JPH08151617A - 定電流流電式海生生物着生防止方法および定電流制御装置 - Google Patents
定電流流電式海生生物着生防止方法および定電流制御装置Info
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- JPH08151617A JPH08151617A JP31944994A JP31944994A JPH08151617A JP H08151617 A JPH08151617 A JP H08151617A JP 31944994 A JP31944994 A JP 31944994A JP 31944994 A JP31944994 A JP 31944994A JP H08151617 A JPH08151617 A JP H08151617A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 電気化学的に海生生物の着生を防止する方法
を適用するに十分な直流電源を確保することが困難な海
洋構造物に、海生生物着生防止が効果的に、かつ経済的
に適用できる新しい電気化学的な海生生物着生防止方法
を提供する。 【構成】 海洋構造物における海生生物着生部分を鉄、
亜鉛、アルミニウム、マグネシウムあるいはこれらを基
金属とするそれぞれの合金材からなる金属体で被覆し、
該金属体を陽極とし、該陽極より貴電位を有する導電体
を海水中に設置し、これを陰極とし、両電極間に定電流
制御装置を接続し、両電極間を流れる発生電流を一定に
自動調節し、該陽極の金属体を一定速度で連続的または
間歇的に活性溶解させることを特徴とする定電流流電式
海生生物着生防止方法。
を適用するに十分な直流電源を確保することが困難な海
洋構造物に、海生生物着生防止が効果的に、かつ経済的
に適用できる新しい電気化学的な海生生物着生防止方法
を提供する。 【構成】 海洋構造物における海生生物着生部分を鉄、
亜鉛、アルミニウム、マグネシウムあるいはこれらを基
金属とするそれぞれの合金材からなる金属体で被覆し、
該金属体を陽極とし、該陽極より貴電位を有する導電体
を海水中に設置し、これを陰極とし、両電極間に定電流
制御装置を接続し、両電極間を流れる発生電流を一定に
自動調節し、該陽極の金属体を一定速度で連続的または
間歇的に活性溶解させることを特徴とする定電流流電式
海生生物着生防止方法。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、海洋構造物にあって、
特に浮標等のように整流電源の利用が困難な状況にある
構造物の海水(本発明においては、用語『海水』には汽
水も含まれるものとする)に接する表面に着生繁殖する
海生生物着生防止方法に関するものである。
特に浮標等のように整流電源の利用が困難な状況にある
構造物の海水(本発明においては、用語『海水』には汽
水も含まれるものとする)に接する表面に着生繁殖する
海生生物着生防止方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】浮標等は海洋沿岸に設置され、船舶の航
行の安全に重要な役割を果たしている。しかし、浮標等
は海水中に在るので貝類、藻類等の海生生物が着生繁殖
するのは避けられない。燈火を有する標識浮標は重心が
高いので、これら海生生物の着生繁殖の状態により重心
が変化し不安定となり、波浪の状態によっては転倒の危
険がある。そのため、定期的にまたは不定期に浮標の没
水部に着生繁茂した貝類、藻類を人力で除去し、浮標の
安定を図ることが必要不可欠である。この除去作業は作
業性の悪い現場において多大の手数と経費を要する人力
作業でなされる。しかもその作業で浮標に施された塗装
を傷めるので防食対策上からも好ましいことではなく、
効果的な除去方法の出現が待たれていた。
行の安全に重要な役割を果たしている。しかし、浮標等
は海水中に在るので貝類、藻類等の海生生物が着生繁殖
するのは避けられない。燈火を有する標識浮標は重心が
高いので、これら海生生物の着生繁殖の状態により重心
が変化し不安定となり、波浪の状態によっては転倒の危
険がある。そのため、定期的にまたは不定期に浮標の没
水部に着生繁茂した貝類、藻類を人力で除去し、浮標の
安定を図ることが必要不可欠である。この除去作業は作
業性の悪い現場において多大の手数と経費を要する人力
作業でなされる。しかもその作業で浮標に施された塗装
を傷めるので防食対策上からも好ましいことではなく、
効果的な除去方法の出現が待たれていた。
【0003】着生生物にはフジツボ、ムラサキイガイ、
ホヤに代表される貝類や藻類、海草類等があり、その除
去対策としては、上述の機械的除去を始めとして構造物
の防汚塗装、電解による毒性イオン(銅、水銀等)の添
加、塩素ガス注入(海水電解を含む)または次亜塩素酸
塩による海水殺菌等の種々の方法が適用されてきた。こ
れら化学的方法は大量処理に適するが、環境汚染の見地
から適用の制限、さらに進んで禁止の方向にあり、これ
に代わる有効な海生生物着生防止技術の開発が持たれて
いた。
ホヤに代表される貝類や藻類、海草類等があり、その除
去対策としては、上述の機械的除去を始めとして構造物
の防汚塗装、電解による毒性イオン(銅、水銀等)の添
加、塩素ガス注入(海水電解を含む)または次亜塩素酸
塩による海水殺菌等の種々の方法が適用されてきた。こ
れら化学的方法は大量処理に適するが、環境汚染の見地
から適用の制限、さらに進んで禁止の方向にあり、これ
に代わる有効な海生生物着生防止技術の開発が持たれて
いた。
【0004】電気化学的に海生生物の着生を防止する方
法(以下、電気防汚法と呼称する)は最近実用化されつ
つある新技術で、これは海上に敷設された岸壁、桟橋、
プラットフォーム脚柱等の港湾施設や船舶等の海洋構造
物の没水部や干満部の表面あるいは冷却水取水管や取水
水路のような海水取水設備等の壁面を電解により溶解さ
せて海生生物が構造物表面に着床することを妨げ、これ
により以後の繁殖をないものとすることができる海生生
物による汚損を防ぐ電気化学的海生生物着生防止技術で
ある。
法(以下、電気防汚法と呼称する)は最近実用化されつ
つある新技術で、これは海上に敷設された岸壁、桟橋、
プラットフォーム脚柱等の港湾施設や船舶等の海洋構造
物の没水部や干満部の表面あるいは冷却水取水管や取水
水路のような海水取水設備等の壁面を電解により溶解さ
せて海生生物が構造物表面に着床することを妨げ、これ
により以後の繁殖をないものとすることができる海生生
物による汚損を防ぐ電気化学的海生生物着生防止技術で
ある。
【0005】海生生物は、海水中に浮遊する状態では成
育することができず、水中微生物によりスライム薄層が
形成した構造物の表面に浮遊してきた貝類の孵化後間の
ない幼生や藻等の胞子等が着床し、固定した基盤が得ら
れると、これら海生生物は成長が可能となり繁殖するよ
うになる。従って、構造物表面にスライム層ができない
ようにすることにより、幼生や胞子等は着床できず浮遊
を続け死滅に到る。すなわち、スライム層が生成する速
度より大きい速度で連続的にまたは間歇的に構造物表面
を溶解させればスライムの固定層ができないので、海生
生物の着床・成長を防止し、構造物表面への海生生物の
着生防止が可能となる。
育することができず、水中微生物によりスライム薄層が
形成した構造物の表面に浮遊してきた貝類の孵化後間の
ない幼生や藻等の胞子等が着床し、固定した基盤が得ら
れると、これら海生生物は成長が可能となり繁殖するよ
うになる。従って、構造物表面にスライム層ができない
ようにすることにより、幼生や胞子等は着床できず浮遊
を続け死滅に到る。すなわち、スライム層が生成する速
度より大きい速度で連続的にまたは間歇的に構造物表面
を溶解させればスライムの固定層ができないので、海生
生物の着床・成長を防止し、構造物表面への海生生物の
着生防止が可能となる。
【0006】この海生生物着生防止理論に基づき、電気
防汚法においては、海洋構造物や海水取水設備等を対象
とし、これらの表面の海生生物着生部分を電気化学的に
活性な鉄、亜鉛、アルミニウム、マグネシウムあるいは
これらを基金属とするそれぞれの合金材で覆い、これを
陽極とし、一方、海中に設置した別個の金属体あるいは
構造物の他の表面の一部を陰極とし、両電極を直流電源
に接続し、陽極から適当な大きさのアノード電流を流出
させ、陽極金属を活性溶解させることにより、生物着生
基盤を溶解除去して着生の機会を喪失させ、防汚の目的
を達成している。この際、例えば陽極が鉄材で構成され
るときには0.05A/m2以上のアノード電流を供給
することにより海生生物の付着量は1kg/m2以下と
なり、電流密度の上昇に伴って付着量はさらに減少し、
0.3〜0.5A/m2の範囲での付着量は0〜0.2
kg/m2で、極めて良好な防汚効果が得られることが
実証されている。
防汚法においては、海洋構造物や海水取水設備等を対象
とし、これらの表面の海生生物着生部分を電気化学的に
活性な鉄、亜鉛、アルミニウム、マグネシウムあるいは
これらを基金属とするそれぞれの合金材で覆い、これを
陽極とし、一方、海中に設置した別個の金属体あるいは
構造物の他の表面の一部を陰極とし、両電極を直流電源
に接続し、陽極から適当な大きさのアノード電流を流出
させ、陽極金属を活性溶解させることにより、生物着生
基盤を溶解除去して着生の機会を喪失させ、防汚の目的
を達成している。この際、例えば陽極が鉄材で構成され
るときには0.05A/m2以上のアノード電流を供給
することにより海生生物の付着量は1kg/m2以下と
なり、電流密度の上昇に伴って付着量はさらに減少し、
0.3〜0.5A/m2の範囲での付着量は0〜0.2
kg/m2で、極めて良好な防汚効果が得られることが
実証されている。
【0007】このように、整流電源が容易に得られる沿
岸施設や発電設備を有する船舶等では、この電気防汚法
が容易に適用できるが、沖合航路の標識用の浮標は勿論
のこと港内浮標においても整流電源を利用することは極
めて困難である。燈火浮標においては太陽電池で燈火電
源を補充しているものもあるが、電気防汚法を適用する
に十分の電力を確保することは無理である。従って、こ
れら浮標に対する電気防汚法の適用例はなく、従来の人
力による除去に頼らざるを得ない状態にある。
岸施設や発電設備を有する船舶等では、この電気防汚法
が容易に適用できるが、沖合航路の標識用の浮標は勿論
のこと港内浮標においても整流電源を利用することは極
めて困難である。燈火浮標においては太陽電池で燈火電
源を補充しているものもあるが、電気防汚法を適用する
に十分の電力を確保することは無理である。従って、こ
れら浮標に対する電気防汚法の適用例はなく、従来の人
力による除去に頼らざるを得ない状態にある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、電気防汚法
を適用するに十分な直流電源を確保することが困難な海
洋構造物に、海生生物着生防止が効果的に、かつ経済的
に適用できる新しい電気防汚法を提供することを目的と
する。
を適用するに十分な直流電源を確保することが困難な海
洋構造物に、海生生物着生防止が効果的に、かつ経済的
に適用できる新しい電気防汚法を提供することを目的と
する。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記目的
について鋭意検討の結果、適用対象の海洋構造物の表面
に設けた陽極金属を海生生物着生防止に必要な活性溶解
させるためのアノード電流として、陽極金属をそれより
貴な自然電位の陰極とカップルし、このガルバニ対の発
生電流を用いることを想到した。しかし、この流電方式
では環境条件の変化による電流の変動や陰極表面への石
灰質スケールの析出による電流の逓減は避けられず、一
定の防汚効果が確保できるとは限らない。通常、ガルバ
ニ対に可変抵抗を挿入し、これを時々調節して電流の安
定を図る。しかし、僻地や沖合に在る海洋構造物に対し
一々現地に赴いて可変抵抗の調節を行う煩雑さを避け、
さらに電流調節を連続的に行って最適の海生生物着生防
止の効果を維持し、さらに過剰の陽極溶解を避けて陽極
の寿命の延伸を図るため、小容量の乾電池電源で長時間
安定に動作する簡単安価な定電流制御装置を組み込む方
法を見出し、極めて経済的かつ効果的な電気防汚法に到
達した。
について鋭意検討の結果、適用対象の海洋構造物の表面
に設けた陽極金属を海生生物着生防止に必要な活性溶解
させるためのアノード電流として、陽極金属をそれより
貴な自然電位の陰極とカップルし、このガルバニ対の発
生電流を用いることを想到した。しかし、この流電方式
では環境条件の変化による電流の変動や陰極表面への石
灰質スケールの析出による電流の逓減は避けられず、一
定の防汚効果が確保できるとは限らない。通常、ガルバ
ニ対に可変抵抗を挿入し、これを時々調節して電流の安
定を図る。しかし、僻地や沖合に在る海洋構造物に対し
一々現地に赴いて可変抵抗の調節を行う煩雑さを避け、
さらに電流調節を連続的に行って最適の海生生物着生防
止の効果を維持し、さらに過剰の陽極溶解を避けて陽極
の寿命の延伸を図るため、小容量の乾電池電源で長時間
安定に動作する簡単安価な定電流制御装置を組み込む方
法を見出し、極めて経済的かつ効果的な電気防汚法に到
達した。
【0010】すなわち、本発明の定電流流電式海生生物
着生防止方法は、海洋構造物における海生生物着生部分
を鉄、亜鉛、アルミニウム、マグネシウムあるいはこれ
らを基金属とするそれぞれの合金材からなる金属体で被
覆し、該金属体を陽極とし、該陽極より貴電位を有する
導電体を海水中に設置し、これを陰極とし、両電極間に
定電流制御装置を接続し、両電極間を流れる発生電流を
一定に自動調節し、該陽極の金属体を一定速度で連続的
または間歇的に活性溶解させることを特徴とする。
着生防止方法は、海洋構造物における海生生物着生部分
を鉄、亜鉛、アルミニウム、マグネシウムあるいはこれ
らを基金属とするそれぞれの合金材からなる金属体で被
覆し、該金属体を陽極とし、該陽極より貴電位を有する
導電体を海水中に設置し、これを陰極とし、両電極間に
定電流制御装置を接続し、両電極間を流れる発生電流を
一定に自動調節し、該陽極の金属体を一定速度で連続的
または間歇的に活性溶解させることを特徴とする。
【0011】本発明の防止方法は、海洋構造物が浮標の
ように必要な電源の確保が困難な構造物に適用される。
ように必要な電源の確保が困難な構造物に適用される。
【0012】本発明では、鉄、亜鉛、アルミニウム、マ
グネシウムまたはこれらを基金属とするそれぞれの合金
のように海水中で低い自然電位を示す活性な金属の板等
で、海生生物が着生繁殖する部分の構造物の表面を原則
的には構造物とは電気的に絶縁した状態で被覆し、この
被覆材を陽極とする。一方、銅または銅合金、ステンレ
ス鋼、チタン等の金属や炭素系導電性塗膜あるいは炭素
質物質のように海水中で貴電位を示す導電性物質による
電極を構造物近傍の海水中に設置し、これを陰極とす
る。そして、これら二つの電極を定電流制御装置を介し
て接続するものである。
グネシウムまたはこれらを基金属とするそれぞれの合金
のように海水中で低い自然電位を示す活性な金属の板等
で、海生生物が着生繁殖する部分の構造物の表面を原則
的には構造物とは電気的に絶縁した状態で被覆し、この
被覆材を陽極とする。一方、銅または銅合金、ステンレ
ス鋼、チタン等の金属や炭素系導電性塗膜あるいは炭素
質物質のように海水中で貴電位を示す導電性物質による
電極を構造物近傍の海水中に設置し、これを陰極とす
る。そして、これら二つの電極を定電流制御装置を介し
て接続するものである。
【0013】以下、本発明の定電流流電式海生生物着生
方法について図面に基づいて具体的に説明する。
方法について図面に基づいて具体的に説明する。
【0014】図1は、本発明に係る定電流通電式海生生
物着生防止方法の適用例を概念的に示す説明図である。
同図において、1は外部から電力の供給が困難な浮標の
ような海洋構造物、陽極2はこの構造物の没水部および
干満部において貝類、藻類等の海生生物が着生繁殖の恐
れのある表面部分を被覆する金属体で、鉄、亜鉛、アル
ミニウム、マグネシウムまたはこれらを基金属とするそ
れぞれの合金であって、環境の水中における自然電位が
低く活性溶解が容易な金属が用いられ、原則的に構造物
1とは電気的に絶縁され、該金属体が陽極2として電解
されても構造物1が電解を受けないようになっている。
ただし、海洋構造物1が鉄または鉄合金で作られ、均一
な活性溶解ができる構造であり、十分な溶解量の付与が
可能なときには構造物1自体を陽極2とすることも可能
である。3はこの構造物が設置される環境の海水(汽水
を含む)を示す。陰極4は陽極2とガルバニ対をなす銅
または銅合金、ステンレス鋼、チタンのように環境中で
陽極2より貴電位を示す金属である。また、陰極4には
同じく環境中で貴な自然電位を示す例えば炭素系のよう
な導電性塗料を塗布した金属体やコンクリート等を用い
ることもできる。あるいは炭素棒や板または粒状炭素等
の炭素質物質も用いられる。5は電子素子を用いた定電
流制御装置で、6および6′は該定電流制御装置5と該
陽極2および該陰極4とを電気的に接続する導線であ
る。
物着生防止方法の適用例を概念的に示す説明図である。
同図において、1は外部から電力の供給が困難な浮標の
ような海洋構造物、陽極2はこの構造物の没水部および
干満部において貝類、藻類等の海生生物が着生繁殖の恐
れのある表面部分を被覆する金属体で、鉄、亜鉛、アル
ミニウム、マグネシウムまたはこれらを基金属とするそ
れぞれの合金であって、環境の水中における自然電位が
低く活性溶解が容易な金属が用いられ、原則的に構造物
1とは電気的に絶縁され、該金属体が陽極2として電解
されても構造物1が電解を受けないようになっている。
ただし、海洋構造物1が鉄または鉄合金で作られ、均一
な活性溶解ができる構造であり、十分な溶解量の付与が
可能なときには構造物1自体を陽極2とすることも可能
である。3はこの構造物が設置される環境の海水(汽水
を含む)を示す。陰極4は陽極2とガルバニ対をなす銅
または銅合金、ステンレス鋼、チタンのように環境中で
陽極2より貴電位を示す金属である。また、陰極4には
同じく環境中で貴な自然電位を示す例えば炭素系のよう
な導電性塗料を塗布した金属体やコンクリート等を用い
ることもできる。あるいは炭素棒や板または粒状炭素等
の炭素質物質も用いられる。5は電子素子を用いた定電
流制御装置で、6および6′は該定電流制御装置5と該
陽極2および該陰極4とを電気的に接続する導線であ
る。
【0015】図2は、該定電流制御装置5の回路の一例
を説明する詳細図である。51は陽極2と陰極4とに接
続されるバイポーラ型または電界効果型のパワートラン
ジスタで、陽極2と陰極4のガルバニ対を流れる発生電
流を制御する働きをする。52はこの発生電流の大きさ
を検出する固定抵抗よりなる電流検出部で、ここでの電
圧降下はできるだけ小さい方(50mV以下)が好まし
く、設定電流に応じて抵抗値を選択する。53はこの定
電流制御系で制御しようとする目的の電流値を電圧の値
として設定する電流設定部であり、54は該電流設定部
53での電流設定値と電流検出部52で測定された発生
電流の値との差電圧を増幅する演算増幅器のような電圧
増幅器である。この出力電圧は、パワートランジスタ5
1のベースまたはゲートに入力され、該パワートランジ
スタ51の内部抵抗を変化させて該パワートランジスタ
51を流れる電流を設定電流値に一致するよう制御す
る。55はこれら電子回路を外来衝撃電圧から保護する
ためのダイオードを用いた保護アレスタである。
を説明する詳細図である。51は陽極2と陰極4とに接
続されるバイポーラ型または電界効果型のパワートラン
ジスタで、陽極2と陰極4のガルバニ対を流れる発生電
流を制御する働きをする。52はこの発生電流の大きさ
を検出する固定抵抗よりなる電流検出部で、ここでの電
圧降下はできるだけ小さい方(50mV以下)が好まし
く、設定電流に応じて抵抗値を選択する。53はこの定
電流制御系で制御しようとする目的の電流値を電圧の値
として設定する電流設定部であり、54は該電流設定部
53での電流設定値と電流検出部52で測定された発生
電流の値との差電圧を増幅する演算増幅器のような電圧
増幅器である。この出力電圧は、パワートランジスタ5
1のベースまたはゲートに入力され、該パワートランジ
スタ51の内部抵抗を変化させて該パワートランジスタ
51を流れる電流を設定電流値に一致するよう制御す
る。55はこれら電子回路を外来衝撃電圧から保護する
ためのダイオードを用いた保護アレスタである。
【0016】56は電流設定部53および電圧増幅器5
4のための乾電池等よりなる電源で、パワートランジス
タ51を作動させる大容量の電源は陽極2と陰極4のカ
ップル対が担当するので、制御回路用の電源56は極め
て小容量でよく、電圧増幅器54にマイクロパワーの演
算増幅器を用いるときには単一乾電池で10年間以上交
換の必要がない。
4のための乾電池等よりなる電源で、パワートランジス
タ51を作動させる大容量の電源は陽極2と陰極4のカ
ップル対が担当するので、制御回路用の電源56は極め
て小容量でよく、電圧増幅器54にマイクロパワーの演
算増幅器を用いるときには単一乾電池で10年間以上交
換の必要がない。
【0017】なお、アノード電流を連続的に流すとき
は、電流設定部53では10〜50mVの直流電圧を基
準電圧として選択し、間歇通電の時には設定部電源に矩
形波発生器を用い、0mVと所定基準電圧の2種の電圧
が交互に繰り返して設定できるようにし、通電の時間と
停止の間隔は矩形波の周期およびデューティ比を変化さ
せて設定する。
は、電流設定部53では10〜50mVの直流電圧を基
準電圧として選択し、間歇通電の時には設定部電源に矩
形波発生器を用い、0mVと所定基準電圧の2種の電圧
が交互に繰り返して設定できるようにし、通電の時間と
停止の間隔は矩形波の周期およびデューティ比を変化さ
せて設定する。
【0018】また、図2においてはN型バイポーラパワ
ートランジスタで例示したが、パワートランジスタ51
はバイポーラ型でも電界効果型でもよく、また回路の一
部を変更することによりP型、Pチャンネル型のいずれ
でも動作は全く変わりない。
ートランジスタで例示したが、パワートランジスタ51
はバイポーラ型でも電界効果型でもよく、また回路の一
部を変更することによりP型、Pチャンネル型のいずれ
でも動作は全く変わりない。
【0019】このように海水中で電解を続けていると、
よく知られていることであるが、陰極表面に石灰質スケ
ールが生成固着するので、陰極の発生電流が低下し、必
要なアノード電流が確保できなくなる。そこで、陰極表
面に石灰質スケールの析出を防止することができれば、
陰極の発生電流の増大とその寿命の延伸を図ることがで
きる。
よく知られていることであるが、陰極表面に石灰質スケ
ールが生成固着するので、陰極の発生電流が低下し、必
要なアノード電流が確保できなくなる。そこで、陰極表
面に石灰質スケールの析出を防止することができれば、
陰極の発生電流の増大とその寿命の延伸を図ることがで
きる。
【0020】本発明者等は、ある種の吸水性高分子樹脂
と接触する海水は、Cl-、SO 2- 4等のアニオンの濃
度には何等の変化もなかったが、Ca2+およびMg2+な
らびにNa+等のカチオンの濃度は10〜25%も減少
する実験結果を得た。この吸水性高分子樹脂のイオン選
択性を利用しアルカリ土類金属イオンの濃度を下げてス
ケールの析出を減少させるべく、本発明においては、こ
の種のイオン選択性物質で陰極表面を被覆する。
と接触する海水は、Cl-、SO 2- 4等のアニオンの濃
度には何等の変化もなかったが、Ca2+およびMg2+な
らびにNa+等のカチオンの濃度は10〜25%も減少
する実験結果を得た。この吸水性高分子樹脂のイオン選
択性を利用しアルカリ土類金属イオンの濃度を下げてス
ケールの析出を減少させるべく、本発明においては、こ
の種のイオン選択性物質で陰極表面を被覆する。
【0021】すなわち、吸水性高分子樹脂『アクアリッ
クCS』(日本触媒化学工業社製)に属する一連の製品
は、2価以上の金属イオンによる吸水性の低下を改善し
たポリアクリル酸塩系の吸水性高分子樹脂で、地下水、
海水、セメント水等の中で長期にわたり安定した高吸水
性を発揮する。この吸水性高分子樹脂に海水中でアルカ
リ土類金属イオンを吸着する性質を認め、この吸水性高
分子樹脂を耐水紙に薄く展開させたシートはカルシウム
イオンやマグネシウムイオン等を通過させないアニオン
選択性があり、しかも電気抵抗の低い隔膜となることを
実験により確認した。
クCS』(日本触媒化学工業社製)に属する一連の製品
は、2価以上の金属イオンによる吸水性の低下を改善し
たポリアクリル酸塩系の吸水性高分子樹脂で、地下水、
海水、セメント水等の中で長期にわたり安定した高吸水
性を発揮する。この吸水性高分子樹脂に海水中でアルカ
リ土類金属イオンを吸着する性質を認め、この吸水性高
分子樹脂を耐水紙に薄く展開させたシートはカルシウム
イオンやマグネシウムイオン等を通過させないアニオン
選択性があり、しかも電気抵抗の低い隔膜となることを
実験により確認した。
【0022】本発明では、このイオン選択性物質からな
るシートのアニオン選択性に着目し、陰極の表面をこの
シートで覆うことにより、このシートの特性を利用して
陰極/海水界面のCa2+とMg2+の濃度ならびにpHを
下げて陰極におけるスケール析出を抑制してカソード反
応を促進し、陰極の実効面積の増加効果を得ることがで
きる。
るシートのアニオン選択性に着目し、陰極の表面をこの
シートで覆うことにより、このシートの特性を利用して
陰極/海水界面のCa2+とMg2+の濃度ならびにpHを
下げて陰極におけるスケール析出を抑制してカソード反
応を促進し、陰極の実効面積の増加効果を得ることがで
きる。
【0023】また、本発明では炭素、磁性酸化鉄または
フェロシリコン等の不溶性中心電極の周囲に炭素粒、破
砕炭グラファイト等の粉粒状炭素質物質を詰めた充填体
電極を、海水中に全浸漬するかまたは該電極の一部を水
面上に露出した状態で陰極として用いる。
フェロシリコン等の不溶性中心電極の周囲に炭素粒、破
砕炭グラファイト等の粉粒状炭素質物質を詰めた充填体
電極を、海水中に全浸漬するかまたは該電極の一部を水
面上に露出した状態で陰極として用いる。
【0024】図1では、平板の陰極4を用いているの
で、表面でのカソード反応(溶存酸素の還元)による陰
極発生電流は100〜150mA/m2の大きさであっ
て、陽極2で必要な溶出電流を得るためには、陽極の3
倍以上の表面積を要し、比較的大面積の陰極4を設置せ
ざるを得なかった。
で、表面でのカソード反応(溶存酸素の還元)による陰
極発生電流は100〜150mA/m2の大きさであっ
て、陽極2で必要な溶出電流を得るためには、陽極の3
倍以上の表面積を要し、比較的大面積の陰極4を設置せ
ざるを得なかった。
【0025】図3は、この考えに基づいて作製した充填
体電極(陰極)の断面を示す図で、電流の導電用の不溶
性中心電極41として炭素棒、磁性酸化鉄またはフェロ
シリコン等を用い、これを布製円筒42に納め、不溶性
中心電極の周囲に炭素粒、破砕炭グラファイト等の粉粒
状炭素質物質43を詰めた後、布製円筒42の上端を閉
じて充填体電極とした。
体電極(陰極)の断面を示す図で、電流の導電用の不溶
性中心電極41として炭素棒、磁性酸化鉄またはフェロ
シリコン等を用い、これを布製円筒42に納め、不溶性
中心電極の周囲に炭素粒、破砕炭グラファイト等の粉粒
状炭素質物質43を詰めた後、布製円筒42の上端を閉
じて充填体電極とした。
【0026】このような充填体電極を用いることによっ
て設置が容易な小型で発生電流の大きい陰極を得ること
ができる。
て設置が容易な小型で発生電流の大きい陰極を得ること
ができる。
【0027】また、本発明で用いられる定電流制御装置
は、該陽極と該陰極とに接続され、両電極間を流れる発
生電流を制御するパワートランジスタ、その発生電流値
の検出部、本制御装置で制御しようとする電流値の大き
さを定める電流設定部、および両電極間を流れる発生電
流と設定電流の差を増幅し、もって該パワートランジス
タを制御する電圧増幅器の各部を有し、さらに該トラン
ジスタを除く各部を駆動する極めて小容量の電源を備え
ている。
は、該陽極と該陰極とに接続され、両電極間を流れる発
生電流を制御するパワートランジスタ、その発生電流値
の検出部、本制御装置で制御しようとする電流値の大き
さを定める電流設定部、および両電極間を流れる発生電
流と設定電流の差を増幅し、もって該パワートランジス
タを制御する電圧増幅器の各部を有し、さらに該トラン
ジスタを除く各部を駆動する極めて小容量の電源を備え
ている。
【0028】なお、海生生物の活動は季節により変動
し、冬期には所要電流が少なくて済むので、それに合わ
せてパワートランジスタを流れる電流の断続の間隔を変
化させることもできるようにすることが好ましい。
し、冬期には所要電流が少なくて済むので、それに合わ
せてパワートランジスタを流れる電流の断続の間隔を変
化させることもできるようにすることが好ましい。
【0029】
【実施例】以下、実施例に基づき本発明を具体的に説明
する。
する。
【0030】実施例1 図1において、陽極2には鉄(自然電位約−0.7V、
飽和甘こう電極基準以下同様)、陰極4には銅(自然電
位約−0.3V)を用い、その電極面積比を鉄/銅=
0.25、アノード電流密度を0.3A/m2に設定し
て両電極を海水中でカップルしたところ、定常状態での
有効電位差が0.15Vの状態で長時間にわたり所定の
電流を流すことができた。なお、試験中、海生生物着生
防止の効果が認められた。
飽和甘こう電極基準以下同様)、陰極4には銅(自然電
位約−0.3V)を用い、その電極面積比を鉄/銅=
0.25、アノード電流密度を0.3A/m2に設定し
て両電極を海水中でカップルしたところ、定常状態での
有効電位差が0.15Vの状態で長時間にわたり所定の
電流を流すことができた。なお、試験中、海生生物着生
防止の効果が認められた。
【0031】実施例2 図1において、陽極2に鉄を用い、陰極4に炭素系導電
塗料を塗布したコンクリートブロック(自然電位約−
0.1V)を使用し電極面積比を鉄/塗装面=0.2
5、アノード電流密度=0.3A/m2の条件で実施例
1と同様にカップル試験をしたが、定常状態での有効電
位差は実施例1の場合とほぼ同様であった。なお、試験
中、海生生物着生防止の効果が認められた。
塗料を塗布したコンクリートブロック(自然電位約−
0.1V)を使用し電極面積比を鉄/塗装面=0.2
5、アノード電流密度=0.3A/m2の条件で実施例
1と同様にカップル試験をしたが、定常状態での有効電
位差は実施例1の場合とほぼ同様であった。なお、試験
中、海生生物着生防止の効果が認められた。
【0032】実施例3 図1において、陽極2には鉄(自然電位約−0.7V、
飽和甘こう電極基準以下同様)、陰極4には銅(自然電
位約−0.3V)を用い、その電極面積比を鉄/銅=
0.25とし、陰極4を吸水性高分子樹脂『アクアリッ
クCS』(日本触媒化学工業社製)のシートで被覆して
陽極2とカップルした。アノード電流密度を0.35A
/m2に設定し、通電を継続させたとき、陰極の電位の
定常値は陰極を被覆しないときより貴電位で、陰極が復
極しており実効的に陰極面積を増加させる効果が示され
た。試験後の陰極表面に析出するスケールの量はシート
で被覆しないときに比してはるかに少なかった。なお、
試験中、海生生物着生防止の効果が認められた。
飽和甘こう電極基準以下同様)、陰極4には銅(自然電
位約−0.3V)を用い、その電極面積比を鉄/銅=
0.25とし、陰極4を吸水性高分子樹脂『アクアリッ
クCS』(日本触媒化学工業社製)のシートで被覆して
陽極2とカップルした。アノード電流密度を0.35A
/m2に設定し、通電を継続させたとき、陰極の電位の
定常値は陰極を被覆しないときより貴電位で、陰極が復
極しており実効的に陰極面積を増加させる効果が示され
た。試験後の陰極表面に析出するスケールの量はシート
で被覆しないときに比してはるかに少なかった。なお、
試験中、海生生物着生防止の効果が認められた。
【0033】実施例4 図3に示されるように、電流の導電用の不溶性中心電極
41として直径1cmの炭素棒を用い、これを内径7c
mの布製円筒42に納め、炭素棒の周囲に炭素質充填物
質43として直径3〜7mmの粒状活性炭を密に充填し
た後、布製円筒42の上端を閉じた。このようにして得
られた充填体電極の長さは約45cmで、充填した炭素
質充填物質43の見掛けの表面積は約0.1m2となっ
た。
41として直径1cmの炭素棒を用い、これを内径7c
mの布製円筒42に納め、炭素棒の周囲に炭素質充填物
質43として直径3〜7mmの粒状活性炭を密に充填し
た後、布製円筒42の上端を閉じた。このようにして得
られた充填体電極の長さは約45cmで、充填した炭素
質充填物質43の見掛けの表面積は約0.1m2となっ
た。
【0034】この充填体電極と通常の平滑炭素棒電極と
の海水中におけるカソード分極曲線を測定・比較した結
果、この充填体電極の実効表面積は充填物質の粒径や充
填密度で異なるが、同じ見掛け表面積の平滑電極の15
倍程度あることが示された。さらに、この充填体電極の
上部約10cmを水面上に突出させ、電極の一部が十分
空気と接触できるように半浸漬の状態にして測定した場
合は、溶存酸素の供給が多くなるので、分極曲線上の限
界電流密度が全浸漬の場合の約1.2倍となり、実効表
面積はその電極の見掛けの表面積の最大約18倍と評価
できることが分かった。
の海水中におけるカソード分極曲線を測定・比較した結
果、この充填体電極の実効表面積は充填物質の粒径や充
填密度で異なるが、同じ見掛け表面積の平滑電極の15
倍程度あることが示された。さらに、この充填体電極の
上部約10cmを水面上に突出させ、電極の一部が十分
空気と接触できるように半浸漬の状態にして測定した場
合は、溶存酸素の供給が多くなるので、分極曲線上の限
界電流密度が全浸漬の場合の約1.2倍となり、実効表
面積はその電極の見掛けの表面積の最大約18倍と評価
できることが分かった。
【0035】上記の充填体電極(全浸漬)を陰極4と
し、0.3m2の面積の鉄板を陽極2として海水中で組
み合わせ、定電流制御装置5を0.09Aに設定して電
流を流したところ、長期間にわたり所定の定電流を保持
することができた。この試験の結果、銅陰極であれば
1.2m2必要なことから充填体電極は約12倍の面積
効果を示し、平板陰極に比してかなり小型の陰極とする
ことができ、その電極の固定・設置は極めて容易なもの
とすることができた。
し、0.3m2の面積の鉄板を陽極2として海水中で組
み合わせ、定電流制御装置5を0.09Aに設定して電
流を流したところ、長期間にわたり所定の定電流を保持
することができた。この試験の結果、銅陰極であれば
1.2m2必要なことから充填体電極は約12倍の面積
効果を示し、平板陰極に比してかなり小型の陰極とする
ことができ、その電極の固定・設置は極めて容易なもの
とすることができた。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、海洋構
造物を覆う陽極と海水中の陰極との流電式の発生電流
で、海洋構造物の海生生物着生を防止するために必要な
アノード電流を確保するので、商用交流電源の必要がな
く、特に僻地や沖合にある海洋構造物に定電流流電式の
海生生物着生防止方法の適用が可能となり、さらに定電
流制御装置が組み込まれているので、電流調節に赴く必
要がなく、保守管理が極めて簡単で効果的な海生生物の
着生防止ができる。
造物を覆う陽極と海水中の陰極との流電式の発生電流
で、海洋構造物の海生生物着生を防止するために必要な
アノード電流を確保するので、商用交流電源の必要がな
く、特に僻地や沖合にある海洋構造物に定電流流電式の
海生生物着生防止方法の適用が可能となり、さらに定電
流制御装置が組み込まれているので、電流調節に赴く必
要がなく、保守管理が極めて簡単で効果的な海生生物の
着生防止ができる。
【図1】 本発明の定電流流電式海生生物着生防止方法
の説明図。
の説明図。
【図2】 本発明の防止方法で用いた定電流制御装置の
回路図。
回路図。
【図3】 本発明の防止方法で陰極として用いた充填体
電極の概略図。
電極の概略図。
1:海洋構造物、2:陽極、3:環境(海水または汽
水)、4:陰極、5:定電流制御装置、6、6′:導
線、41:不溶性中心電極、43:炭素質充填物質、5
1:パワートランジスタ、52:電流検出部、53:電
流設定部、54:電圧増幅器、55:保護アレスタ、5
6:電源。
水)、4:陰極、5:定電流制御装置、6、6′:導
線、41:不溶性中心電極、43:炭素質充填物質、5
1:パワートランジスタ、52:電流検出部、53:電
流設定部、54:電圧増幅器、55:保護アレスタ、5
6:電源。
Claims (8)
- 【請求項1】 海洋構造物における海生生物着生部分を
鉄、亜鉛、アルミニウム、マグネシウムあるいはこれら
を基金属とするそれぞれの合金材からなる金属体で被覆
し、該金属体を陽極とし、該陽極より貴電位を有する導
電体を海水中に設置し、これを陰極とし、両電極間に定
電流制御装置を接続し、両電極間を流れる発生電流を一
定に自動調節し、該陽極の金属体を一定速度で連続的ま
たは間歇的に活性溶解させることを特徴とする定電流流
電式海生生物着生防止方法。 - 【請求項2】 前記陰極が銅、銅合金、ステンレス鋼、
チタンから選択される請求項1に記載の定電流流電式海
生生物着生防止方法。 - 【請求項3】 前記陰極が導電性塗膜あるいは炭素質物
質からなる請求項1に記載の定電流流電式海生生物着生
防止方法。 - 【請求項4】 前記陰極表面をイオン選択性物質で被覆
する請求項1、2または3に記載の定電流流電式海生生
物着生防止方法。 - 【請求項5】 前記陰極が不溶性中心電極の周囲に粒状
炭素質物質を詰めた充填体電極であり、該充填体電極を
海水中に全浸漬するかまたは一部を水面上に露出させる
請求項1に記載の定電流流電式海生生物着生防止方法。 - 【請求項6】 前記定電流制御装置がバイポーラ型また
は電界効果型のパワートランジスタと該パワートランジ
スタとは別個の電源により駆動される電圧増幅器と電流
設定部を有する請求項1〜5のいずれかに記載の定電流
流電式海生生物着生防止方法。 - 【請求項7】 前記パワートランジスタを流れる電流を
時間的に断続させる回路を付加する請求項6に記載の定
電流流電式海生生物着生防止方法。 - 【請求項8】 ガルバニ対に接続されるパワートランジ
スタおよび発生電流検出部、電流設定部、電圧増幅器の
各部と該パワートランジスタを除く各部のための小容量
の電源とよりなる定電流制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31944994A JPH08151617A (ja) | 1994-11-30 | 1994-11-30 | 定電流流電式海生生物着生防止方法および定電流制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31944994A JPH08151617A (ja) | 1994-11-30 | 1994-11-30 | 定電流流電式海生生物着生防止方法および定電流制御装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08151617A true JPH08151617A (ja) | 1996-06-11 |
Family
ID=18110331
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP31944994A Pending JPH08151617A (ja) | 1994-11-30 | 1994-11-30 | 定電流流電式海生生物着生防止方法および定電流制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08151617A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6461082B1 (en) * | 2000-08-22 | 2002-10-08 | Exxonmobil Upstream Research Company | Anode system and method for offshore cathodic protection |
-
1994
- 1994-11-30 JP JP31944994A patent/JPH08151617A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6461082B1 (en) * | 2000-08-22 | 2002-10-08 | Exxonmobil Upstream Research Company | Anode system and method for offshore cathodic protection |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20040714 |
|
A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20041110 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |