JPH08158241A - タフティングカーペット用一次基布 - Google Patents
タフティングカーペット用一次基布Info
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- JPH08158241A JPH08158241A JP30526194A JP30526194A JPH08158241A JP H08158241 A JPH08158241 A JP H08158241A JP 30526194 A JP30526194 A JP 30526194A JP 30526194 A JP30526194 A JP 30526194A JP H08158241 A JPH08158241 A JP H08158241A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】タフト性が良く、タフトによる層間剥離がな
く、寸法安定性の良いタフティングカーペット用一次基
布を提供する。 【構成】熱可塑性合成長繊維ウエブからなり目付けが7
0〜140g/m2 のタフティングカーペット用一次基
布であって、長繊維は180℃以上の融点からなる重合
体からなり、長繊維ウエブを20〜100パンチ/cm
2 でニードルパンチし、さらにこの長繊維ウエブを圧接
面積率が5〜20%で部分的に熱接着してなる。
く、寸法安定性の良いタフティングカーペット用一次基
布を提供する。 【構成】熱可塑性合成長繊維ウエブからなり目付けが7
0〜140g/m2 のタフティングカーペット用一次基
布であって、長繊維は180℃以上の融点からなる重合
体からなり、長繊維ウエブを20〜100パンチ/cm
2 でニードルパンチし、さらにこの長繊維ウエブを圧接
面積率が5〜20%で部分的に熱接着してなる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、タイルタフティングカ
ーペットや自動車用オプションマット、その他一般カー
ペットなどとして使用されるタフティングカーペット用
一次基布に関するものである。
ーペットや自動車用オプションマット、その他一般カー
ペットなどとして使用されるタフティングカーペット用
一次基布に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のこの種タフティングカーペット用
一次基布において、繊維にルーズ性がないとタフトする
際に基布を構成する繊維を切ってしまうため、タフト後
の基布の強力が得られないという問題がある。そこで、
タフト後の基布の強力を得るために、基布の繊維間を熱
可塑性樹脂により接着したものが一般的に用いられてい
るが、樹脂の強力が高温下で低下し、2次加工時の工程
の引張応力にて寸法変化が生じ、延いては製品の寸法安
定性が悪くなるという問題があり、また強力が低下する
ことにより工程中でしわが入り易いという問題もある。
さらに、この場合樹脂はマイグレーションにより基布の
表面により多く付着するため、基布の中央部の強力が弱
くなり、タフトにて基布が2層に分かれる場合がある。
また、基布の繊維間をエンボス加工により部分的に熱接
着することも知られているが、この場合、融点が180
℃以上の重合体を使用すれば高温度でも安定であるが、
基布をしっかりさせるためには強く圧接する必要があ
り、これによりタフト性の悪いものとなってしまう。ま
た、場合によってはエンボス加工によるパターンがパイ
ル表面に現れることがあり、強い圧接ができない。エン
ボス加工の際の圧接力を強くすると、タフトにて基布が
2層に分かれることがあったり、製品になってからパイ
ル表面に基布の繊維が浮き出ることがある。染色後の乾
燥の際、耳部がボサボサにちぎれてしまうこともある。
一次基布において、繊維にルーズ性がないとタフトする
際に基布を構成する繊維を切ってしまうため、タフト後
の基布の強力が得られないという問題がある。そこで、
タフト後の基布の強力を得るために、基布の繊維間を熱
可塑性樹脂により接着したものが一般的に用いられてい
るが、樹脂の強力が高温下で低下し、2次加工時の工程
の引張応力にて寸法変化が生じ、延いては製品の寸法安
定性が悪くなるという問題があり、また強力が低下する
ことにより工程中でしわが入り易いという問題もある。
さらに、この場合樹脂はマイグレーションにより基布の
表面により多く付着するため、基布の中央部の強力が弱
くなり、タフトにて基布が2層に分かれる場合がある。
また、基布の繊維間をエンボス加工により部分的に熱接
着することも知られているが、この場合、融点が180
℃以上の重合体を使用すれば高温度でも安定であるが、
基布をしっかりさせるためには強く圧接する必要があ
り、これによりタフト性の悪いものとなってしまう。ま
た、場合によってはエンボス加工によるパターンがパイ
ル表面に現れることがあり、強い圧接ができない。エン
ボス加工の際の圧接力を強くすると、タフトにて基布が
2層に分かれることがあったり、製品になってからパイ
ル表面に基布の繊維が浮き出ることがある。染色後の乾
燥の際、耳部がボサボサにちぎれてしまうこともある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような課
題を解決するもので、タフト性が良く、タフトによる層
間剥離がなく、寸法安定性の良いタフティングカーペッ
ト用一次基布を提供することを目的とするものである。
題を解決するもので、タフト性が良く、タフトによる層
間剥離がなく、寸法安定性の良いタフティングカーペッ
ト用一次基布を提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に本発明は、熱可塑性合成長繊維ウエブからなり目付け
が70〜140g/m2 のタフティングカーペット用一
次基布であって、前記長繊維ウエブはニードルパンチ処
理による繊維間交絡を有し、且つ部分的に熱接着されて
なることを要旨とするものである。また本発明は、長繊
維は180℃以上の融点を有する重合体からなることを
要旨とするものである。また本発明は、長繊維は高融点
の重合体と、この重合体よりも少なくとも20℃低い融
点を有する低融点の重合体とが複合されてなり、且つ低
融点側の重合体の融点が160℃以上であることを要旨
とするものである。また本発明は、長繊維ウエブは20
〜100パンチ/cm2 のニードルパンチ処理による繊
維間交絡を有し、且つ圧接面積率が5〜20%で部分的
に熱接着されてなることを要旨とするものである。さら
に本発明は、長繊維ウエブに平滑剤を含んでなることを
要旨とするものである。
に本発明は、熱可塑性合成長繊維ウエブからなり目付け
が70〜140g/m2 のタフティングカーペット用一
次基布であって、前記長繊維ウエブはニードルパンチ処
理による繊維間交絡を有し、且つ部分的に熱接着されて
なることを要旨とするものである。また本発明は、長繊
維は180℃以上の融点を有する重合体からなることを
要旨とするものである。また本発明は、長繊維は高融点
の重合体と、この重合体よりも少なくとも20℃低い融
点を有する低融点の重合体とが複合されてなり、且つ低
融点側の重合体の融点が160℃以上であることを要旨
とするものである。また本発明は、長繊維ウエブは20
〜100パンチ/cm2 のニードルパンチ処理による繊
維間交絡を有し、且つ圧接面積率が5〜20%で部分的
に熱接着されてなることを要旨とするものである。さら
に本発明は、長繊維ウエブに平滑剤を含んでなることを
要旨とするものである。
【0005】本発明において使用される長繊維は前述の
ように180℃以上の融点を有する重合体、あるいは低
融点側の重合体の融点が160℃以上の複合繊維からな
るもので、単一の重合体からなる繊維、もしくは芯鞘型
などの複合繊維により長繊維ウエブが構成されている。
このような構成の長繊維ウエブからなる基布の目付けを
70〜140g/m2 としたのは、基布目付けが70g
/m2 未満であると基布の繊維量が少ないために基布に
対するタフト糸の保持力が低下し、タフト加工中にタフ
ト糸が抜けることがある。また、基布目付けが140g
/m2 を超えると基布の繊維量が多くてループ高さが不
均一となったり、タフト間隔不揃いなどが発生する。ま
た、前記ニードルパンチの条件として20〜100パン
チ/cm 2 としたのは、20パンチ/cm2 未満である
と繊維間の交絡が不良で長繊維ウエブが剥離して2層に
なる可能性があり、100パンチ/cm2 を超えると繊
維が切られ、タフト後の基布強力が弱くなるからであ
る。さらに前記長繊維ウエブは圧接面積率5〜20%の
範囲で部分的に熱接着されており、部分的に熱接着する
方法としてはエンボスローラによる方法、あるいは超音
波融着装置による方法が採用される。また、この部分的
熱接着の圧接面積率を5〜20%としたのは、5%未満
であると部分的熱接着による基布の強度アップが期待で
きず、タフティング、染色、バッキングなどの2次加工
時の引張応力に対する強度が得られない。20%を超え
ると熱接着点間の繊維の自由度が低下し、タフトにより
繊維が切られ、基布の強力が低下するからであるからで
ある。なお、前記長繊維のデニールは2〜10デニール
であることが好ましく、また長繊維ウエブに平滑剤を含
ませることにより、タフト性を良くすることができる。
ように180℃以上の融点を有する重合体、あるいは低
融点側の重合体の融点が160℃以上の複合繊維からな
るもので、単一の重合体からなる繊維、もしくは芯鞘型
などの複合繊維により長繊維ウエブが構成されている。
このような構成の長繊維ウエブからなる基布の目付けを
70〜140g/m2 としたのは、基布目付けが70g
/m2 未満であると基布の繊維量が少ないために基布に
対するタフト糸の保持力が低下し、タフト加工中にタフ
ト糸が抜けることがある。また、基布目付けが140g
/m2 を超えると基布の繊維量が多くてループ高さが不
均一となったり、タフト間隔不揃いなどが発生する。ま
た、前記ニードルパンチの条件として20〜100パン
チ/cm 2 としたのは、20パンチ/cm2 未満である
と繊維間の交絡が不良で長繊維ウエブが剥離して2層に
なる可能性があり、100パンチ/cm2 を超えると繊
維が切られ、タフト後の基布強力が弱くなるからであ
る。さらに前記長繊維ウエブは圧接面積率5〜20%の
範囲で部分的に熱接着されており、部分的に熱接着する
方法としてはエンボスローラによる方法、あるいは超音
波融着装置による方法が採用される。また、この部分的
熱接着の圧接面積率を5〜20%としたのは、5%未満
であると部分的熱接着による基布の強度アップが期待で
きず、タフティング、染色、バッキングなどの2次加工
時の引張応力に対する強度が得られない。20%を超え
ると熱接着点間の繊維の自由度が低下し、タフトにより
繊維が切られ、基布の強力が低下するからであるからで
ある。なお、前記長繊維のデニールは2〜10デニール
であることが好ましく、また長繊維ウエブに平滑剤を含
ませることにより、タフト性を良くすることができる。
【0006】本発明は上記のように長繊維ウエブを部分
的熱接着しているのであるが、タフト性を良くするため
に弱い熱接着でも、ニードルパンチ処理を施しているの
で、長繊維ウエブが層間剥離せず、基布の形態を保持す
ることができる点に大きな特徴がある。また、長繊維ウ
エブを構成する繊維に熱可塑性樹脂を使用すると、基布
の強力を高めるために基布の繊維間を熱可塑性樹脂によ
り接着したりバッキング処理を施した場合、寸法変化し
て製品の寸法安定性が得られにくいという問題がある
が、本発明の基布では長繊維の少なくとも表面が160
℃以上の融点を有する重合体で構成されているのでこの
ような問題を解決できる。
的熱接着しているのであるが、タフト性を良くするため
に弱い熱接着でも、ニードルパンチ処理を施しているの
で、長繊維ウエブが層間剥離せず、基布の形態を保持す
ることができる点に大きな特徴がある。また、長繊維ウ
エブを構成する繊維に熱可塑性樹脂を使用すると、基布
の強力を高めるために基布の繊維間を熱可塑性樹脂によ
り接着したりバッキング処理を施した場合、寸法変化し
て製品の寸法安定性が得られにくいという問題がある
が、本発明の基布では長繊維の少なくとも表面が160
℃以上の融点を有する重合体で構成されているのでこの
ような問題を解決できる。
【0007】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。 実施例1 ポリエチレンテレフタレート(融点260℃)からなる
繊度が10デニールの長繊維と、エチレンテレフタレー
ト/エチレンアジペート=80/20(モル%)の共重
合ポリエステル(融点210℃)からなる繊度が4デニ
ールの長繊維を1つの紡糸口金より溶融紡出し、通常の
スパンボンド法にて開繊、集積させて2種類の長繊維か
らなるウエブを作成した。さらに詳しくは、紡出に際
し、単孔吐出量を調整することにより、ポリエチレンテ
レフタレートからなる長繊維と、共重合ポリエステルか
らなる長繊維が複合比9:1(重量比)の比率で混在す
る目付け100g/m2 のウエブを得た。得られたウエ
ブを#40のレギュラーバーブのニードルパンチ針を用
いて、針深11mm、パンチ数90パンチ/cm2 の条
件でニードルパンチを施した。これを圧接面積率が15
%の点状(1点の大きさが0.7mm2 )エンボスロー
ルを用いて、表面温度230℃、線圧40kg/cmで
圧接した基布Aと、表面温度210℃、線圧20kg/
cmで圧接した基布Bを作成し、さらにそれぞれにシリ
コン系オイルを0.5%付着させたタフティングカーペ
ット用基布AおよびBを得た。これら基布AおよびBを
繊度が1500デニールのナイロン捲縮加工糸で1/1
0ゲージ×11ステッチの条件にてタフトした後、連続
染色機を用いて染色したところ、基布Aにはタフトにて
繊維が切られた部分が見受けられ、緯強力がタフト前に
比べて多少弱くなったが、実用上問題はなかった。一
方、基布Bは基布Aに比べて弱圧接であるため、タフト
による繊維切断は少なく、緯強力も基布Aに比べて強い
ものが得られた。
繊度が10デニールの長繊維と、エチレンテレフタレー
ト/エチレンアジペート=80/20(モル%)の共重
合ポリエステル(融点210℃)からなる繊度が4デニ
ールの長繊維を1つの紡糸口金より溶融紡出し、通常の
スパンボンド法にて開繊、集積させて2種類の長繊維か
らなるウエブを作成した。さらに詳しくは、紡出に際
し、単孔吐出量を調整することにより、ポリエチレンテ
レフタレートからなる長繊維と、共重合ポリエステルか
らなる長繊維が複合比9:1(重量比)の比率で混在す
る目付け100g/m2 のウエブを得た。得られたウエ
ブを#40のレギュラーバーブのニードルパンチ針を用
いて、針深11mm、パンチ数90パンチ/cm2 の条
件でニードルパンチを施した。これを圧接面積率が15
%の点状(1点の大きさが0.7mm2 )エンボスロー
ルを用いて、表面温度230℃、線圧40kg/cmで
圧接した基布Aと、表面温度210℃、線圧20kg/
cmで圧接した基布Bを作成し、さらにそれぞれにシリ
コン系オイルを0.5%付着させたタフティングカーペ
ット用基布AおよびBを得た。これら基布AおよびBを
繊度が1500デニールのナイロン捲縮加工糸で1/1
0ゲージ×11ステッチの条件にてタフトした後、連続
染色機を用いて染色したところ、基布Aにはタフトにて
繊維が切られた部分が見受けられ、緯強力がタフト前に
比べて多少弱くなったが、実用上問題はなかった。一
方、基布Bは基布Aに比べて弱圧接であるため、タフト
による繊維切断は少なく、緯強力も基布Aに比べて強い
ものが得られた。
【0008】実施例2 芯部がポリエチレンテレフタレートからなり、鞘部がポ
リプロピレン(融点160℃)からなる芯鞘型複合長繊
維、および芯部がポリエチレンテレフタレートからな
り、鞘部がエチレンテレフタレート/エチレンアジペー
ト=80/20(モル%)の共重合ポリエステルからな
る芯鞘型複合長繊維を、芯部と鞘部の複合比1:1(重
量比)であり、且つ繊度が4デニールとなるように各々
溶融紡出し、通常のスパンボンド法にて開繊、集積させ
て2種類のウエブを作成した。そして、各ウエブを#4
0のレギュラーバーブのニードルパンチ針を用いて、針
深11mm、パンチ数90パンチ/cm2 の条件でニー
ドルパンチを施し、2種類の繊維質基布を得た。これら
2種類の繊維質基布を圧接面積率が15%の点状(1点
の大きさが0.7mm2 )エンボスロールを用いて、表
面温度210℃、線圧20kg/cmで熱圧接し、さら
にシリコン系オイルを0.5%付着させた2種類のタフ
ティングカーペット用基布CおよびDを得た。これら基
布CおよびDを繊度が1500デニールのナイロン捲縮
加工糸で1/10ゲージ×11ステッチの条件にてタフ
トした後、連続染色機を用いて染色したところ、基布C
およびDはともにタフト後の強力低下がなく、また連続
染色機を問題なく通過した。その後、タイルカーペット
用にポリ塩化ビニールを用いてバッキングを行なったと
ころ、基布Cは素材にポリプロピレンを用いているため
ポリ塩化ビニールのベーキングの温度で収縮が起こり、
多少のしわが発生したが、実用上問題はなかった。一
方、基布Dはポリ塩化ビニールのバッキング工程も問題
なく、寸法安定性の試験方法であるJIS L−102
2繊維製床敷物試験法の結果、収縮の少ないものが得ら
れた。
リプロピレン(融点160℃)からなる芯鞘型複合長繊
維、および芯部がポリエチレンテレフタレートからな
り、鞘部がエチレンテレフタレート/エチレンアジペー
ト=80/20(モル%)の共重合ポリエステルからな
る芯鞘型複合長繊維を、芯部と鞘部の複合比1:1(重
量比)であり、且つ繊度が4デニールとなるように各々
溶融紡出し、通常のスパンボンド法にて開繊、集積させ
て2種類のウエブを作成した。そして、各ウエブを#4
0のレギュラーバーブのニードルパンチ針を用いて、針
深11mm、パンチ数90パンチ/cm2 の条件でニー
ドルパンチを施し、2種類の繊維質基布を得た。これら
2種類の繊維質基布を圧接面積率が15%の点状(1点
の大きさが0.7mm2 )エンボスロールを用いて、表
面温度210℃、線圧20kg/cmで熱圧接し、さら
にシリコン系オイルを0.5%付着させた2種類のタフ
ティングカーペット用基布CおよびDを得た。これら基
布CおよびDを繊度が1500デニールのナイロン捲縮
加工糸で1/10ゲージ×11ステッチの条件にてタフ
トした後、連続染色機を用いて染色したところ、基布C
およびDはともにタフト後の強力低下がなく、また連続
染色機を問題なく通過した。その後、タイルカーペット
用にポリ塩化ビニールを用いてバッキングを行なったと
ころ、基布Cは素材にポリプロピレンを用いているため
ポリ塩化ビニールのベーキングの温度で収縮が起こり、
多少のしわが発生したが、実用上問題はなかった。一
方、基布Dはポリ塩化ビニールのバッキング工程も問題
なく、寸法安定性の試験方法であるJIS L−102
2繊維製床敷物試験法の結果、収縮の少ないものが得ら
れた。
【0009】比較例1 ポリエチレンテレフタレートからなる繊度が10デニー
ルの長繊維と、エチレンテレフタレート/エチレンアジ
ペート=80/20(モル%)の共重合ポリエステルか
らなる繊度が4デニールの長繊維を1つの紡糸口金より
溶融紡出し、通常のスパンボンド法にて開繊、集積させ
て2種類の長繊維からなるウエブを作成した。この場合
も、前記実施例1と同様、紡出に際し、単孔吐出量を調
整することにより、ポリエチレンテレフタレートからな
る長繊維と、共重合ポリエステルからなる長繊維が複合
比9:1(重量比)の比率で混在する目付け100g/
m 2 のウエブを得た。これを圧接面積率が15%の点状
(1点の大きさが0.7mm2 )エンボスロールを用い
て、表面温度230℃、線圧40kg/cmで圧接した
基布Eと、表面温度210℃、線圧20kg/cmで圧
接した基布Fを作成し、さらにそれぞれにシリコン系オ
イルを0.5%付着させたタフティングカーペット用基
布EおよびFを得た。これら2種類の基布に繊度が15
00デニールのナイロン捲縮加工糸で1/10ゲージ×
11ステッチの条件にてタフトした後、連続染色機を用
いて染色したところ、基布Eはタフトにて繊維が切断
し、緯強力がタフト前基布の40%となり、またパイル
表面にエンボスのパターンによる干渉縞が表れ、商品と
して品位のないものとなった。
ルの長繊維と、エチレンテレフタレート/エチレンアジ
ペート=80/20(モル%)の共重合ポリエステルか
らなる繊度が4デニールの長繊維を1つの紡糸口金より
溶融紡出し、通常のスパンボンド法にて開繊、集積させ
て2種類の長繊維からなるウエブを作成した。この場合
も、前記実施例1と同様、紡出に際し、単孔吐出量を調
整することにより、ポリエチレンテレフタレートからな
る長繊維と、共重合ポリエステルからなる長繊維が複合
比9:1(重量比)の比率で混在する目付け100g/
m 2 のウエブを得た。これを圧接面積率が15%の点状
(1点の大きさが0.7mm2 )エンボスロールを用い
て、表面温度230℃、線圧40kg/cmで圧接した
基布Eと、表面温度210℃、線圧20kg/cmで圧
接した基布Fを作成し、さらにそれぞれにシリコン系オ
イルを0.5%付着させたタフティングカーペット用基
布EおよびFを得た。これら2種類の基布に繊度が15
00デニールのナイロン捲縮加工糸で1/10ゲージ×
11ステッチの条件にてタフトした後、連続染色機を用
いて染色したところ、基布Eはタフトにて繊維が切断
し、緯強力がタフト前基布の40%となり、またパイル
表面にエンボスのパターンによる干渉縞が表れ、商品と
して品位のないものとなった。
【0010】基布Fは弱圧接条件のためタフトによる繊
維切断は少なく、タフト後強力はタフト前強力の70%
を保持していた。また基布Eに表れたようなエンボスパ
ターンによる干渉縞もなかったが、パイルを抜いてみる
と基布は2層に分かれており、バサバサの状態であっ
た。連続染色機は何とか通過したが、ピンテンター乾燥
機のピンにより耳部が綿状態となっており、商品として
満足できるものではなかった。
維切断は少なく、タフト後強力はタフト前強力の70%
を保持していた。また基布Eに表れたようなエンボスパ
ターンによる干渉縞もなかったが、パイルを抜いてみる
と基布は2層に分かれており、バサバサの状態であっ
た。連続染色機は何とか通過したが、ピンテンター乾燥
機のピンにより耳部が綿状態となっており、商品として
満足できるものではなかった。
【0011】比較例2 繊度が3デニールのポリエチレンテレフタレート長繊維
を通常のスパンボンド法により開繊、集積させて100
g/cm2 の長繊維ウエブを作成し、#40のレギュラ
ーバーブのニードルパンチ針を用いて、針深11mm、
パンチ数90パンチ/cm2 の条件でニードルパンチを
施し、繊維質基布を得た。この繊維質基布に2次転移点
18℃のアクリル酸エステルを10%とシリコン系オイ
ルを0.5%付着させ、基布Gを得た。この基布Gを繊
度が1500デニールのナイロン捲縮加工糸で1/10
ゲージ×11ステッチの条件にてタフトした後、連続染
色機を用いて染色したところ、基布Gはタフトによる繊
維切断は殆どなく、タフト後の緯強力保持率はほぼ10
0%であった。
を通常のスパンボンド法により開繊、集積させて100
g/cm2 の長繊維ウエブを作成し、#40のレギュラ
ーバーブのニードルパンチ針を用いて、針深11mm、
パンチ数90パンチ/cm2 の条件でニードルパンチを
施し、繊維質基布を得た。この繊維質基布に2次転移点
18℃のアクリル酸エステルを10%とシリコン系オイ
ルを0.5%付着させ、基布Gを得た。この基布Gを繊
度が1500デニールのナイロン捲縮加工糸で1/10
ゲージ×11ステッチの条件にてタフトした後、連続染
色機を用いて染色したところ、基布Gはタフトによる繊
維切断は殆どなく、タフト後の緯強力保持率はほぼ10
0%であった。
【0012】しかし、連続染色機やポリ塩化ビニールの
バッキングのような高温度のかかる工程中で、アクリル
酸エステルの強力が極度に低下するため、パイルの重み
や染色にて含まれる水(湯)あるいはポリ塩化ビニール
の重みや加工テンションにより基布が変形し、工程中に
しわが生じ易く、また製品においても加工工程で歪が生
じているため、アーカナーテストにて寸法安定性の悪い
ものであった。
バッキングのような高温度のかかる工程中で、アクリル
酸エステルの強力が極度に低下するため、パイルの重み
や染色にて含まれる水(湯)あるいはポリ塩化ビニール
の重みや加工テンションにより基布が変形し、工程中に
しわが生じ易く、また製品においても加工工程で歪が生
じているため、アーカナーテストにて寸法安定性の悪い
ものであった。
【0013】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、タフト性
が良く、タフトによる層間剥離がなく、高温加工に対し
ても寸法安定性の良いタフティングカーペット用一次基
布を提供することができる。
が良く、タフトによる層間剥離がなく、高温加工に対し
ても寸法安定性の良いタフティングカーペット用一次基
布を提供することができる。
Claims (5)
- 【請求項1】 熱可塑性合成長繊維ウエブからなり目付
けが70〜140g/m2 のタフティングカーペット用
一次基布であって、前記長繊維ウエブはニードルパンチ
処理による繊維間交絡を有し、且つ部分的に熱接着され
てなることを特徴とするタフティングカーペット用一次
基布。 - 【請求項2】 長繊維は180℃以上の融点を有する重
合体からなることを特徴とする請求項1記載のタフティ
ングカーペット用一次基布。 - 【請求項3】 長繊維は高融点の重合体と、この重合体
よりも少なくとも20℃低い融点を有する低融点の重合
体とが複合されてなり、且つ低融点側の重合体の融点が
160℃以上であることを特徴とする請求項1または2
記載のタフティングカーペット用一次基布。 - 【請求項4】 長繊維ウエブは20〜100パンチ/c
m2 のニードルパンチ処理による繊維間交絡を有し、且
つ圧接面積率が5〜20%で部分的に熱接着されてなる
ことを特徴とする請求項1または2または3記載のタフ
ティングカーペット用一次基布。 - 【請求項5】 長繊維ウエブに平滑剤を含んでなること
を特徴とする請求項1または2または3または4記載の
タフティングカーペット用一次基布。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30526194A JPH08158241A (ja) | 1994-12-09 | 1994-12-09 | タフティングカーペット用一次基布 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30526194A JPH08158241A (ja) | 1994-12-09 | 1994-12-09 | タフティングカーペット用一次基布 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08158241A true JPH08158241A (ja) | 1996-06-18 |
Family
ID=17942976
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30526194A Pending JPH08158241A (ja) | 1994-12-09 | 1994-12-09 | タフティングカーペット用一次基布 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08158241A (ja) |
-
1994
- 1994-12-09 JP JP30526194A patent/JPH08158241A/ja active Pending
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---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20040106 |
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A521 | Written amendment |
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A02 | Decision of refusal |
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