JPH08167169A

JPH08167169A - 情報記録媒体及び原盤記録装置及び情報記録装置

Info

Publication number: JPH08167169A
Application number: JP6331521A
Authority: JP
Inventors: Kazuhiko Nakano; 和彦中野
Original assignee: Nippon Columbia Co Ltd
Current assignee: Nippon Columbia Co Ltd
Priority date: 1994-12-09
Filing date: 1994-12-09
Publication date: 1996-06-25

Abstract

(57)【要約】【目的】ジッタ及びエラーレートが小さく、かつ回転
制御信号及び時間情報又は位置（アドレス）信号が案内
溝に記録されている情報記録媒体及びその原盤製造装置
並びにその情報記録装置を提供する。【構成】情報記録媒体は、その案内溝の形状が回転制
御信号及び時間情報又は位置（アドレス）情報に基づ
き、案内溝の中心線を対称として溝幅が変化している。
案内溝を得るために、その原盤製造装置は回転制御信号
及び時間情報又は位置（アドレス）情報に基づいて記録
ビームのパワーを変調させて露光を行う。その情報記録
装置は、案内溝の幅変化に応じた反射光量を検出するこ
とにより回転制御信号及び時間情報又は位置（アドレ
ス）情報を再生し、情報記録媒体の回転を制御し、記録
ビームの位置を検出する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はレーザ光により情報を記
録・再生する情報記録媒体及びその原盤記録装置及びそ
の情報記録装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、大容量で、高密度の光ディスクの
実用化が進んでいる。特に再生専用型光ディスクではコ
ンパクトディスク（ＣＤ：Compact Disc）、ミニディス
ク（ＭＤ：Mini Disc）及びレーザディスク（ＬＤ：Las
er Disc）等を中心として広く普及している。また、追
記型及び書換型光ディスクでは、金属記録層をレーザ光
により溶解、昇華させる穿孔型、結晶ー非結晶間の相変
化を利用した相変化型及び磁気光学効果を利用した光磁
気型等、着々と実用化が進んでいる。

【０００３】この様な状況の中で、記録・消去が可能で
あること、オーバライトが可能であること及び媒体のコ
ストが比較的安価なこと等から、光磁気型コンパクトデ
ィスク（ＣＤーＭＯ：Compact Disc-Magnetic Optica
l）や光磁気型ミニディスク（ＭＤーＭＯ：Mini Disc-M
agnetic Optical）のような磁気光学効果を利用した書
換可能な光ディスクや、シアニン系色素等を記録膜に用
い、１回だけ記録が行え、ＣＤと互換性を有する追記型
ＣＤ（ＣＤ−Ｒ：Compact Disc-Recordable）が商品化
され、普及しはじめている。

【０００４】ＣＤ−ＭＯ、ＭＤ−ＭＯ及びＣＤ−Ｒのい
ずれも、線速度一定（ＣＬＶ：Constant Liner Velocit
y）で記録・再生が行われる。再生の際には、記録され
ている８ー１４変調（ＥＦＭ：Eight to Fourteen Modu
lation）信号を基にスピンドル制御を行う。

【０００５】一方、記録の際には、ＥＦＭ信号が記録さ
れていないため、ＣＤ−ＭＯ及びＣＤ−Ｒでは絶対時間
情報（ＡＴＩＰ：Absolute Time In Pregroove）データ
又はＭＤ−ＭＯではアドレス情報（ＡＤＩＰ：Address
In Pregroove）データと呼ばれる信号を基にスピンドル
制御を行う。これらのデータは透明基板の案内溝の蛇行
周期の周波数変化として記録されており、案内溝は基本
周波数２２．０５ｋＨｚに１ｋＨｚで変化する繰り返し
周波数から成る時間情報又はアドレス情報信号が重畳さ
れて成る合成信号により、振幅３０ｎｍで揺動（ウォブ
リング）している。

【０００６】このウォブリングした案内溝をトラッキン
グすることによって得られるトラッキングエラー信号を
復調し、ＡＴＩＰデータ又はＡＤＩＰデータを再生し、
その基本周波数によりスピンドルモータの回転を制御
し、時間情報又はアドレス情報により記録ビームの位置
を検出する。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】図２は、従来のウォブ
リング案内溝５を有するＣＤ−ＭＯ又はＭＤ−ＭＯ等の
情報記録媒体１にマーク４を記録した場合の模式図であ
る。このように、ＣＤ−ＭＯ又はＭＤ−ＭＯでは蛇行し
ているウォブリング案内溝５をトラッキングするため、
一部のマーク４はオフトラックしながら記録され、マー
ク４の一部がウォブリング案内溝５の端部にかかってし
まい、マーク形状が歪み、ジッタ発生の原因となる。

【０００８】現在のＣＤ−ＭＯ及びＭＤ−ＭＯ等のよう
にデジタル信号を記録する用途では、このようなオフト
ラックによって発生するジッタは殆ど影響はない。しか
し、レーザディスク（ＬＤ）等のアナログ信号を記録す
る場合、また、デジタル信号記録においても、今後高密
度化が進んだ場合等にこのジッタが信号品質を劣化させ
る大きな要因となる。

【０００９】さらに、ウォブリング案内溝５を透明基板
上に形成するためには、光ディスク原盤のカッティング
工程において、例えばＭＤ−ＭＯでは、ＡＤＩＰデータ
と呼ばれる、基本周波数２２．０５ｋＨｚに１ｋＨｚで
変化する周波数が重畳されて成る合成信号で記録レーザ
光を振動させながら案内溝を記録しなくてはならない。

【００１０】図３に従来の原盤記録装置の構成を示す。
光源６から出射したレーザ光７はミラー８で反射され、
音響光学型光変調器９に入射し、０次透過光１１及び１
次回折光１２に分割される。

【００１１】ここで、音響光学型光変調器９を駆動する
超音波の周波数を変えることにより、１次回折光１２の
角度を調節することができる。従って、音響光学型光変
調器９を駆動する超音波周波数をＡＤＩＰデータ発生回
路等の合成信号発生回路１０からのバイアス電流で駆動
し、１次回折光１２を用いて感光剤を塗布した光ディス
ク原盤１４を露光し、ウォブリング案内溝５を形成す
る。

【００１２】しかし、レーザ光７の音響光学型光変調器
９への入射角度が変わったり、音響光学型光変調器９に
加えるバイアス電流が経時変化等で変動すると、１次回
折光１２の出射角度が変化してしまうため、環境温度の
管理及びレーザ光７の音響光学型光変調器９への入射角
度を一定に保つことの調整等が困難であった。

【００１３】また、１次回折光１２の０次透過光１１に
対する効率が低いため、光源６として高出力のレーザを
用いる必要がある。更に、コンパクトディスク（ＣＤ）
等の露光に高レーザパワーを要する光ディスクを作製す
る場合には、０次透過光１１を用いた方が効率が高いた
め、その都度、光学系を変更するか、又はＣＤ等を作製
するための０次透過光１１を用いる光学系と、ウォブリ
ング案内溝５を有するＭＤ−ＭＯ等を作製する１次回折
光１２を用いる光学系を設置した２系統光学系の原盤記
録装置を設計する必要があり、コストが高くなってしま
っていた。

【００１４】

【課題を解決するための手段】請求項１記載の発明にお
いては、透明基板と、透明基板上に情報の記録を行う記
録層と、案内溝とを有し、案内溝が媒体回転制御信号に
時間情報又は位置（アドレス）情報を重畳した合成信号
に基づいて形状が変化されている情報記録媒体におい
て、案内溝の溝幅が合成信号に基づいて案内溝の中心線
を軸として対称に変化していることを特徴とするもので
ある。

【００１５】請求項２に記載の発明においては、感光剤
が塗布された基板上に記録ビームを連続的に照射し案内
溝を記録する原盤記録装置において、原盤回転制御信号
に時間情報又は位置（アドレス）情報を重畳した合成信
号を出力する信号発生手段と、合成信号に従って記録ビ
ームのパワーを制御する記録パワー制御手段とを有し、
記録パワー制御手段によって記録ビームのパワーを制御
することを特徴とするものである。

【００１６】請求項３に記載の発明においては、情報記
録媒体の案内溝に予め記録された媒体回転制御信号及び
時間情報又は位置（アドレス）情報を検出するための検
出手段を有し、回転制御信号に基づいて情報記録媒体を
回転させ、時間情報又は位置（アドレス）情報に基づい
て記録ビームの位置を検出しながら情報を記録する情報
記録装置において、検出手段は、記録ビームの情報記録
媒体から反射された反射光量の変化を検出することを特
徴とするものである。

【００１７】

【作用】本発明の情報記録媒体は、記録時の媒体の回転
制御を行うために、透明基板上に形成されたトラッキン
グ用の案内溝の幅が、媒体回転制御信号に時間情報又は
位置（アドレス）情報を重畳した合成信号に応じて案内
溝の中心線を軸として対称に変化するようにした。

【００１８】したがって、案内溝の中心線が蛇行しない
ため、トラッキングの際のオフトラックが発生しにく
く、ジッタ又はエラーの少ない良好なマーク列を記録す
ることができる。

【００１９】本発明の情報記録媒体の原盤記録装置で
は、原盤回転制御信号に時間情報又は位置（アドレス）
信号を重畳した合成信号が記録され、案内溝の中心線を
対称に溝幅が変化した案内溝を形成するために、合成信
号に応じて記録レーザ光のパワーを変調し、案内溝幅の
細い部分は低パワーで、案内溝幅の広い部分は高パワー
で記録を行う。したがって、従来の原盤記録装置のよう
に、記録レーザ光の出射角度を合成信号に応じて変動さ
せるための音響光学型光変調器を用いる必要がないた
め、光学系の調整が容易である。

【００２０】また、記録ビームに１次回折光を用いない
ため、１系統の光学系で高パワーが必要な光ディスク原
盤の製造にも対応することができ、装置の構造を単純に
することができる。

【００２１】本発明の情報記録媒体の情報記録装置は、
情報記録媒体の案内溝に記録された回転制御信号及び時
間情報又は位置（アドレス）情報を、記録ビームの情報
記録媒体からの反射光量の変化で検出し、記録時の情報
記録媒体の回転制御及び記録ビームの位置の検出をする
ことができる。

【００２２】

【実施例】図１は、本発明の情報記録媒体の実施例を示
す例であり、透明基板上に形成した案内溝の中心線を軸
として対称に溝幅が変化する、幅変調型案内溝２を有す
る情報記録媒体１にマーク４を記録した場合の模式図で
ある。このように案内溝の中心線３が蛇行しないため、
記録レーザ光をトラッキングする場合に、オフトラック
が発生しにくく、マーク４は案内溝の中心線３に沿って
記録される。

【００２３】図４は、本発明の幅変調型案内溝２を有す
る情報記録媒体１の光ディスク原盤１４を製造するため
の原盤記録装置の模式図である。光源６を出射したレー
ザ光７はミラー８で反射され、パワー制御器１５に入射
する。合成信号発生回路１０から発生されるバイアス電
流でパワー制御器１５を駆動することにより、レーザ光
７のパワーは、原盤回転制御信号に時間情報又は位置
（アドレス）情報を重畳した合成信号に応じて制御され
る。制御されたレーザ光７は、対物レンズ１３によって
光ディスク原盤１４上に集光され、幅変調型案内溝２が
記録される。

【００２４】図６には、本発明の原盤記録装置の合成信
号の波形、案内溝記録レーザパワー及び本発明の情報記
録媒体の案内溝形状並びに本発明の情報記録装置におけ
る案内溝の再生信号の関係を示す。図６に示すように、
回転制御信号である基本周波数に時間情報又は位置（ア
ドレス）情報を表す周波数を重畳した合成信号（Ａ）で
パワー制御器１５を駆動するため、レーザ光７のレーザ
パワー（Ｂ）は、光ディスク原盤１４上に塗布された感
光剤が感光する範囲内で合成信号の周波数に応じて変調
され、高いレーザパワーで照射された部分は原盤の半径
方向の幅が広く、低いレーザーパワーで照射された部分
は原盤の半径方向の幅が狭く露光される。

【００２５】続いて、露光された光ディスク原盤１４を
現像処理すると、基本周波数に時間情報又は位置（アド
レス）情報を表す周波数を重畳した合成信号に基づい
て、溝幅が案内溝の中心線を軸として対称に変化した案
内溝が凹状に得られる。この光ディスク原盤１４からス
タンパを作製し、このスタンパを用いてポリカーボネー
ト等の樹脂を成型することにより、凹状の幅変調型案内
溝２（Ｃ）を有する透明基板が得られる。

【００２６】次に、幅変調型案内溝２を有する透明基板
上にテルビウムー鉄ーコバルト（ＴｂＦｅＣｏ）膜等か
ら成る光磁気記録膜や、シアニン系色素膜をスパッタリ
ング法又はスピンコート法等によって形成し、必要であ
れば、保護層及び反射層を設け、情報記録媒体１を作製
する。

【００２７】情報の記録時は、透明基板に形成された幅
変調型案内溝２に記録された合成信号は、記録ビームの
情報記録媒体１からの反射光量の変化（Ｄ）として得ら
れる。幅変調型案内溝２の幅の最も狭い部分では反射光
量が最も低くなり、幅の最も広い部分では反射光量が最
も高くなり、案内溝の幅に応じた反射光量の連続的な変
化を検出することにより、合成信号が再生され、基本周
波数で情報記録媒体１の回転を制御することができ、時
間情報又は位置（アドレス）情報を表す周波数をコード
化することによって、記録ビームの位置を知ることがで
きる。

【００２８】また、従来のＣＤーＭＯ、ＭＤ−ＭＯ又は
ＣＤ−Ｒ等の記録装置では、媒体回転制御信号及び時間
情報又は位置（アドレス）情報を、４分割ディテクタの
左右（又は上下）の光量の差｛（Ａ＋Ｂ）−（Ｃ＋
Ｄ）｝信号であるトラッキングエラー信号中から分離・
検出していた。ここでＡ，Ｂ，Ｃ，Ｄは４分割ディテク
タの各検出素子を表し、図７に示す本発明の情報記録装
置の一例のような配置とする。

【００２９】それに対し、本発明の情報記録装置では、
媒体回転制御信号及び時間情報又は位置（アドレス）情
報を、４分割ディテクタの総光量の和｛（Ａ＋Ｂ）＋
（Ｃ＋Ｄ）｝信号から検出する。したがって、従来の記
録装置よりも、高いＳＮ比で信号が得られ、より高い精
度で原盤の回転数を制御でき、記録ビームの時間又は位
置（アドレス）情報を得ることができる。

【００３０】さらに、本発明の情報記録媒体がＭＤ−Ｍ
Ｏ等の光磁気記録媒体の場合、マークによって記録され
たオーディオデータ等の再生信号は、４分割ディテクタ
の総光量の和｛（Ａ＋Ｄ）＋（Ｂ＋Ｃ）｝信号を偏光ビ
ームスプリッタでＰ偏光とＳ偏光に分割し、その差信号
を検出することによって得られる。

【００３１】また、本発明の情報記録媒体がＣＤ−Ｒ等
の媒体である場合は、マークによって記録されたオーデ
ィオデータ等の再生信号は、４分割ディテクタの総光量
の和｛（Ａ＋Ｄ）＋（Ｂ＋Ｃ）｝信号で得られる。

【００３２】上記いずれの情報記録媒体を用いた場合
も、オーディオデータ等の再生信号は、幅変調型案内溝
２に起因する光量変化の影響を受けるが、ハイパスフィ
ルタ等を用いることによって、再生信号から、媒体回転
制御信号に時間情報又は位置（アドレス）情報を重畳し
た合成信号の成分を簡単に除去することができる。以下
に、本発明の実施例をさらに詳細に説明する。

【００３３】（実施例）直径２００ｍｍ、厚さ６ｍｍの
平滑なガラス原盤上に、酢酸セロソルブで１０％に希釈
したフォトレジストをスピンコータにより１６０ｒｐｍ
で回転塗布し、膜厚０.１２μｍのフォトレジスト層を
形成し、光ディスク原盤１４を作製した。

【００３４】図４に示すように、この光ディスク原盤１
４を本発明の原盤記録装置に取り付け、線速度１．２ｍ
／ｓで回転させる。光源１としてＡｒイオンレーザを用
いた。合成信号発生回路１０からはＭＤ−ＭＯにおける
ＡＤＩＰデータと同様の基本周波数２２．０５ｋＨｚに
１ｋＨｚで変化する周波数を重畳した合成信号を発生さ
せ、パワー制御器１５を駆動し、レーザ光７を１．０ｍ
Ｗから１．５ｍＷの範囲でパワーを制御して、ガラス原
盤上に塗布されたフォトレジスト層の直径２０ｍｍから
６０ｍｍの範囲を、トラックピッチ１．６μｍでスパイ
ラル状に露光した。そして、現像液で現像し、凹状の案
内溝を光ディスク原盤１４上に形成した。

【００３５】次に、光ディスク原盤１４のフォトレジス
ト層表面にスパッタリング法によりニッケル導電膜を７
０ｎｍの膜厚で形成し、ニッケル層の電鋳を行って、
０.５ｍｍ厚のスタンパを得た。

【００３６】スタンパの内外周を所定の大きさに加工し
て射出成形機に取り付け、射出成形を行うことにより直
径６４ｍｍ、内径１５ｍｍ、厚さ１.２ｍｍのポリカー
ボイト樹脂の透明基板１６を得た。

【００３７】この透明基板１６に形成された幅変調型案
内溝２の形状を原子間力顕微鏡を用いて測定したとこ
ろ、深さ１２０ｎｍ、幅は最も広い部分で１．１μｍ、
最も狭い部分で０．９μｍであった。

【００３８】図５には、本実施例で作製した光磁気記録
媒体３４の断面構造図を示した。透明基板１６上に、ス
パッタリング法により、干渉層１７として膜厚５０ｎｍ
でＳｉ₂Ｎ₃膜を積層し、その上に光磁気記録層１８とし
て膜厚１２０ｎｍでＴｂＦｅＣｏ膜を積層し、さらにそ
の上に干渉層１７としてＳｉ₂Ｎ₃膜を膜厚５０ｎｍ、反
射層１９としてＡｌ膜を膜厚６０ｎｍで順に積層した。
そして、反射膜１９の上にスピンコータを用いて、紫外
線硬化性樹脂を塗布し、紫外線を照射することによって
硬化させ、膜厚１０μｍの保護層２０を形成した。

【００３９】以上のようにして作製した光磁気記録媒体
３４に、ＥＦＭ変調した音楽信号を磁界変調方式で記録
した。図７に示す情報記録装置の一例の模式図を用いて
説明する。半導体レーザ２６から４．５ｍＷの出力で連
続的に出射したレーザ光は光磁気記録媒体３４の透明基
板１６側から入射する。また、同時に光磁気記録媒体３
４の保護層２０に接触させた磁気ヘッド２１は、ＥＦＭ
変調回路２３及び磁界変調回路２２と接続され、ＥＦＭ
変調された磁界を発生し、光磁気記録媒体３４に情報を
記録する。

【００４０】このとき、記録マークのディスク半径方向
の幅が幅変調型案内溝の幅よりも小さくなるように、記
録パワーを通常よりもアンダーパワーとし、磁界のデュ
ーティーをマーク部：ランド部＝５５：４５とアンダー
デューティとした。また、磁界をＥＦＭ信号に応じたパ
ルス列としてもよい。

【００４１】このとき、光磁気記録媒体３４から反射さ
れた記録レーザの反射光は、ビームスプリッタ２５で反
射され、４分割ディテクタ２７に入射する。この反射光
は、光磁気記録媒体３４のＡＤＩＰデータを基にした幅
変調型案内溝２の幅の変化に応じて反射光量が変化す
る。この反射光量の変化は、４分割ディテクタ２７の出
力信号をＡ，Ｂ，Ｃ，Ｄとすると、加算回路２８により
｛（Ａ＋Ｄ）＋（Ｂ＋Ｃ）｝で表される信号に演算さ
れ、波形整形回路２９に供給される。

【００４２】また、図示はしないが、フォーカスエラー
信号は｛（Ａ＋Ｄ）−（Ｂ＋Ｃ）｝で、トラッキングエ
ラー信号は｛（Ａ＋Ｂ）−（Ｃ＋Ｄ）｝で得られる。さ
らに、マークによって記録されたオーディオデータ等の
再生信号は｛（Ａ＋Ｄ）＋（Ｂ＋Ｃ）｝を偏光ビームス
プリッタでＰ偏光とＳ偏光に分割し、その差信号を検出
することによって得られる。

【００４３】波形整形回路２９によって、ＡＤＩＰデー
タで変調されたパルス列が得られる。このパルス列が復
調回路３０へ供給され、復調回路３０において、パルス
列がデータビットに復調される。復調回路３０から得ら
れるデータビットがコントローラ３１に供給され、ＡＤ
ＩＰデータの基本周波数２２．０５ｋＨｚに従って、ス
ピンドルモータ３２を線速度１．２ｍ／ｓで回転制御す
る。

【００４４】以上のようにして音楽信号を記録した光磁
気記録媒体３４を再生し、３Ｔジッタ及びブロックエラ
ーレート（ＢＬＥＲ：BLock Error Rate）を測定した結
果を以下に示す。このとき、幅変調型案内溝２の反射率
変化の影響を除去するために、１００ｋＨｚ以下の帯域
をカットするハイパスフィルタを用いて測定した。比較
のために、比較例として市販のＭＤ−ＭＯディスクを市
販のＭＤプレーヤで記録再生した結果を示す。

【００４５】ここで、３Ｔジッタとは、ＥＦＭ変調で記
録したマークを再生した場合、最短マーク長である３Ｔ
マークの、再生信号と原信号との時間軸上のゼロ・クロ
ス点の位置誤差を測定したものである。また、ＢＬＥＲ
とは、ＣＤやＭＤ等に用いられている誤り訂正コード
（ＣＩＲＣ：Cross Interleve Read-solomon Code）に
よる、１秒間（７３５０ブロック）当たりの訂正実行回
数である。

【００４６】

【００４７】このように、本実施例による光磁気記録媒
体３４の３Ｔジッタ及びＢＬＥＲは、従来のＭＤ−ＭＯ
ディスクよりも小さい値を示した。

【００４８】

【発明の効果】本発明の情報記録媒体は、透明基板上に
形成されたトラッキング用の案内溝の幅が、媒体回転制
御信号に時間情報又は位置（アドレス）情報を重畳した
合成信号に応じて案内溝の中心線を対称として溝幅が変
化するようにしたため、案内溝の中心線がうねらず、ト
ラッキングの際のオフトラックが発生し難く、ジッタ又
はエラーの少ない良好なマーク列を記録することができ
る。

【００４９】また、本発明の情報記録媒体の原盤記録装
置では、案内溝の中心線を対称として溝幅が変化した案
内溝を形成するために、原盤回転制御信号に時間情報又
は位置（アドレス）情報が重畳されて成る合成信号に応
じて記録レーザ光のパワーを変調し、案内溝幅の細い部
分は低パワーで、案内溝幅の広い部分は高パワーで記録
を行うため、従来の原盤記録装置のように、記録レーザ
光の出射角度を合成信号に応じて変動させるための音響
光学型光変調器を用いる必要がなく、光学系の調整や環
境管理を容易にすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の情報記録媒体の案内溝形状と記録状態
を示す模式図。

【図２】従来の情報記録媒体の案内溝形状と記録状態を
示す模式図。

【図３】従来の原盤記録装置の構成図。

【図４】本発明の原盤記録装置の構成図。

【図５】本発明の実施例で用いた情報記録媒体の積層構
造を示す模式図。

【図６】本発明の原盤記録装置の合成信号の波形、案内
溝記録レーザパワー及び本発明の情報記録媒体の案内溝
形状並びに本発明の情報記録装置における案内溝の再生
信号の関係を示す図。

【図７】本発明の記録装置の構成図。

【符号の説明】

１情報記録媒体２幅変調型案内溝３案内溝の中心線４マーク５ウォブリング案内溝６光源７レーザ光８ミラー９音響光学型光変調器１０合成信号発生回路１１０次透過光１２１次回折光１３対物レンズ１４光ディスク原盤１５パワー制御器１６透明基板１７干渉層１８光磁気記録層１９反射層２０保護層２１磁気ヘッド２２磁界変調回路２３ＥＦＭ変調器２４対物レンズ２５ビームスプリッタ２６半導体レーザ２７４分割ディテクタ２８加算回路２９波形整形回路３０復調回路３１コントローラ３２スピンドルモータ３３時間情報又は位置（アドレス）情報３４光磁気記録媒体

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】透明基板と、該透明基板上に情報の記録を
行う記録層と、案内溝とを有し、該案内溝の形状が媒体
回転制御信号に時間情報又は位置（アドレス）情報を重
畳した合成信号に基づいて変化している情報記録媒体に
おいて、前記案内溝の溝幅が前記合成信号に基づいて前
記案内溝の中心線を軸として対称に変化していることを
特徴とする情報記録媒体。
【請求項２】感光剤が塗布された基板上に記録ビームを
連続的に照射し案内溝を記録する原盤記録装置におい
て、原盤回転制御信号に時間情報又は位置（アドレス）
情報を重畳した合成信号を出力する信号発生手段と、前
記合成信号に従って前記記録ビームの照射パワーを制御
する記録パワー制御手段とを有し、該記録パワー制御手
段によって前記記録ビームのパワーを制御することを特
徴とする原盤記録装置。
【請求項３】情報記録媒体の案内溝に予め記録された媒
体回転制御信号及び時間情報又は位置（アドレス）情報
を検出するための検出手段を有し、前記回転制御信号に
基づいて前記情報記録媒体を回転させ、前記時間情報又
は位置（アドレス）情報に基づいて記録ビームの位置を
検出しながら情報を記録する情報記録装置において、前
記検出手段は、前記記録ビームの前記情報記録媒体から
反射された反射光量の変化を検出することを特徴とする
情報記録装置。