JPH08155482A - 有機性排液の好気性処理方法 - Google Patents

有機性排液の好気性処理方法

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JPH08155482A
JPH08155482A JP29869594A JP29869594A JPH08155482A JP H08155482 A JPH08155482 A JP H08155482A JP 29869594 A JP29869594 A JP 29869594A JP 29869594 A JP29869594 A JP 29869594A JP H08155482 A JPH08155482 A JP H08155482A
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雅秀 柴田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 汚泥の減容化を行うことができるとともに、
オゾン処理により生成する難生物分解性成分を易生物分
解性成分に変換して生物分解を行うことができ、これに
より処理水質の悪化を防止して高処理水質を得ることが
可能な有機性排液の好気性処理方法を提案する。 【構成】 有機性排液を曝気槽11において、生物汚泥
の存在下に好気性生物処理する方法であって、好気性生
物処理工程において有機性排液を曝気槽11に導入し
て、生物汚泥の存在下に好気性生物処理し、固液分離工
程において曝気槽11の混合液を固液分離槽12で固液
分離し、分離液を処理液として排出し、分離汚泥の一部
を曝気槽11に返送し、オゾン処理工程において曝気槽
内の混合液または分離汚泥の一部を引抜いてオゾン処理
するオゾン処理汚泥を貯留槽22で貯留して難生物分解
性成分を易生物分解性成分に変換後曝気槽11に返送し
て生物分解する有機性排液の好気性処理方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、有機性排液を好気性微
生物を含む生物汚泥の存在下に生物処理する方法、特に
好気性生物処理系における余剰汚泥を減容化することが
できる有機性排液の生物処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】活性汚泥処理法などのように、好気性微
生物の作用を利用して、有機性排液を好気条件で処理す
る好気性生物処理方法は、処理コストが安く、処理性能
も優れているため、一般に広く利用されているが、難脱
水性の余剰汚泥が大量に生成する。この余剰汚泥は処理
BOD量の約30〜60%にも達し、その処理は困難で
ある。従来、このような余剰汚泥は投棄処分されていた
が、その処分場の確保が困難となり、汚泥の減容化が必
要となっている。
【0003】汚泥を減容化するために特開平6−206
088号には、好気性処理系から引抜いた活性汚泥をオ
ゾンにより酸化分解した後、好気的に生物処理する有機
性排液の好気性処理方法が記載されており、オゾン処理
により余剰汚泥の減容化の程度が向上し、場合によって
は余剰汚泥の発生をゼロにすることができることが開示
されている。この方法は汚泥をオゾン処理して酸化分解
することによりBOD化し、これを好気性処理して汚泥
の減容化を行うものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところがこのような方
法で処理を行うと、オゾン処理による減容化を行わない
場合に比べて、処理水CODが高くなる傾向にある。そ
の原因はオゾン処理によりBOD化される際、一部難生
物分解性成分が生成し、これが好気性処理において生物
分解されないまま処理水中に流出してCODとして検出
されるものと考えられる。このような難生物分解性成分
は、被処理液のBODが低い場合はわずかであるが、被
処理液BODが100mg/l以上の場合はCODの増
加が10mg/l以上となる場合があり、後処理として
の凝集沈殿処理や活性炭処理の負荷を高くするという問
題点がある。
【0005】本発明の目的は、上記のような問題点を解
決するため、汚泥の減容化を行うとともに、処理水質の
悪化を防止することができる有機性排液の好気性処理方
法を提案することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、有機性排液を
曝気槽において、好気性微生物を含む生物汚泥の存在下
に好気性生物処理する方法であって、有機性排液を曝気
槽に導入して、好気性微生物を含む生物汚泥の存在下に
好気性生物処理する好気性生物処理工程と、曝気槽の混
合液を固液分離し、分離液を処理液として排出し、分離
汚泥の少なくとも一部を曝気槽に返送する固液分離工程
と、曝気槽内の混合液または分離汚泥の一部を引き抜い
てオゾン処理するオゾン処理工程と、オゾン処理汚泥を
貯留したのち曝気槽に返送する返送工程とを有すること
を特徴とする有機性排液の好気性処理方法である。
【0007】本発明において処理の対象となる有機性排
液は、通常の好気性生物処理法により処理される有機物
を含有する排液であるが、難生物分解性の有機物または
無機物が含有されていてもよい。このような有機性排液
としては、下水、し尿、食品工場排水その他の産業排液
などがあげられる。
【0008】本発明における好気性生物処理は、有機性
排液を好気性微生物を含む生物汚泥の存在下に好気性生
物処理を行う。このような処理としては、有機性排液を
曝気槽で活性汚泥と混合して曝気し、混合液を固液分離
装置で固液分離し、分離汚泥の一部を曝気槽に返送する
標準活性汚泥処理法における好気性生物処理が一般的で
あるが、これを変形した他の処理でもよい。
【0009】本発明では、このような好気性生物処理に
おける処理系から生物汚泥の一部を引抜き、この引抜汚
泥をオゾン処理する。生物汚泥を引抜く場合、固液分離
装置で分離された分離汚泥の一部を引抜くのが好ましい
が、曝気槽から混合液の状態で引抜いてもよい。分離汚
泥から引抜く場合、余剰汚泥として排出される部分の一
部または全部を引抜汚泥として引抜くことができるが、
余剰汚泥に加えて、返送汚泥として曝気槽に返送される
汚泥の一部をさらに引抜いてオゾン処理するのが好まし
く、この場合余剰汚泥の発生量をより少なくすることが
でき、条件によっては余剰汚泥の発生量をゼロにするこ
ともできる。この点については、後で詳しく述べる。
【0010】オゾン処理はpH5以下の酸性領域で行う
と酸化分解効率が高くなる。このときのpHの調整は、
硫酸、塩酸または硝酸などの無機酸をpH調整剤として
生物汚泥に添加するか、生物汚泥を酸発酵処理して調整
するか、あるいはこれらを組合せて行うのが好ましい。
pH調整剤を添加する場合、pHは3〜4に調整するの
が好ましく、酸発酵処理を行う場合、pHは4〜5とな
るように行うのが好ましい。
【0011】オゾン処理は、引抜汚泥または酸発酵処理
液をそのまま、または必要により遠心分離機などで濃縮
した後pH5以下に調整し、オゾンと接触させることに
より行うことができる。接触方法としては、オゾン処理
槽に汚泥を導入してオゾンを吹込む方法、機械攪拌によ
る方法、充填層を利用する方法などが採用できる。オゾ
ンとしてはオゾンガスの他、オゾン含有空気、オゾン化
空気などのオゾン含有ガスが使用できる。オゾンの使用
量は0.002〜0.05g−O3/g−VSS、好ま
しくは0.005〜0.03g−O3/g−VSSとす
るのが望ましい。オゾン処理により生物汚泥は酸化分解
されて、BOD成分に変換される。
【0012】オゾン処理するオゾン処理装置としては、
汚泥含有液中の汚泥にオゾンを接触させて酸化反応させ
るためのオゾン処理槽、およびオゾン処理液を曝気槽に
返送する手段を有している装置であればどのような構成
の装置でも使用することができる。オゾン処理槽内で汚
泥が沈降しやすい場合、または浮上する汚泥に比べて沈
降する汚泥が多い場合には、汚泥含有液とオゾン含有ガ
スとは並流で接触させるようにするのが好ましく、これ
により汚泥とオゾンとの接触効率がよくなる。一方、オ
ゾン処理槽内で汚泥が浮上しやすい場合、または沈降す
る汚泥に比べて浮上する汚泥が多い場合には、向流で接
触させるようにするのが好ましく、これにより接触効率
がよくなる。
【0013】オゾン処理槽にオゾン含有ガスを吹込んで
オゾン処理を行うと発泡が生じるが、この発泡によるト
ラブルを防止するために、オゾン処理槽内に消泡用の液
散布手段を設けることができる。液散布手段としては、
オゾン処理槽内の汚泥を含む槽内液を引抜いて、この引
抜液を消泡用水としてオゾン処理槽内の液面に散布する
ように構成された装置が好ましい。
【0014】またオゾン処理槽として、槽の下部に液相
の汚泥含有液にオゾン含有ガスを吹込んで気液接触させ
る液相接触域が形成され、その上部に発泡した泡沫とオ
ゾン含有ガスとを接触させる泡沫接触域が形成されるよ
うに構成されたオゾン処理槽を使用すると、オゾン処理
効率はさらに高くなる。液相接触域の高さは0.2〜3
m、好ましくは0.5〜1.5mとする。泡沫接触域の
高さは液相接触域の汚泥含有液の液面より1m以上の高
さであればよいが、好ましくは1〜10m、さらに好ま
しくは2〜5mの高さとする。
【0015】泡沫接触域には泡沫保持部材を充填するこ
とができ、これによりオゾン処理槽の内径が大きくて泡
が保持されにくい場合、または生物汚泥の濃度が低くて
汚泥含有液が発泡しにくい性状である場合などでも、泡
沫を効率よく保持することができ、オゾン処理効率を高
くすることができる。泡沫保持部材としては、泡沫を保
持できる構造のものであればよいが、ハニカム状、格子
状などの仕切板構造のものが好ましい。
【0016】オゾン処理槽内の泡沫接触域の上部に前記
液散布装置を設けて、工業用水、最終処理液、オゾン処
理槽からの引抜液、または引抜液と被処理液との混合液
などを泡沫層に向けて散布することができ、これにより
過剰な発泡を抑制して、泡沫接触域を所定の高さに維持
することができる。この場合、引抜液または引抜液と被
処理液との混合液を使用すると、槽内液の汚泥濃度が低
下せず、またノズル等の閉塞が発生しないので好まし
い。オゾン処理槽の泡沫接触域は泡沫で満たされるだけ
なので、槽内を被処理液で満たす装置に比べてオゾン処
理槽の強度は小さくてもよくなり、それだけ低コストの
オゾン処理装置となる。
【0017】オゾン処理槽では汚泥がオゾンと反応して
酸化分解され、BOD成分に変換される。このとき一部
難生物分解性成分が生成し、これをそのまま曝気槽に返
送して好気性生物処理を行っても生物分解され難いが、
本発明ではオゾン処理汚泥を貯留することにより汚泥を
変質させ、易生物分解性にする。オゾン処理汚泥はオゾ
ン処理終了後も徐々に変質し、生物反応が関与しない場
合でも溶解性CODが増加し、難生物分解性成分が減少
する。またオゾン処理汚泥中の残留オゾンも貯留中に分
解する。
【0018】貯留は任意の場所において行うことがで
き、例えばオゾン処理汚泥用の貯留槽を設けてもよい
が、被処理液貯槽に導入して、被処理液と混合した状態
で貯留すると、新たな装置を設ける必要がないので好ま
しい。貯留時間は3時間ないし2日間程度、好ましくは
12時間ないし2日間程度とするのが好適である。
【0019】オゾン処理した後貯留して変質させた汚泥
は、好気性生物処理工程の曝気槽に導入して好気性生物
処理を行う。これによりオゾン処理によってBOD化し
た易生物分解性成分、ならびに一旦難分解性成分になっ
た後、貯留により変質して生成した易生物分解成分は容
易に生物分解されて除去される。これによりCODの流
出は防止され、高処理水質が得られるとともに、系全体
から排出される汚泥の量が低減する。オゾン処理汚泥中
の残留オゾンは貯留中に分解するから、活性汚泥中の生
物に対する阻害性はなくなる。
【0020】この場合、オゾン処理する汚泥の量を多く
するほど汚泥の減容率は高くなる。ただし、オゾン処理
した汚泥中の有機物を生物分解する際に汚泥が増殖する
ので、単に余剰汚泥をオゾン処理しただけでは余剰汚泥
をゼロにすることはできないが、増殖する汚泥量が見か
け上ゼロになるように過剰の汚泥を引抜いてオゾン処理
する場合には、系全体から生じる余剰汚泥の量をゼロに
することもできる。この場合、オゾン処理する汚泥の量
が多くなると、生物処理性能が低下する場合があるが、
このようなときには、汚泥を担持するための担体を曝気
槽内に設け、一定量の汚泥量を保持することにより、生
物処理性能を高く維持することができる。
【0021】好気性処理工程では、オゾン処理に供給す
る汚泥の供給量および系外に排出する余剰汚泥の排出量
を制御して、曝気槽内の生物汚泥のVSS/SS比およ
びMLVSSを所定値に維持することにより、生物処理
性能を低下させることなく、余剰汚泥の減容化を行うと
ともに、曝気槽内の生物汚泥の沈降性および脱水性を改
善することもできる。これにより、固液分離装置におけ
る分離操作が容易となり、また生成する余剰汚泥の脱水
処理も容易になる。すなわち、曝気槽内の生物汚泥のV
SS/SS比を0.2〜0.7、好ましくは0.3〜
0.6、MLVSSを500〜10000mg/l、好
ましくは1000〜5000mg/lに維持するように
制御することにより、汚泥の沈降性および脱水性を改善
することができる。一般的傾向としてVSS/SS比が
小さくなるほど汚泥の比重が高くなり、沈降性、脱水性
がよくなる。
【0022】本発明における汚泥減容化の原理を図を用
いて説明する。図1は汚泥減容化の原理を説明するため
の模式図である。図において、1は好気性生物処理系、
2はオゾン処理系である。好気性生物処理系1は、活性
汚泥処理装置のように、有機性排液を生物汚泥と接触さ
せて好気的に分解する処理系であり、曝気槽と固液分離
装置とが別々に設けられるが、これらを含めた全体の処
理系として図示されている。オゾン処理系2は混合液ま
たは濃縮液の状態で引抜かれる引抜汚泥にオゾン含有ガ
スを反応させ、酸化分解してBODに変換するオゾン処
理槽と、オゾン処理汚泥を貯留する貯留槽とを有する
が、これらを含めた全体の処理系として図示されてい
る。
【0023】図1の好気性生物処理系1には、好気性生
物処理を行うために一定量の生物汚泥3aが保持されて
いる。このような好気性生物処理系1に被処理液4を導
入して好気性生物処理を行うと、被処理液4に含まれる
BODは生物汚泥3aに同化され、その増殖により新た
に生成汚泥3bが生成する。一方、系内の生物汚泥3a
は自己分解により、自己分解分3cが消失する。従って
定常状態では、生成汚泥3bと自己分解分3cの差が増
殖汚泥3dとして増殖する。
【0024】増殖汚泥3dを余剰汚泥としてオゾン処理
系2で処理する場合を、図1に破線5で示しているが、
増殖汚泥3dをオゾン処理して好気性生物処理系1に戻
すと、オゾン処理により生成するBODが汚泥に転換し
て、別の生成汚泥3eが生成し、この分が実質的な汚泥
増殖分となり、余剰汚泥として排出されなければならな
い。これに対し、増殖汚泥3dよりも多い量の引抜汚泥
3fを好気性生物処理系1から引抜き、オゾン処理系2
でオゾン処理してBODに転換し、オゾン処理汚泥6を
好気性生物処理系1に戻すことにより、オゾン分解で生
成したBODから別の生成汚泥3gが生成する。この場
合、引抜汚泥3fと生成汚泥3gの差が無機化部分3h
となる。
【0025】ここで増殖汚泥3dよりも多い量の引抜汚
泥3fをオゾン処理してBODに転換することにより、
増殖汚泥3dのみをオゾン分解する場合よりも、無機化
部分が多くなり、汚泥減容化率は高くなる。増殖汚泥3
dと無機化部分hが等しくなるように、引抜汚泥3fの
量を決めると、余剰汚泥は実質的にゼロになる。増殖汚
泥3dが無機化部分3hより多い場合は、その差が実質
的な増加部分3iとなり、余剰汚泥7として系外に排出
される。8は好気性生物処理系1の処理液である。
【0026】上記好気性生物処理系1における曝気槽容
量をV、その生物汚泥濃度をX、汚泥収率をY、被処理
液流量(処理液流量)をQ、被処理液の有機物濃度をC
i、処理液の有機物濃度をCe、生物処理された有機物
濃度を(Ci−Ce)、汚泥自己分解定数をKd、余剰
汚泥排出量をq、オゾン処理槽への引抜量をQ′、オゾ
ン処理された汚泥が生物汚泥に再変換された割合をkと
すると、物質収支は次の〔1〕式で表される。
【数1】 V dX/dt=Y Q (Ci−Ce) −V Kd X−q X−Q′X+k Q′X 〔1〕
【0027】〔1〕式において、V dX/dtは好気性生物
処理系1における生物汚泥3aの変化量、Y Q (Ci−Ce)
は生成汚泥3bの量、V Kd Xは自己分解分3cの量、q
Xは余剰汚泥7の排出量、Q′Xは引抜汚泥3fの量、k
Q′Xは生成汚泥3gの量を示している。ここでQ (Ci−C
e)/V=LV(槽負荷)、q/V=1/SRT(余剰汚泥滞留時
間比)、Q′/V=θ(オゾン処理系への生物汚泥の循環
比)、(1−k)=δ(無機化率)とおくと、定常状態
では、〔1〕式は次の〔2〕式のように簡略化される。
【数2】 Y LV/X=Kd+1/SRT+δθ 〔2〕
【0028】オゾン処理系2が存在しない通常の好気性
生物処理系では、〔2〕式の第3項(δθ)がないの
で、汚泥負荷を一定としたとき第2項で余剰汚泥(X/S
RT)が決定される。これに対してオゾン処理を組合せた
処理系では、〔2〕式から明らかなように、第3項の値
により余剰汚泥が減容化する。そして第3項の値が第2
項の値に匹敵するような条件下では、余剰汚泥を排出し
なくても(1/SRT=0)、汚泥負荷を通常の値に設定
することが可能である。
【0029】前記〔2〕式の第3項のパラメータは無機
化率δと循環比θであるが、このうちδは汚泥に対する
オゾン注入率が0.01g−O3/g−VSS以上で
は、0.5付近の定常値になるため、この領域では汚泥
の見かけの減容化率はθに比例して決定される。一方、
循環比θは、0.5day-1程度までは汚泥活性に影響
を与えない。このことは1日あたり、好気性生物処理系
1に保持された生物汚泥3aの1/2以下を引抜汚泥3
fとしてオゾン処理系2に循環しても、好気性生物処理
系1の汚泥活性が維持されることを意味している。
【0030】従って、循環比θの上限は0.5day-1
とされる。θがゼロの場合は完全酸化方式となるが、こ
の場合低汚泥負荷であるとともに、減容効果も小さい。
また引抜汚泥3fが増殖汚泥3dと同量の場合は、従来
法と同様な値の減容率となる。通常の好気性生物処理で
は、SRTは10日、汚泥引抜率は0.1day-1であ
る。本発明において、増殖汚泥3dより多い引抜汚泥3
fを循環すると、循環比θの下限は0.1day-1を超
える値とされるが、0.2day-1以上とするのが好ま
しく、特に0.3day-1とすると、余剰汚泥が発生し
ない100%減容化が可能となる。
【0031】
【実施例】次に本発明の実施例について説明する。図2
および図3はそれぞれ別の実施例の好気性処理装置を示
すフローシートであり、図2は曝気槽内の混合液をオゾ
ン処理する例、図3は固液分離装置の分離汚泥をオゾン
処理する例を示している。図2において、好気性生物処
理系1は曝気槽11および固液分離装置12から構成さ
れている。曝気槽11には被処理液路13および返送汚
泥路14が連絡し、また底部には散気装置15が設けら
れて、空気供給路16が連絡している。曝気槽11から
固液分離装置12に連絡路17が連絡している。固液分
離装置12には、処理液路18および分離汚泥排出路1
9が連絡し、分離汚泥排出路19から返送汚泥路14が
分岐している。20は必要により設けられる余剰汚泥排
出路である。
【0032】オゾン処理系2はオゾン処理槽21を有す
るオゾン処理装置および貯留槽22から構成され、オゾ
ン処理槽21には、汚泥引抜路23および排オゾン路2
4が上部に連絡している。汚泥引抜路23には、無機酸
供給路25が連絡している。またオゾン処理槽21の下
部にはオゾン供給路26およびオゾン処理汚泥路27が
連絡している。オゾン処理汚泥路27は、貯留槽22に
連絡しており、貯留槽22から貯留汚泥路28が曝気槽
11に連絡している。
【0033】図2の処理装置による有機性排液の好気性
生物処理方法は、被処理液路13から有機性排液を曝気
槽11に導入し、返送汚泥路14から返送される返送汚
泥および曝気槽11内の活性汚泥と混合し、空気供給路
16から供給される空気を散気装置15から散気して好
気性生物処理を行う。これにより、排液中の有機物は生
物酸化反応によって分解される。曝気槽11内の混合液
(反応液)の一部は連絡路17を通して固液分離装置1
2に導入し、沈降分離により分離液と分離汚泥とに分離
する。分離液は処理液として処理液路18から系外に排
出し、分離汚泥は分離汚泥排出路19から取出し、その
一部は返送汚泥として返送汚泥路14から曝気槽11に
返送し、残部は余剰汚泥として余剰汚泥排出路20から
系外に排出する。
【0034】曝気槽11内の混合液の一部を引抜汚泥と
して汚泥引抜路23から引抜き、この引抜汚泥に無機酸
供給路25から無機酸を加えてpHを5以下に調整した
後、オゾン処理槽21に導入する。オゾン処理槽21で
は、汚泥にオゾン供給路26から供給されるオゾンを接
触させてオゾン処理を行い、汚泥をBOD化する。この
場合、オゾン注入率は0.005〜0.02g−O3
g−VSS程度でよい。オゾン排ガスは排オゾン路24
から系外に排出する。
【0035】オゾン処理液はオゾン処理汚泥路27から
貯留槽22に導入して貯留し、汚泥を変質させて難生物
分解性成分を易生物分解性に変換する。貯留汚泥は貯留
汚泥路28から曝気槽11に戻し、負荷として好気性生
物処理する。このように貯留汚泥を曝気槽11に戻して
好気性生物処理することにより、オゾン処理により変換
されたBOD成分および貯留により変換された易生物分
解性成分が微生物に資化され、分解除去される。これに
より好気性生物処理系1から生じる余剰汚泥が減容化す
る。
【0036】図3では、固液分離装置12で分離された
分離汚泥の一部を分離汚泥引抜路9からオゾン処理槽2
1に導入するように構成されている。オゾン処理汚泥路
27は被処理液貯留槽22aに連絡している。29は被
処理液供給路である。
【0037】図3の装置による処理方法は、被処理液供
給路29から被処理液貯留槽22aに被処理液を供給し
て貯留した後、被処理液路13から曝気槽11に導入し
て好気性生物処理を行う。そして固液分離装置12で分
離された分離汚泥の一部をオゾン処理槽21に導入して
オゾン処理を行う。オゾン処理汚泥はオゾン処理汚泥路
27から被処理液貯留槽22aに導入して被処理液とと
もに貯留したのち、被処理汚泥路13から曝気槽11に
返送する。図3のように分離汚泥をオゾン処理すれば、
汚泥濃度の高い態でオゾン処理を行うため、オゾン処理
効率が高くなり、またオゾン処理汚泥を被処理液貯留槽
で貯留することにより、装置を有効に利用することがで
きる。
【0038】図4は曝気槽内の混合液をオゾン注入量
0.05g−O3/g−VSSでオゾン処理したオゾン
処理汚泥と、オゾン処理しない汚泥に、生物呼吸阻害剤
としてNaN3を1mg/l添加し、4℃で静置したと
きの混合液中の溶解性全有機炭素(S・TOC/MLV
SS)の変化を示すグラフである。図4から、生物呼吸
阻害剤により生物反応が関与しない条件下でも、オゾン
処理汚泥のTOCの溶出が起こり、汚泥が変質している
ことが認められ、難生物分解性成分が易生物分解性成分
に変換していることが理解できる。
【0039】実施例1、比較例1、2 ペプトン:イーストエキス=1:1の合成排水(TOC
=200mg/l)を図3の装置により、好気性処理を
行った。処理条件はTOC槽負荷0.6g−C/liter・
day、MLSS3000〜4000mg/l、オゾン注
入率0.05g−O3/g−VSS、オゾン処理汚泥量
は1日あたり保有汚泥量の30%である。オゾン処理汚
泥は、実施例1では被処理液貯留槽に導入しHRT1日
間で貯留して曝気槽に返送し、比較例1では貯留するこ
となく直接曝気槽に返送した。比較例2はオゾン処理し
ない例である。処理結果を表1に示す。
【0040】
【表1】
【0041】以上の結果より、オゾン処理汚泥を直接曝
気槽に返送した比較例は処理水CODが高くなるが、貯
留した実施例1はオゾン処理しない比較例2と同程度の
処理水CODが得られ、しかも汚泥の減容化が行われて
いることがわかる。
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、曝気槽内の混合液また
は分離汚泥の一部をオゾン処理し、オゾン処理汚泥を貯
留したのち曝気槽に返送するようにしたので、汚泥の減
容化を行うことができるとともに、オゾン処理により生
成する難生物分解性成分を易生物分解性成分に変換して
生物分解を行うことができ、これにより処理水質の悪化
を防止して高処理水質を得ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】汚泥減容化の原理を説明するための模式図であ
る。
【図2】実施例の好気性処理装置を示す系統図である。
【図3】他の実施例の好気性処理装置を示す系統図であ
る。
【図4】混合液中の溶解性全有機炭素の変化を示すグラ
フである。
【符号の説明】
1 好気性処理系 2 オゾン処理系 3a 活性汚泥 3b,3e,3g 生成汚泥 3c 自己分解分 3d 増殖汚泥 3f 引抜汚泥 3h 無機化部分 3i 増加部分 4 被処理液 6 オゾン処理汚泥 7 余剰汚泥 8 処理液 11 曝気槽 12 固液分離装置 13 被処理液路 14 返送汚泥路 15 散気装置 16 空気供給路 17 連絡路 18 処理液路 19 分離汚泥排出路 20 余剰汚泥排出路 21 オゾン処理槽 22 貯留槽 22a 被処理液貯留槽 23 汚泥引抜路 24 排オゾン路 25 無機酸供給路 26 オゾン供給路 27 オゾン処理汚泥路 28 貯留汚泥路 29 原液導入路

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機性排液を曝気槽において、好気性微
    生物を含む生物汚泥の存在下に好気性生物処理する方法
    であって、 有機性排液を曝気槽に導入して、好気性微生物を含む生
    物汚泥の存在下に好気性生物処理する好気性生物処理工
    程と、 曝気槽の混合液を固液分離し、分離液を処理液として排
    出し、分離汚泥の少なくとも一部を曝気槽に返送する固
    液分離工程と、 曝気槽内の混合液または分離汚泥の一部を引き抜いてオ
    ゾン処理するオゾン処理工程と、 オゾン処理汚泥を貯留したのち曝気槽に返送する返送工
    程とを有することを特徴とする有機性排液の好気性処理
    方法。
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