JPH08155925A - 微粒木質合成粉及びその製造方法並びに装置、前記微粒木質合成粉を用いた木質合成繊維、前記微粒木質合成粉を用いた木質合成フィルム - Google Patents

微粒木質合成粉及びその製造方法並びに装置、前記微粒木質合成粉を用いた木質合成繊維、前記微粒木質合成粉を用いた木質合成フィルム

Info

Publication number
JPH08155925A
JPH08155925A JP30497194A JP30497194A JPH08155925A JP H08155925 A JPH08155925 A JP H08155925A JP 30497194 A JP30497194 A JP 30497194A JP 30497194 A JP30497194 A JP 30497194A JP H08155925 A JPH08155925 A JP H08155925A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wood
thermoplastic resin
powder
resin molding
synthetic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP30497194A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3540847B2 (ja
Inventor
Sadao Nishibori
貞夫 西堀
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
EIN Engineering Co Ltd
Original Assignee
EIN Engineering Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by EIN Engineering Co Ltd filed Critical EIN Engineering Co Ltd
Priority to JP30497194A priority Critical patent/JP3540847B2/ja
Publication of JPH08155925A publication Critical patent/JPH08155925A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3540847B2 publication Critical patent/JP3540847B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Dry Formation Of Fiberboard And The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 熱可塑性樹脂成形材内に吸湿性に富むセルロ
ース系破砕物を混合し、熱可塑性樹脂成形材が熱的、化
学的に安定した微粒子の木粉粒に固定化された状態を定
常的に維持し得るようにして木粉と熱可塑性樹脂成形材
との混合、分散状態を定常的に維持すべく、良好なる流
動性を与えて、特に繊維やフィルムなどの細くないしは
薄い成形品を製造するために用いて好適な微粒木質合成
粉、その製造方法及び装置を提供する。 【構成】 微粒木質合成粉の製造方法は、含有水分量を
15wt%以内とし平均粒径5〜15μのセルロース系破
砕物20〜75wt%に対して熱可塑性樹脂成形材25〜
80wt%をともに摩擦熱によりゲル化混練し、次いで冷
却乾燥、造粒し、粒径30〜100μに粗粉砕し、次い
で超音速気流内で被粉砕材料の粒子相互間の衝突により
1〜8μに微粉砕し、微粒木質合成粉を形成する。この
微粒木質合成粉を用いて木質合成繊維や木質合成フィル
ムなどの種々の成品を成形する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱可塑性樹脂成形材と
微粒子のセルロース系破砕物を主たる成形素材とした微
粒木質合成粉及びその製造方法並びに装置、前記微粒木
質合成粉を用いた木質合成繊維又、前記微粒木質合成粉
を用いた木質合成フィルムに関し、より詳しくは、微粒
子に微粉砕したセルロース系破砕物と熱可塑性樹脂成形
材を原料として紡糸口金の細孔から押出して繊維としあ
るいはエキストルージョン法などでフィルム或いは板材
に成形するなど広範囲な製品の素材を製造するために用
いて好適な微粒木質合成粉、そして、その製法と装置、
又、前記微粒木質合成粉を用いて紡糸した木質合成繊維
並びに木質合成フィルムに関する。
【0002】なお、熱可塑性樹脂成形材は、軽くて丈夫
で、成形加工が容易で、美しく、さびない、安価などの
優れた性質を有しているゆえに、建築材料、自動車、家
庭電気製品などの構造材料、例えば機械や装置あるいは
箱、容器類などの構造材料、あるいは装飾用材料として
用いられ、さらに、衣料、日用品など広範な用途に向け
て多種類、かつ多量に用いられており、各種樹脂製品は
それぞれ、樹脂素材の優れた性質を活かして広範囲に利
用されている。そして樹脂製品の成形形状は型材、板
材、フィルム、繊維など広範囲に及んでいる。一方、前
記セルロース系破砕物は熱可塑性樹脂成形材にはない性
質、例えば吸湿性に富むものである。
【0003】したがって、微粒子のセルロース系破砕物
を熱可塑性樹脂成形材に混合して成形した成形品はセル
ロース系破砕物と熱可塑性樹脂成形材の両方の性質を備
えた成形品として使用され、一般の樹脂成形品と同様に
様々な形状に成形されうるものである。例えば、微粒子
のセルロース系破砕物を熱可塑性樹脂成形材に混合して
木質合成繊維あるいは木質合成フィルムに成形し、木質
合成繊維は糸や織物などの繊維製品の素材、あるいはこ
の糸や織物の材料を用いて帽子、洋服、靴下、絨毯など
の繊維製品に加工される。また、木質合成フィルムはレ
インコートや家屋の内装材など他の製品に加工され、広
範囲に利用される。
【0004】特に、前記セルロース系破砕物および熱可
塑性樹脂成形材は、一方又は双方が、建築廃材料あるい
は、自動車、家庭電気製品を始め、生活の多様化に伴
い、日用品など広範な用途に向けて多種類、かつ多量に
用いられ、多量に廃棄されている各種熱可塑性合成樹脂
製品の廃材を再利用して、リサイクル可能な各種樹脂製
品に再利用可能な微粒木質合成粉、及びその製造方法並
びに装置にかかるものである。
【0005】
【従来の技術】従来、熱可塑性樹脂成形材とセルロース
系破砕物を主たる成形素材とした成形品には、熱可塑性
樹脂成形材とセルロース系破砕物を押出機等で溶融、混
練して成形ダイから押出して板材に成形した木質合成板
がある。ちなみに、セルロース系破砕物には、木材を粉
砕して得た木粉、籾穀、バカス、破砕チップ材、パルプ
材などがある。セルロース系破砕物の内、木粉について
は、上述した建築廃材、又製材工程、木工工程の鋸屑な
どの廃材、その他の原料木材をインペラーミルやボール
ミルなどの粉砕機によって衝撃、剪断、摩擦などの作用
により粉砕して得られる木粉は、毛羽立っており、しか
も繊維状に細長い木粉が多数含まれていたり、樹脂素
材、溶剤、溶液に対する分散性が極端に悪く、また木粉
の保管の過程でも凝集を生じやすく、特に樹脂素材に混
入する場合、凝集する欠点を有するものであった。これ
ら木粉を始め、セルロース系破砕物の流動時における摩
擦抵抗が大きいことや、樹脂素材との馴染みが悪いこと
が、セルロース系破砕物を熱可塑性樹脂成形材に混入し
成形する際にセルロース系破砕物の流動性や、セルロー
ス系破砕物と樹脂素材の分散性に大きな影響を与えるも
のであった。
【0006】そこで、この木粉の角張っている部分、突
き出している部分、繊毛状のヒゲ部分などを粉砕用ボー
ル間での摩擦による粉砕によって球形あるいは球形類似
の粒状に変形するなどして、比較的流動性や分散性の良
い木粉が成形されている。このような木粉を用いて種々
の木質合成板が成形されていた。しかしながら、かよう
な改良された木粉を使用しても、木粉と樹脂素材はそれ
ぞれ流動性が異なるので、木粉が成形時に与える影響が
全く回避されたわけではなく、成形時における木粉の作
用に即応した成形方法を選別することは重要なものであ
った。
【0007】従来、木材パルプ、わらなどに含まれてい
るセルロースを原料として製造した成形品としては、衣
服の生地や絨毯の素材として用いられている繊維のう
ち、レーヨン等の再生繊維や、アセテート等の半合成繊
維がある。
【0008】レーヨンはビスコース法で製造される。す
なわちパルプを苛性ソーダと二硫化炭素で処理し、ビス
コースという粘稠な溶液にしてこのビスコースから繊維
を製造する。ビスコースは次の浸漬、圧搾、粉砕、老
成、硫化、溶解工程を経て生成される。
【0009】パルプを濃度約18%の苛性ソーダに浸漬
し、パルプ中のヘミセルロース(濃度17.5%の苛性
ソーダ液に常温で溶解する部分)分をアルカリ中に溶出
除去すると共にセルロースをアルカリセルロース(以下
「アルセル」という)に変える(浸漬工程)。次いで、
アルセルを圧搾して余分の苛性ソーダを絞り取り(圧搾
工程)、粉砕機で充分解きほぐして綿状にする(粉砕工
程)。次に、すなわち綿状のアルセルを一定温度に一定
時間放置し、空気中の酸素と作用してアルセルの重合度
を1/2〜1/3に低下させる(老成工程)。
【0010】前記アルセルを密閉容器中に入れ、いった
ん真空にした後、二硫化炭素を霧状に注入し撹拌してア
ルセルに二硫化炭素を反応させてセルロースキサントゲ
ン酸ナトリウム(ザンテート)という固体に変える(硫
化工程)。このザンテートを薄い苛性ソーダ溶液を用
い、10〜18℃の低温で撹拌溶解し粘稠なビスコース
を生成する(溶解工程)。ビスコースの組成は一般にセ
ルロース分8%、苛性ソーダ分6%程度のものである。
前記ビスコースは、さらに12〜20℃の一定温度に3
0〜60時間放置して熟成させる。
【0011】以上のように生成されたビスコース原液は
キャンドルフィルターで濾過した後、紡糸口金の細孔よ
り紡糸浴(凝固浴ともいう)中に押出し、浴中でセルロ
ースを再生、凝固させて繊維にし紡糸する。浴中を出た
繊維は、紡糸液が付着し、且つビスコースの分解生成物
である硫化物を含むため、脱硫、漂白、酸処理などの精
錬を行い、最後にオイリングを施し、脱水、乾燥して製
品にする。
【0012】アセテートは、天然のセルロースに酢酸を
化学的に結合して作られる酢酸セルロースから成る繊維
である。アセテートには普通アセテートとトリアセテー
トの二つの種類があり、普通アセテートは、酢化度55
%程度のフレークを用い、これをアセトンに溶解し、2
5〜28%の濃度の粘稠液(ドープ)を作り、このドー
プはフィルタープレスで濾過した後、脱泡し紡糸源液と
する。一方、トリアセテートは、トリアセテートフレー
クを塩化メチレン(85〜90%)とメタノール又はエ
タノール(10〜15%)の混合溶液に溶解し、紡糸原
液とする。
【0013】アセテートの紡糸には乾式紡糸法が用いら
れる。紡糸原液はギヤポンプで一定量ずつ紡糸口金に送
られ、この途中、キャンドルフィルターで最後の濾過を
行うと同時に温水で原液温度を一定に保つ。紡糸口金の
細孔から押し出された原液は高さ4〜7mの紡糸筒内を
落下する間に紡糸筒内の下部より送り込まれる熱風によ
って溶剤を蒸発放出し糸状に固化する。蒸発した溶剤は
活性炭吸着装置で回収され、再利用される。前記紡糸筒
を出た糸はオイリング剤をつけた後、巻き取られる。
【0014】その他、衣服の生地や絨毯の素材として用
いられている繊維としては、一般に、ナイロン、アクリ
ル、ポリビニル、ポリエステル等の熱可塑性樹脂を溶融
しこれを紡糸口金の細孔から押し出して紡糸する合成繊
維がある。合成繊維は天然繊維では想像もできなかった
ほど驚異的な強さを有していることが優れた特徴であ
り、さらに経済性に優れ、需給調整など人為的な操作が
容易であるなどのメリットがある。
【0015】以上の合成繊維、再生繊維、半合成繊維は
人造繊維で、この人造繊維に対して綿、麻、羊毛、生糸
等の天然繊維がある。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】従来の熱可塑性樹脂成
形材とセルロース系破砕物の成形品である木質合成板は
主として板厚2〜50mmという比較的厚い板材である
が、衣服の生地や絨毯の素材として用いられている繊維
は0.2〜0.5mm程度の太さであり、日用品等広範囲
に使用されているフィルムは0.5mmないしは0.1mm
以下の厚さのものが多く使用されており、これら繊維や
フィルムなどのように細くないしは薄い成形品にあって
はセルロース系破砕物と熱可塑性樹脂成形材との分散性
やセルロース系破砕物の粒径の大きさや形状が成形時に
及ぼす影響力は大きなものであり、前述したような摩擦
抵抗が大きいことや、樹脂素材との馴染みが悪いという
セルロース系破砕物の性質は、特に細くないしは薄い成
形品を成形する際の問題点であった。
【0017】なお、木材パルプなどのセルロースを利用
した再生繊維や半合成繊維には以下の問題点があった。
レーヨンの製造工程において、アルセルの硫化工程では
真空の密閉容器中で二硫化炭素と反応させる必要がある
ので高価な設備費と処理時間がかかるという問題点があ
った。さらに、硫化工程で排出される廃液は水質汚染を
もたらすので高価な設備費をかけて廃液処理を要すると
いう問題点があった。
【0018】また、レーヨンの製造工程では紡糸浴は紡
糸を続けることによってその組成が変わってくるので、
常に一定の組成に保つ必要がある。このため紡糸機に酸
浴工程を付属し紡糸浴内の酸の補給循環を行っており、
大がかりな装置を要するという問題点があった。
【0019】アセテートは、大量の溶剤を気化させしか
も蒸発した溶剤は活性炭吸着装置で回収する必要がある
ので、紡糸装置はかなり大がかりなものになるという問
題点があった。
【0020】また、合成繊維、再生繊維、半合成繊維等
の人造繊維には、天然繊維に比較すると保温性、肌ざわ
り、着心地など、感触上の性質において劣るという欠点
があった。そのため天然繊維は人造繊維には無い感触上
の優れた性質を有するという独特の魅力があるので、天
然繊維に対する需要者の愛着心が近年著しくよみがえり
つつある。特に、合成繊維は再生繊維や半合成繊維のよ
うに木材パルプなどのセルロースを原料とはせず、いわ
ゆる熱可塑性樹脂成形材を原料としたものであり吸湿
性、放湿性に劣るので、合成繊維の衣服や絨毯は肌ざわ
り、着心地などの質感が悪いという欠点があった。
【0021】なお、繊維は乾燥状態で摩擦すると静電気
を発生する性質があり、この静電気は、比較的この帯電
性の性質の少ない綿や毛の場合でも紡績、織布工程で繊
維どうしが互いに反発したり、機械に付着したりするた
め作業の障害となる。合成繊維は静電気の発生状態が最
も激しいので、帯電防止剤を添加して緩和を図っている
が充分ではない。したがって、合成繊維の衣服は帯電性
が高いため、ほこりの吸着、まつわりつき、放電により
感電ショックなどを生じるという欠点があり、この衣服
に帯電防止剤を噴霧するなどして、衣服の帯電性を低下
させているが、その帯電防止効果は弱く且つその防止効
果の寿命も短いものであった。
【0022】一般に、熱可塑性樹脂成形材による樹脂製
品は吸湿性、放湿性に劣ることや帯電しやすいなど、樹
脂製品特有の欠点を有している。したがって、上記の合
成繊維だけでなく、他の樹脂製品においても、帯電性が
高いため大気中の粉塵を吸着するので頻繁に掃除しなけ
ればならないなどの問題点があった。
【0023】また、従来の樹脂フィルムから仕立てたレ
インコートなどは吸湿性、放湿性に劣るので、やはり質
感が悪いという問題点があった。
【0024】本発明は叙上の問題点を解決するために開
発されたもので、熱可塑性樹脂成形材内に吸湿性に富む
セルロース系破砕物を混合し、熱可塑性樹脂成形材が熱
的、化学的に安定した微粒子の木粉粒に固定化された状
態を定常的に維持し得るようにして木粉と熱可塑性樹脂
成形材との混合、分散状態を定常的に維持すべく、良好
なる流動性を与えて種々の成形品、特に細くないしは薄
い成形品を製造するために用いて好適な微粒木質合成粉
と、当該微粒木質合成粉の製造方法並びに装置を提供
し、さらに前記微粒木質合成粉を用いて押出成形時、木
粉と樹脂との馴染みを良好に保ち、樹脂内の微粒子の木
粉を均一に分散した木質合成繊維並びに木質合成フィル
ムを提供することを目的とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の微粒木質合成粉は、含有水分量を15wt%
以内とし平均粒径5〜15μのセルロース系破砕物20
〜75wt%に対して熱可塑性樹脂成形材25〜80wt%
を混合、ゲル化混練し、冷却乾燥して当該粗粒原料の粒
子相互間の衝突により粒径1〜8μに微粉砕して成るも
のである。
【0026】また、本発明の微粒木質合成粉の製造方法
においては、含有水分量を15wt%以内とし平均粒径5
〜15μのセルロース系破砕物20〜75wt%に対して
熱可塑性樹脂成形材25〜80wt%をともに摩擦熱によ
りゲル化混練する工程と、上記ゲル化した混練材料を冷
却乾燥、造粒する工程と、上記冷却乾燥、造粒した造粒
原料を粒径30〜100μに粗粉砕する工程と、超音速
気流内で被粉砕材料の粒子相互間の衝突により1〜8μ
に微粉砕する工程とを少なくとも含むことを特徴とす
る。
【0027】なお、上記の微粒木質合成粉の製造方法に
おいては、含有水分量を15wt%以内とし平均粒径5〜
15μのセルロース系破砕物20〜75wt%に対して熱
可塑性樹脂成形材25〜80wt%をともに摩擦熱により
ゲル化混練し、冷却乾燥、造粒し、粒径30〜100μ
に粗粉砕し、次いで前記粗粉砕した粗粒原料を超音速気
流内で被粉砕材料の粒子相互間の衝突により1〜8μに
微粉砕することができる。
【0028】さらに、上記の微粒木質合成粉の製造方法
においては、含有水分量を15wt%以内とし平均粒径5
〜15μセルロース系破砕物、又はセルロース系破砕物
20〜75wt%に対して熱可塑性樹脂成形材25〜80
wt%の混合物をともに、当該セルロース系破砕物、又は
セルロース系破砕物及び熱可塑性樹脂成形材の粒子相互
間の衝突により1〜8μに微粉砕し、前記微粉砕した材
料を摩擦熱によりゲル化混練し、冷却乾燥、造粒し、粒
径30〜100μに粗粉砕し、次いで1〜8μに微粉砕
することもできる。
【0029】また、本発明の微粒木質合成粉の製造装置
においては、含有水分量を15wt%以内とし平均粒径5
〜15μのセルロース系破砕物20〜75wt%に対して
熱可塑性樹脂成形材25〜80wt%をともに混合して、
摩擦熱によりゲル化混練する攪拌衝撃翼を備える流動混
合混練手段と、上記ゲル化した混練材料を冷却乾燥、造
粒する内部に攪拌破砕翼を有し、ジャケットに冷却水の
入口および出口を備える冷却造粒手段と、上記冷却乾
燥、造粒した造粒原料を粒径30〜100μに粉砕する
粉砕手段と、上記粉砕した粗粒原料を、当該粗粒原料の
粒子相互間の衝突により1〜8μに微粉砕せしめる超音
速気流を噴射する微粉砕手段から成るものである。
【0030】なお、上記した製造装置において、前記流
動混合混練手段は、前記セルロース系破砕物を攪拌衝撃
翼の回転による摩擦熱により含有水分量0.1〜0.3
wt%に乾燥する手段を含むものとすることができる。
【0031】また、本発明の前述した微粒木質合成粉を
用いた木質合成繊維においては、含有水分量を15wt%
以内とし平均粒径5〜15μのセルロース系破砕物50
〜70wt%に対して熱可塑性樹脂成形材30〜50wt%
を混合、ゲル化混練し、冷却乾燥して粒径1〜8μに微
粉砕した微粒木質合成粉3〜10wt%を、当該微粒木質
合成粉内の前記熱可塑性樹脂成形材と同材質の熱可塑性
樹脂成形材90〜97wt%に混入し、加熱、練成し、紡
糸口金より押出して紡糸して成ることを特徴とする。
【0032】また、本発明の前述した微粒木質合成粉を
用いた木質合成フィルムにおいては、含有水分量を15
wt%以内とし平均粒径5〜15μのセルロース系破砕物
50〜70wt%に対して熱可塑性樹脂成形材30〜50
wt%を混合、ゲル化混練し、冷却乾燥して粒径1〜8μ
に微粉砕した微粒木質合成粉5〜20wt%を、当該微粒
木質合成粉内の前記熱可塑性樹脂成形材と同材質の熱可
塑性樹脂成形材80〜95wt%に混入し、加熱、練成
し、成膜加工して成るものである。
【0033】
【作用】上記微粒木質合成粉は、木粉の粒径を熱可塑性
樹脂成形材とのなじみを良好とし、ゲル化混練時におけ
る木粉の摩擦抵抗を減じるため、平均粒径5〜15μと
する顆粒ないし粉末状とし、ゲル化混練及び成形時にお
ける木酸ガスを揮散し、水蒸気あるいは気泡発生を減少
し、表面の肌荒れを防止する意図からその含有水分量を
15wt%以内、好ましくは11wt%以内、より好ましく
は8wt%以内の原料を、理想的には1wt%以内、最適に
は0.3wt%以下の範囲内とするものである。
【0034】微粒木質合成粉を製造するための原材料の
全体の20〜75wt%、好ましくは30〜70wt%相
当、より好ましくは45〜70wt%のセルロース系破砕
物例えば木粉と残りの熱可塑性樹脂成形材とする配合
は、木粉が20wt%以下になると、ゲル化混練時に、原
材料が固化するためであり、熱可塑性樹脂成形材が高い
比率になると、次工程における微粉砕が困難となるため
である。
【0035】上記流動混合混練手段において、セルロー
ス系破砕物例えば木粉は、攪拌衝撃翼により破砕、且
つ、攪拌衝撃翼及び原料自体の摩擦熱により乾燥され、
含有水分が0.3%程度まで乾燥される。
【0036】また、熱可塑性樹脂成形材は、攪拌衝撃翼
により前記セルロース系破砕物と混練され、原料自体の
摩擦熱により約180〜200°Cで混合分散に際して
も凝集したりせずに混練されゲル化し、且つ含有水分が
約0.3wt%に乾燥され、ついで、冷却造粒手段により
ジャケット内の混練材料は、前記原材料中の熱可塑性樹
脂成形材の凝固点すなわち融点近傍(融点+10°C)
まで冷却されながら乾燥され、攪拌破砕翼により粒径2
5mm程度以下に造粒されて固化させた造粒原料を得る。
【0037】さらに、前記造粒原料は、例えば100μ
のスクリーンを有するカッターミル等の粉砕機から成る
粉砕手段により、粒径30〜100μの粗粒原料を得
る。
【0038】次いで、前記粗粒原料は、例えば、超音速
の気流を噴射するジェットミル等の微粉砕手段により超
音速気流内で粗粒原料の粒子同士が相互に衝突して微粉
砕され粒径1〜8μの微粒木質合成粉を得る。
【0039】以上のようにしていわゆる熱可塑性樹脂成
形材が、熱的、化学的に安定した木粉粒に固定化された
状態を定常的に維持し得るようにした粒径1〜8μとい
う超微粒の微粒木質合成粉が形成される。この微粒木質
合成粉は粒径1〜8μと超微粒であるゆえに、従来には
ないような木粉と熱可塑性樹脂成形材との混合、分散状
態を定常的に維持すべく、良好なる流動性を与える微粒
木質合成粉が形成され、且つ冷却による凝縮、縮小作用
とも相まって、化学的な反応とか接着によらない微粒木
質合成粉が形成される。
【0040】以上の微粒木質合成粉は、当該微粒木質合
成粉の樹脂成分と同材質の熱可塑性樹脂成形材と混合
し、押出機等で加熱、混練され、木質合成板を初め、種
々の製品に成形され得る。
【0041】上記の微粒木質合成粉3〜10wt%、より
好ましくは3〜5wt%、最適には5wt%を、当該微粒木
質合成粉内の熱可塑性樹脂成形材と同材質の熱可塑性樹
脂成形材90〜97wt%、より好ましくは95〜97wt
%、最適には95wt%に混入し、加熱、練成し、紡糸口
金より押出して木質合成繊維の糸条と成って紡糸され
る。
【0042】また、上記の微粒木質合成粉5〜20wt
%、より好ましくは5〜10wt%を、当該微粒木質合成
粉内の熱可塑性樹脂成形材と同質の熱可塑性樹脂成形材
80〜95wt%、より好ましくは90〜95wt%に混入
し、加熱、練成し、例えばインフレーション法のインフ
レーションダイより押出して木質合成フィルムを成形す
る。
【0043】微粒木質合成粉と熱可塑性樹脂成形材とを
混合して繊維やフィルムに成形する場合、微粒木質合成
粉は木粉50〜70wt%、より好ましくは60〜70wt
%と残りの熱可塑性樹脂成形材とする配合は、熱可塑性
樹脂成形材に対する木粉の割合を多くしてゲル化混練し
木粉自体の分散性を良くすることを意図するものであ
り、熱可塑性樹脂成形材に対する微粒木質合成粉の割合
が、3〜10wt%と見かけ上少ないが、嵩比重は約0.
2であり、重量比からいえば相対的には、熱可塑性樹脂
成形材に対して5倍となる。この混合比の少ない点は、
繊維やフィルムの強度が弱くなることがあるためであ
る。したがって、木質合成繊維や木質合成フィルムを製
造する場合、微粒木質合成粉を単独では用いず、木粉の
配合割合が多い微粒木質合成粉と熱可塑性樹脂成形材を
混合して防糸あるいは成膜する。
【0044】
【実施例】以下に、本発明の微粒木質合成粉を製造する
ために用いる各製造手段について図面を参照して説明す
る。
【0045】〔流動混合混練手段〕図1において、80
は原材料を混合し混練して「混練材料」を形成する流動
混合混練手段で、本実施例において、便宜上「ミキサ
ー」という。
【0046】81はミキサー本体で、上面開口を有する
円筒形を成し容量が300リットルのケーシングであ
り、前記開口はミキサー本体81内に原材料を投入する
投入口94で、この投入口94を開閉自在な上蓋82で
被蓋する。上蓋82には、ミキサー本体81内で木粉か
ら発生した多量の水蒸気ないしは木酸ガスを排出するガ
ス排出管95を連通している。さらに、ミキサー本体8
1の底面付近の外周面に1ヶ所の排出口88を設け、こ
の排出口88を被蓋する蓋89をシリンダ91のロッド
先端に設け、シリンダ91の作動により前記排出口88
を開閉自在に設けている。93は排出ダクトで、前記排
出口88に連通している。
【0047】さらに、ミキサー本体81の底面の中心に
は図示せざるモータ37KW(DC)の回転駆動手段によ
り820rpm/maxで高速回転する軸83をミキサー本体
81内の上方に向けて軸承し、この軸83に下から上方
へ順にスクレイパー84、撹拌衝撃翼85,86,87
を装着し、軸83の先端から締付ナット92で締め付け
ている。なお、前記各撹拌衝撃翼85,86,87の形
状は特に限定されないが、本実施例では軸83を中心に
対称を成す2枚羽根である。図1のように3個の撹拌衝
撃翼を重ねた場合は全部で6枚の羽根で成り、これら6
枚の羽根は平面で360度を6等分した等分角(60
度)を成すように互いに交叉した状態で重ねている。な
お、複数個の撹拌衝撃翼を設けた場合、撹拌衝撃翼の合
計の羽根数で360度を等分した角度で互いに交叉して
重ねることは原材料を効率良く混練する点で好ましい。
【0048】なお、前記スクレイパー84はミキサー本
体81の底面を僅かに摺接して回転し、ミキサー本体8
1内で混練された原材料をミキサー本体81の底面に残
留しないよう掻き出し、且つ原材料を循環するものであ
る。
【0049】〔冷却造粒手段〕図2において、100は
前述した混練材料を混合し撹拌して「造粒原料」を形成
する冷却造粒手段であり、本実施例では「クーリングミ
キサー」という。
【0050】101はミキサー本体で、逆円錐形状を成
すケーシングであり上面を被蓋し、一方、下端に排出口
107を設け、この排出口107をバルブ106で開閉
自在に設けている。ミキサー本体101の外周壁内にジ
ャケット102を形成し、このジャケット102内に給
水管108から排水管109へ常時、冷却水を供給し、
クーリングミキサー100内の原材料の温度を熱可塑性
樹脂成形材の融点近傍まで冷却するよう保持される。な
お、ミキサー本体101の上壁面にはクーリングミキサ
ー100内で発生した水蒸気ないしは木酸ガスを排出す
る図示せざる排出ダクトを連通している。
【0051】前記ミキサー本体101の上壁内の略中心
にはアーム103が略水平方向に回動可能に軸支され、
このアーム103は減速装置112を介してモータ11
1により約3rpmの速度で回転駆動される。さらに、前
記アーム103の回転軸は中空軸であり、この中空軸内
に独立して回転する他の回転軸を設け、この回転軸にモ
ータ105の出力軸を連結している。一方、前記アーム
103の先端には撹拌破砕翼104を軸承し、この撹拌
破砕翼104は本実施例ではスクリュー型を成すもので
あり、該撹拌破砕翼104の回転軸線方向をミキサー本
体101の内周壁面に沿って略平行に下方へミキサー本
体101の下端付近まで延長している。撹拌破砕翼10
4はアーム103内に設けた歯車等による回転伝達手段
を介して前記モータ105の出力軸に連結する回転軸に
連結され90rpmの速度で回転駆動される。
【0052】なお、ミキサー本体101の上壁には投入
口113を設け、この投入口113に前述したミキサー
80の排出ダクト93を連通する。
【0053】前述したミキサー80で形成された混練材
料は排出ダクト93を経てクーリングミキサー100の
投入口113からミキサー本体101内へ投入される。
撹拌破砕翼104はモータ105により90rpmの速度
で回転し、しかも、アーム103が減速装置112を介
して減速されたモータ111の回転力により3rpmの速
度で水平方向に回転するので、前記撹拌破砕翼104は
ミキサー本体101の内周壁面に沿って円錐を描くよう
に回転し、アーム103内の混練材料を撹拌する。混練
材料はジャケット102内の冷却水により冷却されたミ
キサー本体101の内周壁面で冷却され、直径約25mm
以下に造粒された「造粒原料」が形成され、この造粒原
料はバルブ106を開放して排出口107より排出され
る。
【0054】なお、この排出口107に直径8mmメッシ
ュのスクリーンを設け、この冷却工程において、予備的
に粉砕処理を行っても良い。
【0055】なお、クーリングミキサー100で冷却さ
れる混練材料は、原材料中の熱可塑性樹脂成形材の凝固
点すなわち融点以下に冷却されることが望ましいが、木
粉を混合しているので熱可塑性樹脂成形材の融点以下に
まで下げる必要はなく、実際には造粒原料が排出口10
7より排出可能な温度まで冷却されれば良く、混練材料
内の熱可塑性樹脂成形材の融点より約10℃高い温度ま
で冷却すれば良い。
【0056】なお、冷却造粒手段は、上記のクーリング
ミキサーに限定されず、例えば、ミキサー本体内の混練
材料を撹拌する撹拌羽根を設け且つミキサー本体の外周
壁面に前述したようなジャケットを設け、このジャケッ
ト内を流れる冷却水でミキサー本体内の混練材料を冷却
するものであれば良い。
【0057】また、ミキサー80で形成された混練材料
は前記ジャケット102を備えてない一般的なミキサー
を用いて撹拌のみを行なって冷却することも可能である
が、この場合は混練材料内の熱可塑性樹脂成形材の融点
より約10℃程度高い温度まで冷却するとしても約30
分かかるので、本実施例のようなクーリングミキサーの
冷却造粒手段で造粒原料を形成することが望ましい。
【0058】〔粉砕手段〕前記冷却造粒手段で形成され
た造粒原料は、さらに粉砕手段を使用して粒径100μ
以下に粉砕し、「粗粒原料」を形成する。
【0059】図3において、120は前述した造粒原料
を粉砕する粉砕手段であり、本実施例では「カッタミ
ル」を用いている。
【0060】121はカッタミル本体で、上面開口を有
する円筒形を成すケーシングであり、前記開口を開閉自
在な蓋122で被蓋する。前記蓋122はカッタミル本
体121内に造粒原料を投入する投入口123を備えて
いる。
【0061】また、前記カッタミル本体121内にはカ
ッタミル本体121の底面に軸承されて図示せざる回転
駆動手段で水平方向に回転するカッタ支持体124を設
け、このカッタ支持体124の外周に上下方向に長い回
転刃125を3枚を設け、これらの3枚の回転刃125
はカッタ支持体124の回転方向で120度の等角度を
成すように配設し、3枚の回転刃125の刃先は同一の
回転軌跡上に位置している。さらに、前記3枚の回転刃
125の刃先の回転軌跡に対して僅かな隙間を介して二
の固定刃126を回転刃125の刃先の回転軌跡の略対
称位置にカッタミル本体121に固定し、二の固定刃1
26とカッタ支持体124と回転刃125とでカッタミ
ル本体121内を二分し、投入室127と粉砕室128
を形成する。前記蓋122の投入口123は前記投入室
127に連通する。なお、二の固定刃126と回転刃1
25との隙間は造粒原料を所望の大きさに粉砕できるよ
う自在に調整できる。また、粉砕室128は前記二の固
定刃126間を回転刃125の回転軌跡の周囲を囲むよ
うにスクリーン129で仕切っている。なお、スクリー
ン129は、本実施例では100μ程度の大きさの粉砕
された「粗粒原料」である粉砕物が通過できるメッシュ
で形成している。また、粉砕室128のカッタミル本体
121の下端にはカッタミル120で前記粉砕物を排出
する排出口131を設けている。
【0062】以上のカッタミル120において、蓋12
2の投入口123から前述したクーリングミキサー10
0で形成した造粒原料を投入し、図示せざる回転駆動手
段でカッタ支持体124を回転すると、造粒原料はカッ
タ支持体124の回転刃125と固定刃126間で約3
0〜100μの粗粒原料に切断され「粗粒原料」が形成
され、粉砕室128のスクリーン129のメッシュを通
過して排出口131より排出され次工程へ送られる。
【0063】なお、粉砕手段は、上記のカッタミルに限
定されず、例えば、(株)ホーライ社製のハードクラッ
シャのように、回転刃125の回転軸は水平方向に設け
られ、二の固定刃126間のスクリーン129は下方に
設けられているものもある。
【0064】〔微粉砕手段〕図4及び図5において、3
0は被粉砕材料を超音速の気流で被粉砕材料同士で互い
に衝突させて粉砕する微粉砕手段で、本実施例において
「ジェットミル」という。
【0065】35はジェットミル本体で、ミルスタンド
43に支えられ、内部に直径約200mmの水平断面円形
を成し且つ高さ約30mmの粉砕室44を備え、この粉砕
室44の外周壁に等間隔を介して6個のノズルホルダ3
7を対称位置に配設する。前記ノズルホルダ37の口径
2.2mmを成すグラインディングノズル36は、後述す
るリングヘッダ39内からブレードホース41を介して
供給される圧縮空気を粉砕室44内に超音速の気流で噴
射し、且つこの噴射した気流が粉砕室44内を一方向の
旋回流となるよう粉砕室44の水平断面円形の中心方向
に対して傾斜角を有して前記粉砕室44の内壁面に設け
ている。
【0066】さらに、前記粉砕室44の内周壁面の1ヵ
所に前記グラインディングノズル36と同様の方向に圧
縮空気を噴射するベンチュリノズル34を臨ませ、この
ベンチュリノズル34に向けて圧縮空気を噴射する口径
3.0mmのプッシャノズル32を備え且つ上部に材料を
投入するホッパ33を備えたプッシャノズルボディ31
を粉砕室44の外壁に設けている。
【0067】38はアウトレットイクステンションで、
口径40mmを有する円筒形状を成し、アウトレットイク
ステンション38の軸線方向を上下方向に向けてジット
ミル本体35の上面に立設し、前記口径を粉砕室44の
水平断面円形の中心位置に臨ませている。
【0068】39はリングヘッダで、ドーナツ形状を成
し内部に断面円形の圧縮空気の貯溜タンクを形成してお
り、この貯溜タンクには6本のブレードホース41を連
通し、各ブレードホース41はそれぞれ前述したノズル
ホルダ37へ連通している。リングヘッダ39の貯溜タ
ンクにはコンプレッサ11(図6)からの圧縮空気がホ
ース及び吸気口42を介して供給され、貯溜タンク内の
圧縮空気が前記ブレードホース41を介してノズルホル
ダ37のグラインディングノズル36から粉砕室44内
へ噴射される。なお、リングヘッダ39はジットミル本
体35の下方に位置しミルスタンド43に支えられてい
る。
【0069】なお、微粉砕手段は、上記のジェットミル
に限定されず、例えば日本ニューマチック工業(株)社
製の超音速ジェットミルI式等の微粉砕手段を用いるこ
とができる。ちなみに、前記超音速ジェットミルI式は
「衝突式気流粉砕機」と称し、マッハ2.5以上の気流
を発生させる超音速ノズルに原料粉体を連続的に供給
し、超音速ノズル内での気流の撹乱による粒子相互間の
衝突粉砕を促進させると同時に、ノズル前方に設置した
衝突板に固気混合流を強制的に衝突させて粉砕を行うも
のである。一方、上記実施例のジェットミルは磨砕式気
流粉砕機である。
【0070】〔微粒木質合成粉の製造実施例〕次に、前
述した各製造手段を用いて本発明の微粒木質合成粉を製
造する製造実施例を以下に説明する。
【0071】工程1;混練工程 本実施例の混練工程では、前述した流動混合混練手段で
あるミキサー80を用いる。
【0072】原材料の55wt%はボールミルなどで、平
均粒径5〜15μ以下に粉砕し、嵩比重が約0.2の木
粉を30kg(このときの木粉は水分を約8wt%含む)お
よび木酸ガスの中和剤となるアンモニア、フェノール、
メラミン等の尿素の40%濃度の水溶液を0.3kg(木
粉に対する尿素の割合は1wt%である)、炭酸カルシウ
ムを3kgで成り、残りの45wt%は熱可塑性樹脂成形材
のPP(ポリプロピレン)を27kgで成る。
【0073】なお、前記木粉の平均粒径とは、当該木粉
の累積重量パーセント分布の50重量パーセントの粒子
径を意味する。
【0074】ミキサー80で混練する工程を以下に詳し
く説明する。
【0075】(1)モータを回して撹拌衝撃翼85,8
6,87およびスクレイパー84を高速回転し、上蓋8
2を開放して投入口94から木粉30kgを投入し、前記
尿素0.3kgを少量づつ添加する。
【0076】(2)約1分後、5〜10wt%の炭酸カルシ
ウムを3kgを添加し、10〜20分程度混練する。これ
らの炭酸カルシウム及び酸化チタンを添加すると原材料
の比重が重くなるので、高速回転する撹拌衝撃翼による
剪断力が高くなるため剪断力による摩擦熱の発生が向上
し、ミキサー80内の温度は180〜190℃になり乾
燥され原材料の水分を1wt%以下、好ましくは0.3wt
%以下に減少させる。ちなみに、本実施例では前記木粉
を投入してから17分09秒後にミキサー本体81内の
温度は、190℃で、原材料の水分が0.1wt%であっ
た。なお、木粉は撹拌衝撃翼85,86,87の高速回
転により破砕され、このとき木粉から発生した多量の水
蒸気ないしは木酸ガスは上蓋82に設けたガス排出管9
5より排出される。
【0077】(3)次いで、熱可塑性樹脂成形材のPP
(ポリプロピレン)27kgをミキサー本体81内に投入
し、5〜8分間混練する(本実施例では約8分間混練し
た)。なお、熱可塑性樹脂成形材の形態は、本実施例で
は直径3mm程度の大きさの粒状から成るペレットを使用
している。
【0078】なお、熱可塑性樹脂成形材のPPの融点は
165℃であり、この工程におけるミキサー本体80内
の温度は186℃であった。
【0079】この工程で、原材料内の木粉によりPPは
大きな塊とはならず、混合分散に際しても凝集したりせ
ずに粘土状にゲル化して直径約10〜100mmの塊状の
「混練材料」となった。つまり、この塊とは、個々の木
粉がその木粉単体の表面全体に熱可塑性樹脂を付着した
状態に形成され、これらの個々の木粉が集合した塊であ
るため、木粉単体間の密着性がなく塊そのものは脆いも
のである。したがって、この工程により形成された混練
材料は、押出し成形時において押出機で効率良く混練さ
れ得る良好な材料であり、特に押出機内での木粉の摩擦
抵抗を減じる良好な材料である。
【0080】また、熱可塑性樹脂成形材がPPの本製造
例の場合、木粉が原材料の全体量の35wt%以下になる
と熱可塑性樹脂成形材がミキサー80内で大きな塊とな
るので、木粉の量は35wt%好ましくは、50%、より
好ましくは60%より多くする必要がある。また、木粉
が75wt%までは原材料のゲル化が可能であり、木粉が
75wt%より多くなると、木粉が焼けるので不適当であ
る。
【0081】(4)前記モータを低速にし、シリンダ91
を作動して蓋89を後退して排出口88を開放する。ミ
キサー本体81内のゲル化した原材料は排出口88から
排出ダクト93を経て、次工程へ排出される。排出時の
温度は186℃、原材料を投入してから排出するまでの
全工程は26分54秒で処理された。
【0082】なお、前記モータを低速にして原材料内の
熱可塑性樹脂成形材の融点より10℃程度高い温度にま
で下げれば、ミキサー80内の混練材料は冷却され、直
径約25mm以下の大きさの塊に造粒され造粒原料が形成
される。この場合、次工程の冷却造粒手段での処理を省
略して、後工程の整粒手段により粒径10mm以下に整粒
して微粒木質合成粉を形成しても良い。
【0083】前記炭酸カルシウムは、本発明の木質合成
板に良好な寸法安定性をもたらし、温度変化に伴う膨張
収縮を著しく少なくすることに寄与するもので、加工に
おける成形品の変形を防止し、且つそれ自体安価であ
る。
【0084】また、前記酸化チタンは、流動性、溶液中
における分散性が良好であり、本発明の木質合成板に対
して温度変化に伴う膨張収縮を著しく少なくすることに
寄与する。
【0085】熱可塑性樹脂成形材は、前述廃棄された各
種の樹脂成形品をそのままもしくは表面樹脂塗膜を形成
した樹脂成形品を複数の各小片に破砕し、前記破砕され
た個々の各小片に対して、圧縮研削作用を付加して樹脂
塗膜を研削、剥離し、前記研削された個々の各小片に対
して、微振動に基づいた圧縮衝撃力を付加して圧潰粉砕
させ、かつ圧潰粉砕によって剥離された樹脂塗膜を随時
に除去し熱可塑性樹脂成形材として素材化した、PET
(ポリエチレンテレフタレート)、PP(ポリプロピレ
ン)、ナイロン、ウレタン等の樹脂の一種又はこれらの
数種の混合したものを用いることができる。
【0086】なお、熱可塑性樹脂成形材は、熱可塑性合
成樹脂製品の廃材から得られた回収熱可塑性樹脂成形材
を再利用したもの、あるいはバージンの熱可塑性樹脂を
投入し、あるいはバージンの熱可塑性樹脂と前記回収熱
可塑性樹脂成形材をそれぞれ、例えば50%ずつ用いる
こともできる。
【0087】以下、各熱可塑性樹脂成形材におけるゲル
化可能な木粉の量の範囲を以下に示す。
【0088】熱可塑性樹脂成形材がPPの場合、木粉は
35〜75wt%、PPの量は25〜65wt%で、好まし
くは、木粉は60〜75wt%、PPの量は25〜40wt
%であり、熱可塑性樹脂成形材がPETの場合、上記の
PPの場合と同じであり、熱可塑性樹脂成形材がPCの
場合、木粉は40〜70wt%で、PCの量は30〜60
wt%で、好ましくは、木粉は60〜65wt%、PCの量
は35〜40wt%であり、木粉が64wt%で、PCが3
6wt%のときが、特に好ましい。
【0089】熱可塑性樹脂成形材がPVCの場合、木粉
は30〜65wt%で、PVCの量は35〜70wt%で、
好ましくは、木粉は45〜55wt%、PVCの量は45
〜55wt%であり、熱可塑性樹脂成形材がナイロンの場
合、上記のPCの場合と同じである。
【0090】工程2;冷却・乾燥工程 本実施例の冷却・乾燥工程では、前述した冷却乾燥手段
であるクーリングミキサー100を用いる。
【0091】前述した流動混合混練手段で形成された混
練材料は排出ダクト93を経てクーリングミキサー10
0の投入口113からミキサー本体101内へ投入され
る。撹拌破砕翼104はモータ105により90rpmの
速度で回転し、アーム103が3rpmの速度で水平方向
に回転している。
【0092】混練材料はジャケット102内の冷却水に
より冷却されたミキサー本体101の内周壁面で冷却さ
れ、直径約25mm以下に造粒された「造粒原料」が形成
され、この造粒原料はバルブ106を開放して排出口1
07より排出される。
【0093】PPの融点は165℃であり、本製造例で
は前述したミキサー80内で180℃にゲル化した混練
材料をクーリングミキサー100へ投入してから10〜
15分程度で、90〜100℃まで冷却され、このクー
リングミキサーによる冷却乾燥は効率が良い。このとき
のジャケット102内の冷却水については、給水管10
8から供給する冷却水の温度は30℃で、排水管109
より排水される冷却水の温度は40℃。
【0094】工程3;粉砕工程 前記冷却乾燥手段で形成された造粒原料は、さらにカッ
タミル120を使用して粒径100μ以下に粉砕し、
「粗粒原料」を形成する。
【0095】図3において、造粒原料はカッタ支持体1
24の回転刃125と固定刃126間で約30〜100
μに切断され「粗粒原料」が形成され、粉砕室128の
スクリーン129のメッシュを通過して排出口131よ
り排出される。
【0096】工程4;微粉砕工程 本実施例の微粉砕工程では、前述した微粉砕手段である
ジェットミル30を用いる。
【0097】図6において、前記粉砕手段で形成した被
粉砕材料をスパイラルフィーダ12に投入し、このスパ
イラルフィーダ12で被粉砕材料が定量的に送られる。
スパイラルフィーダ12は一の縦断面で下方に狭くなる
ホッパーを成す本体の底面付近に排出口を設け、さらに
前記本体の底面に沿ってスパイラルのスクリューを設
け、このスクリューの先端を前記排出口に臨ませ且つス
クリューの他端をモータに連結している。このスパイラ
ルスクリューの回転で前記本体内に投入された被破砕材
料が一方向に順次、排出口へ定量的に移送され、ジェッ
トミル30のホッパ33内へ投入される。
【0098】ジェットミル30では、図6に示すように
コンプレッサ11から6.5〜7.0kg/cm2の圧縮空気
がリングヘッダ39の吸気口42とプッシャノズルボデ
ィ31内のプッシャノズル32へ供給される。リングヘ
ッダ39の貯溜タンク内の圧縮空気は6本のブレードホ
ース41を経て、それぞれグラインディングノズル36
から超音速の気流が水平断面円形の粉砕室44内に噴射
され、粉砕室44内を旋回する。
【0099】一方、ホッパ33内の被粉砕材料はプッシ
ャノズル32からベンチュリノズル34に向けて噴射さ
れる圧縮空気に吸引され、この圧縮空気と共にベンチュ
リノズル34より粉砕室44内へ噴射される。被粉砕材
料は、粉砕室44内で超音速の気流に乗って旋回し主に
被粉砕材料の粒子の相互衝突により粉砕され1〜8μの
超微粉となる。いわゆる熱可塑性樹脂成形材が熱的、化
学的に安定した微粒子の木粉粒に固定化された状態を定
常的に維持し得るようにして木粉と熱可塑性樹脂成形材
との混合、分散状態を定常的に維持すべく、良好なる流
動性を与える微粒木質合成粉が形成され、且つ冷却によ
る凝縮、縮小作用とも相まって、化学的な反応とか接着
によらない微粒木質合成粉が形成される。粉砕された被
粉砕材料には微粒木質合成粉と当該微粒木質合成粉より
粗い粗粒木質合成粉を含んでいる。この被粉砕材料は気
流と共にアウトレットイクステンション38を経てクラ
ッシファイア14へ送られる(図6)。
【0100】工程5;分級工程 この分級工程は、前工程のジェットミル30で微粉砕さ
れた被粉砕材料がこの工程で微粒木質合成粉と粗粒木質
合成粉に分級され、粗粒木質合成粉が再びジェットミル
30へ送られて微粉砕されるので、微粉砕工程の一環と
して考えることもできるが、本実施例ではあえて分級工
程とした。本実施例では分級手段として以下のクラッシ
ファイア14を用いる。
【0101】クラッシファイア14は遠心力式分級器と
称する分級手段の一種で、円筒形状を成す本体を備え、
この円筒本体の中央に円すい形を成す分級コーンを設
け、分級コーンの外周縁は円筒本体の内周壁面と間隔を
介して設けられ、分級コーンの上面に間隔を介して円す
い形のガイドコーンを設ける。前記ガイドコーンと分級
コーンの間隔は気流の流路となる分級室を形成し、ガイ
ドコーンは分級室の間隔を調整自在に設けている。さら
にガイドコーンの中心はクラッシファイア14の円筒本
体の上部に位置する微粉用排出口に連通し、クラッシフ
ァイア14の底面には粗粉用排出口を設けている。
【0102】ジェットミル30から送られた空気はクラ
ッシファイア14の円筒本体に接線方向から送入し、ジ
ェットミル30で粉砕された被粉砕材料は慣性の差によ
り質量の大きな粗粒木質合成粉がクラッシファイア14
の外周壁に沿って旋回運動し、分級室から離れ下方へ落
下し、粗粉用排出口からロータリバルブ15へ送られ、
このロータリバルブ15を経てスパイラルフィーダ16
へ投入され、スパイラルフィーダ16から定量的に再び
ジェットミル30のホッパ33へ送られ、効率良く再び
粉砕される。なお、このクラッシファイア14と前記ジ
ェットミル30とは閉回路の粉砕方式となっている(図
6)。
【0103】一方、前記被粉砕材料のうち微粒木質合成
粉は慣性の差により分級コーンの斜面を転がって分級室
内の中央へ移動し、分級コーンの斜面を転がる間に旋回
気流中に吹き上げられガイドコーンの中心に集まり気流
と共に上方の微粉用排出口より排出されサイクロン17
及びバグフィルタ22へ送られる。
【0104】なお、分級手段は、上記のクラッシファイ
アに限定されず、例えば、慣性式風力分級器、遠心力式
分級器、遠心力式風力分級器、日本ニューマチック工業
(株)社製のジェットクロンセパレーター等、種々の分
級手段を用いることができる。
【0105】微粒木質合成粉はサイクロン17およびバ
グフィルタ22によって捕集され、各々の微粒木質合成
粉はサイクロン17の下部のロータリバルブ19を経て
ベッセル21へ回収され、さらにバグフィルタ22の下
方のベッセル23へ回収される。バグフィルタ22で微
粒木質合成粉と分離された気流はブロアー24の吸引に
より機外へ放出される。
【0106】なお、前述した微粒木質合成粉の製造方法
においては、含有水分量を15wt%以内とし平均粒径5
〜15μの木粉、又は木粉20〜75wt%に対して熱可
塑性樹脂成形材25〜80wt%の混合物をあらかじめ、
ジェットミル30により木粉の粒子又は木粉と熱可塑性
樹脂成形材の粒子相互間の衝突により1〜8μに微粉砕
し、次いで、前述した混練工程により前記微粉砕した材
料を摩擦熱によりゲル化混練し、前述した冷却・乾燥工
程で冷却乾燥、造粒し、前述した粉砕工程で粒径30〜
100μに粗粉砕し、次いで粗粉砕された各粒子を前述
した微粉砕工程で1〜8μに微粉砕することもできる。
【0107】〔微粒木質合成粉の使用例〕次に、前述し
た本発明の微粒木質合成粉を用いて成形した成形品の製
造例を説明する。
【0108】〔木質合成繊維の製造例〕本発明の微粒木
質合成粉を用いて紡糸した木質合成繊維の製造例を示
す。
【0109】なお、紡糸方法には、湿式紡糸法、乾式紡
糸法、溶融紡糸法があり、本発明の微粒木質合成粉は溶
融紡糸法を用いて紡糸することが望ましい。
【0110】また、レーヨン、アセテートの紡糸法は湿
式、乾式紡糸法であるので、種々の問題点があるが、本
願は微粒木質合成粉を用いることにより、溶融紡糸法で
セルロース系破砕物を混入した繊維を製造できることも
利点となる。
【0111】以下、本実施例では溶融紡糸法のエクスト
ルーダーを用いて紡糸を行った。
【0112】本発明の微粒木質合成粉9wt%と当該微粒
木質合成粉の主成分の熱可塑性樹脂成形材と同材質の熱
可塑性樹脂成形材91wt%を原料ポリマーとしてエクス
トルーダーのホッパに投入し、原料ポリマーをエクスト
ルーダーのスクリューで送る間に加熱ヒータで270℃
前後に溶融して溶融ポリマーとしこの溶融ポリマーをギ
ヤーポンプで一定量が濾過装置を経て紡糸口金の細孔か
ら冷雰囲気中に押し出し、前記紡糸口金下の紡糸筒を通
過しながら均一に冷却して固化し木質合成繊維の糸条を
形成する。この紡糸工程は糸条として形成される工程で
あり、繊度(デニール;d)、繊維数が決定されるほ
か、紡糸口金の断面形状を変化させることにより繊維の
断面形状を変化させ、断面円形の普通糸、三角断面糸、
中空糸などの各種の品種が作られる。
【0113】上記の紡糸工程で得られた糸条は未延伸糸
であり、このままでは伸度が大きく強度が低いため使用
に適さない。この未延伸糸を次の延伸工程でさらに延伸
して高強度の正常の伸度を有する延伸糸を得る。すなわ
ち紡糸工程で巻かれた未延伸糸は2つのローラ間で数倍
に引き伸ばし、途中で熱セットをし、ボビンに巻き取
る。
【0114】以下に、木質合成繊維の第1実施例を示
す。
【0115】
【表1】
【0116】第2実施例としては、微粒木質合成粉5wt
%と熱可塑性樹脂成形材であるPET95wt%で木質合
成繊維を防糸した。他は同じである。
【0117】本願の木質合成繊維を従来品と比較した。
尚、この木質合成繊維は主成分の樹脂がPET(ポリエ
ステル)であり、このPET95wt%と微粒木質合成粉
5wt%(微粒木質合成粉の内訳は木粉70wt%とP
ET30wt%)とから溶融防糸法で防糸したものであ
る。
【0118】
【表2】
【0119】本実施例の木質合成繊維は主成分の樹脂が
PET(ポリエステル)であるので、従来品のポリエス
テル繊維と比較すると、木質合成繊維は従来のポリエス
テル繊維より強度および伸度においては低くなっている
が、吸湿性においては従来品の0.4(リーゲン)に対
して8倍の3.2(リーゲン)を示しており、樹脂内に
微粒木質合成粉を混合することにより吸湿性を大幅に向
上している。
【0120】この主成分がPETの木質合成繊維は 吸
湿性、放湿性に優れ、ドライ感に優れ、吸湿性が良いの
で静電気が発生しにくくなった。加えて、木質合成繊維
は繊維内に混入している木粉のため色が良く、またPE
Tは繊維の腰を強くするので、PETの木質合成繊維は
吸湿性が良好で比較的腰の強い絨毯の良い素材になる。
【0121】尚、本願の木質合成繊維は、以下の点を付
属的な効果として考えられる。
【0122】(1)溶融防糸法においては、原料ポリマー
に水分があると加水分解が起こるだけでなく、泡ができ
て紡糸や、特に延伸性を著しく困難にし、1A率を低下
させ、製品としての糸の品質に影響するので、チップの
水分をできるだけ少なくする必要がある。この点、本願
の微粒木質合成粉は含有水分率が低いので微粒木質合成
粉を樹脂内に混合しても上記のように良好な結果をもた
らしたものと考えられる。
【0123】(2)防糸する製造過程において原料ポリマ
ーの滞留時間が長くなると溶融ポリマーが分解され、原
糸の品質に影響を及ぼすのであるが、エクストルーダー
では、原料ポリマーが高温で滞留している時間が比較的
短い利点がある。この点、混練時間が短くても、本願の
微粒木質合成粉は粒径が極めて小さく木粉と熱可塑性樹
脂成形材との分散性が良好であるので、木粉と熱可塑性
樹脂成形材が充分に分散される。
【0124】なお、表2の他の従来品の糸のデータは参
考に示したもので、ナイロン、アクリルなどのように溶
融防糸法で防糸される合成繊維においては、各繊維の主
成分の樹脂に本願の微粒木質合成粉を混合して溶融防糸
法で防糸することにより、従来品に比して吸湿性が良好
で、肌触りが良く帯電防止性に優れた木質合成繊維を製
造することができる。
【0125】〔木質合成フィルムの製造例〕本発明の微
粒木質合成粉を用いて成膜した木質合成フィルムの製造
例を示す。
【0126】一般の成膜加工方法には、キャスティング
法、エキストルージョン法、カレンダー法に大別され、
このうちエキストルージョン法はインフレーション法と
Tダイ法があり、本発明の微粒木質合成粉を用いて成膜
する木質合成フィルムは前記の成膜加工方法のいずれか
を用いることができ、特定の成膜加工方法に限定されな
い。
【0127】本実施例ではインフレーション法により二
軸スクリューのエクストルーダーを用いて成膜加工を行
った。
【0128】本発明の微粒木質合成粉7wt%と当該微粒
木質合成粉の主成分の熱可塑性樹脂成形材と同一の熱可
塑性樹脂成形材としてウレタン93wt%を原料ポリマー
としてエクストルーダーのホッパに投入し、原料ポリマ
ーをエクストルーダーのスクリューで送る間に加熱ヒー
タで300℃前後に溶融して溶融ポリマーとし、この溶
融ポリマーをインフレーションダイ(円形ダイ)から押
し出し、チューブ状フィルムを形成する。このチューブ
状フィルムは内部にインフレーションダイから送り込ま
れた空気により徐々に所定の幅のフィルムにまで膨張
し、引取機ニップロールにはさまれて引取られる。フィ
ルム厚さは、この引取り方向のフィルムの伸びと、横方
向の膨張による伸びによって決定される。
【0129】以下に、木質合成フィルムの実施例を示
す。
【0130】
【表3】
【0131】〔木質合成フィルムの特徴〕木質合成フィ
ルムの特徴を説明するために、ウレタンを熱可塑性樹脂
成形材とする木質合成フィルム(本明細書では「ウレタ
ン木質合成フィルム」という)及び従来のウレタンフィ
ルムに対してそれぞれ、以下の試験をおこなった。
【0132】試験片は、織布の表面に各フィルムをドラ
イラミネートし、このラミネートフィルムを試験片とす
る。すなわち、ウレタン木質合成フィルムの試験片は、
ドクターナイフコータにより剥離紙の剥離面にウレタン
を熱可塑性樹脂成形材とする微粒木質合成粉とウレタン
を溶剤に混ぜて厚さ20μに塗布し、乾燥機で乾燥して
木質合成フィルムを形成し、この木質合成フィルムの表
面にナイフコータで接着剤を塗布し、次いでこの接着剤
塗布面に織布をラミネートし、次いで前記剥離紙を剥離
する。ウレタンフィルムの試験片も同様に織布の表面に
厚さ20μのウレタンフィルムをドライラミネートした
ものである。
【0133】以上の各試験片のデータを表4に示す。
【0134】
【表4】
【0135】表4のデータから、本願のウレタン木質合
成フィルムは従来のウレタンフィルムに比して透湿度は
1.67倍、透湿速度は4.5倍を示しており、結露の
値も小さく、肌触りが良くドライ感に優れる。
【0136】したがって、本願の木質合成フィルムは、
薄いフィルム内に微粒の木粉を混合することができ、前
述した木質合成繊維の場合と同様に、同材質の熱可塑性
樹脂を素材とするフィルムに比して透湿度及び透湿速度
に優れ比抵抗の小さいフィルムとなる。用途は、レイン
コート材、裏材、内装材として用いることができ、本願
の木質合成フィルムより仕立てたレインコートは、従来
の樹脂フィルムを素材とするレインコートに比較して、
質感に優れ帯電性が低い。
【0137】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、以下に記載されるような効果を奏する。
【0138】(1)微粒木質合成粉は、含有水分量を1
5wt%以内とし平均粒径5〜15μのセルロース系破砕
物20〜75wt%に対して熱可塑性樹脂成形材25〜8
0wt%を混合、ゲル化混練し、冷却乾燥して粒径1〜8
μに微粉砕して成るので、熱可塑性樹脂成形材を粒径1
〜8μという超微粒で熱的、化学的に安定した木粉粒に
固定化された状態を定常的に維持し得る。そのため、従
来にはないような木粉と熱可塑性樹脂成形材との混合、
分散状態を定常的に維持すべく、良好なる流動性を与え
る。
【0139】(2)微粒木質合成粉の製造方法は、含有
水分量を15wt%以内とし平均粒径5〜15μのセルロ
ース系破砕物20〜75wt%に対して熱可塑性樹脂成形
材25〜80wt%をともに摩擦熱によりゲル化混練する
工程と、上記ゲル化した混練材料を冷却乾燥、造粒する
工程と、上記冷却乾燥、造粒した造粒原料を粒径30〜
100μに粗粉砕する工程と、超音速気流内で被粉砕材
料の粒子相互間の衝突により1〜8μに微粉砕する工程
とを少なくとも含むことを特徴とするので、上記(1)
項に記載したように、熱可塑性樹脂成形材を粒径1〜8
μという超微粒で熱的、化学的に安定した木粉粒に固定
化された状態を定常的に維持し得るようにし、従来には
ないような木粉と熱可塑性樹脂成形材との混合、分散状
態を定常的に維持すべく、良好なる流動性を与え、且つ
冷却による凝縮、縮小作用とも相まって、化学的な反応
とか接着によらない微粒木質合成粉を形成できた。
【0140】したがって、押出成形時、粒径1〜8μと
いう超微粒の木粉が樹脂内に良く分散した状態で種々の
成形品に成形され得る微粒木質合成粉を製造できた。
【0141】特に、微粒木質合成粉は上述したように超
微粒の木粉が樹脂内に良好に分散性するので、繊維やフ
ィルムなどのような細くないしは薄い成形品を成形可能
にした。
【0142】(3)微粒木質合成粉の製造装置は、含有
水分量を15wt%以内とし平均粒径5〜15μのセルロ
ース系破砕物20〜75wt%に対して熱可塑性樹脂成形
材25〜80wt%をともに混合して、摩擦熱によりゲル
化混練する攪拌衝撃翼を備える流動混合混練手段と、前
記ゲル化した混練材料を冷却乾燥、造粒する内部に攪拌
破砕翼を有し、ジャケットに冷却水の入口および出口を
備える冷却乾燥手段と、前記冷却乾燥、造粒した造粒原
料を粒径30〜100μに粉砕する粉砕手段と、前記粉
砕した粗粒原料を当該粗粒原料の粒子相互間の衝突によ
り1〜8μに微粉砕せしめる超音速気流を噴射する微粉
砕手段とから成るので、流動混合混練手段の攪拌衝撃翼
により摩擦熱で熱可塑性樹脂成形材が木粉粒に固定化さ
れた状態でゲル化した混練材料が形成される。次いで、
冷却造粒手段で冷却乾燥、造粒され、粉砕手段で粒径3
0〜100μに形成された粗粒原料は微粉砕手段の超音
速気流によって粒径1〜8μという超微粒に粉砕され、
上記(1)項に記載したような優れた微粒木質合成粉を
形成できた。
【0143】(4)微粒木質合成粉を用いて成形された
成形品は一般の樹脂成形品に比して吸湿性に優れ、帯電
性が低いので、成形品の種類によっては優れた効果をも
たらす。
【0144】例えば、本発明の微粒木質合成粉を用いた
木質合成繊維や木質合成フィルムは合成繊維や樹脂フィ
ルムに比して肌触り、着心地等の質感が良好であり、ほ
こりの吸着、まつわりつき、放電により感電ショックな
どを防止する効果がある。
【0145】(5)微粒木質合成粉を用いた木質合成繊
維は溶融紡糸法で製造できるので、簡単な設備でしかも
廃液処理が不要である。ちなみにレーヨン等の再生繊維
は湿式紡糸法であるので、水質汚染をもたらす廃液の大
掛かりな廃液処理装置を要し、アセテートなどの半合成
繊維は乾式紡法出あるので、大量の溶剤の気化を回収す
る大掛かりな回収装置を要する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に使用するミキサー(流動混合
混練手段)の要部断面を示す全体正面図である。
【図2】本発明の実施例に使用するクーリングミキサー
(冷却造粒手段)の要部断面を示す全体正面図である。
【図3】本発明の実施例に使用するカッタミル(粉砕手
段)の要部断面を示す全体正面図である。
【図4】本発明の実施例に使用するジェットミル(微粉
砕手段)の要部断面を示す全体正面図である。
【図5】本発明の実施例に使用するジェットミル(微粉
砕手段)の全体平面図である。
【図6】本発明の実施例の微粉砕工程及び分級工程を含
む工程説明図である。
【符号の説明】
11 コンプレッサ 12 スパイラルフィーダ 14 クラッシファイア 15 ロータリバルブ 16 スパイラルフィーダ 17 サイクロン 18 ボルテックスビン 19 ロータリバルブ 21 ベッセル 22 バグフィルタ 23 ベッセル 24 ブロアー 30 ジェットミル(微粉砕手段) 31 プッシャノズルボディ 32 プッシャノズル 33 ホッパ 34 ベンチュリノズル 35 ジェットミル本体 36 グラインディンフノズル 37 ノズルホルダ 38 アオウトレットイクステンション 39 リングヘッダ 41 ブレードホース 42 吸気口 43 ミルスタンド 44 粉砕室 70 押出機 71 スクリュー 72 ギヤ減速機 73 ホッパ 74 バレル 75 バンドヒータ 76 スクリーン 77 アダプタ 78 押出ダイ 80 ミキサー(流動混合混練手段) 81 ミキサー本体 82 上蓋 83 軸 84 スクレイパー 85,86,87 撹拌衝撃翼 88 排出口 89 蓋 91 シリンダ 92 締付ナット 93 排出ダクト 94 投入口 95 ガス排出管 100 クーリングミキサー(冷却造粒手段) 101 ミキサー本体 102 ジャケット 103 アーム 104 撹拌破砕翼 105 モータ 106 バルブ 107 排出口 108 給水管 109 排水管 111 モータ 112 減速装置 113 投入口 114 フレーム 120 カッタミル(粉砕手段) 121 カッタミル本体 122 蓋 123 投入口 124 カッタ支持体 125 回転刃 126 固定刃 127 投入室 128 整粒室 129 スクリーン 131 排出口

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 含有水分量を15wt%以内とし平均粒径
    5〜15μのセルロース系破砕物20〜75wt%に対し
    て熱可塑性樹脂成形材25〜80wt%を混合、ゲル化混
    練し、冷却乾燥して粒径1〜8μに微粉砕して成ること
    を特徴とする微粒木質合成粉。
  2. 【請求項2】 含有水分量を15wt%以内とし平均粒径
    5〜15μのセルロース系破砕物20〜75wt%に対し
    て熱可塑性樹脂成形材25〜80wt%をともに摩擦熱に
    よりゲル化混練する工程と、 上記ゲル化した混練材料を冷却乾燥、造粒する工程と、 上記冷却乾燥、造粒原料を粒径30〜100μに粗粉砕
    する工程と、 前記粗粉砕した粗粒原料を1〜8μに微粉砕する工程と
    を少なくとも含むことを特徴とする微粒木質合成粉の製
    造方法。
  3. 【請求項3】 前記粗粉砕した粗粒原料を超音速気流内
    で粗粒原料の粒子相互間の衝突により1〜8μに微粉砕
    する請求項2記載の微粒木質合成粉の製造方法。
  4. 【請求項4】 含有水分量を15wt%以内とし平均粒径
    5〜15μのセルロース系破砕物20〜75wt%に対し
    て熱可塑性樹脂成形材25〜80wt%をともに混合し
    て、摩擦熱によりゲル化混練する攪拌衝撃翼を備える流
    動混合混練手段と、 上記ゲル化した混練材料を冷却乾燥、造粒する内部に攪
    拌破砕翼を有し、ジャケットに冷却水の入口および出口
    を備える冷却造粒手段と、 上記冷却乾燥、造粒した造粒原料を粒径30〜100μ
    に粉砕する粉砕手段と、 上記粉砕した粗粒原料を1〜8μに微粉砕せしめる微粉
    砕手段とから成る微粒木質合成粉の製造装置。
  5. 【請求項5】 含有水分量を15wt%以内とし平均粒径
    5〜15μのセルロース系破砕物20〜75wt%に対し
    て熱可塑性樹脂成形材25〜80wt%をともに混合し
    て、摩擦熱によりゲル化混練する攪拌衝撃翼を備える流
    動混合混練手段と、 上記ゲル化した混練材料を冷却乾燥、造粒する内部に攪
    拌破砕翼を有し、ジャケットに冷却水の入口および出口
    を備える冷却造粒手段と、 上記冷却乾燥、造粒した造粒原料を粒径30〜100μ
    に粉砕する粉砕手段と、 上記粉砕した粗粒原料を当該粗粒原料の粒子相互間の衝
    突により1〜8μに微粉砕せしめる超音速気流を噴射す
    る微粉砕手段から成る微粒木質合成粉の製造装置。
  6. 【請求項6】 含有水分量を15wt%以内とし平均粒径
    5〜15μのセルロース系破砕物50〜70wt%に対し
    て熱可塑性樹脂成形材30〜50wt%を混合、ゲル化混
    練し、冷却乾燥して粒径1〜8μに微粉砕した微粒木質
    合成粉3〜10wt%を、当該微粒木質合成粉内の前記熱
    可塑性樹脂成形材と同材質の熱可塑性樹脂成形材90〜
    97wt%に混入し、加熱、練成し、紡糸口金より押出し
    て紡糸して成ることを特徴とする木質合成繊維。
  7. 【請求項7】 含有水分量を15wt%以内とし平均粒径
    5〜15μのセルロース系破砕物50〜70wt%に対し
    て熱可塑性樹脂成形材30〜50wt%を混合、ゲル化混
    練し、冷却乾燥して粒径1〜8μに微粉砕した微粒木質
    合成粉5〜20wt%を、当該微粒木質合成粉内の前記熱
    可塑性樹脂成形材と同材質の熱可塑性樹脂成形材80〜
    95wt%に混入し、加熱、練成し、成膜加工して成るこ
    とを特徴とする木質合成フィルム。
  8. 【請求項8】 前記セルロース系の破砕物は、含有水分
    量を8wt%以内とした木粉から成り、この木粉60〜7
    0wt%を熱可塑性樹脂成形材に混合した請求項6記載の
    木質合成繊維。
  9. 【請求項9】 前記セルロース系の破砕物は、含有水分
    量を8wt%以内とした木粉から成り、この木粉60〜7
    0wt%を熱可塑性樹脂成形材に混合した請求項7記載の
    木質合成フィルム。
JP30497194A 1994-12-08 1994-12-08 微粒木質合成粉及びその製造方法並びに装置、前記微粒木質合成粉を用いた木質合成繊維、前記微粒木質合成粉を用いた木質合成フィルム Expired - Fee Related JP3540847B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30497194A JP3540847B2 (ja) 1994-12-08 1994-12-08 微粒木質合成粉及びその製造方法並びに装置、前記微粒木質合成粉を用いた木質合成繊維、前記微粒木質合成粉を用いた木質合成フィルム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP30497194A JP3540847B2 (ja) 1994-12-08 1994-12-08 微粒木質合成粉及びその製造方法並びに装置、前記微粒木質合成粉を用いた木質合成繊維、前記微粒木質合成粉を用いた木質合成フィルム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08155925A true JPH08155925A (ja) 1996-06-18
JP3540847B2 JP3540847B2 (ja) 2004-07-07

Family

ID=17939520

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP30497194A Expired - Fee Related JP3540847B2 (ja) 1994-12-08 1994-12-08 微粒木質合成粉及びその製造方法並びに装置、前記微粒木質合成粉を用いた木質合成繊維、前記微粒木質合成粉を用いた木質合成フィルム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3540847B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5785259A (en) * 1996-03-18 1998-07-28 Ein Engineering Co., Ltd. Process for regenerating laminated thermoplastic molded resin articles and apparatus for regenerating the same
CN114147830A (zh) * 2021-12-08 2022-03-08 陈绍伟 一种环保纤维板压铸设备及其压铸加工工艺
CN114703653A (zh) * 2022-05-05 2022-07-05 张家港欣欣高纤股份有限公司 用于生产超低纤度抑菌纤维的方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5785259A (en) * 1996-03-18 1998-07-28 Ein Engineering Co., Ltd. Process for regenerating laminated thermoplastic molded resin articles and apparatus for regenerating the same
CN114147830A (zh) * 2021-12-08 2022-03-08 陈绍伟 一种环保纤维板压铸设备及其压铸加工工艺
CN114703653A (zh) * 2022-05-05 2022-07-05 张家港欣欣高纤股份有限公司 用于生产超低纤度抑菌纤维的方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3540847B2 (ja) 2004-07-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP3093388B1 (en) Sheet manufacturing apparatus and sheet manufacturing method
EP0241930B1 (en) Particulate material treating apparatus
US9163095B2 (en) Cellulose powder and processes for its production
US5984212A (en) Method and apparatus for production of extremely fine powder
KR100488832B1 (ko) 미립자 폴리사카라이드 유도체의 제조 방법
WO2015128912A1 (ja) シート製造装置
JP4904389B2 (ja) 微細紙粉製造方法、微細紙粉含有樹脂組成物の製造方法
CN109137128A (zh) 一种负离子涤纶纤维及其制备方法
EP4163328A1 (en) Binding material and method for manufacturing molded body
CN108505190A (zh) 利用水溶性聚乙烯醇海岛纤维制备桃皮绒面料基布的方法
CN111655771A (zh) 由含纤维素原材料构成的不溶性颗粒的重复使用
JPH08155925A (ja) 微粒木質合成粉及びその製造方法並びに装置、前記微粒木質合成粉を用いた木質合成繊維、前記微粒木質合成粉を用いた木質合成フィルム
CN108724989B (zh) 处理装置、薄片制造装置、处理方法以及薄片的制造方法
JPH11513076A (ja) セルロース懸濁液の生成方法
CN101899190B (zh) 聚四氟乙烯粒状粉末的制造方法
CA3140462A1 (en) Process for preparing a broken-up, cellulose-containing, starting material with a predefined fibre-length distribution
JPH10212417A (ja) 成形素材及びその製造方法、前記成形素材を用いた合成繊維、前記成形素材を用いた合成フィルム、及び前記成形素材を用いた合成繊維紡糸用チップ
JP2000343527A (ja) 故紙木質合成粉及びその製造方法並びに装置
US3789026A (en) Process for the production of regenerate
JP2774953B2 (ja) カーペット用ポリエステル長繊維の製造方法
JP2909519B2 (ja) 表面処理無機充填材の製造方法
CN110171813A (zh) 生物质基纳米二氧化硅/炭复合材料的制备方法
CN211133030U (zh) 一种氮气辅助制备湿法研磨超细无团聚粉体的干燥装置
JP2007154118A (ja) 木炭および/または炭末色素の微粉末、マスターバッチ及び成形体
KR102587980B1 (ko) 폐플라스틱 건조장치 및 그 폐플라스틱 건조장치 운전방법

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Effective date: 20040224

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040326

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S202 Request for registration of non-exclusive licence

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R315201

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S202 Request for registration of non-exclusive licence

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R315201

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R371 Transfer withdrawn

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R371

S202 Request for registration of non-exclusive licence

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R315201

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360

R370 Written measure of declining of transfer procedure

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R370

S202 Request for registration of non-exclusive licence

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R315201

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees