JPH0815362A - 送電線サージ標定システム - Google Patents

送電線サージ標定システム

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JPH0815362A
JPH0815362A JP33416793A JP33416793A JPH0815362A JP H0815362 A JPH0815362 A JP H0815362A JP 33416793 A JP33416793 A JP 33416793A JP 33416793 A JP33416793 A JP 33416793A JP H0815362 A JPH0815362 A JP H0815362A
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JP
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surge
level
time
transmission line
station
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Application number
JP33416793A
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English (en)
Inventor
Takeshi Oohira
壯 大衡
Masaaki Ozawa
正明 小沢
Yutaka Kikuchi
豊 菊池
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FAR EAST MERCANTILE CO
Tohoku Electric Power Co Inc
Kyokuto Boeki Kaisha Ltd
Original Assignee
FAR EAST MERCANTILE CO
Tohoku Electric Power Co Inc
Kyokuto Boeki Kaisha Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 精度良くサージ発生箇所を標定することがで
き、かつ、簡単な回路で、生成される信号の遅延などに
より、標定誤差が影響を与えられない送電線サージ標定
システムを提供することにある。 【構成】 送電線の両端に設置された二つの局の間で発
生し、各局で受信されたサージのレベルおよびサージが
そのレベルに到達した時間に基づいて、前記サージの発
生箇所を標定する標定手段を備えた送電線サージ標定シ
ステムにおいて、標定手段が、各局で受信したサージの
レベルのうち、各局間で共通する二つのレベルを選択す
る選択手段40,42と、選択されたレベルに基づい
て、サージが到達した時間を線型補正する補正手段40
とを有し、補正手段により補正された時間に基づいてサ
ージの発生箇所を標定するように構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、送電線に発生するサー
ジの発生箇所を標定するサージ標定システムに関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】送電線が地絡、短絡することにより、或
いは、送電線に雷が直撃する等により、送電線にサージ
が発生する。従来より、このようなサージを、隣接する
親局および子局において受信し、各局で受信されたサー
ジのレベルに基づいて、サージが発生した箇所を標定す
る送電線サージ標定システムが知られている。このよう
な、送電線サージ標定システムにおいては、一定のレベ
ルに到達したサージが隣接する親局および子局に到達し
た時間の時間差を計測し、下記の式(1) に基づいて、親
局からサージの発生した箇所までの距離L1 を算出して
いる。 L1 =(L−c・Δt)/2 ・・・・・(1) (ただし、L:両端に設置された親局と子局との間の距
離、Δt:時間差、c:サージ伝搬速度) 現在、多くの送電線サージ標定システムは、一般にB型
或いはマイクロB型と称され、一定のレベルに到達した
サージを親局及び子局のそれぞれが受信するとともに、
子局が、該サージを受信した旨を、地上系の有線の通信
回線或いはマイクロ波無線を介して親局に通知し、親局
が自局の受信時間と子局の受信時間との時間差を算出
し、この時間差を(1) 式に適用することにより、サージ
の発生箇所を標定している。
【0003】上述した送電線サージ標定システムにおい
ては、親局および子局が、同一の形状の波形を受理する
ことが理想である。しかしながら、親局および子局の各
々に到達するサージの波形の形状、波頭長、波高値など
は、送電線の状態、送電所の電気所構内にある共通母線
からサージを取り込む機器の特性或いは機器の負荷若し
くは他の送電線の影響により変動或いは減衰する。した
がって、送電線サージ標定システムは、親局および子局
があたかもほぼ同一の波形を受理したように、親局に到
達したサージ或いは子局に到達したサージの時間差を補
正する必要がある。かかるサージを補正する方法とし
て、従前より、二電位法が知られている。この二電位法
においては、図7に示すように、サージの立ち上がり部
分が直線に近似されているという経験的な前提に基づい
て、二つのサージ検出レベルV,2Vを設定して、レベ
ルV,2Vが、それぞれ検出された二点A,Bを通る直
線と、ゼロレベルとの交点Tを、サージの到達時間と仮
定している。実公昭58−28219には、かかる二電
位法を用いた送電線サージ標定システムが開示されてい
る。この送電線サージ標定システムにおいては、各局
に、レベルの低い方から隣接するレベルが2倍の関係を
有する所定のレベルL1,L2,L4,L8に受信した
サージが到達したことを、それぞれ検出する複数のサー
ジ検出器が設けられている。そして、各局は、隣接する
サージ検出器が、それぞれのレベルへの到達を検出した
時間の時間差から、該隣接するサージ検出器によりレベ
ル検出された二点を通る直線と、ゼロレベルとの交点を
算出し、最新の交点、すなわち、最も高い検出レベルの
サージ検出器と、次に高い検出レベルのサージ検出器に
より検出された二点を通る直線と、ゼロレベルとの交点
を、補正されたサージの到着時間としている。
【0004】次いで、この送電線サージ標定システムの
子局においては、補正されたサージの到着時間から所定
時間が経過したことを示す信号を、地上系の有線の通信
回線或いはマイクロ波により親局に通知する。親局は、
子局により通知された信号に基づいて、親局における補
正されたサージの到着時間と、子局における補正された
サージの到着時間との差分値から、サージの発生箇所の
標定を行っている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな送電線サージ標定システムにおいては、各局が、個
別に、最新の交点を算出し、子局においては、この交点
を補正されたサージの到着時間として、サージ到着時間
から所定時間が経過したことを示す信号を単に親局に通
知するにすぎなかったため、親局は、子局において、い
かなるレベルの間の検出時間の時間差に基づいて、サー
ジの到着時間が補正されたかを知ることができなかっ
た。また、検出レベルは、1:2:4:8というよう
に、固定された比で設定されているため、レベルL1の
側から検出レベルを設定するか、或いは、レベルL8の
側から検出レベルを設定するかによって、距離標定の精
度が異なる場合があった。ここに、図8は、各局に受信
される典型的なサージの例を示す図であり、Mwは親局
に受信されるサージを、Swは子局に受信されるサージ
を示している。図8に示すように、親局に受信されたサ
ージMwは、レベルL8にまで達しているのに対して、
子局に受信されたサージSwは、レベルL4には達して
いるが、レベルL8には達していない場合、子局におい
ては、サージSwがレベルL2に到達した時間と、レベ
ルL4に到達した時間の検出時間の差に基づいて、補正
されたサージの到着時間TS0が算出されるのに対し、親
局においては、サージMwがレベルL4に到達した時間
と、レベルL8に到達した時間との間の検出時間の差に
基づいて、補正されたサージの到達時間TM0が算出され
る場合がある。
【0006】このように、各局が、独自に補正されたサ
ージの到着時間を算出する構成をとり、補正されたサー
ジの到着時間を算出するために用いられるサージの検出
レベルが、各局により異なることによって、せっかく距
離補正をおこなっても、かえって標定の誤差を増すおそ
れがあった。たとえば、図8に示すように、親局に受信
されたサージMwの補正された到着時間TM0と、子局に
受信されたサージSwのレベルが上昇し始めた点を、サ
ージMwのレベルが上昇し始めた点にまで仮想的に平行
移動させたサージSw’の補正された到着時間TS0'と
は、一致すべきであるのに対して、親局および子局の補
正されたサージの到着時間TM0,TS0'の間には、時間Ter
だけの誤差が生じてしまう。したがって、従来の送電線
サージ標定システムにおいては、上述した補正を行うこ
となく、サージの発生箇所の標定を行ってきるのが現状
である。さらに、上述した従来の送電線サージ標定シス
テムは、補正されたサージの到達時間から所定時間が経
過したことを示す信号を生成するために、比較的複雑な
回路を必要とし、親局は、この信号をに受理することに
より、親局と子局の到達時間の時間差を計測するため、
この信号を生成する際の信号遅延や、この信号の伝送中
の信号遅延などが、標定誤差に影響を与えていた。
【0007】したがって、本発明の第1の目的は、精度
良くサージ発生箇所を標定することができる送電線サー
ジ標定システムを提供することにある。さらに、本発明
の第2の目的は、簡単な回路で、生成される信号の遅延
などにより、標定誤差が影響を与えられない送電線サー
ジ標定システムを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の目的は、
送電線の両端に設置された二つの局の間で発生し、各局
で受信されたサージのレベルおよびサージがそのレベル
に到達した時間に基づいて、前記サージの発生箇所を標
定する標定手段を備えた送電線サージ標定システムにお
いて、前記標定手段が、前記各局で受信したサージのレ
ベルのうち、各局間で共通する二つのレベルを選択する
選択手段と、選択されたレベルに基づいて前記サージが
到達した時間を線型補正する補正手段とを有し、前記補
正手段によりこの補正された時間に基づいて前記サージ
の発生箇所を標定するように構成されたことを特徴とす
る送電線サージ標定システムによって達成される。本発
明の第2の目的は、さらに、前記各局が、それぞれ、前
記サージが前記共通する二つのレベルに到達した時間を
計測する時間計測手段を有し、さらに、前記各局のうち
の少なくとも一つの局が、前記各局の時間計測手段によ
り計測された時間を受理する手段を有することにより達
成される。本発明の好ましい実施態様においては、前記
補正手段が、前記各局の前記選択されたレベルにサージ
が到達した時間の時間差を、それぞれ算出し、この時間
差および前記選択された二つのレベルに基づいて算出さ
れた補正値により、前記サージが到達した時間を線型補
正するように構成されている。
【0009】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記選択手段が、前記各局間で共通するレベルのう
ち、最も高いレベルと、これに隣接するレベルとを選択
するように構成されている。また、本発明の第1の目的
は、送電線の両端に設置された二つの局の間で発生し、
各局で受信されたサージのレベルおよびサージがそのレ
ベルに到達した時間に基づいて、前記サージの発生箇所
を標定する送電線サージの標定方法において、前記各局
に受信されたサージのレベルのうち、前記各局間で共通
する二つのレベルを選択し、前記選択されたレベルに基
づいて前記サージが到達した時間を線型的に補正するよ
うに構成されている送電線サージの標定方法によっても
達成される。さらに、本発明の第2の目的は、さらに、
各局が、それぞれ、前記サージが前記二つのレベルに到
達した時間を計測するステップを有することによっても
達成される。本発明の好ましい実施態様においては、前
記線型的に補正するステップが、前記各局の前記選択さ
れたレベルにサージが到達した時間の時間差を、それぞ
れ算出し、前記時間差および前記選択された二つのレベ
ルに基づいて補正値を算出するように構成されている。
【0010】
【作用】本発明によれば、各局で受信されたサージのレ
ベルのうち、各局間で共通する二つのレベルを選択し、
この選択されたレベルにサージが到達した時間に基づい
て、サージの到達時間を線型補正するため、各局に受信
されたサージのレベルを把握することができ、精度良く
サージの発生箇所を標定することが可能となる。また、
本発明によれば、各局が、サージが前記共通する二つの
レベルに到達した時間を計測する計測手段を有している
ため、この時間に基づいて、サージの到達時間を線型補
正することができ、簡単な回路で、生成される信号の遅
延などの影響等を排除して、精度良くサージの発生箇所
を標定することが可能となる。本発明の、好ましい実施
態様によれば、前記補正手段が、前記選択されたレベル
にサージが到達した時間の時間差を算出し、この時間差
および選択されたレベルの比に基づいて補正値を算出す
るため、簡単な回路で、さらに精度良くサージの発生箇
所を標定することが可能となる。
【0011】
【実施例】以下、添付図面に基づいて、本発明の実施例
につき詳細に説明を加える。図1は、本発明の実施例に
かかる送電線サージ標定システムに含まれる親局の構成
を示すブロック図である。この親局は、送電線(図示せ
ず)からのサージを受信するサージ受信部12と、サー
ジ受信部12の出力電圧と雑音レベルよりも大きな閾値
VTHとを比較し、出力電圧の方が大きいときにVTH検出
信号を出力するVTH検出部14と、VTH検出信号を保持
するVTHラッチ16と、サージ受信部12の出力電圧と
所定の電圧V1 とを比較し、出力電圧の方が大きいとき
に、V1レベル検出信号を出力するV1レベル検出部1
8と、V1レベル検出信号を保持するV1レベルラッチ
20と、サージ受信部12の出力電圧と所定の電圧V2
とを比較し、出力電圧の方が大きいときに、V2レベル
検出信号を出力するV2レベル検出部22と、V2レベ
ル検出信号を保持するV2レベルラッチ24と、サージ
受信部12の出力電圧と所定の電圧V3とを比較し、出
力電圧の方が大きいときに、V3レベル検出信号を出力
するV3レベル検出部26と、V3レベル検出信号を保
持するV3レベルラッチ28と、人工衛星(図示せず)
からのGPS信号を受理するGPS受信部30と、GP
S受信部38から出力された10MHz のクロックに基づ
いて、100nsec毎にカウントをするとともに、1秒毎
にクリアされるカウンタ32と、V1レベルラッチ20
から信号が出力されたときのカウンタ32のカウンタ値
を保持するV1カウンタ値ラッチ34と、V2レベルラ
ッチ24から信号が出力されたときのカウンタ32のカ
ウンタ値を保持するV2カウンタ値ラッチ36と、V3
レベルラッチ28から信号が出力されたときのカウンタ
32のカウンタ値を保持するV3カウンタ値ラッチ38
と、親局全体を制御するCPU40と、CPU40に接
続され、V1、V2およびV3カウンタ値ラッチ34,
36,38を選択するデータラッチ選択信号を出力する
データ選択部42と、CPU40と接続され、他の局に
データを送信し、或いは、他の局からのデータを受信す
るモデム44とから構成されている。また、V1レベル
検出部18、V2レベル検出部22およびV3レベル検
出部26には、CPU40から、V1レベル設定信号、
V2レベル設定信号およびV3レベル設定信号が、それ
ぞれ与えられ、これら設定信号により、所望の検出レベ
ルを設定することができるようになっている。
【0012】その一方、子局も、後述するようにCPU
の構成を除いて、親局とほぼ同様に構成されている。こ
こに、送電線サージ標定システムにおける標定原理につ
いて以下に説明する。たとえば、親局および子局が、距
離Lだけ離間して位置し、これらの間のある位置Pでサ
ージが発生したものとし、この位置Pから親局までの距
離をL1、位置Pから子局までの距離をL2とする。サージ
が親局および子局に到達する時間を、それぞれT1および
T2とすると、下記の式が成立する。 L1=c・T1 (ただし、cはサージ伝搬速度) L2=c・T2 親局からサージの発生した位置Pまでの距離L1は、 L1=L/2−c・Δt/2 (ただし、Δt=T2−
T1) と表すことができる。したがって、親局にサージが到達
した時間と子局にサージが到達した時間との時間差T2−
T1を計測することによって、上述した距離L1を算出する
ことが可能となる。かかる標定は、従来の送電線サージ
標定システムにおいて行われているものと同様である。
【0013】次に、本発明にかかる送電線サージ標定シ
ステムにおける距離補正の概念について、説明する。前
述したように、実際には、送電線に生じるサージ、特
に、前駆サージを伴う雷サージは、微小な上下動を繰り
返しつつ、その電圧レベルが上昇するものであるが、説
明上の便宜のため、その立ち上がり部分が直線に近似さ
れるものと仮定する。ここに、図2は、直線により近似
された親局に受信されたサージMw1および子局に受信
されたサージSw1,Sw2を示す図である。図2に示
すように、親局で受信されるサージMw1 と子局で受信
されるサージSw1,Sw2 とでは、送電線或いは各局の
状態により、その波頭長や、波高値が異なる。したがっ
て、送電線上の親局と子局とのちょうど中間点でサージ
が発生した場合、本来であれば、同一の波形を有するサ
ージが、同時に、親局および子局に到達すべきものが、
図2に示すように、異なった波形を有するサージが親局
および子局に到達する。たとえば、サージが到達したと
判断するレベルを、図2に示す電圧レベルV1に設定す
ると、親局と子局との中間点でサージが発生したにもか
かわらず時間td だけの誤差が生じる。したがって、本
発明にかかる送電線サージ標定システムにおいては、こ
の誤差td を算出し、この値に基づいて、親局或いは子
局にサージが到達した時間の一方、若しくは、親局およ
び子局にサージが到達した時間の双方を補正する。
【0014】たとえば、サージMw1が電圧V1に達し
てから電圧V2に達する時間をtm1、電圧V2に達して
から電圧V3に達する時間をtm2、サージSw1が電圧
V1に達してから電圧V2に達する時間をts1、サージ
Sw1が電圧V2に達してから電圧V3に達する時間を
ts2とすると、 tm2=(V3−V2)・tm1/(V2−V1) ・・・・・(1) tS2=(V3−V2)・tS1/(V2−V1) ・・・・・(2) と表される。ここに求めるべき時間td は、 td =ts1−tm1 であるから、(1),(2) 式から、 td =(V2−V1)・(tm2−tS2)/(V3−V2) ・・・・・(3) となる。次に、上述のように構成された送電線サージ標
定システムの動作について、以下に説明する。送電線
(図示せず)に発生したサージは、親局および子局のサ
ージ受信部12に受信され、サージ受信部12からの出
力信号は、VTHレベル検出部14、V1レベル検出部1
8、V2レベル検出部22およびV3レベル検出部26
に、それぞれ与えられる。VTHレベル検出部14は、サ
ージ受信部12からの出力信号が、閾値VTHよりに達し
たときに、VTH検出信号を出力し、この信号は、VTHレ
ベルラッチ16に保持される。CPU40は、所定のタ
イミングで、VTHレベルラッチ16に保持されたVTH検
出信号を読み取る。
【0015】また、V1レベル検出部18、V2レベル
検出部22およびV3レベル検出部26は、サージ受信
部からの出力信号が、それぞれ、V1、V2およびV3
のレベルに達したときに、V1レベル検出信号、V2レ
ベル検出信号およびV3レベル検出信号を出力する。こ
れらの信号は、それぞれ、V1レベルラッチ20、V2
レベルラッチ24およびV3レベルラッチ28に保持さ
れ、CPU40が、所定のタイミングで、これらを読み
取る。たとえば、図2に示すように、子局において、サ
ージ受信部12が、サージSw1を受信した場合、V1
レベルラッチ20、V2レベルラッチ24およびV3レ
ベルラッチ28の全てにレベル検出信号が格納される。
これに対して、サージ受信部12が、サージSw2を受
信した場合、V1レベルラッチ20およびV2レベルラ
ッチ24にのみ、レベル検出信号が格納される。また、
V1カウンタ値ラッチ34、V2カウンタ値ラッチ36
およびV3カウンタ値ラッチ38は、V1レベルラッチ
20、V2レベルラッチ24およびV3レベルラッチ2
8から信号が出力された際の、カウンタ32のカウンタ
値を保持する。したがって、たとえば、図2に示すよう
に、親局のサージ受信部12が、サージMw1を受信し
た場合、V1カウンタ値ラッチ34はカウンタ値MV
1、V2カウンタ値ラッチ36はカウンタ値MV2、V
3カウンタ値ラッチ38はカウンタ値MV3を保持す
る。その一方、子局のサージ受信部12が、サージSw
1を受信した場合、V1カウンタ値ラッチ34はカウン
タ値SV1、V2カウンタ値ラッチ36はカウンタ値S
V2、V3カウンタ値ラッチ38はカウンタ値SV3を
保持する。
【0016】カウンタ値ラッチ34,36,38の各々
に保持されたカウンタ値は、データ選択部42からの選
択信号に基づいて、CPU40に与えられる。子局にお
いては、CPU40は、受理したV1レベルラッチ2
0、V2レベルラッチ24およびV3レベルラッチ28
に保持されたデータ、ならびに、V1カウンタ値ラッチ
34、V2カウンタ値ラッチおよびV3カウンタ値ラッ
チ38に保持されたデータを、モデム44を介して親局
に送信し、その処理を終了する。親局においては、モデ
ム44は、子局により送信されたデータを受信し、これ
らデータをCPU40に与える。CPU40は、モデム
44からのデータを受理すると、親局および子局の双方
のレベルラッチから信号が出力されたレベル、すなわ
ち、親局および子局に受信されたサージの双方が到達し
ている共通のレベルを判断する。たとえば、図2に示す
ように、親局がサージMw1を受信し、子局がサージS
w1を受信した場合には、サージの双方が到達している
共通のレベルは、V1、V2およびV3であると判断さ
れる。これに対して、親局がサージMw1 を受信し、子
局がサージSw2を受信した場合には、サージの双方が
到達している共通のレベルは、V1およびV2であると
判断される。
【0017】次いで、CPU40は、サージの双方が到
達している共通のレベルから、所望の二つのレベルを選
択する。本実施例においては、最も高いレベルと、次に
高いレベルが選択される。すなわち、図2に示すよう
に、親局がサージMw1を受信し、子局がサージSw1
を受信した場合には、V3およびV2が選択され、これ
に対して、親局がサージMw1 を受信し、子局がサージ
Sw2を受信した場合には、V2およびV1が選択され
る。CPU40は、選択されたレベルに到達した時間を
示すカウンタ値ラッチのデータを読みだし、このデータ
に基づいて、前述した時間td を算出する。すなわち、
図2に示すように、親局がサージMw1を受信し、子局
がサージSw1を受信した場合には、子局のV3カウン
タ値ラッチ38に保持されていたデータSV3とV2カ
ウンタ値ラッチ36に保持されていたデータSV2との
差分値と、親局のV3カウンタ値ラッチ38に保持され
ていたデータMV3とV1カウンタ値ラッチ34に保持
されていたデータMV1との差分値とに基づいて、前述
した(3) 式を用いて、 時間td =(V2−V1)・((SV3−SV1)− (M
V3−MV1))/(V3−V2) が算出される。その一方、親局がサージMw1を受信
し、子局がサージSw2を受信した場合には、子局のV
2カウンタ値ラッチ36に保持されていたデータSV2
とV1カウンタ値ラッチ34に保持されていたデータS
V1との差分値と、親局のV2カウンタ値ラッチ36に
保持されていたデータMV2 とV1カウンタ値ラッチ3
4に保持されていたデータMV1との差分値とに基づい
て、前述した(3) 式を用いて、 時間td =(V2−V1)・((SV2−SV1)−(M
V2−MV1))/(V2−V1) = (SV2−SV1)−(MV2−MV1) が算出される。
【0018】次いで、CPU40は、子局のV1カウン
タラッチ34に保持されていたデータSV1 から時間t
d を減算し、この減算値を、子局におけるサージの補正
された到達時間とする。さらに、(5) 式に示すように、
CPU40は、親局にサージが到達した時間および、子
局におけるサージの補正された到達時間に基づいて、親
局からサージの発生した位置までの距離L1'を算出す
る。 L1'=L/2−c・(Δt−td)/2 ・・・・・(5) 図2に示す例においては、サージが、親局と子局との中
間点の送電線上に生じた場合について説明したが、サー
ジが、中間点以外の位置に発生した場合、たとえば、図
3に示すように、親局がサージMw3、子局がサージS
w3を受信した場合であっても、同様に、時間td およ
び親局からサージが発生した位置までの距離L1'を算出
することができることは明らかである。また、実際に各
局に受信される典型的なサージを受信する場合であって
も、同様に、時間td および親局からサージが発生した
位置までの距離L1'を算出することができることは明ら
かである。ここに、図4は、各局に受信される典型的な
サージの例を示す図であり、親局に受信されたサージM
w4は、図6のサージMwに対応し、子局に受信された
サージSw4は、図6のサージSwに対応し、また、図
4のレベルV1,V2,V3は、それぞれ、図6のレベ
ルL2,L4,L8に対応している。各局が、図4に示
すようなサージを受信した場合に、親局は、子局のV2
カウンタ値ラッチ36に保持されていたデータSV2と
V1カウンタ値ラッチ34に保持されていたデータSV
1との差分値と、親局のV2カウンタ値ラッチ36に保
持されていたデータMV2とV1カウンタ値ラッチ34
に保持されていたデータMV1との差分値とに基づい
て、前述した(3) 式を用いて、時間tdを算出する。ここ
に、サージSw4がレベルV1に達した点PとレベルV
2に達した点Qとを結んだ直線LSと、ゼロレベルとの
交点SV0を仮想的に設定すると、サージMw4がレベ
ルV1に達した点とレベルV2に達した点とを結んだ直
線LMと平行な直線LM’を、この交点SV0から引い
たときに、直線LSがレベルV1に達する点Rと直線L
M’がレベルV1に達する点Qとの間の時間が、tdに対
応する。
【0019】子局に受信されたサージSw4のレベルが
上昇し始めた点を、親局に受信されたサージMw4のレ
ベルが上昇し始めた点にまで仮想的に平行移動させたサ
ージSw4’を考えると、このサージSw4’がレベル
V1に到達した時間P’とレベルV2に到達した時間
R’との間の時間と、時間tdとの差分値が、図4に示さ
れるようなサージMw4,Sw4とを受信した場合の、
サージの到達時間の誤差Terに相当する。図4から明ら
かなように、この誤差Terは、図6に示される誤差Ter
よりも小さい。本実施例によれば、CPU40が、親局
および子局に受信されたサージの双方が到達しているレ
ベルを判断し、双方の局においてサージが到達している
レベルを用いて、サージ発生箇所の標定を補正するた
め、精度良く、サージ発生箇所の標定をすることが可能
となる。本発明は、以上の実施例に限定されることなく
特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更
が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるも
のであることはいうまでもない。たとえば、本実施例に
おいては、親局および子局において、三つのレベル検出
部を設け、三段階のレベルを検出しているが、これに限
定されるものではなく、四以上のレベル検出器を設けて
も良いことは明らかである。このような場合、各局に、
サージ受信部12の出力電圧とある電圧とを比較し、出
力電圧の方が大きいときにレベル検出信号を出力するレ
ベル検出部、このレベル検出信号を保持するレベルラッ
チ、レベルラッチから信号が出力されたときのカウンタ
32の値を保持するカウンタ値ラッチを、検出すべきレ
ベルの段階に応じて、さらに、設ければよい。
【0020】また、本実施例においては、検出するサー
ジの隣接するレベルが、それぞれ二倍の関係を有するよ
うに設定されているが、親局および子局の双方が共通の
レベルを設定していれば、各レベル間の関係はどのよう
なものであってもよい。さらに、親局および子局に受信
されたサージのうち、最も高いレベルと次に高いレベル
とを選択し、これらのレベルにサージが到達した時間の
時間差およびこれらのレベルの比に基づいて、補正を行
っているが、これに限定されるものではなく、親局およ
び子局に受信されたサージの双方が到達している共通の
レベルであれば、任意のレベルを選択可能であることは
明らかである。したがって、実際のサージの発生状況に
合致するように、レベル値および各レベル間の比を、任
意に設定することができる。また、本実施例において
は、親局および子局が、人工衛星の発信する信号を、G
PS受信部により受信し、この信号に基づいてカウンタ
を駆動し、各レベルに到達した時間をラッチするように
構成されているが、これに限定されるものではないこと
は明らかであり、サージが特定のレベルに到達した時間
を、正確に計測できるものであればよい。
【0021】さらに、たとえば、図6に示すように、子
局においては、カウンタおよびカウンタ値ラッチを設け
ず、レベル検出部18、22、26が各々のレベルに到
達した旨の情報を、レベルラッチ20、24、28を介
してCPU40に与え、さらに、CPU40が、通信手
段60を介して、各レベルに達した旨の情報を、その都
度親局に送信するように構成し、図5に示すように、親
局のCPU40が、通信手段60を介して、これらの情
報を、その都度受信し、子局の各レベルに到達した時間
を、V1、V2およびV3カウンタ値ラッチ50,5
2,54が保持するように構成してもよい。このように
構成された送電線サージ標定システムにおいては、親局
のCPU40が、データ選択部42、58に対して与え
た制御信号にしたがって、カウンタ値ラッチの各々に保
持されたカウンタ値を読みだして、補正および距離標定
を行なう。また、特許請求の範囲に記載された各手段
は、必ずしも物理的手段を意味するものではなく、各手
段の機能が、ソフトウエアにより実現される場合も、本
発明は包含する。たとえば、1つの手段の機能が、2以
上の物理的手段により実現されても、また、2以上の手
段の機能が、1つの物理的手段により実現されてもよ
い。
【0022】
【発明の効果】本発明によれば、確実にサージ発生箇所
を標定することができる送電線サージ標定システムを提
供することが可能となる。また、本発明によれば、簡単
な回路で、生成される信号の遅延などにより、標定誤差
が影響を与えられない送電線サージ標定システムを提供
することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例にかかる送電線サージ標定シ
ステムに含まれる親局の構成を示すブロック図である。
【図2】 本発明の実施例にかかる送電線サージ標定シ
ステムにおける補正を説明するための図である。
【図3】 本発明の実施例にかかる送電線サージ標定シ
ステムにおける補正を説明するための図である。
【図4】 各局に受信される典型的なサージの例を示す
図である。
【図5】 本発明の他の実施例にかかる送電線サージ標
定システムの親局の構成を示すブロック図である。
【図6】 本発明の他の実施例にかかる送電線サージ標
定システムの子局の構成を示すブロック図である。
【図7】 二電位法による、サージの到達時間の補正を
説明するための図である。
【図8】 各局に受信される典型的なサージの例を示す
図である。
【符号の説明】
12 サージ受信部 14 VTHレベル検出部 16 VTHレベルラッチ 18 V1レベル検出部 20 V1レベルラッチ 22 V2レベル検出部 24 V2レベルラッチ 26 V3レベル検出部 28 V3レベルラッチ 30 GPS受信部 32 カウンタ 34 V1カウンタ値ラッチ 36 V2カウンタ値ラッチ 38 V3カウンタ値ラッチ 40 CPU 42 データ選択部 44 モデム

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 送電線の両端に設置された二つの局の間
    で発生し、各局で受信されたサージのレベルおよびサー
    ジがそのレベルに到達した時間に基づいて、前記サージ
    の発生箇所を標定する標定手段を備えた送電線サージ標
    定システムにおいて、 前記標定手段が、前記各局で受信したサージのレベルの
    うち、各局間で共通する二つのレベルを選択する選択手
    段と、選択されたレベルに基づいて前記サージが到達し
    た時間を線型補正する補正手段とを有し、前記補正手段
    により補正された時間に基づいて前記サージの発生箇所
    を標定するように構成されたことを特徴とする送電線サ
    ージ標定システム。
  2. 【請求項2】 前記各局が、それぞれ、前記サージが前
    記共通する二つのレベルに到達した時間を計測する時間
    計測手段を有し、 さらに、前記各局のうちの少なくとも一つの局が、前記
    各局の時間計測手段により計測された時間を受理する手
    段を有していることを特徴とする請求項1に記載の送電
    線サージ標定システム。
  3. 【請求項3】 前記補正手段が、前記各局の前記選択さ
    れたレベルにサージが到達した時間の時間差を、それぞ
    れ算出し、前記時間差および前記選択された二つのレベ
    ルに基づいて算出された補正値により、前記サージが到
    達した時間を線型補正するように構成されたことを特徴
    とする請求項1または2に記載の送電線サージ標定シス
    テム。
  4. 【請求項4】 前記選択手段が、前記各局間で共通する
    レベルのうち、最も高いレベルと、これに隣接するレベ
    ルとを選択するように構成されたことを特徴とする請求
    項1ないし3の何れか一項に記載の送電線サージ標定シ
    ステム。
  5. 【請求項5】 送電線の両端に設置された二つの局の間
    で発生し、各局で受信されたサージのレベルおよびサー
    ジがそのレベルに到達した時間に基づいて、前記サージ
    の発生箇所を標定する送電線サージの標定方法におい
    て、 前記各局に受信されたサージのレベルのうち、前記各局
    間で共通する二つのレベルを選択し、 前記選択されたレベルに基づいて前記サージが到達した
    時間を線型的に補正することを特徴とする送電線サージ
    の標定方法。
  6. 【請求項6】 さらに、各局が、それぞれ、前記サージ
    が前記二つのレベルに到達した時間を計測するステップ
    を有することを特徴とする請求項5に記載の送電線サー
    ジの標定方法。
  7. 【請求項7】 前記線型的に補正するステップが、前記
    各局の前記選択されたレベルにサージが到達した時間の
    時間差を、それぞれ算出し、 前記時間差および前記選択された二つのレベルの比に基
    づいて補正値を算出することを特徴とする請求項5また
    は6に記載の送電線サージの標定方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6477475B1 (en) 1998-11-12 2002-11-05 Nippon Kouatsu Electric Co., Ltd. Fault point location system
US6597180B1 (en) 1998-12-28 2003-07-22 Nippon Kouatsu Electric Co., Ltd. Fault point location system
JP2011196819A (ja) * 2010-03-19 2011-10-06 Railway Technical Research Institute 故障点標定システム、故障点標定装置、故障点標定方法および故障点標定プログラム
JP2014163914A (ja) * 2013-02-28 2014-09-08 Kansai Electric Power Co Inc:The 事故点標定装置

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