やペーストの塗布適性も満
足できるものではない等の問題があった。又、混入され
ている酸化マグネシウム粒子は粒径が大きく、ペースト
自体の粘度も高いために、層厚の薄化が困難であり、そ
の結果、放電開始電圧や駆動電圧をできるだけ低下させ
たいという要求を満足させることができない不都合もあ
った。
【0005】本発明者等は塗布法における上記の問題点
を解決するために、いわゆるゾル−ゲル法により酸化マ
グネシウム化合物を加水分解して得られる水酸化マグネ
シウムゾルを誘電体層上に塗布した後、焼成して薄膜の
水酸化マグネシウム含有保護層を形成する方法を先に提
案した。しかしながら、この方法では水酸化マグネシウ
ムゾルの誘電体層への付着性が悪く、得られる酸化マグ
ネシウム層の一部が容易に剥れたり、膜厚が不均一とな
り、放電開始電圧及び駆動電圧を満足できる程度に低下
させることはできなかった。更に、水酸化マグネシウム
ゾルを通常の熱処理温度(600℃以下)で処理して
も、生成する酸化マグネシウムの結晶化が進まず、低結
晶性の膜しか得られないために膜強度等も充分でなく、
保護層としての特性が充分に発揮されない問題もあっ
た。本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、
本発明の目的は、上記従来の塗布法における問題点を解
消し、化学的手法により簡便かつ低温での安定成膜が可
能であり、かつ安価に製造でき、放電開始電圧及び駆動
電圧を低下させたプラズマディスプレイを提供すること
である。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、ガス放
電空間を挟んで背面基板と前面基板とが対向配置され、
少なくとも一方の基板には誘電体層に覆われた互いに対
となる電極が夫々形成されると共に、誘電体層上には保
護層が形成されてなる交流型プラズマディスプレイにお
いて、前記保護層が、マグネシウム化合物の加水分解反
応によって得られる水酸化マグネシウムとフッ化マグネ
シウムとから形成された酸化マグネシウム含有層、又は
マグネシウム化合物とフッ化ホウ素錯塩とを反応させて
得られるフッ化マグネシウムから形成された酸化マグネ
シウム含有層であることを特徴とする交流型プラズマデ
ィスプレイが提供される。
【0007】又、本発明によれば、前記保護層を、少な
くともマグネシウム化合物の加水分解反応によって得ら
れる水酸化マグネシウムとフッ化マグネシウムとを含有
する塗布液、又はマグネシウム化合物とフッ化ホウ素錯
塩とを反応させて得られるフッ化マグネシウムを含有す
る塗布液を誘電体層に塗布し、次いで加熱処理して形成
することを特徴とする交流型プラズマディスプレイの製
造方法が提供される。
【0008】
【作用】本発明によれば、保護層の形成に、マグネシウ
ム化合物の加水分解反応によって得られる水酸化マグネ
シウムと共にフッ化マグネシウムとを含有する塗布液を
使用することにより、誘電体層との密着性に優れた高結
晶性酸化マグネシウム含有保護層が得られる。又、水酸
化マグネシウムとフッ化マグネシウムとを反応性の高い
ゾルとすることにより、塗布液を塗布後焼成によって生
じる酸化マグネシウム層は誘電体層上に平面的、かつ均
一に分布した薄膜層として形成される。このように酸化
マグネシウム含有層の膜厚を薄くすることが可能である
から、本発明の交流型プラズマディスプレイの放電開始
電圧及び駆動電圧を大幅に低下させることができる。
【0009】
【好ましい実施態様】以下に好ましい実施態様を挙げて
本発明をさらに詳細に説明する。本発明で使用するマグ
ネシウム化合物は、加水分解によって酸化マグネシウム
及び/又は水酸化マグネシウムを生成する化合物であれ
ばいずれも使用でき、特に限定されない。例えば、ゾル
−ゲル法による無機ガラスやセラミックスの前駆体とし
て知られるマグネシウムアルコキシド誘導体、マグネシ
ウムアセチルアセトネート誘導体やマグネシウムカルボ
キシレート等の有機マグネシウム化合物、これらの硝酸
塩、硫酸塩や塩化物等の有機マグネシウム化合物の塩、
塩化マグネシウム、硝酸マグネシウムや硫酸マグネシウ
ム等の無機マグネシウム化合物及びこれらの加水分解
物、部分加水分解物及び部分縮合物等が挙げられ、これ
らは1種又は2種以上で使用される。
【0010】上記のマグネシウム化合物の加水分解は、
該化合物に水を添加すれば進行し、加熱により反応は促
進されるが、反応を均一かつ効率的に進行させるために
は、溶液状態で反応させることが望ましい。溶剤として
は、水、アルコール類、エーテル類、エステル類等が用
いられる。又、プロピレンカーボネート、γ−ブチロラ
クトン等の高誘電率有機溶剤も使用することができる。
加水分解反応は使用する溶剤の沸点以下の温度で行うこ
とが反応の効率上好ましい。反応時間は反応温度によっ
て異なるが、通常1〜10時間である。例えば、80℃
で8時間の反応では生成した水酸化マグネシウムゾルが
充分に成長する。さらに温度を上げ、反応時間を長くす
ると酸化マグネシウムゾルも生成する。水酸化マグネシ
ウムゾル及び酸化マグネシウムゾルの安定性を考慮する
と、溶剤としては水と共にアルコール類、特にメタノー
ル、エタノール、プロパノールやブタノールの併用が好
ましい。
【0011】本発明で使用するフッ化マグネシウムとし
ては、前記のマグネシウム化合物とフッ化ホウ素錯塩と
を反応させて得られるフッ化マグネシウムを使用するこ
とが、誘電体層と酸化マグネシウム含有層(保護層)と
の密着性、膜強度及び薄膜化の点から好ましい。フッ化
ホウ素錯塩としては、公知の該錯塩はいずれも使用可能
であるが、アルキルエーテル錯塩、アルコール錯塩、フ
ェノール錯塩、カルボン酸錯塩や水溶液錯塩等が好まし
く、エチルエーテル錯塩、メタノール錯塩、エタノール
錯塩や酢酸錯塩等の使用が特に好ましい。
【0012】マグネシウム化合物とフッ化ホウ素錯塩と
の反応は、両化合物の可溶性溶剤の溶液中あるいは適当
な溶剤に分散させて行うが、反応の効率の点から溶液中
での反応が好ましい。反応は加熱により促進される。溶
剤としてはマグネシウム化合物の加水分解反応に使用す
る溶剤を用いることができる。フッ化マグネシウムは、
マグネシウム化合物対フッ化ホウ素の使用割合(モル
比)が1:2〜4:1の範囲で生成する。マグネシウム
化合物を上記の割合よりも多く使用すれば、未反応のマ
グネシウム化合物は加水分解によって水酸化マグネシウ
ムとなるので、別々に製造したフッ化マグネシウムと水
酸化マグネシウムとを混合して使用するよりも、同時に
両者を生成させて使用することが好ましい。
【0013】フッ化マグネシウムと水酸化マグネシウム
とを同時に生成させる場合には、先ずマグネシウム化合
物の溶液を調製し、これにフッ化ホウ素錯塩を添加し反
応させることによって、保護層となる酸化マグネシウム
含有層の焼成温度、すなわち結晶化温度を大幅に低下さ
せることができる。この理由は、先ずフッ化マグネシウ
ムが生成し、これがフッ化マグネシウムと共に、あるい
はその生成後に生成した水酸化マグネシウムの種結晶と
して働くためと考えられる。又、上記フッ化マグネシウ
ムと水酸化マグネシウムとを含む溶液から保護層を形成
する際に、焼成中のフッ素成分が分解して成形体周囲が
フッ素雰囲気となり、成形体の焼結が促進されることも
考えられる。これにより比較的低温の焼成でも緻密質の
焼結体が得られると共に、残留不純物となる様な添加剤
が添加されていないので、焼結体は高純度を保つことが
できる。
【0014】以上のようにして得られる水酸化マグネシ
ウムとフッ化マグネシウムを含有する液を保護層形成用
塗布液として使用する。両化合物は反応性の高いゾルと
して使用することが保護層の膜厚を薄くするうえで好ま
しい。フッ化マグネシウムの使用割合は、水酸化マグネ
シウムに対して0.01〜90重量%の範囲が、加熱処
理(焼成)によって得られる酸化マグネシウム含有層の
特性上好ましい。水酸化マグネシウムと共にフッ化マグ
ネシウムは加熱処理によって酸化マグネシウムとなる
が、フッ化マグネシウムの使用割合が上記の範囲以上と
なると酸化マグネシウム含有層中の残留フッ素量が多く
なり好ましくない。さらに好ましくは0.1〜50重量
%の範囲である。又、両化合物を含有する塗布液中の固
形分(濃度)は0.1〜70重量%の範囲が好ましく、
両化合物の均一なゾル溶液とするためには0.1〜10
重量%の範囲がさらに好ましい。本発明においては、保
護層形成用塗布液として、マグネシウム化合物とフッ化
ホウ素錯塩とを反応させて得られるフッ化マグネシウム
のみを含有する塗布液を使用することができる。使用す
る溶剤、該塗布液中のフッ化マグネシウムの濃度は上記
の場合と同様である。
【0015】本発明では、前記のマグネシウム化合物の
加水分解によって得られる水酸化マグネシウムとフッ化
マグネシウムを含む塗布液、あるいはフッ化マグネシウ
ムのみを含む塗布液を用いて交流型プラズマディスプレ
イの保護層を形成するが、図面によって該ディスプレイ
の構造例の該略を説明する。図1に示すように、本発明
の交流型プラズマディスプレイは、ガス放電空間3を挟
んで互いに対向配置された前面基板1と背面基板2とか
ら構成されている。基板1及び2は所定の厚さのガラス
板で形成される。基板1の基板2に対向する面にはX電
極4aとY電極4bからなる対電極4が設けられ、これ
らの電極を包埋するように基板1上には誘電体層5が形
成されている。誘電体層5は保護層6(膜厚は通常2μ
m以下であることが必要)(酸化マグネシウム含有層)
で覆われている。基板2の基板1に対向する面上にはア
ドレス電極7が、その上には蛍光体層8が形成されてい
る。
【0016】図2に他の構造例を示す。この例において
は図1の保護層6の上には蛍光体層8が、さらにその上
には保護層6がそれぞれ設けられている。図1と同様に
アドレス電極7上にも蛍光体層8が形成されているが、
場合によっては蛍光体層8はいずれか一方だけに形成す
る。
【0017】次にこれらの図に示した誘電体層上に設け
る保護層の形成方法を説明する。誘電体層表面に前記の
水酸化マグネシウムとフッ化マグネシウムを含有する塗
布液をスピンコート法、ディップ法、スプレー法、ロー
ルコーター法やメニスカスコーター法等の塗布方法によ
って所定の乾燥層厚となるように塗布する。塗布温度は
塗布液の溶剤の沸点以下の温度であればよく、特に制限
されない。塗布後、乾燥させる。乾燥温度は約60〜3
00℃の範囲が好ましい。塗布液の溶剤が低沸点の溶剤
である場合には、室温で塗布及び乾燥することで水酸化
マグネシウムの一部が酸化マグネシウムとなり、均一層
厚の酸化マグネシウム含有層が形成されるが、水酸化マ
グネシウムを完全に酸化マグネシウムへ移行させ、酸化
マグネシウムの結晶化を促進して層(膜)強度を高める
等のためには、乾燥後300〜600℃で加熱処理(焼
成)することが好ましい。
【0018】水酸化マグネシウムとフッ化マグネシウム
を含有する塗布液は、前記の両化合物を同時に形成させ
た塗布液をそのまま使用することができるが、不純物
(副反応生成物等の)が存在する場合には、塗布液を高
pHとして両化合物を沈澱させ、沈澱を充分に洗浄した
後、前記の溶剤に再分散させ、少量の水を添加した後、
充分に熟成させてから使用することが好ましい。塗布液
としてフッ化マグネシウムのみを含む塗布液を使用する
場合も上記と同様にして保護層を形成する。以上のよう
にして、誘電体層表面に保護層としての酸化マグネシウ
ム含有層が形成される。通常必要な保護層の膜厚は2μ
m以下であるが、本発明によれば酸化マグネシウム含有
層の厚さを1μm以下とすることもできる。
【0019】以下に実施例により本発明を具体的にさら
に説明する。 実施例1 塩化マグネシウム6水和物をエタノールに溶解し、Mg
2+濃度0.5モル/リットルの溶液を調製した。この溶
液に蒸留水をMg2+:H2 Oが1:3(モル比)となる
ように添加し、さらにMg2+に対して1/3モルのフッ
化ホウ素エタノール錯塩を加え、60℃で4時間反応さ
せた。かくして、やや粘稠な透明水酸化マグネシウムと
フッ化マグネシウムの混合ゾルが分散した塗布液が得ら
れた。
【0020】背面ガラス基板上に真空蒸着法により形成
したCr電極(膜厚2000Å)をパターニングした
後、同様に真空蒸着法によって絶縁層(誘電体層:膜厚
8000Å)を形成した。この誘電体層上に上記の塗布
液をディップコーティング法によって室温、大気中で塗
布した後、120℃で1時間乾燥させた。乾燥後、50
0℃のオーブン中で2時間熱処理(焼成)を行った。熱
処理後、水分を蒸発させるために上記温度でベーキング
を施した。かくして、保護層である酸化マグネシウム含
有層が形成された。膜厚は1μmであった。
【0021】一方、ガラス基板上にスクリーン印刷でバ
リアリブを形成後、蛍光体を塗布し前面ガラス基板を作
製した。上記2種の基板をそれぞれの処理面を対向させ
て貼り合わせ、He−Xe(1.1%)ペニングガスを
500Torr封入して測定用パネルを作製した。駆動
波形は、駆動周波数15KHz、デューティ比23%の
パルスで測定した。測定結果は、最小点火電圧(Vf)
は200V、最小維持電圧(Vsm)は145V、メモ
リーマージン(Vf−Vsm)は55Vであった。Vf
及びVsmの値は酸化マグネシウム膜に代えて真空蒸着
膜を形成させた同じ構造のパネルのこれらの値よりいず
れも40〜50V高いものであったが、メモリーマージ
ンはほぼ同等であった。
【0022】実施例2 塩化マグネシウム6水和物の代わりに硝酸マグネシウム
6水和物を用いる以外は実施例1と同様にして塗布液を
調製し、これを用いて実施例1と同様にして作製したパ
ネルを測定したが、ほぼ同等の結果が得られた。塩化マ
グネシウム6水和物の代わりに酢酸マグネシウム4水和
物を用いる以外は実施例1と同様にして塗布液を調製
し、これを用いて実施例1と同様にして作製したパネル
を測定したが、ほぼ同等の結果が得られた。
【0023】
【発明の効果】以上の本発明によれば、従来の酸化マグ
ネシウム含有層の形成に用いられるペーストでは実現不
可能であった膜厚2μm以下の酸化マグネシウム含有層
の形成が可能であり、低い放電開始電圧及び駆動電圧
(消費電圧)の交流型プラズマディスプレイの製造が可
能となる。さらに、本発明によれば、塗布法を用いるこ
とができるので、安価に大面積の保護層を形成すること
ができるから、大型カラーテレビ(例えば対角40イン
チ等の)用のディスプレーの製造が可能である。
【0024】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の交流型プラズマディスプレイの構造例
を示す。
【図2】本発明の交流型プラズマディスプレイの他の構
造例を示す。
【符号の説明】
1:前面基板 2:背面基板 3:放電空間 4:対電極 4a:X電極 4b:Y電極 5:誘電体層 6:保護層 7:アドレス電極 8:蛍光体層 9:障壁

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガス放電空間を挟んで背面基板と前面基
    板とが対向配置され、少なくとも一方の基板には誘電体
    層に覆われた互いに対となる電極が夫々形成されると共
    に、誘電体層上には保護層が形成されてなる交流型プラ
    ズマディスプレイにおいて、前記保護層が、マグネシウ
    ム化合物の加水分解反応によって得られる水酸化マグネ
    シウムとフッ化マグネシウムとから形成された酸化マグ
    ネシウム含有層であることを特徴とする交流型プラズマ
    ディスプレイ。
  2. 【請求項2】 ガス放電空間を挟んで背面基板と前面基
    板とが対向配置され、少なくとも一方の基板には誘電体
    層に覆われた互いに対となる電極が夫々形成されると共
    に、誘電体層上には保護層が形成されてなる交流型プラ
    ズマディスプレイにおいて、前記保護層が、マグネシウ
    ム化合物とフッ化ホウ素錯塩とを反応させて得られるフ
    ッ化マグネシウムから形成された酸化マグネシウム含有
    層であることを特徴とする交流型プラズマディスプレ
    イ。
  3. 【請求項3】 ガス放電空間を挟んで背面基板と前面基
    板とを対向配置し、少なくとも一方の基板に誘電体層に
    覆われた互いに対となる電極を夫々形成すると共に、誘
    電体層上に保護層を形成する交流型プラズマディスプレ
    イの製造方法において、前記保護層を、少なくともマグ
    ネシウム化合物の加水分解反応によって得られる水酸化
    マグネシウムとフッ化マグネシウムとを含有する塗布液
    を誘電体層に塗布し、次いで加熱処理して形成すること
    を特徴とする交流型プラズマディスプレイの製造方法。
  4. 【請求項4】 ガス放電空間を挟んで背面基板と前面基
    板とを対向配置し、少なくとも一方の基板に誘電体層に
    覆われた互いに対となる電極を夫々形成すると共に、誘
    電体層上に保護層を形成する交流型プラズマディスプレ
    イの製造方法において、前記保護層を、マグネシウム化
    合物とフッ化ホウ素錯塩とを反応させて得られるフッ化
    マグネシウムを含有する塗布液を誘電体層に塗布し、次
    いで加熱処理して形成することを特徴とする交流型プラ
    ズマディスプレイの製造方法。
  5. 【請求項5】 マグネシウム化合物が、有機マグネシウ
    ム化合物及びその塩、無機マグネシウム化合物、これら
    の加水分解物、部分加水分解物及び縮合物から選択され
    る少なくとも1種の化合物である請求項3又は4に記載
    の交流型プラズマディスプレイの製造方法。
  6. 【請求項6】 フッ化マグネシウムが、マグネシウム化
    合物とフッ化ホウ素錯塩との反応生成物である請求項3
    に記載の交流型プラズマディスプレイの製造方法。
  7. 【請求項7】 フッ化ホウ素錯塩が、フッ化ホウ素アル
    キルエーテル錯塩、フッ化ホウ素フェノール錯塩、フッ
    化ホウ素アルコール錯塩及びフッ化ホウ素水溶液錯塩か
    ら選択される少なくとも1種の化合物である請求項4又
    は6に記載の交流型プラズマディスプレイの製造方法。
  8. 【請求項8】 塗布液が、マグネシウム化合物を分散又
    は溶解させた液にフッ化ホウ素錯塩を加えて反応させて
    なる少なくとも水酸化マグネシウムとフッ化マグネシウ
    ムを含有する塗布液である請求項3に記載の交流型プラ
    ズマディスプレイの製造方法。
  9. 【請求項9】 フッ化マグネシウムを水酸化マグネシウ
    ム量に対して0.1〜90重量%の割合で使用する請求
    項3に記載の交流型プラズマディスプレイの製造方法。
  10. 【請求項10】 塗布液中のフッ化マグネシウムと水酸
    化マグネシウムの濃度が0.1〜70重量%である請求
    項3に記載の交流型プラズマディスプレイの製造方法。
  11. 【請求項11】 塗布液中のフッ化マグネシウムの濃度
    が0.1〜70重量%である請求項4に記載の交流型プ
    ラズマディスプレイの製造方法。
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