JPH0815236A - 超音波探傷装置 - Google Patents

超音波探傷装置

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JPH0815236A
JPH0815236A JP6146712A JP14671294A JPH0815236A JP H0815236 A JPH0815236 A JP H0815236A JP 6146712 A JP6146712 A JP 6146712A JP 14671294 A JP14671294 A JP 14671294A JP H0815236 A JPH0815236 A JP H0815236A
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temperature
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time
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JP6146712A
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Akio Onimaru
昭夫 鬼丸
Haruki Akiyama
治基 秋山
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Tokimec Inc
Original Assignee
Tokimec Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 使用可能な温度範囲の広いタイヤ型探触子を
備えた超音波探傷装置を提供すること。 【構成】 タイヤ型探触子1内に、音速測定用振動子1
4と反射板15を、所定の間隔Lで設ける。音速測定用
振動子14は、超音波パルスを反射板15に向かって発
し、該反射板15よって反射されて戻ってくる超音波を
受信する。この時、超音波が、間隔Lを往復するのに要
する時間を測定することによって、その時の温度での充
填液11中の音速を求める。そして、求めた音速に応じ
て、被検査材Pへの超音波パルスの入射角の最適値を求
め、該最適値となるように、入射角制御用モータ22に
よって、探傷用振動子12の向き即ち、入射角を調整す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、超音波探傷装置に係
り、特に、タイヤ型探触子を使用して被検査材の内部の
疵を外部から探傷する超音波探傷装置に関する。
【0002】
【従来の技術】金属などの被検査材の内部の疵を、被検
査材を破壊することなく外部から探傷する非破壊検査装
置の一例として、超音波探傷装置が用いられている。特
に、タイヤ型探触子を使用した超音波探傷装置は、薄い
(通常6mm以下)板状金属材料の非破壊検査の分野にお
いて広く用いられている。タイヤ型探触子とは、タイヤ
内に液体を充填し、この中に超音波振動子を設けたもの
である。
【0003】探傷は、タイヤを搬送される被検査材(例
えば薄鋼板)の表面に接触させ、そのままの状態で、振
動子の発する超音波パルスを充填液およびタイヤを通じ
て薄鋼板内に送信して行う。そして、薄鋼板に存在する
疵または板端面から反射して帰ってくる反射波を、振動
子により受信する。超音波探傷器のゲート部により、そ
して、反射波のうちから疵による反射波のみを抽出し
て、被検査材の内部の疵の有無を検査する。
【0004】被検査材と、探傷装置のタイヤ型探触子と
の位置関係を図9に示す。図9に示したのは、1個のタ
イヤ型探触子で被検査材を探傷する装置である。被検査
材Pは、幅Wpの長尺薄板材である。該被検査材Pは、
図9にて示した方向に搬送されつつ探傷が行われる。タ
イヤ型探触子1は、端面Prの近傍において、被検査材
Pの表面に押圧かつ当接される。端面Prからタイヤ型
探触子1までの寸法Δw(以下”端部寸法”という場合
がある)は、小さいほうが望ましい(この区間は被検査
材Pの搬送方向全長にわたって探傷できないからであ
る)。しかし、被検査材Pは搬送されながら蛇行するか
ら、ある程度の大きさが必要である。通常は、標準値を
50〜100mmとしている。超音波はタイヤ型探触子
1から端面Plに向けて、端面Plと直角に放射され
る。被検査材Pの幅Wp及び搬送方向長さは一定しない
が(超音波探傷装置が設置される設備により異なり、同
一設備でも被検査材毎に異なる)、通常の設備におい
て、幅は600〜1800mm、長さは100〜300
0mの範囲である。なお図9においては、タイヤ型探触
子1の取付具と制御箱等、及びタイヤ型探触子昇降機
構、接触媒質供給機構等は記載を省略した。
【0005】一般に薄い板の中を伝播する超音波は板波
であって、被検査材P(例えば、薄板金属)の探傷にお
いても板波超音波が利用される。薄板状の被検査材Pに
板波超音波を発生させるための入射角θの最適値θi
は、下記数1で与えられる。
【0006】
【数1】sinθi=ci/c θ:タイヤ型探触子1の充填液からタイヤを透過して薄
板中に超音波が入射する角度 ci:充填液中の音速 c:薄板中における板波の位相速度 この数1は波動の屈折に関するスネルの公式において屈
折角を90°とした式である。cは、板波の伝播モー
ド、板の厚さ及び周波数により変わるが、超音波探傷の
実用範囲では2.0〜5.0Km/sである。
【0007】ブロック状または厚い板状の物体中を伝播
する縦波または横波超音波の音速は、物体の形状に関係
無く一定で、超音波の周波数により音速が変わる速度分
散現象も生じない。しかし、板波においては、周波数と
板厚との積で決まる複数の伝播モードが存在し、かつそ
の位相速度は伝播モードと周波数・板厚積により変わ
り、一定ではない。
【0008】なお、液体中では縦波伝播しか存在しない
から、充填液の物理的または化学的条件が変わらない限
り充填液中の音速は一定である。
【0009】薄板被検査材の探傷においては、実験また
は経験により、探傷に最適なモードを選択し、そのモー
ドと周波数・板厚積(周波数は探触子により定まる一定
値であるから実際には板厚)により定まる入射角の最適
値に設定している。この最適値は、実験によって求め
る。また、入射角の最適値は、充填液の音速の関数でも
あるので、温度が変わっても音速が変わらない液体を充
填液として使用する必要がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】タイヤ型探触子を使用
した超音波探傷装置を工場等で使用する場合、タイヤ型
探触子は、通常は運転室外にて使用され、工場の温度変
化にさらされる。さらに、被検査材の温度が周囲温度よ
り高いとき(例えば、連続焼鈍ラインの出側にて使用さ
れているとき)は、被検査材の温度の影響も受けて温度
が上昇する。
【0011】最近、高温(例えば100℃以上)の被検
査材を探傷する要求が高まっている。本願発明者は、こ
のような要求に対応可能な探触子を開発するべく努力を
行った。本願発明者は、当初、長期間にわたって、10
0℃を越える温度においてその物理的及び化学的性質が
安定であり、かつ常温から100℃以上の温度範囲にお
いて音速が変わらない液体を探索した。探触子の温度
は、被検査材の温度(ここでは、100℃)以上に上昇
するものではないが、それでも、このような条件を満た
す充填液を発見することはできなかった。
【0012】音速以外の条件についてみれば、例えば、
シリコンオイルは上記の問題解決に有用である。
【0013】しかし、シリコンオイルの音速は、図10
にその一例を示すとおり温度変化が比較的大きい。数1
から判るように、cが小さいほど、ciの変化に対する
θiの変化の割合が大きい。シリコンオイルを充填液に
使用した場合における、入射角最適値の温度変化の計算
結果を表1に示す。ここでは、c=3Km/sと仮定して計
算した。温度が20℃変化するとθiは、0.9°変化
している。入射角が最適値から1°ずれると、エコー振
巾が6dB以上減少することが多い(この変化量は各パ
ラメータにより変わり、一定しない)。従って、なんら
かの対策無しにシリコンオイルを充填液に使用すること
はできない。
【0014】
【表1】
【0015】本発明は、温度変化の大きな環境下での使
用に耐える超音波探傷装置を提供することを目的とす
る。
【0016】
【課題を解決するための手段】本願発明者は、上記要求
を満たすためあらためて様々な角度から検討した。その
結果、音速変化(あるいは、温度変化)に応じて入射角
を変更すれば、充填液の音速が変化しても正確な測定が
可能であることに気がついた。本発明はこのような観点
からなされたものである。
【0017】本発明は上記目的を達成するためになされ
たもので、その第1の態様としては、内部に充填液を満
たされたタイヤ型探触子を使用して被検査材の傷を探傷
する超音波探傷装置において、上記充填液中での音速を
求める音速測定手段と、上記タイヤ型探触子が発する超
音波の上記被検査材への入射角を変更可能に構成された
入射角調整手段と、上記音速測定手段の求めた音速にお
ける、上記入射角の最適値を求める最適値決定手段と、
上記入射角を上記最適値に設定する入射角補正処理を上
記入射角調整手段に行わせる制御手段と、予め定められ
た条件に従って、次回上記入射角補正処理を開始するタ
イミングを決定する決定手段と、を備え、上記制御手段
は、上記決定手段が決定したタイミングにおいて、上記
入射角補正処理を再び行わせるものであること、を特徴
とする超音波探傷装置が提供される。
【0018】上記決定手段は、上記音速の変動について
の予め定められた限度値を備え、上記音速測定手段に音
速を求めさせ、該求められた音速が前回補正処理を行っ
た時点での上記音速から上記限度値以上変動していた場
合には、その時点で上記補正処理を開始することを、決
定するものであることが好ましい。
【0019】さらには、上記決定手段は、上記入射角補
正処理の前回実行時における音速(以下”直前音速値”
という)に応じて定められる時間間隔で、上記音速測定
手段に上記音速を求めさせるものであることが好まし
い。この場合、上記決定手段は、上記直前音速値が大き
いほど、上記時間間隔を短くするものであることがより
好ましい。
【0020】上記決定手段は、予め定められた一定時間
ごとに、上記音速測定手段に上記音速を求めさせるもの
であってもよい。
【0021】上記決定手段は、上記入射角補正処理の前
回実行時における音速(以下”直前音速値”という)に
応じて、上記入射角補正処理を次回開始するタイミング
を決定するものであることが好ましい。この場合、上記
決定手段は、上記直前音速値が大きいほど、上記入射角
補正処理を次回開始するまでの時間を短くするものであ
ることが好ましい。
【0022】上記決定手段の決定する上記タイミング
は、予め定められた一定時間間隔であってもよい。
【0023】上記音速測定手段は、上記充填液中におい
て、予め定められた伝播距離を超音波が伝播するのに要
する伝播時間を測定することによって上記音速を求める
ものであることが好ましい。
【0024】上記音速測定手段は、上記充填液中に設置
された、超音波を反射する反射板と、上記充填液中上記
反射板から予め定められた距離の位置に設置され、上記
反射板へ垂直に超音波を発射するとともにその反射エコ
ーを受信する音速測定用振動子と、上記音速測定用振動
子が超音波を発射してから、当該超音波の反射エコーを
受信するまでの時間を測定する時間測定手段と、上記時
間測定手段の測定した時間と、上記反射板と上記音速測
定用振動子との間隔と、を用いて予め定められた演算を
行い、上記充填液中の音速を求める演算手段と、を含ん
で構成されるものであることが好ましい。
【0025】上記音速測定手段は、上記充填液の温度を
測定する温度測定手段と、上記充填液の温度と、当該温
度での上記充填液の音速との予め測定されたデータを格
納された記憶手段と、を含んで構成され、上記音速測定
手段は、上記温度測定手段の測定した温度に対応する音
速を、上記記憶手段から読み出すことによって上記音速
を求めるものであることが好ましい。
【0026】本発明の第2の態様としては、内部に充填
液を満たされたタイヤ型探触子を使用して被検査材の傷
を探傷する超音波探傷装置において、上記充填液中の温
度を求める温度測定手段と、上記タイヤ型探触子が発し
た超音波の上記被検査材への入射角を変更可能に構成さ
れた入射角調整手段と、上記温度測定手段の求めた温度
での上記入射角の最適値を求める最適値決定手段と、上
記入射角を上記最適値に設定する入射角補正処理を上記
入射角調整手段に行わせる制御手段と、予め定められた
条件に従って、次回上記入射角補正処理を開始するタイ
ミングを決定する決定手段と、を備え、上記制御手段
は、上記決定手段が決定したタイミングにおいて、上記
入射角補正処理を再び行わせるものであること、を特徴
とする超音波探傷装置が提供される。
【0027】上記決定手段は、上記温度の変動について
の予め定められた限度値を備え、上記温度測定手段に上
記温度を求めさせ、該求められた温度が前回補正処理を
行った時点での上記温度から上記限度値以上変動してい
た場合には、その時点で上記補正処理を開始すること
を、決定するものであることが好ましい。
【0028】さらには、上記決定手段は、上記入射角補
正処理の前回実行時における温度(以下”直前温度”と
いう)の高さに応じて定められる時間間隔で、上記上記
温度測定手段から温度を読み取るものであることが好ま
しい。この場合、上記決定手段は、上記直前温度が高い
ほど、上記時間間隔を短くするものであることが好まし
い。
【0029】上記決定手段は、予め定められた一定時間
ごとに、上記温度測定手段から上記温度を読み取るもの
であってもよい。
【0030】上記決定手段は、上記入射角補正処理の前
回実行時における温度(以下”直前温度”という)の高
さに応じて、上記入射角補正処理を次回開始するタイミ
ングを決定するものであることが好ましい。この場合、
上記決定手段は、上記直前温度が高いほど、上記入射角
補正処理を次回開始するまでの時間を短くするものであ
ることが好ましい。
【0031】上記決定手段の決定する上記タイミング
は、予め定められた一定時間間隔であってもよい。
【0032】上記最適値決定手段は、少なくとも、上記
充填液の温度と、当該温度における上記入射角の最適値
との予め測定された対応関係を格納した記憶手段を含ん
で構成されることが好ましい。
【0033】上記対応関係は、さらに、上記被検査材の
厚さと、上記被検査材の材質と、上記超音波の上記被検
査材での伝搬モードと、のうちの少なくとも一つをパラ
メータとして含んだものであることが好ましい。
【0034】
【作用】第1の態様について説明する。
【0035】決定手段は、一定の時間間隔で、あるい
は、直前音速値に応じて定められる時間間隔で、上記音
速測定手段に音速を求めさせる。そして、求められた音
速が、前回補正処理を行った時点での音速から限度値以
上変動していた場合には、その時点で入射角の補正処理
を開始することを、決定する。音速は、例えば、音速測
定用振動子が超音波が反射板から反射されてくるまでの
時間を測定し、該測定時間(伝播時間)と、音速測定用
振動子と反射板との間隔(伝播距離)と、を用いて所定
の演算を行うことによって得る。あるいは、温度測定手
段によって、充填液の温度を測定し、該測定結果と、記
憶手段に格納されているデータとを照らしあわせること
によって、音速を求めてもよい。
【0036】あるいは、決定手段は、一定の時間間隔
で、あるいは、直前音速値に応じて定められる時間間隔
で、上記入射角の補正処理を行うことを決定する。
【0037】最適値決定手段は、音速測定手段の求めた
音速における、入射角の最適値を求める。制御手段は、
決定手段が決定したタイミングに従って、入射角を最適
値に設定する入射角補正処理を入射角調整手段に行わせ
る。これにより、入射角は、常に、最適値に保たれる。
【0038】本発明の第2の態様について説明する。
【0039】決定手段は、一定の時間間隔で、あるい
は、直前温度値に応じて定められる時間間隔で、上記温
度測定手段から温度を読み取る。そして、読み取られた
温度が、前回補正処理を行った時点での温度から限度値
以上変動していた場合には、その時点で入射角の補正処
理を開始することを、決定する。
【0040】あるいは、決定手段は、一定の時間間隔
で、あるいは、直前温度値に応じて定められる時間間隔
で、上記入射角の補正処理を行うことを決定する。
【0041】最適値決定手段は、温度測定手段の求めた
温度での入射角の最適値を求める。該最適値は、記憶手
段に格納された、少なくとも充填液の温度と、当該温度
における入射角の最適値との予め測定された対応関係
と、温度測定手段の求めた温度とを比較対照することに
よって求めることができる。さらに、記憶手段に、被検
査材の厚さ、被検査材の材質、超音波の被検査材での伝
搬モード等をパラメータとして含めばより正確な最適値
を得ることができる。
【0042】制御手段は、決定手段が決定したタイミン
グに従って、入射角を最適値に設定する入射角補正処理
を入射角調整手段に行わせる。これにより、入射角は、
常に、最適値に保たれる。
【0043】上述した本発明の各種態様のうちの一例に
ついて、その構成をより具体的に述べれば以下のとおり
である。
【0044】タイヤ型探触子はその内部に、通常の超音
波探傷用振動子の他に充填液の音速を測定するための音
速測定用振動子及びその振動子から送信された超音波パ
ルスを上記音速測定用振動子に反射する反射板を実装し
ている。
【0045】また、本発明の超音波探傷装置は、超音波
探傷器の他に音速測定装置を有し、上記音速測定用振動
子と上記反射板との間の超音波伝播時間を測定する。こ
の伝播時間を制御装置が読み取り、それと、予め入力さ
れている上記音速測定用振動子と上記反射板との間の距
離とにより充填液中の音速を計算する。
【0046】さらに本発明の超音波探傷装置は、制御装
置からの入射角設定値を受けて、タイヤ型探触子の入射
角を上記設定値に設定する入射角制御装置を有する。
【0047】制御装置は、上記充填液中の音速の計算値
が、直前の入射角設定時の音速計算値に比して、一定値
以上変化したときは、新しい入射角設定値を入射角制御
装置に出力する。新しい入射角設定値は前述の数1によ
り計算できる(後に説明するように、板波の位相速度は
入射角校正終了時に計算によりもとめることができ
る。)。あるいは、あらかじめ入射角の補正値を制御装
置に入力してメモリに記憶させておいてもよい。
【0048】その充填液の温度を測定する温度センサを
有している場合には、制御装置は、この温度センサによ
る温度測定値を読み込む。例えば、シリコンオイルのよ
うに、その性質の経時的安定性が優れている液体を充填
液として使用するならば、温度を測定して音速を知るこ
とができる(温度と音速の関係も長期間にわたって変わ
らないから)。タイヤ型探触子の温度と充填液の音速と
の対応データは予め制御装置のメモリに入力しておく。
【0049】この温度センサによる温度測定値から知っ
た充填液の音速が、直前の入射角設定時の音速値に比し
て、一定値以上変化したときは、制御装置は、同様にし
て入射角を補正することができる。
【0050】従って、充填液の音速測定用振動子に代え
て、温度センサを使用して、入射角補正を行うことがで
きる。補正の精度は多少劣るかもしれないが、一般に、
音速測定用装置より温度測定装置のほうがコストが安
い。
【0051】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を用いて説明す
る。
【0052】図1は、本発明の超音波探傷装置の一実施
例の要部のブロック図、図2は、タイヤ型探触子の一実
施例の構成図である。なお図2は、タイヤ型探触子1が
被検査材Pに乗っている状態を描いているため、タイヤ
10の下側がひずんで描かれている。図1及び図2は本
発明に係わる部分のみ図示してあり、超音波探傷装置の
うちで、本発明に関係ない部分(例えば、超音波探傷器
のDAC部等のユニット、探傷データ等を記録するレコ
ーダもしくはプリンタ、あるいはタイヤ型探触子を被検
査材上に下降もしくは被検査材から退避させる機構部と
その制御を行う制御盤等)は図示を省略してある。
【0053】図1に示す通り、本実施例の超音波探傷装
置は、タイヤ型探触子1と、超音波探傷器4と、音速測
定装置5と、入射角制御装置6と、制御装置7とを備え
る。
【0054】タイヤ型探触子1は、図2に示すように、
タイヤ10、充填液11、探傷用振動子12、振動子保
持部13、音速測定用振動子14、反射板15等を含ん
で構成されている。また、図2に示すように、制御箱2
0に納められた、入射角検出器21、入射角制御用モー
タ22、入射角制御用コネクタ23、探傷振動子用コネ
ク24、音速測定振動子用コネクタ25を備えている。
タイヤ型探触子1は、取付具3によって図示を省略した
探触子保持機構に取り付られる。
【0055】タイヤ10は、被検査材Pの移動につれて
回転可能な構造とされており、また、その中空内部に
は、充填液11が音響結合用に充填されている。そし
て、この充填液11中に振動子保持具13によって探傷
用振動子12が保持されている。
【0056】探傷用振動子12は、充填液11とタイヤ
10とを経由して被検査材Pに超音波パルスを送信し、
これと逆の経路で被検査材Pから帰って来る反射波を受
信するものである。該探傷用振動子12は、探傷振動子
用コネクタ24およびケーブル101(図1参照)を介
して超音波探傷器4に接続され、探傷用振動子12への
送信出力および受信信号は、該コネクタ24およびケー
ブル101を通じて、超音波探傷器4との間で授受され
る構成となっている。該探傷用振動子12は、軸120
を中心として、図中矢印xで示した方向に回動可能な状
態で保持されている。該回動は、後述する入射角制御用
モータ22の発する駆動力によってなされる。
【0057】入射角検出器21は、探傷用振動子12の
角度、すなわち、超音波の被検査材Pへの入射角を検出
するためのものである。本実施例の入射角検出器21
は、入射角制御用モータ22の出力軸から歯車により減
速駆動されるポテンショメータまたはアブソリュートロ
ータリエンコーダ等の検出器によって構成している。こ
の検出器は入射角を0.1°単位で測定できるものを使
用している。
【0058】入射角制御用モータ22は、探傷用振動子
12の向き、すなわち、超音波の被検査材Pへの入射角
を調整するためのものである。具体的には、探傷用振動
子12は、入射角制御用モータ22の回転が図示を省略
した伝達機構により、タイヤ10の回転に関係なく、探
傷用振動子12の角度(つまり、入射角)が制御される
ようになっている。入射角検出器21の検出結果は入射
角制御用コネクタ23およびケーブル102(図1参
照)を介して入射角制御装置6へ出力されている。同様
に、入射角制御用モータ22の動作(回転の向き、回転
量)は、入射角制御用コネクタ23およびケーブル10
2を介して入力される入射角制御装置6からの信号によ
って制御されている。入射角制御用モータ22として
は、正逆転可能であり、探傷用振動子12を駆動するに
充分な出力を有するものであればどのようなものでもよ
い。例えば、直流モータ、リバーシブル(正逆転可能)
交流モータ、ステッピング(パルス)モータ等いずれで
もよい。但し、入射角の手動微調整を行うとき、通常の
入射角設定時の回転速度より遅い速度で回転させること
が必要なので、回転速度の制御が容易なモータを使用す
ることが、より望ましい。
【0059】音速測定用振動子14および反射板15
は、充填液11中における音速を測定するためのもので
ある。音速測定用振動子14は、反射板15に向けて超
音波パルスを送信する。また、反射板15によって反射
して戻ってくる超音波パルスを受信し、これを電気信号
(反射波信号)に変換するものである。反射板15はそ
の反射面が音速測定用振動子14の超音波送受波面と平
行になるように、かつ両面間の距離がその公称値に対し
て、音速測定に要求される精度を確保できる誤差の範囲
内にあるように設置されている。
【0060】音速測定用振動子14の励振は、音速測定
装置5からのパルス送信出力によりなされている。ま
た、音速測定用振動子14は、受信信号(反射波信号)
を音速測定振動子用コネクタ25およびケーブル103
を通じて音速測定装置5に出力している。
【0061】超音波探傷器4は、図1に示すように、送
信部41、前置増幅部42、感度調整部43、主増幅部
44、CRT表示部45、ゲート部46、A/D変換部
47を含んで構成されている。
【0062】送信部41は、同期信号発振部(図示を省
略)から出力される同期信号を受けて、探傷用振動子1
2を励振するものである。
【0063】前置増幅器42は、探傷用振動子12が反
射波を受信して電気信号に変換したエコー信号を増幅す
るものである。感度調整部43は、プログラマブル減衰
器により構成され、制御装置7から送られる制御信号に
よりその減衰量が変化されることにより、感度(GAI
N)を可変制御するものである。主増幅部44は、感度
調整部43の出力信号を増幅するものである。主増幅部
44の出力信号は、エコービデオ信号として、CRT表
示部45、ゲート部46等に送られる。
【0064】ゲート部46は主増幅部44の出力(タイ
ヤ型探触子1が受信したエコー信号を増幅した信号)の
うちから、処理に必要な信号をゲートする。ゲートされ
る信号は、探傷中ならば被検査在中の疵エコー信号であ
り、後記する入射角校正を行うときは試験材または被検
査材の端面エコーである。ゲート部46のゲート起点及
びゲート幅は制御装置7から送信させる制御信号により
設定される。
【0065】A/D変換部47は、上記ゲート部46に
おいてゲートされた信号のピーク値を制御装置7の入力
仕様に適合した信号(例えば2進数のTTLレベル信
号)に変換して、それを制御装置7(後述の入力ポート
78)に送信するためのものである。
【0066】音速測定装置5は、充填液11中における
音速を測定するためのものである。該測定は、音速測定
用振動子14と反射板15との間における超音波伝播時
間を測定することによって行っている。該音速測定装置
5は、測定送信部51、測定受信部52、時間測定部5
3を含んで構成されている。
【0067】測定送信部51は、超音波探傷器4から同
期信号を受信して、それに同期して音速測定用振動子1
4を励振する大振幅パルスを出力する。この測定送信部
51の出力及び送信部41の出力が、相互に他の受信部
(または測定受信部52)に誘導されて装置が誤動作す
るのを防ぐため、上記両送信部41,51の送信出力は
同期していることが必要である。両送信は同時に行う同
時送信でもよく、互いに他の送信の中間時点で送信を行
う交互送信でもよい。あるいは、超音波探傷器4の送信
複数回につき、音速測定装置5の送信を1回行う分周送
信でもよい。
【0068】測定受信部52は、音速測定用振動子14
から送られて来る反射波信号を受信して、それを次の時
間測定部53の処理に必要な振幅まで増幅するものであ
る。
【0069】時間測定部53は、測定送信部51の送信
から、上記反射信号受信までの時間を測定する回路であ
る。
【0070】音速測定装置5(測定送信部51、測定受
信部52及び時間測定部53)の回路自体は、広く実用
されている超音波厚さ計の回路と同じであるため、特に
説明しない。以下において該音速測定の原理を説明する
(この原理自体も、基本的には、超音波厚さ計が厚さを
求める原理と同じものである)。
【0071】音速の測定(算定)は、下記数2の関係を
用いて行うことができる。
【0072】
【数2】v=2・L/t L:測定対象となるの間隔(ここでは、反射板15と、
振動子14との間隔) t:間隔Lにおける超音波の往復伝播時間 v:測定対象物中における音速 音速測定装置5は、数2におけるtを測定している。該
測定値tと、L(既知)とを、数2に代入することによ
ってvを求めることができる。該演算自体は、本実施例
では、制御装置7が行っている。
【0073】数2は、間隔Lの熱膨張による変化を考慮
に入れてない。これを考慮する場合には、下記数3を用
いればよい。
【0074】
【数3】v=2・Lo{1+a(T−To)}/t T:タイヤ型探触子1の温度(℃) Lo:タイヤ型探触子1の温度がTo℃であるときの音速
測定用振動子14と反射板15との間の距離 a:熱膨張係数(ここでは、図2の振動子保持部13の
熱膨張係数) 数3において、Lo、To及びaは、既知の定数として予
め制御装置のメモリに入力しておき、必要に応じて読み
出すことができる。従って、Tとtとがわかれば、数3
により充填液中の音速を知ることができる。tは、音速
測定装置5等により測定することができる。一方、T
は、タイヤ型探触子1に温度センサを設置して測定する
ことができる。
【0075】しかしながら、実際に温度を測定しなくて
も、近似的に音速を求めることもできる。以下、この方
法を、数4、数5を用いて説明する。
【0076】vの温度変化は、下記数4で示される。
【0077】
【数4】v=v0(1+b(T−To)) なお、数4における液体の温度係数bは一般に負である
(水は例外)。
【0078】該数4を数3に代入すると、数5が得られ
る。
【0079】
【数5】
【0080】なお、数5中、Tx=T−T0である。
【0081】ここで、a,bを定数としたとき、L、v
が、Txの1次関数として近似できる範囲においては、
tは、Txの単調増加関数である。つまり、tとTxと
は、1対1で対応する。従って、tの値に対応するTx
の値、あるいは、Lo{1+a(T−To)}、を予めメ
モリ72または73に格納しておけば、tの測定値に対
応するTx、あるいは、Lo{1+a(T−To)}を得
ることができる。そして、これらを数3に代入すれば、
温度センサを用いること無くvを得ることができる。
【0082】数2と数3のいずれを用いて音速を求める
かは、入射角設定に必要な精度、探触子の使用温度範囲
及び使用する材料等を考慮して決定すべき問題である。
また、数3を用いることとした場合、上記2つの方法
(温度センサの設置、メモリ中へのデータ格納)の
いずれを用いるかも同様である。以下において、「数2
または数3により」と記載されているときは、上記の決
定がなされているものとする。
【0083】なお、上記伝播時間の測定の基準には、通
常、水晶発振器の出力が用いられている。水晶発振器の
出力の周波数の精度及び安定性は、本発明において要求
される音速測定の精度に比して非常に高い。従って、音
速測定精度は、主として、タイヤ型探触子1の反射板1
5の反射面と音速測定用振動子14の超音波送受信面と
の間の寸法精度によって決定されるものである。
【0084】入射角制御装置6は、角度信号受信部6
1、入射角制御部62、入射角駆動部63を含んで構成
されている(図1参照)。
【0085】角度信号受信部61は、入射角検出器21
の出力信号(入射角信号)を受信し、それを制御装置7
の入力仕様に適合した信号(例えばTTLレベルの2進
信号)に変換するものである。該変換後の信号は、制御
装置7および入射角制御部62に出力している。角度信
号受信部61の具体的構成は、入射角検出器21によっ
ても変わる。例えば、入射角検出器21にポテンショメ
ータを使用すれば、ゼロ点及びスパン調整用増幅器、A
D変換回路、出力回路により構成される。
【0086】入射角駆動部63は、入射角制御部62か
らの信号に応じて、入射角制御モータ22を正転または
逆転させる駆動電力を出力するものである。
【0087】入射角制御部62は、制御装置7から入力
された入射角設定値と、角度信号受信部61が入射角検
出器21から得た入射角信号(入射角測定値)とを、比
較する。そして、その比較結果に応じて、入射角制御モ
ータ22の回転/停止、回転方向を制御して、入射角が
該入射角設定値となるように制御を行うものである。実
際の入射角制御部62は、ハードウエアロジック回路、
マイクロコンピュータ回路のいずれで構成してもよい。
【0088】入射角制御部62の基本動作は次の通りで
ある。
【0089】(1)制御装置7から入射角設定信号を受
信した時点から設定を開始する。
【0090】(2)入射角測定値<入射角設定値−d
ならば入射角制御モータ正転信号を入射角駆動部63に
出力する。ここでは、入射角を増大させるモータ回転方
向を正転とする。また、dはモータを含む入射角制御機
構の慣性を考慮して、入射角設定の誤差をできるだけ小
さくするための微小値である。該dは、入射角制御部6
2のソフトウエアまたはハードウエアスイッチ等により
予め設定されている。ステッピングモータのように制動
力が大きいモータを使用すればdをゼロにすることも可
能である。
【0091】(3)入射角測定値>入射角設定値+d
ならば入射角制御モータ逆転信号を入射角駆動部61に
出力する。
【0092】(4)入射角が増大または減少し、 入射角設定値−d≦入射角測定値≦入射角設定値+d になったならば、入射角制御モータ正転信号または逆転
信号をオフにする。制御装置7から入射角設定信号を受
信した時点で、この条件が満たされていれば設定動作を
開始しない。
【0093】(5)モータ22を停止させた時点で、入
射角設定完了信号を制御装置7に出力する。
【0094】制御装置7は、超音波探傷装置全体(超音
波探傷器4、音速測定装置5、入射角制御装置6)を制
御統括するためのものである。制御装置7は、図1に示
すとおり、マイクロプロセッサ71と、リード・オンリ
・メモリ(ROM)72と、ランダム・アクセス・メモ
リ(RAM)73と、タイマ割り込み部74と、入出力
ポート75、表示装置76、キーボード77、入力ポー
ト78,79,80、出力ポート81,82と、バス8
3を含んで構成されている。
【0095】マイクロプロセッサ71は、各種入力デー
タの演算、比較、判定、制御等の処理を実行するもので
ある。このマイクロプロセッサ71の動作プログラム
は、ROM72に格納されている。RAM73は、マイ
クロプロセッサ71の作業用記憶領域となると共に、入
力データの蓄積等が行われる。また、これらのメモリ7
2,73中には、入射角の補正処理において予め用意し
ておくべきデータ(例えば、板波の位相速度、後述の限
度値VD等)やプログラム、計算式がすべて格納されて
いる。また、該補正処理において使用される各種変数
(例えば、後述するVELIN、MVELIN、PTI
ME、MVEL2等)は、、RAM73に格納されるよ
うになっている。
【0096】タイマ割り込み部74は、一定時間間隔で
後述の入射角補正処理(図3参照)を実行させる割り込
み信号を発生させるものである。該一定間隔は、マイク
ロプロセッサ71から出力される信号により変更するよ
うにプログラムを作成することもできる。
【0097】キーボード77は、使用者が指示を入力す
るためのものである。表示装置76は、測定結果などを
表示するためのものである。これらは、入出力ポート7
5を通じて、バス83に接続されている。
【0098】入力ポート78は、超音波探傷器4のA/
D変換部47との接続に用いられている。該入力ポート
78を通じて、測定結果等が制御装置7に入力されてい
る。入力ポート79は、音速測定装置5の時間測定部5
3との接続に用いられている。該入力ポート79を通じ
て、音速測定装置5の測定した時間(数2、数3におけ
るt)が制御装置7に入力されている。入力ポート80
は、入射角制御装置6との接続に用いられている。該入
力ポート80を通じて、入射角検出器21の検出した入
射角が制御装置7に入力されている。出力ポート81
は、超音波探傷器4の感度調整部43およびゲート部4
6との接続に用いられている。該出力ポート81を通じ
て、超音波探傷器の各種設定値が各ユニットに出力され
ている。出力ポート82は、入射角制御装置6との接続
に用いられている。該出力ポート82を通じて、入射角
の設定値が入射角制御装置6へ出力されている。
【0099】なお、特許請求の範囲において言う”決定
手段”は、本実施例においては、制御装置7(特に、タ
イマ割込み部74)における、一定時間ごとに割込み信
号を発生させるタイマ割込み部74自身の設定状態その
ものとして実現されている。”制御手段”、”最適値決
定手段”は、制御装置7に相当するものである。
【0100】次に、充填液11中におけるの音速の変動
に対処するための、入射角補正処理について図3を用い
て説明する。
【0101】検査担当者からのスイッチ操作等による校
正指示を受けると、マイクロプロセッサ71は、自動ま
たは手動による入射角校正を行う(ステップ301)。
通常は、この時に送受信部ユニットの感度校正も行う。
該校正は、被検査材の材質、厚さのいずれかが変わった
場合、あるいは、検査担当者が必要と判断した時、担当
者が指示を入力することによって行われる。なお、該自
動入射角校正の詳細については、本願出願人の別出願
(実公平2ー13973号公報)に開示しているもので
よい。
【0102】入射角校正が完了すると、マイクロプロセ
ッサ71は、時間測定部53から、音速測定用振動子1
4と反射板15との間の超音波伝播時間PTIMEを読
み込む(ステップ302)。該超音波伝播時間PTIM
Eが、上記数2、数3におけるtに相当する測定値であ
る。以下「音速測定用伝播時間」という。そして、該P
TIMEおよび数2または数3を用いて、充填液11中
の音速VELINを計算し(ステップ303)、求めた
VELINを、RAM73中に予めメモリエリアが確保
されている変数MVEL1に代入する(ステップ30
4)。
【0103】次に、マイクロプロセッサ71は、上記校
正完了時の入射角をθi、上記音速VELINをciと
して、数1を用いて、この入射角に対応する被検査材中
の板波位相速度を計算する(ステップ305)。この速
度は後に説明する”補正された入射角”(入射角の新た
な設定値)の計算に使用される。
【0104】続いて、マイクロプロセッサ71は、タイ
マ割り込み部74により、30秒〜3分程度の一定時間
間隔(以下”割込み間隔”という)で割り込み起動され
る(ステップ306)。これによりマイクロプロセッサ
は、一定時間後のPTIMEを読み取り(ステップ30
7)、音速VELINを計算する(ステップ308)。
そして、RAM73中に予めメモリエリアが確保されて
いる変数MVEL2に代入する(ステップ309)。
【0105】続いて、上述の割込み間隔で読みとられた
2つの音速測定値の差の絶対値|MVEL2−MVEL
1|が、予め定められた所定の値VD(注:これが特許
請求の範囲において言う”限度値”である)以上である
か否か判定する(ステップ310)。該判定の結果、V
D未満のときは、入射角補正は必要ない(充填液11中
の音速の変化が十分小さい)とみなして、ステップ30
6に戻る。そして、次回、タイマ割り込み処理が起動さ
れるまで待機状態となる。
【0106】一方、ステップ310の判定の結果、絶対
値|MVEL2−MVEL1|がVD以上のときは、入
射角の補正が必要である(つまり、充填液中の音速の変
化が大きい)とみなして、補正された入射角(=その新
たな状態での最適値θi)を計算し(ステップ31
1)、それを入射角制御装置6に出力する(ステップ3
12)。新たな入射角設定値が入力された入射角制御装
置6は、入射角を該設定値とするべく、入射角制御モー
タ22を作動させる。既に述べたとおり、該入射角の調
整は、入射角検出器21の検出信号により実際の入射角
を確認しつつ行うため、正確である。
【0107】新しい入射角の設定(つまり、入射角の補
正)が終了すると、次回の補正処理に備えて、今回の変
数MVEL2の値を変数MVEL1に代入する(ステッ
プ313)。そして、その後、ステップ306に戻っ
て、同様に、次回のタイマ割り込みを待つ。
【0108】超音波探傷を行っている間、以上の処理を
繰返し行いつづけることによって、入射角を常に最適な
値に保つこととができる。なお、ステップ301乃至ス
テップ305は、検査担当者が指示を出した時にだけ行
われる処理である。割込み処理が起動される毎に行われ
るのは、ステップ306乃至ステップ313である。
【0109】次に、上述の「補正された入射角」(図3
のステップ312参照)を求める方法を説明する。ここ
では、3つの方法を説明する。
【0110】第1の方法は計算により求める方法であ
る。
【0111】上述したとおり、図3のステップ301に
おいては、入射角を校正した後、その入射角に対応する
被検査材中の板波位相速度を計算している。従って、こ
れを数1のcに代入する。また、VELINを、数1の
ciに代入する。これにより、新しいθiすなわち補正
された入射角を計算することができる。
【0112】第2の方法は、充填液中の音速ciと入射
角の最適値θiとの関係を、実験により求めておき、こ
れを予め制御装置7のROM72あるいはRAM73に
記憶させておく方法である。制御装置7は、充填液中1
1の音速の変化が所定値以上となったとき、その時点で
のciに対応するθiの値をメモリから読み出し、これ
を新たな入射角設定値(補正された入射角)として入射
角制御装置6に出力する。
【0113】実験は、図4のごとく、人工的な基準疵
(通常は、貫通丸孔)Csを設けた試験片Qに対して、
入射角を10〜60°の範囲で変化させつつ、超音波パ
ルスを送信して行う。端面Qlのエコー振幅をCRTに
表示させると、その振幅は、入射角に応じて変化する
(図5)。このエコー振幅がピークとなる入射角が、そ
の状態(温度、音速)で板波を発生させる入射角であ
る。通常、板波を発生させる入射角は複数個(図5の例
では3個)存在し、それぞれが板波の伝搬モードに対応
している。しかし、これらのすべてが超音波探傷に適し
ているわけではなく、ピークが著しく小さいモード、エ
コーの時間幅が広いモードは、超音波探傷には適さな
い。複数のモードを使用可能な場合には、基準疵Csに
ついての実験結果などに従って決めればよい。
【0114】実験に使用する試験片Qには、被検査材ま
たは同等材(つまり、実際に探傷対象となる材料)から
サンプルを切取って使用する。試験片の幅WQ1は100
0mm以上、長さWQ2は600mm程度が望ましい。厚
さ及び材質の異なる多種類の試験片を用意し、該試験片
とタイヤ型探触子1との温度を変えてデータを採取す
る。なお、図4においては、タイヤ型探触子1の制御箱
20及びタイヤ型探触子1を試験片上に安定に設置する
保持機構等の記載は省略した。
【0115】以上の実験を、各温度毎に(例えば、5℃
変化する毎に)行うことにより、各温度での入射角の最
適値θiを得ることができる。なお、温度を変えた実験
は、ある温度での最適値θi付近の範囲内で入射角を変
えて行えば十分である。実験に際しては、温度が十分安
定するのを待って測定を行うことが重要である。試験
片、超音波探傷装置全体を、温度試験室に入れて実験を
行うようにすれば確実である。
【0116】第1の方法が理論計算によるのに対して、
該第2の方法は実験データに基づき入射角補正を行うこ
とが可能な点で優れている。しかし、予め多くのデータ
を採取する必要があり、かつ制御装置に採取したデータ
を記憶させる大きなメモリ領域を必要とするという欠点
もある。
【0117】第3の方法は、補正された入射角を入射角
校正により求める方法である。入射角校正は次の手順で
行う。なお、ここに記す入射角校正方法の詳細は、実公
平2ー13973において開示されているものである。
【0118】(1)|MVEL2−MVEL1|≧VD
と判定されたとき、まず、上記第1または第2の方法で
求めた値(注:厳密には、この値は入射角最適値の近似
値である)に入射角を設定する。
【0119】(2)搬送されている被検査材を停止す
る。
【0120】(3)入射角を上記(1)において設定し
た値±一定値(通常は1°〜2°)の範囲で変化させ
て、その範囲における各入射角の値に対する被検査材の
端面エコーの振幅値を読み込み記憶する。端面エコーの
振幅値は超音波探傷器のゲート部ユニットのAD変換部
から制御装置の入力ポートに送られる。
【0121】(4)手順(3)において制御装置が読み
込んだ端面エコーの振幅値のうちで最大値をもとめ、そ
れが得られた入射角の値にタイヤ型探触子の入射角を設
定する。
【0122】(5)被検査材の搬送と、探傷とを再開す
る。
【0123】この第3の方法は実際に探傷する被検査材
の端面エコーを基準として入射角校正を行うので、正確
な補正が実現される。しかし、充填液11の音速が一定
値以上変わるたび毎に、被検査材の搬送を停止する必要
があり、生産効率を低下させる。この方法は特に、正確
な探傷を要求されるときに実施するとよい。
【0124】補正された入射角を求める方法は、上述し
た3方法のうちのいずれか1つに限定する必要は無い。
キーボード77のキー操作等により3方法のうちの任意
の一つを必要に応じて選択するように、制御装置7のプ
ログラムを作成することも可能である。
【0125】本発明の第2の実施例を説明する。
【0126】本実施例は、温度を検出することによっ
て、入射角の補正を行う点を最大の特徴とするものであ
る。そのため、該第2の実施例は、上記第1の実施例に
おける音速測定のための構成(例えば、音速測定用振動
子14、反射板15、音速測定装置5等)に代わって、
温度を測定するための構成(例えば、後述の温度センサ
16、温度増幅部9等)を備えている。これ以外の点
は、上記第1の実施例と同様である。そのため、以下の
説明においては、第1の実施例との相違点を中心に説明
を行うこととする。
【0127】図6は該第2の実施例の要部のブロック
図、図7はタイヤ型探触子の構成図である。
【0128】温度センサ16は、図7に示すようにタイ
ヤ型探触子1内部の探傷用振動子12の近傍に配置され
探傷用振動子12付近にある充填液11の温度を検出す
るためのものである。該温度センサ16の検出結果は、
温度センサ用コネクタ26、ケーブル104を介して、
温度増幅部9に出力されている。
【0129】温度増幅部9は、温度センサ16の検出信
号を、制御装置7’が処理可能な信号に増幅、変換する
ためのものである。温度増幅部9は、温度信号受信部9
1、増幅部92、温度A/D変換部93を含んで構成さ
れている。温度信号受信部91は、温度センサ16の出
力信号を受信し、増幅部92に出力する。増幅部92
は、該信号を増幅し、温度A/D変換部93に出力す
る。温度A/D変換部93は、該信号を制御装置7’が
処理可能なデジタル信号に変換した後、制御装置7’の
入力ポート79’に出力する。
【0130】制御装置7’は、ROM72あるいは、R
AM73にあらかじめ、温度と最適値θiとの関係を示
す温度依存性情報が格納されている。制御装置7’は、
温度増幅部9の出力する信号(温度信号)と、該温度依
存性情報とを用いて、当該温度における入射角の最適値
θiを求め、該最適値θiとなるように入射角制御モー
タ22を作動させる。
【0131】最適値θiを求める方法は、これに限定さ
れるものではない。上記温度依存性情報に代わって、充
填液11の温度と音速との関係を示す情報を備え、これ
を用いて最適値θiを求めるようにしてもよい。この場
合には、上記実施例1で述べた3種類の方法をそのまま
適用することができる。
【0132】本実施例における入射角補正の動作を図8
を用いて説明する。
【0133】マイクロプロセッサ71は、自動または手
動による入射角校正を行う(ステップ801)。通常
は、この時に送受信部ユニットの感度校正も行う。な
お、該自動校正の詳細については、本願出願人の別出願
(実公平2ー13973号公報)に開示しているもので
よい。
【0134】入射角校正が完了すると、マイクロプロセ
ッサ71は、温度A/D変換部93から、温度測定値を
読み込む(ステップ802)。そして、該温度測定値か
ら、充填液11中の音速VELINを求め(ステップ8
03)、求めたVELINを、RAM73中に予めメモ
リエリアが確保されている変数MVEL1に代入する
(ステップ804)。
【0135】次に、マイクロプロセッサ71は、上記校
正完了時の入射角をθi、上記音速VELINをciと
して、数1を用いて、この入射角に対応する被検査材中
の板波位相速度を計算する(ステップ805)。この速
度は後に説明する”補正された入射角”(入射角の新た
な設定値)の計算に使用される。
【0136】続いて、マイクロプロセッサ71は、タイ
マ割り込み部74により、30秒〜3分程度の一定時間
間隔(以下”割込み間隔”という)で割り込み起動され
る(ステップ806)。これによりマイクロプロセッサ
71は、一定時間後の温度測定値を読み込み(ステップ
807)、該温度測定値から、充填液11中の音速VE
LINを求める(ステップ808)。そして、RAM7
3中に予めメモリエリアが確保されている変数MVEL
2に代入する(ステップ809)。
【0137】続いて、上述の割込み間隔で読みとられた
2つの音速測定値の差の絶対値|MVEL2−MVEL
1|が、予め定められた所定の値VD以上であるか否か
判定する(ステップ810)。該判定の結果、VD未満
のときは、入射角補正は必要ない(充填液11中の音速
の変化が十分小さい)とみなして、ステップ806に戻
る。そして、次回、タイマ割り込み処理が起動されるま
で待機状態となる。
【0138】一方、ステップ810の判定の結果、絶対
値|MVEL2−MVEL1|がVD以上のときは、入
射角の補正が必要である(つまり、充填液中の音速の変
化が大きい)とみなして、補正された入射角(=その新
たな状態での最適値θi)を計算し(ステップ81
1)、それを入射角制御装置6に出力する(ステップ8
12)。新たな入射角設定値が入力された入射角制御装
置6は、入射角を該設定値とするべく、入射角制御モー
タ22を作動させる。既に述べたとおり、該入射角の調
整は、入射角検出器21の検出信号により実際の入射角
を確認しつつ行うため、正確である。
【0139】新しい入射角の設定(つまり、入射角の補
正)が終了すると、次回の補正処理に備えて、今回の変
数MVEL2の値を変数MVEL1に代入する(ステッ
プ813)。そして、その後、ステップ806に戻っ
て、同様に、次回のタイマ割り込みを待つ。
【0140】超音波探傷を行っている間、以上の処理を
繰返し行いつづけることによって、入射角を常に最適な
値に保つこととができる。なお、ステップ801乃至ス
テップ805は、担当者が指示を出した時にだけ行われ
る処理である。割込み処理が起動される毎に行われるの
は、ステップ806乃至ステップ813である。
【0141】ここでは、温度測定値から音速を求め、該
音速を用いて入射角を補正していた。しかし、温度と入
射角の最適値との対応関係を示す情報をテーブル化して
メモリ72,73に記憶しておくようにしてもよい。こ
のようにすれば、温度測定値から直接、最適値θiを得
ることができるようになる。但し、該温度と入射角の最
適値との関係は、被検査材の材質、厚さ、伝搬モードの
組合せごとに用意しておく必要がある。通常、被検査材
の材質は100種類以上、厚さの範囲は、0.1〜6.
0mmに及ぶ。従って、これらの情報を被検査材ごとに
すべて記憶したのでは、必要な記憶容量が大きくなりす
ぎる。そのため、これらをグループ化した上で、各グル
ープごとの代表値のみを覚えるようにするのが好まし
い。例えば、材質については超音波の伝搬について類似
なもの、つまり、密度、ポアソン比、ヤング率の値が、
近似したものを、同一のグループとする。また、厚さに
ついても、0.1mm毎にグループ化してもよい。
【0142】以上説明したとおり上記実施例によれば、
充填液の温度(音速)が変化しても、これに応じて入射
角を補正し、常に最適値を保つことができる。従って、
正確な測定を行うことができる。また、超音波探傷装置
の利用可能な環境範囲が広まる。さらに、安定性などの
点では優れた特性を備えていながら、音速変化が大きい
ために使用できなかったような充填液を使用することが
出きるようになる。これは、機器のメンテナンスに要す
る労力、コストの削減につながる。
【0143】限度値VDは、小さい方が正確な測定を行
うことができるようになる。しかし、あまりに小さい
と、頻繁に補正処理を行うこととなり、探傷作業の効率
が低下することにもなりかねない。従って、該限度値V
Dは、必要とする探傷の精度等に応じて変更可能に構成
してもよい。
【0144】上記実施例1、2では、割込み処理(図
3、図8)を起動する時間間隔は、一定としていた。し
かし、割込み処理を実行するタイミングは、これに限定
されるものではない。このタイミング(あるいは、タイ
ミングの決定基準)としては、様々な方式が考えられ。
このタイミング決定方式の例として、以下において3種
類の方式(方式,,)について述べる。
【0145】方式 前回、入射角補正処理(あるいは、校正処理)を行った
時点での音速(あるいは、温度)に応じて、該時間間隔
を変更するようにしてもよい。この場合、タイヤ型探触
子の温度が周囲温度に比べて高いほど(一般的には、温
度が高いほど充填液中の音速が低い)、タイヤ型探触子
の温度の変化は大きくなるものと思われる。また、充填
液中の音速は、温度変化に対してほぼ直線的に変化す
る。従って、前回、入射角補正処理を行った時点での温
度が高いほど(音速が低いほど)、上記割込み処理を起
動する時間間隔を短くするのが好ましい。このようにす
れば、入射角の補正をより正確に行うことができる。こ
の方式を実施するには、制御装置7または7’の割込み
処理に関するプログラムを修正するだけで容易に実現可
能である。なお、温度(あるいは、音速)と、割込み処
理を起動する時間間隔との対応関係は、経験に基づいて
決めればよい。該対応関係は、メモリ72または73に
記憶させておく。
【0146】方式 音速(あるいは、温度)が限度値を越えたか否かの判定
は行わず、入射角を実際に補正する処理を、一定時間ご
とに、実行する。この場合、音速(あるいは、温度)が
変化していないときには、入射角の補正は実行されるも
のの、入射角は変更されない。これは、図3におけるス
テップ310、図8におけるステップ810の処理を省
略することによって容易に実現することができる。
【0147】方式 方式と同様に、音速(あるいは、温度)が、限度値を
越えたか否かの判定は行わず、入射角を実際に補正する
処理を実行する。但し、該補正を実行するタイミング
は、一定時間ごとではなく、方式と同様に、前回補正
処理(あるいは、校正処理)を実行した時点での音速
(あるいは、温度)に応じて決定するようにする。
【0148】上記実施例1、2では、音速(あるいは、
温度)の変動が予め定められた限度値を越えたか否かの
判定を、制御装置7あるいは7’のソフトウエアにより
行っている。しかし、この判定は、制御装置7,7’以
外に別途設けた判定回路で行っても良い(この場合に
は、この判定回路が、特許請求の範囲において言う”決
定手段”に相当する。)。この判定回路は、マイクロコ
ンピュータおよびソフトウエアからなるソフトウエアロ
ジック回路、あるいは、ハードウエアロジック回路、い
ずれで実現しても構わない。いずれにしても、その設計
には新たな技術は不要である。上述の判定回路は、音速
(あるいは、温度)の変動が、限度値を越えたときに、
前述の制御装置7,7’に信号を送る。すると、制御装
置7,7’は、入射角補正プログラムを起動する。この
ように、判定回路を別途設けるようにすれば、制御装置
7は、入射角補正プログラムを音速(あるいは、温度)
の変動が限度値を越えたときのみ起動すれば良い。その
ため、制御装置7,7’のソフトウエア上の負担を軽減
することができる。但し、このような構成をとるために
は、図1,図6において、制御装置7、7’とは別に、
判定回路を新たに追加する必要がある。
【0149】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば、以下に列挙する効果が得られる。
【0150】(1)タイヤ型探触子の充填液の音速が変
化しても、タイヤ型探触子の入射角を最適値に設定でき
るため、一定の探傷条件で探傷を行うことができる。
【0151】(2)広い温度範囲において優れた安定性
等を備えていながら、音速変化が大きいために使用でき
なかった充填液を使用することが可能となる。従って、
タイヤ型探触子の使用温度範囲を広くすることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の構成を示すブロック図で
ある。
【図2】タイヤ型探触子1の構成図である。
【図3】入射角補正動作を示すフローチャートである。
【図4】探傷基礎データ採取時における、タイヤ型探触
子1と試験片Qとの位置関係を示す図である。
【図5】探傷基礎データ採取時における、エコー振幅と
入射角の関係の一例を示すグラフである。
【図6】本発明の第2実施例のブロック図である。
【図7】タイヤ型探触子の構成図である。
【図8】入射角補正動作を示すフローチャートである。
【図9】探傷時における、タイヤ型探触子と被検査材と
の位置関係を示す図である。
【図10】シリコンオイルの温度−音速特性を示すグラ
フである。
【符号の説明】
1……タイヤ型探触子、3……取付け具、4……探傷
器、5……音速測定装置、6……入射角制御装置、7…
…制御装置、9……温度増幅部、10……タイヤ、11
……充填液、12……探傷用振動子(探傷振動子)、1
3……振動子保持具、14……音読測定用振動子(音速
測定振動子)、15……反射板、16……温度検出セン
サ、20……制御箱、21……入射角検出センサ、22
……入射角制御用モータ、23……入射角制御用コネク
タ、24……探傷振動子用コネクタ、25……音速測定
振動子用コネクタ、26……温度センサ用コネクタ、4
1……送信部、42……前置増幅部、43……感度調整
部、44……主増幅部、45……CRT表示部、46…
…ゲート部、47……A/D変換部、51……測定送信
部、52……測定受信部、53……時間測定部、61…
…角度信号受信部、62……入射角制御部、63……入
射角駆動部、71……マイクロプロセッサ、72……R
OM、73……RAM、74……タイマ割込み部、75
……入出力ポート、76……表示装置、77……キーボ
ード、78……入力ポート、79……入力ポート、80
……出力ポート、81……出力ポート、82……出力ポ
ート、91……温度信号受信部、92……増幅部、93
……温度A/D変換部、101……ケーブル、102…
…ケーブル、103……ケーブル、104……ケーブ
ル、Cs……基準疵、P……被検査材、Pr……端面、
Pl……端面、Q……試験片、Qr……端面、Ql……
端面

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内部に充填液を満たされたタイヤ型探触子
    を使用して被検査材の傷を探傷する超音波探傷装置にお
    いて、 上記充填液中での音速を求める音速測定手段と、 上記タイヤ型探触子が発する超音波の上記被検査材への
    入射角を変更可能に構成された入射角調整手段と、 上記音速測定手段の求めた音速における、上記入射角の
    最適値を求める最適値決定手段と、 上記入射角を上記最適値に設定する入射角補正処理を上
    記入射角調整手段に行わせる制御手段と、 上記入射角補正処理を繰返し行うに際して、予め定めら
    れた条件に従って、次回の上記入射角補正処理を開始す
    るタイミングを決定する決定手段と、を備え、 上記制御手段は、上記決定手段が決定したタイミングに
    おいて、上記入射角補正処理を再び行わせるものである
    こと、 を特徴とする超音波探傷装置。
  2. 【請求項2】上記決定手段は、上記音速の変動について
    の予め定められた限度値を備え、上記音速測定手段に音
    速を求めさせ、該求められた音速が前回補正処理を行っ
    た時点での上記音速から上記限度値以上変動していた場
    合には、その時点で上記補正処理を開始することを、決
    定するものであること、 を特徴とする請求項1記載の超音波探傷装置。
  3. 【請求項3】上記決定手段は、上記入射角補正処理の前
    回実行時における音速(以下”直前音速値”という)に
    応じて定められる時間間隔で、上記音速測定手段に上記
    音速を求めさせるものであること、 を特徴とする請求項2記載の超音波探傷装置。
  4. 【請求項4】上記決定手段は、予め定められた一定時間
    ごとに、上記音速測定手段に上記音速を求めさせるもの
    であること、 を特徴とする請求項2記載の超音波探傷装置。
  5. 【請求項5】上記決定手段は、上記入射角補正処理の前
    回実行時における音速(以下”直前音速値”という)に
    応じて、上記入射角補正処理を次回開始するタイミング
    を決定するものであること、 を特徴とする請求項1記載の超音波探傷装置。
  6. 【請求項6】上記決定手段の決定する上記タイミング
    は、予め定められた一定時間間隔であること、 を特徴とする請求項1記載の超音波探傷装置。
  7. 【請求項7】上記音速測定手段は、 上記充填液中において、予め定められた伝播距離を超音
    波が伝播するに要する伝播時間を測定する時間測定手段
    と、 上記時間測定手段が測定した上記伝播時間と、上記伝播
    距離と、を用いて予め定められた演算を行い、上記充填
    液中の音速を求める演算手段と、 を含んで構成されるものであることを特徴とする請求項
    1記載の超音波探傷装置。
  8. 【請求項8】上記音速測定手段は、 上記充填液の温度を測定する温度測定手段と、 上記充填液の温度と、当該温度での上記充填液の音速と
    の予め測定されたデータを格納された記憶手段と、を含
    んで構成され、 上記音速測定手段は、上記温度測定手段の測定した温度
    に対応する音速を、上記記憶手段から読み出すことによ
    って上記音速を求めるものであること、 を特徴とする請求項1記載の超音波探傷装置。
  9. 【請求項9】内部に充填液を満たされたタイヤ型探触子
    を使用して被検査材の傷を探傷する超音波探傷装置にお
    いて、 上記充填液中の温度を求める温度測定手段と、 上記タイヤ型探触子が発した超音波の上記被検査材への
    入射角を変更可能に構成された入射角調整手段と、 上記温度測定手段の求めた温度での上記入射角の最適値
    を求める最適値決定手段と、 上記入射角を上記最適値に設定する入射角補正処理を上
    記入射角調整手段に行わせる制御手段と、 上記入射角補正を繰返し行うに際して、予め定められた
    条件に従って、次回の上記入射角補正処理を開始するタ
    イミングを決定する決定手段と、を備え、 上記制御手段は、上記決定手段が決定したタイミングに
    おいて、上記入射角補正処理を再び行わせるものである
    こと、 を特徴とする超音波探傷装置。
  10. 【請求項10】上記決定手段は、上記温度の変動につい
    ての予め定められた限度値を備え、上記温度測定手段か
    ら温度を読み取り、該読み取られた温度が前回補正処理
    を行った時点での上記温度から上記限度値以上変動して
    いた場合には、その時点で上記補正処理を開始すること
    を、決定するものであること、 を特徴とする請求項9記載の超音波探傷装置。
  11. 【請求項11】上記決定手段は、上記入射角補正処理の
    前回実行時における温度(以下”直前温度”という)に
    応じて定められる時間間隔で、上記上記温度測定手段か
    ら上記温度を読み取り、上記入射角補正処理を開始する
    か否か決定するものであること、 を特徴とする請求項10記載の超音波探傷装置。
  12. 【請求項12】上記決定手段は、予め定められた一定時
    間ごとに、上記温度測定手段から上記温度を読み取り、
    上記入射角補正処理を開始するか否かを決定するもので
    あること、 を特徴とする請求項10記載の超音波探傷装置。
  13. 【請求項13】上記決定手段は、上記入射角補正処理の
    前回実行時における温度(以下”直前温度”という)の
    高さに応じて、上記入射角補正処理を次回開始するタイ
    ミングを決定するものであること、 を特徴とする請求項9記載の超音波探傷装置。
  14. 【請求項14】上記決定手段の決定する上記タイミング
    は、予め定められた一定時間間隔であること、 を特徴とする請求項9記載の超音波探傷装置。
  15. 【請求項15】上記最適値決定手段は、 上記被検査材の厚さと、上記被検査材の材質と、上記超
    音波の上記被検査材での伝搬モードと、のうちの少なく
    とも一つをパラメータとする、 上記充填液の温度と、当該温度における上記入射角の最
    適値との予め測定された対応関係を格納した記憶手段を
    含んで構成されること、を特徴とする請求項9記載の超
    音波探傷装置。
JP6146712A 1994-06-28 1994-06-28 超音波探傷装置 Pending JPH0815236A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006242942A (ja) * 2005-02-03 2006-09-14 Tokyo Electric Power Co Inc:The 液浸探傷装置、局部液浸探傷装置および液浸探傷方法
WO2010125925A1 (ja) 2009-04-28 2010-11-04 オムロン株式会社 電子部品実装装置及びその製造方法
CN102043013A (zh) * 2010-11-15 2011-05-04 华中科技大学 轮胎超声波无损检测装置及其检测方法
JP2021081360A (ja) * 2019-11-21 2021-05-27 株式会社東芝 超音波探傷装置および超音波探傷方法

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