JPH08155506A - 冷延ロール表面のダル加工方法 - Google Patents
冷延ロール表面のダル加工方法Info
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Abstract
面をダル加工する方法において、初期スパイク部分とパ
ルステール部分から構成される高繰り返しパルスレーザ
を用いて、一台のレーザ発振器で深穴ダル加工を高速で
実現する。 【構成】 レーザ発振器が、共振器内部にテレスコープ
レンズと回転チョッパーからなるQスイッチ装置を有す
るQスイッチCO2レーザであり、該発振器より放出さ
れるレーザパルスが、初期スパイク1部分とパルステー
ル2部分から構成されるパルスである。このパルスが、
パルス全幅1〜30μsec、ピークパワー5〜300
kW、パルス繰り返し周波数0.4〜40kHzを有
し、集光ピーク出力強度が40MW/cm2以上、1.
0GW/cm2以下で照射することにより、加工穴が外
径D:120〜350μm、深さd:8〜40μm、ピ
ッチP:1.5D〜5Dの間隔で、ダル穴加工を施す。
Description
工方法に関するもので、圧延中のロール粗度を維持せし
め、耐摩耗性向上、ロール寿命延長を図るために、特
に、冷間タンデム圧延機の中間スタンドのロール表面に
施すダル加工方法に関する。
ョットブラスト、放電加工等が用いられていたが、ロー
ル表面のダル形態や凹凸寸法の再現性が悪く、均一な加
工を施すことは困難であった。この問題を解決する方法
として、パルスレーザによるダル加工が存在し、その方
法特許、装置特許共に多数出願されている(特開昭54
−61043号公報、特開昭54−158798号公報
等)。
に優れた鋼板の作製を目的とする事が多いが、その他
に、特開平4−313405号公報のごとく、ロールの
長寿命化を目的とする事がある。冷間圧延ロール長寿命
化の実現には、ロールの摩耗量を減少させ、同時に鋼板
とロールのかみつきが生じない範囲で摩擦係数を高める
必要があり、その実現には、広ピッチ、深穴加工のダル
加工を施すことが望ましい。その理由は、ピッチが狭い
とロールの等価的圧下量が増加し、摩耗量が増大するた
め、及び、表面平均粗度Raの大きなロールほど摩擦係
数が高くなるためである。広ピッチの条件下で大きな平
均粗度を維持するには、深穴加工が必須となる。また、
鋼板の圧延中にロールの摩耗は進展するが、長期間にわ
たってロール表面粗度を維持する為にはダル部分の穴凹
部の残存率を長期にわたって維持する必要があり、その
観点からも、加工穴は深い程有利である。
べる。筆者らの知見では、従来ロールでの圧延可能距離
は約100kmであり、圧延時間は約3時間である。オ
フラインでダル加工をタンデムミル中間スタンドに施す
ことを考えると3時間以内に3スタンドのロールにダル
加工を施し、ロール組替え時間を確保しなければならな
い。ロール組替えには数分の時間を要するので、1時間
以内に1本のレーザ処理を終了する必要がある。余裕を
持った作業の遂行には、処理時間は短い程好ましい。
穴加工を短時間で行う技術が必須となる。上記の加工を
効率よく実現するために、高パルスエネルギーかつ高繰
り返しレーザを用いた加工が必要となる。一例として、
665mm直径、2200mm胴長の圧延ロールに34
0μmピッチのダル加工処理を1時間以内で完了するた
めには、約4x107個の穴を開ける必要があり、その
ために、11kHzの発振周波数を有するレーザが必要
となる。従来ダル加工に使用されていたレーザでは上記
の短時間、深穴加工を実現することは困難であった。
ーザは連続波CO2レーザの外部チョッピングによるパ
ルスレーザ(特開昭55−94790号公報、特開平1
−215404号公報)、QスイッチYAGレーザ(特
開昭54−158798号公報)等であった。パルスレ
ーザとしては従来のQスイッチCO2レーザ、ノーマル
パルスYAGレーザ等のパルスレーザも存在するが、こ
れらはダル加工には不適当であった。従来のQスイッチ
CO2レーザとしては共振器内に過飽和吸収体、電気光
学素子等の透過型光学素子を挿入する方法および、回転
ミラーを共振器内部に組み込む方法等が提案されてい
る。ところが、共振器内に透過型光学素子を挿入する手
法では、高平均出力レーザ光の透過に伴う発熱により光
学素子が熱的に破損する等の問題が生じ、数100Wの
平均出力を取り出すことはできず、その結果、高パルス
エネルギーと高パルス繰り返しを同時に実現することは
できない。また、回転ミラーを共振器に組み込む方式で
も、ミラーの高速回転制約により、10kHz以上の高
繰り返しパルスを発生することは困難である。加えて、
上記のQスイッチCO2レーザのパルス時間波形は、図
11に示したQスイッチYAGレーザ波形と時間幅は異
なるが、その波形は類似しているため、後述する初期ス
パイクのみで構成される時間波形となり、穴加工には不
適当である。また、ノーマルパルスYAGレーザにおい
ても、フラッシュランプの放電繰り返し制約およびフラ
ッシュランプ寿命(一般的に107ショット程度)に起
因するメンテナンス頻度の問題から、実現は困難であっ
た。
まず始めに、外部チョッピングによるパルスCO2レー
ザの問題点を述べる。
公報に記載された外部チョッピングによるパルスCO2
レーザの装置図とダル加工が示されており、その代表的
な時間波形例を図10に示す。このパルスレーザは連続
波レーザを時間的にチョッピングする為時間波形は矩形
波となり、そのピーク強度は、図10に示すごとく基本
的には連続波レーザの場合と同等であり数kWレベルで
ある。このレーザを用いた穴加工の特徴は、スリット開
放時間を延ばすことにより、大パルスエネルギーを取り
出し、楕円加工を施すところにある。しかし、パルス時
間幅を制御してパルスエネルギーを変化させても、単位
面積当たりに導入されるパルスエネルギー密度が等しい
ために、基本的にはほぼ一定の穴深さの加工しか実現で
きない。よって、深穴加工と穴径の同時制御が必要とさ
れるロールの長寿命化という目的には上記従来レーザは
使用できない。
点を述べる。レーザ光をチョッパーで遮っているときの
光エネルギーはチョッパーにより反射されているため、
加工に使用されるパルスエネルギーはレーザ出力の一部
であり、発振器に導入する電気エネルギーに対する加工
効率という点では、かなり効率の悪いものになる。加え
て、光を遮っているときは常にレーザ光がチョッパーに
照射されるため、チョッパーにダメージが発生し易く頻
度の高いメンテナンスを要求するという欠点がある。
繰り返しQスイッチYAGレーザの場合について述べ
る。QスイッチYAGレーザの典型的な時間波形は、図
11に示すごとくパルス半値幅が数100nsecの短
パルスである。音響光学素子を用いたQスイッチ発振の
原理は、音響光学結晶に電気変調を加えて結晶中に音波
の疎密波を発生させ、音波の粗密波による光の回折効果
を用いて時間的に共振器損失を与えることにより、パル
ス発振を行うものである。大パルスエネルギーを得るべ
く、強励起を行うと、光の回折による共振器損失よりも
共振器利得の方が高くなり本来パルス発振が抑制される
べき時にもレーザ発振が持続することになる。つまり、
パルス発振に連続発振成分が重畳してしまう。なお、こ
の現象は繰り返し周波数を高くするほど顕著になる。こ
の連続発振成分はロール回転方向に連続的に照射される
ため、外部チョッパーによるパルスCO2レーザの場合
と同様に、エネルギーのロール回転方向への分散が生
じ、穴加工には寄与せず単なるエネルギー損失となって
しまう。よって、この場合深穴加工は困難となる。よっ
て、単一パルスとしての出力エネルギーの上限は数10
mJ程度が限界となる。図12は一般的な市販Qスイッ
チYAGレーザパルス出力の繰り返し周波数依存性であ
る。図より、繰り返し周波数10kHzでのパルスエネ
ルギーは10mJ弱となり、この程度のパルスエネルギ
ーでは、5μm程度の深さの穴加工しか実現できず、ロ
ール長寿命化の目的には適用できない。高繰り返しにお
けるQスイッチYAGレーザの低パルスエネルギーを克
服するために、複数レーザの重ね合わせを実施する例も
あるが、高々10μm程度の穴加工を実現しているに過
ぎない。さらに、装置の大型化、メンテナンス頻度の増
加等の実操業に関する問題点があり、高繰り返しQスイ
ッチYAGレーザはロール寿命延長のための装置として
は好ましくない。
スレーザを用いて冷間圧延用のロール表面をダル加工す
る方法において、外部チョッパーによるパルスCO2レ
ーザ、あるいは波形制御擬似QスイッチパルスYAGレ
ーザを用いた場合に生じるロール回転方向へのエネルギ
ー拡散がなく、また、パルスエネルギーの小さなQスイ
ッチYAGレーザを用いた場合の加工限界を克服する冷
延ロール表面に深穴ダル加工を高速に、且つ再現性良く
実現するレーザダル加工方法を提供することにある。
を用いて冷間圧延用のロール表面をダル加工する方法に
おいて、レーザ発振器が、共振器内部にテレスコープレ
ンズと回転チョッパーからなるQスイッチ装置を有する
QスイッチCO2レーザであり、該発振器より放出され
るレーザパルスが、初期スパイク幅1n〜1μsecパ
ルステール幅0.9〜29μsec、パルス全幅1〜3
0μsec、ピークパワー5〜300kW、から構成さ
れるパルスであり、その集光ピーク出力密度が40MW
/cm2以上、1.0GW/cm2以下であり、パルス繰
り返し周波数0.4〜40kHzを有することで、被加
工ロール表面に一時間以内で加工穴が外径D:120〜
350μm、深さd:8〜40μm、ピッチP:1.5
D〜5Dの間隔で規則的な模様を施す、冷延ロール表面
のダル加工方法である。
によるパルス時間波形を示す。本発明によるパルスは初
期スパイク部分1とパルステール部分2から構成されて
おり、その詳細な説明は後述する。図2は本発明ダル照
射方法の概要図であり、後述するレーザ発振器3、ベン
ドミラー4、ノズル5、集光レンズ6、一軸ステージ
7、被加工ロール8、ロール回転装置9から構成され、
後述するレーザビーム10が従来法と同様の手法で被加
工ロール8に集光照射される。
ロール寿命延長のためには深穴、広ピッチが有効である
ことは従来欄で述べたが、図3(a)(b)に圧延距離
の穴深さ(穴径150μm時)、穴径(穴深さ10μm
時)依存性を示す。穴深さは5μmよりも深いときに通
常ロールよりも圧延距離が延びて、20μm以上では圧
延距離は飽和することがわかる。よって、この範囲内で
あれば圧延距離は有効に延びるが、圧延とともにロール
表面が約5μm摩耗することを考慮して、穴深さdは8
〜40μmの範囲が必要である。
よりも圧延距離が延び、250μm以上で飽和し、これ
以上大きな穴を開けても圧延距離は改善しない。しか
し、ダル加工断面図は図4に示されるように円錐台であ
り、ロール表面の5μmの摩耗と共に約2割穴径も減少
する事を考慮し、穴径Dは120〜350μmの範囲が
必要である。なお、これ以上の大径、深穴加工は過大な
レーザ入熱を要求するため、単一レーザで短時間で処理
を完了するという目的を考えると現実的ではない。
が重なり合う状況が生じ、突起部分の表面積はかなり小
さくなるため等価的な圧下率が高くなり、摩耗量が増加
する。逆に、ピッチが5Dよりも広くなると、大径、深
穴加工を施しても平均粗度Raは通常ロール以下となる
ことから、ピッチPは1.5D〜5Dの範囲が必要であ
る。
の時間波形について図1を用いて詳細に説明する。図1
中のAの領域が短パルス・高ピークを有する初期スパイ
ク1部分、Bの領域が長パルス・低ピークを有するパル
ステール2部分であり、この2成分から構成されること
が本発明の特徴である。CO2レーザの利得媒質には二
酸化炭素、窒素、ヘリウムの混合ガスを用いるが、上記
パルスはこの前2者のガスを効率よく使って実現される
ものである。本発明によるレーザパルスは図5に示すご
とく、共振器内部にテレスコープ11,12を有し、そ
の共焦点位置に回転チョッパー13を配備するQスイッ
チデバイスにより発生されるQスイッチパルスである。
なお、レーザ共振器はリアミラー14と、CO2レーザ
の波長の光をほぼ完全に透過するコーティングを施した
ウィンドウ15、テレスコープレンズ11,12、及び
回転チョッパー13、出力ミラー16から構成され、リ
アミラー14とウィンドウ15間(図5の斜線部分)に
利得媒質である、二酸化炭素、窒素さらにヘリウムガス
が充填されている。
放電励起によりCO2分子が直接レーザ上準位に励起さ
れることで形成されたレーザ利得による発振であり、パ
ルステール2はCO2分子での回転準位緩和及び励起N2
分子からCO2分子へのエネルギー移剰による発振であ
る。Qスイッチレーザの初期スパイク1のピーク値は、
主にQスイッチを行う瞬間のレーザ利得とQスイッチ速
度(チョッパー13の回転速度)で決定されるという特
徴がある。また、パルステール2長さはQスイッチ開放
時間で決定される。直接励起された二酸化炭素の上準位
寿命は500μsec弱と短いが、窒素の上準位寿命は
msec程度とかなり長く、窒素分子から二酸化炭素分
子への分子間衝突によるエネルギー移剰によって、等価
的な二酸化炭素上準位寿命がmsecレベルまで長くな
る。その結果、初期スパイク1終了後も連続波出力程度
のパワーを持続することが可能であり、回転チョッパー
13のスリットによって、パルスが切り落とされるまで
パルステール2発振が継続する。つまり、回転チョッパ
ー13の回転速度および、放電励起強度により初期スパ
イク1の制御が可能であり、Qスイッチを閉じるこでレ
ーザ発振を停止させ、パルステール2長を任意の時間に
制御することが可能である。すなわち、回転チョッパー
13のスリット幅とチョッパー回転速度でパルス時間波
形の制御が可能である。スリット幅を狭くし、チョッパ
ー13の回転速度を速めることにより、パルステール2
が殆ど存在しない短パルスが得られ、スリット幅を広
げ、チョッパー回転速度を遅くすることで、パルステー
ル2主体の長パルスを得ることが出来る。また、パルス
発振周波数は回転チョッパー13のスリット数とチョッ
パー回転速度で制御可能であり、筆者らは90kHzま
での高繰り返しQスイッチ発振を確認している。以上の
説明より、上記パルスレーザが高速ロール処理に有効で
あるため、ダル加工による冷延ロールの長寿命化に適用
可能である事がわかる。この様なパルス波形の制御は、
共振器内部にテレスコープ11,12と回転チョッパー
13を配備したQスイッチCO2レーザで実現されるも
のであり、連続波CO2レーザの外部チョッパーによる
パルスレーザや、従来のQスイッチYAGレーザでは実
現できない。
定性的には、ロール8表面に初期スパイク1が照射され
ると、初期スパイク1のピーク強度により金属表面が溶
融、蒸発を開始する。次にパルステール2部分が被加工
物に到達すると、数μ〜数10μsecの時間範囲でゆ
っくり熱を加えることにより初期溶融相が蒸発し、更に
深部の金属が溶融蒸発を開始する。深部の溶融金属は図
2に示されるノズル5より噴出されるアシストガスの圧
力によって穴周辺部に吹き飛ばされるため、さらなる深
穴加工が実現される。
0mJ、集光径140μmの時の、初期スパイク1のピ
ーク出力密度に対する加工穴深さ特性である。この図に
よれば、1.0GW/cm2以上のピーク出力密度を導
入すると、初期スパイク1により生じる逆制動輻射吸収
によって、パルステール2エネルギーがロール8表面に
到達せず、8μm以上の深穴加工が実現できないことが
わかる。また、40MW/cm2以下のピーク出力密度
以下では、50mJを確保するためのパルス時間幅が4
0μsec程度となり、後述するようにパルスエネルギ
ーのロール8への伝熱によって、8μm以上の深穴加工
は実現されない。よって、パルス照射に当たって、ピー
ク出力密度は40MW/cm2以上、1.0GW/cm2
以下である必要がある。
154kWであるが、ピーク出力の上限値は集光径に依
存する。ダル加工径350μmを考え、集光径を350
μmにした場合は、920kW弱までのピーク出力上限
値が許されるが、この値は発振器能力限界から考えて現
実的ではない。また、高ピーク出力実現の為に強励起を
行うと、レーザパルスの初期スパイク1後に小さなパル
スが複数重畳するマルチパルス現象が生じ、本目的のパ
ルス波形から逸脱してしまう。このマルチパルスが生じ
るピーク出力は300kW強であり、以上の説明から現
実的なピーク出力上限値は300kWとなる。次にピー
ク出力下限値について説明する。筆者らの知見による
と、パルス全幅が30μsec以上の長パルス照射を行
うと、加工が進行する以前にパルスエネルギーが伝熱に
よりロール8内部に拡散する結果、深穴加工が実現でき
ないことがわかっている。30μsec、5mJのパル
スで照射したときの穴深さは8μm以下であった。この
とき、5mJパルスのピーク出力は5kWであり、加工
深さ要求より、本発明を実現するためのピーク出力下限
値は5kWが適当である。以上の結果より、初期スパイ
ク1のピーク出力は5〜300kWが必要である。ちな
みに、350μm穴径の加工は、30μsec、150
mJパルスで達成された。
したごとく、パルスエネルギー50mJパルス全幅が3
0μsec以上の長パルス照射を行うと、加工が進行す
る以前にパルスエネルギーが伝熱によりロール8内部に
拡散する結果、加工性能が劣化する。また、パルス全幅
が1μsec以下の短パルスでは、パルスエネルギーを
占める初期スパイク1成分が増加することにより、プラ
ズマ影響により加工性能が著しく劣化する。よって、パ
ルス全幅は1〜30μsecが適当である。
比は前述したごとく、回転チョッパー13のスリット幅
とチョッパー回転速度および、励起強度で制御可能であ
るが、本発明で使用する5〜150mJのパルスエネル
ギーを実現すると、初期スパイク9は100n〜1μs
ecの範囲となり、その結果、パルステール10は0.
9〜29μsecの時間幅となる。
要求ピッチより決定される。胴長2200mm、直径6
65mmのロールに最小径120μmのダル穴を最小ピ
ッチ180μmで1時間以内に処理するためには39.
4kHzの発振周波数が要求され、最大径350μmの
ダル穴を最大ピッチ1.75mmで1時間以内に処理す
るためには0.42kHzの発振周波数が要求される。
よって、本発明の実現のためには0.4〜40kHzの
発振周波数が必要である。この発振周波数は回転チョッ
パー13のスリット数とチョッパー回転速度で充分制御
が可能である。
4は本発明によるダル加工穴の断面図である。本実施例
のダル加工を施したレーザ特性はパルス時間幅9.8μ
sec、ピークパワー125kW,パルス繰り返し周波
数6kHz、パルスエネルギー50mJであり、そのパ
ルス波形は図1に示されている。焦点距離2.5インチ
のZnSe製集光レンズ4で集光照射を行った。なお、
アシストガスとして窒素を使用した。また、被加工物は
クロムを5%含有するタンデムミル用の胴長2200m
m、直径665mmの冷間圧延ロール6であり、本実施
例においては約250μm径、約30μm深さ、500
μmピッチのダル加工を処理時間51分で実現した。本
実施例ロールの圧延前平均粗度Raは1.7μmであ
り、図7に示すごとく本実施例においては圧延可能距離
が250kmとなり、グラインダー研削で作製したRa
=1.2μmの通常ロールと比較して約2.5倍の寿命
延長効果を確認した。
いて冷間圧延用のロール表面をダル加工する方法におい
て、本発明により、一台のレーザ発振機で、深穴加工を
高速に、且つ再現性良く実現することが可能となり、冷
間圧延可能距離が上昇し、ロール寿命延長効果が得られ
た。
あり、実施例で使用したレーザパルス波形である。
る。
る。
形の模式図である。
間波形である。
ネルギーの発振周波数依存性である。
Claims (3)
- 【請求項1】 パルスレーザを用いて冷間圧延用のロー
ル表面をオフラインダル加工する方法において、レーザ
発振器が、共振器内部にテレスコープレンズと回転チョ
ッパーからなるQスイッチ装置を有するQスイッチCO
2レーザであり、該発振器より放出されるレーザパルス
が、初期スパイク部分とパルステール部分から構成され
るパルスであることを特徴とする、冷延ロール表面のダ
ル加工方法。 - 【請求項2】 前記レーザパルスが初期スパイク幅10
0n〜1μsec、パルステール幅0.9〜29μse
c、パルス全幅1〜30μsec、ピークパワー5〜3
00kW、パルス繰り返し周波数0.4〜40kHzを
有し、その集光ピーク出力密度が40MW/cm2以
上、1.0GW/cm2以下であることを特徴とする請
求項1記載の冷延ロール表面のダル加工方法。 - 【請求項3】 前記レーザパルスにより加工されたロー
ル表面の加工穴が外径D:120〜350μm、深さ
d:8〜40μm、ピッチP:1.5D〜5Dの間隔で
規則的な模様となることを特徴とした、請求項1または
2記載の冷延ロール表面のダル加工方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP6324013A JP3027695B2 (ja) | 1994-12-02 | 1994-12-02 | 冷延ロール表面のダル加工方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6324013A JP3027695B2 (ja) | 1994-12-02 | 1994-12-02 | 冷延ロール表面のダル加工方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH08155506A true JPH08155506A (ja) | 1996-06-18 |
JP3027695B2 JP3027695B2 (ja) | 2000-04-04 |
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ID=18161168
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JP6324013A Expired - Lifetime JP3027695B2 (ja) | 1994-12-02 | 1994-12-02 | 冷延ロール表面のダル加工方法 |
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JP (1) | JP3027695B2 (ja) |
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