JPH08154801A

JPH08154801A - 敷物

Info

Publication number: JPH08154801A
Application number: JP33157494A
Authority: JP
Inventors: Toshio Morita; 寿夫森田
Original assignee: MORITA SANGYO KK
Current assignee: MORITA SANGYO KK
Priority date: 1994-12-08
Filing date: 1994-12-08
Publication date: 1996-06-18
Anticipated expiration: 2013-09-21
Also published as: JP2799682B2

Abstract

(57)【要約】【目的】可使時間が長く、敷き替え易く、持ち運び易
く、洗濯し易く、乾燥に長時間を要せず、簡便に洗濯し
乾燥することが出来、特に公衆浴場等での業務用敷物に
好適な敷物を提供する。【構成】繊維破片１１が静電植毛された植毛部１２
と、繊維破片１１が静電植毛されない非植毛部１３とが
表面に散在しており、植毛部１２が非植毛部１３よりも
高く突き出た凸部を形成し、非植毛部１３が凹部を形成
しており、非植毛部１３が表裏に向けて透水可能になっ
ている裏地１４の表面に、裏面が繊維１５によって構成
され表裏に向けて透水可能な表地１６を剥離自在に重ね
合わせて敷物１７を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、浴室出入口やサウナ風
呂等の床面、腰掛表面、ベット表面等の素肌の接する部
分に敷設される敷物に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】浴室出入口やサウナ風呂には、足腰等の
濡れた素肌の水分を拭き取るための敷物が敷設されてい
る。そのような拭取用敷物には、天然繊維やレーヨン、
吸水性アクリル繊維等の吸水性繊維によってパイル層を
形成したタオル地やタフテッドパイル布帛等のパイル布
帛が使用されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】確かに、敷物の吸水能
はパイル目付に比例して増し、パイル層の厚い敷物は水
分を拭き取り易い。しかし同時に、パイル目付の多い敷
物では、水分がパイル層に深く浸透するので乾き難くな
る。このため、一般家庭におけるように、限られた数人
の者が使用する場合は殊更不都合は生じないが、不特定
多数の者によって使用される公衆浴場等に敷設される業
務用敷物では、拭き取り使用する利用客の数と共にパイ
ル層に含まれる水分も次第に増え、不快感を与える程に
濡れてしまうので、一日に何回ともなく敷き替えなけれ
ばならなくなる。しかし、パイル層の厚い敷物はそれ自
体重いものであり、それが濡れると一層重く持ち運び難
いものとなる。加えて、パイル層の厚い敷物では、それ
を乾かす迄には長時間を要するので、何枚もの敷物を用
意し、敷き替える度に洗濯して代る代る使用しなければ
ならなくなるので、専用の洗濯装置や乾燥装置、そして
それらを設置する広い作業場が必要となる。このため、
公衆浴場等で使用される業務用敷物の敷き替えは、専門
業者に頼らざるを得ないのが実情である。

【０００４】

【発明の目的】そこで本発明は、可使時間が長く、敷き
替え易く、持ち運び易く、洗濯し易く、乾燥に長時間を
要せず、簡便に洗濯し乾燥することが出来、特に公衆浴
場等での業務用敷物に好適な敷物を提供しようとするも
のである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明に係る敷物１７
は、繊維破片１１が静電植毛された植毛部１２と、繊維
破片１１が静電植毛されない非植毛部１３とが表面に散
在しており、植毛部１２が非植毛部１３よりも高く突き
出た凸部を形成し、非植毛部１３が凹部を形成してお
り、非植毛部１３が表裏に向けて透水可能になっている
裏地１４の表面に、裏面が繊維１５によって構成され、
表裏に向けて透水可能な表地１６を剥離自在に重ね合わ
せて構成されることを特徴とするものである。

【０００６】

【公知技術との関係】裏地１４の表面の植毛部１２を構
成する繊維破片１１は一種のパイルであり、裏地１４は
一種のカットパイルカーペットと見ることも出来る。そ
して、表地１６にパイル布帛を使用することも出来る。
このため、表地１６にパイル布帛を使用する場合には、
本発明に係る敷物１７は、一見して床面に敷き込んだカ
ットパイルカーペット、所謂一次カーペット、の上に、
付飾的に置き敷き使用されるマット、所謂二次カーペッ
ト、を重ね敷きしたかの如き観を呈することになる。こ
の点で、本発明は、一次カーペットの上に二次カーペッ
トを置き敷き使用する場合に生じる不都合を解消する手
段、即ち、二次カーペットのズレ移動を防止するために
提案されている種々の公知技術（以下、単に公知技術と
言う。）、例えば、次の〔表１〕に示す特許出願公開公
報および実用新案登録出願公開公報に開示されたものと
混同され易い面がある。そこで本発明と〔表１〕に示す
公知技術との相異について以下説明する。

【０００７】

【表１】

【０００８】公知技術は、長さが概して５〜２０ｍｍで
緻密に基布に垂直に単糸繊度が１０デニール以下で概し
て１〜５デニールの繊維になるカットパイルを植設した
クッション性すなわちパイル層の圧縮弾性回復力に優れ
た一次カーペットの上に置き敷きされた小サイズの二次
カーペットが、踏まれる度に足からの押圧を受け、その
度に、その下の一次カーペットのカットパイルが斜めに
倒れる。その一次カーペットのカットパイルの傾斜した
方向に、そのカットパイルの先端が傾斜して移動した分
だけ、そのカットパイルの移動方向に、そのカットパイ
ルの先端と共に、二次カーペットが移動することにな
る。そして、足が二次カーペットから離れ、二次カーペ
ットの下で押圧されていた一次カーペットのカットパイ
ルが、その押圧から解放されると、そのカットパイルの
有する弾性回復力によって、そのカットパイルは元の直
立した状態に復帰することになる。その復帰する過程に
おいて、足からの押圧がなくなると、二次カーペットが
その自重の分だけ一次カーペットのカットパイルに軽く
接するだけの状態、つまり、二次カーペットが一次カー
ペットのカットパイルの上に浮いた状態、より詳しく言
えば、接着した場合のように一次カーペットのカットパ
イルに強く係合した状態にはならない。このため、その
カットパイルの先端が移動し復帰する分だけ、そのカッ
トパイルの移動し復帰する方向に、そのカットパイルの
先端と共に、二次カーペットは、その傾斜状態から直立
状態に復帰する一次カーペットのカットパイルの先端に
追随して移動せず、足からの押圧を受けて倒れる一次カ
ーペットのカットパイルの先端と共に移動したままの状
態に取り残されることになる。このようにして一次カー
ペットの上に置敷した二次カーペットは、踏まれる度
に、一次カーペットのカットパイルが倒れてその先端が
動いた分だけズレ移動し、その繰り返しによって次第に
大きくズレ移動することになる。

【０００９】

【公知技術に対比される本発明の特異点】公知技術は、
このようにして二次カーペットがズレ移動することを防
ぐための手段である。その〔表１〕に示す公知技術の必
須要件は、一次カーペットの表面のパイルの先端に密着
し係合する突起物や粘着性物質等を、二次カーペットの
裏面に付設することにある。従って、公知技術に対比さ
れる本発明の相異は次の点にある。（１）表地１６の裏面には、公知技術の二次カーペッ
トの裏面に見られるような突起物や粘着性物質はなく、
バッキング材の裏打されない二次カーペットの原反のよ
うに、表地１６の裏面は繊維１５によって構成され、そ
の構成する繊維１５が生地の状態で表地１６の裏面に露
出している。（２）裏地１４の表面は、公知技術の一次カーペット
の表面のように全面がカットパイルによって形成されて
おらず、カットパイルの一種である繊維破片１１が部分
的に静電植毛されている。

【００１０】

【本発明の実施態様】表地１６は、その表面に素肌を接
して使用することが出来、裏面が繊維１５によって構成
されているものであればよく、それにはタオル織物、パ
イル織物（モケット）、タフテッドパイル布帛、パイル
編物等のほか、敷物１７をベッドシーツとして使用する
場合には一般の織物や編物、フエルトその他の不織布も
表地１６として使用され、更には、バッキング剤によっ
てパイル１９を生地２０に接着したカーペットでも、そ
の裏面にフエルトその他の布帛を貼り合わせて表地１６
に適用することが出来る。表地１６の周りには縁取３３
で縁取っておくとよい（図２）。

【００１１】裏地１７は、織物、編物、不織布等の布帛
３６に樹脂１８を部分的に塗着して盛り上げた凸部１２
と樹脂１８が塗着されずに透水性を有する生地のままに
残された部分１３とからなる可撓な樹脂加工された布帛
類であってもよい。しかし裏地１７は、織物、編物、不
織布等の可撓なものに限定されず、木材や金属等によっ
て凸部１２に囲まれる凹部１３を表裏向けて貫通した空
隙とするネット状の構造物、例えば、スノコ、或いは、
打ち抜き孔を有するプラスチック発泡体シート等も裏地
１７に使用することが出来る。凸部１２の表面にバイン
ダー２１を塗着して繊維破片１１を静電植毛して植毛部
を形成する。裏地１４の裏面３７には静電植毛せず、樹
脂皮膜のままにしておくと（図１）、樹脂皮膜の有する
粘性によって裏面３７が床面に密着し、裏地１４が滑り
難くなるので好都合である。

【００１２】このように裏地１４に透水可能な凹部１３
を形成する理由は、表地１６から移行した水分を裏地１
４の裏側へと透過させるためである。そのようにする
と、その透過した水分が再び表地１６に逆戻りして敷物
１７がベタツキ感を与えるようなことなくなる。そのた
めには、その凸部１２の上端（頂部）から凹部１３の裏
面までの距離（厚みＨ）を３ｍｍ以上、好ましくは５ｍ
ｍ以上にするとよい。

【００１３】凸部１２の表面に繊維破片１１を静電植毛
する第一の理由は、表地１６の裏面が、生地のまま露出
した繊維１５によって構成されているので、裏地１４に
植毛された繊維破片１１の先端が、表地１６の裏面の繊
維と繊維の間に突き刺って絡まり易く、その結果、表地
１６と裏地１４が一体化するためである。このように、
表地１６の裏面に突き刺さり易くするためには、繊維破
片１１を剛直にする必要がある。そのためには、繊維破
片１１の単糸繊度を、一般カーペットのパイル繊維に比
して太い５〜１００デニール、好ましくは１０〜８０デ
ニール、更に好ましくは１５〜５０デニール、概して２
５デニール前後（２５±５デニール）とし、繊維破片１
１の長さも、一般カーペットのパイル長よりも短い０．
５〜５ｍｍ、好ましくは１〜３ｍｍ、更に好ましくは２
ｍｍ前後とする。

【００１４】凸部１２の表面に繊維破片１１を静電植毛
する第二の理由は、静電植毛される繊維破片１１は、個
々不特定（ランダム）方向に傾斜しており、ウイルトン
織機やタフテッド織機等の一般カーペットを製造する装
置によって形成されるパイル繊維のように基布に垂直
（直角）に植設されない。このため、仮に繊維破片１１
の長さが一般カーペットのパイル繊維と同様に７ｍｍ以
上とする場合でも、植毛部１２が踏みつけられると、繊
維破片１１は、個々にランダム方向つまり四方八方に倒
れることになり、前記一次カーペットのパイル繊維のよ
うに一定方向に揃って倒れないので、前記一次カーペッ
トの上に置き敷きする場合のように、表地１６が裏地１
４の上でズレ移動するようなことは起こらなくなるから
である。

【００１５】凸部１２の表面に繊維破片１１を静電植毛
する第三の理由は、表地１６の裏面に接する部分は隆起
した凸部１２であるから繊維破片１１が表地１６に突き
刺さり易く、繊維破片１１が裏地１４の全面に植毛され
ておらず、植毛部１２が非植毛部１３に分断されている
ので、仮に繊維破片１１が前記一次カーペットのパイル
繊維のように一定方向に揃って倒れるようなことがあっ
ても表地１６が裏地１４の上でズレ移動し難くなるため
である。

【００１６】繊維破片１１が表地１６の裏面に突き刺さ
り易くするには、静電植毛する繊維破片１１の目付を少
なく（粗く）するとよく、例えば、長さが２ｍｍで単糸
繊度が２０デニールの繊維破片１１を使用する場合に
は、その静電植毛する繊維破片１１の目付を１５０〜３
５０ｇ／ｍ²、好ましくは２５０ｇ／ｍ²前後にすると
よい。裏地１４の周囲は枠３４で縁取っておき、その枠
３４に囲まれる窪み３５の中に表地１６を嵌め込むよう
にするとよい（図２）。

【００１７】

【実施例】図３は、本発明の第１実施例を図示するもの
である。裏地１４は、経編ネットを基材とし、そのネッ
ト隙間２２を塞ぐことなく発泡性塩化ビニルペーストレ
ジン１５を塗着して加熱発泡処理し、その発泡して隆起
した凸部１２の表面に長さ２ｍｍ、単糸繊度２０デニー
ル繊維破片１１が静電植毛され、塩化ビニルペーストレ
ジン１８の塗着されたネット隙間２２が凹部１３を形成
している。経編ネットは、ウエール方向に続く地経糸の
鎖編列２３に編み込む挿入糸２４を数コース毎に隣合う
鎖編列へと移動させ、その挿入糸２４によって鎖編列
（２３・２３）の間を連結して編成されている。ネット
隙間２２は、各鎖編列間（２３・２３）のスペースを、
その間で移動する挿入糸２４で仕切って形成されてい
る。凹部１３の開口面積は０．２〜１ｃｍ²になってお
り、裏地の全面積の略５０％（半分）を占めており、繊
維破片１１の植毛目付は２５０ｇ／ｍ²になっている。

【００１８】図４は、本発明の第２実施例を図示するも
のである。裏地１４には、表編地２６と裏編地２７を連
結糸２５で連結し、表編地２６と裏編地２７の間に層厚
み（Ｈ）５ｍｍの空隙層２８を形成したダブルラッセル
経編地が使用されている。裏編地２７は、一般経編地と
同様に、地経糸の形成する鎖編列２９・２９の間を挿入
糸３０で連結して編成されている。表編地２６は、亀甲
紗を形成しており、挿入糸は編み込まれていない。表編
地２６の亀甲紗を形成する鎖編列３２には発泡性塩化ビ
ニルペーストレジン１８を塗着して加熱発泡処理し、そ
の発泡した凸部１２の表面に繊維破片１１が静電植毛さ
れ、鎖編列３２・３２に囲まれるネット隙間３１が凹部
１３を形成している。

【００１９】

【発明の効果】本発明に係る敷物１７は、繊維破片１１
が静電植毛された植毛部１２と、繊維破片１１が静電植
毛されない非植毛部１３とが表面に散在しており、植毛
部１２が非植毛部１３よりも高く突き出た凸部を形成
し、非植毛部１３が凹部を形成しており、非植毛部１３
が表裏に向けて透水可能になっている裏地１４の表面
に、裏面が繊維１５によって構成され表裏に向けて透水
可能な表地１６を重ね合わせると、裏地１４の繊維破片
１１が突き刺さって表地１６と裏地１４が係脱自在に一
体化し易い。

【００２０】そのように重ね合わせた敷物１７を足拭き
マット等として使用すると、表地１６に付着した水分が
裏地１４の凹部１３を透過して排出されるので、表地１
６は、水を拭き取り易い乾燥状態に維持され、その拭き
取る際に不快なベタツキ感を与えない。

【００２１】そして敷物１７が汚れた場合には、裏地１
４から剥離して表地１６だけを取り替えて洗濯すればよ
く、裏地１４までも洗濯する必要がなく、而も、表地１
６にはタオル地のように比較的低目付のパイル布帛が使
用し得、そのような低目付のパイル布帛は、持ち運び易
く、一般家庭用洗濯機によって随時洗濯することが出
来、その乾燥に特別な乾燥装置や広いスペースを要しな
い。このため本発明は、頻繁に取り替えて使用される公
衆浴場その他の業務用敷物に頗る実用的である。

【００２２】尚、この明細書の特許請求の範囲の欄の記
載事項には、図面に表示した番号に対応する番号を付記
しているが、その付記した番号は、この明細書の内容を
理解し易くするためのものであり、その付記した番号に
よって、その付記された特許請求の範囲の欄の記載事項
が、図面の記載事項に限定されることを意味するもので
はない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る敷物の拡大断面図である。

【図２】本発明に係る敷物の表地と裏地に分離した状態
の拡大断面図である。

【図３】本発明に係る敷物を構成する裏地の一部切截拡
大斜視図である。

【図４】本発明に係る敷物を構成する裏地の一部切截拡
大斜視図である。

【符号の説明】

１１繊維破片１２植毛部１３非植毛部１４裏地１５繊維１６表地１７敷物１８樹脂１９パイル２０生地２１バインダー２２ネット隙間２３鎖編列２４挿入糸２５連結糸２６表編地２７裏編地２８空隙層２９鎖編列３０挿入糸３１ネット隙間３２鎖編列３３縁取３４枠３５窪み３６布帛３７裏面

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】繊維破片（１１）が静電植毛された植毛
部（１２）と、繊維破片（１１）が静電植毛されない非
植毛部（１３）とが表面に散在しており、植毛部（１
２）が非植毛部（１３）よりも高く突き出た凸部を形成
し、非植毛部（１３）が凹部を形成しており、非植毛部
（１３）が表裏に向けて透水可能になっている裏地（１
４）の表面に、裏面が繊維（１５）によって構成され表
裏に向けて透水可能な表地（１６）を剥離自在に重ね合
わせて構成されることを特徴とする敷物。
【請求項２】前掲請求項１に記載の裏地（１４）がネ
ットを基材とし部分的に樹脂（１８）を塗着して形成し
た凸部（１２）の表面に繊維破片（１１）を静電植毛し
て植毛部（１２）を形成したものであり、表地（１６）
がパイル布帛であることを特徴とする前掲請求項１に記
載の敷物。
【請求項３】前掲請求項１に記載の繊維破片（１１）
の単糸繊度が５〜１００デニールであり、長さが０．５
〜５ｍｍであることを特徴とする前掲請求項１に記載の
敷物。
【請求項４】前掲請求項１に記載の繊維破片（１１）
の単糸繊度が１５〜５０デニールであり、長さが１〜３
ｍｍであり、裏地（１４）の表面に静電植毛した繊維破
片（１１）の目付が１５０〜３５０ｇ／ｍ²であり、静
電植毛した繊維破片（１１）が不特定方向に傾斜してい
ることを特徴とする前掲請求項１に記載の敷物。