JP2010286602A - 可変光減衰器およびその製造方法 - Google Patents

可変光減衰器およびその製造方法 Download PDF

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英隆 西
Yasushi Tsuchizawa
泰 土澤
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Abstract

【課題】シリコンコアより構成されたキャリア注入型の可変光減衰器における偏波依存損失が低減できるようにする。
【解決手段】シリコンより構成されたコア101よりなる光導波路と、印加される電流に対応してコア101にキャリアを注入するキャリア注入部110とを備える。加えて、コア101よりなる光導波路は、TM偏光に対して求められる光導波路の実効屈折率の虚部の値と、TE偏光に対して求められる光導波路の実効屈折率の虚部の値との差が、所望の値以下となる状態に形成されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、光信号強度を任意の値に減衰させる導波路型の可変光減衰器に関し、特に、導波路における偏波依存損失を抑制した可変光減衰器およびその製造方法に関するものである。
近年の光通信網において、光信号強度を任意の値に減衰させることが可能な導波路型可変光減衰器は、重要なデバイスとなっている。特に、シリコン細線光導波路へキャリア注入を行うことで伝搬光強度を任意の値に減衰させられる導波路型可変光減衰器(キャリア注入型Si細線可変光減衰器)は、高速動作が可能で、小型で集積性に優れるなどの特徴を有している(非特許文献1参照)。
この、キャリア注入型Si-可変光減衰器は、光導波路のコアに半導体であるシリコンを用いているため、導波路コアへと電子やホールなどのキャリアを注入できる。また、キャリア注入型Si-可変光減衰器は、これらキャリアの注入量を任意に制御できる。導波路コア内にキャリアが存在すると、コアを伝搬する光は公知のキャリアプラズマ効果によって強度が減衰する。さらに、コアを伝播する光の減衰量は、キャリア量に応じて変化させることができる。したがって、キャリア注入型Si-可変光減衰器では、シリコン光導波路コア内に注入するキャリア量を変化させることで、出力光強度を任意に変化させることができる。
また、キャリア注入型Si-可変光減衰器には、シリコンコアの断面の寸法が、非特許文献1に示されているサブミクロンオーダーのものと、ミクロンオーダーのもの(非特許文献2)とがある。これらの中では、サブミクロンオーダの前者の方が高速に動作することが一般的に知られており、キャリア注入型Si細線可変光減衰器と呼ばれている。
山田 浩治 他、「シリコン細線導波路の作成およびその関連技術」、レーザ学会誌、レーザー研究、Vol.35, No.9, pp.550-555, 2007. http://www.kotura.com/pdf/KOTURA_Ultra_可変光減衰器_Array_Application_Note-Transient_Suppression_and_Channel_Identification_and_Control.pdf R.A. Soref and B. R. Benett, "Electrooptical Effect in Silicon", IEEE Journal of Quantum Electronics, Vol.QE-23, No.1, pp.123-129, 1987. 細野 敏夫 著、「電磁波工学の基礎」、昭晃堂、42-43ページ、1973。
しかしながら、上述のキャリア注入型Si細線可変光減衰器は、導波路コアにキャリアを注入し減衰動作させる際、導波路を伝搬する偏波モードによって減衰量が異なる偏波依存性があった。光通信網上では、様々な偏波状態の光が行き交うため、網を構成する光デバイスに偏波依存性がある状態は、問題となる。
本発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、シリコンコアより構成されたキャリア注入型の可変光減衰器における偏波依存損失が低減できるようにすることを目的とする。
本発明に係る可変光減衰器は、シリコンのコアよりなる光導波路と、印加される電流に対応してコアにキャリアを注入するキャリア注入手段とを備え、光導波路は、TM偏光に対して求められる光導波路の実効屈折率の虚部の値と、TE偏光に対して求められる光導波路の実効屈折率の虚部の値との差が、所望の値以下となる状態に形成されている。
上記可変光減衰器において、光導波路は、TM偏光に対して求められる光導波路の実効屈折率の虚部の値と、TE偏光に対して求められる光導波路の実効屈折率の虚部の値との差が、0となる状態に形成されていればよい。また、光導波路の実効屈折率は、光導波路を構成しているコアおよびクラッドの屈折率と、光導波路における対象とする光の波長の吸収係数と、コアの断面形状とより算出されるものである。
上記可変光減衰器において、光導波路は、コアに接続するスラブ層を備えるリブ型光導波路から構成され、キャリア注入手段は、コアを挟むようにスラブ層に形成されたp型領域およびn型領域と、p型領域およびn型領域の各々に接続する電極とを備え、コアの断面形状は、コアの高さ,コアの幅,およびスラブ層の厚さを含むものであればよい。
また、本発明に係る可変光減衰器の製造方法は、シリコンのコアよりなる光導波路のコアの断面形状を含む仕様を設定する第1工程と、設定された仕様をもとに光導波路における対象とする光の吸収係数を設定する第2工程と、設定した仕様および吸収係数をもとに、TE偏光に対する光導波路の実効屈折率の虚部の値kTEを算出する第3工程と、設定した仕様および吸収係数をもとに、TM偏光に対する光導波路の実効屈折率の虚部の値kTMを算出する第4工程と、算出したkTEとkTMとの差が設定値以下となる仕様を決定する第5工程と、決定された仕様で光導波路を形成する第6工程と、印加される電流に対応してコアにキャリアを注入するキャリア注入手段を形成する第7工程とを少なくとも備える。
以上説明したように、本発明によれば、TM偏光に対して求められる光導波路の実効屈折率の虚部の値と、TE偏光に対して求められる光導波路の実効屈折率の虚部の値との差が、所望の値以下となる状態に光導波路が形成されているので、シリコンコアより構成されたキャリア注入型の可変光減衰器における偏波依存損失が低減されるようになるという優れた効果が得られる。
本発明の実施の形態における可変光減衰器の構成を示す構成図である。 本発明の実施の形態における可変光減衰器の構成を示す断面図である。 本実施の形態における可変光減衰器の応答を示す特性図である。 本発明の実施の形態における可変光減衰器の一部構成を示す断面図である。 キャリア(電子)注入時のコア断面における濃度(密度)分布を示す特性図である。 キャリア(正孔)注入時のコア断面における濃度(密度)分布を示す特性図である。 各偏波の減衰の差「Att.TE−Att.TM」を計算した結果を示す特性図である。 各偏波の減衰の差「Att.TE−Att.TM」を計算した結果を示す特性図である。 本実施の形態における可変光減衰器と、このコア101の幅wとの関係を示す相関図である。 本発明の実施の形態における可変光減衰器の製造方法を説明するためのフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。図1は、本発明の実施の形態における可変光減衰器の構成を示す構成図である。図1では、平面視した状態を示している。この可変光減衰器は、シリコンより構成されたコア101よりなる光導波路と、印加される電流に対応してコア101にキャリアを注入するキャリア注入部110とを備える。加えて、コア101よりなる光導波路は、TM偏光に対して求められる光導波路の実効屈折率の虚部の値と、TE偏光に対して求められる光導波路の実効屈折率の虚部の値との差が、所望の値以下となる状態に形成されている。
ここで、上述した光導波路は、コア101に接続するスラブ層102を備えるリブ型導波路から構成され、キャリア注入部110は、コア101を挟むようにスラブ層102に形成されたp型領域111およびn型領域112を備える。この構造により、断面内水平方向に、pinダイオードが構成される。また、図示していないが、p型領域111およびn型領域112の各々には、電極が接続され、これらに電流を印加することを可能としている。なお、ここで示す構造は、コア101に対するキャリア注入のための一例であり、これに限らず、シリコンよりなるコア101内にキャリアを注入可能な構造であれば、他の構成であってもよい。
例えば、図2の断面図に示すように、可変光減衰器は、よく知られたSOI(Silicon on Insulator)基板の基部201の上に、下部クラッドとなる埋め込み酸化膜202を介し、上述したスラブ層102およびコア101を備え、また、p型領域111およびn型領域112を備える。コア101およびスラブ層102は、SOI基板の表面シリコン(SOI)層を、公知のフォトリソグラフィ技術およびエッチング技術によりパターニングすることで形成できる。
また、コア101およびスラブ層102の上には、第1上部クラッド層203を備え、第1上部クラッド層203の上に、p型領域111およびn型領域112に接続する電極配線204および電極配線205を備える。電極配線204および電極配線205は、第1上部クラッド層203に形成された貫通孔を介し、p型領域111およびn型領域112に接続している。また、第1上部クラッド層203の上には、電極配線204および電極配線205の一部を覆うように、第2上部クラッド層206を備える。なお、図2は、図1のAA’線の断面に相当する部分を示している。
ここで、上述した可変光減衰器の製造について簡単に説明する。まず、埋め込み酸化膜の膜厚が3μmとされているSOI基板を用意し、このSOI層の厚さを、コア101の高さと等しい厚さ(例えば300nm)に加工する。次に、コア101のパターニングのためのマスクとなる酸化シリコン膜をSOI層の上に形成する。例えば、公知のCVD法で、酸化シリコンを堆積することで、上記酸化シリコン膜が形成できる。
次に、酸化シリコン膜の上に感光性レジストを塗布し、これをリソグラフィー技術によりパターニングし、平面視コア101の形状となるレジストマスクパターンを形成する。次いで、形成したレジストマスクパターンをマスクとし、反応性イオンエッチング(RIE)により、酸化シリコン膜を選択的にエッチングし、酸化シリコンマスクパターンを形成する。次に、レジストマスクパターンを除去し、引き続き、酸化シリコンマスクパターンをマスクとしてSOI層をパターニングする。例えば、RIEによりSOI層を選択咳にエッチングすればよい。この後、例えば、CVD法によって酸化シリコンを堆積すれば、第1上部クラッド層203が形成でき、SOI層に形成したコア101よりなる光導波路が形成できる。
次に、p型領域111となる領域の第1上部クラッド層203に開口部を形成する。例えば、感光性レジストの膜を形成し、このレジスト膜を公知のリソグラフィー技術によりパターニングし、対応する開口を備えるレジストパターンを形成する。次に、このレジストパターンをマスクとして第1上部クラッド層203を選択的にエッチングし、上記開口を形成する。この状態で、例えばイオン注入法により、第1上部クラッド層203に形成した開口部に露出するスラブ層102に、p型不純物をイオン注入することで、p型領域111を形成する。
次に、上述したレジストパターンを除去した後、n型領域112となる領域の第1上部クラッド層203に開口部を形成する。例えば、感光性レジストの膜を形成し、このレジスト膜を公知のリソグラフィー技術によりパターニングし、対応する開口を備えるレジストパターンを形成する。次に、このレジストパターンをマスクとして第1上部クラッド層203を選択的にエッチングし、上記開口を形成する。ここでは、p型領域111を形成した開口部は、レジストパターンにより覆われている。この状態で、例えばイオン注入法により、第1上部クラッド層203に形成した開口部に露出するスラブ層102に、n型不純物をイオン注入することで、n型領域112を形成する。
次に、上述したレジストパターンを除去した後、第1上部クラッド層203の上に、金属膜(例えばアルミニウム膜)を形成する。この金属膜の形成では、形成した金属膜が、第1上部クラッド層203に形成した開口を埋め、ここに露出するp型領域111およびn型領域112に接するようにする。次に、形成した金属膜を、公知のフォトリソグラフィ技術およびエッチング技術によりパターニングすることで、アルミニウムよりなる電極配線204および電極配線205が形成できる。この後、形成した電極配線204および電極配線205を覆うように、第1上部クラッド層203の上に酸化シリコンを堆積すれば、第2上部クラッド層206が形成できる。
上述したように作製する可変光減衰器のシリコン細線光導波路は、広く産業化されているシリコン電子回路作製プロセスを応用して作製しており、生産性に優れる。さらに、シリコンより構成したコア101よりなる光導波路は、よく知られているように光を強く閉じ込めることが可能であり、数μmの微小な半径で曲げることが可能となり、微小サイズで集積度の高い光導波路デバイスを構成することができる。
以下に、上述した本実施の形態における、可変光減衰器の動作原理について説明する。p型領域111,コア101,およびn型領域112からなるpinダイオードに順バイアスを印加すると、この領域のコア101にキャリアが注入される。コア101内に注入したキャリアによって、コア101よりなる光導波路を伝搬する光を吸収させることで透過光強度を減衰させる。
また、p型領域111およびn型領域112のp−n間隔が2μmの場合、図3に示すように、光強度をナノ秒オーダで減衰させることができ、応答速度をナノ秒オーダーとすることができる。p−n間隔をより短くすれば、さらに応答速度を高速化することも可能である。このような高速動作は、コアの幅がμmオーダーのシリコン導波路では不可能であり、サブμmオーダーであるコア101により初めて実現できる。
次に、キャリア注入型シリコン細線可変光減衰器において、偏波依存損失が発生する原因を説明する。シリコン細線光導波路は、コアが半導体であるシリコン、クラッドが絶縁体である酸化シリコンから構成されるため、伝搬光を吸収する過剰キャリアはコアであるシリコン領域に主に存在することになる。このため、伝搬光のなかで吸収され減衰するのは、コア内に存在する光となり、クラッドに漏れだす光は吸収されない。以上の原理から、可変光減衰器の出力光強度Ioutは、以下の式1のように表すことができる。
Figure 2010286602
ここで、式1における、x−y平面は、図4の斜視図に示すように、コア101の断面であり、Iin(x,y) はx−y平面での入射光強度分布を示し、Lは可変光減衰器の長さである。また、式1において、第1項は、クラッドに染み出している光強度であり、第2項は、コア内の光強度である。またα(x,y)はシリコンよりなるコア101の吸収係数であり、(x,y)におけるキャリア濃度の関数として表される(非特許文献3参照)。
式1の第1項と第2項の比が偏波間で異なると、Ioutに偏波間で差が生じ偏波依存損失が発生する。式1より、偏波依存損失を低減するにはパラメータとなるIin(x,y)、α(x,y)を調整すればよいことが分かる。
実際には、シリコン細線導波路内にキャリアを注入した際、コア断面におけるキャリア濃度は分布を有しており、α(x,y)も分布を有していると考えられる。ここでキャリア注入時のコア断面における濃度(密度)分布を、シミュレーションによって計算した一例を図5Aおよび図5Bに示す。このシミュレーションでは、リブ型導波路の各寸法を、コア高さ300nm,コア幅500nm,スラブ層の層厚80nmとした。図5Aは、キャリアとしての電子の密度分布を示し、図5Bは、キャリアとしての正孔の密度分布を示している。キャリア濃度は、コア断面内で1%以下の差の範囲にあり、一様であると近似することができる。したがって、このような場合は、吸収媒質となるコア101は、一様な吸収係数αを有する物質と仮定(近似)することができ、上述した式1は、以下の式2のように書き換えることができる。
Figure 2010286602
式2においては、キャリア濃度がコア内で一様であると仮定した場合であるが、式1および式2のいずれにおいても、TE光とTM光との偏波間でIoutに差が生じるのは、Iin(x,y)の分布に差が生じ、第1項と第2項の比に偏波間で差が生じる場合である。Ioutの偏波間の差を低減するには、いずれかの式の第1項と第2項の比を、TE光の場合とTM光の場合とで揃えるようにすればよく、このためには、コア101内に存在する光の強度を偏波間で一致させればよい。
ところで、コア101よりなる光導波路の実効屈折率Nは、N=n+ikとなり、実部nと虚部kとの和となる(非特許文献4参照)。ここで、各偏波の最低次モードに対し、光導波路の実効屈折率をモードソルバーを用いて計算し、次に、求めたTE偏波およびTM偏波の実効屈折率の虚部kTEおよび虚部kTMから、可変光減衰器での減衰Att.=4πk/λ(1/cm)、を各偏波に対して計算する。このようにして計算したAtt.TEとAtt.TMとの差をとった絶対値|Att.TE−Att.TM|が、偏波依存損失(PDL)に相当する。
したがって、kTEとkTMとの差が所望の値以下となるように、コア101,埋め込み酸化膜202,第1上部クラッド層203,第2上部クラッド層206などの、光導波路を構成している各部分の屈折率および対象とする光の波長に対する吸収係数と、コア101の断面形状とを設定すればよい。
光導波路の実効屈折率は、導波路を構成しているコアおよびクラッドにおける、屈折率および対象とする光の波長の吸収係数と、コアの断面形状とをもとに、例えば、上述したモードソルバーで算出できる。従って、上述した各因子より各偏波において算出される実効屈折率の虚部kTEおよび虚部kTMの差が、例えば0となるように、上述した各因子を設定すれば、偏波依存損失を解消することができる。
次に、実際に計算した結果について説明する。まず、シリコンよりなるコア101は、屈折率が3.476であり、また、下部クラッドとなる埋め込み酸化膜202の屈折率は、1.444である。また、プラズマCVD法で堆積した酸化シリコンよりなる第1上部クラッド層203および第2上部クラッド層206(上部クラッド)の屈折率は1.505である。
これらの条件下で、実効屈折率の虚部kをモードソルバーによって計算し、また虚部kを可変光減衰器での減衰Att.に換算し、さらに、各偏波の減衰の差「Att.TE−Att.TM」を計算した結果を図6Aおよび図6Bに示す。図6Aに示すように、コア101の高さが280〜340nmの範囲において、偏波依存損失「Att.TE−Att.TM」が1dB以下となる。なお、コア101の幅はw=500nmとし、スラブ層102の層厚はh2=80nmとしている。また、コア高さをh=300nmとした時、h2は40〜120nm、wは300〜500nmで、偏波依存損失を1dB以下にすることができる。
このようにして決定した各寸法を、前述した本実施の形態におけるコア101およびスラブ層102の寸法に適用させて、可変光減衰器を作製すればよい。
次に、可変光減衰器における偏波依存損失のコア幅依存性について説明する。図7は、本実施の形態における可変光減衰器と、このコア101の幅wとの関係を示す相関図である。図7に示すように、コアの幅に対する偏波依存損失の変化は、計算値と実験値と近い値となっている。これらより、コア101の幅を変更して可変光減衰器の形状を調整することで、偏波依存損失を抑制することが可能であることがわかる。このように、本発明によれば、シリコン細線コアを用いたキャリア注入型の可変光減衰器の偏波依存損失を抑制することができる。
以下、本実施の形態における可変光減衰器の製造方法について、図8のフローチャートを用いて説明する。まず、ステップS801で、コアやクラッドに用いる材料やコアの断面の寸法(形状)などの仕様を設定する。次に、ステップS802で、設定した仕様をもとに、可変光減衰器の光導波路における対象とする光の吸収係数を設定する。次に、ステップS803で、設定した仕様および吸収係数をもとに、TE偏光に対する光導波路の実効屈折率の虚部の値kTEを算出する。次に、ステップS804で、設定した仕様および吸収係数をもとに、TM偏光に対する光導波路の実効屈折率の虚部の値kTMを算出する。
次に、ステップS805で、算出したkTEとkTMとの差が、設定値以下となっていることを判断し、設定値以下になっている場合、ステップS806に移行し、設定されている仕様に決定する。一方、ステップS805で、算出したkTEとkTMとの差が、設定値以下となっていないと判断した場合、ステップS801に戻り、仕様を変更する。例えば、ステップS806で、設定値を0として算出したkTEとkTMとの差が0になるようにすれば、偏波依存損失がほぼない状態が得られる。このようにして仕様が決定されると、決定された仕様で光導波路を形成し、また、印加される電流に対応して光導波路のコアにキャリアを注入するキャリア注入部を形成すれば、偏波依存損失が所望の値以下とされた可変光減衰器が得られる。
なお、キャリア吸収係数の設定において、設定した仕様によるコアの状態により、光導波路内にキャリアを注入するとコア断面におけるキャリア濃度に分布が生じる場合、この分布を算出し、断面で吸収係数に分布を有するコアを、上述した実効屈折率の計算に用いる。ただし、前述したように、コア断面がサブミクロンサイズと小さい場合、キャリア濃度の分布は一様であり、コアを吸収計数一様な吸収体として計算(算出)可能で、より容易に実効屈折率の計算が行える。
また、算出した実効屈折率の虚部より、各モード(偏波)における減衰量Att.を算出し、算出した減衰量が所望の値となるように、断面形状やキャリア吸収係数の分布などを変更するようにしてもよい。また、決定された仕様(断面形状など)が、実際に作製可能な形状であることを判断するようにしてもよい。言い換えると、仕様は、実際に作製可能な条件の範囲で決定されるとよい。
なお、上述では、リブ型光導波路を例に説明したが、これに限るものではない。本発明は、コアへのキャリア注入が可能な様々な形態の光導波路型の可変光減衰器に対して適用可能である。また、断面寸法がサブミクロンオーダーの値を有する光導波路に限るものではなく、コアの断面寸法が数ミクロンの断面寸法を有するシリコン光導波路においても適用可能である。
101…コア、102…スラブ層、110…キャリア注入部、111…p型領域、112…n型領域。

Claims (6)

  1. シリコンのコアよりなる光導波路と、印加される電流に対応して前記コアにキャリアを注入するキャリア注入手段とを備え、
    前記光導波路は、TM偏光に対して求められる前記光導波路の実効屈折率の虚部の値と、TE偏光に対して求められる光導波路の実効屈折率の虚部の値との差が、所望の値以下となる状態に形成されている
    ことを特徴とする可変光減衰器。
  2. 請求項1記載の可変光減衰器において、
    前記光導波路は、TM偏光に対して求められる前記光導波路の実効屈折率の虚部の値と、TE偏光に対して求められる光導波路の実効屈折率の虚部の値との差が、0となる状態に形成されている
    ことを特徴とする可変光減衰器。
  3. 請求項1または2記載の可変光減衰器において、
    前記光導波路の実効屈折率は、
    前記光導波路を構成しているコアおよびクラッドの屈折率と、
    前記光導波路における対象とする光の波長の吸収係数と、
    前記コアの断面形状とより算出されるものである
    ことを特徴とする可変光減衰器。
  4. 請求項3記載の可変光減衰器において,
    前記光導波路の実効屈折率は、
    前記コア断面での吸収係数分布が一様であるとして,コアを吸収係数一様な吸収体として算出されるものである
    ことを特徴とする可変光減衰器。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の可変光減衰器において、
    前記光導波路は、前記コアに接続するスラブ層を備えるリブ型光導波路から構成され、
    前記キャリア注入手段は、前記コアを挟むように前記スラブ層に形成されたp型領域およびn型領域と、前記p型領域および前記n型領域の各々に接続する電極とを備え、
    前記コアの断面形状は、前記コアの高さ,前記コアの幅,および前記スラブ層の厚さを含むものである
    ことを特徴とする可変光減衰器。
  6. シリコンのコアよりなる光導波路の前記コアの断面形状を含む仕様を設定する第1工程と、
    設定された前記仕様をもとに前記光導波路における対象とする光の吸収係数を設定する第2工程と、
    設定した前記仕様および前記吸収係数をもとに、TE偏光に対する前記光導波路の実効屈折率の虚部の値kTEを算出する第3工程と、
    設定した前記仕様および前記吸収係数をもとに、TM偏光に対する前記光導波路の実効屈折率の虚部の値kTMを算出する第4工程と、
    算出した前記kTEと前記kTMとの差が設定値以下となる前記仕様を決定する第5工程と、
    決定された仕様で前記光導波路を形成する第6工程と、
    印加される電流に対応して前記コアにキャリアを注入するキャリア注入手段を形成する第7工程と
    を少なくとも備えることを特徴とする可変光減衰器の製造方法。
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