JPH08152044A - 流体封入式ストラットマウント - Google Patents

流体封入式ストラットマウント

Info

Publication number
JPH08152044A
JPH08152044A JP29631294A JP29631294A JPH08152044A JP H08152044 A JPH08152044 A JP H08152044A JP 29631294 A JP29631294 A JP 29631294A JP 29631294 A JP29631294 A JP 29631294A JP H08152044 A JPH08152044 A JP H08152044A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
elastic body
rubber elastic
fluid
tubular member
annular
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP29631294A
Other languages
English (en)
Inventor
Naoki Hayashi
直樹 林
Yukio Hayashi
幸男 林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Riko Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Riko Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Riko Co Ltd filed Critical Sumitomo Riko Co Ltd
Priority to JP29631294A priority Critical patent/JPH08152044A/ja
Publication of JPH08152044A publication Critical patent/JPH08152044A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Vehicle Body Suspensions (AREA)
  • Combined Devices Of Dampers And Springs (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 流体封入式ストラットマウントにおいて、大
きな振動荷重入力時における流体室の著しい内圧上昇を
防止すること。 【構成】 内筒部材10と外筒部材12を第一のゴム弾
性体14と第二のゴム弾性体16で連結せしめて、内部
に流体室56を形成した流体封入式ストラットマウント
において、前記第二のゴム弾性体16を、全体として軸
方向外方に突出する袋状断面を有すると共に、該袋状断
面の中間部分において流体室内方に湾曲して突出する内
方突部50が設けられた変形容易な環状のゴム膜によっ
て構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、ショックアブソーバの車体への
取付部に介装されるストラットマウントに係り、特に内
部に封入された流体の流動作用に基づいて防振効果を得
るようにした流体封入式ストラットマウントに関するも
のである。
【0002】
【背景技術】車両の懸架装置においては、車体の揺動や
振動を抑えるために、車輪を支持する車軸やアーム等と
車体との間に減衰力を発揮するショックアブソーバが配
設されているが、かかるショックアブソーバの車体への
取付部には、ショックアブソーバを通じての車輪側から
車体側への振動伝達を軽減するために、一般に、ストラ
ットマウントが装着されている。
【0003】ところで、このようなショックアブソーバ
としては、従来、ショックアブソーバが取り付けられる
内筒部材と車体側に取り付けられる外筒部材とを、それ
らの間に介装されたゴム弾性体にて連結せしめてなる構
造のものが用いられていたが、近年では、要求される防
振特性の高度化に対応するために、内部に流体室を形成
して封入流体の共振作用等の流動作用に基づく防振効果
を利用するようにしたものが提案されている。即ち、か
かる流体封入式ストラットマウントは、例えば実開平2
−113039号公報や特開平2−275130号公報
等に開示されているように、径方向に互いに所定距離を
隔てて配された内筒部材と外筒部材を、軸方向一方の側
において環状の第一のゴム弾性体により連結すると共
に、それら内筒部材と外筒部材における軸方向他方の側
の径方向対向面間に環状の第二のゴム弾性体を圧入せし
めて、前記第一のゴム弾性体と該第二のゴム弾性体との
間に非圧縮性流体が封入された環状の流体室を形成する
一方、前記内筒部材または前記外筒部材によって支持さ
れた仕切部材により、該流体室を前記第一のゴム弾性体
側と前記第二のゴム弾性体側に分割すると共に、それら
両分割室を相互に連通する狭窄流路を設けてなる構造と
される。
【0004】ところが、従来の流体封入式ストラットマ
ウントにおいては、大きな振動荷重の入力時にゴム弾性
体が圧縮変形せしめられて流体室内に膨出することによ
って流体室の内圧が増大してしまい、マウントばね特性
が硬くなって振動伝達率が悪化するおそれがあった。ま
た、ゴム弾性体の過大な変形を緩衝的に制限して耐久性
を確保するために、例えば、内筒部材の軸方向端部から
径方向外方に突出し、ゴム弾性体の軸方向端面に対して
当接させられるストッパ部が、好適に採用されるが、こ
のようなストッパ機構を採用すると、ストッパ部がゴム
弾性体に当接されることにより、ゴム弾性体が流体室内
に膨出変形せしめられて流体室の内圧が大幅に増大して
しまい、振動伝達率が一層悪化するという問題もあっ
た。
【0005】加えて、流体封入式ストラットマウントに
おいては、第一のゴム弾性体と第二のゴム弾性体の間に
流体室を形成するために、第二のゴム弾性体を内外筒部
材に対して圧入等により後付けする必要があるが、従来
のものでは、振動荷重の入力時に流体室の内圧が大幅に
増大するおそれがあるために、例えば前記公報に記載さ
れている如く、第二のゴム弾性体の内外周面に金属リン
グを加硫接着してそれらの金属リングを内外筒部材に嵌
着固定することによって、流体室の内圧に耐え得る組付
強度を確保しなければならず、それ故、金属リングを形
成して第二のゴム弾性体に加硫接着するための工程が必
要となり製作性およびコスト性が悪化することが避けら
れないという問題もあったのである。
【0006】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、上述の如き事情
を背景として為されたものであって、その解決課題とす
るところは、大きな振動荷重の入力時にも流体室の大幅
な内圧上昇が回避され得て、所期の防振効果が安定して
発揮される流体封入式ストラットマウントを提供するこ
とにある。
【0007】また、本発明は、流体室の大幅な内圧上昇
が回避されることにより、第二のゴム弾性体を、少なく
とも内筒部材に対して、金属リング等を用いることなく
直接に組み付けることの出来る流体封入式ストラットマ
ウントを提供することも、目的とする。
【0008】
【解決手段】そして、かかる課題を解決するために、本
発明の第一の態様の特徴とするところは、径方向に互い
に所定距離を隔てて配された内筒部材と外筒部材を、軸
方向一方の側において環状の第一のゴム弾性体により連
結すると共に、それら内筒部材と外筒部材における軸方
向他方の側の径方向対向面間に環状の第二のゴム弾性体
を圧入せしめて、前記第一のゴム弾性体と該第二のゴム
弾性体との間に非圧縮性流体が封入された環状の流体室
を形成する一方、前記内筒部材または前記外筒部材によ
って支持された仕切部材により、該流体室を前記第一の
ゴム弾性体側と前記第二のゴム弾性体側に分割すると共
に、それら両分割室を相互に連通する狭窄流路を設けて
なる流体封入式ストラットマウントにおいて、全体とし
て軸方向外方に突出する袋状断面を有すると共に、該袋
状断面の中間部分において流体室内方に湾曲して突出す
る内方突部が設けられた変形容易な環状のゴム膜によ
り、前記第二のゴム弾性体を構成し、該環状のゴム膜の
内周縁部を前記内筒部材の外周面に対して直接に圧入固
定したことにある。
【0009】また、本発明の第二の態様の特徴とすると
ころは、第一の態様に係る流体封入式ストラットマウン
トにおいて、前記環状のゴム膜における前記内方突部
を、周方向に連続して形成したことにある。
【0010】更にまた、本発明の第三の態様の特徴とす
るところは、第一又は第二の態様に係る流体封入式スト
ラットマウントにおいて、前記第一のゴム弾性体の軸方
向端面に対して軸方向に対向位置せしめられて当接させ
られるストッパ部を、前記内筒部材に形成したことにあ
る。
【0011】また、本発明の第四の態様の特徴とすると
ころは、前記第一乃至第三の何れかの態様に係る流体封
入式ストラットマウントにおいて、前記環状のゴム膜の
内周縁部が圧入された前記内筒金具の軸方向端部の外周
面に対して、軸方向外方に行くに従って大径化するテー
パを付したことにある。
【0012】更にまた、本発明の第五の態様の特徴とす
るところは、前記第一乃至第四の何れかの態様に係る流
体封入式ストラットマウントにおいて、前記環状のゴム
膜の外周縁部に金属リングを固着せしめて、該金属リン
グを前記外筒部材の内周面に嵌着したことにある。
【0013】さらに、本発明の第六の態様の特徴とする
ところは、径方向に互いに所定距離を隔てて配された内
筒部材と外筒部材を、軸方向一方の側において環状の第
一のゴム弾性体により連結すると共に、それら内筒部材
と外筒部材における軸方向他方の側の径方向対向面間に
環状の第二のゴム弾性体を圧入せしめて、前記第一のゴ
ム弾性体と該第二のゴム弾性体との間に非圧縮性流体が
封入された環状の流体室を形成する一方、前記内筒部材
または前記外筒部材によって支持された仕切部材によ
り、該流体室を前記第一のゴム弾性体側と前記第二のゴ
ム弾性体側に分割すると共に、それら両分割室を相互に
連通する狭窄流路を設けてなる流体封入式ストラットマ
ウントにおいて、前記第一のゴム弾性体の軸方向端面に
対向位置せしめられて該第一のゴム弾性体の軸方向端面
を押圧する第一のストッパ部と、前記外筒部材の軸方向
端面に対向位置せしめられて該外筒部材の軸方向端面に
当接させられる第二のストッパ部とを、それぞれ前記内
筒部材に形成すると共に、該第一のストッパ部の該第一
のゴム弾性体に対する対向距離を、該第二のストッパ部
の該外筒部材に対する対向距離よりも小さく設定したこ
とにある。
【0014】また、本発明の第七の態様の特徴とすると
ころは、前記第六の態様に係る流体封入式ストラットマ
ウントにおいて、全体として軸方向外方に突出する袋状
断面を有すると共に、該袋状断面の中間部分において流
体室内方に湾曲して突出する内方突部が設けられた変形
容易な環状のゴム膜により、前記第二のゴム弾性体を構
成する一方、かかる環状のゴム膜の内周縁部を前記内筒
部材の外周面に対して直接に圧入固定せしめたことにあ
る。
【0015】
【作用・効果】本発明の第一の態様に係る流体封入式ス
トラットマウントにおいては、第二のゴム弾性体を構成
する変形容易な環状のゴム膜の弾性変形に基づいて流体
室の内圧変動が吸収され得るのであり、特に、大きな振
動荷重の入力時には、内方突部が外方に向かって膨出変
形せしめられることにより、有効な液圧吸収機能が速や
かに発揮され得て、流体室内圧力の大幅な上昇が回避さ
れることから、流体室内圧の上昇に起因する高ばね化が
防止されて良好なる防振効果が安定して発揮され得るの
である。
【0016】しかも、流体室内圧力の大幅な上昇が回避
されることから、第二のゴム弾性体を構成する環状のゴ
ム膜の内周縁部を内筒部材に対して直接に嵌着して組み
付けるだけで、十分な組付強度を確保できるのであり、
圧入固定のための金属リング等を設ける必要がなくなる
ことから、製作性およびコスト性の向上も図られ得る。
【0017】なお、第二のゴム弾性体を環状のゴム膜に
よって構成しても、振動荷重は第一のゴム弾性体によっ
て支持され得ることとなり、また、振動入力時には、内
筒部材と外筒部材の軸方向の相対変位に伴って仕切部材
が流体室内を軸方向に変位せしめられることから、狭窄
流路を通じての流体流動量も有利に確保され得て、流体
流動作用に基づく有効な防振効果が発揮され得る。
【0018】また、本発明の第二の態様に係る流体封入
式ストラットマウントにおいては、内方突部の変形に伴
う流体室の容積変化量が大きく確保されることから、該
内方突部による流体室の内圧吸収機能が安定して発揮さ
れ得る。
【0019】更にまた、本発明の第三の態様に係る流体
封入式ストラットマウントにおいては、ストッパ部の第
一のゴム弾性体に対する当接によって、大荷重入力時に
おける第一及び第二のゴム弾性体の過大な変形が防止さ
れることから、耐久性の向上が図られ得る。なお、スト
ッパ部の当接によって第一のゴム弾性体が流体室内に膨
出変形せしめられた際にも、それに起因する流体室の内
圧上昇が、環状のゴム膜、特にその内方突部の弾性変形
によって吸収されることから、所期の防振効果が安定し
て発揮され得る。
【0020】さらに、本発明の第四の態様に係る流体封
入式ストラットマウントにおいては、環状のゴム膜の内
周縁部における内筒部材への組付強度が一層有利に確保
されることから、より優れた耐久性および信頼性が発揮
される。
【0021】また、本発明の第五の態様に係る流体封入
式ストラットマウントにおいては、環状のゴム膜の外周
縁部における外筒部材への組付強度が有利に確保され得
て、耐久性および信頼性の向上が図られ得る。
【0022】更にまた、本発明の第六の態様に係る流体
封入式ストラットマウントにおいては、大荷重の入力時
における内筒部材と外筒部材の軸方向の相対的変位量
が、先ず、第一のストッパ部によって緩やかなばね特性
の立ち上がりをもって緩衝的に制限された後、更に相対
的変位量が大きくなった場合に、第二のストッパ部によ
って大きなばね特性の立ち上がりをもって確実に制限さ
れることとなるのであり、それ故、全体として、急激な
ばね特性の変化を伴うことなく、良好な防振効果を確保
しつつ、第一及び第二のゴム弾性体における過大な変形
を防止せしめて、優れた耐久性を得ることが出来るので
ある。
【0023】しかも、かかる流体封入式ストラットマウ
ントにおいては、第二のストッパ部によって内筒部材と
外筒部材の相対的変位量が確実に制限されることから、
大きな振動荷重入力時にも、第一のストッパ部によって
流体室内に押し出される第一のゴム弾性体の膨出変形量
が制限されるのであり、それによって、該第一のゴム弾
性体の膨出変形に起因する流体室の著しい内圧上昇が防
止され得て、安定した防振効果が発揮されるといった利
点もある。
【0024】さらに、本発明の第七の態様に係る流体封
入式ストラットマウントにおいては、第一のゴム弾性体
の膨出変形に起因する流体室の内圧上昇が第二のストッ
パ部によって抑えられることに加えて、第二のゴム弾性
体を構成する環状のゴム膜の液圧吸収作用による流体室
の内圧上昇防止効果も発揮されることから、より一層安
定した防振効果が発揮され得ると共に、環状のゴム膜の
内周縁部を内筒部材に対して直接に嵌着して組み付ける
だけで、十分な組付強度を確保でき、製作性およびコス
ト性の向上も有利に達成され得る。
【0025】
【実施例】以下、本発明を更に具体的に明らかにするた
めに、本発明の実施例について、図面を参照しつつ、詳
細に説明する。
【0026】先ず、図1及び図2には、本発明の一実施
例としての自動車用ストラットマウントが示されてい
る。本実施例のストラットマウントは、互いに径方向に
所定距離を隔てて略同軸的に配設された内筒金具10と
外筒金具12を有しており、それら内外筒金具10,1
2が、第一のゴム弾性体14と第二のゴム弾性体16に
よって連結されている。そして、かかるストラットマウ
ント18は、内筒金具10にショックアブソーバが取り
付けられる一方、外筒金具12が車体側に取り付けられ
ることにより、ショックアブソーバを車体に対して防振
連結するようになっている。
【0027】より詳細には、内筒金具10は、小径部2
0と大径部22からなる段付円筒形状の取付金具24
と、該取付金具24の段差部の外周面上に溶着されて、
大径部22の外側に向かって軸方向に拡開して延び出す
テーパ筒状のストッパ金具26とによって構成されてい
る。そして、この内筒金具10には、図示されていない
が、取付金具24の大径部22にベアリングが嵌着固定
されて、該ベアリングを介して、ショックアブソーバの
ピストンロッドが、中心軸周りに回転可能に取り付けら
れるようになっている。また、ストッパ金具26の大径
側開口部には、径方向外方に向かって広がる環状の第一
のストッパ部28が一体形成されていると共に、該第一
のストッパ部28の外周縁部には、該第一のストッパ部
28から更に軸方向外方に突出する段差部30が形成さ
れており、該段差部30の先端周縁部における周上の4
か所において、それぞれ、径方向外方に向かって延び出
す第二のストッパ部32が一体形成されている。即ち、
第二のストッパ部32は、第一のストッパ部28に対し
て、段差部30の高さ分だけ、軸方向外方に位置せしめ
られているのである。
【0028】また一方、外筒金具12は、テーパ筒形状
を有する第一の筒金具34と、円筒形状を有する第二の
筒金具36とによって構成されている。また、第一の筒
金具34の小径側開口端部および第二の筒金具36の軸
方向一方の開口端部には、それぞれ外向きの取付フラン
ジ部38,40が一体形成されており、これらの取付フ
ランジ部38,40が互いに重ね合わされることによ
り、略同一軸心上で軸方向に組み合わされている。そし
て、この重ね合わされた取付フランジ部38,40に
は、3つのボルト孔42が形成されており、図示はされ
ていないが、各ボルト孔42に挿通されるボルトによっ
て、外筒金具12が車体側に固着されるようになってい
る。
【0029】そして、外筒金具12は、内筒金具10の
径方向外方に所定距離を隔てて、第一の筒金具34が内
筒金具10のストッパ金具26側に位置する状態で配設
されており、内筒金具10のストッパ金具26に対して
外筒金具12の第一の筒金具34が、軸方向に対して所
定角度傾斜した方向で対向位置せしめられている。ま
た、内筒金具10と外筒金具12の間には、軸方向一方
の側(図1中、下側)において、第一のゴム弾性体14
が介装されている。
【0030】この第一のゴム弾性体14は、全体として
略厚肉の円環ブロック形状を有しており、その内周面が
内筒金具10を構成する取付金具24およびストッパ金
具26の外周面に加硫接着されると共に、その外周面が
外筒金具12を構成する第一の筒金具34および第二の
筒金具36の内周面に加硫接着されている。それによっ
て、第一のゴム弾性体14が、内筒金具10のストッパ
金具26と外筒金具12の第一の筒金具34との対向面
間に介装されており、内筒金具10と外筒金具12の間
に軸方向荷重が入力された際、かかる第一のゴム弾性体
14に対して、圧縮/引張変形が生ぜしめられるように
なっている。また、かかる第一のゴム弾性体14には、
軸方向内方(図1中、上方)に向かって開口する、周方
向に連続した環状の凹所43が形成されている。
【0031】さらに、第一のゴム弾性体14の外側端面
44は、ストッパ金具26に設けられた第一のストッパ
部28に対して、軸方向に所定距離を隔てて対向位置せ
しめられている一方、第一の筒金具34の開口側端面4
6が、ストッパ金具26に設けられた第二のストッパ部
32に対して、軸方向に所定距離を隔てて対向位置せし
められている。それによって、軸方向荷重の入力時に内
外筒金具10,12が軸方向に大きく相対変位せしめら
れた際、第一のストッパ部28が第一のゴム弾性体14
の外側端面44に当接されて緩衝的な相対的変位量の制
限効果が発揮されると共に、更に内外筒金具10,12
の相対的変位量が大きくなった場合には、第二のストッ
パ部32が第一の筒金具34の開口側端面46に当接さ
れて相対的変位量が確実に制限され得るようになってい
る。なお、第一のストッパ部28および第二のストッパ
部32の当接面上には、それぞれ、緩衝ゴム48が設け
られている。
【0032】また一方、内筒金具10と外筒金具12
の、軸方向他方の側(図1中、上側)における対向面間
には、第二のゴム弾性体16が介装されている。この第
二のゴム弾性体16は、変形容易な薄肉(材質等によっ
て異なるが、例えば1〜3mmの肉厚)のゴム膜によっ
て、全体として略円環形状をもって形成されている。ま
た、かかる第二のゴム弾性体16は、その断面形状が、
周方向全周に亘って、軸方向一方の側に開口するポケッ
ト部49を有する一定の袋形状とされていると共に、か
かる袋状断面の底部において、内方に湾曲して突出する
略半円状断面の内方突部50が、周方向に連続して形成
されている。
【0033】さらに、第二のゴム弾性体16の外周縁部
には、円環形状の金属リング52が加硫接着されている
一方、該第二のゴム弾性体16の内周縁部は、袋状部分
よりも厚肉化されており、円環状乃至は円筒状の嵌着部
54が一体形成されている。なお、金属リング52の外
周面は、シールゴム層55によって被覆されていると共
に、図面上に明示はされていないが、該シールゴム層5
5の外周面上および嵌着部54の内周面上には、それぞ
れ、周方向に連続して延びるシールリップが形成されて
いる。
【0034】そして、この第二のゴム弾性体16は、外
周縁部が、外筒金具12における第二の筒金具36の内
周面に挿入されて、金属リング52によって及ぼされる
圧着力にて嵌着固定されている一方、内周縁部が、内筒
金具10における取付金具24の小径部20の外周面に
圧入されて、嵌着部54自体の弾性力によって及ぼされ
る圧着力にて嵌着固定されている。また、本実施例で
は、第二のゴム弾性体16の嵌着部54が圧入された
後、或いは圧入される前に、取付金具24の小径部の軸
方向端部が、軸方向外方に向かってテーパ状に拡径され
ており、嵌着部54に対して抜け防止力が及ぼされるよ
うになっている。
【0035】これにより、第二のゴム弾性体16が、ポ
ケット部49の開口部を内方(図1中、下方)に向け
て、内筒金具10と外筒金具12との間に組み付けられ
ているのであり、以て、第一のゴム弾性体14と第二の
ゴム弾性体16の軸方向対向面間において、内筒金具1
0と外筒金具12の間を周方向に連続して延びる環状の
流体室56が形成されている。また、この流体室56に
は、所定の非圧縮性流体が封入されており、特に本実施
例では、流体の流動作用に基づく防振効果を有効に得る
ために、水やアルキレングリコール,ポリアルキレング
リコール,シリコーン油等の0.1Pa・s以下の動粘
度を有する低粘性流体が封入されている。なお、流体の
封入は、第二のゴム弾性体16の組み付けを流体中で行
うこと等によって、為され得る。
【0036】さらに、流体室56の内部には、円環板形
状を有する仕切部材58が収容されており、その外周縁
部を、第一のゴム弾性体14と第二のゴム弾性体16
(金属リング52)との間で軸方向に挟圧保持されるこ
とにより、外筒金具12に対して固定的に取り付けられ
ている。なお、仕切部材58は、容易に変形しない硬質
乃至は高弾性な材質によって形成されている。これによ
り、仕切部材58が、流体室56の外周壁面から径方向
内方に突出位置せしめられて、該流体室56が、仕切部
材58を挟んだ軸方向両側に略二分されており、以て、
壁部の一部が第一のゴム弾性体14によって構成された
第一の分割室60と、壁部の一部が第二のゴム弾性体1
6によって構成された第二の分割室62が、仕切部材5
8を挟んだ軸方向両側に形成されていると共に、仕切部
材58の内周面と流体室56の内周壁面との間に、一定
の間隙をもって周方向に延び、第一の分割室60と第二
の分割室62を相互に連通する環状の狭窄流路64が形
成されている。
【0037】このような構造とされたストラットマウン
ト18においては、車両への装着状態下、内筒金具10
と外筒金具12の間に軸方向の振動荷重が入力される
と、第一のゴム弾性体14が弾性変形せしめられると共
に、内外筒金具10,12が軸方向に相対変位せしめら
れて、第一の分割室60に内圧変動が生ぜしめられるこ
とにより、第一の分割室60と第二の分割室62との内
圧差に基づいて狭窄流路64を通じての流体流動が惹起
されるのであり、以て、この狭窄流路64を流動せしめ
られる流体の共振作用等に基づいて、有効な防振効果が
発揮され得るのである。
【0038】また、かかるストラットマウント18にお
いては、第二の分割室62の壁部を構成する第二のゴム
弾性体16が変形容易なゴム膜にて構成されていること
から、該第二のゴム弾性体16自体の弾性変形によって
第二の分割室62の内圧上昇が吸収されることに加え
て、第二のゴム弾性体16の袋状底部に設けられた内方
突部50が第二の分割室62の内方に湾曲されており、
他の部分よりも容易に外方に膨出変形せしめられるよう
になっていることから、該内方突部50の外方への変形
によって、第二の分割室62の僅かな内圧も速やかに吸
収され得ると共に、第二の分割室62の大きな容積変化
が許容され得るのであり、大荷重の入力時にも流体室5
6の内圧上昇が有効に軽減乃至は防止され得るのであ
る。
【0039】更に、それに加えて、本実施例のストラッ
トマウント18においては、第一のストッパ部28の第
一のゴム弾性体14に対する当接によって発揮される緩
衝的な変位量制限効果を有効に確保しつつ、第二のスト
ッパ部32の外筒金具12(第一の筒金具34)に対す
る当接によって確実な変位量制限効果が発揮され得るこ
とから、該第二のストッパ部32が外筒金具12に当接
した後、それ以上の大荷重が及ぼされた場合にも、第一
のゴム弾性体14の第一の分割室60内への膨出変形等
に起因する流体室56の内圧上昇が完全に防止され得る
のである。
【0040】そして、このように、振動荷重の入力時に
も流体室56の内圧上昇が防止されて、高ばね化による
振動伝達率の悪化が回避されることから、所期の防振特
性が安定して発揮されるのである。因みに、本実施例構
造のストラットマウントについて、軸方向荷重と流体室
の内圧上昇との関係を測定した結果を、図3に示すと共
に、内方突部を有しない厚肉のゴム膜によって第二のゴ
ム弾性体を構成し、且つ第二のストッパ部32を設けな
い比較例構造のストラットマウントについて、同様な測
定を行った結果を、同図に併せ示す。かかる結果から
も、本実施例構造のストラットマウントにおいては、大
荷重入力時にも流体室の著しい内圧上昇が防止されるこ
とが明らかである。
【0041】また、流体室56の内圧上昇が軽減される
ことから、前述の如く、第二のゴム弾性体16の内周縁
部(嵌着部54)を内筒金具10の外周面に対して直接
に嵌着せしめただけの取付構造でも、該第二のゴム弾性
体16の内筒金具10に対する十分な組付力を確保する
ことが出来るのであり、それによって、ゴム弾性体16
の内周縁部に金属リング等を固着する必要がなくなるこ
とから、構造および製造工程の簡略化が図られ得て、製
作性およびコスト性の向上が達成され得るのである。
【0042】加えて、内筒金具10を構成するストッパ
金具26は、例えば板材(コイル材)を用いて打抜加工
および円筒絞り加工によって有利に形成することが出
来、そのような製造方法を採用すれば、打抜加工時に不
要部分として廃棄される板材の部分を利用して、第一の
ストッパ部28に加えて第二のストッパ部32をも形成
することが可能となって、一層優れたコスト性が発揮さ
れ得るといった利点もある。
【0043】以上、本発明の実施例について詳述してき
たが、これは文字通りの例示であって、本発明は、かか
る具体例にのみ限定して解釈されるものではない。
【0044】例えば、流体室を分割する仕切部材が、前
記実施例では外筒金具12側に固定的に取り付けられて
いたが、それとは逆に、かかる仕切部材を、内筒金具1
0側に固定的に取り付けても良い。
【0045】また、第二のゴム弾性体16における内方
突部50の形状や大きさは、何等限定されるものでな
く、例えば、かかる内方突部を、周方向に非連続に一つ
或いは複数形成することも可能である。
【0046】さらに、第一のストッパ部28は、荷重が
入力されていない当初から、第一のゴム弾性体14の軸
方向端面に当接されていてもよく、該第一のストッパ部
28とゴム弾性体14との対向面間には、必ずしも空間
を設ける必要はない。
【0047】また、第二のストッパ部32を周方向全周
に亘って連続して形成することも可能である。
【0048】その他、一々列挙はしないが、本発明は、
当業者の知識に基づいて、種々なる変更,修正,改良等
を加えた態様において実施され得るものであり、また、
そのような実施態様が、本発明の趣旨を逸脱しない限
り、何れも、本発明の範囲内に含まれるものであること
は、言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例としてのストラットマウント
を示す縦断面図である。
【図2】図1に示されたストラットマウントの底面図で
ある。
【図3】図1に示されたストラットマウントについて、
軸方向荷重と流体室の内圧上昇との関係を測定した結果
を、比較例と共に示すグラフである。
【符号の説明】
10 内筒金具 12 外筒金具 14 第一のゴム弾性体 16 第二のゴム弾性体 18 ストラットマウント 28 第一のストッパ部 32 第二のストッパ部 50 内方突部 54 嵌着部 56 流体室 58 仕切部材 60 第一の分割室 62 第二の分割室 64 狭窄流路

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 径方向に互いに所定距離を隔てて配され
    た内筒部材と外筒部材を、軸方向一方の側において環状
    の第一のゴム弾性体により連結すると共に、それら内筒
    部材と外筒部材における軸方向他方の側の径方向対向面
    間に環状の第二のゴム弾性体を圧入せしめて、前記第一
    のゴム弾性体と該第二のゴム弾性体との間に非圧縮性流
    体が封入された環状の流体室を形成する一方、前記内筒
    部材または前記外筒部材によって支持された仕切部材に
    より、該流体室を前記第一のゴム弾性体側と前記第二の
    ゴム弾性体側に分割すると共に、それら両分割室を相互
    に連通する狭窄流路を設けてなる流体封入式ストラット
    マウントにおいて、 全体として軸方向外方に突出する袋状断面を有すると共
    に、該袋状断面の中間部分において流体室内方に湾曲し
    て突出する内方突部が設けられた変形容易な環状のゴム
    膜により、前記第二のゴム弾性体を構成し、該環状のゴ
    ム膜の内周縁部を前記内筒部材の外周面に対して直接に
    圧入固定したことを特徴とする流体封入式ストラットマ
    ウント。
  2. 【請求項2】 前記環状のゴム膜における前記内方突部
    が、周方向に連続して形成されている請求項1に記載の
    流体封入式ストラットマウント。
  3. 【請求項3】 前記第一のゴム弾性体の軸方向端面に対
    して軸方向に対向位置せしめられて当接させられるスト
    ッパ部が、前記内筒部材に形成されている請求項1又は
    2に記載の流体封入式ストラットマウント。
  4. 【請求項4】 前記環状のゴム膜の内周縁部が圧入され
    た前記内筒金具の軸方向端部の外周面に対して、軸方向
    外方に行くに従って大径化するテーパが付されている請
    求項1乃至3の何れかに記載の流体封入式ストラットマ
    ウント。
  5. 【請求項5】 前記環状のゴム膜の外周縁部に金属リン
    グが固着されており、該金属リングが前記外筒部材の内
    周面に嵌着されている請求項1乃至4の何れかに記載の
    流体封入式ストラットマウント。
  6. 【請求項6】 径方向に互いに所定距離を隔てて配され
    た内筒部材と外筒部材を、軸方向一方の側において環状
    の第一のゴム弾性体により連結すると共に、それら内筒
    部材と外筒部材における軸方向他方の側の径方向対向面
    間に環状の第二のゴム弾性体を圧入せしめて、前記第一
    のゴム弾性体と該第二のゴム弾性体との間に非圧縮性流
    体が封入された環状の流体室を形成する一方、前記内筒
    部材または前記外筒部材によって支持された仕切部材に
    より、該流体室を前記第一のゴム弾性体側と前記第二の
    ゴム弾性体側に分割すると共に、それら両分割室を相互
    に連通する狭窄流路を設けてなる流体封入式ストラット
    マウントにおいて、 前記第一のゴム弾性体の軸方向端面に対向位置せしめら
    れて該第一のゴム弾性体の軸方向端面を押圧する第一の
    ストッパ部と、前記外筒部材の軸方向端面に対向位置せ
    しめられて該外筒部材の軸方向端面に当接させられる第
    二のストッパ部とを、それぞれ前記内筒部材に形成する
    と共に、該第一のストッパ部の該第一のゴム弾性体に対
    する対向距離を、該第二のストッパ部の該外筒部材に対
    する対向距離よりも小さく設定したことを特徴とする流
    体封入式ストラットマウント。
  7. 【請求項7】 全体として軸方向外方に突出する袋状断
    面を有すると共に、該袋状断面の中間部分において流体
    室内方に湾曲して突出する内方突部が設けられた変形容
    易な環状のゴム膜により、前記第二のゴム弾性体が構成
    されている一方、かかる環状のゴム膜の内周縁部が前記
    内筒部材の外周面に対して直接に圧入固定されている請
    求項6に記載の流体封入式ストラットマウント。
JP29631294A 1994-11-30 1994-11-30 流体封入式ストラットマウント Pending JPH08152044A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29631294A JPH08152044A (ja) 1994-11-30 1994-11-30 流体封入式ストラットマウント

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29631294A JPH08152044A (ja) 1994-11-30 1994-11-30 流体封入式ストラットマウント

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08152044A true JPH08152044A (ja) 1996-06-11

Family

ID=17831923

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP29631294A Pending JPH08152044A (ja) 1994-11-30 1994-11-30 流体封入式ストラットマウント

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08152044A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1329645A3 (en) * 2002-01-16 2004-11-24 Toyo Tire & Rubber Co., Ltd . Vibration-proof device
KR100488786B1 (ko) * 2002-05-15 2005-05-12 기아자동차주식회사 유압식 스트럿 마운팅 구조
US10507703B2 (en) 2016-06-27 2019-12-17 Sumitomo Riko Company Limited Strut mount and suspension mechanism using the same

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1329645A3 (en) * 2002-01-16 2004-11-24 Toyo Tire & Rubber Co., Ltd . Vibration-proof device
KR100488786B1 (ko) * 2002-05-15 2005-05-12 기아자동차주식회사 유압식 스트럿 마운팅 구조
US10507703B2 (en) 2016-06-27 2019-12-17 Sumitomo Riko Company Limited Strut mount and suspension mechanism using the same

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5775666A (en) Elastic mount having mounting bracket functioning as stop mechanism and method of producing the same
US5040775A (en) Upper support for shock absorber in suspension system
US5183243A (en) Fluid-filled elastic mount having caulked portion for sealing off fluid chamber
JPH0724674Y2 (ja) サスペンション用アッパサポート
JP4110567B2 (ja) 流体封入式筒形防振装置
US5024461A (en) Upper support for shock absorber in suspension system, having elastically supported resonance member
JP2984863B2 (ja) 油圧緩衝サイレントブロツク
US5064176A (en) Upper support for shock absorber in suspension system
JPS6361536B2 (ja)
US5259598A (en) Fluid-filled elastic mount having dynamic damper for mounting bracket, utilizing equilibrium diaphragm cover
US6616130B2 (en) Cylindrical vibration-isolating device
US6557839B2 (en) Fluid-filled vibration damping device and method of producing the same
JP4340911B2 (ja) 防振装置
JPH08152044A (ja) 流体封入式ストラットマウント
US20040135299A1 (en) Fluid filled elastic mount
US5263692A (en) Fluid-filled cylindrical elastic mount having axially extending legs for limiting axial spacing between axially opposed intermediate support members
JP4081421B2 (ja) 防振マウント組立体
JPH0524837Y2 (ja)
JPH02231208A (ja) サスペンション用アッパサポート
JPH0434016B2 (ja)
JP2877940B2 (ja) 筒型マウントおよびその製造方法
JPH11210808A (ja) マウント装置
JPH0524836Y2 (ja)
JPH07269639A (ja) 液体封入型防振装置
JPH07180743A (ja) 流体封入式マウント