JPH08165150A - 製鋼排出物の処理炉とその操業方法 - Google Patents

製鋼排出物の処理炉とその操業方法

Info

Publication number
JPH08165150A
JPH08165150A JP33156494A JP33156494A JPH08165150A JP H08165150 A JPH08165150 A JP H08165150A JP 33156494 A JP33156494 A JP 33156494A JP 33156494 A JP33156494 A JP 33156494A JP H08165150 A JPH08165150 A JP H08165150A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
slag
furnace body
dust
furnace
reducing slag
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP33156494A
Other languages
English (en)
Inventor
Tetsuo Okamoto
徹夫 岡本
Hajime Aragai
元 新貝
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daido Steel Co Ltd
Original Assignee
Daido Steel Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daido Steel Co Ltd filed Critical Daido Steel Co Ltd
Priority to JP33156494A priority Critical patent/JPH08165150A/ja
Priority to EP19950308659 priority patent/EP0716153B1/en
Priority to DE1995620259 priority patent/DE69520259T2/de
Priority to US08/568,120 priority patent/US5876483A/en
Priority to KR1019950048177A priority patent/KR100374778B1/ko
Publication of JPH08165150A publication Critical patent/JPH08165150A/ja
Priority to US09/200,956 priority patent/US5968230A/en
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Curing Cements, Concrete, And Artificial Stone (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】製鋼排出物としてのダストと還元スラグとを溶
融状態で反応させて還元スラグを酸化スラグに近い組成
に改質するための処理炉であって、炉体をコンパクトに
構成でき且つ還元スラグを粉末状態又は溶融状態の何れ
においても効率的に処理できる処理炉とその操業方法を
提供する。 【構成】処理炉10の炉体12を横型とした上これを回
動可能となすとともに、左右一方の側壁に純酸素バーナ
24を、また炉体側壁の他方の側にスラグ投入口32を
設ける。更に炉体底部に貯溜部16と出滓口20とを設
ける。そして炉体12を水平姿勢とした状態で純酸素バ
ーナ24から火炎と共に粉末状のダスト58と還元スラ
グ60とを噴出させ、溶融及び反応させて反応スラグを
出滓口20から排出する。また別の処理方法として炉体
12を反時計方向に回動させ、その状態でスラグ投入口
32より溶融状態の還元スラグを一度に多量に炉体内部
に投入する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は製鋼排出物としてのダ
スト及び還元スラグを溶融状態で反応させるための処理
炉とその操業方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電気炉等を用いた製鋼においては、大気
汚染防止のために集塵装置を設けて製鋼炉からのダスト
を集塵することが行われている。この製鋼排出物として
のダストは粒の細かい(例えば1〜5μm程度)粉末状
であって、その成分としてFeO,Fe23(約60
%)やZnO(約15%)を含んでいるものの、再利用
が困難で、従来そのまま廃却されているのが実情であ
る。
【0003】一方電気炉等を用いた製鋼においては、そ
の精錬の時期に応じて酸化スラグ,還元スラグが製鋼排
出物として排出される。このうち酸化スラグは、従来ア
スファルト道路の路盤材等道路用の材料として活用され
ているものの、還元スラグは特別の利用用途がなく、そ
のまま捨てられているのが実情である。
【0004】還元スラグは、その成分として遊離のCa
Oを多量に含んでおり、このものは水分を吸収してCa
(OH)2に転化し、そのときに体積膨張を起こすため
にこれをそのまま路盤材等として用いることができず、
従って特に利用されないまま廃却されていたのである。
而してこれらダスト及び還元スラグを廃却するに当って
は廃却のためのコストが必要で、製鋼コストを高める要
因となっていた。
【0005】そこで本出願人は先の特許願(特願平6−
11208号)において、ダストと還元スラグとを溶融
状態で反応させることにより還元スラグを酸化スラグに
近い性質を有するものに改質化する方法を提案した。
【0006】この処理方法に関する先願発明は、ダスト
と還元スラグとを反応させると、反応の具体的メカニズ
ムは明確でないものの、還元スラグが酸化スラグに近い
物理化学的性質を有するものになるとの知見を得てなさ
れたもので、この発明によれば、従来利用されることな
く捨てられていたダスト及び還元スラグの活用が可能と
なり、廃却費用が不要となるのみならず実際の有用な用
途のための材料として用い得るようになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところでこれらダスト
と還元スラグとを溶融状態で反応させるには、粉末状の
ダストと還元スラグとを所定の炉の内部に投入してそこ
で加熱溶融及び混合反応させれば良いわけであるが、そ
のために高価な設備を必要としたり、処理コストが廃却
コストに比べて著しく高いものになってしまうと、還元
スラグを改質処理することの意味が減殺されてしまう。
【0008】また、ダストの場合には元々粉末状で得ら
れ、従って粉末の状態で処理が行われることとなるが、
還元スラグの場合、製鋼炉からの排出時においては溶融
状態であり、従って還元スラグについては粉末状態,溶
融状態何れの状態においても処理が可能であることが望
まれる。
【0009】還元スラグを後者の溶融状態で処理する場
合、製鋼炉からは一度に多量の還元スラグが排出される
ことから、その処理に際して一度に多量の還元スラグの
処理が可能であること、更に必要に応じて同一の設備に
おいて、粉末状態の還元スラグ及び溶融状態の還元スラ
グの何れの処理も可能で且つその及びその切換が可能で
あることが望まれる。
【0010】
【課題を解決するための手段】本願の発明はこのような
要請に答え得るダスト及び還元スラグの処理炉とその操
業方法を提供することを目的としてなされたものであ
る。而して本願の第一の解決手段は処理炉に関するもの
であってその特徴は、製鋼排出物としてのダストと還元
スラグとを溶融状態で混合して反応させる製鋼排出物の
処理炉であって、(イ)横方向に長形状を成し、内部を
通る回動軸心周りに上下方向に回動可能に配設された横
型の炉体と、(ロ)該炉体内部に突入する状態で該炉体
の左右側壁の一方に且つ先端を他方の側壁に向けて横方
向に配設された純酸素バーナと、(ハ)該炉体における
左右方向の該バーナの配置側とは反対側に設けられた、
前記還元スラグを炉体内部に投入するためのスラグ投入
口と、(ニ)前記横型の炉体の底壁の一部を下向きの凹
形状にすることによって形成した、前記ダストと還元ス
ラグとを溶融状態で反応させ且つ反応スラグを所定量貯
溜する貯溜部と、(ホ)前記ダストを炉体内部に連続的
に供給可能なダスト供給手段と、(ヘ)前記貯溜部の近
傍位置において前記炉体底壁に設けられた、前記反応ス
ラグを排出するための出滓口とを備えていることにある
(請求項1)。
【0011】ここで上記処理炉において、前記酸素バー
ナを先端のダスト噴出口より火炎中にダストを噴出する
ものとし、前記ダスト供給手段を兼ねるものとすること
ができる(請求項2)。
【0012】また更に、請求項1又は2の処理炉におい
て、前記酸素バーナを先端のスラグ噴出口より火炎中に
粉末状の還元スラグを噴出可能なものとすることができ
る(請求項3)。
【0013】本願の別の解決手段は請求項1,2又は3
の処理炉を用いた操業方法に係るものであって、前記還
元スラグを前記ダストとともに粉末状態で前記炉体内部
に連続的に供給するに際しては、前記炉体をその全体が
水平ないしこれに近い姿勢となる第一角度位置に位置さ
せ、それらダスト及び還元スラグを前記バーナからの火
炎の熱によって連続的に溶融・混合させて反応させつつ
反応スラグを前記貯溜部に貯溜するとともに、該反応ス
ラグを該貯溜部よりオーバーフローによって前記出滓口
より連続的に排出する一方、前記還元スラグを一度に多
量に炉体内部に投入するに際しては、前記炉体を前記出
滓口の位置が前記第一角度位置よりも高くなる第二角度
位置まで回動させた状態とし、その状態において該還元
スラグを前記スラグ投入口より炉体内部に投入し、前記
貯溜部において溶融状態のダストと還元スラグとを混合
・反応させた後、再び該炉体を前記出滓口の位置が前記
第二角度位置よりも低くなる方向に回動させて前記貯溜
部の反応スラグを前記出滓口より排出することを特徴と
する(請求項4)。
【0014】
【作用及び発明の効果】以上のように本発明は、製鋼排
出物の処理炉を、回動可能且つ横方向に長形状をなす横
型の炉体と、炉体の左右方向一方の側壁に設けた純酸素
バーナと、該純酸素バーナの配置側とは反対側において
炉体に設けたスラグ投入口と、炉底壁を一部凹形状とす
ることによって形成した貯溜部とを含むように構成し、
そして処理すべき還元スラグの形態に応じてかかる炉体
の上下方向の回転角度位置を適宜に切り換えて、ダスト
及び還元スラグを処理するものである。
【0015】具体的には、還元スラグが粉末状であると
きには炉体をその全体が水平ないしこれに近い姿勢とな
る第一角度位置に位置させ、その状態でダスト及び還元
スラグを連続的に炉体内部に供給するとともに、これを
バーナからの火炎の熱によって連続的に溶融・混合させ
て反応させつつ反応スラグを炉体底部の貯溜部に貯溜す
るとともに、その反応スラグをオーバーフローによって
出滓口より炉体外部に連続的に排出させる。
【0016】このようにダストと還元スラグとを粉末状
態で連続的に炉体内部に供給し、且つ火炎によって連続
的に溶融・反応させる場合、ダストと還元スラグとは速
やかに且つ十分に反応進行するため、炉体底部の貯溜部
の容量はそれほど多くを必要とせず、却って貯溜部の容
量が多いと(反応スラグのプール量が多いと)、そこか
らの熱の放散が多くなって熱エネルギ−の損失が多くな
り、操業上不利である。
【0017】ここにおいて本発明はダストと還元スラグ
とを粉末状態で連続的に供給するに際しては、炉体を水
平姿勢ないしこれに近い第一角度位置に位置させて出滓
口の位置を低くしてあるため、炉体底部の貯溜部の容量
は相対的に少なくなって、貯溜した(プールした)反応
スラグからの熱の放散量を少なく抑えることができる。
【0018】一方、還元スラグを溶融状態のまま処理す
るに際しては、上記出滓口の位置が前記第一角度位置よ
りも高くなる第二角度位置まで炉体を回動させた状態と
する。このとき出滓口の位置が高くなることから、これ
に伴って炉体底部の貯溜部の容量は多くなる。
【0019】これにより、スラグ投入口より一度に多量
の溶融状態の還元スラグを炉体内部に投入することが可
能となり、またその貯溜部において溶融状態のダストと
スラグとを十分に混合・反応させることができる。そし
てその上で炉体を再び前記第一角度位置側に回動させる
ことで、炉体内部の反応スラグを外部に排出することが
できる。
【0020】このように本発明では、還元スラグの形態
に応じて炉体を水平ないしこれに近い第一角度位置と出
滓口の位置がこれよりも高くなる第二角度位置に適宜に
切り換えて、ダストと還元スラグとを処理するもので、
本発明によれば同一の炉体を用いつつ貯溜部の容量を少
なく又は多く変化させて、常に適正容量に保持すること
ができる。
【0021】従って本発明によれば炉体を可及的にコン
パクトに構成できるとともに熱エネルギ−の損失を少な
くすることができ、設備コスト,操業コストを安価に抑
えることができる。加えて還元スラグが粉末状態,溶融
状態何れの場合にも適切にこれを処理することができ
る。特に還元スラグを溶融状態で処理する場合には、少
ない熱エネルギ−でダストと還元スラグとを溶融状態で
反応させることができる。
【0022】また本発明は炉体をコンパクトに構成でき
ることから、耐火材に要する費用及びメンテナンス費用
を安価となし得るとともに、炉体からの熱放散量を少な
くでき、且つ酸素バーナの火炎の熱を有効にダスト及び
還元スラグに作用させることができる。
【0023】本発明においては、炉体が横型であってバ
ーナからの火炎が炉体内部において横方向に噴き出され
ることから、次のような利点が得られる。第一に、炉体
を縦型(縦長形状)としたときには炉体が背の高いもの
となってこれを収容する建屋も高いものが必要となり、
またクレーン等の設備も高い位置に設置することが必要
となる。
【0024】更にトラックにて溶融状態の還元スラグを
製鋼炉から運んできて炉体に投入するとき、炉体が縦型
の背の高いものであると、還元スラグをトラックから直
接炉体のスラグ投入口に投入することができず、一旦還
元スラグを容器(スラグパン)ごとトラックから降ろし
た上で、所定の持上装置にて高く持ち上げた上、炉体の
投入口に投入するといった操作が必要となる。
【0025】しかるに炉体が横型であると、炉体の高さ
及びスラグ投入口の位置も低くなるため、トラックから
スラグを直接炉体のスラグ投入口に投入することが可能
となる。
【0026】第二に、バーナからの火炎が炉体内部で横
向きに噴き出されることから、火炎からの熱をその下側
の貯溜部の湯面に対して広い面積に亘って及ぼすことが
でき、熱効率が良好である利点を有する。
【0027】第三に、炉体が横型であることから貯溜部
の深さを浅く且つ広く形成することが可能であり、従っ
て炉体をわずかに傾けるだけで貯溜部の容量を大きく変
化させることができる利点が得られる。即ち、炉体を第
一角度位置から第二角度位置に切り換えるに際して炉体
をわずかに回動させるだけで足り、或いは第二角度位置
から炉体を第一角度位置側に回動させて反応スラグを出
滓口から排出するに際して、必要な回動量が少なくて済
む利点が得られる。
【0028】本発明においては、粉末状のダストを酸素
バーナの先端のダスト噴出孔よりバーナからの火炎中に
噴出させることができる。このようにした場合、炉体内
部に供給したダストを速やかに加熱・溶融させることが
でき、還元スラグとの反応を有効に行わせることができ
る。尤も、かかる粉末状のダストをバーナとは別途に設
けたランスを通じて炉体内部に噴出するといったことも
可能である。
【0029】本発明においては、更に、還元スラグを粉
末状態で炉体内部に供給するに際して、これを酸素バー
ナの先端に設けたスラグ噴出孔より火炎中に噴出・供給
するようになすことができる。この場合、炉体内部に供
給した粉末状の還元スラグを速やかに加熱・溶融するこ
とができ、炉体内部においてダストと良好に反応を行わ
せることができる。
【0030】
【実施例】次に本発明の実施例を図面に基づいて詳しく
説明する。図2において、10は製鋼排出物としてのダ
スト及び還元スラグを処理するための処理炉であって炉
体12を有している。炉体12は横方向に長形状をなす
横型のものであって、図中左端と右端の中間位置より若
干右側に寄った位置において、且つ炉体内部を通る水平
な軸心14周りに回動可能とされている。
【0031】炉体12は、左右方向の略中間位置より右
端側に進むにつれて内径が漸次大きくされている。即ち
炉体底壁の、図中の中間位置より右側の部分が下向きの
凹形状とされており、そこに溶融状態のダスト,還元ス
ラグ及びそれらの反応スラグをプールするための貯溜部
16が形成されている。またこの貯溜部16に対して撹
拌のためのバブリングガスを噴出するためのバブリング
孔18が炉体底壁に設けられている。
【0032】炉体底壁には、また、貯溜部16の近傍位
置において、反応スラグを炉体外部に排出するための出
滓口20が設けられている。出滓口20は、炉体12を
丁度水平姿勢としたときにその軸心が垂直向きとなるよ
うに形成されている。
【0033】一方、炉体12の左側の側壁22には、純
酸素バーナ24が炉体内部に突入する状態で、且つ先端
を右側の側壁に向けた状態で横向きに配設されている。
【0034】また炉体上壁の左端側には、炉体内部の二
次ダストを排出するための通路26が上向きに形成され
ており、そしてその先端の集塵口28に集塵ダクト30
が接続されている。
【0035】他方炉体上壁の右端側には、還元スラグを
一度に多量に投入可能なスラグ投入口32が設けられて
いる。スラグ投入口32は斜め上方に延び出しており、
その上端開口面34が、炉体12を丁度水平姿勢とした
ときに水平となる向きに形成されている。尚、図2にお
いて36,38は出滓口20,スラグ投入口32を閉鎖
するための蓋体である。
【0036】図2(B)において、40は炉体12の回
動軸であり、両端が軸受42によって支持されている。
炉体12側からは一対のアーム44が下向きに延び出し
ており、それらアーム44の先端に一対の回動シリンダ
46が連結されている。即ち、この例では回動シリンダ
46の伸縮作動によってアーム44を介し炉体12が上
下方向に回動させられるようになっている。
【0037】図3は上記バーナ24の先端面の形状を示
したもので、図示のようにこのバーナ24の先端面の中
心部には燃料(この例では灯油)を噴出するための燃料
噴出孔48が設けられており、ここより燃料が霧状に噴
出されるようになっている。更にこれを取り巻くように
して一次酸素を噴出するための噴出孔50aがリング状
に設けられている。
【0038】一方、最も外周側には二次酸素を噴出する
ための酸素噴出孔50bが周方向に沿って所定間隔ごと
に複数設けられており、これら噴出孔50a,50bよ
り一次酸素及び二次酸素が噴出されるようになってい
る。他方これら酸素噴出孔50aと50bとの間の位置
には、燃料噴出孔48周りに円弧状をなす長孔形状の粉
末噴出孔52が設けられている。
【0039】図2に示しているようにこのバーナ24に
は、ホッパー54,56に収容された粉末状のダスト5
8及び還元スラグ60が供給されるようになっており、
そしてそれらが上記粉末噴出孔52よりバーナ24から
の火炎中に噴出されるようになっている。
【0040】ここで粉末状のダスト58及び還元スラグ
60の供給量は、ホッパー54及び56の供給口に配設
されたバルブ又はフィーダ62,64によってコントロ
ールされるようになっている。またこれら粉末状のダス
ト58及び還元スラグ60は、搬送ガス(この例では空
気)にて搬送されるようになっている。ここでダスト5
8及び還元スラグ60の主要成分の組成は、例えば表1
に示すごとくである。
【0041】
【表1】
【0042】次に上記処理炉10を用いた粉末状態のダ
スト及び同じく粉末状態の還元スラグ又は溶融状態の還
元スラグを処理するための操業方法の例について説明す
る。先ず図1(I)はダスト及び還元スラグを粉末状態
で処理する場合の状態を示している。具体的には、図1
(I)に示す操業時においては炉体12を水平ないしこ
れに近い姿勢となる第一角度位置に位置させた状態と
し、そしてその状態において純酸素バーナ24の先端か
ら燃料と酸素とを噴き出させて火炎を生成させる。
【0043】同時に純酸素バーナ24の先端より粉末状
態のダストと還元スラグとを火炎中に噴出させ、その火
炎によって溶融させる。溶融したダスト及び還元スラグ
は炉体底部の貯溜部16に貯溜され、そこにおいて十分
に混合状態で反応せしめられる。
【0044】純酸素バーナ24からは粉末状のダスト5
8と還元スラグ60とが連続的に炉体内部の火炎中に供
給されて溶融され、これにより炉体底部の貯溜部16の
反応スラグ量が連続的に増加させられる。そしてその増
加に応じて反応スラグが低位置に位置させられた出滓口
20からオーバーフローによって連続的に排出されて行
く。
【0045】つまり、図1(I)に示す状態では炉体1
2を第一角度位置に位置させて出滓口28の位置を低く
してあるため、貯溜部16の容量が少なくなってそこに
貯溜される反応スラグの量も少なくなり、この結果、貯
溜した反応スラグからの熱の放散が少なくなって熱エネ
ルギーの損失が小さく抑えられる。
【0046】図1(I)に示す操業時においては、溶融し
たダストと還元スラグとが速やか且つ十分に反応進行す
るため、貯溜部16における反応スラグの貯溜量が少な
くても何ら支障はなく、成分が十分に均一化された状態
で出滓口20から排出される。
【0047】次に図1(II),(III),(IV)は還元ス
ラグを溶融状態で且つバッチ的に処理するときの操業状
態を図示したものである。還元スラグを溶融状態で処理
する場合には、(II)に示しているように炉体12を、
出滓口20の位置が前記第一角度位置よりも高くなる第
二角度位置まで回動させた状態とする。
【0048】図1(I),(II)を比較して分かるよう
に、第一角度位置において反応スラグの液面とほぼ同じ
高さ位置にあった出滓口20は、(II)に示しているよ
うに第二角度位置まで回動することによって反応スラグ
の液面よりも高い位置に位置する。この結果炉体底部の
貯溜部16の容量は、図1(I)に示す状態に比べて相
対的に多くなる。
【0049】さてこの状態において、製鋼炉から一度に
多量に排出された溶融状態の還元ホットスラグをスラグ
投入口32から炉体12内部に投入する。図1(II)は
このときの状態を示している。図に示しているように溶
融状態の還元スラグを投入した時点では、貯溜部16の
溶湯は十分に混合していない。そこで純酸素バーナ24
から引続き連続してダスト58を炉体12内部に噴出し
且つ溶融させつつ炉体12を第二角度位置に一定時間保
持しておく。この間に溶融ダストと溶融スラグとは、容
量が大きくなった貯溜部16内部において十分に混合且
つ反応促進される。
【0050】而して溶融ダストと溶融スラグとが十分に
混合及び反応したところで、図1(IV)に示しているよ
うに炉体12を水平ないしこれに近い第一角度位置側に
回動させることにより、炉体底部の貯溜部16内に貯溜
されている反応スラグを出滓口20から外部に排出す
る。このようにして得られた反応スラグの主要成分の組
成は、例えば表2に示す如くである。尚表2では、ダス
トと還元スラグとの比率を3段階に変えた場合の例で示
してある。
【0051】
【表2】
【0052】以上のように本例においては、還元スラグ
の形態に応じて炉体12を水平ないしこれに近い第一角
度位置と、出滓口20の位置がこれよりも高くなる第二
角度位置とに適宜に切り換えてダスト及び還元スラグを
処理するようにしており、従って本例によれば同一の炉
体12を用いて貯溜部16の容量を少なく又は多く変化
させて、常に適正容量に保持することができ、また還元
スラグが粉末状態,溶融状態何れの場合にも適切にこれ
を処理することができる。
【0053】本例によれば、炉体12をコンパクトに構
成でき、従って耐火材に要する費用及びメンテナンス費
用等を安価となし得るとともに、炉体12からの熱放散
量を少なくでき且つ純酸素バーナ24からの火炎の熱を
有効にダスト及び還元スラグに作用させることができ
る。
【0054】上記のように本例の処理炉10は炉体12
が横型であり、これより次の利点が得られる。その利点
を図4に基づいて説明する。(B)に示しているように
例えば処理炉100の炉体102を縦型(縦長形状)と
したとき、炉体102が背の高いものとなって、これを
収容する建屋70も高いものが必要となり、またクレー
ン72等の設備も高い位置に設置することが必要とな
る。
【0055】更にトラック76にて溶融状態の還元スラ
グを製鋼炉から運んできて炉体102に投入するとき、
還元スラグをトラック76から直接炉体102のスラグ
投入口106に投入できず、一旦還元スラグを容器(ス
ラグパン)74ごとトラック76から降ろした上で、所
定の持上装置108にて高く持ち上げた上、炉体102
の投入口106に投入するといった操作が必要となる。
【0056】しかるに(A)に示しているように炉体1
2が横型であると、炉体12の高さが低いものとなるた
め、これを収容する建屋70は低いものでも良く、また
クレーン72等の設備も低い位置に設置できる。
【0057】加えてスラグ投入口32の位置も低くなる
ため、還元スラグを炉体12に投入するとき、トラック
76からこれを直接炉体12のスラグ投入口32に投入
することが可能であり、持上げ装置等を省略することが
できる。
【0058】またバーナ24からの火炎が炉体12内部
で横向きに噴き出されることから、火炎からの熱をその
下側の貯溜部16の湯面に対して広い面積に亘って及ぼ
すことができ、熱効率が良好である利点も有する。
【0059】更に、炉体12を横型とした場合、貯溜部
16の深さを浅く且つ広く形成することが可能であり、
従って炉体12をわずかに傾けるだけで貯溜部16の容
量を大きく変化させることができる。
【0060】従って炉体12を第一角度位置から第二角
度位置に切り換えるに際して、或いは第二角度位置から
第一角度位置側に回動させて反応スラグを出滓口から排
出するに際して、炉体の必要な回動量が少なくて済む利
点が得られる。
【0061】以上本発明の実施例を詳述したがこれはあ
くまで一例示であり、本発明は他の形態・態様において
構成・実施可能である。例えば上記実施例では還元スラ
グを炉体12内部に粉末状態で連続的に供給する場合に
おいて、これを純酸素バーナ24から粉末状のダスト5
8と共に火炎中に噴出するようにしているが、炉体12
に粉末状のダスト58及び/又は還元スラグ60を噴出
するためのランスを純酸素バーナ24とは別途に設け、
そこから粉末状のダスト58及び/又は還元スラグ60
を炉体12内部に供給するようになすことも可能であ
る。
【0062】また出滓口20,スラグ投入口32の位置
や形状を適宜に変更することも可能であるなど、本発明
はその主旨を逸脱しない範囲において種々変更を加えた
形態・態様で構成・実施可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である製鋼排出物の処理炉の
操業方法を説明するための模式図である。
【図2】図1の処理炉の構成図である。
【図3】図1の処理炉における純酸素バーナの先端面の
図である。
【図4】図1の横型の処理炉の利点を説明するための説
明図である。
【符号の説明】
10 処理炉 12 炉体 14 軸心 16 貯溜部 20 出滓口 24 純酸素バーナ 32 スラグ投入口 52 粉末噴出孔 58 ダスト 60 還元スラグ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 製鋼排出物としてのダストと還元スラグ
    とを溶融状態で混合して反応させる製鋼排出物の処理炉
    であって (イ)横方向に長形状を成し、内部を通る回動軸心周り
    に上下方向に回動可能に配設された横型の炉体と (ロ)該炉体内部に突入する状態で該炉体の左右側壁の
    一方に且つ先端を他方の側壁に向けて横方向に配設され
    た純酸素バーナと (ハ)該炉体における左右方向の該バーナの配置側とは
    反対側に設けられた、前記還元スラグを炉体内部に投入
    するためのスラグ投入口と (ニ)前記横型の炉体の底壁の一部を下向きの凹形状に
    することによって形成した、前記ダストと還元スラグと
    を溶融状態で反応させ且つ反応スラグを所定量貯溜する
    貯溜部と (ホ)前記ダストを炉体内部に連続的に供給可能なダス
    ト供給手段と (ヘ)前記貯溜部の近傍位置において前記炉体底壁に設
    けられた、前記反応スラグを排出するための出滓口とを
    備えていることを特徴とする製鋼排出物の処理炉。
  2. 【請求項2】 請求項1の処理炉において、前記純酸素
    バーナが先端のダスト噴出孔より火炎中にダストを噴出
    するものとされており、該バーナが前記ダスト供給手段
    を兼ねていることを特徴とする製鋼排出物の処理炉。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2の処理炉において、前記
    純酸素バーナが先端のスラグ噴出孔より火炎中に粉末状
    の還元スラグを噴出可能なものとされていることを特徴
    とする製鋼排出物の処理炉。
  4. 【請求項4】 請求項1,2又は3の処理炉を用いた操
    業方法であって、前記還元スラグを前記ダストとともに
    粉末状態で前記炉体内部に連続的に供給するに際して
    は、前記炉体をその全体が水平ないしこれに近い姿勢と
    なる第一角度位置に位置させ、それらダスト及び還元ス
    ラグを前記バーナからの火炎の熱によって連続的に溶融
    ・混合させて反応させつつ反応スラグを前記貯溜部に貯
    溜するとともに、該反応スラグを該貯溜部よりオーバー
    フローによって前記出滓口より連続的に排出する一方前
    記還元スラグを一度に多量に炉体内部に投入するに際し
    ては、前記炉体を前記出滓口の位置が前記第一角度位置
    よりも高くなる第二角度位置まで回動させた状態とし、
    その状態において該還元スラグを前記スラグ投入口より
    炉体内部に投入し、前記貯溜部において溶融状態のダス
    トと還元スラグとを混合・反応させた後、再び該炉体を
    前記出滓口の位置が前記第二角度位置よりも低くなる方
    向に回動させて前記貯溜部の反応スラグを前記出滓口よ
    り排出することを特徴とする製鋼排出物の処理炉の操業
    方法。
JP33156494A 1994-12-08 1994-12-08 製鋼排出物の処理炉とその操業方法 Pending JPH08165150A (ja)

Priority Applications (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33156494A JPH08165150A (ja) 1994-12-08 1994-12-08 製鋼排出物の処理炉とその操業方法
EP19950308659 EP0716153B1 (en) 1994-12-08 1995-12-01 Method and furnace for disposal of steel-making waste, and operating method of the furance
DE1995620259 DE69520259T2 (de) 1994-12-08 1995-12-01 Verfahren und Ofen zum Entsorgen von Stahlwerkabfällen sowie Betriebsverfahren für diesen Ofen
US08/568,120 US5876483A (en) 1994-12-08 1995-12-06 Method and furnace for disposal of steel-making waste, and operating method of the furnace
KR1019950048177A KR100374778B1 (ko) 1994-12-08 1995-12-07 제강배출물처리로및그처리방법,및상기처리로의작동방법
US09/200,956 US5968230A (en) 1994-12-08 1998-11-30 Method and furnace for disposal of steel-making waste, and operating method of the furnace

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33156494A JPH08165150A (ja) 1994-12-08 1994-12-08 製鋼排出物の処理炉とその操業方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08165150A true JPH08165150A (ja) 1996-06-25

Family

ID=18245074

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP33156494A Pending JPH08165150A (ja) 1994-12-08 1994-12-08 製鋼排出物の処理炉とその操業方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08165150A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4819187B2 (ja) 精錬剤および精錬方法
JP2006528732A (ja) スラグの利用プロセス
US6024912A (en) Apparatus and process system for preheating of steel scrap for melting metallurgical furnaces with concurrent flow of scrap and heating gases
JP2001500243A (ja) 金属溶融物の製造のためのプラントおよびプロセス
CN1191376C (zh) 直接熔炼设备
US5968230A (en) Method and furnace for disposal of steel-making waste, and operating method of the furnace
JPS58123809A (ja) 酸化物を含有する細粒鉱石の還元方法とその装置
JPH08165150A (ja) 製鋼排出物の処理炉とその操業方法
TW504518B (en) Direct-current arc furnace for steel production and method of producing steel
KR0161961B1 (ko) 다용도 제강 용기 및 이를 이용한 제강 방법
CN1171136A (zh) 由多个容器组成的可倾侧冶炼装置
US7172640B2 (en) Method and device for melting down metal-containing materials
JPH08165149A (ja) 製鋼排出物の処理炉とその操業方法
JP3584434B2 (ja) 製鋼排出物処理用バーナー
EP3762514A1 (de) Schmelzaggregat zur stahlerzeugung
CN211471521U (zh) 一种处理铜冶炼贫化炉
CN210620907U (zh) 回转式还原电炉
RU2787016C2 (ru) Плавильная установка для производства стали
JPH1114263A (ja) 金属溶解炉および金属溶解方法
JP4751228B2 (ja) 精錬炉及び精錬方法
JPH0237282A (ja) ロックウール用電気溶融炉における溶銑抜取り方法
JP2020139662A (ja) アーク式電気炉、アーク式電気炉における排滓方法及び溶融金属の製造方法
JP2002275553A (ja) 転炉保温方法および転炉炉蓋装置
JPH0478690B2 (ja)
KR20240016794A (ko) 전기로