JPH08157967A - レーザ焼入れ装置 - Google Patents

レーザ焼入れ装置

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Publication number
JPH08157967A
JPH08157967A JP6296332A JP29633294A JPH08157967A JP H08157967 A JPH08157967 A JP H08157967A JP 6296332 A JP6296332 A JP 6296332A JP 29633294 A JP29633294 A JP 29633294A JP H08157967 A JPH08157967 A JP H08157967A
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JP
Japan
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laser
output
temperature
cooling water
work
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Pending
Application number
JP6296332A
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English (en)
Inventor
Kozo Shirasu
浩蔵 白須
Seiichi Ohashi
誠一 大橋
Ichiro Takegawa
一郎 竹川
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Mitsubishi Electric Corp
Mitsubishi Motors Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Mitsubishi Motors Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 複数個のシリンダブロックの孔を同時に焼入
れすることができて焼入れ時間を短縮し、且つ、1台に
レーザ発振器が故障した場合でも焼入れ作業を継続する
ことができる。 【構成】 加工ヘッド25がシリンダブロック1の孔7
内へ昇降動作すると共にレーザ光軸を中心に回転して孔
7の内周面にレーザビームを照射する機構を有した複数
のレーザ発振器2と、これらレーザ発振器2により焼入
れ加工される各レーザ発振器2毎のシリンダブロック1
を隣接するレーザ発振器2の加工ヘッド25へ同時に搬
送するシャトルバー26、このシャトルバー26に備え
られ、載置されたシリンダブロック1の各焼入れ箇所を
加工ヘッド25下で移動させるワークピッチ送り装置2
8とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、特に焼入されるワー
クが複数個の孔を有する場合に孔の内周面をレーザビー
ムで焼入れするレーザ焼入れ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図9は、例えば特開昭61−15323
3号公報に示された従来の孔内面用焼入装置の概略構成
を示す概念図である。図において、1はシリンダブロッ
クであり、図10にその断面構造を示すシリンダ7が複
数個設けられている。7a〜7dは各シリンダ内におい
てレーザビームで焼入れ行う孔(シリンダウォール)を
示す。
【0003】2は焼入れのためのレーザビーム6を射出
するレーザ発振器であり、水平に射出されたレーザビー
ム6は光路ダクト内に配置されたベンドミラー3により
垂直に下方に折り曲げられ集光レンズ5で集光された後
に再びベンドミラー4で水平方向に折り曲げられてシリ
ンダ内周面に照射される。尚、レーザ発振器2の射出口
から始まるベンドミラー4に至るレーザビームの経路は
図示しない光路ダクトで囲まれている。
【0004】また、98はレーザ発振器2に対してレー
ザ出力量を設定するレーザ出力設定器、91は焼入れ位
置を検出する焼入れ位置検出器であり、レーザ発振器2
は焼入れ位置検出器91より入力された焼入れ開始信号
に従い、レーザ出力設定器98で設定された出力のレー
ザビームを射出する。
【0005】図11は図10に示すシリンダブロック1
の孔7に焼入れを施すための焼入れ用の加工ヘッドであ
る回転ヘッド25である。図9で示すならば、ベンドミ
ラー4の周辺の詳細を示す。回転ヘッド25において、
8はミラーホルダであってベンドミラー4が先端に取り
付けられている。
【0006】また、9はミラーホルダ8に取り付けられ
た回転リングであり、この回転リング9には回転駆動用
のベルト歯車10が取り付けられている。11はモータ
であってモータ11の回転軸に設けられたベルト歯車1
2と回転リング9駆動用のベルト歯車10とに掛けられ
たベルト13を介してミラーホルダ8は回転駆動され
る。
【0007】14,15は回転リング9に取り付けられ
た回転用のベアリング16を支持するための取付部材、
17はベンドミラー4を冷却する冷却液18の通路を形
成するための流路部材であり、この流路部材17と回転
リング9との間はOリング19で水密されている。
【0008】次に、上記各図を参照しながら従来装置の
動作について説明する。レーザ発振器2は焼入れ位置検
出器91からの焼入れ開始信号により、レーザ出力設定
器98で設定されているレーザ出力設定値に相当するレ
ーザビーム6を射出する。そして、レーザビーム6はベ
ンドミラー3、集光レンズ5、及びベンドミラー4によ
り方向転換されると共にビームは集光されてシリンダブ
ロック1の孔7aの内周面に照射される。
【0009】この時、ミラーホルダ8は図11の機構に
より孔7の内側を昇降しながら光軸を中心に回転させら
れることで、孔7aの内周面はベンドミラー4により直
角方向に変向されたレーザビームで焼入れされる。ミラ
ーホルダ8を固定した回転リング9は、モータ11によ
りベルト歯車12、ベルト13、及びベルト歯車10を
駆動することで回転する。
【0010】従って、ミラーホルダ8の回転と共にベン
ドミラー4を回転させながらレーザビーム6を、孔7a
の内壁面に照射して焼入れを行う。ベンドミラー4は、
通常は冷却水18の循環により冷却されている。
【0011】このような手順で孔7aをの焼入れが終了
すると、シリンダブロック1の移動、或いは加工ヘッド
の移動によりレーザビーム6の位置を移動させて、隣接
する孔7bの焼入れを行う。そして、順次、同様の手順
によって孔7c,7dの焼入れを行う。
【0012】各孔7a〜7dの焼入れを施すに際して
は、例えば図10に示すシリンダブロック1の場合、レ
ーザビーム6を吸収し易くするために、内壁面の焼入れ
部分21にレーザビーム6の吸収を促進する所定の塗料
20を塗布する。
【0013】図12はレーザ発振器2にレーザガス冷却
用の冷却水を循環させる冷水循環回路図である。図にお
いて、50はチラーユニット51とこのチラーユニット
51で冷却された冷却水をレーザ発振器2に循環させる
冷却水循環ポンプ52より構成された冷却装置。
【0014】レーザ発振器2の構成として、長手方向に
向け所定の間隙を設けて対向配置された放電電極54
a,54b、放電電極54a,54b間にレーザガス5
9を循環させるブロアー55を備えたレーザガス冷却用
の熱交換器53、放電電極54a,54b、レーザガス
循環用ブロアー55、熱交換機53を配設し、大気と遮
断された発振器筺体63、放電電極54a,54bの放
電電流によって励起されたレーザ光を放電電極54a,
54bに沿って交互に反射させると共に、レーザビーム
6として外部に射出する部分反射ミラー56a,部分反
射ミラー56aより反射したレーザビーム6を全反射す
る全反射ミラー56b、部分反射ミラー56aと全反射
ミラー56bをそれぞれ支持するミラー支持部材57
a,57b、各ミラー56a,56bの間隔を正確に保
つために各ミラー支持部材57a,57bを支持するミ
ラー支持用インバー58から構成されている。
【0015】尚、冷却水循環ポンプ52より吐出された
冷却水はパイプP1を通して熱交換器53の冷却水導入
口及び放電電極54bに送られた後に熱交換器53の冷
却水吐出口及び放電電極54aよりパイプP2を通して
チラーユニット51へ戻される。
【0016】このようなレーザ発振器2において、発振
器筺体63内はレーザガス循環用ブロワー55にて加速
されたレーザガス59が、対向する放電電極54a,5
4bの間を通過する時に放電電流によって励起されて発
生したレーザ光は、全反射ミラー56bと部分反射ミラ
ー56aとの間で反射を繰り返しながら増幅され、レー
ザビーム6として部分反射ミラー56aより部分的に透
過して発振器筺体63の外部に射出される。レーザビー
ム6の強弱つまり出力の大きさは放電電極54aと54
b間に流れる放電電流の大きさで制御される。
【0017】一方、放電電極54a,54bの間を通る
レーザガス59は放電電流によって加熱されるため熱交
換器53によって冷却されている。冷却方法としては、
チラーユニット51より一定温度にコントロールされた
冷却水は冷却水循環ポンプ52よりパイプP1を通して
熱交換器53に送り出され、加熱されたレーザガス59
より熱を奪って冷却する。温度上昇した冷却水はパイプ
P2を通して再びチラーユニット51に戻されて冷却さ
れる。
【0018】図13はレーザ発振器2のレーザビーム射
出口に設けた光路ダクトD内にドライエアーを供給する
ドライエアー供給回路図である。尚、図中、図10,1
1と同一符号は同一又は相当部分を示す。図において、
25は図示しない駆動装置により矢印方向に上下移動し
ながら回転する可動加工ヘッド、Dはレーザビーム6の
射出経路に沿って設けられた光路ダクト、73はドライ
エアー供給ユニット、77はドライエアー供給ユニット
73より光路ダクトDに供給されるドライエアーの流量
を調節する流量調節弁である。
【0019】次ぎに動作について説明する。加工ヘッド
25は図示しない駆動装置により規定ストローク分矢印
方向に移動して孔内のレーザビーム照射位置を更新す
る。加工ヘッド25に対してレーザビームを送る光路ダ
クトD内にはベンドミラー3が設置されている。また、
光路ダクトDに含まれるベンドミラー3及び集光レンズ
5は常にレーザビーム6に照射されている。そのため、
光路ダクトDの隙間等から入り込んだ塵等がベントミラ
ー3又は集光レンズ5に付着すると、塵等がレーザビー
ム6を吸収してミラーが発熱することによりベンドミラ
ー3又は集光レンズ5の焼損が起きる。そこで、光路ダ
クトDへ塵等が侵入するのを防ぐために光路ダクトDに
清浄なドライエアーを供給して外部に比較して圧力を高
め塵の混入を防いでいる。
【0020】ドライエアーの供給としては、ドライエア
ーユニット73で生成されたドライエアーが流量調節弁
77を介して少量づつ連続して光路ダクトDに供給され
ている。そして、光路ダクトDはレーザ発振器2の部分
反射ミラー56aの取り付け部分と加工ヘッド25内に
装着されている集光レンズ5によって、簡易的に封止さ
れてドライエアーがリークしにくい構造となっている。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】従来のレーザ焼入れ装
置は以上のように、構成されているので例えば4個の孔
内面の内、1個の孔7の内面の焼き入れを終了した後に
次の孔の内面の焼き入れに移るため、1台のシリンダブ
ロックの焼き入れ終了時間が孔の数に比例した多大な時
間を要する共に、レーザ発振器が故障した場合には、バ
ックアップする機能がないためシリンダブロックの生産
が全面的に停止してしまうという問題点があった。
【0022】隣接孔へ加工ヘッドを移動させる場合にレ
ーザビームは停止した状態で加工ヘッドを移動させる。
その時、加工ヘッドは孔から出して移動するため、万一
トラブルが発生してレーザビームが射出された場合レー
ザビームの射出方向向は水平方向であるため作業員に向
けて照射する可能性があり安全性の面で問題点があっ
た。
【0023】また、従来のレーザ発振器では制御系の電
源を投入すれば冷却水循環ポンプ、チラーユニット、レ
ーザガス循環用ブロワーが運転され、放電電極間の放電
の有無や放電電流の大きさに無関係にレーザガスが熱交
換器により冷却される。そのため、レーザガスと直接接
触している全反射ミラー、部分反射ミラー、発振器筺体
の温度変化により、ミラーであれば曲率の変化、発振器
筺体であれば熱歪みを起こしてビームモードが不安定と
なって焼入品質に悪影響を与えるという問題点があっ
た。
【0024】また、孔内の焼入れ箇所を更新するために
加工ヘッドを下方に急速に延ばした場合、光路ダクトの
内容積が増加する。従って、光路ダクトに供給されるド
ライエアーの量が少量でしかも一定量であれば、急激な
内容積の増加に伴って光路ダクトの圧力は大気圧より低
い負圧となり光路ダクトの僅かな隙間からでも光路ダク
ト外周囲のエアーを吸い込む。
【0025】そのため、光路ダクト周辺のエアーに含ま
れているミスト(汚染状粒子)或いはゴミ等の不純物が
ベンドミラー、又は集光レンズを汚したり、レーザガス
に混入した異種ガスによりレーザ光の正常の伝送を妨げ
出力低下を起こすという問題点があった。
【0026】また、従来装置は、焼入れ前のワーク温度
が変動するとその温度変化に応じてレーザ出力設定値を
変更して焼入れ品質を保っていた。従って、焼入れ品質
を保つためにワークの温度変化に応じてレーザ出力設定
値を設定するという煩わしい作業を要するという問題点
があった。
【0027】また、従来装置は、ワーク焼入れ前、或い
は焼入れ中に装置の動作が停止して時間経過と共にワー
クの温度が変化した場合、焼入れ品質を一定に保つため
に装置の再起動前にレーザ出力設定器の設定値を変更す
るといったワークの温度管理を含む煩わしい作業を要す
るという問題点があった。
【0028】この発明は上記のような各問題点を解決す
るためになされたもので、以下のようなレーザ焼入装置
を得ることを目的とする。 (1) 複数個のワークの孔を同時に焼入れして複数ワー
クに対する焼入れ時間の短縮を実現できると共に、レー
ザ発振器が故障した場合でも焼入れ作業を継続でき、更
に人に対するレーザビーム照射の安全対策を行ったレー
ザ焼入れ装置を提供する。 (2) レーザガスの過冷却に起因するビームモードの変
化を極めて小さく抑えて安定した焼入れが行えるレーザ
焼入れ装置を提供する。 (3) 光路ダクト内の雰囲気やベンドミラーを清浄に保
ちレーザビームを安定してワークに伝送できるレーザ焼
入れ装置を提供する。 (4) 焼入れ前のワークの温度差に起因する焼入れ品質
の変動を抑えるための入熱補正を個々ワークに対して行
う際でもレーザ出力設定値を変える必要がないレーザ焼
入れ装置を提供する。 (5) 再起動前に焼入れ装置停止により生じる停滞中ワ
ークの温度変化に起因する焼入れ品質の変動を抑える入
熱補正を行う際に、マニュアル操作でレーザ出力設定値
を変更する必要がないレーザ焼入れ装置を提供する。
【0029】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係るレ
ーザ焼入れ装置は、加工ヘッドがワークの孔内へ昇降動
作すると共に、レーザ光軸中心に回転して前記孔の内周
面にレーザビームを照射する機構を有した複数のレーザ
発振器と、これらレーザ発振器により焼入れ加工される
各レーザ発振器毎のワークを隣接するレーザ発振器の加
工ヘッドへ同時に搬送するワーク搬送手段と、このワー
ク搬送手段に備えられ、載置された前記ワークの各焼入
れ箇所を前記加工ヘッド下で移動させるワーク移動手段
とを備えたものである。
【0030】請求項2の発明に係るレーザ焼入れ装置
は、請求項1のレーザ焼入れ装置において、ワーク搬送
装置は、ワーク搬送後に逆方向に移動して新たなワーク
を載置して加工ヘッドへ搬送するようにしたものであ
る。
【0031】請求項3の発明に係るレーザ焼入れ装置
は、請求項1または請求項2のレーザ焼入れ装置におい
て、加工ヘッドの外周にはレーザビーム取り出し用の開
口部を覆うように環状のビーム遮光手段を摺動自在に備
え、前記加工ヘッドを孔より上昇時に前記ビーム遮光手
段を前記開口部周囲に摺動させ、前記孔への下降時には
この孔の縁に前記ビーム遮光手段の縁部を当接させるよ
うにしたものである。
【0032】請求項4の発明に係るレーザ焼入れ装置
は、請求項1のレーザ焼入れ装置において、レーザ発振
器の冷却水循環回路に冷却水の温度を検出する温度セン
サと、前記冷却水循環回路へ冷却水を吐出させる冷却水
循環ポンプと、前記温度センサの温度検出値に基づいて
前記冷却水循環ポンプの回転数を制御する回転数制御手
段とを備えたものである。
【0033】請求項5の発明に係るレーザ焼入れ装置
は、請求項1のレーザ焼入れ装置において、レーザ発振
器の放電を検出する放電検出手段と、前記レーザ発振器
の冷却水循環回路へ冷却水を吐出させる冷却水循環ポン
プと、前記冷却水循環ポンプの運転を前記放電検出手段
の放電検出結果に基づいて起動、停止制御するポンプ起
動制御手段とを備えたものである。
【0034】請求項6の発明に係るレーザ焼入れ装置
は、請求項1のレーザ焼入れ装置において、レーザ発振
器より加工ヘッドへレーザビームを伝送する光路ダクト
に対してドライエアーを供給するエアー供給手段と、こ
のエアー供給手段と前記光路ダクトとの間に、前記加工
ヘッドが急下降して前記光路ダクトの容積が大きくなる
時に適量づつ供給していたドライエアーの量を一気に増
加させるエアー流量制御手段とを設けたものである。
【0035】請求項7の発明に係るレーザ焼入れ装置
は、焼入れ用にレーザビームをワークへ出力するレーザ
発振器と、予め設定されたワークの既知温度に対応した
レーザ出力設定値を保管した出力設定器と、焼入れ時に
前記ワークの温度を測定する温度センサと、この温度セ
ンサによる測定温度と前記既知温度との差に基づいて前
記保管したレーザ出力設定値を補正する設定値補正手段
と、補正されたレーザ出力設定値の出力で前記レーザ発
振器の出力を制御するレーザ出力制御回路とを備えたも
のである。
【0036】請求項8の発明に係るレーザ焼入れ装置
は、請求項7のレーザ焼入れ装置において、設定値補正
手段は、既知温度と測定温度との差を演算すると共に、
予め設定された各温度差によるレーザ出力補正値より前
記演算された温度差に対応するレーザ出力補正値を選択
する補正出力設定器と、選択されたレーザ出力補正値を
出力設定器に保管されたレーザ出力設定値に加算してレ
ーザ出力設定値を補正する補正出力加算器とを備えたも
のである。
【0037】請求項9の発明に係るレーザ焼入れ装置
は、焼入れ用にレーザビームをワークへ出力するレーザ
発振器と、予め設定されたワークの既知温度に対応した
レーザ出力設定値を保管した出力設定器と、焼入れ前も
しくは焼入れ中のビーム照射停止から再起動までの停止
時間をカウントするタイマと、停止時間より予測される
ワーク温度変化に基づいて前記保管したレーザ出力設定
値を補正する設定値補正手段と、補正されたレーザ出力
設定値の出力で前記レーザ発振器の出力を制御するレー
ザ出力制御回路とを備えたものである。
【0038】請求項10の発明に係るレーザ焼入れ装置
は、請求項9のレーザ焼入れ装置において、設定値補正
手段は、ビーム照射停止時間よりワークの温度変化を予
測すると共に、予め設定された各ワーク温度変化による
レーザ出力補正値より前記予測されたワーク温度変化に
対応するレーザ出力補正値を選択する補正出力設定器
と、選択されたレーザ出力補正値を出力設定器に保管さ
れたレーザ出力設定値に加算してレーザ出力設定値を補
正する補正出力加算器とを備えたものである。
【0039】
【作用】請求項1の発明におけるレーザ焼入れ装置は、
複数のワークをそれぞれ隣接する加工ヘッドへ同時に搬
送できるため複数のワークの焼入れを同時に行うことが
できると共に、ワーク移動手段にワークを載置して加工
ヘッドの下でワークの焼入れ箇所を移動させることで他
の加工ヘッドによる焼入れを代わって行うことができ
る。
【0040】請求項2の発明におけるレーザ焼入れ装置
は、ワーク搬送装置は1個のワークの全焼入れが完了し
て搬送したならば、新たなワークを空いた加工ヘッドに
搬入してくるため複数のワークを自動搬入及び搬出でき
る。
【0041】請求項3の発明におけるレーザ焼入れ装置
は、加工ヘッドの周囲に摺動自在に環状のビーム遮光手
段を設け、このビーム遮光手段を加工ヘッドの上昇には
下方に摺動させてレーザビーム取り出し用の開口部を覆
うようにしたことで周囲へのレーザビーム照射を防げ
る。
【0042】請求項4の発明におけるレーザ焼入れ装置
は、冷却水循環回路の冷却水の温度を検出することでレ
ーザガスの温度上昇の度合いを検知し、温度上昇の度合
いが低い間は冷却水循環ポンプの回転数を低めて冷却水
の循環量を減らしてレーザガスの過冷却を避ける。
【0043】請求項5の発明におけるレーザ焼入れ装置
は、レーザ発振器の放電開始に伴って冷却水循環ポンプ
の運転、停止を制御して冷却水循環回路への冷却水の吐
出を制御することで無用にレーザガスを冷却することが
避けられる。
【0044】請求項6の発明におけるレーザ焼入れ装置
は、加工ヘッドが孔内へ急降下して光路ダクト内容積を
急増加させるような時に、常時少量づつ光路ダクトにド
ライエアーを供給していたエアー供給量制御手段は予め
設定された多量のドライエアーを一気に光路ダクトに供
給することで、光路ダクトは負圧にならず、塵等が混入
した外気を吸引することはない。
【0045】請求項7の発明におけるレーザ焼入れ装置
は、予め設定されたワークの既知温度と実際に測定した
実温度との差で補正されたレーザ出力設定値にレーザ発
振器の出力を制御することで、焼入れ前のワークの温度
差に起因する焼入れ品質の変動を抑えるための入熱補正
が自動化され、マニュアルでのレーザ出力値設定変更が
不要となる。
【0046】請求項8の発明におけるレーザ焼入れ装置
は、予め設定されたワークの既知温度と実際に測定した
実温度との差に応じたレーザ出力補正値を選択し、この
レーザ出力補正値を既知温度に対して設定されたレーザ
出力値に加算してレーザ出力値を補正することで焼入れ
前のワークの温度差に対応した出力値のレーザを出力す
ることができる。
【0047】請求項9の発明におけるレーザ焼入れ装置
は、焼入れ前もしくは焼入れ中のビーム照射停止から再
起動までの停止時間より予測されるワークの温度変化を
基に補正されたレーザ出力設定値でレーザ発振器の出力
を制御することで、装置停止からのワーク温度変化に起
因する焼入れ品質の変動を抑えるための入熱補正が自動
化され、マニュアルでのレーザ出力値設定変更が不要と
なる。
【0048】請求項10の発明におけるレーザ焼入れ装
置は、焼入れ前もしくは焼入れ中のビーム照射停止から
再起動までの停止時間より予測されるワークの温度変化
を基にレーザ出力補正値を選択し、このレーザ出力補正
値を既知温度に対して設定されたレーザ出力値に加算し
てレーザ出力値を補正することで装置停止からのワーク
の温度変化に対応した出力値のレーザを出力することで
きる。
【0049】
【実施例】
実施例1.以下、この発明の一実施例を図について説明
する。図1は本実施例におけるレーザ焼入れ装置の全体
構成を示す図である。図において、2a〜2dはそれぞ
れ加工ヘッド25を備えたレーザ発振器であり、各レー
ザ発振器2a〜2dにより第1ステーションST1〜第
4ステーションST4を構成している。尚、各ステーシ
ョンは通常シリンダブロック1の決められた孔7の焼入
れを行う。
【0050】23は焼入れ加工用のシリンダブロック1
aを搬入するストックコンベアであり、このストックコ
ンベア23の端部にはシリンダブロック1aの移動を停
止するワークストッパ23Sが設けられている。24は
加工が終了したシリンダブロック1fを次の加工工程へ
搬送するワーク搬送コンベアである。
【0051】26はシャトルバーであり、このシャトル
バー26はストックコンベア23で搬入されてきたシリ
ンダブロックを第1ステーションST1へ送り出し、ま
た焼入れが完了したシリンダブロックを次のステーショ
ンへ送り出し、さらに総ての孔の焼入れが完了したシリ
ンダブロック1fをワーク搬送コンベア24に送り出
す。
【0052】27はシャトルバー26を上下駆動及び左
右に移動させる駆動部を有するトランスファーマシンで
あってシャトルバー26で送られて来たシリンダブロッ
ク1を加工ヘッド25下に載置する。28a〜28dは
各ステーションST1〜ST4毎に配置されたピッチ送
り装置であり、このピッチ送り装置28a〜28dはト
ランスファーマシン27に載置されたシリンダブロック
の低部に嵌着自在に係合してシリンダブロックをトラン
スファーマシン27に沿って左右方向に移動させ、同一
シリンダブロック1の1つ以上の孔の焼入れを単一の加
工ヘッド25にて行なわす。
【0053】図2はシャトルバー26とシリンダブロッ
ク1にピッチ送り装置28が係合した状態を示す図であ
る。シャトルバー26はシリンダブロック1をストック
コンベア23よりトランスファーマシン27へ、或いは
トランスファーマシン27よりワーク搬送コンベア24
へ送り出す際に、図1に示す矢印方向に上昇させてガイ
ドピン26Pをシリンダブロック1の低部に形成した搬
送用位置決めピン穴1Dに嵌着させて両者を係合する。
【0054】シャトルバー26は係合状態を保持した状
態で図1に示す右方向に移動し、第1ステーションST
1に対応するピッチ送り装置28aへ送り出す。シリン
ダブロック1の左右には図2に示すように位置ピン用穴
1Pが形成されており、各位置ピン用穴1Pがピッチ送
り装置28aに設けたワーク位置決めピン28Pで嵌入
される位置に来たならば、シャトルバー26は降下して
シリンダブロック1をピッチ送り装置28aに係合させ
る。
【0055】図3は加工ヘッド25の先端の外周面に摺
動自在に設けられたビーム遮光リング29を示す断面図
である。加工ヘッド25の先端部の外周にはフランジ状
にストッパ25Sが設けられている。従って、加工ヘッ
ド25の先端の外周面に摺動自在に設けられたビーム遮
光リング29は、同図(a)に示すように落下すること
なくビーム取り出し用の開口部25Aを遮蔽している。
【0056】また、焼入れのために、加工ヘッド25が
シリンダブロック1の孔7内に下降するとビーム遮光リ
ング29の端部は、同図(b)のようにシリンダブロッ
ク1の上面にて係止されて加工ヘッド25がビーム遮光
リング29の内周面を摺動して焼入れ箇所に下降する。
そして、焼入れが完了すると加工ヘッド25はストッパ
25Sでビーム遮光リング29を引き上げながら上昇し
て同図(a)のような状態となり、射出されているレー
ザビーム6はビーム遮光リング29にて周囲への照射が
遮断される。尚、ビーム遮光リング29に冷却水30が
封入され、レーザビーム6による熱的ダメージを防いで
いる。
【0057】次に、本実施例の動作について説明する。
シリンダブロック供給先からシリンダブロック1aがス
トックコンベア23にて送られてくると、シリンダブロ
ック1aはワークストップ23Sに当たり移動停止して
位置決めされる。シリンダブロック1aが位置決めされ
ると、シャトルバー26が上昇して、上面に設けたガイ
ドピン26Pをシリンダブロック1aの低部に形成した
搬送位置決めピン穴1Dに嵌着させて係合する。
【0058】次に、シャトルバー26は係合されたシリ
ンダブロック1aを第1ステーションST1へ送り出
す。送り出されたシリンダブロック1a(図1における
1b)は、シャトルバー26の下降によりピッチ送り装
置28aに載置される。ピッチ送り装置28aの載置面
には、シリンダブロック1bの底面の左右に形成された
位置決め穴1P間隔寸法に合わせてワーク位置決めピン
28Pが4個形成されている。
【0059】従って、ワーク位置決めピン28Pに位置
決め穴1Pが嵌入すると、シリンダブロック1bはピッ
チ送り装置28aに位置決め固定される。ここで、第1
ステーションST1における加工ヘッド25が、シリン
ダブロック1bの孔7a内に降下、光軸を中心に回転し
ながらレーザビーム6を内周面の焼入れ箇所に照射して
焼入れを行う。
【0060】焼入れを行っている間、シャトルバー26
はストックコンベア23へ移動し、次に供給されるシリ
ンダブロックの送り出し準備に入る。次に、シリンダブ
ロック1bの孔7aの焼入れが完了し、加工ヘッド25
が上昇したならば、再びシャトルバー26は上昇してワ
ークストッパ23Sにて停止している新たなシリンダブ
ロック1aと第1ステーションST1に停止しているシ
リンダブロック1bを前記同様に、シリンダブロック1
aをピッチ送り装置28aへ、そしてシリンダブロック
1bを第2ステーションST2におけるピッチ送り装置
28bに位置決め固定する。
【0061】シリンダブロック1b(図1における1
c)がピッチ送り装置28bに固定されると、第2ステ
ーションST2における加工ヘッド25が、シリンダブ
ロック1bの孔7b内に降下、回転しながらレーザビー
ム6をシリンダウオールに照射して焼入れを行う。最終
的に、最初に供給されたシリンダブロック1aが第4ス
テーションST4に送り出され孔7dの焼入れが完了し
たならば、シリンダブロック1a(図1における1f)
はシャトルバー26によってワーク搬送用コンベア24
に載置される。
【0062】この時、当然、ストックコンベア23、各
ステーション毎のピッチ送り装置28a〜28dにはシ
リンダブロック1a〜1eが載置されている。従って、
以降、レーザ発振器が1台の場合に比較して1台のシリ
ンダブロックの焼入れ完了から次のシリンダブロックの
焼き入れ完了までの時間が1/4となり、トータル的に
見れば1台のシリンダブロックの焼入れ時間が1/4に
短縮される。
【0063】また、例えば第2ステーションST2にお
けるレーザ発振器が故障してシリンダブロック1におけ
る孔7bの焼入れが不能となった場合は、シリンダブロ
ック1を第3ステーションST3に移動させてピッチ送
り装置28cに固定して孔7cの焼入れが完了した後
に、シリンダブロックを孔7cと7bとの間のピッチ分
逆送りして孔7bを加工ヘッドの位置にあわせ、加工ヘ
ッドを孔7bに下降させて焼入れさせる。
【0064】従って、第1及び第2ステーションST
1,ST2のレーザ発振器が故障した場合でも、第3及
び第4ステーションST3,ST4のレーザ発振器でそ
れぞれ孔を2個づつ焼入れすることで焼入れ作業が停滞
することなく継続される。
【0065】尚、加工ヘッド25はレーザビーム6を射
出しながら孔7より上昇する。その時、万一トラブルが
発生して孔の外でレーザビームが射出された場合、レー
ザビームの射出方向は水平であるため作業している人に
レーザビーム25を照射する恐れがある。そこで、本実
施例では図3の(a)に示すように加工ヘッド25を上
昇した際に開口部25Aがビーム遮光リング29で覆わ
れるようにする。
【0066】その動作として、加工ヘッド25の上昇時
には、加工ヘッド25の先端部に設けたフランジ状のス
トッパー25Sまで口径が孔7の径より大きいビーム遮
光リング29がスライドして開口部25Aを覆う。
【0067】次に、孔7の内面を焼入れ時に、加工ヘッ
ド25を孔7に降下させると、同図の(b)に示すよう
にビーム遮光リング29の端面はシリンダブロック1の
上面に当接して残り、加工ヘッド25のみがビーム遮光
リング29の内周面をスライドして焼入れ箇所に下降す
る。焼入れが完了して加工ヘッド25が上昇すると、ス
トッパー25Sでビーム遮光リング29を引き上げるた
め、孔7より加工ヘッド25が引き上げられた時には開
口部25Aはビーム遮光リング29で覆われる。
【0068】従って、加工ヘッド25の上昇時に、誤っ
てレーザビーム6を人に照射するという危険性がなくな
る。また、ビーム遮光リング29には冷却水30が封入
されているためレーザビーム6の照射による発熱でダメ
ージを受けることはない。
【0069】実施例2.従来のレーザ焼入れ装置におけ
る冷却装置は、放電電極間の放電或いは放電電流の大き
さに拘わらず、装置電源を投入すると稼働して一定低温
の冷却水を熱交換器に循環させるとレーザガスは過冷却
される。従って、このレーザガスに直接触れる全反射ミ
ラー、部分反射ミラーの鏡面の曲率の歪み、或いは発振
器筺体の歪みによる各ミラー間の光軸の変形によりビー
ムモードが不安定になるという問題点があった。
【0070】従って、本実施例では熱交換器53及び放
電電極54a,54bを循環する冷却水の温度を一定に
保つことでレーザガス59の温度を一定に保つ。図4は
本実施例におけるレーザ発振器2と冷却装置50Aの構
成を示す図である。尚、図中、図12と同一符号は同一
又は相当部分を示す。本実施例における冷却装置50A
は、パイプP2を介してレーザ発振器2より冷却装置5
0Aに戻ってきた冷却水の温度を検出する冷却水温度検
知センサ60、冷却水温度検知センサ60で検出した温
度に従って冷却水循環ポンプ52の回転数を制御する回
転数制御用インバータ61を新たに備えている。
【0071】次に、本実施例の動作について説明する。
レーザ発振装置2の稼働と共に、冷却装置50Aは運転
を開始して冷却水循環ポンプ52より吐出された冷却水
をパイプP1を介して熱交換器53、放電電極54a,
54bに送り出す。このように熱交換器53に冷却水を
流すことで循環するレーザガス59の温度を下げて温度
上昇を抑え励起を安定させる。
【0072】このように送り出された冷却水はパイプP
2を介して再び冷却装置50Aのチラーユニット51に
戻されて冷却されて再度、冷却水循環ポンプ52により
パイプP1に吐出される。レーザ発振器2が稼働を開始
した当初は放電電流によるレーザガス59の温度上昇は
低く抑えられているため、熱交換器53を流れてパイプ
P2に戻った冷却水の温度は著しく上昇していない。
【0073】従って、この時点ではレーザガス59の温
度を一定にすべく冷却水の温度を一定するには多量の冷
却水を循環させる必要はない。しかし、レーザ発振器2
の稼働時間が経過するに連れてレーザガスは放電電極5
4a,54b間に流れる放電電流により温度上昇する。
この温度上昇したレーザガス59が熱交換器53を通る
と冷却水の温度も上昇して冷却効果が低下するようにな
る。
【0074】そこで、熱交換器53よりパイプP2に流
れ出した冷却水の温度は、冷却装置50Aにおいて冷却
水温度検知センサ60にて検知され、冷却水の温度がレ
ーザガス59の温度を一定温度に保つべく一定温度以上
に上昇した場合は熱交換器53内の冷却水の温度を所定
温度に下げる。そのために、冷却水温度検知センサ60
より検知信号を受けた回転数制御用インバータ61は、
冷却水循環ポンプ52の回転数の上昇制御を行なって冷
却水の吐出量を制御する。
【0075】その結果、冷却水循環ポンプ52は熱交換
機53中の水温を一定温度に保つべく最適量の冷却水を
パイプP1に送り出す。また、レーザ発振器2の稼働が
停止して放電電流による発熱が低下したならば、冷却水
の温度上昇も抑えられる。そこで、冷却水循環ポンプ5
2はレーザガス59の過冷却防止のために熱交換器53
に送り出す冷却水の量を抑える。この結果、冷却水の温
度、即ち、レーザガス59の温度は常に一定に保たれる
ため安定したビームモードを得ることができる。
【0076】実施例3.上記、実施例2では回転数制御
用インバータを用いて冷却水循環量をきめ細かく制御し
て冷却水温の調整を行ったが、量産ラインに適用されて
所定の出力で使用されるレーザ焼入れ装置では、レーザ
発振器の出力のON/OFFによってほぼ定まった冷却
水温度変化を示す。従って、レーザガスの過冷却を防ぐ
ため、レーザ出力のON/OFFつまり放電の有無を判
別して冷却水循環ポンプ52をON/OFFすることに
より、簡易的にレーザガスの過冷却を防ぎ、強いてはビ
ームモードの安定化を図ることができる。
【0077】図5は本実施例におけるレーザ発振器2と
冷却装置50Bの構成を示す図である。尚、図中、図1
2と同一符号は同一又は相当部分を示す。本実施例にお
ける冷却装置50Bは、放電の有無を検出して冷却水循
環ポンプ52の稼働をON/OFFするポンプ制御装置
62を新たに備えている。
【0078】次に、本実施例の動作について説明する。
例えば、図示しない放電励起用電源装置の出力をポンプ
制御装置62で検出したならば、放電開始を判定して冷
却水循環ポンプ52を稼働させて放電電極54a,54
b及び熱交換器53へ冷却水を送り出す。また、放電停
止を判定したならば冷却水循環ポンプ52を稼働を停止
して放電電極54a,54b及び熱交換器53への冷却
水送り出しを停止する。従って、簡易な構成で放電時は
レーザガス59を適正に冷却し、放電停止時はレーザガ
ス59の過冷却を防ぐことができ、強いては簡易な構成
でビームモードの安定化を図ることができる。
【0079】実施例4.従来装置では光路ダクトD内に
少量づつ連続してドライエアーを供給して内圧を高めて
外部からの塵等の混入を防ぎ、ベンドミラー3等の清浄
を維持した。しかし、少量づつドライエアーを供給した
場合、加工ヘッド25を孔7内に降下させた場合に光路
ダクトDの容積が大きくなると、光路ダクトD内が負圧
となり隙間より塵、或いは異種ガス等が混入する恐れが
ある。
【0080】そこで、本実施例は光路ダクトDの容積が
大きくなっても光路ダクトDの圧力が負圧になることが
防ぐようにしたものである。図6は本実施例のレーザ焼
入れ装置におけるドライエアー供給装置を示す構成図で
ある。尚、図中、図13と同一符号は同一又は相当部分
を示す。ドライエアー供給ユニット73より光路ダクト
Dに常時、少量づつドライエアーを供給している流量調
節弁77の上流側と下流側間には電磁弁78と光路ダク
トDに多量のドライエアーを供給する流量調節弁79が
直列に接続されている。
【0081】次に、本実施例の動作を説明する。流量調
節弁77は予め設定された少量のドライエアーをドライ
エアー供給ユニット73から光路ダクトDに供給するよ
うに弁開口度が調整されている。また、流量調節弁79
は流量調節弁77に比べて多量のドライエアーがドライ
エアー供給ユニット73から光路ダクトDに供給される
ように弁開口度が調整されている。また、電磁弁78は
加工ヘッド25が降下したことを図示しない検出手段で
検出した時に弁を開き、ドライエアー供給ユニット73
より流量調節弁79にドライエアーを送り出す。
【0082】加工ヘッド25が矢印方向Aに上昇してい
る場合は、電磁弁78は閉成しているためドライエアー
供給ユニット73から供給されるドライエアーは流量調
節弁77を通して光路ダクトDに供給される。従って、
光路ダクトD内の圧力は適度に高められているため、外
部より塵や異種ガスが混入することがないため清浄を維
持できる。
【0083】しかし、孔内面の焼入れのために加工ヘッ
ド25は矢印Bのように降下すると、光路ダクトDの容
積が増加し、光路ダクトD内の圧力が負圧に反転して外
部より塵や異種ガスを吸入する恐れがある。そこで、電
磁弁78は図示しない検出手段で加工ヘッド25の降下
を検出したならば、弁を開口してドライエアー供給ユニ
ット73より流量調節弁79にドライエアーを送り出
す。
【0084】流量調節弁79は多量のドライエアーを光
路ダクトDに供給できるように弁の開口度を調節してあ
るため、加工ヘッド25の下降と同時に多量のドライエ
アーを一気に光路ダクトDに供給して光路ダクトDを高
圧に維持する。
【0085】従って、光路ダクトD内への外気の吸入が
阻止されるため、部分反射ミラー56a、ベンドミラー
3、集光レンズ5に塵等は付着して焼き付き汚損を発生
させることがない。また、外気中に含まれる異種ガスも
吸入されることがないため、レーザビーム6が異種ガス
により散乱させられたり、吸収されたりすることがない
ため正常のレーザビームの伝送が維持される。
【0086】実施例5.レーザ焼入れ前のシリンダブロ
ックの温度に応じてレーザ出力値を変更することで焼入
れ品質を保つことができる。図7は本実施例に係るレー
ザ焼入れ装置の全体構成を示す図である。尚、図におい
て図9と同一符号は同一又は相当部分を示す。図におい
て、90はシリンダブロック1の既知温度での孔内各所
のレーザ出力値を設定する出力設定器、92はシリンダ
ブロック1の温度を計測する例えば放射温度計、熱電対
等の温度センサである。
【0087】93は補正出力設定器であり、この補正出
力設定器93は孔内各所の既知温度と温度センサ92で
計測された実測温度との差を計算してレーザ出力値の補
正値を自動選択する。尚、既知温度に対してシリンダブ
ロックの実際の温度が高低した場合、各温度差に対する
孔内各所のレーザ出力値の補正値は予め設定されてい
る。
【0088】94は出力設定値加算器であり、この出力
設定値加算器94は出力設定器90で設定したレーザ出
力設定値に補正出力設定器93で選択された補正量を加
算してシリンダブロック1の温度の高低に応じたレーザ
出力値を設定する。95はレーザ発振器2に内蔵された
レーザ出力制御回路であり、出力設定値加算器94で設
定されたレーザ出力値でレーザビーム6が射出されるよ
うに例えば放電電極(図4参照)間の放電電流の値を制
御する。
【0089】次に、本実施例の動作について説明する。
鋳物で成型されたシリンダブロック1の孔7の内周面を
レーザビーム6で焼入れする場合、焼入れする前のシリ
ンダブロック1の温度を考慮してレーザビーム6の出力
を決めないと、出力が高い場合などは急激な温度上昇に
より素材表面がチル化(溶損)することがある。
【0090】出力が低い場合は内周面を加熱するに留ま
り焼入れが不完全となることがある。そこで、通常は季
節に応じてシリンダブロック1の孔内各所の温度を10
°〜30°の既知温度を決め、その既知温度に応じて出
力設定器90はレーザ出力値を設定する。しかし、実
際、焼入れ行程に入ったシリンダブロック1の実温度と
既知温度との間に差がでることがある。
【0091】そこで、温度差に起因する焼入れ品質の低
下を排除するため、装置が運転を開始すると、温度セン
サ92はシリンダブロック1の温度を計測して実温度デ
ータを補正出力設定器93へ出力する。補正出力設定器
93は入力された実温度と予め設定された既知温度との
差を計算する。
【0092】更に、補正出力設定器93は、前記計算さ
れた温度差より実温度と既知温度との差に応じて設定し
た孔内各所のレーザ出力補正値を自動選択する。自動選
択されたレーザ出力補正値は、出力設定値加算器94に
おいて出力設定器90で設定された既知温度でのレーザ
出力設定値に加算されてレーザ出力設定値を補正して保
管する。
【0093】次に、焼入れ位置検出器91より焼入れ位
置信号が出力設定値加算器94に入力されると、保管し
てある補正済みのレーザ出力設定値をレーザ出力制御回
路95に出力する。その結果、レーザ出力制御回路95
はレーザ出力設定値の出力値のレーザビームが射出され
ように放電電流を制御する。従って、シリンダブロック
1の温度の高低に基づいて入熱制御されたレーザビーム
が孔1の内周面の焼入れ位置に照射される。
【0094】実施例6.上記、実施例5では予め設定さ
れたシリンダブロックの既知温度と実際に計測した実温
度との差に基づいてレーザビームの入熱制御を行った
が、焼入れ前から焼入れ開始に至るまで、或いは焼入れ
中止から焼入れ再開に至るまでの時間経過に伴う温度変
化に基づいてレーザビームの入熱制御を行っても良い。
【0095】図8は本実施例に係るレーザ焼入れ装置の
全体構成を示す図である。尚、図中、図7と同一符号は
同一又は相当部分を示す。図において、112はレーザ
焼入れ前もしくは焼入れ中の停止から焼入れ再開までの
停止時間をカウントする停止時間タイマー、113は補
正出力設定器であり、この補正出力設定器113は焼入
れ停止時間の長短により予測されるシリンダブロック1
の温度変化に相当する孔内各所のレーザ出力の補正量が
設定されており、この補正量を停止時間タイマーでカウ
ントされた停止時間をもとに選択する。
【0096】114は出力設定値加算器であり、出力設
定値加算器114は出力設定器90で設定したレーザ出
力設定値に補正出力設定器113で選択された補正量を
加算して焼入れ停止時間後のシリンダブロック1の温度
変化に応じたレーザ出力値を設定する。
【0097】例えば、焼入れ作業が途中で中止して再開
する予定が決まっている場合、停止時間タイマ112は
焼入れ中止時より焼入れ再開に至るまでの停止時間をカ
ウントする。そして停止時間がカウントされたならば、
停止時間データを補正出力設定器113へ出力する。補
正出力設定器113には予め停止時間の長短により予測
されるシリンダブロック温度の変化に相当するレーザ出
力値の補正量が設定されている。
【0098】従って、補正出力設定器113は入力され
た停止時間をもとにレーザ出力補正量を自動選択する。
自動選択されたレーザ出力補正値は、出力設定値加算器
114において出力設定器90で設定された既知温度で
の孔内各所焼入れ位置でのレーザ出力設定値に加算され
てレーザ出力設定値を補正して保管する。
【0099】次に、焼入れ位置検出器91より焼入れ位
置信号が出力設定値加算器114に入力されると、保管
してある補正済みのレーザ出力設定値をレーザ出力制御
回路95に出力する。その結果、レーザ出力制御回路9
5はレーザ出力設定値の出力値のレーザビームが射出さ
れるように放電電流を制御する。従って、焼入れ停止後
の温度変化に基づいて入熱制御されたレーザビームが孔
1の内周面の焼入れ位置に照射される。
【0100】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、加工ヘッドが
ワークの孔内へ昇降動作すると共に、レーザ光軸を中心
に回転して前記孔の内周面にレーザビームを照射する機
構を有した複数のレーザ発振器と、これらレーザ発振器
により焼入れ加工される各レーザ発振器毎のワークを隣
接するレーザ発振器の加工ヘッドへ同時に搬送するワー
ク搬送手段と、このワーク搬送手段に備えられ、載置さ
れた前記ワークの各焼入れ箇所を前記加工ヘッド下で移
動させるワーク移動手段とを備えたので、複数個の孔を
同時に焼入れすることができるため焼入れ時間が短縮す
ると共に、1台のレーザ発振器が故障した場合でも全ワ
ークに対する焼入れ工程を継続させることができ生産性
の低下を防ぐことができるという効果がある。
【0101】請求項2の発明によれば、ワーク搬送装置
は、ワーク搬送後に逆方向に移動して新たなワークを載
置して加工ヘッドへ搬送することで、請求項1の効果に
加えて搬送効率と共に生産性を向上させることができる
という効果がある。
【0102】請求項3の発明によれば、加工ヘッドの外
周にはレーザビーム取り出し用の開口部を覆うように環
状のビーム遮光手段を摺動自在に備え、前記加工ヘッド
を孔より上昇時に前記ビーム遮光手段を前記開口部周囲
に摺動させ、前記孔への下降時にはこの孔の縁に前記ビ
ーム遮光手段の縁部を当接させるようにしたもので、請
求項1または2の効果に加えて、加工ヘッドの誤動作に
よりレーザビームが射出されても外部に漏れないため安
全性が向上するという効果がある。
【0103】請求項4の発明によれば、レーザ発振器の
冷却水循環回路に冷却水の温度を検出する温度センサ
と、前記冷却水循環回路へ冷却水を吐出させる冷却水循
環ポンプと、前記温度センサの温度検出値に基づいて前
記冷却水循環ポンプの回転数を制御する回転数制御手段
とを備えたので、請求項1の効果に加えてレーザ発振器
内の温度変化を極めて小さく抑えることができるため安
定したビームモードとそれに伴う高品質な焼入れができ
るという効果がある。
【0104】請求項5の発明によれば、請求項1のレー
ザ焼入れ装置において、レーザ発振器の放電を検出する
放電検出手段と、前記レーザ発振器の冷却水循環回路へ
冷却水を吐出させる冷却水循環ポンプと、前記冷却水循
環ポンプの運転を前記放電検出手段の放電検出結果に基
づいて起動、停止制御するポンプ起動制御手段とを備え
たので、請求項1の効果に加えて簡易な構成でレーザ発
振器内の温度変化を極めて小さく抑えることができるた
め安定したビームモードとそれに伴う高品質な焼入れが
できるという効果がある。
【0105】請求項6の発明によれば、レーザ発振器よ
り加工ヘッドへレーザビームを伝送する光路ダクトに対
してドライエアーを供給するエアー供給手段と、このエ
アー供給手段と前記光路ダクトとの間に、前記加工ヘッ
ドが急下降して前記光路ダクトの容積が大きくなる時に
適量づつ供給していたドライエアーの量を一気に増加さ
せるエアー流量制御手段とを設けたので、請求項1の効
果に加えて光路ダクト内が常に清浄に維持され、レーザ
ビームが正常に伝送されるので出力が安定した信頼性の
高いレーザ焼入れ装置が得られるという効果がある。
【0106】請求項7の発明によれば、焼入れ用にレー
ザビームをワークへ出力するレーザ発振器と、予め設定
されたワークの既知温度に対応したレーザ出力設定値を
保管した出力設定器と、焼入れ時に前記ワークの温度を
測定する温度センサと、この温度センサによる測定温度
と前記既知温度との差に基づいて前記保管したレーザ出
力設定値を補正する設定値補正手段と、補正されたレー
ザ出力設定値の出力で前記レーザ発振器の出力を制御す
るレーザ出力制御回路とを備えたので、焼入れ前のワー
クの温度差により実施必要な入熱補正を自動化できると
いう効果がある。
【0107】請求項8の発明によれば、設定値補正手段
は、既知温度と測定温度との差を演算すると共に、予め
設定された各温度差によるレーザ出力補正値より前記演
算された温度差に対応するレーザ出力補正値を選択する
補正出力設定器と、選択されたレーザ出力補正値を出力
設定器に保管されたレーザ出力設定値に加算してレーザ
出力設定値を補正する補正出力加算器とを備えたので、
請求項7の効果に加えて焼入れ前のワークに温度差があ
った場合でも温度差に対応したレーザ出力を得られると
いう効果がある。
【0108】請求項9の発明によれば、焼入れ用にレー
ザビームをワークへ出力するレーザ発振器と、予め設定
されたワークの既知温度に対応したレーザ出力設定値を
保管した出力設定器と、焼入れ前もしくは焼入れ中のビ
ーム照射停止から再起動までの時間をカウントするタイ
マと、停止時間より予測されるワーク温度変化に基づい
て前記保管したレーザ出力設定値を補正する設定値補正
手段と、補正されたレーザ出力設定値の出力で前記レー
ザ発振器の出力を制御するレーザ出力制御回路とを備え
たので、装置停止によるワーク温度変化のために実施必
要な入熱補正を自動化できるという効果がある。
【0109】請求項10の発明によれば、設定値補正手
段は、ビーム照射停止時間よりワークの温度変化を予測
すると共に、予め設定された各ワーク温度変化によるレ
ーザ出力補正値より前記予測されたワーク温度変化に対
応するレーザ出力補正値を選択する補正出力設定器と、
選択されたレーザ出力補正値を出力設定器に保管された
レーザ出力設定値に加算してレーザ出力設定値を補正す
る補正出力加算器とを備えたので、請求項9の効果に加
えて、焼入れ前もしくは焼入れ中に装置が停止し時間経
過と共にワークの温度が変化した場合でも温度変化に対
応したレーザ出力が得られるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一実施例によるレーザ焼入れ装置
の全体構成を示す図である。
【図2】 本実施例によるトランスファーマシンにシリ
ンダブロックを載置した場合の断面図である。
【図3】 本実施例による加工ヘッドの先端部分に摺動
自在に設けた遮光リングの断面図である。
【図4】 この発明の一実施例によるレーザ発振器の冷
却水循環回路の概念図である。
【図5】 この発明の他の実施例によるレーザ発振器の
冷却水循環回路の概念図である。
【図6】 この発明の一実施例による光路ダクトのドラ
イエアー供給回路の概念図である。
【図7】 この発明の一実施例によるレーザ焼入れ装置
の模式図である。
【図8】 この発明の他の実施例によるレーザ焼入れ装
置の模式図である。
【図9】 従来のレーザ焼入れ装置の模式図である。
【図10】 レーザ焼入れを行うシリンダブロックの縦
断面図である。
【図11】 加工ヘッドに備えられた焼入れ用回転機構
の断面図である。
【図12】 従来のレーザ発振器の冷却水循環回路の概
念図である。
【図13】 従来の光路ダクトのドライエアー供給回路
の概念図である。
【符号の説明】
1a〜1f シリンダブロック、2a〜2d レーザ発
振器、6 レーザビーム、7a〜7d 孔(シリンダボ
ア)、25 加工ヘッド、26 シャトルバー、27
トランスファーマシン、28a〜28d ピッチ送り装
置、29 ビーム遮光リング、50A,50B 冷却装
置、51 チラーユニット、52 冷却水循環ポンプ、
60 水温検知センサ、61 インバータ、62 放電
検出器、63 発振器筺体、D 光路ダクト、73 ド
ライエアー供給ユニット、77,79 流量調節弁、7
8 電磁弁、90 出力設定器、91 位置検出器、9
2温度センサ、93,113 補正出力設定器、94,
114 出力設定値加算器、95 レーザ出力制御回
路、112 停止時間タイマ。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01S 3/00 B (72)発明者 竹川 一郎 尼崎市塚口本町8丁目1番1号 三菱電機 株式会社伊丹製作所内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加工ヘッドがワークの孔内へ昇降動作す
    ると共にレーザ光軸を中心に回転して前記孔の内周面に
    レーザビームを照射する機構を有した複数のレーザ発振
    器と、これらレーザ発振器により焼入れ加工される各レ
    ーザ発振器毎のワークを隣接するレーザ発振器の加工ヘ
    ッドへ同時に搬送するワーク搬送手段と、このワーク搬
    送手段に備えられ、載置された前記ワークの各焼入れ箇
    所を前記加工ヘッド下で移動させるワーク移動手段とを
    備えたことを特徴とするレーザ焼入れ装置。
  2. 【請求項2】 ワーク搬送装置は、ワーク搬送後に逆方
    向に移動して新たなワークを載置して加工ヘッドへ搬送
    することを特徴とする請求項1に記載のレーザ焼入れ装
    置。
  3. 【請求項3】 加工ヘッドの外周にはレーザビーム取り
    出し用の開口部を覆うように環状のビーム遮光手段を摺
    動自在に備え、前記加工ヘッドを孔より上昇時に前記ビ
    ーム遮光手段を前記開口部周囲に摺動させ、前記孔への
    下降時にはこの孔の縁に前記ビーム遮光手段の縁部を当
    接させるようにしたことを特徴とする請求項1または2
    に記載のレーザ焼入れ装置。
  4. 【請求項4】 レーザ発振器の冷却水循環回路の冷却水
    の温度を検出する温度センサと、前記冷却水循環回路へ
    冷却水を吐出させる冷却水循環ポンプと、前記温度セン
    サの温度検出値に基づいて前記冷却水循環ポンプの回転
    数を制御する回転数制御手段とを備えたことを特徴とす
    る請求項1に記載のレーザ焼入れ装置。
  5. 【請求項5】 レーザ発振器の放電を検出する放電検出
    手段と、前記レーザ発振器の冷却水循環回路へ冷却水を
    吐出させる冷却水循環ポンプと、前記冷却水循環ポンプ
    の運転を前記放電検出手段の放電検出結果に基づいて起
    動、停止制御するポンプ起動制御手段とを備えたことを
    特徴とする請求項1に記載のレーザ焼入れ装置。
  6. 【請求項6】 レーザ発振器より加工ヘッドへレーザビ
    ームを伝送する光路ダクトに対してドライエアーを供給
    するエアー供給手段と、このエアー供給手段と前記光路
    ダクトとの間に、前記加工ヘッドが急下降して前記光路
    ダクトの容積が大きくなる時に適量づつ供給していたド
    ライエアーの量を一気に増加させるエアー流量制御手段
    とを設けたことを特徴とする請求項1に記載のレーザ焼
    入れ装置。
  7. 【請求項7】 焼入れ用のレーザビームをワークへ出力
    するレーザ発振器と、予め設定されたワークの既知温度
    に対応したレーザ出力設定値を保管した出力設定器と、
    焼入れ時に前記ワークの温度を測定する温度センサと、
    この温度センサによる測定温度と前記既知温度との差に
    基づいて前記保管したレーザ出力設定値を補正する設定
    値補正手段と、補正されたレーザ出力設定値の出力で前
    記レーザ発振器の出力を制御するレーザ出力制御回路と
    を備えたことを特徴とするレーザ焼入れ装置。
  8. 【請求項8】 設定値補正手段は、既知温度と測定温度
    との差を演算すると共に、予め設定された各温度差によ
    るレーザ出力補正値より前記演算された温度差に対応す
    るレーザ出力補正値を選択する補正出力設定器と、選択
    されたレーザ出力補正値を出力設定器に保管されたレー
    ザ出力設定値に加算してレーザ出力設定値を補正する補
    正出力加算器とを備えたことを特徴とする請求項7に記
    載のレーザ焼入れ装置。
  9. 【請求項9】 焼入れ用のレーザビームをワークへ出力
    するレーザ発振器と、予め設定されたワークの既知温度
    に対応したレーザ出力設定値を保管した出力設定器と、
    焼入れ前もしくは焼入れ中のビーム照射停止から再起動
    までの停止時間をカウントするタイマと、停止時間より
    予測されるワークの温度変化に基づいて前記保管したレ
    ーザ出力設定値を補正する設定値補正手段と、補正され
    たレーザ出力設定値の出力で前記レーザ発振器の出力を
    制御するレーザ出力制御回路とを備えたことを特徴とす
    るレーザ焼入れ装置。
  10. 【請求項10】 設定値補正手段は、ビーム照射停止時
    間よりワークの温度変化を予測すると共に、予め設定さ
    れた各ワークの温度変化によるレーザ出力補正値より前
    記予測されたワーク温度変化に対応するレーザ出力補正
    値を選択する補正出力設定器と、選択されたレーザ出力
    補正値を出力設定器に保管されたレーザ出力設定値に加
    算してレーザ出力設定値を補正する補正出力加算器とを
    備えたことを特徴とする請求項7に記載のレーザ焼入れ
    装置。
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