JPH08162844A - 平面アレーアンテナ - Google Patents
平面アレーアンテナInfo
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- JPH08162844A JPH08162844A JP34115594A JP34115594A JPH08162844A JP H08162844 A JPH08162844 A JP H08162844A JP 34115594 A JP34115594 A JP 34115594A JP 34115594 A JP34115594 A JP 34115594A JP H08162844 A JPH08162844 A JP H08162844A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 両旋の円偏波を用いた衛星放送の受信用など
に適した平面アレーアンテナを供給することを目的とす
る。 【構成】 互いに平行に並び、複数の円偏波放射スロッ
トを有する放射用導波管または平面線路と、その両側に
取り付けられた2組の給電用電力分配回路により平面ア
レーアンテナを構成する。このとき、各給電回路から給
電した電力はそれぞれ互いに逆旋の円偏波として放射さ
れる。
に適した平面アレーアンテナを供給することを目的とす
る。 【構成】 互いに平行に並び、複数の円偏波放射スロッ
トを有する放射用導波管または平面線路と、その両側に
取り付けられた2組の給電用電力分配回路により平面ア
レーアンテナを構成する。このとき、各給電回路から給
電した電力はそれぞれ互いに逆旋の円偏波として放射さ
れる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、平面アレーアンテナ、
より具体的には、両旋の円偏波を用いた衛星放送の受信
用などに適した平面アレーアンテナに関する。
より具体的には、両旋の円偏波を用いた衛星放送の受信
用などに適した平面アレーアンテナに関する。
【0002】
【従来の技術】管軸方向に多数の円偏波放射スロットを
有する直線導波管を管軸に平行に複数本並べた導波管平
面アレーアンテナを、電力分配回路により送信電波を供
給(以下給電と呼ぶ)するものは公知である。例えば、
円偏波放射スロットとしてクロススロットを、電力分配
回路として1本の導波管を用いて実現したものが文献
「漏れ波導波管クロススロットアレーアンテナの設
計」,電子情報通信学会技術報告AP92−37(以下
文献(1))に記載されている。図6にその上面図を示
す。給電用導波管1は給電開口2及び分岐開口3、3、
…を有する。分岐開口3、3、…を共有し、給電用導波
管1と直角な向きに、互いに平行して放射用導波管1
1、11、…が接続されている。放射用導波管11、1
1、…には複数の円偏波クロススロット12、12、…
が開けられている。給電開口2より給電された電力は、
給電用導波管1を経由し、分岐開口3、3、…を通じて
放射用導波管11、11、…に同位相で分配され、円偏
波クロススロット12、12、…を通じて円偏波として
放射される。円偏波の回転方向は、クロススロット1
2、12、…が放射用導波管11、11、…の電波の伝
送方向に向かって右側にある場合は左旋円偏波、左側に
ある場合は右旋円偏波が放射されるので、図の例では左
旋円偏波が放射される。
有する直線導波管を管軸に平行に複数本並べた導波管平
面アレーアンテナを、電力分配回路により送信電波を供
給(以下給電と呼ぶ)するものは公知である。例えば、
円偏波放射スロットとしてクロススロットを、電力分配
回路として1本の導波管を用いて実現したものが文献
「漏れ波導波管クロススロットアレーアンテナの設
計」,電子情報通信学会技術報告AP92−37(以下
文献(1))に記載されている。図6にその上面図を示
す。給電用導波管1は給電開口2及び分岐開口3、3、
…を有する。分岐開口3、3、…を共有し、給電用導波
管1と直角な向きに、互いに平行して放射用導波管1
1、11、…が接続されている。放射用導波管11、1
1、…には複数の円偏波クロススロット12、12、…
が開けられている。給電開口2より給電された電力は、
給電用導波管1を経由し、分岐開口3、3、…を通じて
放射用導波管11、11、…に同位相で分配され、円偏
波クロススロット12、12、…を通じて円偏波として
放射される。円偏波の回転方向は、クロススロット1
2、12、…が放射用導波管11、11、…の電波の伝
送方向に向かって右側にある場合は左旋円偏波、左側に
ある場合は右旋円偏波が放射されるので、図の例では左
旋円偏波が放射される。
【0003】また、両旋の円偏波が放射できるアンテナ
として、例えば文献「偏波共用ラジアルラインスロット
アンテナのスロット設計」,1993年電子情報通信学
会春季大会B−49(以下文献(2))に明らかにされ
ている。このアンテナでは、放射導波路であるラジアル
導波路内に内向き・外向きの円筒波を伝送させ、互いに
逆旋の円偏波を放射することを可能としている。
として、例えば文献「偏波共用ラジアルラインスロット
アンテナのスロット設計」,1993年電子情報通信学
会春季大会B−49(以下文献(2))に明らかにされ
ている。このアンテナでは、放射導波路であるラジアル
導波路内に内向き・外向きの円筒波を伝送させ、互いに
逆旋の円偏波を放射することを可能としている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】図6の例では、偏波と
しては単一の円偏波を放射する構造になっている。一
方、米国などでは衛星放送のサービスを右旋・左旋の両
旋円偏波で行っており、単一円偏波では対応できなくな
っている。
しては単一の円偏波を放射する構造になっている。一
方、米国などでは衛星放送のサービスを右旋・左旋の両
旋円偏波で行っており、単一円偏波では対応できなくな
っている。
【0005】また、文献(2)の例では、スロットの設
計を最適にしても効率は70%強と、実用化するには低
効率である。
計を最適にしても効率は70%強と、実用化するには低
効率である。
【0006】そこで本発明は、放射用導波管を両側から
独立に給電し、両旋円偏波が同一のアンテナで放射でき
る導波管平面アレーアンテナを提示する。また、同一の
原理は導波管だけでなく、ストリップ線路やマイクロス
トリップ線路などの平面線路によって円偏波スロットを
励振する場合にも適用が可能である。また、本発明によ
れば文献(2)の場合と異なり、80%以上の高い効率
が容易に実現可能である。
独立に給電し、両旋円偏波が同一のアンテナで放射でき
る導波管平面アレーアンテナを提示する。また、同一の
原理は導波管だけでなく、ストリップ線路やマイクロス
トリップ線路などの平面線路によって円偏波スロットを
励振する場合にも適用が可能である。また、本発明によ
れば文献(2)の場合と異なり、80%以上の高い効率
が容易に実現可能である。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る平面アレー
アンテナは、放射用円偏波スロット素子を有し相互に平
行に並んだ複数の放射用導波管または平面線路、及びこ
の両端に接続された給電用電力分配回路により構成さ
れ、各給電用電力分配回路より給電した電波が互いに逆
旋の円偏波として放射される。
アンテナは、放射用円偏波スロット素子を有し相互に平
行に並んだ複数の放射用導波管または平面線路、及びこ
の両端に接続された給電用電力分配回路により構成さ
れ、各給電用電力分配回路より給電した電波が互いに逆
旋の円偏波として放射される。
【0008】
【作用】円偏波スロット素子のみが有する、給電方向が
逆になると偏波の回転方向も逆転するという現象を用い
ることにより、給電用導波管または平面線路を両側から
別々に給電することで両旋の円偏波を得ることが可能で
ある。また、導波管または線路とスロットの電気的結合
の強度を最適化することにより、単一偏波用と比べても
遜色のない効率を有する両旋円偏波用平面アレーアンテ
ナが実現できる。
逆になると偏波の回転方向も逆転するという現象を用い
ることにより、給電用導波管または平面線路を両側から
別々に給電することで両旋の円偏波を得ることが可能で
ある。また、導波管または線路とスロットの電気的結合
の強度を最適化することにより、単一偏波用と比べても
遜色のない効率を有する両旋円偏波用平面アレーアンテ
ナが実現できる。
【0009】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。なお、説明の都合上送信用として説明するが、相
反定理により、受信用では単に逆に作用するに過ぎない
ことは明らかである。
する。なお、説明の都合上送信用として説明するが、相
反定理により、受信用では単に逆に作用するに過ぎない
ことは明らかである。
【0010】図1は本発明の一実施例の斜視図、図2は
図1の平面図である。給電用導波管1Aは給電開口2A
及び分岐開口3A、3A、…を有し、給電用導波管1B
は給電開口2B及び分岐開口3B、3B、…を有する。
その一端で分岐開口3A、3A、…を、他端で分岐開口
3B、3B、…を共有し、給電用導波管1A、1Bそれ
ぞれと直角な向きに、互いに平行して放射用導波管1
1、11、…が接続されている。放射用導波管11、1
1、…には複数の円偏波クロススロット12、12、…
が開けられている。給電開口2Aより給電された電力
は、給電用導波管1Aを経由し、分岐開口3A、3A、
…を通じて放射用導波管11、11、…に同位相で分配
され、円偏波クロススロット12、12、…を通じて右
旋円偏波として放射される。一方、給電開口2Bより給
電された電力は同じ円偏波クロススロット12、12、
…を通じて左旋円偏波として放射される。
図1の平面図である。給電用導波管1Aは給電開口2A
及び分岐開口3A、3A、…を有し、給電用導波管1B
は給電開口2B及び分岐開口3B、3B、…を有する。
その一端で分岐開口3A、3A、…を、他端で分岐開口
3B、3B、…を共有し、給電用導波管1A、1Bそれ
ぞれと直角な向きに、互いに平行して放射用導波管1
1、11、…が接続されている。放射用導波管11、1
1、…には複数の円偏波クロススロット12、12、…
が開けられている。給電開口2Aより給電された電力
は、給電用導波管1Aを経由し、分岐開口3A、3A、
…を通じて放射用導波管11、11、…に同位相で分配
され、円偏波クロススロット12、12、…を通じて右
旋円偏波として放射される。一方、給電開口2Bより給
電された電力は同じ円偏波クロススロット12、12、
…を通じて左旋円偏波として放射される。
【0011】図1の実施例のように各放射用導波管1
1、11、…を同相で給電する場合、スロットを導波管
の管内波長間隔λgで開けてアンテナ正面に電波を放射
させるブロードサイドアレーでは放射パターンにグレー
ティングローブが出現し効率が大幅に低下する。これは
導波管の管内波長λgが自由空間波長λ0より大きいた
めである。実用的な効率を実現するためには、スロット
を密な間隔で配列する漏れ波アレーとする必要がある。
漏れ波アレーでは電波の放射方向がアンテナ正面から、
給電導波管管軸方向に大きく傾いた方向にチルトする。
したがって、右旋円偏波と左旋円偏波のビーム方向は互
いに逆向きにチルトするため、アンテナを固定した状態
で両旋円偏波を送信することは不可能である。しかし、
文献(1)のように自動車の屋根等に取り付けてアンテ
ナ面内に回転させて衛星を追尾する場合には、ビームの
仰角が同一であるので、逆旋偏波に切り替える際に、ア
ンテナを単にその面内で180度回転するだけでよいた
め都合がよい。
1、11、…を同相で給電する場合、スロットを導波管
の管内波長間隔λgで開けてアンテナ正面に電波を放射
させるブロードサイドアレーでは放射パターンにグレー
ティングローブが出現し効率が大幅に低下する。これは
導波管の管内波長λgが自由空間波長λ0より大きいた
めである。実用的な効率を実現するためには、スロット
を密な間隔で配列する漏れ波アレーとする必要がある。
漏れ波アレーでは電波の放射方向がアンテナ正面から、
給電導波管管軸方向に大きく傾いた方向にチルトする。
したがって、右旋円偏波と左旋円偏波のビーム方向は互
いに逆向きにチルトするため、アンテナを固定した状態
で両旋円偏波を送信することは不可能である。しかし、
文献(1)のように自動車の屋根等に取り付けてアンテ
ナ面内に回転させて衛星を追尾する場合には、ビームの
仰角が同一であるので、逆旋偏波に切り替える際に、ア
ンテナを単にその面内で180度回転するだけでよいた
め都合がよい。
【0012】図3は本発明の他の実施例の平面図であ
る。図1の実施例と異なるのは隣接する放射用導波管1
1、11が互いに逆相で給電されている点である。逆相
で給電する場合の利点は文献「導波管給電プリントアン
テナ」,電子情報通信学会技術報告AP89−3に明記
されているように、放射用導波管11を溝状構造物とス
ロットを開けた平板の張り合わせで構成でき、しかもこ
の場合に両者の密着が必ずしも要求されない点にある。
る。図1の実施例と異なるのは隣接する放射用導波管1
1、11が互いに逆相で給電されている点である。逆相
で給電する場合の利点は文献「導波管給電プリントアン
テナ」,電子情報通信学会技術報告AP89−3に明記
されているように、放射用導波管11を溝状構造物とス
ロットを開けた平板の張り合わせで構成でき、しかもこ
の場合に両者の密着が必ずしも要求されない点にある。
【0013】図3のように隣接する放射用導波管11、
11を逆相で給電する場合には、図1の例とは逆に、漏
れ波アレーとすると、隣接する放射用導波管から放射さ
れる電波が逆相となり弱め合うため、ビームが形成され
ず動作しない。ブロードサイドアレーとする場合は、放
射用クロススロット12、12、…を放射用導波管11
の管軸方向に沿って管内波長λgの間隔で並べ、隣接す
る放射用導波管11、11では管軸方向にλg/2だけ
ずらして配列する。 このとき、放射用導波管11、1
1、…内部に比誘電率εrが約1.1以上の誘電体を充
填した場合には、図1の実施例と異なり、ブロードサイ
ドアレーでもグレーティングローブが発生しないという
利点がある。この原理は、次のようにして説明される。
グレーティングローブの発生は、最大となる隣接スロッ
ト列間が自由空間波長λ0よりも大きい場合に発生す
る。図3の例では、図示した距離hがこの最大間隔とな
る。ここで放射用導波管11の管壁の厚さを無視して、
その幅をaとすると、hは数1の関係式により定まる。
一方、放射用導波管11の管内波長λgは、基本モード
であるTE10モードが伝送する場合、数2により表さ
れる。ただし、λεは導波路内に充填した誘電体の波長
であり、数3のように与えられる。数1、数2を整理す
ると、結局hはλεに一致するので、εrが1よりもわ
ずかに大きい場合には、h<λ0となり、グレーティン
グローブは発生しない。
11を逆相で給電する場合には、図1の例とは逆に、漏
れ波アレーとすると、隣接する放射用導波管から放射さ
れる電波が逆相となり弱め合うため、ビームが形成され
ず動作しない。ブロードサイドアレーとする場合は、放
射用クロススロット12、12、…を放射用導波管11
の管軸方向に沿って管内波長λgの間隔で並べ、隣接す
る放射用導波管11、11では管軸方向にλg/2だけ
ずらして配列する。 このとき、放射用導波管11、1
1、…内部に比誘電率εrが約1.1以上の誘電体を充
填した場合には、図1の実施例と異なり、ブロードサイ
ドアレーでもグレーティングローブが発生しないという
利点がある。この原理は、次のようにして説明される。
グレーティングローブの発生は、最大となる隣接スロッ
ト列間が自由空間波長λ0よりも大きい場合に発生す
る。図3の例では、図示した距離hがこの最大間隔とな
る。ここで放射用導波管11の管壁の厚さを無視して、
その幅をaとすると、hは数1の関係式により定まる。
一方、放射用導波管11の管内波長λgは、基本モード
であるTE10モードが伝送する場合、数2により表さ
れる。ただし、λεは導波路内に充填した誘電体の波長
であり、数3のように与えられる。数1、数2を整理す
ると、結局hはλεに一致するので、εrが1よりもわ
ずかに大きい場合には、h<λ0となり、グレーティン
グローブは発生しない。
【0014】
【数1】
【0015】
【数2】
【0016】
【数3】
【0017】図3の実施例ではブロードサイドアレーと
なるので、その放射方向は両旋円偏波で一致させること
ができる。したがって、アンテナを固定して使用できる
利点がある。
なるので、その放射方向は両旋円偏波で一致させること
ができる。したがって、アンテナを固定して使用できる
利点がある。
【0018】次に、図1あるいは図3の実施例におい
て、放射用クロススロット12、12、…の設計指針の
例を従来の単一円偏波の場合と比較しながら説明し、本
アンテナが実用に十分に高い効率を有することを示す。
平面アレーアンテナの効率が最大となるのは、全ての放
射スロットが同一振幅で電波を放射する場合であり、単
一円偏波用アレーアンテナの場合には管軸方向に沿って
スロットの長さ・位置などを調整することによってこれ
を実現している。したがって理論効率は100%とな
る。これに対し、本発明のアンテナでは放射用導波管1
1、11、…は両側から給電するため、片方の給電に対
してスロット放射が一様になるように設計すると、他方
から給電した場合には非常に傾きの大きな分布となり効
率が著しく低下する。これを防ぐために、ここでは全て
のスロット形状・位置を同一とする設計法を提案する。
この場合、各スロットでは一定の割合で電波が放射さ
れ、残った電力は現在給電していない方の給電用導波管
に透過する。この、透過電力の割合を変化させてアンテ
ナ効率を計算した結果が図4である。この透過電力は損
失となるが、この損失が約8%のときにアンテナの効率
は約81%となる。この効率は、文献(2)のラジアル
ラインスロットアンテナや、現在実用に供されているパ
ラボラアンテナよりも高く、十分実用に耐え得る値とな
る。本アンテナが文献(2)のアンテナよりもはるかに
高い効率を実現できる理由は次の通りである。ラジアル
ラインスロットアンテナは放射用ラジアル導波路内で伝
送される内向き円筒波と外向き円筒波という異なる振る
舞いを有する波を使用して両旋円偏波を実現しているた
め、両方の偏波で同時に効率が高くなる条件が存在しな
い。これに対し、本発明のアンテナでは、方形導波管の
ような断面が一様な導波路を用いているため、この導波
路内をどちら向きに伝送する波も全く同一の振る舞いを
示す。したがって、円偏波スロットの配置を放射用導波
路の中央で対称になるように配置するという条件下で
は、右旋円偏波と左旋円偏波それぞれに対する効率最大
の条件が一致するため、高い効率が得られる。
て、放射用クロススロット12、12、…の設計指針の
例を従来の単一円偏波の場合と比較しながら説明し、本
アンテナが実用に十分に高い効率を有することを示す。
平面アレーアンテナの効率が最大となるのは、全ての放
射スロットが同一振幅で電波を放射する場合であり、単
一円偏波用アレーアンテナの場合には管軸方向に沿って
スロットの長さ・位置などを調整することによってこれ
を実現している。したがって理論効率は100%とな
る。これに対し、本発明のアンテナでは放射用導波管1
1、11、…は両側から給電するため、片方の給電に対
してスロット放射が一様になるように設計すると、他方
から給電した場合には非常に傾きの大きな分布となり効
率が著しく低下する。これを防ぐために、ここでは全て
のスロット形状・位置を同一とする設計法を提案する。
この場合、各スロットでは一定の割合で電波が放射さ
れ、残った電力は現在給電していない方の給電用導波管
に透過する。この、透過電力の割合を変化させてアンテ
ナ効率を計算した結果が図4である。この透過電力は損
失となるが、この損失が約8%のときにアンテナの効率
は約81%となる。この効率は、文献(2)のラジアル
ラインスロットアンテナや、現在実用に供されているパ
ラボラアンテナよりも高く、十分実用に耐え得る値とな
る。本アンテナが文献(2)のアンテナよりもはるかに
高い効率を実現できる理由は次の通りである。ラジアル
ラインスロットアンテナは放射用ラジアル導波路内で伝
送される内向き円筒波と外向き円筒波という異なる振る
舞いを有する波を使用して両旋円偏波を実現しているた
め、両方の偏波で同時に効率が高くなる条件が存在しな
い。これに対し、本発明のアンテナでは、方形導波管の
ような断面が一様な導波路を用いているため、この導波
路内をどちら向きに伝送する波も全く同一の振る舞いを
示す。したがって、円偏波スロットの配置を放射用導波
路の中央で対称になるように配置するという条件下で
は、右旋円偏波と左旋円偏波それぞれに対する効率最大
の条件が一致するため、高い効率が得られる。
【0019】これまで説明した実施例は、導波管を用い
てアレーアンテナを構成していたが、スロットを給電で
きる線路であれば、特に導波管に限定されず、マイクロ
ストリップ線路やストリップ線路、コプレーナ線路、ス
ロット線路、平行平板線路、誘電体表面波線路などの平
面線路を用いてもよい。図5は、ストリップ線路を用い
た実施例である。給電用分配回路21Aは給電端22A
及び分配端23A、23A、…を有し、給電用分配回路
21Bは給電端22B及び分配端23B、23B、…を
有する。また、一端で分配端23A、23A、…を、他
端で分配端23B、23B、…を共有し、給電用分配回
路21Aと21Bの間に、互いに平行して放射用線路3
1、31、…が接続されている。放射用ストリップ線路
31、31、…の一方の地導体板41には複数の円偏波
ハの字スロット対32、32、…が開けられている。給
電端22Aより給電された電力は、給電用分配回路21
Aを経由し、分配端23A、23A、…を通じて放射用
ストリップ線路31、31、…に同位相で分配され、円
偏波ハの字スロット対32、32、…を通じて右旋円偏
波として放射される。一方、給電開口22Bより給電さ
れた電力は同じ円偏波ハの字スロット対32、32、…
を通じて左旋円偏波として放射される。
てアレーアンテナを構成していたが、スロットを給電で
きる線路であれば、特に導波管に限定されず、マイクロ
ストリップ線路やストリップ線路、コプレーナ線路、ス
ロット線路、平行平板線路、誘電体表面波線路などの平
面線路を用いてもよい。図5は、ストリップ線路を用い
た実施例である。給電用分配回路21Aは給電端22A
及び分配端23A、23A、…を有し、給電用分配回路
21Bは給電端22B及び分配端23B、23B、…を
有する。また、一端で分配端23A、23A、…を、他
端で分配端23B、23B、…を共有し、給電用分配回
路21Aと21Bの間に、互いに平行して放射用線路3
1、31、…が接続されている。放射用ストリップ線路
31、31、…の一方の地導体板41には複数の円偏波
ハの字スロット対32、32、…が開けられている。給
電端22Aより給電された電力は、給電用分配回路21
Aを経由し、分配端23A、23A、…を通じて放射用
ストリップ線路31、31、…に同位相で分配され、円
偏波ハの字スロット対32、32、…を通じて右旋円偏
波として放射される。一方、給電開口22Bより給電さ
れた電力は同じ円偏波ハの字スロット対32、32、…
を通じて左旋円偏波として放射される。
【0020】上記実施例では、クロススロット及びハの
字スロット対を円偏波放射素子として例示したが、円偏
波を放射するスロットの組み合わせであれば、どんな場
合でも本構成法が適用できる。さらに、平面回路を用い
る場合には、スロットと電磁気学的に補対関係にあるス
トリップダイポールを使用しても両旋円偏波を放射する
アレーアンテナが実現できる。
字スロット対を円偏波放射素子として例示したが、円偏
波を放射するスロットの組み合わせであれば、どんな場
合でも本構成法が適用できる。さらに、平面回路を用い
る場合には、スロットと電磁気学的に補対関係にあるス
トリップダイポールを使用しても両旋円偏波を放射する
アレーアンテナが実現できる。
【0021】また電力分配回路に関しても、放射用導波
管または線路を、同相または交互に逆相に給電すること
が可能であれば、その形状は上記実施例に限定されな
い。
管または線路を、同相または交互に逆相に給電すること
が可能であれば、その形状は上記実施例に限定されな
い。
【0022】
【発明の効果】以上の説明により容易に理解できるよう
に、本発明によれば、単一の平面アンテナより、右旋・
左旋の両円偏波を放射できる平面アレーアンテナを提供
できる。
に、本発明によれば、単一の平面アンテナより、右旋・
左旋の両円偏波を放射できる平面アレーアンテナを提供
できる。
【図1】 本発明の一実施例の斜視図である。
【図2】 図1の実施例の平面図である。
【図3】 別の実施例の平面図である。
【図4】 透過電力とアンテナ効率の関係を表すグラフ
である。
である。
【図5】 別の実施例の平面図である。
【図6】 従来の実施例である単一円偏波用平面アレー
アンテナの平面図である。
アンテナの平面図である。
1,1A,1B…給電用導波管 2,2A,2B…給電開口 3,3A,3B…分岐開口 11…放射用導波管 12…円偏波クロススロット 21,21A,21B…給電用分配回路 22,22A,22B…給電端 23,23A,23B…分配端 31…放射用ストリップ線路 32…円偏波ハの字スロット対 a…給電用導波管11の管幅 λg…給電用導波管11の管内波長 h…隣接スロット列間距離
Claims (2)
- 【請求項1】 複数の放射用円偏波スロット素子を具備
し相互に平行に並んだ複数の放射用導波管、及び当該放
射用導波管の両端にこれと直角方向に給電開口を介して
取り付けられた2組の給電用導波管電力分配回路により
構成され、各給電用電力分配回路より給電した電波が互
いに逆旋の円偏波として放射されることを特徴とする平
面アレーアンテナ。 - 【請求項2】 複数の放射用円偏波スロット素子を具備
し相互に平行に並んだ複数の放射用平面線路、及び当該
放射用平面線路の両端に接続された2組の給電用平面電
力分配回路により構成され、各給電用平面電力分配回路
より給電した電波が互いに逆旋の円偏波として放射され
ることを特徴とする平面アレーアンテナ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34115594A JPH08162844A (ja) | 1994-12-05 | 1994-12-05 | 平面アレーアンテナ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34115594A JPH08162844A (ja) | 1994-12-05 | 1994-12-05 | 平面アレーアンテナ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08162844A true JPH08162844A (ja) | 1996-06-21 |
Family
ID=18343767
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP34115594A Pending JPH08162844A (ja) | 1994-12-05 | 1994-12-05 | 平面アレーアンテナ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08162844A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH11274838A (ja) * | 1998-03-25 | 1999-10-08 | Takushoku University | アクティブフェーズドアレーアンテナ |
JP2011044977A (ja) * | 2009-08-24 | 2011-03-03 | Tokyo Institute Of Technology | アレイアンテナ |
JP2018201209A (ja) * | 2013-03-15 | 2018-12-20 | シーレイト リミテッド ライアビリティー カンパニーSearete Llc | 表面散乱アンテナの改善 |
JP2019527945A (ja) * | 2016-07-21 | 2019-10-03 | ウェイモ エルエルシー | 偏波回転層を含むアンテナおよびレーダシステム |
-
1994
- 1994-12-05 JP JP34115594A patent/JPH08162844A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH11274838A (ja) * | 1998-03-25 | 1999-10-08 | Takushoku University | アクティブフェーズドアレーアンテナ |
JP2011044977A (ja) * | 2009-08-24 | 2011-03-03 | Tokyo Institute Of Technology | アレイアンテナ |
JP2018201209A (ja) * | 2013-03-15 | 2018-12-20 | シーレイト リミテッド ライアビリティー カンパニーSearete Llc | 表面散乱アンテナの改善 |
JP2019527945A (ja) * | 2016-07-21 | 2019-10-03 | ウェイモ エルエルシー | 偏波回転層を含むアンテナおよびレーダシステム |
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