JPH0816155A - グランドピアノの止音装置 - Google Patents

グランドピアノの止音装置

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JPH0816155A
JPH0816155A JP6144571A JP14457194A JPH0816155A JP H0816155 A JPH0816155 A JP H0816155A JP 6144571 A JP6144571 A JP 6144571A JP 14457194 A JP14457194 A JP 14457194A JP H0816155 A JPH0816155 A JP H0816155A
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Hisamitsu Honda
久光 本多
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Kawai Musical Instrument Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 グランドピアノにおいて、ハンマーシャンク
の移動を阻止するストップレールに幅広のものを使用可
能な止音装置を提供する。 【構成】 ストップレール30を釣支する一対の支持リ
ンク42は、夫々、一対のリンク材44a,44bと、
リンク材同士を接続する接続軸46とからなり、接続軸
46には外部操作によって接続軸46を牽引方向(取付
部41a側)に移動させて支持リンク42を伸張させる
ワイヤ56を接続する。この結果、ストップレール30
のハンマーシャンクへの当接面の向きを変化させること
なく、ストップレール30を停止位置から退避位置に上
下に変位させることができるようになり、ハンマーシャ
ンク上部のスペースが限られたグランドピアノにおい
て、ストップレール30の幅を大きくすることができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、押鍵に基づく打弦動作
時にハンマーシャンクの移動を阻止して、ハンマーの打
弦による発音を防止するグランドピアノの止音装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来より、アコースティックピアノに電
子音源を組み合わせて、ハンマーの打弦による通常のア
コースティック演奏モードに加え、電子音源による演奏
モードにも切り換え可能な複合ピアノが提案されてい
る。そして、この種の複合ピアノにおいては、電子音源
を使った演奏時に、ハンマーの打弦による発音を防止す
る止音装置として、打弦動作時にハンマーシャンクに当
接されてハンマーシャンクの移動を停止させるストップ
レールが使用される。
【0003】ところで、このようにストップレールを用
いてハンマーシャンクの移動を停止させる場合、ハンマ
ーシャンクの移動の停止によって、鍵盤のタッチ感に影
響を与えることがないようにすることが望ましく、その
ためには、ハンマーが弦に当接する直前まで、ハンマー
シャンクを通常通りに移動させる必要がある。そして、
こうした要求を満足し、その耐久性も考慮すると、スト
ップレールに、ハンマーシャンクを広範囲で且つ強固に
押え込むことのできる、幅の広いものを使用することが
望ましい。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来の止音
装置は、図4に示す如く、支持部材82により、ストッ
プレール84を、その幅方向に回動可能に支持し、図示
しない回動機構によって、止音時には、緩衝部材85が
設けられたハンマーシャンク86への当接面を図8に実
線で示すハンマーシャンク86の停止位置に配設し、通
常の演奏時には、緩衝部材85が設けられたハンマーシ
ャンク86への当接面を、ハンマーシャンク86とは略
直交する図4に点線で示す退避位置まで移動させるよう
に構成されていた。このため、ハンマーシャンク86の
上部のスペースが限られたグランドピアノにおいては、
ストップレール84の幅Aを大きくすることができず、
良好なタッチ感を実現できないといった問題があった。
【0005】すなわち、まずストップレールの幅が小さ
い場合には、ハンマーシャンクが当接した際に、緩衝部
材が大きく歪むようになり、ハンマーによる打弦を確実
に防止することができず、発音してしまうことがある。
一方、ハンマーによる打弦を確実に防止するには、スト
ップレールの位置をハンマーシャンク側(つまり下方)
にずらせばよいが、ストップレールの位置を下方にずら
すと、止音時と通常演奏時とで鍵盤のタッチ感が大きく
変化する。
【0006】そこで、従来では、止音時と通常演奏時と
でタッチ感が変化しないようにするために、ストップレ
ールの位置は、ハンマーが弦に当たる直前でハンマーシ
ャンクに当接する上限位置に設定しておき、鍵盤操作に
伴いハンマーシャンクを突き上げるアクション機構側を
調整することにより、ハンマーシャンク当接後の緩衝部
材の歪によってハンマーが弦に当たるのを防止してい
る。しかし、このような対策では、止音時と通常演奏時
とで鍵盤のタッチ感が変化するのを防止することはでき
るものの、アクション機構側を調整しているため、鍵盤
操作から打弦に至るピアノの発音特性が変化し、結局、
打弦により発音を行なう通常演奏時のタッチ感にも影響
を与えてしまうことになる。
【0007】従って、グランドピアノにおいては、非常
に繊細なタッチ感を要求されるにもかかわらず、従来の
止音装置を設けることにより、タッチ感が悪化してしま
うといった問題が生じるのである。本発明は、こうした
問題に鑑みなされたもので、ハンマーシャンク上部のス
ペースが限られたグランドピアノにおいて、ハンマーシ
ャンクの移動を阻止するストップレールに幅広のものを
使用可能な止音装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めになされた請求項1に記載の発明は、押鍵に基づきハ
ンマーが打弦動作を開始してから実際に打弦を行なうま
での間の所定の停止位置でハンマーシャンクに当接し
て、該ハンマーシャンクの移動を阻止するレール部と、
上記レール部を、上記ハンマーシャンクの移動を阻止す
る上記停止位置と、該停止位置から退避して上記ハンマ
ーによる打弦を可能にする退避位置とに変位可能に支持
する支持機構と、該支持機構により変位可能に支持され
た上記レール部を、上記停止位置又は上記退避位置に位
置決めする位置決め機構と、を備えたグランドピアノの
止音装置であって、上記支持機構が、ピアノ本体に固定
され、上記レール部の上部に、該レール部の長手方向に
沿って設けられた固定部と、上記レール部に回動可能に
軸支された第一のアーム、及び一端が上記第一のアーム
の上記レール部に軸支されている側とは反対側の端部に
回動可能に連結され、他端が上記固定部に回動可能に軸
支された第二のアームからなり、上記レール部の長手方
向に沿った複数箇所に取り付けられ、上記レール部を上
記固定部に対して変位可能に支持する複数のリンク部材
と、上記固定部に対する上記レール部の水平方向への移
動を阻止すると共に、上下方向への移動を可能にするガ
イド部材と、からなり、上記位置決め機構が、上記リン
ク部材が屈曲するように付勢して上記ハンマーシャンク
への当接面を上記停止位置より上方の退避位置に位置決
めする付勢部材と、外部操作により、上記リンク部材の
連結部を、上記付勢部材の付勢力に抗して上記リンク部
材が伸張する方向に牽引し、上記ハンマーシャンクへの
当接面を上記退避位置より下方の停止位置に位置決めす
る牽引部材と、からなることを特徴とする。
【0009】また、請求項2に記載の発明は、請求項1
に記載のピアノの止音装置であって、上記ガイド部材
は、固定部の下部に突設され、上記レール部を貫通して
該レール部を摺動可能に支持するガイド軸からなり、上
記付勢部材は、上記レール部の下部に貫通した上記ガイ
ド軸の先端部分に設けられ、上記ガイド軸に沿って上記
レール部を上方に付勢してなることを特徴とする。
【0010】
【作用】上記のように構成された請求項1に記載の止音
装置においては、レール部を支持する支持機構が、レー
ル部を、固定部に対して変位可能に支持するリンク部材
と、レール部が上下方向のみに移動可能とするガイド部
材とから構成されているため、リンク部材を屈曲,伸張
させると、レール部が上下に変位することになる。
【0011】そして、付勢部材の付勢によってリンク部
材が屈曲すると、レール部はそのリンク部材の屈曲によ
って上方に移動し、ハンマーシャンクへの当接面は、ハ
ンマーシャンクに当接される停止位置より上方の退避位
置に位置決めされる。一方、外部操作によって牽引部材
が動作し、リンク部材を付勢部材の付勢力に抗してリン
ク部材が伸張する方向に牽引すると、レール部はそのリ
ンク部材の伸張によって下方に移動し、ハンマーシャン
クへの当接面が、退避位置より下方の停止位置に位置決
めされる。
【0012】つまり、本発明では、レール部を、複数の
リンク部材とガイド部材とによって、その上下方向に変
位可能に支持させ、位置決め機構によって、リンク部材
を屈曲,伸張させることによって、レール部のハンマー
シャンクへの当接面をハンマーシャンク側に向けたまま
レール部を停止位置から退避位置に変位させることがで
きる。
【0013】次に、請求項2に記載の止音装置において
は、ガイド部材が、レール部を貫通して該レール部を摺
動可能に支持するガイド軸からなり、レール部の下部に
貫通したこのガイド軸の先端部分に設けられた付勢部材
は、レール部をガイド軸に沿って上方に付勢する。この
ように付勢部材がレール部を直接付勢することにによっ
て、レール部はリンク部材を屈曲させて上方に移動する
ので、ハンマーシャンクへの当接面は、ハンマーシャン
クに当接される停止位置より上方の退避位置に位置決め
される。
【0014】従って、請求項1に記載の止音装置と同様
に、レール部のハンマーシャンクへの当接面をハンマー
シャンク側に向けたまま、レール部を停止位置から退避
位置に変位させることができる。
【0015】
【実施例】以下に本発明の実施例を図面と共に説明す
る。まず図2は、本実施例の止音装置が設けられたグラ
ンドピアノのアクション機構の概略構成を表わす断面図
である。
【0016】本実施例のグランドピアノは、図示しない
電子音源を備え、鍵盤の操作によって電子音源から演奏
音を発生できるようにされた複合ピアノであり、電子音
源からの演奏音を、外部に放音することなくヘッドホン
を介して聴くことができるようにされている。
【0017】図2に示すように、アクション機構は、演
奏者の操作によって揺動する鍵11と、鍵11が押され
ると上昇するキャプスタンスクリュー12と、ウイッペ
ンフレンジ13を介してウイッペンレール14に回動可
能に支持され、キャプスタンスクリュー12の上昇によ
って上向きに回動するウイッペン15と、ウイッペン1
5に回動可能に連結され、レギュレチングボタン16に
当接するまでウイッペン15と共に上昇するジャック1
7と、ジャック17に当接し、ジャック17に突き上げ
られると分離するシャンクローラー18と、シャンクフ
レンジ19を介してシャンクレール20に回動可能に支
持され、シャンクローラー18が突き上げられると上向
きに回動するハンマーシャンク21と、ハンマーシャン
ク21の先端に装着され、ハンマーシャンク21の回動
により上方に移動して弦25を叩くハンマー23等から
構成されている。
【0018】そして、ハンマーシャンク21の上方に
は、打弦動作時にハンマーシャンク21に当接してその
移動を阻止するストップレール30が配設されている。
なお、ストップレール30のハンマーシャンク21への
当接面には、ハンマーシャンク21当接時の衝撃を吸収
する緩衝部材として、発泡ウレタン32が設けられてい
る。
【0019】次に、本実施例の止音装置は、図1に示す
如く、発泡ウレタン32を備えた上述のストップレール
30と、ピアノ本体に固定するための固定板41が一体
化された固定部材としての支持レール40と、ストップ
レール30および支持レール40の長手方向両端部に夫
々取り付けられ、支持レール40の下部にストップレー
ル30を変位可能に釣支するリンク部材としての一対の
支持リンク42と、ストップレール30および支持レー
ル40の長手方向両端部に形成された取付孔を夫々貫通
し、ストップレール30を摺動可能に支持してストップ
レール30の変位を上下方向のみに制限するガイド部材
としての一対のガイド軸50と、ストップレール30下
部に突出したガイド軸50の端部に装着され、ストップ
レール30を上方向、即ち支持レール40に接近する方
向へ付勢する付勢部材としてのコイルスプリング52
(図3参照)と、支持リンク42に固定され、外部操作
によって支持リンク42が伸張するように牽引する牽引
部材としてのワイヤ56とから構成されている。
【0020】なお、ガイド軸50のストップレール30
下部に突出した部分の先端には、ねじ山が形成されてお
り、ガイド軸50に装着されたコイルスプリング52の
脱落を防止する蝶ナット54が取り付けられている。ま
た、支持レール40の上部にその一部が埋め込まれた状
態で一体化された固定板41は、長手方向両端に、支持
レール40を対向する壁面等に固定するための取付部4
1a,41bが突設されている。そして、一方の取付部
41aには、ワイヤ56を収納するためのチューブ60
の一端がチューブ固定具62を介して固定されている。
なお、このチューブ60の他端は、グランドピアノの棚
板下面に設けられた図示しない操作レバーに接続されて
いる。
【0021】ここで、ストップレール30を支持レール
40に釣支する支持リンク42は、2枚のリンク板を夫
々の一端で回動自在に連結してなり、ストップレール3
0および支持レール40を挟んで対向して配置された一
対のリンク材44a,44bと、各リンク材44a,4
4bにおけるリンク板の連結部を相互に接続する接続軸
46とからなる。そして、接続軸46には、ワイヤ56
を貫通させるための貫通孔46aが形成されている。
【0022】一方、この貫通孔46aを貫通するワイヤ
56には、ワイヤ56が牽引された時に、各支持リンク
42の接続軸46と係合して、ワイヤ56の牽引に応じ
て両接続軸46をワイヤ56の牽引方向(取付部41a
の方向)に同時に移動させるための係止片58が各接続
軸46の近傍に取り付けられており、また、支持レール
40には、支持リンク42と接触して、支持リンク42
が所定以上に伸張することを阻止する係止突起48が設
けられている。
【0023】そして支持リンク42は、通常では、コイ
ルスプリング52に付勢されたストップレール30が支
持レール40と近接した位置に保持されるため、屈曲し
ているのであるが、ワイヤ56が取付部41aの方向に
牽引されると、コイルスプリング52の付勢に抗して伸
張し、ストップレール30を下方に変位させる。
【0024】即ち、ストップレール30と支持レール4
0とに夫々回動可能に軸支されたリンク材44a,44
bの両端は、ストップレール30と同様にガイド軸50
に沿った軸上を上下方向に変位するため、ワイヤ56の
牽引により接続軸46を牽引方向に移動させると、支持
リンク42は、リンク材44a,44bの両端が開くよ
うに変位して伸張するのである。また、一対の支持レー
ル40は、ワイヤ56に取り付けられた係止片58によ
り同時に変位するため、支持レール40により釣支され
たストップレール30は、常に支持レール40と平行に
保たれた状態で変位する。
【0025】以上のように構成された本実施例の止音装
置は、図3に示す如く、支持レール40の取付部41
a,41bの先端を、グランドピアノの左右の側板近傍
に形成された固定台70a,70bに設けられた固定具
72a,72bに嵌合させることにより、グランドピア
ノ内に固定される。
【0026】そして、図3(a)に示す如く、外部操作
によるワイヤ56の牽引が行われていないときは、スト
ップレール30が停止位置より上方の退避位置に位置決
めされて、ハンマー23による打弦が可能となり、図3
(b)に示す如く、外部操作によってワイヤ56が取付
部41a側に引っ張られることにより、ストップレール
30がハンマーシャンク21の移動を阻止する停止位置
に位置決めされて、ハンマー23による打弦を禁止す
る。
【0027】すなわち、本実施例の止音装置において
は、ストップレール30が、ピアノ本体に固定された支
持レール40に、支持リンク42とガイド軸50とによ
り、ストップレール30の上下方向へ変位可能に釣支さ
れており、しかもガイド軸50には、ストップレール3
0を上方向(支持レール40に接近する方向)に付勢す
るコイルスプリング52が設けられ、また、支持リンク
42には、外部操作によって支持リンク42が伸張する
ように牽引するワイヤ56が取り付けられているため、
ワイヤ56を操作しない通常時には、図3(a)に示す
如く、コイルスプリング52の付勢力によって、ストッ
プレール30が上方向に変位して、打弦時にストップレ
ール30がハンマーシャンク21に当接しない退避位置
まで上昇し、外部操作によってワイヤ56を引っ張る
と、図3(b)に示す如く、屈曲していた支持リンク4
2がコイルスプリング52の付勢力に抗して伸張し、ス
トップレール30が下方向に変位して、ハンマーシャン
ク21の移動を阻止する停止位置まで下降するのであ
る。
【0028】従って、本発明によれば、従来のように、
ストップレール30のハンマーシャンク21への当接面
の向きを変化させることなく、ストップレール30を停
止位置から退避位置に変位させることができ、ストップ
レール30を配設すべきハンマーシャンク21上部のス
ペースが限られたグランドピアノにおいて、ストップレ
ール30のハンマーシャンク21への当接面の幅を大き
くすることができる。
【0029】そしてこのようにストップレール30のハ
ンマーシャンク21への当接面の幅を大きくすることが
できるため、止音時に、ハンマーシャンク21を広範囲
で且つ強固に押え込むことができるようになり、鍵盤の
タッチ感に影響を与えることなく、打弦による発音を防
止することができる。
【0030】また、ストップレール30の幅を大きくす
ることができるため、ハンマーシャンク21の当接時の
衝撃を分散することができ、ハンマーシャンク21及び
ストップレール30の耐久性を向上することもできる。
更に、ワイヤ56は、チューブを通ってグランドピアノ
の棚板下面に設けられた図示しない操作レバーに接続さ
れており、この操作レバーを操作して、チューブ60か
らワイヤ56を引き出すことによって、ワイヤ56がス
トップレール30を牽引するように構成されており、こ
の牽引によるストップレール30の移動量、換言すれば
ストップレール30の停止位置は、操作レバーの操作に
伴うワイヤ56の引き出し量により決定される。従っ
て、この引き出し量を調整することにより、ストップレ
ール30がハンマーシャンク21の移動を阻止する停止
位置を簡単に設定できる。
【0031】また更に、本実施例の止音装置において
は、ストップレール30の移動方向を制限するガイド部
材としてガイド軸50を設け、ワイヤ56が牽引されな
い通常の状態においてストップレール30を退避位置に
保持するための付勢部材として、このガイド軸50にコ
イルスプリング52を設けている。このため、ガイド軸
50およびコイルスプリング52の組み付けが容易であ
ると共に、全体の装置構成を簡単にすることができる。
【0032】即ち、ガイド部材としては、ストップレー
ル30および支持レール40の周囲に、ストップレール
30の水平方向への移動を制限する枠を設けること等も
考えられるが、これに比べて本実施例のガイド軸50は
ストップレール30および支持レール40を貫通させて
いるだけであり、構成が非常に簡単であると共に、組み
付けも容易である。
【0033】また、付勢部材としては、本実施例のよう
に、ガイド軸50にコイルスプリング52を設けて、直
接的にストップレール30を上方に付勢するのではな
く、支持リンク42を屈曲させるように付勢して、間接
的にストップレール30を上方に付勢してもよく、例え
ば、接続軸46と取付部41bとをスプリングで接続
し、ワイヤ56の牽引方向とは逆方向に接続軸46を付
勢するように構成したり、リンク材44a,44bの両
端をスプリングで接続し、リンク材44a,44bの両
端を接近させる方向に付勢するような構成も考えられ
る。しかし、この場合、スプリングの取付等に工夫が必
要となり、構成が複雑になってしまうという問題がある
が、本実施例のようにガイド軸50にコイルスプリング
52を設ければ、簡単に取り付けることができ、また構
成を簡単にすることができるのである。
【0034】以上、本発明の一実施例について説明した
が、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本
発明の要旨を逸脱しない範囲において様々な態様で実施
することができる。例えば、上記実施例においては、ワ
イヤ56を牽引した時に、一対の支持リンク42が同時
に変位するように、ワイヤ56を接続軸46の貫通孔4
6aを貫通させ、更にこのワイヤ56に接続軸46と係
合して牽引力を接続軸46に伝える係止片58を取り付
けているが、両接続軸46間の幅が一定となるように軸
等で固定してもよく、この場合、一方の支持リンク42
を牽引すれば自動的に他方の支持リンク42も連動する
ので、ワイヤ56の取付が簡単になる。
【0035】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1に記載の
止音装置においては、レール部をその上下方向に変位可
能に支持する複数のリンク部材およびガイド部材と、リ
ンク部材を屈曲,伸張させることによって、レール部を
上下方向に移動させる位置決め機構とによって、レール
部のハンマーシャンクへの当接面をハンマーシャンク側
に向けたまま、レール部を上下に変位させることができ
るように構成されている。
【0036】このため、本発明の止音装置によれば、レ
ール部のハンマーシャンクへの当接面の向きを変化させ
ることなく、レール部を停止位置から退避位置に変位さ
せることができ、レール部を配設すべきハンマーシャン
ク上部のスペースが限られたグランドピアノにおいて、
レール部のハンマーシャンクへの当接面の幅を大きくす
ることができる。
【0037】またこのように本発明によれば、レール部
のハンマーシャンクへの当接面の幅を大きくすることが
できるため、ハンマーシャンクを広範囲で且つ強固に押
え込むことができるようになり、鍵盤のタッチ感に影響
を与えることなく、打弦による発音を防止することがで
きる。
【0038】またこのようにレール部の幅を大きくする
ことができるため、ハンマーシャンク当接時の衝撃を分
散することができるようになり、ハンマーシャンク及び
レール部の耐久性を向上することもできる。また、請求
項2に記載の止音装置によれば、ガイド部材が、固定部
の下部に突設されレール部を貫通させたガイド軸からな
り、しかも付勢部材は、レール部の下部に貫通したガイ
ド軸の先端部分に取り付けられているため、ガイド部材
および付勢部材の組み付けが容易であると共に、装置構
成を簡単にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例の止音装置の全体構成を表す斜視図で
ある。
【図2】 実施例の止音装置が取り付けられたグランド
ピアノのアクション機構を表わす断面図である。
【図3】 実施例の止音装置の動作を説明する動作説明
図である。
【図4】 従来の止音装置の構成及び動作を説明する説
明図である。
【符号の説明】
11…鍵 21…ハンマーシャンク 23…ハン
マー 25…弦 30…ストップレール 32…発泡
ウレタン 40…支持レール 41…固定板 42…支持
リンク 44a,44b…リンク材 46…接続軸 4
8…係止突起 50…ガイド軸 52…コイルスプリング 5
4…蝶ナット 56…ワイヤ 58…係止片 6
0…チューブ 62…チューブ固定具 70a,70b…固定台
72a,72b…固定具

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 押鍵に基づきハンマーが打弦動作を開始
    してから実際に打弦を行なうまでの間の所定の停止位置
    でハンマーシャンクに当接して、該ハンマーシャンクの
    移動を阻止するレール部と、 上記レール部を、上記ハンマーシャンクの移動を阻止す
    る上記停止位置と、該停止位置から退避して上記ハンマ
    ーによる打弦を可能にする退避位置とに変位可能に支持
    する支持機構と、 該支持機構により変位可能に支持された上記レール部
    を、上記停止位置又は上記退避位置に位置決めする位置
    決め機構と、 を備えたグランドピアノの止音装置であって、 上記支持機構が、 ピアノ本体に固定され、上記レール部の上部に、該レー
    ル部の長手方向に沿って設けられた固定部と、 上記レール部に回動可能に軸支された第一のアーム、及
    び一端が上記第一のアームの上記レール部に軸支されて
    いる側とは反対側の端部に回動可能に連結され、他端が
    上記固定部に回動可能に軸支された第二のアームからな
    り、上記レール部の長手方向に沿った複数箇所に取り付
    けられ、上記レール部を上記固定部に対して変位可能に
    支持する複数のリンク部材と、 上記固定部に対する上記レール部の水平方向への移動を
    阻止すると共に、上下方向への移動を可能にするガイド
    部材と、 からなり、 上記位置決め機構が、 上記リンク部材が屈曲するように付勢して上記ハンマー
    シャンクへの当接面を上記停止位置より上方の退避位置
    に位置決めする付勢部材と、 外部操作により、上記リンク部材の連結部を、上記付勢
    部材の付勢力に抗して上記リンク部材が伸張する方向に
    牽引し、上記ハンマーシャンクへの当接面を上記退避位
    置より下方の停止位置に位置決めする牽引部材と、 からなることを特徴とするグランドピアノの止音装置。
  2. 【請求項2】上記ガイド部材は、固定部の下部に突設さ
    れ、上記レール部を貫通して該レール部を摺動可能に支
    持するガイド軸からなり、 上記付勢部材は、上記レール部の下部に貫通した上記ガ
    イド軸の先端部分に設けられ、上記ガイド軸に沿って上
    記レール部を上方に付勢してなることを特徴とする請求
    項1に記載のピアノの止音装置。
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