JPH08159129A - ナットおよびその締結用工具 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 各種自動販売機やパーキングメーター等の如
く野外にアンカーボルト及びナットを介して設置される
機器において、その機器の盗難防止のための特殊ナット
を提供すること。 【構成】 そのナットは軸断面外周が略台形状で且つそ
の台形状の回転曲面としてナット本体１の外周が形成さ
れ、その本体の外周面の周方向及び軸方向の互いに異な
った位置に工具嵌着用の一対のスリット２，３が形成さ
れる。そしてその締結用工具７は、前記ナットの一対の
スリット２，３に整合する一対のナット把持部５，６を
柄部４の先端に二又状に形成したものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、各種自動販売機やパー
キングメーターの如く野外に基礎ボルト及びナットを介
して設置される機器の盗難防止用特殊ナットに関する。

【０００２】

【従来の技術】野外に設置される各種自動販売機やパー
キングメーターは、それらを設置する基礎コンクリート
にアンカーボルトを突設固定し、自動販売機等の機器の
フランジをナット及びアンカーボルトを介して基礎コン
クリートに締結固定していた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところが、このような
ナットは通常広く使用されているスパナ等により簡単に
取り外すことが可能である。そのため、自動販売機等の
機器自体が盗難に遇う場合が存在する。特に、道路沿い
に設置された機器においては小型のクレーン車等で、そ
の自動販売機等を比較的短時間で持ち去ることができ
る。そこで、本発明は各種機器の設置用ナットが容易に
取り外すことができない盗難防止用の特殊ナット及びそ
のナット締結用の工具を提供することを目的とし、その
目的達成のために次の構成をとる。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明のナットは、軸断
面外周が略台形状で且つ、外周がその台形状の回転曲面
として形成されたナット本体１と、夫々その本体１の外
周面の周方向及び軸方向の互いに異なった位置に形成さ
れた工具嵌着用の一対のスリット２，３と、を具備する
ものである。またその好ましい実施態様は、前記略台形
状の斜面が外側へ僅かに凸となる曲面で形成された椀状
のものである。さらには、前記一対のスリット２，３が
互いに周方向に１８０°異なった位置に形成される。ま
た本発明の締結用工具は、柄部４と、その先端に平面方
向にＵ字状またはＹ字状の二又に形成され且つ、前記ナ
ットの前記軸線方向に位置を異にした一対のナット把持
部５，６とを具備するものである。

【０００５】

【実施例】次に、図面に基づいて本発明の実施例につき
説明する。図１は本発明のナットの斜視図であり、図２
はそのナットと締結用工具７との斜視図、図３は同側面
図、図４は本ナットの使用状態を示す一部破断立面図で
ある。本発明のナットは、図１及び図３に示す如くその
ナット本体１の軸断面外周が略台形で且つ、その台形の
斜面が外側へ僅かへ凸となる曲面で形成された椀状のも
のである。そして、中心に内ネジ９が螺刻されている。
そして、周方向に互いに１８０°異なったナット本体１
外周面にはその軸方向高さをＨだけ異にして、一対のス
リット２，３が互いに平行に溝状に形成され、夫々の溝
底面は軸線に平行に設けられている。

【０００６】次に、このナットを締結及び取り外す締結
用工具７は、図２及び図３に示す如く平坦な柄部４の一
端部に平面視二又に形成された一対のナット把持部５，
６が延在し、両ナット把持部５，６はその厚み方向高さ
がＨだけ異なっている。それと共に、一対のナット把持
部５，６の内面側距離は前記ナットにおけるスリット
２，３の溝底間距離に等しく形成されている。なお、ナ
ット把持部５，６に対し柄部４はその平面高さが高くな
っている。これは、図４に示す如くナットが基部コンク
リート13上に設置されるので、その締結用工具７の柄部
４を基部コンクリート13の上方に位置させ、それを把持
し易いようにしたものである。しかして、図２〜図４に
示す如く基部コンクリート13上に突設されたアンカーボ
ルト８に機器10のフランジ11のボルト挿通孔を挿通し、
ワッシャ12を介してナット本体１をアンカーボルト８に
螺着する。そして、図２及び図３に示す如く締結用工具
７の一対のナット把持部５，６をナット本体１のスリッ
ト２，３に嵌着し、それを螺回すればよい。また、ナッ
トを取り外すには締結方向と逆方向に螺回すればよい。

【０００７】

【発明の作用・効果】本発明のナットは、その外周面が
略台形状の回転曲面に形成されているため、通常の把持
工具でその外周面を把持することができない。しかも、
工具嵌着用の一対のスリット２，３は軸方向に互いに異
なった位置に配置され、所謂段違いに形成されているた
め、特殊な本発明の締結用工具以外にはそれを回転締結
または緩めることができない。従って、自動販売機やパ
ーキングメーター等の金銭が収納され、野外に設置され
る各種機器の盗難防止のための固定用ナットとして有益
である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のナットの斜視図。

【図２】本発明のナットと締結用工具７との斜視図。

【図３】同側面図。

【図４】本ナットの使用状態を示す一部破断立面図。

【符号の説明】

１ ナット本体 ２，３ スリット ４ 柄部 ５，６ ナット把持部 ７ 締結用工具 ８ アンカーボルト ９ 内ネジ 10 機器 11 フランジ 12 ワッシャ 13 基部コンクリート

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 軸断面外周が略台形状で且つ、外周がそ
   の台形状の回転曲面として形成されたナット本体１と、 夫々その本体１の外周面の周方向及び軸方向の互いに異
   なった位置に形成された工具嵌着用の一対のスリット
   ２，３と、 を具備するナット。
2. 【請求項２】 請求項１において、前記略台形状の斜面
   が外側へ僅かに凸となる曲面で形成された椀状のナッ
   ト。
3. 【請求項３】 請求項１において、前記一対のスリット
   ２，３が互いに周方向に１８０°異なった位置に形成さ
   れたナット。
4. 【請求項４】 請求項１のナットを締結する工具におい
   て、 柄部４と、その先端に平面方向にＵ字状またはＹ字状の
   二又に形成され且つ、前記ナットの前記軸線方向に位置
   を異にした一対のナット把持部５，６と、 を具備する締結用工具。