JPH0816292A - 音声表示キーボードおよびその音声表示キーボードを用いる電話装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】視覚障害者を含む各利用者が、各キーの操作が
正確であるか否かをその都度目視によらない確認で操作
することができるキーボードと、そのキーボードを用い
る電話装置を提供する。 【構成】キーボードは、各キーに対応してキートップに
操作者の指先が接触したことを検知する第１の検知手段
と、該キーが押下げられたことを検知する第２の検知手
段とを備えるとともに、前記第１の検知手段の出力によ
り当該キーの機能を示す音声情報を発出する手段と、前
記第２の検知手段の出力により当該キーの押下げを示す
音声情報と信号出力を送出する手段を備えるように構成
されている。電話装置は、その信号出力に制御される網
制御回路に接続された電話機回路をさらに備えるように
構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】

【産業上の利用分野】本発明は、キーボードとそのキー
ボードを用いる電話装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、例えば、タイプライター，ワード
プロセッサ，計算器の如き事務処理装置，コンピュータ
の如き情報処理装置、及び電話機，ファクシミリ等の情
報伝達装置の広い技術分野において、情報入力のために
キーボードが用いられている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】このようなキーボード
は、通常は視覚に障害のない健常者が使用するものとし
て組立てられているため、視覚障害者が使用する場合に
は、各キーの機能と配置を記憶しその使用に習熟するこ
とが必要である。しかし、これは実際上大きなハンディ
キャップを有することになる。また、通常各キーのキー
トップにはそのキーの機能を示す文字又は記号等が表記
されているが、高齢者等のように、その文字又は記号の
意味を理解し得ない利用者は、これを支障なく利用する
ことができない。また、従来のキーボードには、健常
者，視覚障害者も含めて各利用者が各キーの操作が正確
であったかどうかをその都度確認し得る機能をすべて有
している訳ではない。

【０００４】本発明の第１の目的は、視覚障害者を含む
各利用者が、各キーの操作が正確であるか否かをその都
度目視によらない確認で操作することができるキーボー
ドを提供することにある。本発明の第２の目的は、各利
用者が各キーの操作が正確であるか否かをその都度目視
によらない確認で操作することが可能なキーボードを用
いる電話装置を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】前記第１の目的を達成す
るために、本発明によるキーボードは、各キーに対応し
てキートップに操作者の指先が接触したことを検知する
第１の検知手段と、該キーが押下げられたことを検知す
る第２の検知手段とを備えるとともに、前記第１の検知
手段の出力により当該キーの機能を示す音声情報を発出
する手段と、前記第２の検知手段の出力により当該キー
の押下げを示す音声情報と信号出力を送出する手段を備
えるように構成されている。また、前記第２の目的を達
成するために、本発明による電話装置は、各キーに対応
してキートップに操作者の指先が接触したことを検知す
る第１の検知手段と該キーが押下げられたことを検知す
る第２の検知手段とを備えるとともに、前記第１の検知
手段の出力により当該キーの機能を示す音声情報を発出
する手段と、前記第２の検知手段の出力により当該キー
の押下げを示す音声情報と信号出力を送出する手段と、
該信号出力に制御される網制御回路に接続された電話機
回路とを備えるように構成されている。

【０００６】

【作用】本発明により、視覚障害者のためだけでなく、
健常者であってもよそ見をしながらでも、キーボードを
操作することができる。キーボードのひとつひとつのキ
ーか、キーに軽く触れるだけで（押下げをしないで）そ
の接触を検出して、予めディジタル録音しておいたその
キーの名前か機能を表す音声が発声される。視覚障害者
は、キーにタッチするだけで、そのキーが何かを音声で
知ることができる。キーの説明の音声は、キーの名前を
発声した後に、操作のガイダンス等を発声することもで
きる。次に、キーを操作（押下）すると、押下げを検出
して、装置の機能動作が実現されるとともに、操作が実
行されたことを示す予めディジタル録音しておいた案内
が音声で発声される。聴覚障害者は、操作が確実に実行
されたことを音声で知ることができる。このキー操作に
より、入力された情報に基づき合成された音声情報を送
出することができる。

【０００７】

【実施例】図１は、本発明によるキーボードの一実施例
を示すブロック図であり、３×４（＝１２個）のキーを
配置したキーボード１を示す。図１において、１−１は
各キーのキートップに設けられた導電端子、１−２は誘
導検出により検知部Ａの各出力をとり出すための高入力
インピーダンス増幅器、１−３はこの高入力インピーダ
ンス増幅器１−２の各出力に接続されるフォトカプラか
らなるキーマトリックススイッチである。１−４，１−
５はダブル接点マトリックスであり、導電端子１−１の
検知部Ｂの各出力にそれぞれ対応して設けられており、
１−４は各キーの押下げ操作が行われたことを検知する
機能を有し、１−５はどのキーが押下げ操作されたかに
対応する出力を出す機能を有する。１−６は制御用のマ
イクロコンピュータＣＰＵ、１−７はディジタル録音再
生回路、１−８は必要な情報を記憶しておくリードオン
リメモリＲＯＭ、１−９は録音又は再生された信号を増
幅する増幅器、１−１０はスピーカである。

【０００８】キー接触によるキーボードにおける導電端
子１−１の構造は、例えば図２の通りである。ここで、
２１はキートップの先端部に位置する導電体、２２はキ
ートップ、２３は導電体２１に接続されたリード線、２
４は接点２７ａ，２７ｂのオンオフスイッチ動作をする
導電ゴム、２５は導電ゴム２４が取付けられキートップ
２２の押下げ操作により中央部が凹形に変形しそのキー
トップ２２の押下げ操作の終了により復旧するゴムラ
バ、２６は接点２７ａ，２７ｂが形成されたプリント板
である。キーボードの出力は、導電体２１への指先等の
接触検知出力Ａ，押下検知出力Ｂ、電話機動作制御出力
Ｃである。接触検知出力Ａは導電体２１に接続されたリ
ード線２３からとり出されており、高入力インピーダン
ス増幅器１−２を介してキーマトリックススイッチ１−
３の該当するスイッチを制御する。Ｂ，Ｃの配線はダブ
ル接点２７ａ，２７ｂになっていて、キートップ２２を
押下げ操作すると同時に接点２７ａ，２７ｂが閉じる。
Ｂからのキーマトリックススイッチ１−４によるＣＰＵ
１−６への入力は通常のキースキャン動作と同じであ
り、Ｂは音声の発声制御に用いられる。Ｃからのキーマ
トリックス１−５による信号は電話機制御に用いられ
る。

【０００９】キーの導電体２１にタッチすると、誘導ノ
イズが高入力インピーダンス増幅器１−２で増幅され、
タッチ信号Ａとして出力される。その出力されたタッチ
信号Ａで、キーマトリックススイッチ１−３内のフォト
カプラなどの素子を動作させ、ＣＰＵ１−６のポートＰ
₁ に接続されたキーマトリックススイッチ１−３の接点
をとじる。ＣＰＵ１−６はその入力を見て、ディジタル
録音再生回路１−７を起動し、その入力に対応した、予
めＲＯＭ１−８に録音されている音声を出力し、スピー
カ増幅器１−９を介してスピーカ１−１０で発声させ
る。キー操作（押下）を検出するキーマトリックススイ
ッチ１−４，１−５は、キーボード操作の（機能動作さ
せるための）キーマトリックススイッチ１−３と独立の
ダブル接点にした接点ゴム２４を用いたカップスイッチ
によるマトリックススイッチであり、キー押下げ情報Ｃ
をＣＰＵ１−６の別のポートＰ₂ に取り込む。ＣＰＵ１
−６はその入力をみて、後の発声動作は上記と同じ要領
で行うことができる。

【００１０】図３は、図１で説明したキーボードを用い
た本発明による電話装置の一実施例であり、１はキーボ
ード、２は網制御回路、４は通話回路、５は受話増幅
器、６は送話増幅器、７はスピーカ（受話器）、８はマ
イクロホン（送話器）、９はライン（電話回線）、１０
は送話路と受話路を反響阻止のために切換えるボイスス
イッチの機能を有する拡声制御部、１１，１２はこの切
換動作をする減衰器である。キーボード１の機能は、図
１と同様であり、スイッチ１−３，１−４，１−５は図
示の簡略化のため一部を省略し要部のみを示している。
キーボードの信号出力Ｃは網制御回路２に供給され、網
制御回路２からは電話機が「待機状態にあるか」又は
「ループ閉結状態にあるか」を示すＨＳ（フック）情報
がＣＰＵ１−６のポートＰ₃ に入力されている。

【００１１】この実施例の使用例は、図４又は図５に示
す通りであり、図４は「待機状態」に相当するものであ
り、図５は「ループ閉結状態」に相当するものである。
発声の具体例は次の通りである。図４に示す待機状態に
ついて説明する。 待機状態（Ｓ₁ ） いずれかのキー接触か（Ｓ₂ ） 拡声キーに接触（Ｓ₃ ） ・発声１（Ｓ₄ ） 「拡声」→「押して下さい」 ダイヤルキーに接触（Ｓ₅ ） ・発声２（Ｓ₆ ） 「１（又は２……）」→「はじめに拡声キーを押して下
さい」 いずれかのキーを押し下げたか（Ｓ₇ ） 拡声キーを押し下げ（Ｓ₈ ） ・発声３（Ｓ₉ ） 「拡声キーを押しました」→「ツーという音のあとにダ
イヤルキーにより番号を押して下さい」 終了（Ｓ₁₀） ダイヤルキーを押し下げ（Ｓ₁₁） ・発声４（Ｓ₁₂） 「はじめに拡声キーを押して下さい」

【００１２】図５に示すループ閉結状態について説明す
る。 閉結状態（Ｓ₂₁） いずれかのキーに接触か（Ｓ₂₂） 拡声キーに接触（Ｓ₂₃） ・発声５（Ｓ₂₄） 「拡声」→「押すと電話が切れます」 ダイヤルキーに接触か（Ｓ₂₅） ・発声６（Ｓ₂₆） 「１又は２……」→「押して下さい」 いずれかのキーを押し下げたか（Ｓ₂₇） 拡声キーを押し下げ（Ｓ₂₈） ・発声７（Ｓ₂₉） 「拡声キーを押しました」→「電話が切れました」 終了。待機状態に戻る（Ｓ₃₀） ダイヤルキーを押し下げ（Ｓ₃₁） ・発声８（Ｓ₃₂） 「ダイヤルキー１（又は２……）を押しました」

【００１３】

【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば視覚障害者を含む利用者が各キーの操作が正確であ
るか否かをその都度目視によらない確認で操作すること
ができるキーボードを実現することができる。また、こ
のようなキーボードを利用した電話情報を送出し得る電
話装置を提供することができる。よって、キーボードの
広範な利用範囲を考慮して本発明の実用的価値は極めて
大である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明によるキーボードの実施例を示すブロッ
ク図である。

【図２】本発明に用いるキーの主要部を示す略図であ
る。

【図３】本発明による電話装置の実施例を示すブロック
図である。

【図４】図３の実施例の動作を説明するためのフロー図
である。

【図５】図３の実施例の動作を説明するためのフロー図
である。

【符号の説明】

１ キーボード １−１ 導電端子 １−２ 高入力インピーダンス増幅器 １−３ キーマトリックススイッチ １−４，１−５ ダブル接点キーボード １−６ ＣＰＵ １−７ ディジタル録音再生回路 １−８ ＲＯＭ １−９ 増幅器 １−１０ スピーカ ２ 網制御回路 ４ 通話回路 ５ 受話増幅器 ６ 送話増幅器 ７ スピーカ（受話器） ８ マイクロホン（送話器） ９ ライン（電話回線） １０ 拡声制御部 １１，１２ 減衰器（ＡＴＴ）

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐柄 和彦 東京都千代田区内幸町一丁目１番６号 日 本電信電話株式会社内

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 各キーに対応してキートップに操作者の
   指先が接触したことを検知する第１の検知手段と、該キ
   ーが押下げられたことを検知する第２の検知手段とを備
   えるとともに、前記第１の検知手段の出力により当該キ
   ーの機能を示す音声情報を発出する手段と、前記第２の
   検知手段の出力により当該キーの押下げを示す音声情報
   と信号出力を送出する手段とを備えた音声表示キーボー
   ド。
2. 【請求項２】 各キーに対応してキートップに操作者の
   指先が接触したことを検知する第１の検知手段と該キー
   が押下げられたことを検知する第２の検知手段とを備え
   るとともに、前記第１の検知手段の出力により当該キー
   の機能を示す音声情報を発出する手段と、前記第２の検
   知手段の出力により当該キーの押下げを示す音声情報と
   信号出力を送出する手段と、該信号出力に制御される網
   制御回路に接続された電話機回路とを備えた電話装置。