JPH08155828A - ホーニング加工方法及び装置並びに同方法に使用するホーニング盤の主軸構造 - Google Patents

ホーニング加工方法及び装置並びに同方法に使用するホーニング盤の主軸構造

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JPH08155828A
JPH08155828A JP29972794A JP29972794A JPH08155828A JP H08155828 A JPH08155828 A JP H08155828A JP 29972794 A JP29972794 A JP 29972794A JP 29972794 A JP29972794 A JP 29972794A JP H08155828 A JPH08155828 A JP H08155828A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ホーニングヘッド1に備えた戻し用弾性体2
9の撓みに起因する反力が作用した場合であっても砥石
9の面圧をほぼ一定に保持することのできるホーニング
加工方法及び装置を提供することである。 【構成】 上記目的を達成するために、本発明に係るホ
ーニング加工装置は、ホーニングヘッドに備えた複数の
砥石を放射外方向へ移動すべくホーニングヘッドに拡張
ロッドを上下動可能に設けると共に、上記拡張ロッドを
元の位置へ戻すための戻し用弾性体を設け、かつ上記弾
性体に抗して拡張ロッドを下降するための流体圧シリン
ダを備えてなるホーニング加工装置において、前記弾性
体の弾性変形量を検出する変形量検出手段と、この変形
量検出手段による検出値に基いて前記流体圧シリンダへ
付与する補正圧力を演算する演算手段と、この演算手段
による演算結果に基いて、前記流体圧シリンダに接続し
た圧力制御弁を制御する制御手段と、を備えてなるもの
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、被加工物の加工穴をホ
ーニング加工するホーニング加工方法及び装置並びに同
加工方法に使用するホーニング盤の主軸構造に関する。
【0002】さらに詳細には、加工穴のホーニング加工
を行うためのホーニングヘッドに備えた複数の砥石の面
圧を常にほぼ一定になるように補正してホーニング加工
を行うホーニング加工方法及び装置並びにホーニング盤
における主軸の構造に関する。
【0003】
【従来の技術】従来、被加工物(ワーク)の加工穴のホ
ーニング加工を行うホーニング加工装置の構成は、図3
に示すごとき構成である。
【0004】すなわち、ホーニング加工装置は、ワーク
(図示省略)における加工穴内へ挿入されるホーニング
ヘッド1と、このホーニングヘッド1を回転しかつ上下
方向に往復動する駆動系3とを備えた構成である。
【0005】前記ホーニングヘッド1は、円筒形状のヘ
ッド本体5を備えており、このヘッド本体5には複数の
スリット7が周方向に適宜間隔に設けてある。そして、
上記各スリット7内には、外側に砥石9を備えた板状の
砥石シュー11が放射方向へ移動自在に嵌合装着してあ
る。
【0006】また、前記ヘッド本体5の周面には超硬な
どよりなる複数のガイド部材13が周方向に適宜間隔に
設けてあり、適数のガイド部材13には、エアーマイク
ロメータにおける測定部としてのエアーノズル15が設
けてある。上記エアーマイクロメータは、前記ガイド部
材13の表面と加工穴内周面との間の間隙へ前記エアー
ノズル15からエアーを噴出し、そのときの空気圧の変
化を検出して上記間隙の寸法を検出するものである。
【0007】前記砥石シュー11を放射外方向へ移動せ
しめて砥石9を加工穴内周面へ圧接するために、前記ヘ
ッド本体5内には拡張ロッド17が上下動可能に内装さ
れており、この拡張ロッド17に、前記砥石シュー11
を放射方向へ移動するためのテーパ部19が設けてあ
る。
【0008】前記ヘッド本体5の上部には、駆動系3の
主軸21への取付部23が設けてあり、この取付部23
から上方向へ突出した前記拡張ロッド17の上端部25
に取付けたフランジ27と前記取付部23に形成したス
プリング座との間には、拡張ロッド17を元の位置へ戻
すためのコイルスプリングごとき戻し用弾性体29が弾
装してある。
【0009】前記駆動系3は、ホーニング盤(図示省
略)に回転駆動自在かつ上下動自在に備えられた前記主
軸21等よりなるものであって、主軸21の適宜位置に
は、前記戻し用弾性体29に抗して前記拡張ロッド17
を押圧下降するための流体圧シリンダ31が備えられて
いる。
【0010】この流体圧シリンダ31にはピストン33
が上下動自在に備えられており、このピストン33から
下方向に延伸したピストンロッド33Rの下端部は拡張
ロッド17の上端部25に当接するように設けられてい
る。
【0011】以上のごとき構成において、主軸21にホ
ーニングヘッド1を装着し、かつホーニングヘッド1を
ワークの加工穴内へ挿入する。そして、流体圧シリンダ
31へ作動流体を供給してピストン33を下降し、ピス
トンロッド33Rによって拡張ロッド17を押圧下降す
ることにより、テーパ部19の作用によって砥石シュー
11が放射外方向へ拡開され、砥石9が加工穴の内周面
へ圧接される。
【0012】上述のように砥石シュー9を加工穴の内周
面へ圧接した状態において主軸21を回転駆動すると共
に上下駆動することにより、上記加工穴のホーニング加
工が行われる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】前述のごとく、流体圧
シリンダ31のピストンロッド33によって拡張ロッド
17を下降せしめると、戻し用弾性体29が圧縮されて
反力として作用する。したがって、流体圧シリンダ31
の上部室側の圧力をP、ピストン33の受圧面積をA、
テーパ部19の角度を2θ、砥石9が加工穴用内周面に
接触する面積をa、戻し用弾性体29のバネ定数をk、
戻し用弾性体29の撓み量をXとすると、砥石9の面圧
Qは、次式で与えられる。
【0014】
【数1】 Q=(P・A−kX)/a・tan2θ ………(1) 上記式より明らかなように、砥石9が摩耗して拡張ロッ
ド17の移動量が大きくなると、弾性体29の反力が次
第に大きくなり、砥石9の面圧が次第に小さくなる。砥
石9の面圧が低下すると、砥石9の切削(研削)効率が
低下する傾向ににあり、能率向上を図る上において問題
があった。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は上述のごとき問
題に鑑みてなされたもので、第1項に記載の本発明のホ
ーニング加工方法は、ホーニングヘッドに備えた複数の
砥石を、ホーニングヘッドに上下動自在に内装した拡張
ロッドに設けたテーパ部によって放射外方向へ移動し、
上記各砥石を被加工物の加工穴内周面に圧接してホーニ
ング加工を行うに当り、前記拡張ロッドを元の位置へ戻
すための戻し用弾性体に抗して拡張ロッドを下降するた
めの流体圧シリンダの圧力に、前記弾性体の弾性変形に
よる反力に相当する圧力を付与し前記各砥石の面圧を常
にほぼ一定に制御してホーニング加工を行うホーニング
加工方法である。
【0016】第2項に記載の発明に係るホーニング加工
装置は、ホーニングヘッドに備えた複数の砥石を放射外
方向へ移動すべくホーニングヘッドに拡張ロッドを上下
動可能に設けると共に、上記拡張ロッドを元の位置へ戻
すための戻し用弾性体を設け、かつ上記弾性体に抗して
拡張ロッドを下降するための流体圧シリンダを備えてな
るホーニング加工装置において、前記弾性体の弾性変形
量を検出する変形量検出手段と、この変形量検出手段に
よる検出値に基いて前記流体圧シリンダへ付与する補正
圧力を演算する演算手段と、この演算手段による演算結
果に基いて、前記流体圧シリンダに接続した圧力制御弁
を制御する制御手段と、を備えてなるものである。
【0017】第3項に記載の発明において、変形量検出
手段は、流体圧シリンダにおけるピストンロッド又はピ
ストンの移動量を検出する構成である。
【0018】第4項に記載の発明は、先端部にホーニン
グヘッドを装着するための装着部を備えたホーニング盤
の主軸において、当該主軸に備えた流体圧シリンダにお
けるピストン又はピストンロッドの移動量を検出するた
めの検出手段を設けてなるホーニング盤の主軸構造であ
る。
【0019】
【作用】第1項に記載の本発明のホーニング加工方法
は、ホーニングヘッドに備えた複数の砥石を、ホーニン
グヘッドに上下動自在に内装した拡張ロッドに設けたテ
ーパ部によって放射外方向へ移動し、上記各砥石を被加
工物の加工穴内周面に圧接してホーニング加工を行うに
当り、前記拡張ロッドを元の位置へ戻すための戻し用弾
性体に抗して拡張ロッドを下降するための流体圧シリン
ダの圧力に、前記弾性体の弾性変形による反力に相当す
る圧力を付与して前記各砥石の面圧を常にほぼ一定に制
御してホーニング加工を行う加工方法であるから、砥石
の摩耗量が大きくなって拡張ロッドの下降量が大きくな
り、弾性体の弾性変形量が大きくなると、上記弾性体の
弾性変形に起因する反力に相当する圧力が流体圧シリン
ダに付与される。
【0020】すなわち、流体圧シリンダは、弾性体の反
力に相当する圧力分だけ増圧され、弾性体の反力分を相
殺するものである。
【0021】したがって、弾性体の変形に起因する反力
が相殺されて砥石の面圧は常にほぼ一定に保持され、研
削効率が低下するようなことがないものである。
【0022】第2項に記載の発明に係るホーニング加工
装置は、ホーニングヘッドに備えた複数の砥石を放射方
向へ移動すべくホーニングヘッドに拡張ロッドを上下動
可能に設けると共に、上記拡張ロッドを元の位置へ戻す
ための戻し用弾性体を設け、かつ上記弾性体に抗して拡
張ロッドを下降するための流体圧シリンダを備えてなる
ホーニング加工装置において、前記弾性体の弾性変形量
を検出する変形量検出手段と、この変形量検出手段によ
る検出値に基いて前記流体圧シリンダへ付与する補正圧
力を演算する演算手段と、この演算手段による演算結果
に基いて、前記流体圧シリンダに接続した圧力制御弁を
制御する制御手段と、を備えてなるものである。
【0023】したがって、ホーニング加工を行うべく流
体圧シリンダによって拡張ロッドを下降せしめると、こ
の拡張ロッドによって変形される弾性体の変形量が変形
量検出手段によって検出され、この検出値に基いて弾性
体の反力が演算され、上記反力に相当する圧力を流体圧
シリンダに付与すべく圧力制御弁が制御される。
【0024】よって、流体圧シリンダへの圧力は、弾性
体の反力に相当する分だけ増圧されるものであり、弾性
体の反力を相殺する。
【0025】したがって、砥石の面圧は、弾性体の変形
量に拘りなく常にほぼ一定に保持されるものである。
【0026】第3項に記載の発明において、変形量検出
手段は、流体圧シリンダにおけるピストンロッド又はピ
ストンの移動量を検出する構成であるから、ホーニング
ヘッド自体を、ホーニング盤における主軸に対して着脱
交換した場合であっても、何等の問題を生じることなく
弾性体の変形量を検出でき、この検出値に基いての流体
圧シリンダの圧力制御を容易に行うことができ、ホーニ
ングヘッドに備えた砥石の面圧を常にほぼ一定に制御す
ることが容易なものである。
【0027】第4項に記載の発明は、先端部にホーニン
グヘッドを装着するための装着部を備えたホーニング盤
の主軸において、当該主軸に備えた流体圧シリンダにお
けるピストン又はピストンロッドの移動量を検出するた
めの検出手段を設けてなる主軸構造であるから、主軸に
装着したホーニングヘッドにおける戻し用弾性体の変形
量を容易に検出することができるものである。
【0028】
【実施例】以下図面を用いて本発明の実施例について説
明するに、前述した従来の構成と同一の機能を奏する部
分には同一符号を付することとし、重複した説明は省略
する。
【0029】図1を参照するに、油圧ポンプ等のごとき
圧力源41と流体圧シリンダ31の上下の圧力室31
U,31Lとを接続する流体圧回路には切換弁43が接
続してある。この切換弁43と上側の圧力室31Uとを
接続した回路45には、圧力室31U側から切換弁43
側への作動流体の流れを許容するチェック弁47が接続
してあり、このチェック弁47には2次側の圧力を調整
した設定圧に保持する圧力制御弁49が接続してある。
【0030】そして、前記流体圧シリンダ31における
ピストンロッド33Rの適宜位置にはリニアスケール5
1が設けてあり、主軸21には上記リニアスケール51
の移動量を検出するセンサ53が設けてある。
【0031】上記センサ53は、ピストンロッド33R
の移動量を磁気的又は光学的に検出するものであり、リ
ニアスケール51は、センサ53に対応して磁気的又は
光学的にメモリを付したものである。
【0032】上記センサ53の検出信号又は検出値は、
前記圧力制御弁49の設定圧を調節するための制御手段
55における演算手段57に入力されるものである。上
記演算手段57は、センサ53による検出信号に基いて
戻し用弾性体29の変形量(撓み量)Xを演算し、P2
=kX/Aを演算して流体圧シリンダ31へ付与する補
正圧力P2 を演算するものである。
【0033】そして、前記制御手段55は、演算手段5
7の演算結果に基いて、圧力制御弁49の設定圧P1
補正圧力P2 を加算した圧力P(P=P1 +P2 )が流
体圧シリンダ31の上側の圧力室31Uへ供給されるよ
うに圧力制御弁49を制御する作用をなすものである。
【0034】したがって、この実施例によれば、ホーニ
ングヘッド1をワークの加工穴内へ挿入してホーニング
加工を行うべく流体圧シリンダ31の上部側の圧力室3
1Uへ作動流体を供給してピストン33を下降せしめる
と、ピストンロッド33Rによって拡張ロッド17が押
圧下降され、この拡張ロッド17に備えたテーパ部19
によって砥石シュー11が放射外方向へ移動されて砥石
9が加工穴内周面に圧接される。
【0035】そして、砥石9が加工穴内周面に圧接され
たことによってピストン33の下降が停止すると、流体
圧シリンダ31における上部側の圧力室31Uの圧力
が、圧力制御弁49によって設定された圧力に等しくな
る。
【0036】このときの砥石9の面圧Qは前述した
(1)式で与えられる。したがって、砥石9の摩耗に従
って拡張ロッド17の移動量が次第に大きくなると、拡
張ロッド17を戻すための戻し用弾性体29の変形量X
が大きくなり、その反力(kX)も大きくなるから、砥
石9の面圧Qは次第に小さくなる傾向にある。
【0037】そこで、この実施例においては、流体圧シ
リンダ31におけるピストンロッド33によって拡張ロ
ッド17を下降せしめて弾性体29を変形せしめた変形
量Xを前記リニアスケール51,スケール53によって
検出し、この検出した変形量Xに基いて演算手段57に
おいて反力kXを演算して補正圧力P2 (P2 =kX/
A)を演算する。
【0038】この演算結果に基いて、制御手段55は、
圧力制御弁49の次側の圧力が、初期の設定圧P1 に上
記補正圧力P2 を加算した圧力P(P=P1 +P2 )に
なるように圧力制御弁49の設定圧を制御する。
【0039】したがって、流体圧シリンダ31における
上部側の圧力室31U内の圧力は戻し用弾性体29の変
形量Xに起因する反力kXを相殺するための補正圧力P
2 分だけ増圧された状態にある。よって、砥石9の面圧
は常にほぼ一定に保持されるものである。
【0040】ところで、前記戻し用弾性体29の変形量
Xを検出するには、流体圧シリンダ31のピストンロッ
ド33Rの下端部と拡張ロッド17の上端部25とが当
接した状態にあるので、ピストンロッド33Rが移動を
開始した位置と停止した位置とを検出し、その差を演算
すれば良いものである。
【0041】以上のごとき説明より理解されるように、
本実施例においては、流体圧シリンダ31におけるピス
トンロッド33Rの移動量を検出することによってホー
ニングヘッド1における拡張ロッド17の移動量を検出
することができるものであるから、例えば、砥石9の摩
耗限界値に対応して拡張ロッド17又はピストンロッド
33Rの移動限界値を予め設定しておき、この移動限界
値を検出したときにアラームを出力する構成とすること
もできるものである。
【0042】そして、上記アラームが出力されたときに
ホーニングヘッド1における砥石9を交換することによ
り、工具交換の管理が容易になると共に、砥石9の過度
の摩耗によって加工面に損傷を与えるようなこともない
ものである。
【0043】また、拡張ロッド17の移動量に等しい戻
し用弾性体29の撓み量に対応した反力に相当する補正
圧力を流体圧シリンダ31の上部側の圧力室31Uに付
与する構成であるから、圧力室31に圧力センサを接続
し、この圧力センサの検出値が所定の設定値に達したと
きにアラームを出力する構成とすることもできるもので
ある。
【0044】図2は第2実施例を示すもので、この実施
例は、センサ53Aによってピストン33の位置を検出
する構成としたものである。上記ピストン33の位置を
検出する構成としては、ピストン33に永久磁石を設
け、センサ53Aに磁気センサを用いることによって実
施可能である。
【0045】なお、その他の構成は第1実施例に示した
構成と同一であるかから、同様の効果を奏するものであ
る。
【0046】なお、上記実施例においては、流体圧シリ
ンダ31におけるピストンロッド33Rとホーニングヘ
ッド1の拡張ロッド17とが最初から当接した状態にあ
る場合について説明した。
【0047】しかし、上記ピストンロッド33Rと拡張
ロッド17とが最初から当接していない場合には、流体
圧シリンダ31の上側の圧力室31Uの圧力を検出する
圧力センサを設け、上側の圧力室31Uへ作動流体を供
給し、ピストンロッド33Rを下降中に、ピストンロッ
ド33Rが前記拡張ロッド17に当接し弾性体29に抗
して押し下げようとする際における圧力室31Uの圧力
上昇を検出し、この圧力上昇検出時のセンサ53の検出
位置を基準とすることにより、弾性体29の撓み量を容
易に検出することができるものである。
【0048】また、個々のホーニングヘッドに拡張ロッ
ド17の上下動位置を検出する検出手段を設ける構成と
することも可能である。
【0049】
【発明の効果】以上のごとき実施例の説明より理解され
るように、第1項に記載の本発明のホーニング加工方法
によれば、例えば、ホーニングヘッドにおける砥石の摩
耗量が大きくなって拡張ロッドの下降量が大きくなり、
弾性体の弾性変形量が大きくなると、上記弾性体の弾性
変形に起因する反力が大きくなって砥石の面圧が低下す
るのを防止すべく、上記反力に相当する圧力が流体圧シ
リンダに付与される。
【0050】すなわち、流体圧シリンダは、弾性体の反
力に相当する圧力分だけ増圧され、弾性体の反力分を相
殺するものであるから、砥石の面圧は常にほぼ一定に保
持され、研削効率が低下するようなことがないものであ
る。
【0051】第2項に記載の本発明に係るホーニング加
工装置によれば、ホーニング加工を行うべく流体圧シリ
ンダによってホーニングヘッドの拡張ロッドを下降せし
めると、この拡張ロッドによって変形される弾性体の変
形量が変形量検出手段によって検出され、この検出値に
基いて弾性体の反力が演算される。そして、上記反力に
相当する圧力を流体圧シリンダに付与すべく圧力制御弁
が制御される。
【0052】したがって、流体圧シリンダへの圧力は、
弾性体の反力に相当する分だけ増圧されるものであり、
弾性体の反力を相殺し、砥石の面圧は、弾性体の変形量
に拘りなく常にほぼ一定に保持されるものである。
【0053】よって、研削効率が低下するようなことが
なく、常に良好なホーニング加工が行われ得るものであ
る。
【0054】第3項に記載の発明において、変形量検出
手段は、流体圧シリンダにおけるピストンロッド又はピ
ストンの移動量を検出する構成であるから、ホーニング
ヘッド自体を、ホーニング盤における主軸に対して着脱
交換した場合であっても、何等の問題を生じることなく
弾性体の変形量を容易に検出できる。したがって、上記
検出値に基いての流体圧シリンダの圧力制御を容易に行
うことができ、ホーニングヘッドに備えた砥石の面圧を
常にほぼ一定に制御することが容易なものである。
【0055】第4項に記載の発明において、先端部にホ
ーニングヘッドを装着するための装着部を備えたホーニ
ング盤の主軸は、当該主軸に備えた流体圧シリンダにお
けるピストン又はピストンロッドの移動量を検出するた
めの検出手段を設けてなる構造であるから、主軸に装着
したホーニングヘッドにおける戻し用弾性体の変形量を
容易に検出することかでき、ホーニングヘッドの砥石の
面圧を常にほぼ一定に保持することに寄与できるもので
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係るホーニング加工装置
の概略的な説明図である。
【図2】本発明の第2実施例に係るホーニング加工装置
の概略的な説明図である。
【図3】従来のホーニング加工装置を概略的に示した説
明図である。
【符号の説明】
1 ホーニングヘッド 5 ヘッド本体 9 砥石 11 砥石シュー 17 拡張ロッド 19 テーパ部 29 戻し用弾性体 31 流体圧シリンダ 33 ピストン 33R ピストンロッド 49 圧力制御弁 51 リニアスケール 53 センサ 55 制御手段 57 演算手段

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ホーニングヘッドに備えた複数の砥石
    を、ホーニングヘッドに上下動自在に内装した拡張ロッ
    ドに設けたテーパ部によって放射外方向へ移動し、上記
    各砥石を被加工物の加工穴内周面に圧接してホーニング
    加工を行うに当り、前記拡張ロッドを元の位置へ戻すた
    めの戻し用弾性体に抗して拡張ロッドを下降するための
    流体圧シリンダの圧力に、前記弾性体の弾性変形による
    反力に相当する圧力を付与して前記各砥石の面圧を常に
    ぼ一定に制御してホーニング加工を行うことを特徴とす
    るホーニング加工方法
  2. 【請求項2】 ホーニングヘッドに備えた複数の砥石を
    放射外方向へ移動すべくホーニングヘッドに拡張ロッド
    を上下動可能に設けると共に、上記拡張ロッドを元の位
    置へ戻すための戻し用弾性体を設け、かつ上記弾性体に
    抗して拡張ロッドを下降するための流体圧シリンダを備
    えてなるホーニング加工装置において、前記弾性体の弾
    性変形量を検出する変形量検出手段と、この変形量検出
    手段による検出値に基いて前記流体圧シリンダへ付与す
    る補正圧力を演算する演算手段と、この演算手段による
    演算結果に基いて、前記流体圧シリンダに接続した圧力
    制御弁を制御する制御手段と、を備えてなることを特徴
    とするホーニング加工装置。
  3. 【請求項3】 変形量検出手段は、流体圧シリンダにお
    けるピストンロッド又はピストンの移動量を検出する構
    成であることを特徴とする請求項2に記載のホーニング
    加工装置
  4. 【請求項4】 先端部にホーニングヘッドを装着するた
    めの装着部を備えたホーニング盤の主軸において、当該
    主軸に備えた流体圧シリンダにおけるピストン又はピス
    トンロッドの移動量を検出するための検出手段を設けて
    なることを特徴とするホーニング盤の主軸構造。
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