JPH08159162A - 軸受のシール装置 - Google Patents

軸受のシール装置

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JPH08159162A
JPH08159162A JP33174794A JP33174794A JPH08159162A JP H08159162 A JPH08159162 A JP H08159162A JP 33174794 A JP33174794 A JP 33174794A JP 33174794 A JP33174794 A JP 33174794A JP H08159162 A JPH08159162 A JP H08159162A
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JP
Japan
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outlet
bearing
clearance
gap
oil
Prior art date
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Withdrawn
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JP33174794A
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English (en)
Inventor
Tamotsu Nose
保 能勢
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Nidec Instruments Corp
Original Assignee
Sankyo Seiki Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 軸受シール装置の耐外力保持性能を高め、軸
受オイルを良好に保持することを可能とする。 【構成】 スラスト軸受における軸受部Aの両端に、所
定の条件を満足する出口部B2個所設けて軸受部Aから
出口部Bまでオイルを満たした状態とし、2個所の両出
口部Bの内容量を、クリアランス0の時のスラスト軸受
部Aの内容量の500%以上に設定するとともに、出口
部外端の隙間寸法をクリアランス0の時の出口部内端の
隙間寸法に対して10倍以上とし、かつ小径側の出口部
内端における隙間を大径側の出口部内端における隙間よ
り小さく設定し、小径側の出口部における平均隙間傾斜
角を大径側の出口部における平均隙間角の2倍以上に設
定することによって、オイル注入量や内部容量のばらつ
き、回転等によるスラスト軸受の浮上や発熱を原因とす
る内容量の変化、蒸発や内部混入空気によるオイル容量
の変化などが生じても、軸受部に常にオイルを保持する
ように構成したもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、回転部材と固定部材と
をオイルを介在して相対的に回転移動可能に支承する軸
受のシール装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、モータ等において軸受にオイルを
用いたものが種々提案されている。例えば図3に示され
ている軸固定型のHDDモータでは、フレーム1に固着
された固定軸2に、ラジアル軸受3及びスラスト軸受5
を介してハブ4が回転自在に装着されている。上記スラ
スト軸受5は、スラスト受板6に対して軸方向に対向さ
れており、当該スラスト軸受5とスラスト受板6との間
の隙間内に回転潤滑剤としてのオイルが供給されてい
る。このオイルは、軸受部に付着され毛管現象によって
保持されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このように軸受部にオ
イルを用いる各種回転機器においては、常にオイル漏れ
の問題が付いて回っており、特に、清浄な環境を要求す
るハードディスク駆動用モータ(HDDモータ)やレー
ザービームプリンタ用モータ(LBPモータ)等におい
ては重大な問題になっている。しかしながら従来の軸受
装置では、単に軸受部の隙間にオイルを付着させただけ
であるため、オイルの量が少ない場合には動圧力等の潤
滑機能を充分に得ることができず、一方オイルの量が多
すぎる場合には濡れてしまうという問題がある。また重
力、振動、衝撃、遠心力、動圧力、気圧、温度、その他
の圧力等の外力に対してオイルを充分保持することがで
きず、信頼性に乏しいという問題がある。
【0004】すなわち清浄度を必要とする用途に用いら
れるオイル軸受に対しては、 1)軸受部には常にオイルが保持されていて必要な軸受
特性を満足すること、 2)オイルが外部に漏れないこと、 が要求されるが、そのためには、 1)オイルの量がばらついたり変化したり移動しても、
それを吸収できるスペースがあり、そのスペース内のオ
イルが安定的に保持される構造であること、 2)外力(重力、振動衝撃、遠心力、動圧力、気圧、温
度、その他の圧力)に耐えられる構造であること、 3)オイルが移動しにくい構造であること、 4)出口側のオイル面が安定で漏れ難くなっているこ
と、 5)空気と混じりあったりしにくい状態であること、 等が必要であるが、このような観点から従来のシール装
置をみると、これらの各条件が不十分であることが判
る。
【0005】そこで本発明は、上記各条件を満足し、軸
受オイルを良好に保持することができるようにした軸受
のシール装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明は、従来の基本構造に対して上記条件を満足させ
るための内容を盛り込んだものであって、固定部材に対
して回転体を回転自在に支承するスラスト軸受が設けら
れているとともに、上記スラスト軸受における隙間内に
オイルが充填され、かつ当該オイルの両端外側に空気が
配されたものであって、前記スラスト軸受における隙間
が、軸受部と、当該軸受部の両端に奥側の出口部内端で
最小隙間を有するとともに外側の出口部外端で最大隙間
を有し前記2個所の両出口部の間の軸受部側から見た所
定位置の隙間における角度を隙間傾斜角としたとき出口
部内端から出口部外端にかけての隙間傾斜角が0°以上
をなし出口部外端の隙間が0.8mm以下で、0.8mmを
越えた部位を出口部の外側とし隙間が0.8mmである点
の隙間傾斜角が45°以上の場合に0.8mm以下かつ4
5°以下の条件を満足する最大隙間部分を出口部外端点
とする条件の2個所の出口部と、軸受部及び出口部の間
に形成された内側空間部と、出口部の外側に形成された
外側空間部と、から構成され、前記2個所の両出口部の
内容量がクリアランス0の時のスラスト軸受部の内容量
の500%以上に設定されているとともに、前記出口部
外端の隙間寸法がクリアランス0の時の出口部内端の隙
間寸法に対して10倍以上に設定され、かつ小径側の出
口部内端における隙間が大径側の出口部内端における隙
間より小さく設定され、小径側の出口部における平均隙
間傾斜角が大径側の出口部における平均隙間角の2倍以
上に設定された手段を有している。
【0007】
【作用】オイルを保持するという観点に立って、2方向
に出口がある構造を見た場合、まずオイルは、2つの出
口位置での毛管吸引圧力のバランスで保持され位置が決
まることになる。この状態は、2つの圧力バランスで釣
り合っている状態であり、片側から何らかの圧力が加わ
ると圧力バランスがとれる位置までオイルが移動するこ
とになる。例えば、毛管吸引圧力をAとBとすると、A
=Bの位置からA=B+外部圧力となる位置までオイル
が移動し、バランスが取れ止まることとなる。
【0008】そして本願発明では、スラスト軸受部の内
容量に対して出口部の内容量が大きく取られているた
め、オイル注入量のばらつき、内部容量のばらつき、回
転等によるスラスト軸受の浮上や発熱を原因とする内容
量の変化、蒸発や内部混入空気によるオイル容量の変化
などが生じても、軸受部には常にオイルが保持され、ま
た外部に漏れ出すこともない。
【0009】また出口部内端と外端の隙間比が大きく取
られているため、オイル表面部で仮に空気が混入するこ
とがあっても軸受部の方まで移動することがなく、さら
にその隙間比による圧力差から自然に空気は外側に移動
し、混入状態が解消される。またその隙間比から、どの
位置でもオイルが安定し易い状態となる。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。本発明の適用装置例として、図3に示した
HDDモータがあるが、前述したように、フレーム1に
固着された固定軸2に、ラジアル軸受3及びスラスト軸
受5を介してハブ4が回転自在に装着されている。上記
スラスト軸受5は、スラスト受板6に対して軸方向に対
向されており、当該スラスト軸受5とスラスト受板6と
の間の隙間内に回転潤滑剤としてのオイルが供給されて
いる。
【0011】すなわち上記スラスト軸受5においては、
図1に示されているように、当該スラスト軸受5とスラ
スト受板6との間の隙間内に、オイル7が連続的に充填
されており、そのオイル7の両端外側に空気がそれぞれ
配されている。
【0012】このとき上記スラスト軸受5とスラスト受
板6との間の隙間は、軸受部Aと、当該軸受部Aの径方
向両端に設けられた以下の1)ないし4)の条件を満足
する2個所の出口部Bと、上記軸受部A及び出口部Bの
間に形成された2個所の内側空間部Cと、出口部Bの外
側に形成された2個所の外側空間Dと、から構成されて
いる。このように前記軸受部Aの図示左右両端には、出
口部B,Bが2個所設けられており、軸受部Aの内部か
ら両出口部B,Bまで軸受オイル7が連続的に充填され
て、オイルの外側端位置が出口部B内に配されている。
【0013】このとき上記各出口部Bは、次のような条
件を満足することとする。すなわち各出口部Bでは、奥
側の最内端を出口部内端、出口部Bの最外端を出口部外
端と呼ぶこととする。また内側(奥側)から見たその位
置の隙間が作る角度を隙間傾斜角とし、隙間が平行であ
るときを0°、外側に広がっている角度をプラス、軸受
部A側に広がっている角度をマイナスとする。上記出口
部B内の隙間は、出口部内端が一番狭く、出口部外端が
一番広く、軸受部A側から見た所定位置の隙間における
角度を隙間傾斜角θとしたとき、出口部内端から出口部
外端にかけての隙間傾斜角が0°以上をなしている。
【0014】また出口部内端点とは、出口部外端より内
側で隙間傾斜角が初めてマイナスとなる隙間の最外側点
をいう。さらに出口部外端の隙間が0.8mm以下で0.
8mmを越えた部位を外側とするとともに、隙間が0.8
mmである点の隙間傾斜角が45°以上の場合に、0.8
mm以下かつ45°以下の条件を満足する最大隙間部分を
出口部外端点とする。
【0015】そして本発明においては、前記2個所の両
出口部Bの内容量が、軸受部Aのクリアランス0の時の
内容量の500%以上に設定されているとともに、前記
出口部外端の隙間寸法が、クリアランス0の時の出口部
内端の隙間寸法に対して10倍以上に設定されている。
また小径側の出口部内端における隙間は、大径側の出口
部内端における隙間より小さく設定され、かつ小径側の
出口部における平均隙間傾斜角が、大径側の出口部にお
ける平均隙間角の2倍以上に設定されている。
【0016】このように本実施例では、軸受部Aから両
端出口部B,Bまでオイル7を連続的に満たした状態と
し、出口部Bの隙間を0.8mm以下で、出口部外端の隙
間傾斜角を45°以下という状態としているため、オイ
ル内に空気が混入し難くなり、安定で漏れ難い状態が可
能となっている。またスラスト軸受部の内容量に対して
出口部の内容量を大きく取っているため、オイル注入量
や内部容量のばらつき、回転等によるスラスト軸受の浮
上や発熱を原因とする内容量の変化、蒸発や内部混入空
気によるオイル容量の変化などが生じても、軸受部には
常にオイルが保持され、また外部に漏れ出すこともな
い。加えて出口部内端と外端の隙間比を大きく取ってあ
るため、オイル表面部で仮に空気が混入することがあっ
ても、軸受部の方まで移動することがなく、またその隙
間比による圧力差から自然に空気は外側に移動し、混入
状態が解消されるようになっている。またその隙間比か
ら、どの位置でもオイルが安定し易い状態となる。
【0017】一方本実施例においては、軸受部A内のオ
イル量は、出口部Bの内容量をaとするとき、静止安定
時において出口部内端から、0.1aないし0.9aの
間の位置となる量に設定されている。すなわち基本的に
は、出口部B内に出口側オイル表面が位置していれば安
定的に保持され問題を生じないが、経時・環境によりオ
イル量・内容量などに変化が生じても不足・漏れをなく
すには、オイル量(位置)を出口部に最低この程度の余
裕をもたすことによって、どのような環境でも性能を維
持できるようになるからである。
【0018】さらに本実施例においては、前記出口部B
の両面におけるオイルの接触角が、15°以上に設定さ
れている。漏れ防止の基本として、濡れ拡張(はい上が
り現象)を防止する必要があり、少なくともシールの前
後はいつもオイルが分断されている必要がある。このた
めには、多少の環境・条件変化でも濡れ拡張現象が生じ
ない状態を作ってやる必要があり、そのためには常に
(γS <γL +γSL)の条件を満足しているのが絶対的
条件となる。
【0019】すなわち個体表面と液体の接触角を考えた
とき、個体表面と液体が平衡を保つ条件は、 γS −γSL=γL cos θ1 ・・・・(ヤングの方程式) である。ここで、 γSL:個体液体界面の界面張力(表面張力) γS :個体の表面張力 γL :液体の表面張力 θ1 :個体と液体の接触角 であり、平衡は3つの表面張力のバランスで決まる。
【0020】そしてポイントとなるのは(γS −γSL
の値で、個体表面が個体液体界面に置き変わることによ
りエネルギーが 1)下がる(γS >γSL)のか、 2)上がる(γS <γSL)のか、 3)変わらない(γS =γSL)のかであり、1)の場合
が濡れた状態(個体液体界面を作った方が安定する状
態)で、2)3)の場合が濡れない状態(個体表面のま
まの方が安定する状態)である。またγS とγSLの差を
埋めているのがγL cos θ1 であり、接触角θ1 にてバ
ランスをとっている。すなわち(γS −γSL)が大きく
なるほどθ1 は小さくなるが、(γS >γL +γSL)に
なるとθ1 =0°になってもパランスがとれなくなり、
個体表面に液体が際限なく広がってしまうことになる。
シャフト面をオイルがはい上がっていく現象がこれで、
水の上にオイルを垂らすとどんどん広がっていってしま
う現象と基本的に同じである。
【0021】すなわちシャフト面をオイルがはい上がっ
てくるという問題を考えてみるとき、それは(γS >γ
L +γSL)という条件になっているか否かが問題とな
る。この式はそのままエネルギーの式であるから、個体
(シャフト)の表面(γS )でいるよりも個体液体界面
(γSL)と液体表面(γL )を新たに作った方が、エネ
ルギーが下がり安定することを意味している。いわゆる
個体表面を無くし、新たに個体液体界面と液体表面をど
んどん作っていき、はい上がろうという漏れ拡散は止ま
らないことを意味している。
【0022】一方、外力(重力、振動衝撃、遠心力、磁
気力、その他の圧力)を加えた場合どうなるかについて
は、これらの外力は結果的に圧力という形で液体表面の
曲率を変化させる方向には働くが、平衡点の関係を変え
る力はない。従ってこれらの力は、液体の表面張力の力
で平衡点の位置を移動させようと働きかけるが、液体表
面は新たにいくら作り出してもよいから個体表面を無く
していきたいという条件では無力である。
【0023】このように(γS >γL +γSL)という条
件になっているかぎり、はい上がり(漏れ拡散)現象は
止まらないから、止めるためには(γS <γL +γSL
という条件に変えてやることが絶対である。具体的には
個体表面の表面張力を下げてやる必要がある。(γS
γL +γSL)という条件にさえなれば上記外力も液体の
表面張力を通して働くようになる。一般に金属表面は非
常に大きな表面張力(エネルギー)を持っている。通常
は何層かの皮膜が自然に出来、エネルギーをかなり低減
しているが、それでも大きいためこの様な条件になって
しまう場合があり、はい上がり現象が起きることとな
る。
【0024】このため対策としては、 (γS <γL +γSL)という条件にする(絶対)。 実質接触角を出来るだけ大きくする。 上記外力をうまく利用する。 具体的には 1)金属面が直接表面に出てこない考慮し、出来るだけ
表面張力の低い材質、例えば撥油剤等で表面を保護す
る。 2)出来るだけ表面粗度を小さくする。隙間・溝・傷・
凹凸などを出来るだけ作らない。表面積が多くなるほど
実質接触角が小さくなるからである。 3)引き戻す方向に外力が働くように工夫する。
【0025】このように接触角θ1 が大きいほど漏れに
くい(保持力が強い)こととなる。そのためには、出口
部内端部分を除いて関係場所全ての接触角を最低でも1
5°以上程度になるように設定する必要がある。具体的
には、プラスチック材などの比較的表面張力の低い材料
を表面に配置すれば簡単にこれらの条件は満足できる。
【0026】さらに本実施例においては、出口部内端部
分を除いて出口部Bの両面におけるオイルの接触角の差
が15°以下に設定されている。すなわち両面の接触角
の差が小さいと漏れ難くなるものである。
【0027】一方上記実施例において、出口部Bの外側
には奥側から開口側に向かって45°以下の角度で開く
隙間通路が形成されており、出口部Bの外側の隙間傾斜
角が45°以下で延長されている。万が一オイルがこの
区間まで達するような事態になっても、安定状態が得ら
れる形状を設けておけば、漏れを防止できる可能性が高
くなるからである。
【0028】加えて本実施例においては、出口部内端部
分を除く出口部Bの内壁面が、低表面張力のプラスチッ
ク材料からなる表面材質により形成されている。すなわ
ちオイルの濡れ拡散がなく、毛管現象によるオイル保持
にも問題がなく、特性も安定で加工性のよいプラスチッ
クを使用することにより、実用的な製品を作ることがで
きる。
【0029】また本実施例においては、出口部Bの内壁
面の面粗度Ra が、0.25μm以下に設定されてい
る。面粗度を小さく抑えると、実質接触角が増加して接
触角履歴が減少するため漏れ難くなる。すなわち個体表
面に小さい凹凸があると、その凹凸により毛管現象と同
じ状態になる。毛管現象は、オイルの体積に対してオイ
ル表面が個体と接触する面の比率が大きいと起こる現象
で、隙間でなく表面の凹凸や溝などであっても同じこと
である。このためθ1 <90°の場合、表面に凹凸や溝
などがあると、その接触角は実質的にはより小さい接触
角に変化し、より濡れ易くなる。従って面粗度を変える
ことにより、同じ隙間でも吸引圧力を変えられる。
【0030】実際には個体表面の状態により接触角に違
いがあり、一度濡れた面は濡れていない面より、濡れ易
く接触角も小さくなっている。例えば、傾斜し汚れてい
るガラス面を水滴が移動するとき、先端側の接触角が大
きく後ろ側の接触角は小さくなっている。また一度濡れ
た面は濡れ易く同じ所を通って落ちていく。これは、ミ
クロ部分の個体表面の形状の違いや表面張力の違いによ
るものである。すなわち表面に凹凸があると、接触角が
同じでも個体表面の傾斜との合成で曲率が大きく変化
し、そのためマクロ的にみると接触角が違った状態でバ
ランスがとれることになる。そして表面張力にムラがあ
ると全体のオイルが撤退して行っても、凹面や汚れに囲
まれたオイルは移動できずに取り残されてしまい、再度
拡張してきたときはマクロでみて接触角の大きい状態は
とれず、その前に残ったオイルとつながってしまう。そ
の結果、接触角が小さい状態となり、通り易くなって一
度濡れたところを何度も通るようになる。
【0031】このような個体表面状態になっていると、
一度何らかの理由で漏れまたはオイル注入時ふれた場合
には、その部分は接触角が小さく保持力も小さく、何度
でもオイルを通してしまい易くなる。このため軸受の出
口から外側にかけては、凹凸(面粗度)を出来るだけ小
さく、汚れ(表面張力のムラ)を出来るだけ小さくする
必要があり、接触角履歴ができない状態にするのが理想
である。
【0032】また個体表面に凹凸や表面張力のムラがあ
る時のマクロ(みかけ)の接触角は次のようになるとい
われている。凹凸がある場合には、滑らかな(平らな)
面に対する実際の面の表面積の比率をrとしたとき、マ
クロ(見かけ)の接触角θW (ウエンゼルの接触角と呼
ばれる)は、 cos θW =rcos θ θ1 :ミクロ(真実)の接触角 ミクロの接触角がθ1 =60°(cos θ=0.5)とか
なり大きい場合でも、凹凸でr=2以上あると、マクロ
の接触角がθW =0°となり、はい上がり現象(濡れ拡
張)が止まらない状態になってしまう。これからも、漏
れを防ぐには出口部から外側にかけての面粗度をできる
だけ小さく抑え、望ましくは鏡面状態にするのが理想で
ある。
【0033】一方、表面張力にムラがある場合には、複
合面(1と2の)と考えられ、マクロ(見かけ)の接触
角θC (カッシーの接触角と呼ばれる)は、 cos θC =A1 cos θ1 +A2 cos θ2 であり、このときA1 ,A2 :占める面積の比率、θ1
,θ2 :ミクロ(真実)の接触角である。
【0034】さらに本実施例においては、出口部Bの外
端から当該出口部Bの区間長の±1/2以内の位置を基
準位置としたとき、その基準位置から外側にかけての内
壁面が、基準位置から奥側の内壁面より少なくとも15
°以上大きい接触角を有する材質あるいは処理表面によ
り形成されている。すなわち漏れ難くするには接触角を
大きくするのが一つの方法であるが、他の条件から全体
の接触角を上げられない場合には、保持に一番必要な部
分だけでも接触角を大きくすると効果がある。
【0035】さらにまた本実施例においては、大径側の
出口部Bにおける2つの面の接触角のうち、回転側の接
触角の方が大きく設定されている。すなわち回転時に
は、オイルにも遠心力が働くため、どうしても隙間の径
方向に大の面の方が小の面よりオイルの圧力が高くな
る。このため大・小の面とも接触角が同じ場合には、大
面側の接触点(個体とオイル表面の)位置の方が小面側
の位置より外側となり、漏れ易く空気を混入し易い条件
になってしまう。これに対して大面側の接触角の方を大
きくしてやると、接触点の平衡バランスと圧力差から、
大・小側の接触点位置の差が小さくなり、漏れ・混入に
対して有利となる。
【0036】加えて本実施例においては、スラスト軸受
の軸受部Aが、遠心力を打ち消す方向の動圧力を得るよ
うに構成されており、スラスト軸受の溝によるポンプ作
用が全体では内径方向に向かう構成になされている。す
なわちスラスト軸受において、回転により遠心力が加わ
ること及び動圧力が発生することが判明しており、これ
らを打ち消させるとオイル保持の上で有利となる。具体
的には、上述したように溝形状によるポンプ作用を全体
として小径方向に向かうように構成することによって上
記打消作用が得られる。
【0037】さらに本実施例では、スラスト軸受に対し
て設けられた溝部の外端が、出口部内端として形成され
ている。このような形状とすることによって、軸受部か
らの隙間傾斜角θは常にθ≧0°状態となり、オイル注
入時などに空気が混入しにくくなるとともに、混入して
も外側へ押し出す方向の力が加わり、常にオイルを保持
しやすい状態が保たれる。
【0038】さらにこの実施例においては、出口部B内
における隙間傾斜角θが略一定に形成され、断面が直線
状の内壁面に形成されている。このような形状は、最も
加工が容易な形状であるとともに、どの位置でも隙間傾
斜角θがθ>0°であるため、オイルは内側、空気は外
側にという力が常に働いて安定となる。
【0039】一方図2に示されている実施例では、大径
側の出口部Bに、出口部条件を満足する隙間B1がアキ
シャル方向に設けられている。このようにアキシャル方
向に隙間B1を設けることにより、オイル保持のための
内容量を増やすことができ、特に隙間を出口外端より小
さく抑えることにより隙間のオイルは確実に保持される
ようになっている。またアキシャル方向の隙間は軸受方
向に寸法をとらないため、全体の軸方向寸法が抑えられ
るとともに、耐衝撃保持力が有利となる。
【0040】このときの上記隙間は、出口部条件を満足
する半径方向の隙間をアキシャル方向に設けたたものと
したり、孔状に形成することも可能である。これらの場
合も上記の場合と同様であるが、特に孔の場合には、容
量に対する個体面の比率が増えて毛管現象による発生圧
力が倍となるため、面対向時の隙間に対し孔は半径が対
応する。
【0041】本発明のさらに他の実施例においては、出
口部Bの区間における2/3以上が隙間寸法0.4mm以
内の平行状隙間に設定されている。このような形状にす
ることによって出口部スペースが多く取れることとな
り、ばらつき・変化をより多く吸収できるとともに、平
行部の隙間が小さく抑えられ、漏れ難い状態が確保され
る。
【0042】また再び図1に示した実施例に戻って、図
1中の二点鎖線で示されているように、出口部内端の内
側どうしを連通させるオイル循環孔B2が設けられてい
る。すなわち内部で発生する動圧力は非常に大きいた
め、場合によっては漏れ圧力を作ってしまうことがあ
る。そして本実施例のように循環孔B2でつなげること
によって圧力差が最小限度に抑えられ、漏れ防止に有効
となる。
【0043】また図1中の破線で示されているように、
内部空気を逃がす孔あるいは隙間等からなる空気排出手
段B3が、軸受間を繋げるように設けられている。すな
わち軸受間には空気があるため、気圧や温度の変化によ
り空気が膨張または高圧になる。そしてその空気圧によ
って軸受間のオイルが押し出されてしまう可能性があ
る。これに対して軸受間を空気排出手段B3により繋げ
ておくと、膨張した空気はそこから逃げて圧力差が解消
されることとなり、オイルを押し出す圧力は加わらなく
なる。
【0044】さらにまた本発明においては、出口部Bか
らその外側にかけて軸方向に延在する溝または凸の条が
設けられる。このように構成することによって、何らか
の理由により空気が混入した場合に、オイルと空気の入
れ替えがスムーズにできる状態が作られ、より確実に空
気を外部へ押し出すことができる。溝または凸の条があ
ると、表面張力によりオイルはより隙間の狭い方に、空
気はより隙間の広い方に移動してオイルと空気が分離さ
れた状態となるからである。さらにこの条は、軸方向に
外部まで通じているため、この条に沿ってオイル・空気
がぶつからず分離された状態でそれぞれ移動でき、より
スムーズにオイルと空気の入れ替えができる。
【0045】一方本発明においては、出口部内端部分に
おけるオイル接触角が45°以下となるように構成され
る。すなわち最大保持圧力を発生する最狭ギャップ部の
接触角は小さいほうが大きな圧力を発生することがで
き、45°で約7割であり、この程度までに接触角を抑
える必要がある。
【0046】また本発明においては、出口部Bにおける
平均隙間傾斜角が10°以上となるように構成されてい
る。すなわち外力や相対移動による隙間の変化などによ
るオイルの移動を防ぐには、平均で10°程度以上の隙
間傾斜角が必要である。
【0047】以上本発明者によってなされた発明を実施
例に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施例に
限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で
種々変形可能であるというのはいうまでもない。例え
ば、本発明は上述したような軸固定型の装置に限定され
ることはなく、回転型の装置にも同様に適用することが
でき、またモータ以外の軸受を用いたあらゆる種類の装
置に対しても同様に適用することができる。
【0048】
【発明の効果】以上述べたように本発明にかかる軸受の
シール装置によれば、軸受部に常に充分なオイルを保持
することができるとともに、オイルを安定的に保持して
オイルの外部漏れを良好に防止することができ、外力に
も良好に耐えることができ、装置の信頼性を向上させる
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における軸受装置の要部を表
した半横断面図である。
【図2】本発明の他の実施例における軸受装置の要部を
拡大して表した半横断面説明図である。
【図3】従来の軸受装置の構造を表した横断面図であ
る。
【符号の説明】
A 軸受部 B 出口部

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定部材と回転部材とを、軸を介して相
    対的に回転自在に支承するスラスト軸受が設けられ、 上記スラスト軸受における軸方向2面の隙間内にオイル
    が充填され、当該オイルの両端外側に空気がそれぞれ配
    されたものであって、 前記スラスト軸受における隙間が、軸受部と、当該軸受
    部の両端部分に設けられた以下の1)ないし4)の条件
    を満足する2個所の出口部と、上記軸受部及び出口部の
    間に形成された内側空間部と、出口部の軸方向外側に形
    成された外側空間部と、から構成され、 上記出口部では、 1)当該出口部の最内端である出口部内端で最小隙間を
    有するとともに、当該出口部の最外端である出口部外端
    で最大隙間を有し、 2)前記2個所の両出口部の間の軸受部側から見た所定
    位置の隙間における壁面角度を隙間傾斜角としたとき、
    上記出口部内端から出口部外端にかけての隙間傾斜角が
    0°以上をなし、 3)前記出口部外端の隙間が0.8mm以下で、0.8mm
    を越えた部位を出口部の外側とし、 4)隙間が0.8mmである点の隙間傾斜角が45°以上
    の場合に、0.8mm以下かつ45°以下の条件を満足す
    る最大隙間部分を出口部外端点とし、 前記2個所の両出口部の内容量が、クリアランス0の時
    のスラスト軸受部の内容量の500%以上に設定されて
    いるとともに、 前記出口部外端の隙間寸法が、クリアランス0の時の出
    口部内端の隙間寸法に対して10倍以上に設定され、 かつ小径側の出口部内端における隙間が、大径側の出口
    部内端における隙間より小さく設定され、 小径側の出口部における平均隙間傾斜角が、大径側の出
    口部における平均隙間角の2倍以上に設定されているこ
    とを特徴とする軸受のシール装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の軸受のシール装置におい
    て、 静止安定時におけるオイル量が、出口部の内容量をaと
    するとき、出口部内端から0.1aないし0.9aの間
    の位置となる量に設定されていることを特徴とする軸受
    のシール装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の軸受のシール装置におい
    て、 出口部の両面におけるオイルの接触角が、出口部内端部
    分を除いて15°以上に設定されていることを特徴とす
    る軸受のシール装置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の軸受のシール装置におい
    て、 出口部の両面におけるオイルの接触角の差が、出口部内
    端部分を除いて15°以下に設定されていることを特徴
    とする軸受のシール装置。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の軸受のシール装置におい
    て、 出口部の外側に、奥側から開口側に向かって45°以下
    の角度で開く隙間通路が延長して形成されていることを
    特徴とする軸受のシール装置。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の軸受のシール装置におい
    て、 出口部の内壁面が、出口部内端部分を除いて低表面張力
    のプラスチック材料からなる表面材質により形成されて
    いることを特徴とする軸受のシール装置。
  7. 【請求項7】 請求項1記載の軸受のシール装置におい
    て、 出口部の内壁面における面粗度Ra が、0.25μm以
    下に設定されていることを特徴とする軸受のシール装
    置。
  8. 【請求項8】 請求項1記載の軸受のシール装置におい
    て、 出口部外端から当該出口部の区間長の±1/2以内の位
    置を基準位置としたとき、その基準位置から外側にかけ
    ての内壁面が、基準位置から奥側の内壁面より少なくと
    も15°以上大きい接触角を有する材質あるいは処理表
    面により形成されていることを特徴とする軸受のシール
    装置。
  9. 【請求項9】 請求項1記載の軸受のシール装置におい
    て、 大径側出口部の2つの面の接触角のうち、回転側の接触
    角の方が大きく設定されていることを特徴とする軸受の
    シール装置。
  10. 【請求項10】 請求項1記載の軸受のシール装置にお
    いて、 スラスト軸受の軸受部が、遠心力を打ち消す方向の動圧
    力を得るように構成されていることを特徴とする軸受の
    シール装置。
  11. 【請求項11】 請求項1記載の軸受のシール装置にお
    いて、 スラスト軸受に対して設けられた溝部の外端が、出口部
    内端として形成されていることを特徴とする軸受のシー
    ル装置。
  12. 【請求項12】 請求項1記載の軸受のシール装置にお
    いて、 出口部内における隙間傾斜角が略一定に形成され、断面
    が直線状の内壁面に形成されていることを特徴とする軸
    受のシール装置。
  13. 【請求項13】 請求項1記載の軸受のシール装置にお
    いて、 大径側出口部に、出口部条件を満足する隙間がアキシャ
    ル方向に設けられていることを特徴とする軸受のシール
    装置。
  14. 【請求項14】 請求項1記載の軸受のシール装置にお
    いて、 大径側出口部に、出口部条件を満足する半径の孔がアキ
    シャル方向に設けられていることを特徴とする軸受のシ
    ール装置。
  15. 【請求項15】 請求項1記載の軸受のシール装置にお
    いて、 出口部の2/3以上の区間が、隙間寸法0.4mm以内の
    平行隙間に設定されていることを特徴とする軸受のシー
    ル装置。
  16. 【請求項16】 請求項1記載の軸受のシール装置にお
    いて、 出口部内端の内側どうしを連通させるオイル循環孔が設
    けられていることを特徴とする軸受のシール装置。
  17. 【請求項17】 請求項1記載の軸受のシール装置にお
    いて、 内部空気の排出手段が、軸受間を繋げるように設けられ
    ていることを特徴とする軸受のシール装置。
  18. 【請求項18】 請求項1記載の軸受のシール装置にお
    いて、 出口部からその外側にかけて、軸方向に延在する条が設
    けられていることを特徴とする軸受のシール装置。
  19. 【請求項19】 請求項1記載の軸受のシール装置にお
    いて、 出口部内端部分におけるオイル接触角が、45°以下に
    設定されていることを特徴とする軸受のシール装置。
  20. 【請求項20】 請求項1記載の軸受のシール装置にお
    いて、 出口部における平均隙間傾斜角が、10°以上に設定さ
    れていることを特徴とする軸受のシール装置。
JP33174794A 1994-12-09 1994-12-09 軸受のシール装置 Withdrawn JPH08159162A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6066903A (en) * 1998-03-16 2000-05-23 Nidec Corporation Hydrodynamic bearing for use in an electric motor and an electric motor having the hydrodynamic bearing

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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