JPH08155451A - 塩素イオンの簡易モニター方法 - Google Patents
塩素イオンの簡易モニター方法Info
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- JPH08155451A JPH08155451A JP32967194A JP32967194A JPH08155451A JP H08155451 A JPH08155451 A JP H08155451A JP 32967194 A JP32967194 A JP 32967194A JP 32967194 A JP32967194 A JP 32967194A JP H08155451 A JPH08155451 A JP H08155451A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】水中の塩素イオンを陰イオン交換樹脂により除
去するに際して、陰イオン交換樹脂系からの流出水をH
+形陽イオン交換樹脂と接触させ、次いで気液接触処理
した後、処理水の電気伝導率を測定することを特徴とす
る塩素イオンの簡易モニター方法。 【効果】本発明方法によれば、陰イオン交換樹脂により
処理した水を、H+形陽イオン交換樹脂で処理し、さら
に気液接触処理することによって、陰イオン交換処理水
中の電気伝導率に影響を与えるイオンが排除され、塩素
イオンの濃度に応じた電気伝導率を測定することがで
き、陰イオン交換処理水中の塩素イオンを1mg/リット
ル程度の低濃度レベルで、簡易に管理することができ
る。
去するに際して、陰イオン交換樹脂系からの流出水をH
+形陽イオン交換樹脂と接触させ、次いで気液接触処理
した後、処理水の電気伝導率を測定することを特徴とす
る塩素イオンの簡易モニター方法。 【効果】本発明方法によれば、陰イオン交換樹脂により
処理した水を、H+形陽イオン交換樹脂で処理し、さら
に気液接触処理することによって、陰イオン交換処理水
中の電気伝導率に影響を与えるイオンが排除され、塩素
イオンの濃度に応じた電気伝導率を測定することがで
き、陰イオン交換処理水中の塩素イオンを1mg/リット
ル程度の低濃度レベルで、簡易に管理することができ
る。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、塩素イオンの簡易モニ
ター方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、水中の
塩素イオンを陰イオン交換樹脂により除去する際に、流
出水中の微量の塩素イオンを簡易にモニターする方法に
関する。
ター方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、水中の
塩素イオンを陰イオン交換樹脂により除去する際に、流
出水中の微量の塩素イオンを簡易にモニターする方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】水中の塩素イオン濃度の測定法として
は、重量法、容量法、光分析法、分離法、イオンクロマ
トグラフ法、イオン電極法などが従来から知られてい
る。特に水中の低濃度の塩素イオンの定量法として、チ
オシアン酸水銀(II)吸光光度法、硝酸水銀(II)滴定法、
硝酸銀滴定法、イオン電極法及びイオンクロマトグラフ
法が日本工業規格の工業用水試験方法に採用されてい
る。これらの中で、硝酸銀滴定法は定量下限濃度が高
く、チオシアン酸水銀(II)吸光光度法、硝酸水銀(II)滴
定法及びイオンクロマトグラフ法は分析操作が複雑であ
り、迅速に測定を行うことができない。また、イオン電
極法は試料のpHを調節し、塩素イオン電極を指示電極と
して電位を測定し、検量線より塩素イオン濃度を求める
ものであり、迅速に測定を行うことは可能であるが、現
在の塩素イオン電極では定量範囲は塩素イオンとして5
〜1,000mg/リットルに限られ、より低濃度の塩素
イオンは定量することができない。イオン交換樹脂によ
る水処理においては、イオン交換樹脂塔から流出する処
理水にイオンが含まれるようになると、イオン交換樹脂
の再生工程に移るが、通常は、処理水の電気伝導率を測
定して、その上昇によってイオンが含まれると判断し、
再生工程に移る。しかし、電気伝導率は水中に存在する
全てのイオンによって影響をうけるものであり、特定イ
オンのみの量を判定することはできない。塩素イオンは
腐食性イオンであり、特に処理水中の塩素イオンの濃度
が問題とされることが多いので、塩素イオンを簡易にモ
ニターすることができれば腐食環境の小さい水を容易か
つ確実に得ることができる。そのため、水中の塩素イオ
ンを除去する際に、水処理ラインに接続して簡単に測定
することができる、1mg/リットル程度の塩素イオンの
モニター方法の開発が求められていた。
は、重量法、容量法、光分析法、分離法、イオンクロマ
トグラフ法、イオン電極法などが従来から知られてい
る。特に水中の低濃度の塩素イオンの定量法として、チ
オシアン酸水銀(II)吸光光度法、硝酸水銀(II)滴定法、
硝酸銀滴定法、イオン電極法及びイオンクロマトグラフ
法が日本工業規格の工業用水試験方法に採用されてい
る。これらの中で、硝酸銀滴定法は定量下限濃度が高
く、チオシアン酸水銀(II)吸光光度法、硝酸水銀(II)滴
定法及びイオンクロマトグラフ法は分析操作が複雑であ
り、迅速に測定を行うことができない。また、イオン電
極法は試料のpHを調節し、塩素イオン電極を指示電極と
して電位を測定し、検量線より塩素イオン濃度を求める
ものであり、迅速に測定を行うことは可能であるが、現
在の塩素イオン電極では定量範囲は塩素イオンとして5
〜1,000mg/リットルに限られ、より低濃度の塩素
イオンは定量することができない。イオン交換樹脂によ
る水処理においては、イオン交換樹脂塔から流出する処
理水にイオンが含まれるようになると、イオン交換樹脂
の再生工程に移るが、通常は、処理水の電気伝導率を測
定して、その上昇によってイオンが含まれると判断し、
再生工程に移る。しかし、電気伝導率は水中に存在する
全てのイオンによって影響をうけるものであり、特定イ
オンのみの量を判定することはできない。塩素イオンは
腐食性イオンであり、特に処理水中の塩素イオンの濃度
が問題とされることが多いので、塩素イオンを簡易にモ
ニターすることができれば腐食環境の小さい水を容易か
つ確実に得ることができる。そのため、水中の塩素イオ
ンを除去する際に、水処理ラインに接続して簡単に測定
することができる、1mg/リットル程度の塩素イオンの
モニター方法の開発が求められていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、1mg/リッ
トル程度の塩素イオンの濃度測定を、迅速かつ簡易に行
うことができる、塩素イオンの簡易モニター方法を提供
することを目的としてなされたものである。
トル程度の塩素イオンの濃度測定を、迅速かつ簡易に行
うことができる、塩素イオンの簡易モニター方法を提供
することを目的としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、陰イオン交換処理
水から陽イオンを除去したのち、さらにバブリングによ
り炭酸水素イオンを除去し、電気伝導率を測定すれば、
陰イオン交換処理水中の微量の塩素イオンをモニターし
得ることを見いだし、この知見に基づいて本発明を完成
するに至った。すなわち、本発明は、水中の塩素イオン
を陰イオン交換樹脂により除去するに際して、陰イオン
交換樹脂系からの流出水をH+形陽イオン交換樹脂と接
触させ、次いで気液接触処理した後、処理水の電気伝導
率を測定することを特徴とする塩素イオンの簡易モニタ
ー方法を提供するものである。
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、陰イオン交換処理
水から陽イオンを除去したのち、さらにバブリングによ
り炭酸水素イオンを除去し、電気伝導率を測定すれば、
陰イオン交換処理水中の微量の塩素イオンをモニターし
得ることを見いだし、この知見に基づいて本発明を完成
するに至った。すなわち、本発明は、水中の塩素イオン
を陰イオン交換樹脂により除去するに際して、陰イオン
交換樹脂系からの流出水をH+形陽イオン交換樹脂と接
触させ、次いで気液接触処理した後、処理水の電気伝導
率を測定することを特徴とする塩素イオンの簡易モニタ
ー方法を提供するものである。
【0005】本発明方法は、陰イオン交換樹脂を用いて
水中の陰イオンを除去する場合に適用することができ、
また、陰イオン交換樹脂と陽イオン交換樹脂とを用いて
水中の陰イオン及び陽イオンを除去し純水を得る場合に
も適用することができる。陰イオン交換樹脂は、スチレ
ン−ジビニルベンゼン共重合体をクロロメチル化したの
ちアミノ化することにより得ることができる。アミンと
してトリメチルアミンなどを用いて第四級アンモニウム
基を導入した強塩基性I形陰イオン交換樹脂、ジメチル
エタノールアミンなどを用いて四級化した強塩基性II形
陰イオン交換樹脂、第一級ないし第三級アミンを導入し
た弱塩基性陰イオン交換樹脂のいずれを使用する水処理
工程においても、本発明方法を適用することができる。
また、陰イオン交換樹脂のイオン形は、OH-形、HC
O3 -形又はCO3 2-形であることが好ましい。陰イオン
交換樹脂と接触することにより、原水中のHCO3 -、C
l-、SO4 2-などの陰イオンが除去される。これらの陰
イオンの陰イオン交換樹脂系からのリーク順位はこの順
序であって、例えば、SO4 2-がCl-より先にリークす
ることはない。イオン交換樹脂は、通常イオン交換樹脂
塔に充填して使用する。この際、処理水の流し方には、
塔の上から下に流す下向流方式と、下から上へ流す上向
流方式があり、樹脂の充填方法には、単一の樹脂を充填
した単床式、異種樹脂を混合して充填した混床式、異種
樹脂を上下に分けて充填した複層床式などがあるが、本
発明方法はこれらのいずれにも適用することができる。
本発明方法において、陰イオン交換樹脂系から流出した
処理水は、H+形陽イオン交換樹脂と接触せしめる。使
用するH+形陽イオン交換樹脂の種類には特に制限はな
く、強酸形であっても弱酸形であってもよく、またゲル
形であってもマイクロポーラス形であってもよいが、強
酸形陽イオン交換樹脂はすべてのpH領域において確実に
陽イオンを捕捉することができるので特に好適に使用す
ることができる。処理水を陽イオン交換樹脂と接触する
ことにより、Na+、Ca2+、Mg2+などの陽イオンが
除去され、かつ処理水のpHは3〜4となる。
水中の陰イオンを除去する場合に適用することができ、
また、陰イオン交換樹脂と陽イオン交換樹脂とを用いて
水中の陰イオン及び陽イオンを除去し純水を得る場合に
も適用することができる。陰イオン交換樹脂は、スチレ
ン−ジビニルベンゼン共重合体をクロロメチル化したの
ちアミノ化することにより得ることができる。アミンと
してトリメチルアミンなどを用いて第四級アンモニウム
基を導入した強塩基性I形陰イオン交換樹脂、ジメチル
エタノールアミンなどを用いて四級化した強塩基性II形
陰イオン交換樹脂、第一級ないし第三級アミンを導入し
た弱塩基性陰イオン交換樹脂のいずれを使用する水処理
工程においても、本発明方法を適用することができる。
また、陰イオン交換樹脂のイオン形は、OH-形、HC
O3 -形又はCO3 2-形であることが好ましい。陰イオン
交換樹脂と接触することにより、原水中のHCO3 -、C
l-、SO4 2-などの陰イオンが除去される。これらの陰
イオンの陰イオン交換樹脂系からのリーク順位はこの順
序であって、例えば、SO4 2-がCl-より先にリークす
ることはない。イオン交換樹脂は、通常イオン交換樹脂
塔に充填して使用する。この際、処理水の流し方には、
塔の上から下に流す下向流方式と、下から上へ流す上向
流方式があり、樹脂の充填方法には、単一の樹脂を充填
した単床式、異種樹脂を混合して充填した混床式、異種
樹脂を上下に分けて充填した複層床式などがあるが、本
発明方法はこれらのいずれにも適用することができる。
本発明方法において、陰イオン交換樹脂系から流出した
処理水は、H+形陽イオン交換樹脂と接触せしめる。使
用するH+形陽イオン交換樹脂の種類には特に制限はな
く、強酸形であっても弱酸形であってもよく、またゲル
形であってもマイクロポーラス形であってもよいが、強
酸形陽イオン交換樹脂はすべてのpH領域において確実に
陽イオンを捕捉することができるので特に好適に使用す
ることができる。処理水を陽イオン交換樹脂と接触する
ことにより、Na+、Ca2+、Mg2+などの陽イオンが
除去され、かつ処理水のpHは3〜4となる。
【0006】本発明方法において、H+形陽イオン交換
樹脂と接触し陽イオンを除去した処理水は、次いで気液
接触処理を行う。気液接触処理の方法には特に制限はな
いが、電気伝導率の測定に要する試料は通常数十ml程度
で十分なので、適当な容器に入れた試料の中へ窒素ガス
又は空気を細管を通じて吹き込み、バブリングすること
により気液接触処理を行うことができる。バブリングの
時間は、通常5分程度で十分である。あるいは、曝気塔
の上部から処理水を流下させ、下部から窒素ガス又は空
気を吹き込んで、塔内で連続的に気液接触処理を行うこ
とができる。処理水はH+形陽イオン交換樹脂との接触
処理により酸性となっているので、気液接触処理によ
り、水中に溶解しているHCO3 -イオンは容易に二酸化
炭素として大気中へ揮散する。原水に含まれるSiO2
は、この処理によっては除去されないが、SiO2が電
気伝導率に与える影響は大きくない。本発明方法におい
て、H+形陽イオン交換樹脂との接触及び気液接触処理
を終えた処理水は、次いで電気伝導率を測定する。電気
伝導率の測定は、例えば、白金電極面に白金黒めっきを
行った電極を組み入れたセルからなる検出部と、ホイー
トストーンブリッジ回路を組み入れた指示部を有する電
気伝導度計を用いて行うことができる。処理水中の塩素
イオンの量が1mg/リットル以下であると、電気伝導率
は30μS/cm以下であるが、処理水中の塩素イオンの
量が1mg/リットルを超えると、電気伝導率は30μS
/cmを超え急激に上昇するので、処理水中の塩素イオン
の量が1mg/リットルを超える点を的確に判定すること
ができる。測定する電気伝導率は通常数十μS/cmなの
で、電気伝導度計のセルはセル定数が0.1cm-1のもの
であることが好ましい。本発明方法においては、上記の
処理により電気伝導率に影響を与えるイオンを除去して
いるので、陰イオン交換処理水中の塩素イオンの量に応
じた電気伝導率の変化を求めることができる。本発明方
法の操作は、容易かつ簡便であり、陰イオン交換処理水
中の塩素イオンの濃度を連続的に、あるいは間欠的に測
定することができる。本発明方法により、陰イオン交換
樹脂により処理した水中の塩素イオン濃度が1mg/リッ
トルを超えたことが検出された場合には、陰イオン交換
樹脂系への通水を止め、水酸化ナトリウム水溶液などの
再生剤を陰イオン交換樹脂に供給して樹脂を再生する。
樹脂と接触し陽イオンを除去した処理水は、次いで気液
接触処理を行う。気液接触処理の方法には特に制限はな
いが、電気伝導率の測定に要する試料は通常数十ml程度
で十分なので、適当な容器に入れた試料の中へ窒素ガス
又は空気を細管を通じて吹き込み、バブリングすること
により気液接触処理を行うことができる。バブリングの
時間は、通常5分程度で十分である。あるいは、曝気塔
の上部から処理水を流下させ、下部から窒素ガス又は空
気を吹き込んで、塔内で連続的に気液接触処理を行うこ
とができる。処理水はH+形陽イオン交換樹脂との接触
処理により酸性となっているので、気液接触処理によ
り、水中に溶解しているHCO3 -イオンは容易に二酸化
炭素として大気中へ揮散する。原水に含まれるSiO2
は、この処理によっては除去されないが、SiO2が電
気伝導率に与える影響は大きくない。本発明方法におい
て、H+形陽イオン交換樹脂との接触及び気液接触処理
を終えた処理水は、次いで電気伝導率を測定する。電気
伝導率の測定は、例えば、白金電極面に白金黒めっきを
行った電極を組み入れたセルからなる検出部と、ホイー
トストーンブリッジ回路を組み入れた指示部を有する電
気伝導度計を用いて行うことができる。処理水中の塩素
イオンの量が1mg/リットル以下であると、電気伝導率
は30μS/cm以下であるが、処理水中の塩素イオンの
量が1mg/リットルを超えると、電気伝導率は30μS
/cmを超え急激に上昇するので、処理水中の塩素イオン
の量が1mg/リットルを超える点を的確に判定すること
ができる。測定する電気伝導率は通常数十μS/cmなの
で、電気伝導度計のセルはセル定数が0.1cm-1のもの
であることが好ましい。本発明方法においては、上記の
処理により電気伝導率に影響を与えるイオンを除去して
いるので、陰イオン交換処理水中の塩素イオンの量に応
じた電気伝導率の変化を求めることができる。本発明方
法の操作は、容易かつ簡便であり、陰イオン交換処理水
中の塩素イオンの濃度を連続的に、あるいは間欠的に測
定することができる。本発明方法により、陰イオン交換
樹脂により処理した水中の塩素イオン濃度が1mg/リッ
トルを超えたことが検出された場合には、陰イオン交換
樹脂系への通水を止め、水酸化ナトリウム水溶液などの
再生剤を陰イオン交換樹脂に供給して樹脂を再生する。
【0007】以下、図面により本発明方法を説明する。
図1は、本発明方法の一例を示す工程図である。原水は
陰イオン交換樹脂塔1へ導かれ、陰イオン交換樹脂塔を
通過することにより塩素イオンなどの陰イオンを除去し
た陰イオン交換処理水となる。陰イオン交換処理水の一
部はバイパスを通り、H+形陽イオン交換樹脂塔2へ導
かれる。H+形陽イオン交換樹脂塔はモニター用のカラ
ムであり、小型の装置で十分である。このカラムは陽イ
オン交換樹脂が飽和するまで使用することができ、した
がって、飽和する以前に塩酸、硫酸などにより再生して
おくことが望ましい。H+形陽イオン交換樹脂塔の再生
は、例えば、所定量の通水後に行うことができ、あるい
は、陰イオン交換樹脂塔の再生時に同時に行うことがで
きる。使用する再生剤の量は、イオン交換樹脂の容量よ
り過剰とすることが望ましい。このモニター用のH+形
陽イオン交換樹脂は、陰イオン交換樹脂塔に付属して設
置することができ、あるいは、随時持ち運んで測定を行
うことができる。H+形陽イオン交換樹脂塔を出た処理
水は、次いで気液接触塔3へ導かれる。気液接触塔の形
式には特に制限はなく、例えば、泡鐘塔、多孔板塔、充
填塔などを使用することができる。本図の例において
は、処理水が上方より落下し、気体が下方より吹き込ま
れて、塔内での気液接触によりHCO3 -が除去される。
気液接触塔を出た処理水は、次いで電気伝導度計を用い
て電気伝導率を測定する。あるいは、本発明方法におい
ては、より簡便に、気液接触塔を設けることなく、H+
形陽イオン交換樹脂塔より流出する処理水を容器4に入
れ、細管5を通じて気体を送りバブリングすることによ
り、HCO3 -を除去し、電気伝導率を測定することがで
きる。
図1は、本発明方法の一例を示す工程図である。原水は
陰イオン交換樹脂塔1へ導かれ、陰イオン交換樹脂塔を
通過することにより塩素イオンなどの陰イオンを除去し
た陰イオン交換処理水となる。陰イオン交換処理水の一
部はバイパスを通り、H+形陽イオン交換樹脂塔2へ導
かれる。H+形陽イオン交換樹脂塔はモニター用のカラ
ムであり、小型の装置で十分である。このカラムは陽イ
オン交換樹脂が飽和するまで使用することができ、した
がって、飽和する以前に塩酸、硫酸などにより再生して
おくことが望ましい。H+形陽イオン交換樹脂塔の再生
は、例えば、所定量の通水後に行うことができ、あるい
は、陰イオン交換樹脂塔の再生時に同時に行うことがで
きる。使用する再生剤の量は、イオン交換樹脂の容量よ
り過剰とすることが望ましい。このモニター用のH+形
陽イオン交換樹脂は、陰イオン交換樹脂塔に付属して設
置することができ、あるいは、随時持ち運んで測定を行
うことができる。H+形陽イオン交換樹脂塔を出た処理
水は、次いで気液接触塔3へ導かれる。気液接触塔の形
式には特に制限はなく、例えば、泡鐘塔、多孔板塔、充
填塔などを使用することができる。本図の例において
は、処理水が上方より落下し、気体が下方より吹き込ま
れて、塔内での気液接触によりHCO3 -が除去される。
気液接触塔を出た処理水は、次いで電気伝導度計を用い
て電気伝導率を測定する。あるいは、本発明方法におい
ては、より簡便に、気液接触塔を設けることなく、H+
形陽イオン交換樹脂塔より流出する処理水を容器4に入
れ、細管5を通じて気体を送りバブリングすることによ
り、HCO3 -を除去し、電気伝導率を測定することがで
きる。
【0008】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限
定されるものではない。本実施例に用いた原水の水質を
第1表に示す。
に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限
定されるものではない。本実施例に用いた原水の水質を
第1表に示す。
【0009】
【表1】
【0010】なお、塩素イオン濃度は JIS K 01
01 32.5 イオンクロマトグラフ法に従って、ま
た、電気伝導率は JIS K 0101 12. 電気伝導
率に従って測定した。 実施例1 ダイヤイオンSA20A[三菱化学(株)製]100ml
を、直径28mm、長さ250mmのガラスカラムに充填し
た陰イオン交換樹脂塔と、ダイヤイオンSK1B[三菱
化学(株)製]100mlを、直径28mm、長さ250mmの
ガラスカラムに充填した陽イオン交換樹脂塔を連結し、
上記の原水を4リットル/時で通水し、一定時間ごとに
陰イオン交換樹脂塔から流出する処理水をサンプリング
し、塩素イオン濃度及び電気伝導率を測定した。また、
同時に陽イオン交換樹脂塔から流出する処理水をサンプ
リングし、容器に入れた処理水200mlに5リットル/
分の速度で5分間窒素ガスをバブリングしたのち、電気
伝導率を測定した。なお、陰イオン交換樹脂塔は、再生
レベルNaOH 500g/リットル−R(5%NaO
H溶液1リットルにて向流再生、再生流速0.3リット
ル/h)で再生し、陽イオン交換樹脂塔は、再生レベル
HCl 200g/リットル−R(5%HCl溶液0.4
リットルにて向流再生、再生流速0.3リットル/h)
で再生した。第2表に、陰イオン交換処理水の塩素イオ
ン濃度、電気伝導率、及び、さらに陽イオン交換樹脂塔
により処理した水の窒素ガスバブリング後の電気伝導率
の値を示す。
01 32.5 イオンクロマトグラフ法に従って、ま
た、電気伝導率は JIS K 0101 12. 電気伝導
率に従って測定した。 実施例1 ダイヤイオンSA20A[三菱化学(株)製]100ml
を、直径28mm、長さ250mmのガラスカラムに充填し
た陰イオン交換樹脂塔と、ダイヤイオンSK1B[三菱
化学(株)製]100mlを、直径28mm、長さ250mmの
ガラスカラムに充填した陽イオン交換樹脂塔を連結し、
上記の原水を4リットル/時で通水し、一定時間ごとに
陰イオン交換樹脂塔から流出する処理水をサンプリング
し、塩素イオン濃度及び電気伝導率を測定した。また、
同時に陽イオン交換樹脂塔から流出する処理水をサンプ
リングし、容器に入れた処理水200mlに5リットル/
分の速度で5分間窒素ガスをバブリングしたのち、電気
伝導率を測定した。なお、陰イオン交換樹脂塔は、再生
レベルNaOH 500g/リットル−R(5%NaO
H溶液1リットルにて向流再生、再生流速0.3リット
ル/h)で再生し、陽イオン交換樹脂塔は、再生レベル
HCl 200g/リットル−R(5%HCl溶液0.4
リットルにて向流再生、再生流速0.3リットル/h)
で再生した。第2表に、陰イオン交換処理水の塩素イオ
ン濃度、電気伝導率、及び、さらに陽イオン交換樹脂塔
により処理した水の窒素ガスバブリング後の電気伝導率
の値を示す。
【0011】
【表2】
【0012】陰イオン交換樹脂塔から流出する処理水中
の塩素イオンの濃度は、通水開始直後の0.2mg/リッ
トルから徐々に増加し、280BVの通水で塩素イオン
濃度が1mg/リットルを超え、その後急速に処理水中の
塩素イオン濃度が増加している。この陰イオン交換樹脂
塔から流出する処理水の電気伝導率は、処理水中の塩素
イオン濃度が増加する通水量280BVを超える領域で
は、むしろ低下していて、陰イオン交換処理水中の塩素
イオン濃度と電気伝導率の間には対応する関係は認めら
れない。これに対して、さらに陽イオン交換樹脂塔によ
り処理した水に窒素ガスバブリングをした試料の電気伝
導率は、ほぼ塩素イオン濃度と対応して変化し、塩素イ
オン濃度が1mg/リットルを超えるとき約30μS/cm
を超え、その後は塩素イオン濃度とともに急激に増加し
ている。すなわち、さらに陽イオン交換樹脂塔により処
理した水に窒素ガスバブリングをした試料の電気伝導率
の値30μS/cmを指標として、陰イオン交換処理水中
の塩素イオン濃度が1mg/リットルに達する点を容易に
管理することができる。なお、さらに陽イオン交換樹脂
塔により処理した水に窒素ガスバブリングをした試料の
M−アルカリ度、硫酸イオン、ナトリウムイオン、カル
シウムイオン、マグネシウムイオンの濃度は、すべて0
mg/リットルで推移した。 実施例2 陰イオン交換樹脂塔の再生レベルを、NaOH 52g
/リットル−R(5%NaOH溶液0.11リットルに
て向流再生、再生流速0.3リットル/h)としたこと
以外は、実施例1と全く同じ操作を繰り返した。第3表
に、陰イオン交換処理水の塩素イオン濃度、電気伝導
率、及び、さらに陽イオン交換樹脂塔により処理した水
の窒素ガスバブリング後の電気伝導率の値を示す。
の塩素イオンの濃度は、通水開始直後の0.2mg/リッ
トルから徐々に増加し、280BVの通水で塩素イオン
濃度が1mg/リットルを超え、その後急速に処理水中の
塩素イオン濃度が増加している。この陰イオン交換樹脂
塔から流出する処理水の電気伝導率は、処理水中の塩素
イオン濃度が増加する通水量280BVを超える領域で
は、むしろ低下していて、陰イオン交換処理水中の塩素
イオン濃度と電気伝導率の間には対応する関係は認めら
れない。これに対して、さらに陽イオン交換樹脂塔によ
り処理した水に窒素ガスバブリングをした試料の電気伝
導率は、ほぼ塩素イオン濃度と対応して変化し、塩素イ
オン濃度が1mg/リットルを超えるとき約30μS/cm
を超え、その後は塩素イオン濃度とともに急激に増加し
ている。すなわち、さらに陽イオン交換樹脂塔により処
理した水に窒素ガスバブリングをした試料の電気伝導率
の値30μS/cmを指標として、陰イオン交換処理水中
の塩素イオン濃度が1mg/リットルに達する点を容易に
管理することができる。なお、さらに陽イオン交換樹脂
塔により処理した水に窒素ガスバブリングをした試料の
M−アルカリ度、硫酸イオン、ナトリウムイオン、カル
シウムイオン、マグネシウムイオンの濃度は、すべて0
mg/リットルで推移した。 実施例2 陰イオン交換樹脂塔の再生レベルを、NaOH 52g
/リットル−R(5%NaOH溶液0.11リットルに
て向流再生、再生流速0.3リットル/h)としたこと
以外は、実施例1と全く同じ操作を繰り返した。第3表
に、陰イオン交換処理水の塩素イオン濃度、電気伝導
率、及び、さらに陽イオン交換樹脂塔により処理した水
の窒素ガスバブリング後の電気伝導率の値を示す。
【0013】
【表3】
【0014】陰イオン交換樹脂塔から流出する処理水中
の塩素イオンの濃度は、通水開始直後の0.2mg/リッ
トルから徐々に増加し、通水量160BVで塩素イオン
濃度が1mg/リットルを超え、その後急速に処理水中の
塩素イオン濃度が増加している。この陰イオン交換処理
水の電気伝導率と塩素イオン濃度の間には、対応する関
係は認められない。これに対して、さらに陽イオン交換
樹脂塔により処理した水に窒素ガスバブリングをした試
料の電気伝導率は、ほぼ塩素イオン濃度と対応して変化
し、塩素イオン濃度が1mg/リットルを超えるとき約3
0μS/cmを超え、その後は塩素イオン濃度とともに急
激に増加していて、原水処理条件が実施例1と異なって
いても、実施例1の結果がほぼ再現されている。すなわ
ち、さらに陽イオン交換樹脂により処理した水に窒素ガ
スバブリングをした試料の電気伝導率の値30μS/cm
を指標として、陰イオン交換処理水中の塩素イオン濃度
が1mg/リットルに達する点を容易に管理することがで
きる。
の塩素イオンの濃度は、通水開始直後の0.2mg/リッ
トルから徐々に増加し、通水量160BVで塩素イオン
濃度が1mg/リットルを超え、その後急速に処理水中の
塩素イオン濃度が増加している。この陰イオン交換処理
水の電気伝導率と塩素イオン濃度の間には、対応する関
係は認められない。これに対して、さらに陽イオン交換
樹脂塔により処理した水に窒素ガスバブリングをした試
料の電気伝導率は、ほぼ塩素イオン濃度と対応して変化
し、塩素イオン濃度が1mg/リットルを超えるとき約3
0μS/cmを超え、その後は塩素イオン濃度とともに急
激に増加していて、原水処理条件が実施例1と異なって
いても、実施例1の結果がほぼ再現されている。すなわ
ち、さらに陽イオン交換樹脂により処理した水に窒素ガ
スバブリングをした試料の電気伝導率の値30μS/cm
を指標として、陰イオン交換処理水中の塩素イオン濃度
が1mg/リットルに達する点を容易に管理することがで
きる。
【0015】
【発明の効果】本発明方法によれば、陰イオン交換樹脂
により処理した水を、H+形陽イオン交換樹脂で処理
し、さらに気液接触処理することによって、陰イオン交
換処理水中の電気伝導率に影響を与えるイオンが排除さ
れ、塩素イオンの濃度に応じた電気伝導率を測定するこ
とができ、陰イオン交換処理水中の塩素イオンを1mg/
リットル程度の低濃度レベルで、簡易に管理することが
できる。
により処理した水を、H+形陽イオン交換樹脂で処理
し、さらに気液接触処理することによって、陰イオン交
換処理水中の電気伝導率に影響を与えるイオンが排除さ
れ、塩素イオンの濃度に応じた電気伝導率を測定するこ
とができ、陰イオン交換処理水中の塩素イオンを1mg/
リットル程度の低濃度レベルで、簡易に管理することが
できる。
【図1】図1は、本発明方法の一例を示す工程図であ
る。
る。
1 陰イオン交換樹脂塔 2 H+形陽イオン交換樹脂塔 3 気液接触塔 4 容器 5 細管
Claims (1)
- 【請求項1】水中の塩素イオンを陰イオン交換樹脂によ
り除去するに際して、陰イオン交換樹脂系からの流出水
をH+形陽イオン交換樹脂と接触させ、次いで気液接触
処理した後、処理水の電気伝導率を測定することを特徴
とする塩素イオンの簡易モニター方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32967194A JPH08155451A (ja) | 1994-12-02 | 1994-12-02 | 塩素イオンの簡易モニター方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32967194A JPH08155451A (ja) | 1994-12-02 | 1994-12-02 | 塩素イオンの簡易モニター方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08155451A true JPH08155451A (ja) | 1996-06-18 |
Family
ID=18223971
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32967194A Pending JPH08155451A (ja) | 1994-12-02 | 1994-12-02 | 塩素イオンの簡易モニター方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08155451A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6911152B2 (en) * | 2001-10-25 | 2005-06-28 | Korea Electric Power Corporation | High-sensitivity method and apparatus for monitoring impurities in water |
JP2009250760A (ja) * | 2008-04-04 | 2009-10-29 | Nikkiso Co Ltd | 地熱蒸気井用自動成分分析装置 |
JP2010277972A (ja) * | 2009-06-01 | 2010-12-09 | Japan Organo Co Ltd | 燃料電池の水処理装置 |
CN114602298A (zh) * | 2017-03-31 | 2022-06-10 | 三菱重工业株式会社 | 无排水化排气处理系统和无排水化排气处理方法 |
-
1994
- 1994-12-02 JP JP32967194A patent/JPH08155451A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6911152B2 (en) * | 2001-10-25 | 2005-06-28 | Korea Electric Power Corporation | High-sensitivity method and apparatus for monitoring impurities in water |
JP2009250760A (ja) * | 2008-04-04 | 2009-10-29 | Nikkiso Co Ltd | 地熱蒸気井用自動成分分析装置 |
JP2010277972A (ja) * | 2009-06-01 | 2010-12-09 | Japan Organo Co Ltd | 燃料電池の水処理装置 |
CN114602298A (zh) * | 2017-03-31 | 2022-06-10 | 三菱重工业株式会社 | 无排水化排气处理系统和无排水化排气处理方法 |
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