JPH08160234A - 光導波路型光素子 - Google Patents

光導波路型光素子

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JPH08160234A
JPH08160234A JP6302199A JP30219994A JPH08160234A JP H08160234 A JPH08160234 A JP H08160234A JP 6302199 A JP6302199 A JP 6302199A JP 30219994 A JP30219994 A JP 30219994A JP H08160234 A JPH08160234 A JP H08160234A
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JP
Japan
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optical waveguide
optical
layer
waveguide layer
light
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Pending
Application number
JP6302199A
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English (en)
Inventor
Mitsushi Yamada
光志 山田
Hitoshi Murai
仁 村井
Hiroshi Ogawa
洋 小川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Oki Electric Industry Co Ltd
Original Assignee
Oki Electric Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 偏波依存性の小さい光導波路型光素子を提供
すること。 【構成】 n−InP半導体基板10上に、順にn−In
Pクラッド層(20a および20b )、アンドープトInG
aAsP光導波路層30、アンドープトInP拡散防止層
40、P−InPクラッド層50、p+ −InGaAsコン
タクト層60が積層されている。そして、光導波路層側n
−InPクラッド層20b、等方性の半導体結晶である厚さ
が約0.25μmのアンドープトInGaAsP光導波
路層30、厚さが約0.1μmのアンドープトInP拡散
防止層40、厚さが約2μmのp−InPコンタクト層50
および厚さが約0.2μmのp+ −InGaAsコンタ
クト層60により幅3μm、深さ4〜5μmのリッジスト
ライプ構造70が形成されている。そして、リッジストラ
イプ構造70の両側は、絶縁性物質である低誘電率のポリ
イミド90で埋め込まれている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、半導体を用いた光素
子、特に低偏波依存性の光導波路型の光素子に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体を用いた光導波路型の光素
子(以下、光導波路型光素子と称する場合がある。)の
一つである光強度変調器の消光特性の偏波依存性を小さ
くするための手段が、文献1:「"10Gbit/s OPERATION
OF POLARISATION INSENSITIVE,STRAINED InGaAsP/InGaA
sP MQW ELECTROABSORPTION MODULATOR", F. Devaux eta
l., Electronics Letters, 1993, Vol.29, No.13, pp.1
201-1203」および文献2:「"InGaAsP Electroabsorpti
on Modulator for High-Bit-Rate EDFA System", M.Suz
uki et al., IEEE Photonics Technology Letters, 199
2, Vol.4, No.6, pp586-588 」に開示されている。文献
1および2に開示されている光強度変調器は、電界吸収
効果を用いた光強度変調器である。
【0003】文献1に開示されている光強度変調器は、
リッジストライプ構造をしており、光吸収層には量子井
戸構造型のものが用いられている。そして、リッジスト
ライプ構造の両側はポリイミドで埋め込まれている。こ
の素子では消光特性の偏波依存性を小さくするため、I
nGaAsP井戸層に引っ張り歪みを導入し、吸収係数
の偏波依存性を小さくしている。
【0004】一方、文献2に開示されている光強度変調
器は、いわゆるBH構造(Buried Hetero
Structure)をしており、光吸収層には等方
性の半導体結晶であるInGaAsPのバルク層が用い
られている。そして、光吸収層の両側はFeドープトI
nP(以下、Fe−InPと称する場合ばある。)で埋
め込まれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】光強度変調器を実用的
に作動させる場合、消光比は20dB程度得られること
が望ましく、また、消光特性の偏波依存性(以下、これ
を偏波依存性ロス(Polarization Dependent Loss(PD
Lと略する。) と称する場合がある。)は印加する電圧
の全範囲において0.3dB以下に保つ必要がある。
【0006】文献1に開示の光強度変調器では、素子の
長さを100μmとした場合、偏波依存性ロス(PD
L)の最大値は1dB程度であった。このときの消光比
は10dBである。そして、消光比を実用的に十分な2
0dBとするため、素子の長さを200μmとすると、
偏波依存性ロス(PDL)の最大値は2dB程度になる
と考えられる。
【0007】また、文献2に開示の光強度変調器では、
印加電圧が−3ボルトのとき、つまり消光比が約20d
Bのとき、偏波依存性ロス(PDL)は3dB程度であ
る(文献2のFig.2参照)。
【0008】このように従来の光強度変調器では、消光
特性の偏波依存性、つまり、偏波依存性ロス(PDL)
を小さくすることが出来なかった。同様に、光増幅器、
光変調器、光スイッチ、光フィルタなどの光導波路型光
素子でも、消光特性の偏波依存性を小さくすることが出
来なかった。
【0009】従って、偏波依存性の小さい光導波路型光
素子の出現が望まれていた。
【0010】
【課題を解決するための手段】半導体を用いた光導波路
型の光素子として、光増幅器、光変調器、光スイッチ、
光フィルタなどがある。そして、これらの光素子が用い
られるのは、主に、光ファイバの伝送路中や、光受信機
内である。また、光ファイバに掛かる応力は外気温度や
気圧の変化に応じて変化するため、ファイバの出射端面
での光の偏波を常に一定に保つことは極めて難しい。
【0011】従って、光導波路型光素子の挿入損失、お
よび消光特性または利得特性は、入射光の偏波変動に対
して鈍感であること、つまり偏波依存性が小さいことが
望まれる。
【0012】実際には、光強度変調器を実用的に作動さ
せる場合、消光比は20dBより大きくする必要があ
り、かつ偏波依存性ロス(PDL)は印加する電圧の全
範囲において0.3dB以下に保つ必要がある。しか
し、従来の光強度変調器では、以下の理由によりこのこ
とを満足するには不十分であった。
【0013】例えば、文献1に開示の光強度変調器で
は、光吸収層に量子井戸構造型のものを用いている。こ
のため、光の光吸収層に対し平行な成分、すなわち光吸
収層に対して平行な偏波光(以下、TE偏波光と称する
場合がある。)に対する吸収は、ヘビーホール(hev
y holl(以下、これをhhと称する場合があ
る。))の量子化された準位から伝導体への遷移により
生じる。また、この光の光吸収層に対し垂直な成分、す
なわち光吸収層に対して垂直な偏波光(以下、TM偏波
光と称する場合がある。)に対する吸収は、ライトホー
ル(light holl(以下、これをlhと称する
場合がある。))の量子化された準位から伝導体への遷
移により生じる。そして、hhとlhとは、有効質量が
異なるため、電圧を印加したときのTE偏波光の吸収ス
ペクトルのシフト量とTM偏波光の吸収スペクトルのシ
フト量とが異なる。従って、吸収係数の偏波光による差
は、印加電圧により異なり、十分な消光比を得ることが
できる電圧範囲において、消光比の偏波依存性を十分に
小さく抑えることは設計上難しい。
【0014】また、文献2に開示の光強度変調器では、
光吸収層の両側を屈折率の大きいFe−InPで埋め込
んでいる。このため、水平方向での光の閉じ込めは、偏
波光により大きく異なってくる。
【0015】従って、この発明の光導波路型光素子によ
れば、少なくとも基板と、基板の上側の光導波路層と、
光導波路層の上側のクラッド層と、光導波路層の両側の
埋め込み層とからなる光導波路型光素子において、光導
波路層は等方性半導体結晶であり、埋め込み層は絶縁性
物質であり、光導波路層の厚さは、光導波路層に平行な
偏波を持つ光の光導波路層と垂直な方向についての光閉
じ込め係数と、光導波路層に垂直な偏波を持つ光の光導
波路層と垂直な方向についての光閉じ込め係数との差の
絶対値が最大となる厚さより大きいことを特徴とする。
【0016】この発明の好適実施例では、絶縁性物質を
屈折率が2.5以下の物質とすることを特徴とする。
【0017】
【作用】一般に、光強度変調器からの出力光強度POUT
は入力光強度をPINとして、次式のように表される。な
お、光強度変調器では、光導波路層が光吸収層として機
能する。
【0018】 POUT =PINη2 exp{−Γ(α0 +Δα)L}・・・・・・・・(1) η :端面での光の結合効率 Γ :光導波路層の光閉じ込め係数 α0 :電圧無印加時の吸収係数 Δα:電圧印加時の吸収係数の変化 L :素子長 ここで、α0 およびΔαは負の値であり、これを正の値
として扱うため(1)式中にマイナスの符号を導入して
いる。
【0019】(1)式を用いてTM偏波光の消光比およ
びTE偏波光の消光比をそれぞれデシベル表示で表す
と、次式のように表される。
【0020】 10log[POUT,TE/PIN,TE]=10log[ηTE 2exp{-ΓTE( α0,TE+ ΔαTE)L}]・(2) 10log[POUT,TM/PIN,TM]=10log[ηTM 2exp{-ΓTM( α0,TM+ ΔαTM)L}]・(3) ここで、POUT,TE およびPOUT,TM は、TE偏波光および
TM偏波光の出力光強度であり、PIN,TEおよびP
IN,TMは、TE偏波光およびTM偏波光の入力光強度で
ある。
【0021】通常、TM偏波光に対する消光が最大とな
るとき、TM偏波光に対する消光が最小となり、TM偏
波光に対する消光が最小となるとき、TM偏波光に対す
る消光が最大となる。従って、偏波依存性ロス(PD
L)は、TM偏波光の消光比とTE偏波光の消光比との
差、つまり(2)式の右辺と(3)式の右辺との差の絶
対値として次式のように与えられ、デシベル表示で表さ
れる。
【0022】 PDL =|10log[POUT,TM/PIN,TM]−10log[POUT,TE/PIN,TE]| =|10log( ηTM/ ηTE)2 +10log[exp{( ΓTEα0,TE−ΓTMα0,TM)L}] +10log[exp{( ΓTEΔαTE−ΓTMΔαTM)L}]| ・・・・・・・(4) (4)式から理解できるように、偏波依存性ロス(PD
L)を小さくするためには、端面での光結合効率η、光
閉じ込め係数Γ、電圧無印加時の吸収係数α0および電
圧印加時の吸収係数の変化Δαのそれぞれについて、T
E偏波光に対する値とTM偏波光に対する値との差を小
さくすればよい。
【0023】そして、光導波路層として等方性半導体結
晶を用いた場合、α00,TE=α0,TMおよびΔα= Δα
TE=ΔαTMとして良いので(4)式は次式のようにな
る。
【0024】 PLD =|10log( ηTM/ ηTE)2 +10log[exp{( ΓTE−ΓTM) α0L}] +10log[exp{( ΓTE−ΓTM) ΔαL}]| =|10log( ηTM/ ηTE)2 +10log[exp{(ΓTE−ΓTM)(α0 +Δα)L}]| ≒|10log( ηTM/ ηTE)2+4.343( ΓTE−ΓTM)(α0 +Δα)L| ・(5) ここで、ΔΓ=| ΓTE−ΓTM| とすると、(5)式は次
のように表される。
【0025】 PLD =|10log( ηTM/ ηTE)2+4.343 ΔΓ( α0 +Δα)L| ・・・(6) また、(6)式中、結合効率ηTMおよびηTEは光閉じ込
め係数ΓTMおよびΓTEに主に依存する。したがって、偏
波に依存する項は光閉じ込め係数のみであるとみなすこ
とが出来る。そして、偏波依存性ロス(PDL)を小さ
くするためには、TE偏波光の光閉じ込め係数とTM偏
波光の光閉じ込め係数との差の絶対値ΔΓを小さくすれ
ば良い。
【0026】一般に、光導波路層と垂直な方向について
の光閉じ込め係数の差の絶対値ΔΓV は、光導波路層の
厚さに依存して変化し、ある厚さのとき最大となる。図
3は、光導波路層と垂直な方向についての光閉じ込め係
数の差の絶対値ΔΓV の光導波路層厚依存性を等価屈折
率法を用いて計算した結果である。図3は、縦軸に光閉
じ込め係数の差の絶対値ΔΓV を取って示し、横軸に光
導波路層厚を取って示している。計算には、等価屈折率
法を用いた。この場合、光導波路層の屈折率を3.4
8、光導波路層の上下のクラッド層の屈折率を3.17
2とし、また、クラッド層の厚さを無限大(∞)とし、
光導波路層幅を無限大(∞)として計算した。また、光
吸収層に入射する光として、波長が1.55μm帯にあ
る光を考えている。なお、図3において、曲線aは、最
低次の垂直横モードに対する光閉じ込め係数の差の絶対
値ΔΓV の光導波路層厚依存性を示し、曲線bは、1次
の垂直横モードに対する光閉じ込め係数の差の絶対値Δ
ΓV の光導波路層厚依存性を示す。
【0027】図3から理解できる様に、光導波路層の厚
さが0.2μm付近で光閉じ込め係数の差の絶対値ΔΓ
V は最大(約0.068)となり、さらに、光導波路層
の厚さが大きくなると、光閉じ込め係数の差の絶対値Δ
ΓV は徐々に小さくなる。また、光導波路層の厚さが
0.54μm付近から厚くなると、1次の垂直横モード
が光導波路層を伝搬するようになる。
【0028】図4は、光導波路層の厚さを0.25μm
とし、図3から得られる光導波路層および光導波路層の
上下のクラッド層の三層から求められる等価屈折率を用
いて、光導波路層と平行な方向についての光閉じ込め係
数の差の絶対値ΔΓP の光導波路層幅依存性を等価屈折
率法により計算した結果である。図4は、縦軸に光閉じ
込め係数の差の絶対値ΔΓP を取って示し、横軸に光導
波路層幅を取って示している。そして、図4において、
曲線cは光導波路層の両側を屈折率が3.172の物質
で埋め込んだ構造の場合の計算結果を示し、曲線dは屈
折率が1.844の物質で埋め込んだ構造の場合につい
ての計算結果を示している。なお、屈折率が3.172
の物質で埋め込んだ構造というのは、文献2で示す光導
波路層の両側をFe−InPで埋め込む構造に相当す
る。
【0029】図4から理解できるように、光導波路層の
幅が3.0μmとすると、光導波路層の両側を屈折率が
3.172の物質で埋め込んだ構造の場合の光閉じ込め
係数の差の絶対値ΔΓP,3.172 と屈折率が1.844の
物質で埋め込んだ構造の場合の光閉じ込め係数の差の絶
対値ΔΓP,1.844 との比は次のように表される。
【0030】 ΔΓP,1.844 /ΔΓP,3.172 ≒0.0003/0.003=0.1・(7) そして、光閉じ込め係数の差の絶対値ΔΓが充分小さい
場合には、(6)式を近似的に次式のように表すことが
出来る。
【0031】 PDL ≒|4.343ΔΓ( α0 +Δα)L| ・・・・・・・・・・・・・・・(8) また、電界強度が数十〜数百kV/cmの電圧を印加す
ると、α0 ≪Δαとなる。さらに、吸収層の構造、組成
が同じであり、かつ印加電圧が同じであれば、埋め込み
層に関わらずΔαは等しい。従って、(8)式は、次式
のように表される。
【0032】 PDL1.844 /PDL3.172 =ΔΓP,1.844 /ΔΓP,3.172 ・・・・(9) ここで、PDL3.172 は屈折率が3.172の物質で埋
め込んだ構造の場合の偏波依存性ロスを表し、PDL
1.844 は屈折率が1.844の物質で埋め込んだ構造の
場合の偏波依存性ロスを表している。
【0033】このように、光導波路層の両側を屈折率の
小さい(ここでは、1.844)の物質で埋め込むと、
偏波依存性ロス(PDL)を小さくすることが出来る。
【0034】また、一般に光増幅器からの出力光強度は
次式のように表される。なお、光増幅器では、光導波路
層が光増幅層として機能する。
【0035】 POUT =PINη2 exp{Γ(Δg−α1 )L}・・・・・・・(10) η :端面での光の結合効率 Γ :光導波路の光閉じ込め係数 α1 :電流を注入しないときの吸収係数 Δg:電流注入時の利得係数の変化 L :素子長 (10)式は、(1)中に示す電圧無印加時の吸収係数
α0 を電流を注入しないときの吸収係数α1 に変更し、
電圧印加時に吸収係数の変化Δαを電流注入時の利得係
数の変化Δgに変更することにより得られる。しかし、
Δgは正の値であるため、(1)式中のΔαに付されて
いるマイナスの符号がΔgには付されていない。このこ
とを考慮すると、偏波依存性ロス(PDL)は、次のよ
うに表される。ここでは、光導波路層として等方性半導
体結晶を用いた場合について示す。
【0036】 PDL =|10log[POUT,TM/PIN,TM]−10log[POUT,TE/PIN,TE]| =|10log( ηTM/ ηTE)2 +10log[exp{( ΓTEα1,TE−ΓTMα1,TM)L}] +10log[exp{( ΓTMΔgTM−ΓTEΔgTE)L}]| =|10log( ηTM/ ηTE)2 +10log[exp{( ΓTE−ΓTM) α1L}] +10log[exp{( ΓTM−ΓTE) ΔgL}]| =|10log( ηTM/ ηTE)2 +10log[exp{(ΓTE−ΓTM)(α1 −Δg)L}]| ≒|10log( ηTM/ ηTE)2+4.343(ΓTE−ΓTM)(α1 −Δg)L| =|10log( ηTM/ ηTE)2+4.343 ΔΓ( α1 −Δg)L| ≒|4.343ΔΓ( α1 −Δg)L| ・・・・・・・・・・・・・・(11) (11)式において、α1 =α1,TE=α1,TM、Δg=Δ
TE=ΔgTMとし、ΔΓ=| ΓTE−ΓTM| として表して
いる。(11)式から理解できるように、偏波依存性ロ
ス(PDL)を小さくするためには、ΔΓを小さくすれ
ば良く、光強度変調器の場合と同様にして、光導波路層
の両側を屈折率の小さい物質で埋め込むと波依存性ロス
(PDL)を小さくすることが可能になる。
【0037】また、単に光導波路層として利用する場合
には、偏波依存性ロス(PDL)は、(8)式および
(11)式において、Δα、Δgをそれぞれ0とした場
合に相当する。この場合にも偏波依存性ロス(PDL)
を小さくするためには、ΔΓを小さくすれば良く、光強
度変調器の場合と同様にして、光導波路層の両側を屈折
率の小さい物質で埋め込むと波依存性ロス(PDL)を
小さくすることが可能になる。
【0038】このため、上述したこの発明の光導波路型
光素子によれば、光導波路層は等方性半導体結晶であ
り、光導波路層の両側の埋め込み層は絶縁性物質であ
る。そして、光導波路層の厚さは、光導波路層に平行な
偏波を持つ光の光導波路層と垂直な方向についての光閉
じ込め係数と、光導波路層に垂直な偏波を持つ光の光導
波路層と垂直な方向についての光閉じ込め係数との差の
絶対値が最大となる厚さより大きくする。
【0039】その結果、偏波依存性の小さい光導波路型
光素子を得ることが出来た。
【0040】
【実施例】以下、図面を参照して、この発明の実施例を
説明する。これらの図面において、各構成成分は、この
発明が理解出来る程度に各構成成分の形状、大きさ、お
よび配置関係を概略的に示してあるにすぎない。また、
説明に用いる各図において同様な構成成分については同
一の番号を付して示している。
【0041】1.第1実施例 第1実施例は光導波路型光素子の一つである光強度変調
器について示している。光強度変調器では、光導波路層
が光吸収層として機能する。図1は、光強度変調器を構
成する素子を概略的に示す断面図である。この素子は、
n−InP半導体基板10上に、順にn−InPクラッ
ド層、アンドープト(undoped)InGaAsP
光導波路層30、アンドープト(undoped)In
P拡散防止層40、p−InPクラッド層50、p+
InGaAsコンタクト層60が積層されている。そし
て、n−InPクラッド層は基板10側の基板側n−I
nPクラッド層20aと光導波路層30側の光導波路層
側n−InPクラッド層20bとから構成されている。
そして、光導波路層側n−InPクラッド層20b、厚
さが約0.25μmのアンドープトInGaAsP光導
波路層30、厚さが約0.1μmのアンドープトInP
拡散防止層40、厚さが約2μmのp−InPコンタク
ト層50および厚さが約0.2μmのp+ −InGaA
sコンタクト層60により幅3μm、深さ4〜5μmの
リッジストライプ構造70が形成されている。また、入
射光として波長1.55μmの光を用いるため、アンド
ープトInGaAsP光導波路層30のホトルミネッセ
ンス波長は1.47μmである。そして、リッジストラ
イプ構造70の両側は、低誘電率のポリイミド80で埋
め込まれている。さらに、リッジストライプ構造70の
上部には、オーミックコンタクト用n型電極90および
ボンディング用n型電極100を形成し、基板の裏面に
は、オーミックコンタクト用p型電極110およびボン
ディング用p型電極120を形成する。
【0042】このように素子130を構成した場合、光
導波路層30として、等方性の半導体結晶であるアンド
ープトInGaAsP光導波路層30が用いられてい
る。そして、光導波路層30の屈折率は3.48であ
り、光導波路層30の上下に位置するn−InPクラッ
ド層(20aおよび20b)、p−InPクラッド層5
0およびアンドープトInP拡散防止層40の屈折率は
3.178である。これらの屈折率の値を用いて、光導
波路層と垂直な方向についてのTE偏波光の光閉じ込め
係数とTM偏波光の光閉じ込め係数との差の絶対値ΔΓ
V の光導波路層厚依存性を等価屈折率法により計算し
た。その結果は、図3の曲線aおよびbのように表され
る。第1実施例における光導波路層30の厚さ0.25
μmは、図3中の曲線aの場合の光閉じ込め係数の差の
絶対値ΔΓV が最大となる厚さ0.2μmより大きいこ
とが理解できる。
【0043】また、この素子130は、光導波路層30
の両側が絶縁性物質である屈折率1.844のポリイミ
ド80で埋め込まれており、光導波路層30の幅は約3
μmである。従って、図4および(9)式から理解でき
るように、この実施例の素子130を用いた光強度変調
器の偏波依存性ロス(PDL)は、文献2に開示する光
強度変調器に比べて、約1/10であることが予想出来
る。
【0044】そこで、この実施例の素子130を用い
て、偏波依存性ロス(PDL)を測定した。測定は、素
子130に3Vの電圧を印加して行った。この場合、光
導波路層の厚さは0.26μmであるため、電界強度は
約115kV/cmとなる。そして、偏波依存性ロス
(PDL)は、次式のように表されるため、TE偏波光
を素子130に入射する場合には、入射光強度と素子1
30から出射するTE偏波光強度を測定し、TM偏波光
を素子130に入射する場合には、入射光強度と素子1
30から出射するTM偏波光強度を測定した。
【0045】 PDL =|10log[POUT,TM/PIN,TM]−10log[POUT,TE/PIN,TE]|・・・・(12) そして、各測定値を(12)式に代入して偏波依存性ロ
ス(PDL)を求めると、偏波依存性ロス(PDL)
は、約0.3dBとなり、偏波依存性を実用的な値まで
小さくすることが可能になった。また、この値は、文献
2に開示する光強度変調器における偏波依存性ロス(P
DL)の約1/10であり、予想された値とほぼ一致す
る。
【0046】この結果は光導波路層30に等方性半導体
結晶を用い、光導波路層30の両側を絶縁性物質である
ポリイミドで埋め込んであり、さらに、光導波路層30
の厚さを光導波路層に平行な偏波を持つ光の光導波路層
と垂直な方向についての光閉じ込め係数と、光導波路層
に垂直な偏波を持つ光の前記光導波路層と垂直な方向に
ついての光閉じ込め係数との差の絶対値が最大となる厚
さより大きくしたことにより得られたということが理解
出来る。
【0047】また、このような光強度変調器を、光通信
システムの光送信機内、光伝送路内、光受信機内に組み
込むことにより、システム全体の性能を向上させること
が可能である。特に、通常の光通信システムでは、光フ
ァイバを伝送してきた光の偏波を制御することは非常に
困難であるので、光伝送路内や光受信機内に組み込むこ
とにより、システム全体の安定性を図ることができる。
さらに、この素子は光ゲートスイッチとして使用する場
合にも有用である。
【0048】2.第2実施例 第2実施例は、光導波路型光素子の一つである光増幅器
について示している。なお、光増幅器では、光導波路層
が光増幅層として機能する。図2は、光増幅器を構成す
る素子を概略的に示す断面図である。第2実施例の素子
には第1実施例の素子に設けられているアンドープトI
nP拡散防止層40は設けられていない。また、入射光
として波長1.55μmの光を用いるため、アンドープ
トInGaAsP光導波路層30のホトルミネッセンス
波長は1.57μmである。その他の構成要素は第1実
施例の光強度変調器の場合と同じである。
【0049】このように素子130を構成した場合、光
導波路層30として、等方性の半導体結晶であるアンド
ープトInGaAsP光導波路層30を用い、そして、
光導波路層30の屈折率は3.48であり、光導波路層
の上下に位置するn−InPクラッド層(20aおよび
20b)およびp−InPクラッド層50の屈折率は
3.178である。これらの屈折率の値を用いて、TE
偏波光とTM偏波光との間の光導波路層と垂直な方向に
ついての光閉じ込め係数の差の絶対値ΔΓV の光導波路
層厚依存性を等価屈折率法により計算した。その結果
は、図3の曲線aおよびbのように表される。第2実施
例における光導波路層30の厚さ0.25μmは、図3
中の曲線aの場合の光閉じ込め係数の差の絶対値ΔΓV
が最大となる厚さ0.2μmより大きいことが理解でき
る。
【0050】また、この素子130は、光導波路層30
の両側が絶縁性物質である屈折率1.844であるポリ
イミド80で埋まれている。
【0051】従って、この第2実施例の素子130を用
いた光増幅器の偏波依存性ロス(PDL)を、実用的な
値まで小さくすることが可能になる。
【0052】そして、第1実施例の場合と同様、このよ
うな光増幅器を、光通信システムの光送信機内、光伝送
路内、光受信機内に組み込むことにより、システム全体
の性能を向上させることが可能である。特に、通常の光
通信システムでは、光ファイバを伝送してきた光の偏波
を制御することは非常に困難であるので、光伝送路内や
光受信機内に組み込むことにより、システム全体の安定
性を図ることができる。また、光強度変調器と集積化し
て、光強度変調器の挿入損失を補償する用途としても有
用である。
【0053】この発明は、上述した実施例に限定される
ものではないことは明らかである。たとえば、この第1
および第2実施例では、導波路層の両側を屈折率が1.
844であるポリイミドで埋め込んでいるが、屈折率が
2.5以下の絶縁性物質であれば、光導波路層との屈折
率差を十分にとることができ、光導波路層に平行な方向
の光閉じ込め係数の偏波による差を極めて小さくでき
る。従って、ポリイミド以外に空気(屈折率1)、Si
2 (屈折率1.4〜1.6)、SiOx (屈折率1.
8)、SiNx (屈折率2.0)およびAl23 (屈
折率1.6〜1.8)などの絶縁性物質あるいはそれら
の適当な組み合わせを用いることもできる。
【0054】また、例えば、第1実施例では光強度変調
器の場合について示しているが、電界吸収効果および電
気光学効果を利用した光位相変調器として適用すること
もできる。
【0055】また、第1および第2実施例に示す素子を
電界吸収効果や光増幅効果を利用した光スイッチや光フ
ィルターなどに用いることもできるし、光吸収層や光増
幅層を単に光導波路として用いることもできる。
【0056】また、この発明は、基板の極性、基板の面
方位、あるいはストライプの形成方向、光導波路層の形
成方法および成長方法には限定されるものではない。さ
らに、実施例では、InP系の材料を用いた場合につい
て示したが、GaAs系の材料を用いた場合についても
適用出来る。
【0057】
【発明の効果】上述した説明から明らかなように、この
発明の光導波路型光素子によれば、光導波路層は等方性
半導体結晶であり、光導波路層の両側の埋め込み層は絶
縁性物質である。そして、光導波路層の厚さは、光導波
路層に平行な偏波を持つ光の光導波路層と垂直な方向に
ついての光閉じ込め係数と、光導波路層に垂直な偏波を
持つ光の光導波路層と垂直な方向についての光閉じ込め
係数との差の絶対値が最大となる厚さより大きくする。
【0058】その結果、偏波依存性の小さい光導波路型
光素子が得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の説明に供する光強度変調器を構成
する素子を示す断面図である。
【図2】第2実施例の説明に供する光増幅器を構成する
素子を示す断面図である。
【図3】光導波路層と垂直な方向についての光閉じ込め
係数の差の光導波路層厚依存性である。
【図4】光導波路層と平行な方向についての光閉じ込め
係数の差の光導波路層幅依存性である。
【符号の説明】
10:n−InP半導体基板 20a:基板側n−InPクラッド層 20b:光導波路層側n−InPクラッド層 30:アンドープトInGaAsP光導波路層 40:アンドープトInP拡散防止層 50:p−InPクラッド層 60:p+ −InGaAsPコンタクト層 70:リッジストライプ構造 80:ポリイミド 90:オーミックコンタクト用n型電極 100:ボンディング用n型電極 110:オーミックコンタクト用p型電極 120:ボンディング用p型電極 130:素子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G02B 6/12 N

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも基板と、該基板の上側の光導
    波路層と、該光導波路層の上側のクラッド層と、前記光
    導波路層の両側の埋め込み層とからなる光導波路型光素
    子において、 前記光導波路層は等方性半導体結晶であり、 前記埋め込み層は絶縁性物質であり、 前記光導波路層の厚さは、前記光導波路層に平行な偏波
    を持つ光の前記光導波路層と垂直な方向についての光閉
    じ込め係数と、前記光導波路層に垂直な偏波を持つ光の
    前記光導波路層と垂直な方向についての光閉じ込め係数
    との差の絶対値が最大となる厚さより大きいことを特徴
    とする光導波路型光素子。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の光導波路型光素子にお
    いて、前記絶縁性物質を前記光に対する屈折率が2.5
    以下の物質とすることを特徴とする光導波路型光素子。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004510178A (ja) * 2000-08-11 2004-04-02 アルカテル・オプトロニクス・ユー・ケイ・リミテツド 集積化された光装置
EP1182474A3 (en) * 2000-08-22 2004-11-10 Nippon Telegraph and Telephone Corporation Optical waveguide and fabricating method thereof, and optical waveguide circuit
JP2010286602A (ja) * 2009-06-10 2010-12-24 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 可変光減衰器およびその製造方法

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Effective date: 20011106