JPH08162659A - 太陽電池 - Google Patents

太陽電池

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JPH08162659A
JPH08162659A JP6302297A JP30229794A JPH08162659A JP H08162659 A JPH08162659 A JP H08162659A JP 6302297 A JP6302297 A JP 6302297A JP 30229794 A JP30229794 A JP 30229794A JP H08162659 A JPH08162659 A JP H08162659A
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JP
Japan
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bsf
cell
impurity density
solar cell
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JP6302297A
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English (en)
Inventor
Tatsuya Takamoto
達也 高本
Eiji Ikeda
英治 池田
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Eneos Corp
Original Assignee
Japan Energy Corp
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Publication date
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy

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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高変換効率、高起電圧の太陽電池の新規な構
造を提供する。 【構成】 窓層44、エミッタ層43、ベース層42、
裏面電界層(BSF層)41を少なくとも備えるInG
aP系太陽電池セルにおいて、BSF層41の不純物密
度を1〜6×1018cm-3とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、太陽光エネルギーを電
気エネルギーに変換するための半導体素子である太陽電
池の構造に関し、特に変換効率を高めるために工夫され
た化合物半導体混晶を使った太陽電池の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】図12(a)に示すようなn型エミッタ
層433およびp型ベース層422からなるpn接合半
導体太陽電池においては、n型エミッタ層433を光入
射側とし、その下層のp型ベース層422で吸収された
光子は1対の正孔−電子を生成し、このうち少数キャリ
ヤである電子は拡散で移動し、p−n界面の空乏層まで
到達すると空乏層の大きな電界によってn型エミッタ層
433に流れ込み、電流となる。ところが図12(b)
に示すようにp型ベース層422で生じた電子のうちに
は拡散によって裏面電極層8に入り込むものもあり、そ
れらはもはやベース層422に戻ることはできず、いず
れ多数キャリヤである正孔と結合し消滅して、電流とは
ならない。このような裏面再結合損失を防ぐために、従
来より、ベース層422で生じた少数キャリヤ(電子)
をなるべく裏面電極層8に近付けないように裏面電界
(Back Surface Field;以下「BS
F」という)層411と呼ばれる層をベース層422の
下に設けることが行なわれる。図12(c)に示すよう
にBSF層はベース層で生じた少数キャリヤに対してバ
ンド障壁として作用する。BSF層としては、 1)ベース層と同じ材料でドーピング濃度を高くして少
数キャリヤに対して障壁となるようにしたもの、 2)他の半導体材料でベース層材料よりも禁制帯幅が大
きく、同じく少数キャリヤに対して障壁となるようにし
たもの、 が用いられる。このようなBSF層によって、ベース層
の伝導帯がBSF層との界面で急激に上昇し、少数キャ
リヤである電子はこの障壁によって跳ね返され、それ以
上奥には行かない。上の1)の方法で、少数キャリヤに
対して十分な障壁を得るためには、BSF層のドーピン
グ濃度をきわめて高くする必要がある。このことは、単
層の太陽電池の場合にはあまり問題とならないが、高出
力電圧を得るために太陽電池を直列(タンデム)接続し
た積層型の太陽電池の上部セルBSF層として高濃度ド
ーピング層を用いた場合、その層で高濃度多数キャリヤ
による赤外光吸収が起こる。この赤外光は本来、タンデ
ム接続の下層のセルまで到達し、そこで吸収され電流と
なるはずのものであり、BSF層におけるこのような赤
外光吸収は太陽電池にとって大きなエネルギー損失とな
り好ましくない。一方、上記の2)の方法では赤外光吸
収の問題はないが、適当な材料を探すことが一般に難し
い。また、適当な材料があってもBSF層の上にベース
層を異種半導体ヘテロエピタキシャル成長で成長するこ
とになり、界面に結晶欠陥が生じやすいという欠点があ
る。
【0003】1)の方法によるBSF層を用いた構造と
しては図13に示すような太陽電池(セル)が知られて
いる。図13では表面電極層7は図示を省略している。
図13においてp+ GaAs基板の上に厚み20nm、
不純物密度4×1017cm-3のp+ In0.49Ga0.51
−BSF層41、このBSF層41の上に厚み0.8μ
m、不純物密度1×1017cm-3のp−In0.49Ga
0.51Pベース層42、このベース層42の上に厚み0.
1μm、不純物密度2×1018cm-3のn+ In0.49
0.51Pエミッタ層43、さらにこの上に厚み25n
m、不純物密度5×1017cm-3のn−AlInP窓層
44が形成されている。
【0004】図13の構造ではp−In0.49Ga0.51
ベース層42の禁制帯幅Egは1.85eVで、p−I
0.49Ga0.51P−BSF層41の禁制帯幅Egは1.
88eVであり、少数キャリヤに対する障壁となってい
る。2)の方法によるものとしては図16で、p−In
0.49Ga0.51P−BSF層41のかわりに禁制帯幅Eg
が1.95eVのp−Al0.06Ga0.45In0.49Pを用
いた例も知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来の、
Al0.06Ga0.45In0.49P−BSF層を用いたセル
は、BSF層の禁制帯幅が大きいにもかかわらず、変換
効率および開放電圧(open−circuit vo
ltage)Vocは極めて低いという欠点があった。
これは主にAlのゲッタリング作用により、BSF層中
に酸素が取り込まれ、結晶性が悪くなるためであると考
えられる。また、不純物密度4×1017cm-3のp−I
0.49Ga0.51P−BSF層の場合もAl0.06Ga0.45
In0.49Pの場合に比すれば多少良いものの、理論的に
予測される値に比してVocは低く、変換効率も低いと
いう欠点があった。
【0006】本発明は以上の点を鑑みてなされたもの
で、変換効率が高く、開放電圧Vocも大きな太陽電池
の新規な構造、特にBSF層の不純物密度、およびその
厚みが最適化された太陽電池を提供することをその目的
とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明の第1の特徴は図1に示すように、第1導電型
のエミッタ層43と、第2導電型のベース層42と、第
2導電型のBSF層41とを少なくとも具備する化合物
半導体太陽電池であって、BSF層41の不純物密度が
1〜6×1018cm-3であることである。
【0008】好ましくは第1の特徴においてエミッタ層
43、ベース層42、BSF層41はIn1-x Gax
からなり、さらに好ましくはBSF層の不純物密度は2
〜3×1018cm-3であることである。
【0009】本発明の第2の特徴は、図6に示すように
第1導電型の第1のエミッタ層43と、第2導電型の第
1のベース層42と、第2導電型の第1のBSF層41
とを少なくとも具備するトップセル4と、第1導電型の
第2のエミッタ層23と、第2導電型の第2のベース層
22と、第2導電型の第2のBSF層21とを少なくと
も具備するボトムセル2と、このトップセル4とボトム
セル2との間に形成され、トップセル4とボトムセル2
とを互いに接続するトンネル接合3とから少なくとも構
成されるタンデム構造の太陽電池であって、第1のBS
F層の不純物密度が1〜6×1018cm-3であることで
ある。
【0010】好ましくは第2の特徴において、第1のB
SF層41の不純物密度が2〜3×1018cm-3である
ことである。
【0011】さらに好ましくは、第2の特徴において第
1のエミッタ層43、ベース層42、BSF層41、第
2のBSF層21はIn1-x Gax Pからなり、第2の
エミッタ層23、ベース層22はGaAsから成ること
である。
【0012】
【作用】本発明の第1の特徴の太陽電池は、BSF層4
1の不純物密度を最適化することにより、図5に示すよ
うに長波長側光感度が増大し、その結果図3および図4
に示すように開放電圧Voc、短絡電流(short−
circuit current)Iscが共に増大す
る。
【0013】本発明の第2の特徴の太陽電池は、第1の
特徴の太陽電池をタンデム型太陽電池に通用したもの
で、第1のBSF層41の不純物密度を最適化すること
により、図8、図9に示すように短絡光電流密度Js
c、開放電圧Vocが共に増大し、変換効率が向上す
る。
【0014】なお、第1の特徴におけるBSF層41、
第2の特徴における第1のBSF層41の不純物密度を
高くしすぎると、BSF層41の結晶性が低下し、ベー
ス層42との界面状態が悪くなり、キャリヤ寿命(ライ
フタイム)が下がって、変換効率が低下するので、BS
F層41の不純物密度は6×1018cm-3を超えるのは
好ましくない。
【0015】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を説明
する。図12、13に重複する部分には同一の符号を用
いている。図1は本発明の第1の実施例に係るGaAs
に格子整合するIn0.5 Ga0.5 P単一セルの断面構造
の一部を示す。In1-x Gax Pは優れた耐放射線性を
有しており、宇宙用途への適用も期待されるが、後述す
るタンデムセルのトップセルとしても有望である。In
1-x Gax Pは高い禁制帯幅、高い吸収係数を持つから
である。図1において、(100)5°オフ[011]
方向の不純物密度1×1019cm-3のZnドープp+
aAs基板11上に、厚み0.5μm、不純物密度5×
1018cm-3のp+ GaAsバッファ層12を介して、
厚み0.3μm、不純物密度1〜6×1018cm-3のp
+ In0.5 Ga0.5 P裏面電界層(BSF層)41が形
成されている。BSF層41の不純物密度は2〜3×1
18cm-3が好ましい。さらにBSF層41の上に厚み
0.7〜1.5μm、不純物密度2〜3×1017cm-3
のpIn0.5 Ga0.5 Pベース層42;厚み50nm、
不純物密度3×1018cm-3のn+ In0.5 Ga0.5
エミッタ層43;厚み30nm、不純物密度2×1018
cm-3のn+ In0.5 Ga0.5 P窓層44がこの順に形
成されている。n+ In0.5 Ga0.5 P窓層44の上部
の一部にはオーミックコンタクト用の厚み0.3μm、
不純物密度5×1018cm-3のn+ GaAs層51およ
びAu−Ge/Ni/Au層71および厚み1μmのA
uメッキ層72からなる上部金属電極層(表面電極層)
7が形成されている。図2は本発明の第1の実施例に係
るIn0.5 Ga0.5 Pセルの平面図で、上部金属電極層
7の占有面積は全表面積の2%であり、他は受光面とな
っている。図1の表面の上部金属電極層7が形成されて
いない部分には厚み55nmのZnS膜61、および厚
み95nmのMgF2 膜62からなる反射防止膜6が形
成されている。なお、p+ GaAs基板11の裏面には
厚み1μmのAuメッキ層からなる下部金属電極層(裏
面電極層)8が形成されている。なお、p+ GaAsバ
ッファ層12、p+ In0.5 Ga0.5 P−BSF層4
1、pIn0.5 Ga0.5 Pベース層のドーパントはZn
が代表的で、n+ In0.5 Ga0.5Pエミッタ層43、
+ AlInP窓層44、n+ GaAs層51のドーパ
ントはSiが一般的であるが、他のドーパントでもよ
い。
【0016】図3はベース層42の厚み1.5μmで、
反射防止膜6を付けない状態でのIn0.5 Ga0.5 Pセ
ルのI−V特性をBSF層41の不純物密度をパラメー
タとして示したものである。従来技術のBSFの不純物
密度が2×1017cm-3の場合に比して本発明の場合の
方が起電流が大きく、特にBSF層の不純物密度2×1
18cm-3の場合が起電流が大きく、最高効率18.4
8%が得られた。図4は、ベース層42の厚み0.7μ
m、BSF層41の厚み0.3μmの場合で、反射防止
膜6を付けない状態における開放電圧(open−ci
rcuit voltage)Vocおよび短絡電流
(short−circuit current)Is
cのBSF層41の不純物密度依存性を示す。BSF層
41の不純物密度を高くすることによりVoc,Isc
ともに向上することがわかる。図5は入射光の波長に対
する外部量子効率の関係、すなわち分光感度特性であ
り、BSF層41の不純物密度をパラメータとして示し
ている。BSF層41の不純物密度を高くすると長波長
光感度が向上することがわかり、これが図4に示したI
scの増大をもたらしているものと考えられる。
【0017】さらに高変換効率を得るため、あるいは高
起電圧を得るためには、図1に示したように単一セルを
複数直列に接続し、いわゆるタンデムセルの構造とすれ
ばよい。図6は本発明の第2の実施例に係るInGaP
/GaAsタンデムセルの構造を示す。図6において下
部セル(ボトムセル)としてGaAsセル2が用いら
れ、上部セル(トップセル)としては、本発明の第1の
実施例に示したものとほぼ同様のIn0.5 Ga0.5 Pセ
ル4が用いられている。さらに、この下部セルと上部セ
ルとを電気的に直列接続するために両者の間にGaAs
トンネル接合層3が設けられている。トンネル接合層3
のピーク電流は約50mA/cm2 である。詳細に述べ
るとGaAsボトムセル2はZnドープのp+ GaAs
基板11(p<1×1019cm-3)の上部に形成された
厚み0.3μm、不純物密度7.0×1018cm-3のp
+ GaAsバッファ層12の上に形成されている。そし
てGaAsセル2はp+ GaAsバッファ層12の上に
形成された厚み0.1μmで、不純物密度3.0×10
18cm-3のp+ InGaPのBSF層21、その上部に
設けられた厚み3μm、不純物密度2.0×1017cm
-3のpGaAsベース層22、その上部に設けられた厚
み0.1μm、不純物密度2.0×1018cm-3のn+
GaAsエミッタ層23、さらにその上部の厚み0.1
μm、不純物密度2.0×1018cm-3のn+ InGa
P窓層24とから構成されている。エミッタ層23とベ
ース層22の間にpn接合が形成されている。GaAs
トンネル接合層3は下部セル(GaAsボトムセル)2
の最上層であるn+ InGaP窓層24の上部に形成さ
れた厚み15nm、不純物密度5×1018cm-3以上の
+ GaAs層31と、厚み15nm、不純物密度1.
0×1019のp+ GaAs層32とから構成されてい
る。そしてこの上部には厚み0.1〜0.5μmで不純
物密度、1〜6×1018cm-3のp+ In0.5 Ga0.5
PのBSF層41;厚み0.7〜1.5μm、不純物密
度1.5×1017cm-3のpIn0.5 Ga0.5Pベース
層42;厚み50nm、不純物密度3.0×1018cm
-3のn+ In0. 5 Ga0.5 Pエミッタ層43;および厚
み30nm、不純物密度2×1018cm-3のn+ AlI
nP窓層44がこの順に堆積されたIn0.5 Ga0.5
トップセル4が形成されている。In0.5 Ga0.5 Pト
ップセル4の上部の一部にはオーミックコンタクト用の
厚み0.3μmのn+ GaAs層51が形成され、その
上部にはAu−Ge/Ni/Au層71およびその上の
Au層72からなる上部金属電極層(表面電極層)7が
形成されている。p+ GaAs基板11の裏面には下部
金属電極層(裏面電極層)8としてAu層が形成されて
いる。In0.5 Ga0.5 Pトップセル4のn+ AlIn
P窓層44の表面においてn+ GaAs層51およびそ
の上の上部金属電極層7が形成されている部分以外の領
域には、ZnS層61、MgF2 層62からなる反射防
止膜6が形成されている。なお、本発明の第1の実施例
と同様にIn0.5 Ga0.5 Pトップセル4のp+ In
0.5 Ga0.5 P−BSF層41の不純物密度は2〜3×
1018cm-3とするのがより望ましい。p+ In0.5
0.5 P−BSF層41の厚みを0.5μm以上とする
と光が吸収されて効率が下がるので望ましくない。図6
におけるドーパントはp+GaAsバッファ層12、p
+ InGaP−BSF層21、pGaAsベース層2
2、p+ GaAs層32、p+ In0.5 Ga0.5 P−B
SF層41、pInGaPベース層42に対してはZn
を用いるのが望ましく、n+ GaAsエミッタ層23、
+ In0.5 Ga0.5 P窓層24、n+ GaAs層3
1、n+ In0.50.5 Pエミッタ層43、n+ AlI
nP窓層44、n+ GaAs層51にはSiを用いるこ
とが望ましいが、他のドーパントでも同様な効果は得ら
れる。
【0018】図7はタンデム構成におけるIn0.5 Ga
0.5 Pトップセル4のBSF層41の厚さを不純物密度
を5×1017cm-3,7×1017cm-3,2×1018
-3と変化させた場合の分光感度特性を示す。図8は、
タンデムセルの短絡光電流密度JscをBSF層41の
不純物密度に対してプロットしたもので、BSF層41
の不純物密度を増加させ不純物密度を2×1018cm-3
とすると、タンデムセルのJscが増加することがわか
る。図9はタンデムセルにおけるVocのBSF層41
の不純物密度依存性を示し、BSF層41の不純物密度
が2×1018cm-3の場合、Vocは最大となり2.3
8Vであった。図9で●印はGaAsボトムセル2の成
長温度が650℃の場合で、□印は成長温度が700℃
の場合である。GaAsボトムセル2の成長温度を70
0℃とすることにより、タンデムセルのVocは2.4
1以上となることがわかる。図10は本発明の第2の実
施例におけるタンデムセルの光I−V特性および出力特
性である。本発明の第2の実施例によれば27.3%の
変換効率が得られる。
【0019】本発明の第1および第2の実施例に示した
単一セルおよびタンデムセルの太陽電池は図11に示す
ような製造方法で製造できる。第1、および第2の実施
例は共にほぼ同様な製造方法なので第2の実施例で説明
する。
【0020】(a)まず図11(a)に示すように、有
機金属気相成長法(MOCVD法)、CBE(Chemical
Beam Epitaxy )法、MBE(Molecular Beam Epitax
y)法、MLE(Molecular Layer Epitaxy )法等を用
いて、p+ GaAs基板11の上にp+ GaAs層1
2、GaAsボトムセル2、GaAsトンネル接合3、
In0.5 Ga0.5 Pトップセル4、n+ GaAs層51
を連続エピタキシャル成長する。より具体的には図6に
示したようにGaAsボトムセル2はp+ InGaP−
BSF層21、pGaAsベース層22、n+ GaAs
エミッタ層23、n+ In0.5 Ga0.5 P層24の多層
エピタキシャル成長層であり、In0.5 Ga0.5 Pトッ
プセル4は、p+ In0.5 Ga0.5 P−BSF層41、
pIn0.5 Ga0.5 Pベース層42、n+ In0.5 Ga
0.5 Pエミッタ層43、n+ AlInP窓層44の順に
積層した多層エピタキシャル成長層であり、さらに、G
aAsトンネル接合はn+ GaAs層31、p+ GaA
s層32からなる連続エピタキシャル成長層である。M
OCVDは常圧MOCVDでも減圧MOCVDでも可能
であるが、望ましくは、たとえば6.7〜10kPaに
保持された減圧MOCVD法、さらに望ましくは縦型減
圧MOCVD法によるのがよい。III 族の原料ガスとし
てはトリエチルガリウム(TEG)、トリメチルインジ
ウム(TMI)、トリメチルアルミニウム(TMA)、
トリメチルアミンアラン(TMAAl)など、V族の原
料ガスとしてはホスフィン(PH3 )、アルシン(As
3 )などを用いる。あるいはターシャリー・ブチル・
フォスフィン((C4 9 )PH2;TBP)、ターシ
ャリー・ブチル・アルシン((C4 9 )AsH2 ;T
BA)などを用いてもよい。n型のドーパントガスとし
ては、モノシラン(SiH4)、ジシラン(Si
2 6 )、あるいはジエチルセレン(DESe)、ジエ
チルテルル(DETe)等を用いればよいが、モノシラ
ンが好ましい。p型のドーパントガスとしてはジエチル
亜鉛(DEZn)あるいはトリメチルガリウム(TM
G)を用いてもよい。これらの原料ガスおよびドーパン
トガスはマスフローコントローラ等を用いて6.7kP
a〜10kPaの減圧に制御された反応管中に導入され
る。V族の原料ガスとIII 族の原料ガスとの比、いわゆ
るV/III 比は、たとえば120〜170程度で行えば
よい。成長時の基板温度はたとえば650℃〜700℃
とすればよく、図12に示したように高いVocの値を
得るためには、GaAsボトムセル2の成長は700℃
が好ましい。
【0021】(b)次に、このように連続エピタキシャ
ル成長した多層構造のウェハを反応管より取り出し、リ
フトオフのためのフォトレジストを塗布し、フォトリソ
グラフィーにより所定のパターンを形成し、その上から
Au−Ge/Ni/Auを真空蒸着する。たとえば10
0nmのAu−Ge(12wt%)、20nmのNi、
70nmのAu膜をEB蒸着法にて形成する。その後フ
ォトレジストを除去すれば、図11(b)あるいは図2
に示したような櫛状のストライプ形状の上部金属電極層
71が形成される。リフトオフ法を用いず、通常のフォ
トリソグラフィーで、KI/I溶液等のエッチャントで
エッチングしても同様なパターンは得られるが、リフト
オフ法の方が簡便である。その後、H2 雰囲気中あるい
はN2 等の不活性ガス雰囲気中で360〜450℃で電
極のシンタリングを行う。360℃で2秒程度のシンタ
リングが好ましい。
【0022】(c)次にエピタキシャル成長層表面をフ
ォトレジスト等がカバーしp+ GaAs基板11の裏面
をブロム(Br2 )系の溶液等で約6μmエッチング
後、その表面に約1μm程度の裏面電極層8のAuメッ
キをする。続いてエピタキシャル成長層表面のAu−G
e/Ni/Au膜71の部分のみフォトリソグラフィー
を用いて窓を開け、他をフォトレジストでカバーして約
1μmのAuメッキ膜72をメッキし、図14(c)の
形状を得る。電界メッキ法を用いれば、このフォトリソ
グラフィーは省略可能である。なお、図11(b)に示
した上部金属電極層71の形成工程を、裏面電極層8の
形成工程の後に行ってもかまわない。
【0023】(d)次に、たとえば図2に示した10m
m×20mmの受光面および上部電極層からなる素子の
主領域および裏面をフォトレジストでカバーし、図11
(d)に示すようにエピタキシャル成長層の所定の部分
を約30μm〜50μmの幅でメサエッチングし、メサ
9を形成する。結局10mm×20mmの多数の島がメ
サ領域に囲まれることとなる。メサエッチングはHCl
系エッチャント、およびアンモニア/過酸化水素(H2
2 )を用いればよい。硫酸系のエッチャント、あるい
は酒石酸系でもよいが、好ましくはブロム系のエッチャ
ントで約1μmエッチングする。
【0024】続いて、上部金属電極層7のパターンをマ
スクとして、上部電極層7の下のn+ GaAs層51の
みを残して、他の部分のn+ GaAs層51を除去す
る。このエッチングはアンモニア/過酸化水素系で、約
30秒間GaAsの選択エッチングをすればよい。
【0025】(e)次に、再びリフトオフ法を用いてZ
nS膜61、MgF2 膜62からなる反射防止膜6を形
成する。すなわち、スパッタリングによりZnS膜を約
55〜65nm、続いてEB蒸着法でMgF2 膜を95
〜120nm形成する。
【0026】(f)次に、図示は省略するが、幅30μ
m〜50μmのメサラインの中央にスクライブラインを
引き、へき開により10×20mmのセルを切り出して
完成する。p+ GaAs基板11を2インチウェハとす
れば10mm×20mmのセルは6枚切り出せる。セル
の大きさは例示であり、必要に応じて設定すればよい。
たとえば、Si基板上にInGaPを成長すれば低価格
で4インチ径〜8インチ径の大面積の太陽電池セルが得
られる。
【0027】
【発明の効果】本発明によれば長波長側分光感度特性が
改善され、2%の電極占有率において単一セルで18.
5%以上、タンデムセルで27.3%以上の変換効率が
得られ、きわめて高効率である。
【0028】また本発明によれば長波長側分光感度が向
上し、Vocも大幅に向上する。In0.5 Ga0.5 P単
一セルのVocは1.39,In0.5 Ga0.5 P/Ga
AsタンデムセルのVocは2.418Vという高い値
が得られる。本発明によれば、曲線因子(fill f
actor;FF)も改善される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係るIn0.5 Ga0.5
P単一セルの断面図である。
【図2】本発明の第1の実施例に係るIn0.5 Ga0.5
P単一セルの平面図である。
【図3】本発明の第1の実施例に係るIn0.5 Ga0.5
P単一セルの光I−V特性図である。
【図4】本発明の第1の実施例に係るIn0.5 Ga0.5
P単一セルのIsc、およびVocのBSF層の厚み依
存性を示す図である。
【図5】本発明の第1の実施例に係るIn0.5 Ga0.5
P単一セルの分光感度特性図である。
【図6】本発明の第2の実施例に係るIn0.5 Ga0.5
P/GaAsタンデムセルの断面図である。
【図7】分光感度特性のBSF層の不純物密度依存性を
示す図である。
【図8】JscのBSF層の不純物密度依存性を示す図
である。
【図9】タンデムセルのVocとBSF層の不純物密度
との関係図である。
【図10】本発明の第2の実施例に係るタンデムセルの
出力特性図である。
【図11】本発明の第2の実施例に係るタンデムセルの
製造方法を説明する図である。
【図12】従来の技術における太陽電池を説明する模式
図である。
【図13】従来の太陽電池を説明する図である。
【符号の説明】
2 GaAsボトムセル(下部セル) 3 GaAsトンネル接合 4 In0.5 Ga0.5 Pトップセル(上部セル) 6 反射防止膜 7 上部金属電極層(表面電極層) 8 下部金属電極層(裏面電極層) 9 メサ 11 p+ GaAs基板 12 p+ GaAsバッファ層 21 p+ In0.5 Ga0.5 P BSF層 22 pGaAsベース層 23 n+ GaAsエミッタ層 24 n+ InGaP窓層 31,51 n+ GaAs層 32 p+ GaAs層 41 p+ In0.5 Ga0.5 P−BSF層 42 pIn0.5 Ga0.5 Pベース層 43 n+ InGaPエミッタ層 44 n+ AlInP窓層 61 ZnS膜 62 MgF2 膜 71 Au−Ge/Ni/Au膜 72 Auメッキ膜 422 ベース層 433 エミッタ層

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1導電型のエミッタ層と、該エミッタ
    層の下部に形成された第2導電型のベース層と、該ベー
    ス層の下部に形成された第2導電型の裏面電界層(以下
    BSF層という)とを少なくとも備える化合物半導体太
    陽電池であって、 該BSF層の不純物密度が1〜6×1018cm-3である
    ことを特徴とする太陽電池。
  2. 【請求項2】 前記BSF層の不純物密度が2〜3×1
    18cm-3であることを特徴とする請求項1記載の太陽
    電池。
  3. 【請求項3】 前記エミッタ層、ベース層、BSF層は
    In1-x Gax Pであることを特徴とする請求項1また
    は2記載の太陽電池。
  4. 【請求項4】 第1導電型の第1のエミッタ層と、第2
    導電型の第1のベース層と、第2導電型の第1のBSF
    層とを少なくとも具備するトップセルと、 第1導電型の第2のエミッタ層と、第2導電型の第2の
    ベース層と、第2導電型の第2のBSF層とを少なくと
    も具備するボトムセルと、 該トップセルとボトムセルとの間に形成され、該トップ
    セルとボトムセルとを互いに接続するトンネル接合とか
    ら少なくとも構成されるタンデム構造の太陽電池であっ
    て、該第1のBSF層の不純物密度が1〜6×1018
    -3であることを特徴とする太陽電池。
  5. 【請求項5】 前記第1のBSF層の不純物密度が2〜
    3×1018cm-3であることを特徴とする請求項4記載
    の太陽電池。
  6. 【請求項6】 前記第1のエミッタ層、ベース層、BS
    F層、第2のBSF層はIn1-x Gax Pであり、前記
    第2のエミッタ層、ベース層はGaAsであることを特
    徴とする請求項4又は5記載の太陽電池。
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