JPH08165151A - 製鋼スラグのエージング方法およびその装置 - Google Patents

製鋼スラグのエージング方法およびその装置

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JPH08165151A
JPH08165151A JP30771394A JP30771394A JPH08165151A JP H08165151 A JPH08165151 A JP H08165151A JP 30771394 A JP30771394 A JP 30771394A JP 30771394 A JP30771394 A JP 30771394A JP H08165151 A JPH08165151 A JP H08165151A
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茂 森下
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浩 小出
Keiichi Komai
啓一 駒井
Yoshitaka Kinukawa
喜隆 絹川
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 製鋼スラグを、水蒸気を利用して短時間で人
工的に膨潤させて、道路用路盤材として適用可能な製品
に工業規模でエージングする方法およびその装置ならび
に、装置を損耗することのない製鋼スラグのエージング
方法およびその装置を提供する。 【構成】 粒径25mm以下のものが80%以上となるよ
うに破砕した常温の製鋼スラグを圧力容器1に装入し、
この圧力容器1を密閉して容器内に水蒸気発生装置3よ
り加圧水蒸気を供給して容器およびスラグを加熱するこ
とによって凝縮した熱水を管路10より排水しつつ圧力
容器1内を昇温・昇圧し、次いで容器内を2〜10kg/
cm2 の圧力の飽和水蒸気雰囲気に1〜5時間保持した
後、圧力容器1内を大気圧まで減圧して製鋼スラグを排
出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、転炉、電気炉等より排
出される未滓化石灰(フリーライム)を含有する製鋼ス
ラグを、水蒸気を利用して短時間で人工的に膨潤させ
て、道路用路盤材として適用可能な製品に工業規模でエ
ージングする方法およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】製鋼
工程で発生する製鋼スラグは、硬く、その表面が角張っ
た形状をしているため、道路転圧時の噛み合わせがよ
く、路盤材として優れた性質を有する。しかしながら、
製鋼スラグは、脱P・脱S剤として使用される生石灰の
一部が、他の分子と完全に結合しないで未滓化石灰(フ
リーライム)のまま残存しているため、この製鋼スラグ
をこのまま路盤材として使用した場合には、経時的に水
和反応を起こし、膨張・崩壊し、地盤隆起などの弊害を
生じることがある。そのため、従来より路盤材料などに
使用する場合には、膨張・崩壊現象を完了させて安定さ
せて使用するためのエージングを行った後、使用されて
いる。例えば、従来の製鋼スラグのエージング方法およ
びその装置としては、以下に示すものが公知であるが、
それぞれの技術には欠点があり、満足すべきエージング
技術はいまだ提供されていない。
【0003】特開昭60−101441号公報には、従
来3〜6箇月間自然放置していたものを、水蒸気を含む
高温ガスを吹き込むことにより大幅に短縮し得る方法が
提案されている。しかし、大気中に暴露しながらの処理
であるため、また、水蒸気以外のガス(空気)を含む高
温ガスの吹き込みによって行う方法であるため、まだ4
8時間以上の処理時間が必要である。
【0004】特開昭63−201043号公報には、ホ
ッパ等の容器内にスラグを入れて処理する方法が提案さ
れているが、ロータリーフィーダ等の圧力シール性能が
比較的弱い装置の適用によるもので、高圧の水蒸気の適
用は考慮されていない。このため、容器で処理されたス
ラグは、屋外に一定期間放置しなければならない。従っ
て、従来2箇月程度を要したスラグのエージング期間を
半月程度に短縮できるの過ぎない。
【0005】特開昭63−260842号公報には、側
面・底面を囲ったスラグに水蒸気を吹き込む方法が提案
されているが、上面は開放または簡単な蓋を被せる程度
であるため、蒸気温度が上がらず、したがって、エージ
ング期間を1〜3週間程度に短縮できるに過ぎない。
【0006】特開平3−159938号公報には、2槽
以上のスラグ槽を切り換えながら飽和水蒸気ならびに温
水でエージングを行う方法が提案されているが、大気圧
下での処理であるため、スラグ温度が80℃程度にしか
ならず、エージング時間は8〜24時間程度を要する。
【0007】特開平4−202033号公報には、高圧
の水蒸気を用いてエージングする方法が提案されている
が、大気圧雰囲気に貯留されたスラグに高圧水蒸気を噴
出するものであるため、高圧水蒸気のエンタルピーが活
用されるだけであり、高圧水蒸気の温度が十分活かされ
ておらず、したがって、エージング時間が顕著に短縮さ
れていない。
【0008】特開平4−202034号公報には、自然
エージングと蒸気エージングとを組み合わせる方法が提
案されているが、1〜3箇月の先行自然エージング期間
および10時間程度の蒸気エージング期間を要し、合計
処理時間は短縮されていない。
【0009】特開平5−17182号公報には、ガラス
ビーカー程度の規模であれば、スラグを水中に浸漬させ
超音波を作用させることにより1分間程度でエージング
を完了させ得ることが示されているが、工業規模ではベ
ルトコンベヤ上のスラグ層の厚みを厚くしなければなら
ないので、実用化は困難である。
【0010】特開平6−92696号公報には、100
℃以上の高温の水蒸気による処理も提案されているが、
二酸化炭素等の他のガスを含有するために水蒸気分圧が
低く、従って水蒸気の凝縮温度も低いためにスラグが十
分に高温とならず、水蒸気の水和反応を十分促進してい
るとは言えない。また、二酸化炭素ガスを混合すること
により、エージング時間を4時間程度まで短縮し得るこ
とが示されているが、水蒸気源と二酸化炭素源の両方を
準備せねばならず、また、二酸化炭素ガスが凝縮水に溶
解して酸性となり、装置を腐食させる等の問題がある。
【0011】特開平6−92697号公報には、水蒸気
の代わりに圧力が1.2kg/cm2G以上の水でエージング
する方法が提案されているが、加熱媒として水を適用し
た場合には、スラグの粒子間および粒子内の微細な空隙
の熱水が凝縮温度より低下しても、そのまま溜まりやす
く、凝縮温度に近い高温の熱水と入れ替わりにくい。
【0012】従って、圧力を高めることによる凝縮温度
の上昇を十分に活かすことができないため、12時間程
度のエージング時間を要する。
【0013】特開平6−127984号公報には、製鋼
精錬炉から排出されて凝固したばかりの、まだ高温のス
ラグを圧力容器内に充填し、散水するなどの方法によっ
て冷却と同時にエージングと破砕の両方を行わせる方法
が提案されているが、1000℃程度の極めて高温の固
体を搬送せねばならず、搬送設備に耐熱性を必要とし、
しかも未破砕の大塊のスラグを圧力容器に装入するた
め、圧力容器壁や開閉蓋のシール面を傷めやすく、円滑
な運転ができない等の問題点がある。
【0014】特開平5−238786号公報には、スラ
グを耐圧容器内に密閉状態で装入し、加圧蒸気の供給に
よって容器内を圧力下蒸気雰囲気に保つエージング方法
が提案されており、この方法によれば、2kg/cm2G程度
の圧力をわずか3時間保持することによってエージング
を行わしめることが記載されている。しかし、このエー
ジング方法を工業的に大規模に実用化するための方法、
特に蒸気による容器内の昇温・昇圧の際に発生する大量
の熱水の取り扱いについて具体的な方法が示されておら
ず、当業者が容易に実施することができない。
【0015】本発明は従来の技術の有するこのような問
題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、製鋼
スラグを、水蒸気を利用して短時間で人工的に膨潤させ
て、道路用路盤材として適用可能な製品に工業規模でエ
ージングする方法およびその装置を提供することにあ
る。また、本発明の目的は、装置を損耗することのない
製鋼スラグのエージング方法およびその装置を提供する
ことにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、粒径25mm以下のものが80%以上とな
るように破砕した常温の製鋼スラグを圧力容器に装入
し、該圧力容器を密閉して容器内に加圧水蒸気を供給し
て容器およびスラグを加熱することによって凝縮した熱
水を排出しつつ圧力容器内を昇温・昇圧し、次いで容器
内を2〜10kg/cm2Gの圧力の飽和水蒸気雰囲気に1〜
5時間保持した後、圧力容器内を大気圧まで減圧して製
鋼スラグを排出することを特徴とする製鋼スラグのエー
ジング方法を第一の発明とし、上記第一の発明におい
て、圧力容器を密閉した後、容器内に加圧水蒸気を供給
する前に、当該圧力容器における前回の処理で発生した
熱水または連通可能に接続した他の圧力容器で発生した
熱水を当該圧力容器に供給して容器およびスラグを予熱
しつつ排水を行うことを特徴とする製鋼スラグのエージ
ング方法を第二の発明とし、上記第一の発明において、
複数の圧力容器を連通可能に接続し、圧力容器の上方か
ら水蒸気を排出することにより大気圧まで減圧し、排出
した水蒸気を他の圧力容器に供給して当該他の圧力容器
およびスラグを予熱しつつ排水を行うことを特徴とする
製鋼スラグのエージング方法を第三の発明とし、上記第
一、第二または第三の発明において、容器内を2〜10
kg/cm2Gの圧力の飽和水蒸気雰囲気に保持する工程にお
いて、容器内圧力を一時的に低下させることを特徴とす
る製鋼スラグのエージング方法を第四の発明とし、上記
第四の発明において、複数の圧力容器を連通可能に接続
し、昇温・昇圧開始時にある圧力容器に、保温工程にあ
る他の圧力容器から飽和水蒸気を供給することによっ
て、当該他の圧力容器内圧力を一時的に低下させること
を特徴とする製鋼スラグのエージング方法を第五の発明
とし、上記第一、第二、第三、第四または第五の発明に
おいて、製鋼スラグを非密閉容器に収容した状態で、圧
力容器への装入および圧力容器からの排出を行うことを
特徴とする製鋼スラグのエージング方法を第六の発明と
し、上記第一、第二、第三、第四、第五または第六の発
明において、飽和水蒸気圧力が5kg/cm2G以上であるこ
とを特徴とする製鋼スラグのエージング方法を第七の発
明とし、上記第一、第二、第三、第四、第五、第六また
は第七の発明において、圧力容器への製鋼スラグの1回
の装入量が、10〜50トンであることを特徴とする製
鋼スラグのエージング方法を第八の発明とし、上記第八
の発明において、圧力容器への製鋼スラグの装入から排
出までの処理時間が、2〜6時間であることを特徴とす
る製鋼スラグのエージング方法を第九の発明とし、上記
第九の発明において、エージングされた製鋼スラグを排
出してから、エージングされるべき製鋼スラグを圧力容
器に装入して密閉するまでの時間が10分以上30分未
満であることを特徴とする製鋼スラグのエージング方法
を第十の発明とし、上記第九の発明において、昇温・昇
圧時間が30分〜2時間であることを特徴とする製鋼ス
ラグのエージング方法を第十一の発明とし、製鋼スラグ
の装入および排出のための開閉蓋を有する圧力容器と水
蒸気発生装置とをバルブを有する管路で接続し、該圧力
容器下部に熱水排出手段を備えた管路を接続し、圧力容
器上部にバルブを有する大気に開放した管路を接続し、
該圧力容器にスラグを装入する手段および該圧力容器か
らスラグを排出する手段を備えていることを特徴とする
製鋼スラグのエージング装置を第十二の発明とし、上記
第十二の発明において、製鋼スラグ装入用の開閉蓋と排
出用の開閉蓋がそれぞれ独立したものであることを特徴
とする製鋼スラグのエージング装置を第十三の発明と
し、上記第十三の発明において、製鋼スラグ排出用の開
閉蓋の直前にスラグ集荷手段を設けたことを特徴とする
製鋼スラグのエージング装置を第十四の発明とし、上記
第十二の発明において、開閉蓋を、製鋼スラグ装入およ
び排出を兼用する1個の蓋で構成することを特徴とする
製鋼スラグのエージング装置を第十五の発明とし、上記
第十五の発明において、開閉蓋をクラッチドアとし、圧
力容器が上下反転可能な構造であることを特徴とする製
鋼スラグのエージング装置を第十六の発明とし、上記第
十六の発明において、クラッチドアが脱着する圧力容器
側に、圧力容器開口よりも小径のシュートを圧力容器フ
ランジシール面よりやや突出するように設けたことを特
徴とする製鋼スラグのエージング装置を第十七の発明と
し、上記第十二の発明において、圧力容器下部に接続し
た管路の熱水排出手段に引き続いて熱水貯留容器を配
し、該熱水貯留容器と圧力容器上部とを熱水送給手段を
有する管路で接続し、圧力容器下部に熱水排出用の別の
管路を接続したことを特徴とする製鋼スラグのエージン
グ装置を第十八の発明とし、上記第十二の発明におい
て、スラグ装入手段の前方に未処理スラグ貯留手段を設
け、圧力容器下部に接続した管路の熱水排出手段に引き
続いて熱水貯留容器を配し、該熱水貯留容器から熱水送
給手段を経て上記未処理スラグ貯留手段に至る管路を設
けたことを特徴とする製鋼スラグのエージング装置を第
十九の発明とし、上記第十二の発明において、圧力容器
が複数のものからなり、これら各圧力容器の上部と下部
を互いに連通可能に管路で接続し、該接続管路の各圧力
容器上部側にはバルブを設け、該接続管路の各圧力容器
下部側には熱水排出手段とバルブを設けたことを特徴と
する製鋼スラグのエージング装置を第二十の発明とし、
上記第十二の発明において、圧力容器が複数のものから
なり、これら各圧力容器の上部を互いに連通可能に管路
で接続し、該接続管路の各圧力容器上部側にそれぞれバ
ルブを設けたことを特徴とする製鋼スラグのエージング
装置を第二十一の発明とし、上記第十二の発明におい
て、水蒸気発生装置を共通とする複数の圧力容器を互い
に連通可能に管路で接続し、該接続管路の各圧力容器上
部側には逆止弁を除くバルブを設けたことを特徴とする
製鋼スラグのエージング装置を第二十二の発明とし、上
記第十三または第十五の発明において、スラグ装入手段
が、製鋼スラグを収容した非密閉容器を圧力容器内に移
送可能な搬送手段とスラグ供給手段とから構成され、ス
ラグ排出手段が、製鋼スラグを収容した非密閉容器を圧
力容器外に移送可能な搬送手段とスラグ空杯化手段とか
ら構成されていることを特徴とする製鋼スラグのエージ
ング装置を第二十三の発明とし、上記第二十三の発明に
おいて、非密閉容器の数が圧力容器の数よりも1つだけ
多いことを特徴とする製鋼スラグのエージング装置を第
二十四の発明とし、上記第二十三または第二十四の発明
において、非密閉容器の側面に、多数の通気孔を設けた
ことを特徴とする製鋼スラグのエージング装置を第二十
五の発明とし、上記第二十三、第二十四または第二十五
の発明において、非密閉容器の底面に、多数の排水孔を
設けたことを特徴とする製鋼スラグのエージング装置を
第二十六の発明とし、上記第二十三、第二十四、第二十
五または第二十六の発明において、非密閉容器の側面を
スラグの膨潤圧力に応じて変形可能な構造としたことを
特徴とする製鋼スラグのエージング装置を第二十七の発
明とし、上記第二十三、第二十四、第二十五、第二十六
または第二十七の発明において、圧力容器が横型円筒で
あり、該圧力容器内の円筒長手方向に2条のレールを敷
設し、搬送手段が、円筒と直交する方向に走行自在の横
行台車と、該横行台車上に上記円筒内レールから乗り継
ぎ可能なように同一方向に敷設された2条のレール上を
走行自在である別の台車とから構成され、スラグ供給手
段およびスラグ空杯化手段が、それぞれ、上記横行台車
上に敷設された2条のレールから乗り継ぎ可能なように
同一方向に敷設された2条のレールを有することを特徴
とする製鋼スラグのエージング装置を第二十八の発明と
し、上記第二十三、第二十四、第二十五、第二十六また
は第二十七の発明において、圧力容器が縦型円筒であ
り、開閉蓋を該円筒上面に設け、搬送手段が、非密閉容
器を懸架して昇降および横行自在であるホイストクレー
ン装置から構成されていることを特徴とする製鋼スラグ
のエージング装置を第二十九の発明とし、上記第二十八
の発明において、スラグ供給手段およびスラグ空杯化手
段がそれぞれ有する2条のレールが左右方向に移動可能
であることを特徴とする製鋼スラグのエージング装置を
第三十の発明とし、上記第十二、第十三、第十四、第十
五、第十六、第十七、第十八、第十九、第二十、第二十
一、第二十二、第二十三、第二十四、第二十五、第二十
六、第二十七、第二十八、第二十九または第三十の発明
において、圧力容器もしくは非密閉容器の内壁に、水平
方向または斜め下方に向けてリブを設けたことを特徴と
する製鋼スラグのエージング装置を第三十一の発明とす
る。
【0017】
【作用】本発明の作用を簡単に説明すれば、以下のよう
になる。粒径が25mm以下のものが80%以上となるよ
うに破砕した製鋼スラグを、圧力容器に装入して密封す
る。そして、圧力容器内に加圧水蒸気を供給する。する
と、スラグおよび容器の水蒸気との接触面は水蒸気の凝
縮温度にほぼ等しくなり、水蒸気は凝縮潜熱を放出しな
がらスラグおよび容器を加熱し、凝縮温度にほぼ等しい
熱水が発生する。この熱水を排出しつつ、スラグおよび
容器を昇温し、容器内を昇圧する。やがて、容器内の圧
力が供給水蒸気の圧力とほぼ等しい圧力になった段階で
一定時間保持する。一定時間保持後、容器内の水蒸気を
大気に開放して容器内圧力を大気圧まで減圧してエージ
ングは終了する。
【0018】
【実施例】以下に本発明の具体的な実施例について、そ
の作用・効果とともに詳細に説明する。
【0019】〔実施例1〕本実施例は密閉容器内で加圧
水蒸気によりスラグを加熱しつつ、凝縮した熱水を排出
しながら製鋼スラグをエージングする技術に関するもの
である。その設備の概略は図1に示すとおりである。同
図を説明すると、1は圧力容器、2aは開閉自在の上
蓋、2bは開閉自在の下蓋、3は水蒸気発生装置であ
り、水蒸気発生装置3と圧力容器1はバルブ4を有する
管路5で接続されている。6は製鋼スラグの装入シュー
トであり、このシュート6と製鋼スラグの破砕装置7と
の間にはコンベヤ8が介在している。圧力容器1の下部
にはスチームトラップ9を有する管路10が接続され、
圧力容器1の上部にはバルブ11を有する管路12が接
続されている。13はエージング後のスラグを収容する
スラグ容器である。このように構成される装置によって
製鋼スラグをエージングする方法について、図1ならび
に各工程の圧力変化、温度変化を示す図2に基づいて説
明する。
【0020】(1) 装入工程 圧力容器1の上蓋2aを開放して、破砕装置7で粒径2
5mm以下のものが80%以上となるように破砕された製
鋼スラグをコンベヤ8を経てシュート6から圧力容器1
に装入し、上蓋2aを閉じて密封する。(所要時間
i ) (2) 昇温・昇圧工程 バルブ4を開いて水蒸気発生装置3より2〜10kg/cm
2Gの水蒸気を圧力容器1に供給する。すると、スラグお
よび容器の水蒸気との接触面は、水蒸気の凝縮温度(飽
和温度TS ) にほぼ等しくなり、水蒸気は凝縮潜熱を放
出しながらスラグおよび容器を加熱し、接触面には凝縮
温度にほぼ等しい熱水が発生する。この熱水は圧力容器
1の下部よりスチームトラップ9を備えた管路10を経
て排出し、熱水が圧力容器1内に滞留しないようにす
る。(所要時間tp ) (3) 保温工程 スラグおよび容器の昇温が進行するに伴って蒸気消費量
が低減するので、容器の内圧PS が次第に上昇し、やが
て水蒸気発生装置3から供給される水蒸気とほぼ等しい
2〜10kg/cm2Gの圧力の飽和水蒸気雰囲気となる。こ
の状態で、1〜5時間水蒸気の供給を継続する。(所要
時間tS ) (4) 減圧工程 次に、バルブ4を閉じてバルブ11を開き、圧力容器1
の上部から管路12を通じて圧力容器1内の水蒸気を大
気に放出して容器内を大気圧にまで減圧する。(所要時
間td ) (5) 排出工程 最後に圧力容器1の下蓋2bを開き、圧力容器内のスラ
グをスラグ容器13に収容する。(所要時間to ) 以
後、上記工程〜を繰り返す。
【0021】以上のように構成される実施例1の特徴に
ついて、以下に説明する。
【0022】(1) 2kg/cm2G以上の飽和水蒸気中にスラ
グを保持することにより、極めて短時間でエージングが
完了する。これは、高圧水蒸気は粒子間および粒子内の
空隙に侵入して凝縮熱伝達が行われるからである。従っ
て、かなり微小な空隙もほぼ同一圧力となり、凝縮温度
もほぼ等しくなる。凝縮熱伝達は対流熱伝達に比べて伝
熱速度がはるかに大きいため、水蒸気が飽和であって
も、若干過熱気味であっても接触面温度は凝縮温度にほ
ぼ等しくなる。
【0023】(2) この高圧水蒸気によるエージングを工
業規模で円滑に実施するためには、熱水の排出が極めて
重要となる。この理由は次の通りである。 a.圧力容器内に熱水が滞留してスラグが浸漬すると凝
縮熱伝達が阻害され、スラグの昇温速度が低下し、エー
ジング時間(tS ) が長くなる。 b.昇温・昇圧工程の初期段階に発生した低温の凝縮水
に浸漬したスラグは、高温・高圧の水蒸気と接触できな
いので昇温不足となり、水和反応に時間がかかる。 c.水和反応で生成する消石灰(Ca(OH)2)の水に
対する溶解度は、図3に示すように、温度が上昇する
と、かえって減少するという特徴がある。昇温工程の初
期に発生する低温で消石灰濃度の高い熱水を圧力容器内
に滞留させておくと、昇温の進行に伴い、生成される高
温の熱水と混合して平均温度(TW ) が上昇するために
溶解度が低下し、過剰の消石灰が析出して容器壁に固着
・成長するという問題も生じる。この問題は、昇温・昇
圧工程では水蒸気の供給と同時に熱水を排出するという
本発明の方法によって解決することができる。 なお、保温工程では、スラグおよび容器の平均温度(T
C ) もかなり上昇しており、容器外表面の保温層を通じ
ての放熱量に見合う程度の熱水発生量(S)であり、ま
た熱水温度も高く、かつ温度変動も小さくなるので、熱
水の排出を行わなくても特に問題はない。また、保温工
程でも排水を行ってもエージング上は特に問題はない
が、高温・高圧の熱水が排出される際の騒音が大きく、
白煙が発生し、かつ熱的に損である。
【0024】本発明の対象原料となる製鋼スラグは、転
炉スラグ、電気炉からの還元スラグおよび酸化スラグ、
並びにこれらの混合物等であり、精錬時の脱P、脱S剤
等として添加された生石灰の一部が他の分子と結合せず
に未滓化石灰(フリーライム)が残存しており、路盤材
として使用すると経時的に水和反応して消石灰となり、
膨潤・崩壊して地盤隆起等の問題を生じるので、従来は
数箇月間放置して自然エージングしていたものである。
【0025】そこで、本発明はこのエージングを短時間
で効率的に行うことができる技術を提供することによ
り、係る問題を解消せんとするものであり、次に、本発
明において、スラグの温度、スラグの粒径、水蒸気の圧
力および保温時間を限定する理由を以下に説明する。
【0026】(1) 原料スラグは原則として常温のものを
対象とする。予熱等のために若干加温したものでもよい
が、ベルトコンベヤ等で搬送可能な温度、すなわち高々
200℃以下とすべきであり、炉から排出されて凝固し
たばかりの1000℃程度の高温のスラグは好ましくな
い。
【0027】(2) 原料スラグの粒径は路盤材の規格に応
じて最大25mmに破砕するのが好ましい。エージング中
の粒子の崩壊があるため、これより若干大きくてもよい
が、25mm以下のものが80%以上となるように破砕す
るのが好ましい。スラグ粒径が過大であると、粒子表層
部の生石灰が消石灰となるにつれて粒子内部の生石灰の
水和反応が進行しにくくなり、エージング時間が長くな
る恐れがあるからである。
【0028】(3) 水蒸気の飽和温度は水蒸気圧力で決ま
り、高温ほど水和反応の速度が大きくなるので水蒸気圧
力は高いほどよい。従って、エージングを効率的に行う
ためには、水蒸気の圧力は2kg/cm2G以上とするのが好
ましい。しかし、図4に示すように、この水和反応(C
aO+H2 O→Ca(OH)2)の平衡定数KP は高温
ほど小さくなり、450℃以上ではマイナスになり、む
しろ消石灰が分解して生石灰が生成する反応が進むこと
になる。このことは、450℃に近い高温では反応の進
行は速いが、最終的に水和反応をするフリーライムの割
合が減り、常温に冷却された製品がまだ膨潤する恐れが
あることを示している。また、圧力が高まるに伴って、
圧力上昇量に対する飽和温度の上昇量が小さくなり、ま
た圧力容器が高価になるので、水蒸気の圧力は10kg/
cm2G以下とするのが好ましい。
【0029】(4) 特開平5−238786号公報に開示
されているように、フリーライム6.1%、膨潤率3%
のスラグを処理する場合には、PS =2kg/cm2Gの条件
での保温工程の所要時間(tS ) は3時間である。膨潤
率6%のスラグについて本発明者等が別途実験した結果
によると、PS =5kg/cm2Gの条件での保温工程の所要
時間(ts ) は2時間であった。スラグの組成、圧力条
件にも依存するが、これらの結果から見て、経済性を考
慮すると、保温時間は1時間以上5時間以下とするのが
好ましい。
【0030】〔実施例2〕本実施例は、上記実施例1に
おいて凝縮した熱水を排出した後に容器およびスラグを
予熱のために再利用する技術に関するものである。その
設備の概略は図5に示ように、図1に示すものに、次の
設備を付加したものである。スチームトラップ9に後続
して熱水貯留容器14を設置し、さらに熱水貯留容器1
4に引き続いて管路15にはポンプ16、バルブ17を
設置し、圧力容器1の上部に接続する。また、圧力容器
1の下部には、別の管路18を接続し、管路18にはバ
ルブ19を設けてある。
【0031】このように構成される装置によって製鋼ス
ラグをエージングする方法について、図5ならびに各工
程の圧力変化、温度変化を示す図6に基づいて説明す
る。
【0032】(1) 装入工程 上記実施例1と同様の操作である。
【0033】(2) 熱水予熱工程 前回の処理で圧力容器1の下部からスチームトラップ9
を経由して排出されて熱水貯留容器14に貯留されてい
た熱水をポンプ16により圧送して管路15を経て圧力
容器1の上部に供給し、容器内のスラグに散水する。同
時にバルブ19を開き、スラグ層内を流下した熱水を管
路18を経て圧力容器外へ排出する。
【0034】(所要時間tP1) (3) 昇温・昇圧工程 バルブ4を開いて上記実施例1と同様の操作を実施す
る。(所要時間tp2)ただし、スチームトラップ9から
排出される熱水は熱水貯留容器14に貯留するようにす
る。
【0035】(4) 保温工程 上記実施例1と同様の操作である。
【0036】(5) 減圧工程 上記実施例1と同様の操作である。
【0037】(6) 排出工程 上記実施例1と同様の操作である。
【0038】以上のように構成される実施例2の効果に
ついて、以下に説明する。
【0039】(1) 熱水の顕熱を予熱源として回収するこ
とができる。 (2) 熱水によりスラグを洗浄して流出しやすい一部の微
粉を除去することができるので、スチームトラップ9の
閉塞等のトラブルが発生しにくい。 (3) 熱水はスラグを予熱することによって温度が降下
し、消石灰の溶解度が図3に示すように上昇するので、
消石灰が圧力容器内で析出して固着する恐れが少なくな
る。なお、熱水貯留容器14では、後から流入する熱水
の方が高温であるため、平均温度が上昇することがある
が、大気圧のため100℃以下に抑えられ、温度変動幅
が小さい。また、消石灰が固着しても、常圧容器である
ため対応処置が容易である。 〔実施例3〕本実施例は、上記実施例1において凝縮し
た熱水を排出した後にスラグを予熱のために再利用する
技術に関するものである。その設備の概略は図7に示す
ように、図1に示すものに、次の設備を付加したもので
ある。スチームトラップ9に後続して熱水貯留容器14
を設置し、さらに熱水貯留容器14に引き続いて管路1
5aにはポンプ16、バルブ17を設置し、管路15a
をシュート6の前方のエージング前スラグ収納容器20
まで延設し、該スラグ収納容器20とシュート6との間
にはコンベヤ8aが設置されている。
【0040】このように構成される装置によって製鋼ス
ラグをエージングする方法について、図7に基づいて説
明する。
【0041】(1) 装入工程 前回の処理で圧力容器1の下部からスチームトラップ9
を経由して排出されて熱水貯留容器14に貯留されてい
た熱水をポンプ16により圧送して管路15aを経て、
破砕装置7で粒径25mm以下のものが80%以上となる
ように破砕された製鋼スラグを収容するスラグ収納容器
20内に散水する。同時にスラグ収納容器20の下部よ
り管路21を経て熱水を容器20の外へ排出する。そし
て、圧力容器1の上蓋2aを開き、予熱されたスラグを
コンベヤ8a、シュート6を経て圧力容器1に装入し、
上蓋2aを閉じて密封する。
【0042】(2) 昇温・昇圧工程 実施例1と同様の操作である。
【0043】(3) 保温工程 実施例1と同様の操作である。
【0044】(4) 減圧工程 実施例1と同様の操作である。
【0045】(5) 排出工程 実施例1と同様の操作である。
【0046】以上のように構成される実施例3の効果は
実施例2と同様に、熱水の顕熱を予熱源として利用でき
ることと、スラグ洗浄の効果としてスチームトラップ閉
塞等のトラブルを防止しうるという効果に加えて、熱水
による予熱を圧力容器とは別の場所で装入工程開始まで
に完了しておけるため、実施例2の場合における熱水予
熱工程の所要時間(tP1、図6参照)の分だけ、1回の
処理時間(tt ) を短くすることができるという効果が
期待できる。
【0047】〔実施例4〕本実施例は、圧力容器を複数
とし、これら複数の圧力容器の上部と下部を互いに連通
可能に接続し、一方の圧力容器で発生した熱水を他の圧
力容器に通入可能とした技術に関するものである。その
設備の概略は図8に示すように、圧力容器を複数(1、
1a・・・)とし、隣接する一方の圧力容器1の下部と
上部との間を、バルブ22、スチームトラップ23およ
びバルブ24を有する管路25で接続し、他の圧力容器
1aの下部と上部との間を、バルブ22a、スチームト
ラップ23a、バルブ24aを有する管路25aで接続
し、さらにこれら管路25と25aを管路26で接続し
たものである。
【0048】このように構成される装置によって製鋼ス
ラグをエージングする方法について、図8および工程の
温度変化を示す図9に基づいて説明する。
【0049】(1) 装入工程 装入手段として移動式トリッパを備えたベルトコンベヤ
8bを用い、トリッパを圧力容器1の真上に移動させ、
破砕装置7で粒径25mm以下のものが80%以上となる
ように破砕された製鋼スラグを圧力容器1に装入して、
圧力容器1を密封する。
【0050】(2) 熱水予熱工程 圧力容器1の上部に通じる配管25内のバルブ24を開
き、後記する昇温・昇圧工程にある他の圧力容器から排
出される熱水を、管路27、26を経て圧力容器1の上
部に通入し、スラグ層を予熱しながら流下してくる熱水
を、容器下方のバルブ28を開いてスチームトラップ9
から排出する。(所要時間tP0) (3) 昇温・昇圧工程 実施例1と同様の方法によって圧力容器1を昇温・昇圧
し、容器下部から排出される熱水を、バルブ22を開い
て、管路25、26を経て熱水予熱工程にある圧力容器
1aの上部に、バルブ24aを開いて通入する。なお、
昇温・昇圧工程の開始段階では、容器内圧力が低いの
で、保温工程を開始している他の圧力容器と同じ水蒸気
発生装置3から水蒸気の供給を受けている場合、高圧の
他の圧力容器内の水蒸気が圧力容器1または1aに流入
して他の圧力容器が降温・降圧して保温工程の進行が阻
害される恐れがある。この問題を生じないようにするた
めに、本実施例では、バルブ4、4aの直前に逆止弁2
9、29aを設けている。
【0051】(4) 保温工程 実施例1と同様の操作である。
【0052】(5) 減圧工程 実施例1と同様の操作である。
【0053】(6) 排出工程 実施例1と同様の操作である。
【0054】以上のように構成される実施例4の効果
は、熱水貯留容器が不要になることと、100℃以上
(大気圧以上のもの)の熱水をそのまま予熱に使うこと
ができるので、予熱効果が大きいことと、水蒸気発生装
置3の能力に制限があるような場合でも予熱を十分に行
うことによって昇温・昇圧時間の短縮につながり、1回
のエージング時間(tt ) の短縮が可能となるという効
果が期待できる。
【0055】〔実施例5〕本実施例は、圧力容器を複数
とし、これら複数の圧力容器の上部を互いに連通可能に
接続し、一方の圧力容器で発生した熱水を他の圧力容器
に通入可能とした技術に関するものである。その設備の
概略は図10に示すように、圧力容器を複数(1、1a
・・・)とし、隣接する圧力容器1と1aの上部同士を
管路30で接続し、この管路30内の各圧力容器1、1
aの上部に、それぞれバルブ31、31aを設けたもの
である。
【0056】このように構成される装置によって製鋼ス
ラグをエージングする方法について、図10および工程
の圧力変化を示す図11に基づいて説明する。
【0057】(1) 装入工程 実施例4と同様の操作である。
【0058】(2) 水蒸気予熱工程 後記する減圧工程にある他の圧力容器から排出される水
蒸気を、バルブ31を開として圧力容器1内に通入し、
スラグおよび容器を予熱し且つ容器内を予圧する。この
時発生する凝縮水は、圧力容器1の下部からスチームト
ラップ9を介して管路10より容器外に排出する。
【0059】(3) 昇温・昇圧工程 実施例1と同様の操作である。
【0060】(4) 保温工程 実施例1と同様の操作である。
【0061】(5) 減圧工程 圧力容器1の上部にあるバルブ31を開き、管路30へ
容器内の水蒸気を放出し、バルブ31aを開として水蒸
気予熱工程にある圧力容器1aに水蒸気を供給する。圧
力容器1と1aとが均圧し、水蒸気が流れなくなった
後、バルブ31、31aを閉じ、バルブ11を開いて管
路12より系外に水蒸気を放出し、圧力容器1の内圧を
大気圧まで減圧する。
【0062】(6) 排出工程 実施例1と同様の操作である。
【0063】以上のように構成される実施例5の効果
は、以下に記載する通りである。 (1) 減圧工程で排出される水蒸気を予熱源として利用で
きる。 (2) 昇温・昇圧工程および保温工程で供給された熱量の
うちのかなりの部分(70〜90%)は、スラグおよび
容器の顕熱上昇に使われ、10〜20%が熱水の顕熱と
して貯えられ、容器内に高圧水蒸気として残る熱量は僅
かである。従って、容器内に残っている水蒸気のみを回
収しても、熱回収メリットは少ない。減圧方法として、
圧力容器の上方から水蒸気を排出すれば、スラグ層内、
特に底部に滞留している熱水が蒸発し、吹き上げられ、
スラグ粒子および容器内壁に接触して蒸気が過熱されて
から排出されるので、熱回収量が増大する。
【0064】(3) 排出工程で排出されるスラグの温度が
低下するので、製品スラグのハンドリングが容易であ
る。
【0065】(4) 系外への水蒸気の排出は、容器内圧が
ある程度低下してからであるので、騒音・白煙発生等の
問題も少ない。
【0066】〔実施例6〕実施例1の操作において、保
温工程中の圧力を一時的に低下させる技術に関するもの
である。その設備の概略は図1に示すものと同じであ
り、工程の圧力変化は図12に示す通りであり、以下に
そのエージング法について説明する。
【0067】(1) 装入工程 実施例1と同様の操作である。
【0068】(2) 昇温・昇圧工程 実施例1と同様の操作である。
【0069】(3) 保温工程 実施例1と同様の保温を行う途中でバルブ11を短時間
開き、圧力容器1内の水蒸気を放出して圧力容器1内の
圧力を瞬間的に若干減圧する操作を1回以上行う。な
お、バルブ11を開かない保温工程の時間の合計は、1
時間以上5時間以内とする。
【0070】(4) 減圧工程 実施例1と同様の操作である。
【0071】(5) 排出工程 実施例1と同様の操作である。
【0072】以上のように構成される実施例6の効果
は、以下に記載する通りである。(1) スラグに粒子径が
大きいものがかなり含まれている場合には粒子中心部が
なかなか昇温せず、また粒子表層部にCa(OH)2
発達すると、中心部のCaOがなかなか水和反応しない
ことがある。このような場合、特に粒子が多孔質の場
合、保温工程の途中で圧力を素早く低下させると、スラ
グ粒子内の高圧の水蒸気や熱水が膨張して粒子外へ吹き
出す際に粒子空隙を押し拡げ、場合によっては粒子を崩
壊させる。このため低温で水和反応の進んでいない粒子
中心部が水蒸気に曝されるようになり、エージングが迅
速に進行する。
【0073】〔実施例7〕圧力容器を複数とし、これら
複数の各容器を連通可能に接続した技術に関するもので
ある。その設備構成は、図10に示すものの各圧力容器
を接続する管路(30、・・)から逆止弁(29、29
a、・・)を除き、バルブ(4、4a、・・)を有する
ものに相当する。図13は、その圧力変化を示す図であ
る。
【0074】このように構成される装置によって製鋼ス
ラグをエージングする方法について説明する。
【0075】複数の圧力容器の中で少なくとも2基を、
互いのエージング処理工程が1工程分ずれるように処理
を実行する。すなわち、いま圧力容器1が昇温・昇圧を
開始するときには、これと連通する別の圧力容器1aは
保温工程の途中にあるようにエージング処理を実行す
る。その結果、保温工程の途中にある圧力容器は瞬時的
に若干減圧される。
【0076】この実施例7の効果は、実施例6の効果に
加えて、保温工程で排出される水蒸気が他の圧力容器に
回収されるので、熱効率が改善されるという効果と、騒
音・白煙の問題が少ないという効果もある。
【0077】〔実施例8〕本実施例は、非密閉容器に収
容した製鋼スラグを横型円筒の圧力容器内でエージング
する技術に関するものである。その設備構成は図14、
図15に示す通りである。同図を説明すると、32は横
型円筒状の圧力容器で、該圧力容器32内には長手方向
に2条のレール33が敷設されており、横行台車34は
圧力容器32長手方向と直交する方向に敷設された2条
のレール35上を走行自在である。
【0078】横行台車34上には、上記レール33への
乗り継ぎが可能なように同一方向に敷設された2条のレ
ール36上を走行自在のリフト台車37が配置されてい
る。38は非密閉のバスケットであり、製鋼スラグが充
填される。39は受入れ架構、40は払出し架構であ
る。
【0079】このように構成される装置によって製鋼ス
ラグをエージングする方法について説明する。
【0080】(1) 装入工程 破砕装置で粒径25mm以下のものが80%以上となるよ
うに破砕された製鋼スラグをベルトコンベヤ等の搬送手
段により搬送し、受入れ架構39の預け台41上に載置
されたバスケット38内に装入する。42は2条のレー
ルであり、上記レール36への乗り継ぎが可能なように
同一方向に敷設されている。次に、横行台車34をレー
ル35上を走行させて受入れ架構39の正面まで移動さ
せる。そして、リフト台車37をレール36上を走行さ
せてレール36からレール42に乗り継がせ、スラグ充
填済のバスケット38の下に移動させる。
【0081】リフト台車37に設けたリフタ43によっ
てスラグ充填済のバスケット38を預け台41から持ち
上げ、リフト台車37を後退させてこのバスケット38
を横行台車34上に移送する。
【0082】次に、横行台車34を圧力容器32の正面
に移動させる。圧力容器32の蓋44を開き、リフト台
車37を前進させてレール36からレール33に乗り継
がせ、スラグ充填済のバスケット38を圧力容器32内
に装入する。リフタ43を降ろし、バスケット38を圧
力容器32内の預け台45に載せ、リフト台車37を後
退させ、蓋44を閉じて圧力容器32を密封する。
【0083】(2) 昇温・昇圧工程 実施例1と同様の操作である。
【0084】(3) 保温工程 実施例1と同様の操作である。
【0085】(4) 減圧工程 実施例1と同様の操作である。
【0086】(5) 排出工程 圧力容器32の蓋44を開き、横行台車34を圧力容器
32の正面に移動し、リフト台車37を前進させてエー
ジング処理済スラグが充填されたバスケット38の下に
移動し、リフタ43を上昇させてバスケット38を預け
台45から持ち上げる。次に、リフト台車37を後退さ
せてバスケット38を横行台車34上に移送し、横行台
車34を払出し架構40の正面に移動する。払出し架構
40内には、上記レール36から乗り継ぎ可能なように
同一方向に2条のレール46が敷設されており、リフト
台車37を前進させてレール36からレール46に乗り
継がせ、リフタ43を下降させてエージング処理済スラ
グが充填されたバスケット38を払出し架構40の預け
台47に載せる。
【0087】そして、バスケット反転装置等の払出し装
置によってエージング処理済スラグを排出し、バスケッ
ト38を空にする。
【0088】以上のように構成される実施例8の効果
は、以下に記載する通りである。 (1) スラグは圧力容器に直接ではなく、非密閉のバスケ
ットに収容して装入されるので、バスケットと圧力容器
との間の空間に飽和水蒸気が充満され、十分な加熱が行
われる。 (2) 容器の加熱により生成された熱水はスラグに殆ど接
触せずに下方に流下し、スラグの昇温が阻害されること
はない。 (3) スラグは硬く、摩耗性が大であるが、バスケット内
に収容されているため、圧力容器壁を打撃・摩耗して損
傷することがない。圧力容器を補修する場合には、安全
面を考慮して法規制の下で高度の技術が要求されるが、
スラグに直接接触するバスケットは非耐圧容器でよく、
若干の損傷は許容することができ、補修も容易である。
また、比較的安価で予備品を準備して交換してもコスト
負担は少ない。 (4) 圧力容器に直接スラグを充填すると、蓋部のフラン
ジのシール面にスラグが付着して水蒸気の漏れを生じた
り、シール面の清掃に手間がかかり、蓋の開閉の所要時
間が長くなり、1回のエージング時間が長くなる恐れが
ある。しかし、バスケット内にスラグを充填するのであ
れば、このような問題は発生しない。 (5) 圧力容器に直接スラグを充填すると、エージングに
よるスラグの膨潤圧によって圧力容器を変形させる恐れ
があるが、非密閉のバスケットに収容するのであれば、
バスケットが若干変形しても問題はなく、また補修も容
易である。 (6) 圧力容器内でスラグが膨潤すると、固結して排出が
困難になったり、排出時間が長引き、1回のエージング
時間が長くなる恐れがある。しかし、非密閉のバスケッ
トに収容して圧力容器から出し入れするのであれば、こ
のような問題は発生しない。
【0089】(7) スラグはバスケット内に収容された状
態で装入・排出されるので、蓋をクラッチドアとしても
汚れの心配はない。
【0090】(8) 蓋が側方に設けられるので、クラッチ
ドアを適用しても、汚れの心配はない。
【0091】〔実施例9〕本実施例は、非密閉容器に収
納した製鋼スラグを縦型円筒の圧力容器内でエージング
する技術に関するものである。その設備構成は図16〜
図19に示す通りである。同図を説明すると、48は縦
型円筒状の圧力容器、49は非密閉のバスケット、50
はホイストクレーン装置であり、このホイストクレーン
装置50はトロリー51をレール52・53に沿って走
行させることにより、自在に横行し(X方向)、あるい
はこれに直交する方向(Y方向)に走行自在である。
【0092】このように構成される装置によって製鋼ス
ラグをエージングする方法について説明する。
【0093】(1) 装入工程 破砕装置で粒径25mm以下のものが80%以上となるよ
うに破砕された製鋼スラグをベルトコンベヤ等の搬送手
段54により搬送し、受入れ架構55の預け台56上に
載置されたバスケット49内に装入する。スラグ充填済
のバスケット49をホイストクレーン装置50によって
つり上げ、トロリー51をレール52および53に沿っ
て走行させることにより、圧力容器48の直上に移動さ
せる。ホイストクレーン装置50を降下させ、圧力容器
48の蓋57を開き、スラグ充填済のバスケット49を
圧力容器48内に装入し、ホイストクレーン装置50を
上昇させ、蓋57を閉じて圧力容器48を密閉する。
【0094】(2) 昇温・昇圧工程 実施例1と同様の操作である。
【0095】(3) 保温工程 実施例1と同様の操作である。
【0096】(4) 減圧工程 実施例1と同様の操作である。
【0097】(5) 排出工程 圧力容器48の蓋57を開き、トロリー51を圧力容器
48の直上に移動させ、ホイストクレーン装置50によ
ってエージング処理済スラグが充填されたバスケット4
9をつり上げる。そして、トロリー51を払出し架構5
8の直上に移動し、払出し架構58に設けられた預け台
59に載せる。そして、バスケット49の開閉自在の底
開き装置60を開放し、エージング処理済スラグを排出
する。
【0098】以上のように構成される実施例9によれ
ば、実施例8の効果に加えて、スラグを収容したバスケ
ットはホイストクレーン装置によって吊り上げられるの
で、上蓋のみで装入用と排出用を兼用できるので、クラ
ッチドアを適用しても汚れの心配がないという効果が期
待できる。
【0099】〔実施例10〕本実施例は、圧力容器の数
よりもバスケットの数が1つだけ多い場合のエージング
法に関するものであり、以下に説明する。 (1) 横型円筒の場合 図14、15において、バスケット38を圧力容器32
の数よりも1つだけ多く備え、1つのバスケットが昇温
・昇圧、保温、減圧工程を行っている間にもう1つのバ
スケットについては、排出・装入工程を行い、スラグを
充填して次回のエージング処理の準備をしておく。
【0100】(2) 縦型円筒の場合 図16〜19において、バスケット49を圧力容器48
の数よりも1つだけ多く備えておく。圧力容器48でエ
ージング処理されたスラグを充填された1つのバスケッ
ト49aを払出し架構58の預け台59に載せ、スラグ
排出の準備をしておく(図19参照)。この間に、すで
にエージング処理済スラグを排出し、未処理スラグが充
填された別のバスケット49bを、バスケット49aを
払い出すことによって空になった圧力容器内に装入・密
封する。そして、このバスケット49bを装入した圧力
容器の昇温・昇圧工程開始後、預け台59に載せられた
バスケット49aからエージング処理済スラグを排出
し、図19に示す手順に従って、このバスケット49a
に未処理スラグを充填して待機する。やがて、1つの圧
力容器の昇温・昇圧、保温、減圧工程が終了し、エージ
ング処理済スラグが充填されたバスケット49cを払出
し架構58の預け台59まで移動させた時点で、バスケ
ット49aを、バスケット49cを払い出すことによっ
て空になった圧力容器内に装入・密封し、昇温・昇圧を
行う。
【0101】以上のように構成される実施例10によれ
ば、以下に記載する効果が期待される。 装入・排出工程が短縮され、1回の処理時間が短縮
される。 スラグが膨潤により固結し、排出に時間がかかった
場合でも、処理時間にほとんど影響がない。 バスケットへの装入・排出に十分な時間を確保でき
るので、ベルトコンベヤ・破砕機の容量(単位時間当た
りの処理量)を小さくすることができる。
【0102】〔実施例11〕本実施例は上記実施例8に
おいて、払出し架構40のレール46と受入れ架構39
のレール42を油圧シリンダ等によって左右移動可能な
構造とし、未処理スラグおよび処理済スラグの搬送を無
軌道自由走行式車両により行うものである。
【0103】すなわち、レール46を左右に開き、リフ
タ付きダンプトラックの如き無軌道自由走行式車両を処
理済スラグが充填されたバスケット38の下に進入さ
せ、車両に具備したリフタによってバスケット38を預
け台47から持ち上げ、この車両を製品置場まで走行さ
せてスラグを排出する。次いで、空になったバスケット
に、ショベルローダのごとき無軌道式自由走行載荷機を
用いて原料スラグを充填し、このダンプトラックを受入
れ架構39まで走行させる。そして、レール42を左右
に開き、ダンプトラックを受入れ架構39内に進入さ
せ、リフタを降ろして未処理スラグが充填されたバスケ
ット38を預け台41に載せ、以後は上記実施例8と同
様の操作を実行する。
【0104】このように構成される実施例11によれ
ば、次に記載する効果を奏する。
【0105】 ベルトコンベヤ、ホッパ等の常設式供
給・排出手段の建設が不要で、初期投資が少ない。 走行が自由な無軌道の車両を使用するので、設備の
レイアウトが自由に行え、設備変更に対する柔軟性が高
い。 製鋼スラグのエージングは、従来は広いスペースに
野積みされて、数箇月〜1年間自然放置することによっ
て行われていたため、ダンプトラック・ショベルローダ
等の無軌道式の車両が既に存在する場合が多い。このよ
うな場合に、既存の機材が有効に活用できるので、有利
である。
【0106】〔実施例12〕本実施例は、図20〜22
に示すように、バスケットの側面61に多数の通気孔6
2を設け、容器の内壁には下方に傾斜した棚板63を設
けるか(図20参照)、通気孔62を覆うカバー板64
を設けるか(図21参照)、または側面61の一部65
を折り曲げることにより(図22参照)、スラグの安息
角によって決まるスラグ層の自由面66が通気孔62の
下方にくるようにするものである。
【0107】このように構成することによって、水蒸気
がスラグ層全体に行き渡り、エージングが迅速に進行す
るという効果がある。なお、バスケットは非耐圧容器の
ため、このような通気孔を開けても問題は生じない。
【0108】〔実施例13〕本実施例は、図23に示す
ように、バスケットの底面67に多数の排水孔68を設
け、排水孔68の下方には底板69を設け、排水孔68
から下方に落下したスラグが安息角によって側方に広が
る限界位置70より十分外側まで底板69を延長してお
くものである。このように構成することによって、スラ
グ層で生成した熱水が層外へ速やかに排水され、エージ
ングが迅速に進行するという効果がある。なお、バスケ
ットは非耐圧容器のため、このような孔を開けても問題
はない。
【0109】〔実施例14〕本実施例は、図24に示す
ように、バスケットの側壁71をヒンジ72で支持し、
カウンターウェイト73の作用によって、スラグ74を
バスケット内に充填しても、粉体圧程度では側壁71が
押し拡げられないようにし、エージングによってスラグ
が膨潤した際の膨潤圧75のような大きな力が加えられ
た場合には側壁71が押し拡げられるように構成したも
のである。このように構成することによって、スラグの
膨潤によるバスケットの破損を防止することができる。
なお、バスケットは非耐圧容器のため、このような非密
閉構造としても問題は生じない。
【0110】次に、圧力容器の別の実施例について、図
25〜28に基づいて説明する。
【0111】図25は、未処理スラグを装入する蓋と、
処理済スラグを排出する蓋とをそれぞれ独立のものとし
た例を示す。76は未処理スラグを装入するために開閉
する、上蓋となるダストバルブであり、上蓋にはスラグ
粉の付着による密閉性の低下の恐れがあまりないので、
1段のダストバルブとした。しかし、下蓋にはスラグ粉
付着の影響が大きいと考えられるので、ドレーン受け弁
77とガスシール弁78の2段のダストバルブで構成
し、この上に非耐圧のスラグカット弁79を設けた。こ
のため、ガスシール弁78にスラグが直接接触したり、
スラグ粉の混入した熱水が接触したりすることが防止で
きるので、さらにシール性が向上する。従って、蓋の開
閉の際の掃除や点検に過大な時間がかからないで済む。
このように構成される圧力容器において、未処理スラグ
の装入・処理済スラグの排出は以下の手順で行うことが
できる。
【0112】(1) 上蓋であるダストバルブ76を開いて
から未処理スラグの装入を行えば、上蓋の汚れを防止す
ることができる。
【0113】(2) 処理済スラグを排出する際には、まず
ガスシール弁78を開き、次にドレーン弁77を開く。
すると熱水が流下するが、ガスシール弁78はすでに開
かれており、汚されることはない。最後にスラグカット
弁79を開く。このときには、ドレーン弁77、ガスシ
ール弁78はすでに開かれており、スラグに汚されるこ
とはない。さらに、図25の圧力容器内壁には水平方向
にリブ80が複数個設置されているので、充填されたス
ラグ81は安息角によって図に示すような表層を形成
し、リブ80の下には空隙82が生じる。従って、エー
ジングによってスラグが膨潤してもこの空隙にスラグが
盛り上がるので、膨潤圧が逃がされ、圧力容器に加わる
膨潤圧が緩和される。
【0114】図26は処理済スラグ排出蓋の直前にスラ
グ集荷手段を設けた例を示す。図において、圧力容器の
下部を太くなるように形成したので、スラグが固着する
恐れが少なくなる。というのは、ダストバルブは大口径
とすることが困難であるため、圧力容器下部を細くする
のが通常であるが、一方、細くすれば、エージングによ
ってスラグが膨潤すると、固着して排出が困難となる恐
れがある。しかし、図26に示すように、集荷手段とし
てのスクリューフィーダ83を設ければ、圧力容器下部
を細くする必要はなく、スラグ固着の問題も生じない。
また、スクリューフィーダによる一次シール効果も期待
できるので、排出側のダストバルブ84も1段でよい。
【0115】さらに、図26の圧力容器内壁には斜め下
方に向けてリブ85が複数個設置されているので、充填
されたスラグは容器内壁に殆ど接触しなくなり、圧力容
器に対する膨潤圧の緩和効果は図25の水平方向のリブ
の場合よりもさらに大きくなる。また、水平方向のリブ
に比べ、スラグ排出時の邪魔になりにくい。上記リブ8
0または85は、非密閉型のバスケットの内壁に設けて
も膨潤圧の緩和効果が期待できる。
【0116】図27は、未処理スラグ装入用および処理
済スラグ排出用の蓋を1個の蓋86で兼用する例を示す
図である。蓋86はクラッチドアであり、圧力容器87
は上下反転可能に構成されている。クラッチドアはダス
トバルブに比べて大口径とすることが可能で、開閉も短
時間で容易にかつ確実に実施でき、圧力シール性も高
い。しかしながら、ダストの付着汚れが殆ど許容され
ず、従って、掃除・点検に時間がかかる恐れがあり、排
出工程で問題を生じる。そこで、圧力容器を上下反転可
能にしておき、排出工程では、まず蓋86が上方(図の
右側の位置)にあるとき蓋86を開き、次いで圧力容器
87を反転させて蓋86が下方(図の左側の位置)にあ
るようにして処理済スラグを排出すれば、蓋86の汚れ
は防止できる。
【0117】図28は、クラッチドアの圧力容器側に、
圧力容器開口よりも小径のシュート88を圧力容器フラ
ンジシール面89よりやや突出するように設けた例を示
す。
【0118】このように構成すれば、蓋86のみなら
ず、圧力容器のフランジ90の汚れも防止することがで
きる。
【0119】最後に、本発明における保温工程中におけ
る飽和水蒸気圧の下限値、スラグの処理量、処理時間に
ついて限定した理由を以下に説明する。
【0120】〔飽和水蒸気圧の下限値〕まず、保温工程
中の飽和水蒸気圧の下限値については、上記したよう
に、膨潤率3%のスラグについて水蒸気圧力2kg/cm2G
で処理した場合(特開平5−238786号公報記載の
もの)の時間は3時間であり、本発明者等が膨張率6%
のものについて水蒸気圧力5kg/cm2Gで処理した場合の
時間は2時間であった。このことから、水蒸気圧力を大
きくする方がエージング時間が短縮されることがわかっ
た。設備費用面から考えて5kg/cm2G水蒸気の適用と同
等範囲であると考えられるのは、5〜10kg/cm2Gの範
囲であり、この範囲がエージング時間の短縮に効果的で
ある。
【0121】〔スラグの処理量〕また、スラグ処理量に
関しては、工業規模でスラグの処理を行う場合、一度に
できるだけ多くのスラグが処理できることが好ましい。
しかし、一度に処理する量が過大だと、水蒸気源、破砕
設備等の原料スラグの処理・供給設備、製品スラグの搬
送設備等の能力の制限から、装入工程、昇温・昇圧工
程、排出工程等の時間が長くなるという問題を生じる。
そこで、所要の生産能力(例えば、日産1000トン)
を確保するためには、圧力容器をさらに大容量とする必
要が生じ、エージング時間(保温工程の所要時間)を短
縮した効果が薄れてしまう。あるいは、装入工程、昇温
・昇圧工程、排出工程等の時間が過大になるのを防止し
ようとすれば、水蒸気源、破砕設備等の原料スラグの処
理・供給設備、製品スラグの搬送設備等を大容量とせね
ばならなくなり、経済的でなくなる。そこで、ホイスト
クレーン装置、台車、ダンプトラック等によるバスケッ
トのハンドリングを考慮すれば、1回の処理で圧力容器
に装入するスラグの量は、10〜50トンの範囲が適当
であると考えられる。
【0122】これよりも大容量が必要な場合は、圧力容
器の数を増やすのが適当である。
【0123】〔処理時間〕1回の処理時間は、2〜6時
間とするのが経済的である。例えば、1回の処理量を4
0トンとし、1回の処理時間を4時間、圧力容器の数を
4基とすれば、40トン/(基・4時間)×24時間×
4基=960トンが日産能力となる。装入工程および排
出工程の時間は圧力容器の内圧を大気圧にしなければな
らない無駄時間であり、できるだけ短くして圧力容器の
正味可動率の向上を図るべきである。しかし、安全上、
少なくとも10分は確保するのが好ましく、その上限は
30分未満とするのが経済的である。
【0124】昇温・昇圧工程の所要時間は水蒸気源の能
力、予熱等によって決まる。圧力容器を小型にして基数
を増やせばピーク時の水蒸気量を低減することができ
る。1回の処理量を40トンとした場合、5kg/cm2Gま
での昇温・昇圧を1時間で行うための水蒸気源の水蒸気
発生能力は2トン/時間程度ですむ。従って、昇温・昇
圧工程の時間は、30分以上2時間以下とするのが経済
的である。
【0125】
【発明の効果】本発明は上記のとおり構成されているの
で、以下に列記する効果を奏する。 (1) 請求項1、12記載の発明においては、熱水を排出
しつつ昇温・昇圧を行うことにより効率的にエージング
が進行し、過剰の消石灰が容器内壁に固着するという問
題もなく、極めて短時間にエージングが終了する。
【0126】(2) 請求項2、18記載の発明において
は、熱水の顕熱を予熱源として回収できるので、エネル
ギーコストを低減しうる。また、未処理スラグを洗浄し
流出しやすい微粉を除去することができるので、スチー
ムトラップ閉塞等のトラブルが発生しにくい。熱水はス
ラグを予熱することで温度が降下し、消石灰の溶解度が
上昇するので、消石灰が容器内壁に固着する恐れが少な
くなる。
【0127】(3) 請求項2、19記載の発明において
は、上記請求項18の効果に加えて、予熱を圧力容器と
は別の場所で行うことにより、予熱工程の時間だけ全体
の処理時間を短縮できるという効果がある。
【0128】(4) 請求項2、20記載の発明において
は、熱水貯留容器が不要になり、100℃以上の熱水を
予熱に使うことができ、予熱効果が大きいという利点に
加えて、水蒸気発生装置の能力に制限がある場合、予熱
を十分に行うことによって、昇温・昇圧時間が短縮さ
れ、1回の処理時間が短縮される可能性がある。
【0129】(5) 請求項3、21記載の発明において
は、減圧工程で排出される水蒸気を予熱源として利用で
き、熱回収量が増大する。排出工程で排出されるスラグ
の温度が低下するので、製品スラグのハンドリングに都
合がよい。系外への水蒸気の排出は、容器内圧がある程
度低下してからであるので、騒音・白煙発生等の問題も
少ない。
【0130】(6) 請求項4記載の発明においては、減圧
によりスラグ粒子内の高圧の水蒸気や熱水が膨張して粒
子外へ吹き出す際に粒子空隙を押し拡げ、場合によって
は粒子を崩壊させる。このため低温で、水和反応の進ん
でいない粒子中心部が水蒸気に曝されるようになり、エ
ージングが迅速に進行する。
【0131】(7) 請求項5、22記載の発明において
は、上記請求項4の効果に加えて、保温工程で排出され
る水蒸気が他の圧力容器の回収され、無駄にならないと
いう効果と、騒音・白煙の問題も少ないという効果があ
る。
【0132】(8) 請求項6、23、28記載の発明にお
いては、次の効果がある。すなわち、スラグは非密閉の
バスケットに収容されて圧力容器に装入されるので、バ
スケットと圧力容器との間の空間に飽和水蒸気が充満さ
れ、十分な加熱が行われる。圧力容器の加熱により生成
された熱水は、スラグに殆ど接触せずに下方に流下し、
スラグの昇温を阻害することがない。スラグに直接接触
するバスケットは非耐圧容器であるので、若干の損傷は
許容され、補修も容易である。圧力容器に直接スラグを
充填すると、蓋部のシール面にスラグが付着してシール
面の手間がかかるが、非密閉のバスケットに収容するの
であれば、このような弊害はない。スラグの膨潤圧によ
ってバスケットが若干変形しても問題なく、また、その
補修は容易である。圧力容器に直接スラグを充填した場
合、スラグが膨潤すると、固結して排出が困難になるこ
とがあるが、非密閉のバスケットにスラグを収容するの
であれば、このような問題は生じない。
【0133】(9) 請求項6、23、29記載の発明にお
いては、上記請求項6、23、28と同様の効果が期待
でき、また縦型容器を使用するので、設備の所要面積が
小さくてすむ。
【0134】(10)請求項7記載の発明においては、エー
ジング時間の短縮が可能である。
【0135】(11)請求項8記載の発明においては、エー
ジング設備が経済的であるという効果が期待できる。
【0136】(12)請求項9、10、11記載の発明にお
いては、経済的な設備規模で、効率的にエージング処理
を実行することができる。
【0137】(13)請求項13記載の発明においては、圧
力容器のシール性が向上する。
【0138】(14)請求項14記載の発明においては、圧
力容器内でスラグが固着する恐れが少なくなり、スラグ
排出に長時間を要しない。
【0139】(15)請求項15記載の発明においては、設
備コストを低減しうる効果が期待できる。
【0140】(16)請求項16記載の発明においては、蓋
が汚れることなく、しかもシール性に優れている。
【0141】(17)請求項17記載の発明においては、蓋
および圧力容器側のフランジ部の汚れを防止できるの
で、シール性が向上する。
【0142】(18)請求項24記載の発明においては、装
入・排出工程が短縮され、1回の処理時間が短くなる。
また、スラグが膨潤により固結し、排出に時間がかかっ
た場合でも、処理時間への影響は殆どない。
【0143】(19)請求項25記載の発明においては、水
蒸気がスラグ全域に行き渡り、エージングが迅速に進行
するという効果が期待できる。
【0144】(20)請求項26記載の発明においては、ス
ラグ層で生成した熱水が層外へ速やかに排水され、エー
ジングが迅速に進行するという効果が期待できる。
【0145】(21)請求項27記載の発明においては、ス
ラグの膨潤による非密閉容器の破損を防止することがで
きる。
【0146】(22)請求項28記載の発明においては、蓋
は側方に設けられるので、クラッチドアを適用しても汚
れの心配はないという効果が期待できる。
【0147】(23)請求項29記載の発明においては、非
密閉容器はホイストクレーンによって吊り上げられ、圧
力容器は1個の上蓋でスラグ装入用と排出用を兼用でき
るので、クラッチドアを上蓋に適用しても汚れの心配が
ないという効果が期待できる。
【0148】(24)請求項30記載の発明においては、次
の効果がある。すなわち、ベルトコンベヤ、ホッパ等の
常設式の供給・排出手段の建設が不要で、初期投資が少
なくて済む。走行が自由な無軌道の車両を使用するの
で、設備のレイアウトが自由に行え、変更に対する柔軟
性が高い。既存の無軌道式車両を有効に活用できる。
【0149】(25)請求項31記載の発明においては、リ
ブの下には空隙が形成され、エージングによってスラグ
が膨潤しても、この空隙にスラグが盛り上がるので、膨
潤圧が逃がされ、圧力容器に加えられる膨潤圧が緩和さ
れるという効果が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製鋼スラグのエージング装置の全体構
成図である。
【図2】エージング中の圧力変化、温度変化を模式的に
示す図である。
【図3】消石灰の溶解度曲線を示す図である。
【図4】水和反応の平衡定数の温度変化を示す図であ
る。
【図5】本発明の製鋼スラグのエージング装置の別の実
施例を示す全体構成図である。
【図6】図5の装置によるエージング中の圧力変化、温
度変化を模式的に示す図である。
【図7】本発明の製鋼スラグのエージング装置のさらに
別の実施例を示す全体構成図である。
【図8】本発明の製鋼スラグのエージング装置のさらに
別の実施例を示す全体構成図である。
【図9】図8の装置によるエージング中の温度変化を模
式的に示す図である。
【図10】本発明の製鋼スラグのエージング装置のさら
に別の実施例を示す全体構成図である。
【図11】図10の装置によるエージング中の圧力変化
を模式的に示す図である。
【図12】保温工程中に圧力容器内の圧力を一時的に低
下する場合の圧力変化を模式的に示す図である。
【図13】2基の圧力容器を連通した場合の圧力変化を
模式的に示す図である。
【図14】本発明の製鋼スラグのエージング装置のさら
に別の実施例の平面図である。
【図15】図14の装置の正面図である。
【図16】図16(a)は非密閉のバスケットを収容し
た圧力容器の断面図、図16(b)はバスケットの側面
図である。
【図17】本発明の製鋼スラグのエージング装置のさら
に別の実施例の正面図である。
【図18】図17の装置の平面図である。
【図19】図17の装置の側面図である。
【図20】図20(a)はバスケットの側面の孔を覆う
棚板を設けた例を示す断面図、図20(b)はその正面
図である。
【図21】図21(a)はバスケットの側面の孔を覆う
カバー板を設けた例を示す断面図、図21(b)はその
正面図である。
【図22】図22(a)はバスケットの側面の孔を覆う
ように側面の一部を折り曲げた例を示す断面図、図22
(b)はその正面図である。
【図23】バスケットの底面の排水孔の下方に底板を設
けた例を示す断面図である。
【図24】バスケットの側面を変形可能な構造とした例
を示す断面図である。
【図25】圧力容器の別の例を示す側断面図である。
【図26】図26(a)は圧力容器のさらに別の例を示
す正面図、図26(b)はその側断面図である。
【図27】圧力容器のさらに別の例を示す概略構成図で
ある。
【図28】圧力容器のさらに別の例を示す概略構成図で
ある。
【符号の説明】
1…圧力容器 2a…上蓋 2b…下蓋 3…水蒸気発生装置 4…バルブ 5…管路 6…装入シュート 7…破砕装置 9…スチームトラップ 10…管路 11…バルブ 12…管路 13…スラグ容器 14…熱水貯留容器 15…管路 15a…管路 16…ポンプ 18…管路 20…エージング前スラグ収納容器 21…管路 22…バルブ 22a…バルブ 23…スチームトラップ 23a…スチームトラップ 24…バルブ 24a…バルブ 25…管路 25a…管路 26…管路 30…管路 31…バルブ 31a…バルブ 32…圧力容器 33…レール 34…横行台車 35…レール 36…レール 37…リフト台車 38…バスケット 42…レール 46…レール 48…圧力容器 49…バスケット 50…ホイストクレーン装置 57…蓋 62…通気孔 63…棚板 64…カバー板 68…排水孔 73…カウンターウェイト 76…ダストバルブ 77…ドレーン受け弁 78…ガスシール弁 79…スラグカット弁 80…リブ 83…スクリューフィーダ 85…リブ 86…蓋 87…圧力容器 88…シュート 89…フランジシール面
フロントページの続き (72)発明者 小出 浩 和歌山県和歌山市湊1850番地 住友金属工 業株式会社和歌山製鉄所内 (72)発明者 駒井 啓一 兵庫県神戸市中央区東川崎町3丁目1番1 号 川崎重工業株式会社神戸工場内 (72)発明者 絹川 喜隆 兵庫県神戸市中央区東川崎町3丁目1番1 号 川崎重工業株式会社神戸工場内

Claims (31)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粒径25mm以下のものが80%以上とな
    るように破砕した常温の製鋼スラグを圧力容器に装入
    し、該圧力容器を密閉して容器内に加圧水蒸気を供給し
    て容器およびスラグを加熱することによって凝縮した熱
    水を排出しつつ圧力容器内を昇温・昇圧し、次いで容器
    内を2〜10kg/cm2Gの圧力の飽和水蒸気雰囲気に1〜
    5時間保持した後、圧力容器内を大気圧まで減圧して製
    鋼スラグを排出することを特徴とする製鋼スラグのエー
    ジング方法。
  2. 【請求項2】 圧力容器を密閉した後、容器内に加圧水
    蒸気を供給する前に、当該圧力容器における前回の処理
    で発生した熱水または連通可能に接続した他の圧力容器
    で発生した熱水を当該圧力容器に供給して容器およびス
    ラグを予熱しつつ排水を行うことを特徴とする請求項1
    記載の製鋼スラグのエージング方法。
  3. 【請求項3】 複数の圧力容器を連通可能に接続し、圧
    力容器の上方から水蒸気を排出することにより大気圧ま
    で減圧し、排出した水蒸気を他の圧力容器に供給して当
    該他の圧力容器およびスラグを予熱しつつ排水を行うこ
    とを特徴とする請求項1記載の製鋼スラグのエージング
    方法。
  4. 【請求項4】 容器内を2〜10kg/cm2Gの圧力の飽和
    水蒸気雰囲気に保持する工程において、容器内圧力を一
    時的に低下させることを特徴とする請求項1、2または
    3記載の製鋼スラグのエージング方法。
  5. 【請求項5】 複数の圧力容器を連通可能に接続し、昇
    温・昇圧開始時にある圧力容器に、保温工程にある他の
    圧力容器から飽和水蒸気を供給することによって、当該
    他の圧力容器内圧力を一時的に低下させることを特徴と
    する請求項4記載の製鋼スラグのエージング方法。
  6. 【請求項6】 製鋼スラグを非密閉容器に収容した状態
    で、圧力容器への装入および圧力容器からの排出を行う
    ことを特徴とする請求項1、2、3、4または5記載の
    製鋼スラグのエージング方法。
  7. 【請求項7】 飽和水蒸気圧力が5kg/cm2G以上である
    ことを特徴とする請求項1、2、3、4、5または6記
    載の製鋼スラグのエージング方法。
  8. 【請求項8】 圧力容器への製鋼スラグの1回の装入量
    が、10〜50トンであることを特徴とする請求項1、
    2、3、4、5、6または7記載の製鋼スラグのエージ
    ング方法。
  9. 【請求項9】 圧力容器への製鋼スラグの装入から排出
    までの処理時間が、2〜6時間であることを特徴とする
    請求項8記載の製鋼スラグのエージング方法。
  10. 【請求項10】 エージングされた製鋼スラグを排出し
    てから、エージングされるべき製鋼スラグを圧力容器に
    装入して密閉するまでの時間が10分以上30分未満で
    あることを特徴とする請求項9記載の製鋼スラグのエー
    ジング方法。
  11. 【請求項11】 昇温・昇圧時間が30分〜2時間であ
    ることを特徴とする請求項9記載の製鋼スラグのエージ
    ング方法。
  12. 【請求項12】 製鋼スラグの装入および排出のための
    開閉蓋を有する圧力容器と水蒸気発生装置とをバルブを
    有する管路で接続し、該圧力容器下部に熱水排出手段を
    備えた管路を接続し、圧力容器上部にバルブを有する大
    気に開放した管路を接続し、該圧力容器にスラグを装入
    する手段および該圧力容器からスラグを排出する手段を
    備えていることを特徴とする製鋼スラグのエージング装
    置。
  13. 【請求項13】 製鋼スラグ装入用の開閉蓋と排出用の
    開閉蓋がそれぞれ独立したものであることを特徴とする
    請求項12記載の製鋼スラグのエージング装置。
  14. 【請求項14】 製鋼スラグ排出用の開閉蓋の直前にス
    ラグ集荷手段を設けたことを特徴とする請求項13記載
    の製鋼スラグのエージング装置。
  15. 【請求項15】 開閉蓋を、製鋼スラグ装入および排出
    を兼用する1個の蓋で構成することを特徴とする請求項
    12記載の製鋼スラグのエージング装置。
  16. 【請求項16】 開閉蓋をクラッチドアとし、圧力容器
    が上下反転可能な構造であることを特徴とする請求項1
    5記載の製鋼スラグのエージング装置。
  17. 【請求項17】 クラッチドアが脱着する圧力容器側
    に、圧力容器開口よりも小径のシュートを圧力容器フラ
    ンジシール面よりやや突出するように設けたことを特徴
    とする請求項16記載の製鋼スラグのエージング装置。
  18. 【請求項18】 圧力容器下部に接続した管路の熱水排
    出手段に引き続いて熱水貯留容器を配し、該熱水貯留容
    器と圧力容器上部とを熱水送給手段を有する管路で接続
    し、圧力容器下部に熱水排出用の別の管路を接続したこ
    とを特徴とする請求項12記載の製鋼スラグのエージン
    グ装置。
  19. 【請求項19】 スラグ装入手段の前方に未処理スラグ
    貯留手段を設け、圧力容器下部に接続した管路の熱水排
    出手段に引き続いて熱水貯留容器を配し、該熱水貯留容
    器から熱水送給手段を経て上記未処理スラグ貯留手段に
    至る管路を設けたことを特徴とする請求項12記載の製
    鋼スラグのエージング装置。
  20. 【請求項20】 圧力容器が複数のものからなり、これ
    ら各圧力容器の上部と下部を互いに連通可能に管路で接
    続し、該接続管路の各圧力容器上部側にはバルブを設
    け、該接続管路の各圧力容器下部側には熱水排出手段と
    バルブを設けたことを特徴とする請求項12記載の製鋼
    スラグのエージング装置。
  21. 【請求項21】 圧力容器が複数のものからなり、これ
    ら各圧力容器の上部を互いに連通可能に管路で接続し、
    該接続管路の各圧力容器上部側にそれぞれバルブを設け
    たことを特徴とする請求項12記載の製鋼スラグのエー
    ジング装置。
  22. 【請求項22】 水蒸気発生装置を共通とする複数の圧
    力容器を互いに連通可能に管路で接続し、該接続管路の
    各圧力容器上部側には逆止弁を除くバルブを設けたこと
    を特徴とする請求項12記載の製鋼スラグのエージング
    装置。
  23. 【請求項23】 スラグ装入手段が、製鋼スラグを収容
    した非密閉容器を圧力容器内に移送可能な搬送手段とス
    ラグ供給手段とから構成され、スラグ排出手段が、製鋼
    スラグを収容した非密閉容器を圧力容器外に移送可能な
    搬送手段とスラグ空杯化手段とから構成されていること
    を特徴とする請求項13または15記載の製鋼スラグの
    エージング装置。
  24. 【請求項24】 非密閉容器の数が圧力容器の数よりも
    1つだけ多いことを特徴とする請求項23記載の製鋼ス
    ラグのエージング装置。
  25. 【請求項25】 非密閉容器の側面に、多数の通気孔を
    設けたことを特徴とする請求項23または24記載の製
    鋼スラグのエージング装置。
  26. 【請求項26】 非密閉容器の底面に、多数の排水孔を
    設けたことを特徴とする請求項23、24または25記
    載の製鋼スラグのエージング装置。
  27. 【請求項27】 非密閉容器の側面をスラグの膨潤圧力
    に応じて変形可能な構造としたことを特徴とする請求項
    23、24、25または26記載の製鋼スラグのエージ
    ング装置。
  28. 【請求項28】 圧力容器が横型円筒であり、該圧力容
    器内の円筒長手方向に2条のレールを敷設し、搬送手段
    が、円筒と直交する方向に走行自在の横行台車と、該横
    行台車上に上記円筒内レールから乗り継ぎ可能なように
    同一方向に敷設された2条のレール上を走行自在である
    別の台車とから構成され、スラグ供給手段およびスラグ
    空杯化手段が、それぞれ、上記横行台車上に敷設された
    2条のレールから乗り継ぎ可能なように同一方向に敷設
    された2条のレールを有することを特徴とする請求項2
    3、24、25、26または27記載の製鋼スラグのエ
    ージング装置。
  29. 【請求項29】 圧力容器が縦型円筒であり、開閉蓋を
    該円筒上面に設け、搬送手段が、非密閉容器を懸架して
    昇降および横行自在であるホイストクレーン装置から構
    成されていることを特徴とする請求項23、24、2
    5、26または27記載の製鋼スラグのエージング装
    置。
  30. 【請求項30】 スラグ供給手段およびスラグ空杯化手
    段がそれぞれ有する2条のレールが左右方向に移動可能
    であることを特徴とする請求項28記載の製鋼スラグの
    エージング装置。
  31. 【請求項31】 圧力容器もしくは非密閉容器の内壁
    に、水平方向または斜め下方に向けてリブを設けたこと
    を特徴とする請求項12、13、14、15、16、1
    7、18、19、20、21、22、23、24、2
    5、26、27、28、29または30記載の製鋼スラ
    グのエージング装置。
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