JP2937839B2 - 軸受のシール装置 - Google Patents

軸受のシール装置

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JP2937839B2 JP34002895A JP34002895A JP2937839B2 JP 2937839 B2 JP2937839 B2 JP 2937839B2 JP 34002895 A JP34002895 A JP 34002895A JP 34002895 A JP34002895 A JP 34002895A JP 2937839 B2 JP2937839 B2 JP 2937839B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、固定部材に回転部
材を潤滑剤としてのオイルを間に介在させて相対的に回
転可能に支承する軸受において、軸受部に介在するオイ
ルが外部に漏れでないようにするための軸受のシール装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、一般のすべり軸受や動圧軸受等、
軸受の潤滑剤としてオイルを用いたものが種々提案され
ている。このような軸受を用いた製品の一例として、図
8に示されている軸固定型のHDD(ハードディスク駆
動装置)用モータがある。なおこの図8に示されたモー
タは本発明の適用例を表しているが、基本構造としては
同様であるので本図により説明する。すなわちフレーム
1に固着された固定軸2に、ラジアル軸受3を介してハ
ブ4が回転自在に装着され、上記固定軸2とラジアル軸
受3との間には、回転用の潤滑剤としてのオイルが供給
されている。このオイルは、ラジアル軸受3の軸受部に
付着され毛管現象によって軸受部内に保持されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】モータの回転軸等、軸
受の潤滑剤としてオイルを用いる各種回転機器において
は、常にオイル漏れ対策という課題を有している。特
に、清浄な環境を要求するHDD用モータやレーザービ
ームプリンタ用モータ(LBP用モータ)等に使用する
軸受の場合、オイル漏れは重大な問題になっている。し
かしながら従来の軸受装置では、単に軸受部の隙間にオ
イルを付着させただけのものや、或いは、オイル漏れ対
策としての特別なシール機構を設けたもの等が提案され
てはいるが、これら従来の技術では、例えば動圧軸受に
おいては、潤滑剤としてのオイルの量が少ない場合、動
圧力等の潤滑機能を充分に得ることができない問題を生
じ、一方オイルの量が多すぎる場合にはオイル漏れが生
じてしまう問題が生じており、オイル漏れ対策の充分な
軸受シール装置は達成されていなかった。また、従来の
技術では、重力、振動、衝撃、遠心力、動圧力、気圧、
温度、その他の圧力等の外力に対しても充分考慮した軸
受のシール装置とはなっておらず、信頼性に乏しいとい
う問題もあった。
【0004】本発明は、上記従来技術の軸受シール装置
に対し、 1)注入されたオイルの量が多少変化したり移動したり
しても、それを吸収できるスペースを軸受が有してお
り、しかも、そのスペース内のオイルが安定的に保持さ
れる構造であること、 2)外力(重力、振動衝撃、遠心力、動圧力、気圧、温
度、その他の圧力)を受けたとしても容易にはオイルが
外部に飛び出さない、外力に耐えられる構造であるこ
と、 3)オイルが移動しにくい構造であること、 4)軸受部より外側の出口側のオイル面が安定で漏れ難
くなっていること、 5)オイルが空気と混じりあったりしにくい構造である
こと、上記の各条件を考慮した軸受のシール装置を提案
し、 1)軸受部に常にオイルが保持されていて必要な軸受特
性をを満足すること、 2)オイルが外部に漏れないこと、という効果を有する
軸受のシール装置を提案することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明は、従来の基本構造に対して上記条件を満足させ
るための内容を盛り込んだものであって、固定部材に対
し回転部材を回転自在に支承するラジアル軸受部を有す
るラジアル軸受が設けられ、上記固定部材と回転部材と
の間にオイルを充填するとともに上記ラジアル軸受部の
軸方向両端側に隙間変化部が形成された軸受のシール装
置であって、上記隙間変化部は、 1)上記ラジアル軸受部側の隙間変化部内端で該隙間変
化部における最小隙間を有するとともに、上記ラジアル
軸受部とは逆側の隙間変化部外端で該隙間変化部におけ
る最大隙間を有し、 2)上記軸受部側から見た上記隙間変化部の角度を隙間
傾斜角としたとき、上記隙間変化部内端から隙間変化部
外端にかけての隙間傾斜角は0°以上であり、 3)上記隙間変化部外端は、上記隙間変化部に対向面に
対する隙間が0.8mm以下、かつ、隙間傾斜角が45°
以下の位置であり、 4)上記両隙間変化部のそれぞれの内容量は、上記ラジ
アル軸受部の内容量に対してそれぞれ100%以上に設
定されているとともに、上記両隙間変化部外端における
半径方向隙間が、上記両隙間変化部内端における半径方
向隙間に対してそれぞれ2倍以上に設定された手段を有
している。
【0006】従って、本願発明では、隙間変化部内端間
の軸受部内における容量やラジアル軸受部の内容量に対
して、隙間変化部の内容量が大きく取られているため、
オイル注入量のばらつき、内部容量のばらつき、回転等
によるスラスト軸受の浮上や発熱を原因とする内容量の
変化、蒸発や内部混入空気によるオイル容量の変化など
が生じても、軸受部には常にオイルが保持され、また外
部に漏れ出すこともない。
【0007】また隙間変化部内端と外端の隙間比が大き
く取られているため、オイル表面部で仮に空気が混入す
ることがあっても軸受部の方まで移動することがなく、
さらにその隙間比による圧力差から自然に空気は外側に
移動し、混入状態が解消される。またその隙間比から、
どの位置でもオイルが安定し易い状態となる。
【0008】
【発明の実施の形態】本件発明の具体的実施例の説明に
先立ち、まず、本件発明者が研究を重ねた結果到達し
た、本件発明を理解する上で必要な発明の基本となる考
え方について開示する。
【0009】軸受内にオイルを保持するという観点に立
って、一般的なラジアル軸受のような、2方向に出口が
ある構造を考えた場合、まずオイルは、2つの出口位置
での毛管吸引圧力のバランスで保持され、その表面位置
が決まることになる。この状態は、2つの圧力バランス
で釣りあっている状態であり、片側から何らかの圧力が
加わると圧力バランスがとれる位置までオイルが移動す
ることになる。例えば、毛管吸引圧力をAとBとする
と、A=Bの位置からA=B+外部圧力となる位置まで
オイルが移動し、バランスが取れた状態でオイルの移動
が止まることとなる。
【0010】以下、本発明の軸受のシール装置をHDD
(ハードディスクドライブ装置)用スピンドルモータに
適用した実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0011】図8に示したHDDスピンドルモータは、
前述したように、フレーム1に固着された固定軸2に、
ラジアル軸受3を介してハブ4が回転自在に装着されて
いる。そして上記固定軸2とラジアル軸受3との間に
は、回転潤滑剤としてのオイルが供給されている。
【0012】すなわち図1に示されているように、上記
固定軸2の外周面とラジアル軸3の内周面との間の隙間
内にはオイル10が連続的に充填されており、そのオイ
ル10の軸方向両端外側に、空気がそれぞれ配されてい
る。
【0013】このとき上記固定軸2の外周面とラジアル
軸受3の内周面との間の隙間は、ラジアル軸受部31
と、当該軸受部31の軸方向両端に設けられた後述する
条件を満足する2個所の隙間変化部32,32と、上記
軸受部31及び隙間変化部32,32の間に形成された
2個所の油溜めとなる内側空間部33,33と、隙間変
化部32,32の軸方向外側に形成された2個所の外側
空間部34,34と、から構成されている。
【0014】このように前記軸受部31の図示上下両端
には、隙間変化部32,32が2個所設けられており、
軸受部31の内部から両隙間変化部32,32まで軸受
オイル10が連続的に充填され、オイル10の液面(オ
イル表面)10aが隙間変化部32内に配されている。
尚、上記内側空間部33はなくして構成してもよい。
【0015】ここで上記各隙間変化部32,32は、次
のように形成されている。すなわち各隙間変化部32,
32では、ラジアル軸受部31側の軸方向最内端を隙間
変化部内端32aとし、軸方向最外端を隙間変化部外端
32bとし、その隙間変化部32の外側が外側空間部3
4と呼ぶこととする。また軸受部31側(奥側)から見
た軸方向所定位置における隙間変化部32において形成
される隙間が作る角度αを隙間傾斜角とし、隙間が固定
軸2の軸面と平行であるときをα=0°、外側に広がっ
ている角度αをプラス、ラジアル軸受部31側に広がっ
ている角度αをマイナスとした場合、上記隙間変化部3
2における隙間は、隙間変化部内端32aが一番狭く、
隙間変化部外端32bが一番広く、隙間変化部内端32
aから隙間変化部外端32bにかけての隙間傾斜角αは
0°以上に設定してある。隙間傾斜角αが0°とは、隙
間変化部32の一部の領域において、固定軸2と平行な
領域があってもよいことを示す。
【0016】上記隙間変化部内端32aは、軸受部との
間に隙間傾斜角αがマイナスとなる隙間が存在する場合
には、隙間傾斜角αが初めてマイナスとなる隙間の軸方
向最外端を該当することとなる。さらに隙間変化部外端
32bの隙間は0.8mm以下であることが必要であり、
0.8mmを越えた部位は外側空間部34に該当するとと
もに、隙間が0.8mmである点の隙間傾斜角αが45°
以上の場合には、0.8mm以下かつ45°以下の条件を
満足する最大隙間部分を隙間変化部外端32bとする。
【0017】そして本発明の実施の形態においては、両
隙間変化部32,32のそれぞれの内容量(一方側の隙
間変化部内端32aから隙間変化部外端32bまでの固
定軸2との間で形成される容量)は、両隙間変化部内端
32a,32aより内側のラジアル軸受部3全体の内容
量(ラジアル軸受3と固定軸2との間で形成される容
量)に対してそれぞれ100%以上、つまり両隙間変化
部32,32のそれぞれの内容量を合計すると、ラジア
ル軸受部3全体の内容量に対して200%以上に設定さ
れているとともに、上記両隙間変化部32,32の外端
32b,32bにおける隙間寸法は、両隙間変化部3
2,32の内端32a,32aにおける隙間寸法に対し
てぞれぞれ2倍以上に設定されている。
【0018】また、ラジアル軸受部31から両端隙間変
化部32,32までオイル10を満たした状態とし、隙
間変化部32,32の固定軸2との隙間を0.8mm以下
で、隙間変化部外端32b,32bの隙間傾斜角αを4
5°以下に設定するとともに、隙間変化部32の外端3
2b,32における隙間寸法を内端32a,32におけ
る隙間寸法に対して2倍以上に設定しているので、オイ
ル10内に空気が混入し難くなり、安定で漏れ難い軸受
のシール装置となっている。すなわち隙間変化部内端3
2aと外端32bの隙間比が大きくなり、隙間傾斜角α
を持たせてあるため、隙間変化部32に位置するオイル
表面部10aで仮に空気が混入することがあっても、そ
の空気が軸受部にまで移動することがなく、また上記隙
間比による圧力差から自然に空気は外側に移動し、混入
状態が解消される。
【0019】また既に説明したように、ラジアル軸受3
の内容量に対して隙間変化部32,32の内容量が大き
くなっているため、オイル注入量や製造時におけるラジ
アル軸受3の内部容量にばらつきがあったとしても、ま
た、回転体としてのハブ4の回転によりスラスト軸受面
より浮上した場合や回転中の発熱を原因とするラジアル
軸受3の内容量の変化があったとしても、更に、蒸発や
内部混入空気によるオイル10の量の変化が生じても、
ラジアル軸受3には常にオイル10が保持され、また外
部に漏れ出すことはない。
【0020】また本発明の実施の形態においては、ラジ
アル軸受3内に注入するオイル量は、隙間変化部32の
内容量をAとするとき、静止安定時において隙間変化部
内端32aから、0.1Aないし0.9Aの間の位置と
なる量に設定されている。
【0021】すなわち基本的には、隙間変化部32内に
オイル表面10aが位置していれば安定的に保持され問
題を生じないが、経時・環境によりオイル量・内容量な
どに変化が生じてもオイル不足・オイル漏れをなくすた
めには、オイル量(オイル表面17aの位置)を隙間変
化部32内に上記の範囲で充填することによって、通常
使用される環境において充分性能を維持できるものとす
ることができる。
【0022】また、本発明の実施の形態においては、図
9に示すように、両隙間変化部32における固定部材と
しての固定軸2とオイル10との接触角θ1 及び回転部
材としての隙間変化部32自体とオイル17との接触角
θ1 をともに15°以上に設定するのが望ましい。尚、
図9は隙間変化部32,32のうち図1の上側の隙間変
化部32を示したものである。隙間変化部32内にオイ
ル表面10aが位置するということは、オイル10は、
固定軸2及び隙間変化部32自体とある接触角θ1 をも
って接することになるので、その接触角θ1 を15°以
上に設定するのである。
【0023】次に、本件発明者が種々の研究の結果、オ
イル10が外部に漏れることを防止する漏れ防止のため
には、濡れ拡張(はい上がり現象)を防止することが必
要であり、シール部の前後ではオイルを分断させること
が必要であることも知得したので、以下にその内容につ
いて説明する。
【0024】上記のように、濡れ拡張(はい上がり現
象)を防止するためには、多少の環境・条件変化でもオ
イルが濡れ拡張現象が生じない状態を作る必要があり、
そのためには常に(γS <γL +γSL)の条件を満足さ
せる必要がある。
【0025】すなわちある固体表面と液体の接触角を考
えたとき、固体表面と液体が平衡を保つ条件は、 γS −γSL=γL cos θ1 ・・・・・(ヤングの方程式) である。ここで、 γSL:固体液体界面の界面張力(表面張力) γS :固体の表面張力 γL :液体の表面張力 θ1 :固体と液体の接触角 であり、平衡は上記3つの表面張力のバランスで決ま
る。
【0026】そしてポイントとなるのは上記ヤングの方
程式の(γS −γSL)の値で、固体表面が固体液体界面
に置き変わることにより、エネルギーが 1)下がる(γS >γSL)のか、 2)上がる(γS <γSL)のか、 3)変わらない(γS =γSL)のか、であり、1)のエ
ネルギーが下がる場合が、漏れた状態、すなわち、固体
液体界面を作った方が安定する状態で、2)3)の場合
が、漏れない状態、すなわち、固体表面のままの方が安
定する状態である。
【0027】またγS とγSLの差を埋めているのがγL
cos θ1 であり、固体と液体の接触角θ1 にてバランス
をとっている。すなわち(γS −γSL)が大きくなるほ
どθ1 は小さくなり、(γS >γL +γSL)になると、
固体と液体の接触角θ1 =0°になってもバランスがと
れなくなり、固体表面に液体が際限なく広がってしまう
ことになる。固体としてのシャフト面を液体としてのオ
イルがはい上がっていく現象がこれで、水の上にオイル
を垂らすとどんどん広がっていってしまう現象と基本的
に同じである。
【0028】上記のシャフト面をオイルがはい上がると
いう問題を考えてみるとき、それは(γS >γL +γS
L)という条件になっているか否かが問題となる。この
式は、エネルギーの式であるから、固体(例えばシャフ
ト)の表面は、固体の表面のみ(γS )でいるよりも、
固体の表面に固体液体界面(γSL)と液体表面(γL )
を新たに作った方が、エネルギーが下がり安定すること
を意味している。従って、このような場合は、いわゆる
固体表面を無くし、新たに固体液体界面と液体表面を作
り、はい上がってゆく漏れ拡散は止まらないことを意味
している。
【0029】尚、この問題に、外力(重力、振動衝撃、
遠心力、磁気力、その他の圧力)を加えた場合どうなる
かについては、これらの外力は結果的に圧力という形で
液体表面の曲率を変化させる方向に働くだけであり、平
衡点の関係を変える力はない。従ってこれらの力は、液
体の表面張力の力で平衡点の位置を移動させようとはす
るが、上記のはい上がり現象の下では無力である。
【0030】このように(γS >γL +γSL)という条
件になっているかぎり、はい上がり(漏れ拡散)現象は
止まらないから、はい上がり現象を止めるためには(γ
S <γL +γSL)という条件に変えることが必要であ
る。具体的には固体表面の表面張力を下げる必要があ
る。(γS <γL +γSL)という条件になれば、上記外
力も液体の表面張力を通して働くようになる。一般に金
属表面は非常に大きな表面張力を持っている。通常は何
層かの皮膜が自然に出来、表面張力をかなり低減してい
るが、それでも表面張力は大きいため、この様な(γS
>γL +γSL)条件になってしまう場合があり、はい上
がり現象が起きることとなる。
【0031】このため、はい上がり現象を防止するため
の対策としては、 (γS <γL +γSL)という条件にする。 固体表面と液体との実質接触角を出来るだけ大きくす
る。 外力をうまく利用する。 具体的には、上記にそれぞれ対応して、 1)固体表面に金属面が直接表面に出てこないように
し、出来るだけ表面張力の低い材質、例えば撥油剤等で
表面を保護し、(γS <γL +γSL)という条件にす
る。 2)固体表面の表面粗度を小さくして、固体表面と液体
との実質接触角をできるだけ大きくする。固体表面に隙
間・溝・傷・凹凸などを出来るだけ作らない。表面積が
多くなるほど実質接触角が小さくなるからである。 3)はい上がり現象を引き戻す方向に外力が働くように
工夫する。
【0032】このように固体と液体との接触角θ1 が大
きいほど漏れにくい(保持力が強い)こととなる。その
ためには、両隙間変化部32,32における固定軸2と
オイル10との接触角θ1 及び隙間変化部32自体とオ
イル10との接触角θ1 を15°以上に設定する必要が
ある。具体的には、プラスチック材などの比較的表面張
力の低い材料を液体と接触する表面に配置すればこれら
の条件を満足することができる。
【0033】このため、隙間変化部32,32の内壁面
を低表面張力のプラスチック材料から構成しておくと、
低表面張力のプラスチック材料は、オイルの濡れ拡散を
生じにくく毛管現象によるオイル保持にも有効であり特
性も安定で加工性もよいので、実用的な製品を作ること
ができる。このプラスチック材料は、隙間変化部32,
32の内壁面にコーティングや塗装等の手段を用いて形
成することができる。また隙間変化部32,32の内壁
面に撥油処理やテフロンコーティングを施すようにして
もよい。
【0034】さらに両隙間変化部32,32における固
定軸2に対するオイルの接触角θ1と隙間変化部32自
体に対するオイルの接触角θ1 との差が小さいと漏れ難
くなるから、この差を15°以下に設定するのがよい。
【0035】また、隙間変化部32,32を、軸方向に
軸受部31側から外側空間34側に向かって45°以下
の角度で開く隙間に形成し、更に、隙間変化部32,3
2の外側の隙間傾斜角も45°以下で延長する。このよ
うにすれば、万が一オイル10が本来予定した隙間変化
部32,32の位置より液面が上昇したとしても、隙間
変化部32,32の固体表面とオイル10とは安定状態
が得られ、オイル10の漏れを防止できる。
【0036】また本実施の形態においては、固体表面の
表面粗度を小さくするため、両隙間変化部32,32の
内壁面の面粗度Ra は、0.25μm以下に設定してい
る。両隙間変化部32,32の内壁面に凹凸があると、
その凹凸により毛管現象と同じ状態になる。毛管現象
は、オイルの体積に対してオイル表面が固体と接触する
面の比率が大きいと起こる現象であり、隙間でなく表面
に凹凸や溝などがあっても同じことである。このため、
固体と液体との接触角θ1 <90°の場合、表面に凹凸
や溝などがあると、その接触角は実質的にはより小さい
接触角に変化し、より濡れ易くなる。従って、両隙間変
化部32,32の内周壁の面粗度Ra を小さく抑えるこ
とにより、固体と液体との実質接触角を増加させ、漏れ
難くすることができる。このように面粗度Ra を0.2
5μm以下に設定することは固定軸2側にも必要に応じ
て適用する。
【0037】尚、実際には、固体表面の状態によりオイ
ルの接触角に違いが生じるし、また、一度濡れた面は濡
れていない面より濡れ易くオイルの接触角も小さくな
る。例えば、傾斜し汚れているガラス面を水滴が移動す
るとき、ガラスの先端側における水滴の接触角は大き
く、水滴が移動した後の接触角は小さくなる。また、一
度濡れた面は濡れ易く水滴は同じ所を通って落ちてい
く。これは、ミクロ部分の固体表面の形状の違いや表面
張力の違いによるものである。すなわち、表面に凹凸が
あると、接触角が同じでも固体表面の傾斜との合成で曲
率が大きく変化し、そのためマクロ的にみると接触角が
違った状態でバランスがとれることになる。そして表面
張力にムラがあると全体のオイルが撤退して行っても、
凹面や汚れに囲まれたオイルは移動できずに取り残され
てしまい、再度拡張してきたときはマクロでみて接触角
の大きい状態はとれず、その前に残ったオイルとつなが
ってしまう。その結果、接触角が小さい状態となり、通
り易くなって一度濡れたところを何度も通るようにな
る。
【0038】このような固体表面状態になっていると、
一度何らかの理由で濡れまたはオイル注入時にオイルが
ふれた場合には、その部分は接触角が小さく保持力も小
さくなっており、オイルを通し易くなる。このため軸受
の2箇所の出口、すなわち両隙間変化部32,32から
外側にかけては、凹凸(面粗度)を出来るだけ小さく、
汚れ(表面張力のムラ)を出来るだけ小さくする必要が
ある。
【0039】また固体表面に凹凸や表面張力のムラがあ
る時のマクロ(みかけ)の固体と液体との接触角は次の
ようになるといわれている。
【0040】凹凸がある場合には、滑らかな(平らな)
面に対する実際の面の表面積の比率をrとしたとき、マ
クロ(見かけ)の接触角θW (ウエンゼルの接触角と呼
ばれる)は、 cos θW =rcos θ1 (θ1 :ミクロ(真実)の接触角) ミクロの接触角がθ1 =60°(cos θ=0.5)とか
なり大きい場合でも、凹凸でr=2以上あると、マクロ
の接触角がθW =0°となり、はい上がり現象(濡れ拡
張)か止まらない状態になってしまう。このことから
も、漏れを防ぐには隙間変化部から外側にかけての面粗
度をできるだけ小さく抑え、望ましくは鏡面状態にする
のがよい。
【0041】一方、表面張力にムラがある場合には、異
なる表面張力の複合面と考えられるから、マクロ(見か
け)の接触角θC (カッシーの接触角と呼ばれる)は、 cos θC =A1 cos θ1 +A2 cos θ2 となる。但し、A1 ,A2 :異なる表面張力の占める面
積の比率、θ1 ,θ2 :異なる表面張力のミクロ(真
実)の接触角である。この場合でも、漏れを防ぐには両
隙間変化部から外側にかけての面粗度をできるだけ小さ
く抑え、望ましくは鏡面状態にするのがよい。
【0042】次に、両隙間変化部32,32の外端32
b,32bから当該隙間変化部32,32の軸方向長さ
の1/2以内の位置を基準位置としたとき、その基準位
置から外側にかけての内壁面が、基準位置から軸受部3
1側の内壁面より少なくとも15°以上大きい接触角θ
1 を有する材質あるいは処理表面により形成することも
有効である。すなわち、漏れ難くするには固体と液体と
の接触角を大きくするのが一つの方法であるが、何らか
の制約条件から全体の接触角を上げられない場合には、
保持に一番必要な部分のみの接触角を大きくしても効果
がある。
【0043】さらにまた、両隙間変化部32,32の大
径側すなわち、外端32b,32bにおける接触角θ1
が、小径側、すなわち、内端32a,32aにおける接
触角より大きくなるように設定しておくことも有効であ
る。
【0044】すなわち回転部材の回転時には、軸受内の
オイルにも遠心力が働くため、両隙間変化部32,32
の半径方向大径側の面の方が小径側の面よりオイルの圧
力が高くなる。このため、大径側・小径側の面とも接触
角が同じ場合には、大径側の固体とオイル表面との接触
点位置の方が小径側の固体とオイル表面との接触点位置
より外側となり、漏れ易く空気を混入し易い条件になっ
てしまう。これに対して大径側の接触角を大きくする
と、接触点の平衡バランスと圧力差から、大径側の固体
とオイル表面との接触点位置と小径側の固体とオイル表
面との接触点位置との差が小さくなり、オイル漏れ・空
気の混入に対して有利となる。
【0045】一方本発明においては、隙間変化部32に
おける大径面側の径中心に対する軸受部31側から見た
傾斜角が、10°ないし−20°の範囲内に設定されて
もよい。すなわち回転によって生じるオイルへの遠心力
は常に径が大きい面側が大きくなるため、このような形
状とすることによって、遠心力による圧力がオイルを漏
らす方向には働かなくなり、より安定な状態を保つこと
ができる。
【0046】また本発明においては、ラジアル軸受3の
動圧発生用溝の外端を、隙間変化部32,32の内端3
2a,32aまで延長して形成してもよい。このように
動圧発生用溝を隙間変化部32,32の内端32a,3
2aまで延長するように構成すれば、軸受部31からの
隙間傾斜角αは常にα≧0°状態となり、オイル注入時
などに空気が混入しにくくなるとともに、混入しても外
側へ押し出す方向の力が加わり、常にオイルを保持しや
すい状態が保つことができる。
【0047】さらにまた本発明の実施の形態において
は、隙間変化部32内における隙間傾斜角αは、隙間傾
斜角αを略一定に形成し、断面が直線状の内壁面に形成
するのが、最も加工が容易な形状であるとともにどの位
置でも隙間傾斜角αがα>0°であるため、オイルは内
側に、空気は外側にという力が常に働いて安定となり好
ましい。
【0048】一方、本発明の他の実施の形態では、図2
に軸受部の要部を示したように、隙間変化部32内に隙
間321がラジアル方向に設けられている。このように
ラジアル方向に隙間321を設けることにより、オイル
保持のための内容量を増やすことができ、特に隙間32
1の軸方向の幅を隙間変化部外端32bと固定軸2との
間の幅より小さく抑えることにより、隙間321のオイ
ル10は確実に保持される。またラジアル方向に形成し
た隙間321は軸方向に大きな寸法をとらないため、全
体の軸方向寸法が抑えられるとともに、耐衝撃保持力が
有利となる。
【0049】上記隙間321は、既に説明した隙間変化
部32の条件を満足するものであれば、図3及び図4に
示すように、半径方向に溝状の隙間322を軸方向に設
けるか、或いは孔として形成することも可能である。
【0050】このときの上記隙間は、図3及び図4に示
されているような隙間変化部条件を満足する半径方向の
隙間322をラジアル方向に設けたものとしたり、孔状
(図示省略)に形成することも可能である。これらの場
合も上記の場合と同様であるが、特に孔の場合には容量
に対する固体面の比率が増えて毛管現象による発生圧力
が倍となるため、面対向時の隙間に対し孔は半径が対応
する。
【0051】また本発明においては、隙間変化部32の
軸方向区間における2/3以上を、隙間寸法0.4mm以
内の平行隙間(隙間傾斜角α=0°)に設定してもよ
い。このような形状にすることによって、隙間変化部3
2のスペースが多く取れることとなり、オイル10のば
らつき・変化をより多く吸収できるとともに、平行隙間
部の隙間間隔を小さく抑えることができ、漏れ難い状態
が確保されることとなる。
【0052】また、図5中に破線で示したように、隙間
変化部内端32a,32aの内側どうしを連通させるオ
イル循環孔323を設けたり、通常のように、ラジアル
軸受3が2箇所設けられた場合、図中2点鎖線で示した
ように、ラジアル軸受3間の内部空気を逃がすための孔
324からなる空気排出手段を固定軸2内に設けたり、
あるいは隙間をラジアル軸受3に設け、ラジアル軸受3
間を繋げるようにしてもよい。軸受内部に空気が存在す
るとき、気圧や温度の変化により空気が膨張したり高圧
になる場合がある。この場合、その空気圧によって軸受
部に介在するオイルが押し出されてしまう可能性があ
る。これに対して軸受間を孔や隙間からなる空気排出手
段により繋げておくと、膨張した空気は空気排出手段を
介して逃げて圧力差が解消されることとなり、オイルを
押し出す圧力は加わらなくなる。
【0053】さらにまた本発明においては、図示してい
ないが、隙間変化部32からその外側にかけて、軸方向
に延在する溝または凸条を設けてもよい。このように構
成すれば、何らかの理由によりオイル10に空気が混入
した場合に、オイル10と空気の入れ替えがスムーズに
できる状態が作られ、より確実に空気を外部へ押し出す
ことができる。溝または凸条があると、表面張力により
オイル10はより隙間の狭い方に、空気はより隙間の広
い方に移動してオイルと空気が分離された状態となるか
らである。さらにこの溝または凸条を、軸方向に外部ま
で形成しておけば、この溝または凸条に沿ってオイル・
空気がぶつからず分離された状態でそれぞれ移動でき、
よりスムーズにオイルと空気の入れ替えをすることがで
きる。
【0054】また、図6に示した実施の形態では、上下
に配置された2つのラジアル軸受3において、それぞれ
のラジアル軸受3に形成された外側に位置する隙間変化
部42の傾斜角度より内側に位置する隙間変化部52の
傾斜角度を大きく設定するとともに、オイル接触角が4
5°以下となるように構成している。最大保持圧力を発
生する接触角は小さいほうが大きな圧力を発生すること
ができ、接触角45°で約7割であるので、この程度ま
で接触角を抑える必要がある。更に図6の実施の形態で
は、隙間変化部42,52における平均隙間傾斜角は1
0°以上となるように構成されている。外力や相対移動
による隙間の変化などによるオイルの移動を防ぐには、
平均で10°程度以上の隙間傾斜角が必要である。
【0055】また、図6の実施の形態のように、2つの
軸受3の間に空気が存在する場合、軸受部31より内側
に位置する隙間変化部52における平均隙間傾斜角は、
ラジアル軸受部31より外側に位置する隙間変化部42
における平均隙間傾斜角の2倍以上に設定するのがよ
い。このようにすれば、内側の隙間変化部53の容量に
対して外側の隙間変化部42の容量を大きくすることが
でき、実質的なオイル可能保持量を増やすことができ
る。尚、内側の隙間変化部52からオイルが溢れて漏れ
出しやすくはなるが、軸受の内側にオイルを戻す作用と
なるので問題はない。
【0056】さらに図7に示す実施の形態においては、
オイルとして磁性流体が使用されているとともに2つの
磁性材料からなる軸受3の間にマグネット62が配置さ
れ、磁性材料からなる固定軸2との間で磁気回路が形成
されている。上記磁気回路は、軸受3と固定軸2とが磁
性材料から構成されることにより、磁束密度が隙間変化
部32の内端32aで強くかつ隙間変化部32の外端3
2bで弱く設定されることになり、また、隙間変化部3
2の少なくとも半分以上の区間でほぼ一方向で一定の磁
束密度傾斜の磁界となるように形成されている。
【0057】このような磁気的条件にすることにより、
オイルとしての磁性流体は、磁気力によっても内部へ向
う圧力を受けてより漏れ難い状態となる。またできるだ
け磁束密度傾斜を一定にしておくことにより、多少磁性
流体の位置が変化しても確実にあるレベル以上の磁気力
が加わることになる。
【0058】以上本発明者によってなされた発明を実施
の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施
の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しな
い範囲で種々変形可能であるというのはいうまでもな
い。例えば、本発明は上述したような軸固定型の装置に
限定されることはなく、回転型の装置にも同様に適用す
ることができ、またモータ以外の軸受を用いたあらゆる
種類の装置に対しても同様に適用することができる。
【0059】
【発明の効果】以上述べたように本発明にかかる軸受の
シール装置によれば、軸受部に常に充分なオイルを保持
することができるとともに、オイルを安定的に保持して
オイルの外部漏れを良好に防止することができ、外力に
も良好に耐えることができ、装置の信頼性を向上させる
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における軸受装置を表した
半横断面図である。
【図2】本発明の他の実施の形態における軸受装置の要
部を拡大して表した半横断面説明図である。
【図3】本発明の他の実施の形態における軸受装置の要
部を拡大して表した平面説明図である。
【図4】図3に表した軸受装置の要部を拡大して表した
半横断面説明図である。
【図5】本発明の他の実施の形態における軸受装置を表
した半横断面説明図である。
【図6】本発明の他の実施の形態における軸受装置を表
した半横断面説明図である。
【図7】本発明の他の実施の形態における軸受装置を表
した半横断面説明図である。
【図8】本発明を適用したHDDモータの全体構造を表
した半横断面図である。
【図9】本発明の実施の形態における軸受装置の要部を
拡大して表した半横断面説明図である。
【符号の説明】
31 ラジアル軸受部 32 隙間変化部 α 隙間傾斜角

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定部材に対し回転部材を回転自在に支
    承するラジアル軸受部を有するラジアル軸受が設けら
    れ、 上記固定部材と回転部材との間にオイルを充填するとと
    もに上記ラジアル軸受部の軸方向両端側に隙間変化部が
    形成された軸受のシール装置であって、 上記隙間変化部は、 1)上記ラジアル軸受部側の隙間変化部内端で該隙間変
    化部における最小隙間を有するとともに、上記ラジアル
    軸受部とは逆側の隙間変化部外端で該隙間変化部におけ
    る最大隙間を有し、 2)上記軸受部側から見た上記隙間変化部の角度を隙間
    傾斜角としたとき、上記隙間変化部内端から隙間変化部
    外端にかけての隙間傾斜角は0°以上であり、 3)上記隙間変化部外端は、上記隙間変化部の対向面に
    対する隙間が0.8mm以下、かつ、隙間傾斜角が45°
    以下の位置であり、 4)上記両隙間変化部のそれぞれの内容量は、上記ラジ
    アル軸受部の内容量に対してそれぞれ100%以上に設
    定されているとともに、上記両隙間変化部外端における
    半径方向隙間が、上記両隙間変化部内端における半径方
    向隙間に対してそれぞれ2倍以上に設定されていること
    を特徴とする軸受のシール装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の軸受のシール装置におい
    て、 静止安定時におけるオイル量が、隙間変化部の内容量を
    Aとするとき、隙間変化部内端から0.1Aないし0.
    9Aの間の位置となる量に設定されていることを特徴と
    する軸受のシール装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の軸受のシール装置におい
    て、 隙間変化部における回転部材又は固定部材とのオイルの
    接触角は15°以上に設定されていることを特徴とする
    軸受のシール装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の軸受のシール装置におい
    て、 隙間変化部における回転部材とオイルとの接触角と、固
    定部材とオイルとの接触角の差が、15°以下に設定さ
    れていることを特徴とする軸受のシール装置。
  5. 【請求項5】 請求項3記載の軸受のシール装置におい
    て、 隙間変化部の内壁面は、低表面張力のプラスチック材料
    から形成されていることを特徴とする軸受のシール装
    置。
  6. 【請求項6】 請求項3記載の軸受のシール装置におい
    て、 隙間変化部の内壁面における面粗度Ra は、0.25μ
    m以下に設定されていることを特徴とする軸受のシール
    装置。
  7. 【請求項7】 請求項1記載の軸受のシール装置におい
    て、 軸受部に形成した動圧発生用溝の外端が、隙間変化部内
    端まで形成されていることを特徴とする軸受のシール装
    置。
  8. 【請求項8】 請求項1記載の軸受のシール装置におい
    て、 隙間変化部の軸方向区間における2/3以上が、隙間寸
    法0.4mm以内の平行隙間に設定されていることを特徴
    とする軸受のシール装置。
  9. 【請求項9】 請求項1記載の軸受のシール装置におい
    て、 隙間変化部は、隙間変化部内端から隙間変化部外端に向
    って45°以下の角度で開くように形成されていること
    を特徴とする軸受のシール装置。
  10. 【請求項10】 請求項9記載の軸受のシール装置にお
    いて、 隙間変化部内における隙間傾斜角は略一定に形成され、
    断面が直線状の内壁面に形成されていることを特徴とす
    る軸受のシール装置。
  11. 【請求項11】 請求項9記載の軸受のシール装置にお
    いて、 隙間変化部における平均隙間傾斜角が、10°以上に設
    定されていることを特徴とする軸受のシール装置。
  12. 【請求項12】 請求項1記載の軸受シール装置におい
    て、 隙間傾斜部内端とラジアル軸受部との間を相互に連通さ
    せるオイル循環孔が設けられていることを特徴とする軸
    受のシール装置。
  13. 【請求項13】 請求項1記載の軸受のシール装置にお
    いて、 隙間変化部からその外側にかけて、軸方向に延在する溝
    が設けられていることを特徴とする軸受のシール装置。
  14. 【請求項14】 請求項1記載の軸受のシール装置にお
    いて、 隙間変化部内に磁性流体が充填されているとともに、当
    該磁性流体に対して隙間変化部内端で強くかつ隙間変化
    部外端で弱く設定され、隙間変化部の少なくとも半分以
    上の区間でほぼ一方向かつ一定の磁束密度傾斜の磁界と
    なるように設定された磁気回路が形成されていることを
    特徴とする軸受のシール装置。
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