JP2009034733A - ボルト/ナットの供回り防止具 - Google Patents
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Abstract
【課題】めがねレンチを使用できない場合や使用に適さない場合でも、ボルト/ナットを確実に固定しておくことができる、供回り防止具を提供する。
【解決手段】ボルト頭部51を嵌合するための穴部11を備えたソケット部10と、穴部11に嵌合されるボルト頭部51の嵌合先端面を係止するべく穴部11の反開口側に設けられた係止部材15と、ソケット部10の周面から穴部半径方向外方へ延設されたアーム部20と、アーム部20に設けられた磁石30とを有する供回り防止具1。
【選択図】 図1
【解決手段】ボルト頭部51を嵌合するための穴部11を備えたソケット部10と、穴部11に嵌合されるボルト頭部51の嵌合先端面を係止するべく穴部11の反開口側に設けられた係止部材15と、ソケット部10の周面から穴部半径方向外方へ延設されたアーム部20と、アーム部20に設けられた磁石30とを有する供回り防止具1。
【選択図】 図1
Description
本発明は、ボルトやナットの供回り防止具に関する。例えば、送電用鉄塔のアングル材を締結しているボルト・ナットを緩める際、作業者から見て裏面側に隠れているボルト頭部を固定しておくのに特に適した供回り防止具に関する。
ボルト−ナットを締結したり緩めたりするために、締結装置を用いて何れか一方を締めつけようとする/緩めようとすると、他方も一緒に回ってしまい、結果、締めつけできない/緩められないという、いわゆる供回りの問題が生ずる。
このため、従来は、供回りするボルトの頭部やナットにめがねレンチ等を嵌合し、その他端を適当な突出物に係止したり、適当な突出物が無い場合には作業者がめがねレンチ等の他端を保持する等して、供回りを防止することが行われている。
このため、従来は、供回りするボルトの頭部やナットにめがねレンチ等を嵌合し、その他端を適当な突出物に係止したり、適当な突出物が無い場合には作業者がめがねレンチ等の他端を保持する等して、供回りを防止することが行われている。
特開平10−044051号公報(特許文献1)には、供回り防止手段が開示されている。この供回り防止手段は、一端部にボルト頭部嵌合用の係合孔を有するとともに他端部に吸盤方式のストッパを有するアーム材であり、一端の係合孔をボルト頭部に嵌合し、且つ、他端の吸盤を被締結部材表面に吸着させることで、供回りを防止している。
特開平05−057629号公報(特許文献2)には、供回り防止手段を備えた締結装置が開示されている。この供回り防止手段は、締結装置のボルト/ナット締結用のソケット付近から延設した腕部を、被締結部材の縁から回り込ませて反対面側に張り出させ、その先端にてナット/ボルト頭部を固定することで、供回りを防止するものである。
特開平10−044051号公報
特開平05−057629号公報
特開平05−057629号公報(特許文献2)には、供回り防止手段を備えた締結装置が開示されている。この供回り防止手段は、締結装置のボルト/ナット締結用のソケット付近から延設した腕部を、被締結部材の縁から回り込ませて反対面側に張り出させ、その先端にてナット/ボルト頭部を固定することで、供回りを防止するものである。
ボルト頭部やナットにめがねレンチ等を嵌合してその他端を適当な突出物に係止する手法は、例えば、送電用鉄塔のアングル材のように、複数のボルト・ナットが近接して配置されているためにストロークの長いめがねレンチ等の使用の妨げとなるような場合には採用できない。ここで、めがねレンチ等では、柄の長さが力を高める作用を奏するため、ストロークが長いことは必須であるという事情がある。さらに、送電用鉄塔のアングル材の場合には、水平な平坦面が無いため安定的にめがねレンチ等を載置できず、高所からの落下の恐れもあるため、使用に適さないという問題もある。
ボルト頭部やナットにめがねレンチ等を嵌合してその他端を作業者が直接又は間接に保持する手法は、作業者に過度の負担がかかるという問題がある。特に、送電用鉄塔のような足場の悪い高所で重い締結装置や嵩張る締結装置を用いて作業する場合、締結作業とめがねレンチ等の保持とを一人で行うことは実質的に不可能であり余分な人員を要する。
特開平10−044051号公報の供回り防止手段は吸盤方式のストッパによる固定であるため、大きな機械力で締結する/緩める場合には、確実に固定しておくことが困難である。特に、送電用鉄塔のアングル材のように、表面が粗く塗装が施されている被締結部材のボルト・ナットを緩める場合には、吸盤方式では心もとない。なお、仮に、固定する力を高めた場合には、作業完了後の除去に手間取るため、作業効率の悪化を招く。
特開平05−057629号公報の供回り防止手段を備えた締結装置は、供回り防止手段としての腕部の形状・サイズが既定であるため用途が特殊な部材に限られる。即ち、被締結部材の形状・サイズが腕部に適合する特殊な部材には使用できるが、形状・サイズが異なる一般の被締結部材(例:送電用鉄塔のアングル材)には使用できない。
ボルト頭部やナットにめがねレンチ等を嵌合してその他端を作業者が直接又は間接に保持する手法は、作業者に過度の負担がかかるという問題がある。特に、送電用鉄塔のような足場の悪い高所で重い締結装置や嵩張る締結装置を用いて作業する場合、締結作業とめがねレンチ等の保持とを一人で行うことは実質的に不可能であり余分な人員を要する。
特開平10−044051号公報の供回り防止手段は吸盤方式のストッパによる固定であるため、大きな機械力で締結する/緩める場合には、確実に固定しておくことが困難である。特に、送電用鉄塔のアングル材のように、表面が粗く塗装が施されている被締結部材のボルト・ナットを緩める場合には、吸盤方式では心もとない。なお、仮に、固定する力を高めた場合には、作業完了後の除去に手間取るため、作業効率の悪化を招く。
特開平05−057629号公報の供回り防止手段を備えた締結装置は、供回り防止手段としての腕部の形状・サイズが既定であるため用途が特殊な部材に限られる。即ち、被締結部材の形状・サイズが腕部に適合する特殊な部材には使用できるが、形状・サイズが異なる一般の被締結部材(例:送電用鉄塔のアングル材)には使用できない。
送電用鉄塔のアングル材等を締結しているボルト・ナットからナットを取り外す場合に於いて、ボルト頭部の外周をめがねレンチ等で固定して供回りを抑えつつ、ナットを締結装置で緩めると、ボルト頭部の先端がめがねレンチ等から突き出てガタつきはじめてしまい、結果、ナットを取り外すことが困難になり、作業性が悪化するという問題がある。
また、上記では、ナットを緩める場合について説明したが、或る種類のナットを用いる場合には、同様の問題(ボルト頭部の先端がめがねレンチ等から突き出てガタつきはじめるという問題)が、ナットを締めつける場合にも発生する。
また、上記では、ナットを緩める場合について説明したが、或る種類のナットを用いる場合には、同様の問題(ボルト頭部の先端がめがねレンチ等から突き出てガタつきはじめるという問題)が、ナットを締めつける場合にも発生する。
本発明は上記の事情に鑑みたものであり、
(1)被締結部材が、例えば送電用鉄塔のアングル材の場合のように、めがねレンチ等を使用できない場合や使用に適さない場合でも、ボルト/ナットを確実に固定しておくことができ、且つ、作業完了後には容易に除去できる、ボルト/ナットの供回り防止具を提供することを目的とする。
また、
(2)例えば送電用鉄塔のアングル材に適用されたボルト・ナットを取り外す場合のように、足場の悪い高所で重い締結装置や嵩張る締結装置を用いて作業する場合でも、一人でボルト/ナットを確実に固定しておくことができ、且つ、作業完了後には容易に除去できる、ボルト/ナットの供回り防止具を提供することを目的とする。
また、
(3)例えば送電用鉄塔のアングル材を締結しているボルト・ナットからナットを取り外す場合や、或る種類のナットを締めつける場合等に於いて、供回りを抑えているボルト頭部が突き出てガタツキはじめるということがないようにすることを目的とする。
(1)被締結部材が、例えば送電用鉄塔のアングル材の場合のように、めがねレンチ等を使用できない場合や使用に適さない場合でも、ボルト/ナットを確実に固定しておくことができ、且つ、作業完了後には容易に除去できる、ボルト/ナットの供回り防止具を提供することを目的とする。
また、
(2)例えば送電用鉄塔のアングル材に適用されたボルト・ナットを取り外す場合のように、足場の悪い高所で重い締結装置や嵩張る締結装置を用いて作業する場合でも、一人でボルト/ナットを確実に固定しておくことができ、且つ、作業完了後には容易に除去できる、ボルト/ナットの供回り防止具を提供することを目的とする。
また、
(3)例えば送電用鉄塔のアングル材を締結しているボルト・ナットからナットを取り外す場合や、或る種類のナットを締めつける場合等に於いて、供回りを抑えているボルト頭部が突き出てガタツキはじめるということがないようにすることを目的とする。
本発明の構成を、下記[1]〜[4]に記す。
[1]構成1:
ボルト頭部又はナットを嵌合するための穴部を備えたソケット部と、
前記穴部に嵌合されるボルト頭部又はナットの嵌合先端面を係止するべく前記穴部の反開口側に設けられた係止部材と、
前記ソケット部の周面から穴部半径方向外方へ延設されたアーム部と、
前記アーム部及び/又は前記ソケット部に設けられた磁石と、
を有することを特徴とするボルト/ナットの供回り防止具。
[2]構成2:
ボルト頭部又はナットを嵌合するための穴部を備えたソケット部と、
前記穴部に嵌合されるボルト頭部又はナットの嵌合先端面を係止するべく前記穴部の反開口側に設けられた係止部材と、
前記ソケット部の周面から穴部半径方向外方へ延設されたアーム部と、
前記アーム部及び/又は前記ソケット部に設けられた磁石と、
を有し、前記穴部に供回り防止対象のボルト頭部又はナットを嵌合した状態で対応するナット又はボルトを回転させることにより、前記アーム部を最寄りの障害物に当接させて係止する、ことを特徴とするボルト/ナットの供回り防止具。
[3]構成3:
構成1又は構成2に於いて、
前記係止部材は前記穴部の底部である、
ことを特徴とするボルト/ナットの供回り防止具。
[4]構成4:
構成1〜構成3の何れかに於いて、
前記アーム部は先端側が細くなる先細り形状を成し、
前記穴部の軸芯から前記アーム部の先端までの距離は、前記穴部に嵌合される六角ボルト頭部又は六角ナットの対角寸法の1.5倍〜3.0倍の範囲である、
ことを特徴とするボルト/ナットの供回り防止具。
[1]構成1:
ボルト頭部又はナットを嵌合するための穴部を備えたソケット部と、
前記穴部に嵌合されるボルト頭部又はナットの嵌合先端面を係止するべく前記穴部の反開口側に設けられた係止部材と、
前記ソケット部の周面から穴部半径方向外方へ延設されたアーム部と、
前記アーム部及び/又は前記ソケット部に設けられた磁石と、
を有することを特徴とするボルト/ナットの供回り防止具。
[2]構成2:
ボルト頭部又はナットを嵌合するための穴部を備えたソケット部と、
前記穴部に嵌合されるボルト頭部又はナットの嵌合先端面を係止するべく前記穴部の反開口側に設けられた係止部材と、
前記ソケット部の周面から穴部半径方向外方へ延設されたアーム部と、
前記アーム部及び/又は前記ソケット部に設けられた磁石と、
を有し、前記穴部に供回り防止対象のボルト頭部又はナットを嵌合した状態で対応するナット又はボルトを回転させることにより、前記アーム部を最寄りの障害物に当接させて係止する、ことを特徴とするボルト/ナットの供回り防止具。
[3]構成3:
構成1又は構成2に於いて、
前記係止部材は前記穴部の底部である、
ことを特徴とするボルト/ナットの供回り防止具。
[4]構成4:
構成1〜構成3の何れかに於いて、
前記アーム部は先端側が細くなる先細り形状を成し、
前記穴部の軸芯から前記アーム部の先端までの距離は、前記穴部に嵌合される六角ボルト頭部又は六角ナットの対角寸法の1.5倍〜3.0倍の範囲である、
ことを特徴とするボルト/ナットの供回り防止具。
構成1のボルト/ナットの供回り防止具は、ボルト頭部又はナットを嵌合するための穴部を備えたソケット部と、前記穴部に嵌合されるボルト頭部又はナットの嵌合先端面を係止するべく前記穴部の反開口側に設けられた係止部材と、前記ソケット部の周面から穴部半径方向外方へ延設されたアーム部と、前記アーム部及び/又は前記ソケット部に設けられた磁石とを有するため、例えば送電用鉄塔のアングル材の場合のように、めがねレンチ等を使用できない場合や使用に適さない場合でも、ボルト/ナットを確実に固定しておくことができ、且つ、作業完了後には容易に除去できる、ボルト/ナットの供回り防止具を提供することができる。また、例えば送電用鉄塔のアングル材に適用されたボルト・ナットを取り外す場合のように、足場の悪い高所で重い締結装置や嵩張る締結装置を用いて作業する場合でも、一人でボルト/ナットを確実に固定しておくことができ、且つ、作業完了後には容易に除去できる、ボルト/ナットの供回り防止具を提供することができる。また、例えば送電用鉄塔のアングル材を締結しているボルト・ナットからナットを取り外す場合や、或る種類のナットを締めつける場合等でも、供回りを抑えているボルト頭部の嵌合先端面が係止部材によって係止されるため、該ボルト頭部が突き出てガタツキはじめるということを確実に防止できる。
構成2のボルト/ナットの供回り防止具は前述の構成であるため、構成1のボルト/ナットの供回り防止具と同様の作用効果を奏する。
構成3のボルト/ナットの供回り防止具は、構成1又は構成2に於いて、前記係止部材は前記穴部の底部であるため、穴部を非貫通形状とすることで、別途の係止部材を設ける必要がなく、構成を簡易化できる効果がある。
構成4のボルト/ナットの供回り防止具は、構成1〜構成3の何れかに於いて、前記アーム部は先端側が細くなる先細り形状を成し、前記穴部の軸芯から前記アーム部の先端までの距離は、前記穴部に嵌合される六角ボルト頭部又は六角ナットの対角寸法の1.5倍〜3.0倍の範囲であるため、標準的なサイズの送電用鉄塔のアングル材を締結しているボルト・ナットからナットを取り外す際に、アーム部が最寄りの障害物に当接するまでの初期の供回り角を最小限にできる効果がある。
構成2のボルト/ナットの供回り防止具は前述の構成であるため、構成1のボルト/ナットの供回り防止具と同様の作用効果を奏する。
構成3のボルト/ナットの供回り防止具は、構成1又は構成2に於いて、前記係止部材は前記穴部の底部であるため、穴部を非貫通形状とすることで、別途の係止部材を設ける必要がなく、構成を簡易化できる効果がある。
構成4のボルト/ナットの供回り防止具は、構成1〜構成3の何れかに於いて、前記アーム部は先端側が細くなる先細り形状を成し、前記穴部の軸芯から前記アーム部の先端までの距離は、前記穴部に嵌合される六角ボルト頭部又は六角ナットの対角寸法の1.5倍〜3.0倍の範囲であるため、標準的なサイズの送電用鉄塔のアングル材を締結しているボルト・ナットからナットを取り外す際に、アーム部が最寄りの障害物に当接するまでの初期の供回り角を最小限にできる効果がある。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
図1は実施の形態の供回り防止具1を示し、(a)は上面図、(b)は正面図、(c)は(b)を図の右方から見た右側面図である。図2(a)と(b)は送電用鉄塔の構成部材であるアングル材7と別材8(両者を合わせて被締結部材という)を締結しているボルト・ナットのボルト頭部51に図1の供回り防止具1を適用した様子を示し、(a)は上面図、(b)は(a)を図の右方から見た右側面図である。同様に、図2(c)(d)は送電用鉄塔の構成部材であるアングル材7aと別材8aを締結しているボルト・ナットのボルト頭部51に図1の供回り防止具1を適用した様子を示し、(c)は上面図、(d)は(c)を図の右方から見た右側面図である。アングル材7はアングル材7aより幅広であるため、ボルト・ナットの配置もアングル材7が2列の入れ位置であるのに対し、アングル材7aでは1列である。図3は、締結装置9を用いてナット6をボルト5から取り外す際に図1の供回り防止具1を用いる様子を示す説明図である。
図1は実施の形態の供回り防止具1を示し、(a)は上面図、(b)は正面図、(c)は(b)を図の右方から見た右側面図である。図2(a)と(b)は送電用鉄塔の構成部材であるアングル材7と別材8(両者を合わせて被締結部材という)を締結しているボルト・ナットのボルト頭部51に図1の供回り防止具1を適用した様子を示し、(a)は上面図、(b)は(a)を図の右方から見た右側面図である。同様に、図2(c)(d)は送電用鉄塔の構成部材であるアングル材7aと別材8aを締結しているボルト・ナットのボルト頭部51に図1の供回り防止具1を適用した様子を示し、(c)は上面図、(d)は(c)を図の右方から見た右側面図である。アングル材7はアングル材7aより幅広であるため、ボルト・ナットの配置もアングル材7が2列の入れ位置であるのに対し、アングル材7aでは1列である。図3は、締結装置9を用いてナット6をボルト5から取り外す際に図1の供回り防止具1を用いる様子を示す説明図である。
図1に示すように、本実施の形態の供回り防止具1は、ソケット部10と、係止部材15と、アーム部20と、磁石30とを有する。
ソケット部10は、供回り防止対象のボルト5(図2参照)の頭部51(又はナット6でもよい)が嵌合される穴部11を有する。穴部11の内形状は、ボルト頭部51に適合する形状である。即ち、ボルト頭部51を過不足無く収容できるとともに、ボルト頭部51を収容し且つ供回り防止具1を最寄りの障害物により係止した状態に於いてナット6を回転させてボルト5に回転力を付与したとしても該回転力に抗してボルト5を静止させ得る、形状である。図示の例では、六角ボルト頭部51の外形状に略合致する六角形状であるが、これに限定されず、例えば、めがねレンチと同様に十二角形状(二重六角形状)としてもよい。要は、上記の回転力に抗して供回りを抑止できるように収容対象のボルト頭部51(ナット6の供回りを防止する場合はナット6)の外形状に適合する形状であればよい。
係止部材15は、穴部11に嵌合されるボルト頭部51の嵌合先端面(図2(b)で左側の端面)が、ボルト・ナットの締結を解除する際や、或る種類のナットを締めつける際に、穴部11の反開口側(図1(b)で上側)から突き出てしまわないようにするための部材である。例えば、送電用鉄塔のアングル材7と別材8とを締結しているボルト・ナットを取り外すべくナット6に締結装置9(図3参照)のソケット91を適用して両者の螺合を緩め始めると、ボルト5に対して軸方向に押す力(図3で左向きの力)が作用する。このため、そのままではボルト5の頭部51が穴部11の反開口側から突き出てしまうので、係止部材15を設けておき、そのような突出を防止しているのである。なお、或る種類のナットを用いて締めつける際にも同様の問題が生ずるため、そのような場合にも、係止部材15で対応することができる。
また、図示の例では、係止部材15として穴部11を覆う蓋体を用いているが、本発明はかかる構成に限定されない。例えば、穴部11を有底の穴部として構成し、その底部をそのまま係止部材15として兼用するように構成してもよい。
また、図示の例では、係止部材15が穴部11の反開口側を完全に塞いでいるが、このような構成に限定されず、一部のみを覆う構成でもよい。要は、ボルト頭部51の上述の突出を止め得るものであればよい。
また、図示の例では、係止部材15として穴部11を覆う蓋体を用いているが、本発明はかかる構成に限定されない。例えば、穴部11を有底の穴部として構成し、その底部をそのまま係止部材15として兼用するように構成してもよい。
また、図示の例では、係止部材15が穴部11の反開口側を完全に塞いでいるが、このような構成に限定されず、一部のみを覆う構成でもよい。要は、ボルト頭部51の上述の突出を止め得るものであればよい。
アーム部20は、ソケット部10の周面から半径方向外方(穴部11の軸芯と直交する半径方向外方)へ延設されている。このアーム部20は、供回り防止具1の回転を、或る角度で停止させるための部材である。即ち、ボルト5の頭部51を穴部11に嵌合した状態で、締結装置9を用いてナット6を回転(回転としては、締めつける方向の回転と、緩める方向の回転とがある)させたとき、ナット6から伝達される回転力によりボルト5が供回りしたとしても、その初期の回転を、或る角度で停止させるための部材である。例えば、図2(a)には、供回り防止具1のアーム部(2点鎖線)が、最寄りのボルト頭部51に当接することにより、その回転が停止される様子が示されている。また、図2(c)には、供回り防止具1のアーム部(2点鎖線)が、アングル材7aの立設板に当接することにより、その回転が停止される様子が示されている。
アーム部20の望ましい長さは、付近の他のボルト頭部51の配置や、ボルト頭部51からアングル材の立設板までの距離等によっても異なるが、例えば、標準的な送電用鉄塔で用いられているサイズのアングル材(図2(a)と(c)の2種類;8〜9割程度が該当する)の場合、穴部11の軸芯からアーム部20の先端までの距離S1は、穴部11に嵌合される六角ボルト頭部51又は六角ナット6の対角寸法S2の1.5倍〜3.0倍の範囲、好ましくは1.6倍〜2.3倍の範囲、更に好ましくは1.7倍〜2.1倍の範囲である。1.5倍より短いと、付近の障害物に当接できなくなる。一方、3.0倍より長いと、長過ぎるためにセット時に邪魔になり、セット作業の効率が落ちるか、又は、場合によってはセットできなくなる。なお、対角寸法S2の3.0倍以下というストロークは、めがねレンチ等のように対象物に作用する力を強めることを目的とする道具からは、発想すること自体があり得ない長さである。
アーム部20の形状は、図示の例では、基部201から先端部202へいくにしたがって徐々に細くなる先細り形状である。このような形状であるため、図2(a)の如く複数個のボルト頭部51が入れ位置に配設されているような場合でも、それらの隙間にアーム部20を位置決めすることが容易であり、このため、比較的容易に供回り防止具1を所望のボルト頭部51にセットすることができる。
また、図示の例では、アーム部20の厚さはソケット部10の略半分であるが、この厚さは任意である。重量軽減の見地や、強度確保の見地から、適宜の厚さとすればよい。幅についても同様である。また、アーム部20やソケット部10の素材についても同様であり、それらの見地から良好な特性を得られる素材を適宜に採用してよい。
磁石30は、供回り防止具1を被締結部材7に安定的に取り付けておくための部材である。磁石30としては、ここでは、ネオジム磁石を用いているが、これに限定されず、所望の特性に応じて選択してよい。
また、磁石30は、図示の例では、アーム部20内に埋設されており、且つ、埋設部位は穴部11の開口側の面(図1(b)で下面)寄りであるが、これは、ソケット部10に設けても良く、ソケット部10とアーム部20の両部位に設けても良い。
また、図示の例では、磁石面が穴部11の開口側の面に直接露出されているが、必要な磁力を損なわない範囲で、磁石面を、例えばSUS板等で覆ってもよい。そのようにすると、磁石が被締結部材側に取り残されるといった不具合を防止できる。
また、磁石30は、図示の例では、アーム部20内に埋設されており、且つ、埋設部位は穴部11の開口側の面(図1(b)で下面)寄りであるが、これは、ソケット部10に設けても良く、ソケット部10とアーム部20の両部位に設けても良い。
また、図示の例では、磁石面が穴部11の開口側の面に直接露出されているが、必要な磁力を損なわない範囲で、磁石面を、例えばSUS板等で覆ってもよい。そのようにすると、磁石が被締結部材側に取り残されるといった不具合を防止できる。
なお、図示の例では、落下防止用の紐等を取り付けるためのリング等の他の部材については省略しているが、本発明の目的を損なわない範囲で、別の部材を取り付けて良いことはもちろんである。
また、上記では送電用鉄塔のアングル材に適用するボルト・ナットに即して説明しているが、本発明の供回り防止具の用途は、上記のような場合に限定されない。例えば、H型綱に適用されるボルト・ナットや、パイプ連結部のフランジに適用されるボルト・ナット等、同様の条件が成り立つ場合について用い得ることはもちろんである。
また、上記では送電用鉄塔のアングル材に適用するボルト・ナットに即して説明しているが、本発明の供回り防止具の用途は、上記のような場合に限定されない。例えば、H型綱に適用されるボルト・ナットや、パイプ連結部のフランジに適用されるボルト・ナット等、同様の条件が成り立つ場合について用い得ることはもちろんである。
1 供回り防止具
10 ソケット部
11 穴部
15 係止部材
20 アーム部
30 磁石
5 ボルト
51 ボルト頭部
52 ボルト螺子部
6 ナット
7 アングル材(幅広)
7a アングル材(幅狭)
8 別材
8a 別材
9 締結装置
91 ソケット
10 ソケット部
11 穴部
15 係止部材
20 アーム部
30 磁石
5 ボルト
51 ボルト頭部
52 ボルト螺子部
6 ナット
7 アングル材(幅広)
7a アングル材(幅狭)
8 別材
8a 別材
9 締結装置
91 ソケット
Claims (4)
- ボルト頭部又はナットを嵌合するための穴部を備えたソケット部と、
前記穴部に嵌合されるボルト頭部又はナットの嵌合先端面を係止するべく前記穴部の反開口側に設けられた係止部材と、
前記ソケット部の周面から穴部半径方向外方へ延設されたアーム部と、
前記アーム部及び/又は前記ソケット部に設けられた磁石と、
を有することを特徴とするボルト/ナットの供回り防止具。 - ボルト頭部又はナットを嵌合するための穴部を備えたソケット部と、
前記穴部に嵌合されるボルト頭部又はナットの嵌合先端面を係止するべく前記穴部の反開口側に設けられた係止部材と、
前記ソケット部の周面から穴部半径方向外方へ延設されたアーム部と、
前記アーム部及び/又は前記ソケット部に設けられた磁石と、
を有し、前記穴部に供回り防止対象のボルト頭部又はナットを嵌合した状態で対応するナット又はボルトを回転させることにより、前記アーム部を最寄りの障害物に当接させて係止する、ことを特徴とするボルト/ナットの供回り防止具。 - 請求項1又は請求項2に於いて、
前記係止部材は前記穴部の底部である、
ことを特徴とするボルト/ナットの供回り防止具。 - 請求項1〜請求項3の何れかに於いて、
前記アーム部は先端側が細くなる先細り形状を成し、
前記穴部の軸芯から前記アーム部の先端までの距離は、前記穴部に嵌合される六角ボルト頭部又は六角ナットの対角寸法の1.5倍〜3.0倍の範囲である、
ことを特徴とするボルト/ナットの供回り防止具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007198332A JP2009034733A (ja) | 2007-07-31 | 2007-07-31 | ボルト/ナットの供回り防止具 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007198332A JP2009034733A (ja) | 2007-07-31 | 2007-07-31 | ボルト/ナットの供回り防止具 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2009034733A true JP2009034733A (ja) | 2009-02-19 |
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ID=40437143
Family Applications (1)
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JP2007198332A Pending JP2009034733A (ja) | 2007-07-31 | 2007-07-31 | ボルト/ナットの供回り防止具 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2009034733A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101858385B1 (ko) * | 2017-01-05 | 2018-06-28 | 한전케이피에스 주식회사 | 전동기 베이스 볼트 취외장치 |
CN111390796A (zh) * | 2020-04-17 | 2020-07-10 | 广东电网有限责任公司 | 一种固定扳手 |
-
2007
- 2007-07-31 JP JP2007198332A patent/JP2009034733A/ja active Pending
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KR101858385B1 (ko) * | 2017-01-05 | 2018-06-28 | 한전케이피에스 주식회사 | 전동기 베이스 볼트 취외장치 |
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