JPH08151504A - 水分散体組成物及びそれを用いた組成物 - Google Patents

水分散体組成物及びそれを用いた組成物

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JPH08151504A
JPH08151504A JP31774094A JP31774094A JPH08151504A JP H08151504 A JPH08151504 A JP H08151504A JP 31774094 A JP31774094 A JP 31774094A JP 31774094 A JP31774094 A JP 31774094A JP H08151504 A JPH08151504 A JP H08151504A
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 エポキシ樹脂100重量部に対して微結
晶セルロース0.1〜5.0重量部および界面活性剤
0.1〜10重量部を含有するエポキシ樹脂水分散体
と、非水溶性ポリアミン系硬化剤を含有する水分散体組
成物。の水分散体組成物を用いる塗工液組成物、
パルプ組成物、モルタル組成物。 【効果】 硬化物の耐水性および接着性が低下せず、エ
ポキシ樹脂が持つ性能を十分に発揮できる水分散体組成
物及びそれを用いた塗工液組成物、パルプ組成物、モル
タル組成物を提供。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、紙塗工用印刷向上剤、
紙用紙力増強剤、セメント用混和剤、塗料、さらに接着
剤等の基本組成物として優れた性質を有する水分散体組
成物に関するものである。さらに詳しくは、本発明は、
硬化物の耐水性および接着性が低下せず、エポキシ樹脂
が持つ性能を十分に発揮することができる水分散体組成
物並びに該水分散体組成物を用いた塗工液組成物、パル
プ組成物及びモルタル組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年アクリル系、アクリル−スチレン
系、酢酸ビニル系、エチレン−酢酸ビニル系などの乳化
重合によって得られる熱可塑性樹脂の重合体水分散液
が、塗料、接着剤およびセメント用混和剤などに使用さ
れている。また、ポリアミド尿素−ホルムアルデヒド水
溶液、尿素−ホルムアルデヒド樹脂水溶液およびメラミ
ン−ホルムアルデヒド樹脂水溶液などが、紙塗工用印刷
向上剤や紙用紙力増強剤などに、工業用用途として広く
使用されている。
【0003】しかしながら、これら従来の重合体水分散
液より形成された皮膜は金属、木材、セメント硬化物、
プラスチック等に対する接着性が不充分であるととも
に、耐水性や耐熱性も十分でないため、例えば、湿潤状
態や高温において、しばしば剥離やふくれを生じてい
た。このような熱可塑性樹脂の重合体水分散液の欠陥を
改良するために、重合体骨格中に官能基を導入して架橋
構造を形成させることが試みられているが未だ十分では
ない。
【0004】また特開昭61−87722号公報には、
粉体乳化剤の存在下で乳化したエポキシ系化合物エマル
ジョンをアミン系硬化剤で硬化するエポキシ樹脂球状粒
子の製造方法が記載されている。しかしエポキシ樹脂球
状物を製造するためであることから、エポキシ系化合物
エマルジョンに添加する硬化剤は水溶性であり、添加し
たエマルジョンは粘度が高く、すぐに硬化剤によって架
橋構造を有するものであるため、まったく接着性が発現
されない。
【0005】また特公昭59−34670号公報に記載
されているモルタル組成物は、使用しているエポキシ樹
脂水分散体の軟化点が比較的高いため、常温での接着性
が発現し難い。さらにホルムアルデヒドを骨格とした水
溶液は、確かに耐水性は良好であるものの、乾燥時での
接着性が低下するという欠点を有しているばかりか、本
質的にホルマリンの発生を来たすため、環境面からも問
題である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来技術
の課題を克服し、高温高湿および低温低湿の環境下にお
いても、接着性、粘度等の取扱性、硬化後の安定性に優
れた水分散体組成物を提供することを目的とする。ま
た、本発明はさらに、該水分散体組成物を配合してな
る、優れた実用物性を持つ塗工液組成物、パルプ組成物
およびモルタル組成物を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者は鋭意
研究の結果、熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂の水分散
体と非水溶性ポリアミン系硬化剤との組合せにより、こ
のような従来の課題を解決できることを見出し、この知
見に基づいて本発明を完成するに至った。すなわち、本
発明は: エポキシ樹脂100重量部に対して微結晶セルロー
ス0.1〜5.0重量部および界面活性剤0.1〜10
重量部を含有して成るエポキシ樹脂水分散体と、非水溶
性ポリアミン系硬化剤を含有してなる水分散体組成物を
提供する。また、
【0008】 非水溶性ポリアミン系硬化剤が、脂肪
族ポリアミン縮合物、変性脂環式ポリアミン化合物およ
び変性脂肪族ポリアミン化合物から選ばれる少なくとも
1種からなる硬化剤である点にも特徴を有する。また、 エポキシ樹脂水分散体の平均粒子径が10μm未満
である点にも特徴を有する。また、 エポキシ樹脂のエポキシ当量が100〜1500の
範囲である点にも特徴を有する。また、
【0009】 エポキシ樹脂が、グリシジルエーテル
類、グリシジルエステル類、グリシジルアミン類、線状
脂肪族エポキサイド類および脂環式エポキサイド類から
選ばれる少なくとも1種の単量体を重合したものである
点にも特徴を有する。また、 界面活性剤が、アニオン活性剤、カチオン活性剤、
両性活性剤およびノニオン活性剤から選ばれる少なくと
も1種である点にも特徴を有する。また、 紙用顔料および顔料バインダーを主成分とする塗工
液組成物において、紙用顔料100重量部に対して、
記載の水分散体組成物0.1〜5重量部、顔料バインダ
ー6〜20重量部を含有してなる点にも特徴を有する。
また、
【0010】 水分散体組成物のエポキシ樹脂と非水
溶性ポリアミン系硬化剤との割合が重量比で0.1〜
2.0である点にも特徴を有する。また、 パルプを主成分とするパルプ組成物において、パル
プ100重量部に対して、記載の水分散体組成物0.
1〜5重量部を含有してなる点にも特徴を有する。ま
た、
【0011】(10) 水分散体組成物中のエポキシ樹脂と
非水溶性ポリアミン系硬化剤との割合が重量比で0.1
〜2.0である点にも特徴を有する。また、(11) セメ
ントおよび骨材を主成分とするモルタル組成物におい
て、セメント100重量部に対して記載の水分散体組
成物3〜35重量部、骨材50〜500重量部を含有し
てなる点にも特徴を有する。また、(12) 水分散体組成
物のエポキシ樹脂と非水溶性ポリアミン系硬化剤との割
合が重量比で0.5〜2.5である点にも特徴を有す
る。
【0012】以下に本発明について詳細に説明する。本
発明で使用されるエポキシ樹脂は、1分子中に2個以上
のエポキシ基を有する単量体を重合したものである。そ
の単量体としては、例えばグリシジルエーテル類、グリ
シジルエステル類、グリシジルアミン類、線状脂肪族エ
ポキサイド類、脂環式エポキサイド類などが挙げられ
る。
【0013】グリシジルエーテル類としては、例えばビ
スフェノールのジグリシジルエーテル、フェノールノボ
ラックのポリグリシジルエーテル、アルキレングリコー
ルまたはポリアルキレングリコールのジグリシジルエー
テルが挙げられる。該ビスフェノールのジグリシジルエ
ーテルとしては、例えばビスフェノールA、ビスフェノ
ールF、ビスフェノールAD、ビスフェノールS、テト
ラメチルビスフェノールA、テトラブロモビスフェノー
ルAなどの二価フェノール類のジグリシジルエーテルが
挙げられ、
【0014】該フェノールノボラックのポリグリシジル
エーテルとしては、例えばフェノールノボラック、クレ
ゾールノボラック、ブロム化フェノールノボラックなど
のノボラック樹脂のポリグリシジルエーテルが挙げら
れ、該アルキレングリコールまたはポリアルキレングリ
コールのジグリシジルエーテルとしては、例えばポリエ
チレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブタン
ジオールなどのグリコール類のジグリシジルエーテル類
が挙げられる。
【0015】また前記グリシジルエステル類としては、
例えばヘキサヒドロフタル酸のジグリシジルエステル、
ダイマー酸のジグリシジルエステルなどが挙げられる。
グリシジルアミン類としては、例えばテトラグリシジル
ジアミノジフェニルメタン、テトラグリシジルメタキシ
リレンジアミン、トリグリシジルアミノフェノール、ト
リグリシジルイソシアヌレートなどが挙げられる。
【0016】さらに線状脂肪族エポキサイド類として
は、例えばエポキシ化ポリブタジエン、エポキシ化大豆
油などが挙げられ、脂環式エポキサイド類としては、例
えば3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチ
ルカルボキシレート、3,4−エポキシシクロヘキシル
メチルカルボキシレートなどが挙げられる。エポキシ樹
脂はこれらに限定されるものではないが、好ましいエポ
キシ樹脂としては、グリシジルエーテル類、グリシジル
アミン類、グリシジルエステル類の単量体を重合したも
のがあり、より好ましくはグリシジルエーテル類の単量
体を重合したものである。
【0017】グリシジルエーテル類で好ましいのはビス
フェノール類のジグリシジルエーテルであり、特に好ま
しくはビスフェノールA、ビスフェノールFのジグリシ
ジルエーテルである。エポキシ樹脂は単独で用いてもよ
く、2種以上を組合わせて用いてもよい。エポキシ樹脂
はエポキシ当量100〜1500の範囲のものが用いら
れ、好ましくは150〜750の範囲である。
【0018】本発明で言う微結晶セルロースとは、イン
ダストリアル・アンド・エンジニアリング・ケミストリ
ー、第42巻、第502頁〜第507頁(1950)に
記載されているオー・エー・バチスタ氏の報文によって
定義されているものであって、セルロースを酸加水分解
又はアルカリ酸化分解して得られる実質的に一定の重合
度を有するセルロース結晶子集合物である。本発明の効
果を一層顕著にするためには、ストークス径1μm以下
の割合が5重量%以上存在するような微結晶セルロース
を用いるのが好ましい。さらに、水分の存在下に磨砕す
るとき、磨砕後の微結晶セルロースの平均粒子径がスト
ークス径で5μm以下とすることが好ましい。
【0019】又、微結晶セルロースと水溶性ガム等の分
散剤、または結晶セルロースと水溶性ガム類等の分散剤
とデンプン分解物等の崩壊剤とを水分の存在下で磨砕練
合し、乾燥したものがよい。その製造法の例としては、
特公昭40−12174号公報、および特公昭57−1
4771号公報(米国特許第4,383,111号明細
書)、特願平4−259396号の明細書がある。
【0020】本発明においてエポキシ樹脂と微結晶セル
ロースとの重量比は、エポキシ樹脂100重量部に対し
て微結晶セルロース0.1〜5.0重量部が良い。微結
晶セルロースが0.1重量部未満であるとエポキシ樹脂
の水分散性が不良となり、沈降・分離する。また5.0
重量部を越えると、硬化塗膜の耐水性が低下し、実用に
耐えない。さらに好ましくは、エポキシ樹脂100重量
部に対して、微結晶セルロース0.3〜3.0重量部が
良い。
【0021】界面活性剤としては、例えばアニオン活性
剤、カチオン活性剤、両性活性剤、ノニオン活性剤を挙
げることができる。アニオン活性剤としては、例えば脂
肪酸塩、高級アルコールの硫酸エステル塩、液体脂肪油
の硫酸エステル塩、脂肪族アミンおよび脂肪族アミドの
硫酸塩、脂肪族アルコールのリン酸エステル、二塩基性
脂肪酸エステルのスルホン酸塩、脂肪族アミドのスルホ
ン酸塩、アルキルアリルスルホン酸塩、ホルマリン縮合
ナフタリンスルホン酸塩などが挙げられる。
【0022】カチオン活性剤としては、例えば第一アミ
ン塩、第二アミン塩、第三アミン塩、第四級アンモニウ
ム塩、ピリジニウム塩などが挙げられる。両性活性剤と
しては、例えばカルボン酸(ベタイン型)、硫酸エステ
ル型、スルホン酸型などが挙げられる。又、ノニオン活
性剤としては、例えばポリオキシエチレンアルキルエー
テル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、
ポリオキシエチレンアルキルエステル、ソルビタンアル
キルエステル、ポリオキシエチレンソルビタンアルキル
エステル、オキシエチレンオキシプロピレンブロックコ
ポリマーなどが挙げられる。
【0023】界面活性剤はエポキシ樹脂100重量部に
対して0.1〜10重量部がよい。界面活性剤が0.1
重量部未満では水分散性が不良となり、エポキシ樹脂が
沈降・分離する。また、10重量部を越えると硬化塗膜
の耐水性および密着性が低下し、実用に耐えない。好ま
しくは、エポキシ樹脂100重量部に対して0.5〜8
重量部がよい。界面活性剤以外の分散剤、水溶性ポリマ
ー、保護コロイドなども添加することができる。例えば
ポリリン酸塩、ポリアクリル酸塩、無水マレイン酸コポ
リマー、ポリビニルアルコール、ヒドロキシエチルセル
ロース、メチルセルロース、ゼラチン、アルブミン、ア
ラビアゴムなどが挙げられる。
【0024】本発明の水分散体組成物を構成するエポキ
シ樹脂水分散体の平均粒子径は10μm未満が望まし
い。平均粒子径が10μmを越えると、エポキシ樹脂水
分散体の沈降が起きやすく、粒子の肥大が発生し、接着
性および耐水性が大幅に低下する。本発明の水分散体組
成物を構成するエポキシ樹脂水分散体は、エポキシ樹
脂、微結晶セルロース、および水、界面活性剤を添加
し、せん断力がかかる分散機により得ることができる。
【0025】せん断がかかる分散機としては、例えばホ
モミキサー、回転型ホモジナイザー、ピストン式ホモジ
ナイザー、プラネタリーミキサーなどが挙げられる。本
発明のエポキシ樹脂水分散体の製造法に関し、エポキシ
樹脂、微結晶セルロース、および水、界面活性剤の添加
順序は特に制限されず、全物質を一括に混合後乳化して
もよく、また適宜投入順序を目的に応じて決めてもよ
い。但し、微結晶セルロースは予め2〜5重量%に分散
機を用いて作製した水分散液を用いるのが好ましい。
【0026】本発明に使用する非水溶性ポリアミン系硬
化剤とは自己乳化可能なポリアミン系硬化剤を意味す
る。具体的には、エポキシ樹脂で変性した変性脂肪族ポ
リアミン系および変性脂環式ポリアミン系硬化剤等があ
る。また脂肪族ポリアミンと各種の重合脂肪酸との反応
生成物であるポリアミノアミド系硬化剤などが挙げられ
る。上記のポリアミノアミド系硬化剤とは、分子中に複
数の活性なアミノ基をもち、同様にアミド基を1個以上
もつもので、例としては、天然の不飽和脂肪酸から作ら
れる重合脂肪酸(慣用的にはダイマー酸)と、必要に応
じて加えられる他の脂肪酸との混合物にポリアルキレン
ポリアミン類を縮合反応させて作られる脂肪族・ポリア
ミン縮合物が挙げられる。
【0027】重合脂肪酸は、工業的には天然のトール
油、大豆油、サフラワー油などからのリノール酸やリノ
レン酸などの不飽和成分を多く含む脂肪酸を、無触媒、
または、クレーやケイ酸アルミナなどの触媒存在下に加
熱することによって合成される。また、ポリアルキレン
ポリアミン類としてはエチレンジアミン、ジエチレント
リアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペ
ンタミン、ペンタエチレンヘキサミンなどのポリエチレ
ンポリアミン類が代表として挙げられる。
【0028】例を挙げると、脂肪族・ポリアルキレンポ
リアミン縮合物からなるポリアミノアミド系硬化剤とし
て「アンカマイド500」,「アンカマイド502」,
「アンカマイド502」(いずれもACI JAPAN
販売)等が挙げられ、変性脂環式ポリアミン系硬化剤と
して「アンカミン1618」(ACI JAPAN販
売)等が挙げられ、変性脂肪族ポリアミン系硬化剤とし
て「カサミド2221」(ACI JAPAN販売)等
が挙げられる。
【0029】本発明に使用する非水溶性ポリアミン系硬
化剤は水溶性硬化剤、例えば、ジエチレンテトラミンや
N−アミノエチレンピペラジンなどと併用して、各種用
途に使用出来る。本発明の水分散体組成物におけるエポ
キシ樹脂水分散体と非水溶性ポリアミン系硬化剤との固
形分換算での割合は、特に限定されず、その使用目的に
よりそれぞれ異なる。本発明の水分散体組成物とは、水
に不溶の微粒子で、水中に混合することにより乳化する
ものである。また、本発明の水分散体組成物は、エポキ
シ樹脂水分散体と非水溶性ポリアミン系硬化剤とが未反
応の状態のものである。
【0030】本発明の水分散体組成物を目的に応じた組
成物に配合し該組成物を適用した後に、エポキシ樹脂水
分散体と非水溶性ポリアミン系硬化剤とを加熱または常
温による乾燥等により反応させて、エポキシ樹脂水分散
体を硬化するものである。本発明の塗工液組成物は、紙
用顔料および顔料バインダーを主成分とし、紙用顔料1
00重量部に対して、エポキシ樹脂水分散体と非水溶性
ポリアミン系硬化剤とを含有してなる前記の水分散体組
成物を0.1〜5.0重量部、さらに顔料バインダーを
6〜20重量部含有するものである。
【0031】本発明の塗工液組成物に使用する水分散体
組成物が0.1重量部未満では本発明の効果が発揮され
ない。一方5.0重量部を越えると本発明の塗工液組成
物の粘度が上がりすぎて、操作上の問題が発生する。ま
た、本発明の塗工液組成物に使用する水分散体組成物
は、エポキシ樹脂と非水溶性ポリアミン系硬化剤との重
量比が0.1〜2.0であることが好ましい。エポキシ
樹脂と非水溶性ポリアミン系硬化剤との重量比が0.1
未満では、印刷物として重要な特性であるウェットピッ
ク強度とウェット着肉性が発揮されないことがある。一
方2.0を越えると、塗工液粘度が上がりすぎるばかり
か、印刷時のドライピック強度の発現が少なくなること
がある。
【0032】なお、ここでいう重量比とは使用したエポ
キシ樹脂と非水溶性ポリアミン系硬化剤との重量比(エ
ポキシ樹脂/非水溶性ポリアミン系硬化剤)を意味す
る。本発明で使用される顔料バインダーは、通常使用さ
れている顔料バインダー、例えば、SB系ラテックス、
アクリル系ラテックスおよび酢酸ビニル系ラテックスな
どの合成バインダー、またスターチやカゼインなどの天
然バインダーが挙げられる。顔料バインダーは、紙用顔
料100重量部に対し6〜20重量部が使用される。6
重量部未満ではドライピック強度やウェットピック強度
が著しく低下する。また20重量部を越えると、インキ
着肉性やインキセット性が著しく低下する。
【0033】本発明の塗工液組成物において用いられる
顔料は、例えば、クレー、炭酸カルシウム、酸化チタ
ン、サチンホワイトなどのオフセット印刷紙用塗工液組
成物に通常使用されている鉱物性顔料や、プラスチック
ピグメントといわれるポリスチレン系微粒子などの有機
顔料が挙げられる。また、本発明の塗工液組成物は、通
常使用されている各種添加物、例えば、分散剤、増粘
剤、中和剤、殺菌剤や消泡剤なども使用可能である。
【0034】本発明の塗工液組成物の製造方法は特に限
定されず、紙用顔料、顔料バインダーおよび各種添加物
と共に、エポキシ樹脂水分散体と非水溶性ポリアミン系
硬化剤とを含有させて調製した水分散体組成物を添加混
合してもよく、また、前記水分散体組成物を前もって調
製することなく、エポキシ樹脂水分散体と非水溶性ポリ
アミン系硬化剤とを別個に添加してもよい。本発明のパ
ルプ組成物は、パルプを主成分とし、パルプ100重量
部に対して、エポキシ樹脂水分散体と非水溶性ポリアミ
ン系硬化剤とを含有してなる前記の水分散体組成物を
0.1〜5.0重量部含有するものである。
【0035】本発明のパルプ組成物に使用する水分散体
組成物が0.1重量部未満では本発明の効果が発揮され
ない。一方5.0重量部を越えると、本発明のパルプ組
成物が配合されているパルプスラリーの粘度が上がり、
紙の地合いが悪くなるばかりか、耐折強度が急激に低下
する。また、本発明のパルプ組成物に使用する水分散体
組成物は、エポキシ樹脂と非水溶性ポリアミン系硬化剤
との重量比が0.1〜2.0であることが好ましい。
【0036】エポキシ樹脂と非水溶性ポリアミン系硬化
剤との重量比が0.1未満の場合、または2.0を越え
る場合、いずれの場合も、耐折強度が急激に低下する。
本発明のパルプ組成物は、パルプスラリー液に直接、エ
ポキシ樹脂水分散体と非水溶性ポリアミン系硬化剤とを
含有してなる水分散体組成物を添加してもよいが、パル
プスラリー液を適当な濃度に希釈して添加することが好
ましい。さらに他の添加剤、例えば、ロジンサイズ剤や
硫酸アルミニウムとの併用も当然可能である。
【0037】本発明のパルプ組成物の製造方法は特に限
定されず、適当な濃度のパルプスラリー液に各種添加物
と共に、エポキシ樹脂水分散体と非水溶性ポリアミン系
硬化剤とを含有させて調製した水分散体組成物を添加混
合してもよく、また、前記水分散体組成物を前もって調
製することなく、エポキシ樹脂水分散体と非水溶性ポリ
アミン系硬化剤とを別個に添加してもよい。本発明のセ
メントおよび骨材を主成分とするモルタル組成物は、セ
メント100重量部に対して前記の水分散体組成物を3
〜35重量部、好ましくは5〜30重量部含有してなる
ものである。
【0038】水分散体組成物が3重量部未満では引張り
接着強さや耐水強度の発現が少ない。また35重量部を
越えると、セメントモルタル本来の剛性が得られなくな
るので、好ましくない。本発明のモルタル組成物に使用
する水分散体組成物のエポキシ樹脂と非水溶性ポリアミ
ン系硬化剤との割合は特に限定しないが、重量比で0.
5〜2.5の範囲が好ましい。0.5未満の場合、また
は2.5を越える場合、いずれの場合も、引張り接着強
さおよび耐水強度が急激に低下することがある。
【0039】本発明のモルタル組成物の効果をさらに発
揮させる手段として、保水剤の使用がある。保水剤は、
通常モルタル組成物に使用され、例えば、メチルセルロ
ース、ヒドロキシエチルセルロース、アクリル酸ソーダ
等が挙げられる。保水剤はセメント100重量部に対し
て0.05〜2.0重量部、好ましくは0.1〜1.5
重量部である。保水剤が0.05重量部未満では、本発
明の効果が助長されない。また2.0重量部を越える
と、モルタル組成物の粘度が高くなりすぎて作業性が極
端に低下するばかりか、耐水強度も低下する。
【0040】本発明のモルタル組成物を約10℃以下の
低温状態で施工する場合、スチレン−ブタジエン系共重
合ラテックスおよび/またはアクリル系共重合体ラテッ
クスを、エポキシ樹脂水分散体100重量部に対し10
〜120重量部含有することにより、低温状態での引張
り接着強さが飛躍的に向上する。10重量部未満では、
低温状態での引張り接着強さの改良効果がない。また1
20重量部をこえると圧縮強さが低下する。さらに、こ
こで使用されるスチレン−ブタジエン系共重合ラテック
スおよび/またはアクリル系共重合体ラテックスはガラ
ス転移温度が−25℃〜+5℃が好ましい。−25℃未
満では圧縮強さが低下する。また+5℃を越えると成膜
不良を起こし、耐水性が低下する。
【0041】本発明において使用するセメントとは水硬
性珪酸石灰質セメントである。例えば、普通ポルトラン
ドセメント、早強ポルトランドセメント、超早強ポルト
ランドセメント、中庸熱ポルトランドセメント、白色セ
メント等の単味セメント、あるいは、高炉セメント、シ
リカセメント、フライアッシュセメント等の混合セメン
トが挙げられる。これらは1種、または2種以上混合し
て使用することが出来る。本発明に於いて使用する骨材
としては、珪砂、川砂、石材破砕物、磁器破砕物、ガラ
ス破砕物、ガラスビーズ等が挙げられる。これらは1
種、または2種以上混合して施工することが出来る。こ
れらの骨材のセメントに対する混合割合は、セメント1
00重量部に対し50〜500重量部、好ましくは70
〜300重量部の間である。
【0042】本発明に於いて使用する各種添加剤として
は、モルタル組成物で通常使用する、例えば、消泡剤、
起泡剤、凝結促進剤、凝結遅延剤、防錆剤、防水剤、膨
張剤、さらに分散剤等が挙げられ、必要に応じて使用す
ることが出来る。本発明のモルタル組成物の製造方法は
特に限定されず、セメント、骨材および各種添加物と共
に、エポキシ樹脂水分散体と非水溶性ポリアミン系硬化
剤とを含有させて調製した水分散体組成物を添加混合し
てもよく、また、前記水分散体組成物を前もって調製す
ることなく、エポキシ樹脂水分散体と非水溶性ポリアミ
ン系硬化剤とを別個に添加してもよい。
【0043】
【実施例】次に、実施例および比較例により本発明をさ
らに詳細に説明するが、本発明はこれらによってなんら
限定されるものではない。尚、各物性は次の測定方法に
従って求めた。 [エポキシ樹脂水分散体の測定方法] (1) 平均粒子径:レーザー式粒度分布測定装置(LA-70
0; HORIBA製)を用いて測定した。 [塗工液組成物の測定方法] (2) 塗工液粘度:BL粘度計(60rpm. NO.3スピン
ドル)によって25℃で測定した。
【0044】(3) ドライピック強度:RI印刷試験機
を用いて、印刷インク(SDスーパーデラックス50紅
B;タック値15、東華色素社製)0.4cc3回重ね
刷りを行い、ゴムロールに現れたピッキング状態を別の
台紙に裏取りし、その程度を観察する。評価は5点相対
評価法で行い、ピッキング現象の少ないものほど高得点
とした。 (4) ウェットピック強度:RI印刷試験機を用いて、
塗工紙表面を吸水ロールで湿してから、印刷インク(S
Dスーパーデラックス50紅B;タック値10、東華色
素社製)0.4cc1回刷りを行い、ゴムロールに現れ
たピッキング状態を別の台紙に裏取りし、その程度を観
察する。評価は5点相対評価法で行い、ピッキング現象
の少ないものほど高得点とした。
【0045】(5) インキ着肉性:RI印刷試験機を用
いて、モルトンロールで水を塗布したのち、紙むけを起
さない条件でべた刷りを行い、インキ転移性(印刷され
たインキ濃さ)を目視で観察する。評価は5点評価法で
行い、インキ転移性の良好なものほど高得点とした。 (6) 白紙光沢:塗工紙表面を村上式GM−26D型光
沢度計により、75°−75°で測定した。評価は数字
が高いほど良好である。 (7) 印刷光沢:RI印刷試験機を用いて、塗工機を印
刷インキ(SDスーパーデラックス50藍、東華色素社
製)0.4ccでべた刷りし、乾燥後村上式GM−26D
型光沢度計により、60°−60°で測定した。評価は
数字が高いほど良好である。
【0046】[パルプ組成物の測定方法] (1) 耐折強度:MIT型耐折強さ試験機を使用する。J
IS P8115 に基づく。 (2) 比破裂強度:ミューレン型破裂強さ試験機を使用
する。JIS P8112 に基づく。評価は本発明の水分散体組
成物が添加されていない紙の破裂強度を100とした場
合の効果比で表す。
【0047】(3) リングクラッシュ強度:リングクラ
ッシュテスターを使用する。JIS P8116 に基づく。評価
法は、比破裂強度と同じである。 (4) 表面強度:ワックスピックにて評価する。数字が
大きい程、表面強度は強い。
【0048】[モルタル組成物の測定方法] (1) 塗装作業性:所定の方法で作成したモルタル組成
物をコンクリート板に塗装し、コテ塗りおよびヘラ塗り
適性を肉眼判定した。 (2) 引張り接着強さ:JIS A5304で記載され
ているコンクリート板に、高さ2mmの枠組を作り、そ
の中に所定の方法で作成したモルタル組成物を流し込
み、コテで均一に塗装した。次に、この試験片を温度2
0℃、湿度65%、および温度5℃、湿度65%の恒温
恒湿室に、それぞれ7日間養生し、建研式(建設省建築
研究所考案)引張り試験機により垂直方向に引張り接着
強さを測定した。
【0049】(3) 耐水強度:(2) で作成した試験片
(建研式試験機用アタッチメント装着済み)を1日水に
浸漬後、試験片を取り出し、アタッチメント周辺の水を
ふき取り、建研式試験機により垂直方向に引張って接着
強さを測定した。 (4) 圧縮強さ:JIS K6911に記載されている
圧縮強さの試験方法によって測定した。
【0050】〔実施例1〕下記に示すエポキシ樹脂水分
散体0.3重量部と非水溶性ポリアミン系硬化剤とし
て、脂肪族・ポリアルキレンポリアミン縮合物からなる
ポリアミノアミド系硬化物「アンカマイド502(AC
I JAPAN販売)」を0.2重量部用い、下記に示
す配合成分を以下に述べる方法で調製し、塗工液組成物
を得た。 [エポキシ樹脂水分散体の作成] ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量190) 「AER331C(旭化成工業製)」 100重量部 微結晶セルロース「アビセルRC591(旭化成工業製)」 0.5重量部 ノニオン系界面活性剤(ポリオキシエチレンノニルフェニル エーテル系)「ニューコール506(日本乳化剤製)」 0.5重量部 精製水 100重量部 ノニオン系界面活性剤は25重量%の水溶液とし、微結
晶セルロースは予め十分分散させた5重量%の水分散体
を用い、ホモミキサー(6000rpm )を使用し、15
分間均一に分散させ調製した。ここで得られたエポキシ
樹脂水分散体の平均粒子径は3μmであった。
【0051】 [塗工液組成物の成分割合] クレー「ウルトラコート(EMC製)」 70 重量部 炭酸カルシウム「スーパー1700(丸尾カルシウム)」 30 重量部 分散剤(ポリアクリル酸ソーダ) 「アロンT−40(東亜合成製)」 0.2重量部 中和剤(カセイソーダ) 0.1重量部 スターチ「王子エースA(王子コンスターチ製)」 3 重量部 カルボキシル化SB系ラテックス 「L1608(旭化成工業製)」 11 重量部 前記のエポキシ樹脂水分散体 0.3重量部 非水溶性ポリアミン系硬化剤 0.2重量部
【0052】まず、クレー70重量部、炭酸カルシウム
30重量部、分散剤(ポリアクリル酸ソーダ)0.2重
量部および中和剤(カセイソーダ)0.1重量部を所定
量の水で攪拌、分散し、顔料スラリーを作成した。次ぎ
に、予め溶液化させておいたスターチ(王子エ−スA)
3重量部とカルボキシル化SB系ラテックス(L160
8)、さらにエポキシ樹脂水分散体0.3重量部と非水
溶性ポリアミン系硬化剤(アンカマイド502)0.2
重量部を加え、かきまぜ混合したのち、適量の水を加え
て最終固形分65重量%の紙用塗工液組成物を得た。次
ぎに、塗工用原紙にこの紙用塗工液を塗工量14g/m
2 になるようにマイヤ−バーで塗工し、熱風乾燥機(1
50℃×30秒)にて乾燥した。次いでこの塗工紙をス
ーパーカレンダーにかけ(ロール温度50℃,ロール圧
150kg/cm, 2回通紙)、温度23℃、湿度65
%の恒温恒湿室にて調温、調湿したものを試験片とし
て、各種測定を行った。その結果を表1に示す。
【0053】〔実施例2〕実施例1で作成したエポキシ
樹脂水分散体0.1重量部と非水溶性ポリアミン系硬化
剤として、脂肪族・ポリアルキレンポリアミン縮合物か
らなるポリアミノアミド系硬化剤「アンカマイド500
(ACI JAPAN販売)」を0.3重量部用いた以
外は、実施例1と同じ塗工液配合成分および操作で、試
験片を作成し、各種測定を行なった。その結果を表1に
示す。
【0054】〔実施例3〕実施例1で作成したエポキシ
樹脂水分散体0.1重量部と非水溶性ポリアミン系硬化
剤として、脂肪族・ポリアルキレンポリアミン縮合物か
らなるポリアミノアミド系硬化剤「アンカマイド503
(ACI JAPAN販売)」を0.4重量部用いた以
外は、実施例1と同じ塗工液配合成分および操作で、試
験片を作成し、各種測定を行なった。その結果を表1に
示す。
【0055】〔実施例4〕実施例1で作成したエポキシ
樹脂水分散体2重量部と非水溶性ポリアミン系硬化剤と
して、変性脂環式ポリアミン系硬化剤「アンカミン16
18(ACI JAPAN販売)」を2重量部用いた以
外は、実施例1と同じ塗工液配合成分および操作で、試
験片を作成し、各種測定を行なった。その結果を表1に
示す。
【0056】〔比較例1〕実施例1に記載されている塗
工液配合成分から、エポキシ樹脂水分散体および非水溶
性ポリアミン系硬化剤を削除した塗工液配合成分を実施
例1と同様に調製し、かつ試験片を作成し、各種測定を
行なった。その結果を表1に示す。
【0057】〔比較例2〜5〕表1に示すエポキシ樹脂
水分散体および非水溶性ポリアミン系硬化剤を使用し、
実施例1と同じ塗工液配合成分および操作で、試験片を
作成し、各種測定を行なった。その結果を表1に示す。
【0058】〔比較例6〕実施例1で作成したエポキシ
樹脂水分散体0.3重量部と水溶性ポリアミン系硬化剤
として、テトラエチレンテトラミン化合物からなる硬化
剤「TETA(ACI JAPAN販売)」を0.2重
量部用いた以外は、実施例1と同じ塗工液配合成分およ
び操作で、試験片を作成し、各種測定を行なった。その
結果を表1に示す。
【0059】〔比較例7〕実施例1で作成したエポキシ
樹脂水分散体0.1重量部と水溶性ポリアミン系硬化剤
として、N−アミノエチレンピペラジン化合物からなる
硬化剤「N−AEP(ACI JAPAN販売)」を
0.3重量部用いた以外は、実施例1と同じ塗工液配合
成分および操作で、試験片を作成し、各種測定を行なっ
た。その結果を表1に示す。
【0060】〔比較例8〕実施例1に記載されているエ
ポキシ樹脂水分散体の組成成分を使用し、ホモミキサー
の回転数を下げ(1000rpm)、平均粒子径が14
μmのエポキシ樹脂水分散体を得た。このエポキシ樹脂
水分散体0.3重量部と非水溶性ポリアミン系硬化剤
「アンカマイド500(ACI JAPAN販売)」
0.2重量部を使用し、実施例1と同じ塗工液配合成分
および操作で、試験片を作成し、各種測定を行なった。
その結果を表1に示す。
【0061】
【表1】
【0062】〔実施例5〕カナディアン・スタンダード
・フリーネス(CSF)を400mlに叩解したパルプ
(LBKP)を1.0重量%濃度スラリーに調製し、1
分間攪拌した後、パルプ100重量部に対して、実施例
1で作成したエポキシ樹脂水分散体0.3重量部と非水
溶性ポリアミン系硬化剤「アンカマイド502(ACI
JAPAN販売)」0.2重量部を添加した。更に5
分間攪拌した。このスラリーをTAPPI角型シートマ
シンで抄紙し、プレス後回転ドライヤーで乾燥し、試験
片を得た。その試験片の各種測定を行なった。その結果
を表2に示す。
【0063】〔実施例6〜8〕表2に示す水分散体組成
物を使用し、実施例5と同様な操作を行い、試験片を作
成し、各種測定を行なった。その結果を表2に示す。 〔比較例9〕水分散体組成物を使用しないパルプ濃度が
1.0重量%のスラリーを使用し、実施例5と同様な操
作を行い、試験片を作成し、各種測定を行なった。その
結果を表2に示す。
【0064】〔比較例10〜13〕表2に示す水分散体
組成物を使用し、実施例5と同様な操作を行い、試験片
を作成し、各種測定を行なった。その結果を表2に示
す。 〔比較例14〜15〕実施例1で作成したエポキシ樹脂
水分散体と表2に示す水溶性ポリアミン系硬化剤を使用
し、実施例5と同様な操作を行い、試験片を作成し、各
種測定を行なった。その結果を表2に示す。 〔比較例16〕比較例8で作成したエポキシ樹脂水分散
体と表2に示す非水溶性ポリアミン系硬化剤を使用し、
実施例5と同様な操作を行い、試験片を作成し、各種測
定を行なった。その結果を表2に示す。
【0065】
【表2】
【0066】〔実施例9〕下記に示すエポキシ樹脂水分
散体15重量部と非水溶性ポリアミン系硬化剤として、
脂肪族・ポリアルキレンポリアミン縮合物からなるポリ
アミノアミド系硬化剤「アンカマイド502(ACI
JAPAN販売)」を7重量部、普通ポルトランドセメ
ント100重量部、珪砂6号100重量部、さらに所定
量の調整水を入れ、全体が均一になるまで充分混練し、
モルタル組成物を得た。このモルタル組成物を用いて、
各種測定用の試験片を作成し、測定を行なった。その結
果を表3に示す。
【0067】 [エポキシ樹脂水分散体の作成] ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エポキシ当量190) 「AER331C(旭化成工業製)」 100重量部 微結晶セルロース「アビセルRC591(旭化成工業製)」 0.5重量部 ノニオン系界面活性剤(ポリオキシエチレンノニルフェニル エーテル系)「ニューコール506(日本乳化剤製)」 1.0重量部 精製水 100重量部 ノニオン系界面活性剤は25重量%の水溶液とし、微結
晶セルロースは予め十分分散させた5重量%の水分散液
を用い、ホモミキサー(6000rpm)を使用し、1
5分間均一に分散させ調製した。ここで得られたエポキ
シ樹脂水分散体の平均粒子径は2.5μmであった。
【0068】〔実施例10〜11〕実施例9で作成した
エポキシ樹脂水分散体と表3に示す非水溶性ポリアミン
系硬化剤を使用し、実施例9と同じ操作を行い、試験片
を作成し、各種測定を行なった。その結果を表3に示
す。 〔実施例12〕実施例9で作成したエポキシ樹脂水分散
体とアクリル系ラテックスA1500(ガラス転移温
度:−7℃,旭化成工業製)、さらに非水溶性ポリアミ
ン系硬化剤として、アンカマイド502(ACI JA
PAN販売)を使用し、実施例9と同じ操作を行い、試
験片を作成し、各種測定を行なった。その結果を表3に
示す。
【0069】〔実施例13〕実施例12で使用している
「アンカマイド502(ACI JAPAN販売製)」
の一部を非水溶性ポリアミン系硬化剤である変性ポリア
ミド化合物からなる硬化剤「カサミド2221(ACI
JAPAN販売)」で置き換えた以外は、実施例12
と同様な操作を行い、試験片を作成し、各種測定を行な
った。その結果を表3に示す。 〔実施例14〕実施例9に、保水剤として「メトロース
90SH400(信越化学工業製)」を使用した以外
は、実施例9と同じ操作を行い、試験片を作成し、各種
測定を行なった。その結果を表3に示す。
【0070】〔比較例17〜20〕表3に示すごとく、
実施例9で作成したエポキシ樹脂水分散体と各種の非水
溶性ポリアミン系硬化剤を使用し、実施例9と同じ操作
を行い、試験片を作成し、各種測定を行なった。その結
果を表3に示す。 〔比較例21〜22〕表3に示すごとく、実施例9で作
成したエポキシ樹脂水分散体と各種の水溶性ポリアミン
系硬化剤を使用し、実施例9と同じ操作を行い、試験片
を作成し、各種測定を行なった。その結果を表3に示
す。
【0071】〔比較例23〕実施例9に記載されている
エポキシ樹脂水分散体の組成成分を使用し、ホモミキサ
ーの回転数を下げ(1000rpm)、平均粒子径が1
2μmのエポキシ樹脂水分散体を得た。このエポキシ樹
脂水分散体15重量部と非水溶性ポリアミン系硬化剤
「アンカマイド502(ACI JAPAN販売)」7
重量部使用し、実施例9と同じ操作を行い、試験片を作
成し、各種測定を行なった。その結果を表3に示す。 〔比較例24〕実施例9のエポキシ樹脂水分散体の組成
成分のうち、微結晶セルロース「アビセルRC591
(旭化成工業製)」を削除したエポキシ樹脂水分散体を
作成し、実施例9と同じ操作を行い、試験片を作成し、
各種測定を行なった。結果を表3に示す。
【0072】
【表3】 *:実施例9で作製したエポキシ樹脂水分散体組成物成
分からアビセルRC591(旭化成工業(株)製)を削
除したエポキシ樹脂水分散体を使用した。
【0073】
【発明の効果】本発明の水分散体組成物は、優れた耐水
性、耐熱性、接着性を有しているため、塗料、接着剤、
粘着剤、加工紙用塗剤、繊維加工剤、建築材料用塗剤、
塗工紙耐水増強剤などの広範な用途に使用することがで
きる。また、本発明の水分散体組成物は、高温高湿およ
び低温低湿の環境下においても、接着性、粘度等の取扱
性、硬化後の安定性に優れた塗工液組成物、パルプ組成
物およびモルタル組成物を提供することをできる。
【0074】塗料としては、例えばコンクリート塗料、
木材塗料、金属塗料、家庭塗料、皮革塗料、フロアポリ
ッシュなどが挙げられる。接着剤としては、例えば木材
接着剤、包装剤ラミネーション接着剤、製函接着剤、タ
イル接着剤、床材接着剤などが挙げられる。粘着剤とし
ては、例えば包装用粘着テープ、粘着ラベル、冷凍食品
ラベル、リムーバブルラベル、POSラベル、粘着壁
紙、粘着床材などが挙げられる。
【0075】加工紙用塗剤としては例えばアート紙、コ
ート紙、軽量コート紙、キャストコート紙、塗工板紙、
カーボンレス複写紙、含浸紙などが挙げられる。繊維加
工剤としては、例えば不織布、カーペット、電気植毛
布、積層布、捺染プリント布、タイヤコートなどが挙げ
られる。建築材料用塗剤としては、例えばシーリング
材、セメント混和剤、防水材などが挙げられる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D21H 19/36 19/52 17/46 //(C08L 63/00 1:00) D21H 3/48

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エポキシ樹脂100重量部に対して微結
    晶セルロース0.1〜5.0重量部および界面活性剤
    0.1〜10重量部を含有して成るエポキシ樹脂水分散
    体と、非水溶性ポリアミン系硬化剤を含有してなること
    を特徴とする水分散体組成物。
  2. 【請求項2】 非水溶性ポリアミン系硬化剤が、脂肪族
    ポリアミン縮合物、変性脂環式ポリアミン化合物および
    変性脂肪族ポリアミン化合物から選ばれる少なくとも1
    種からなる硬化剤であることを特徴とする請求項1記載
    の水分散体組成物。
  3. 【請求項3】 エポキシ樹脂水分散体の平均粒子径が1
    0μm未満であることを特徴とする請求項1記載の水分
    散体組成物。
  4. 【請求項4】 エポキシ樹脂のエポキシ当量が100〜
    1500の範囲であることを特徴とする請求項1記載の
    水分散体組成物。
  5. 【請求項5】 エポキシ樹脂が、グリシジルエーテル
    類、グリシジルエステル類、グリシジルアミン類、線状
    脂肪族エポキサイド類および脂環式エポキサイド類から
    選ばれる少なくとも1種の単量体を重合したものである
    ことを特徴とする請求項1記載の水分散体組成物。
  6. 【請求項6】 界面活性剤が、アニオン活性剤、カチオ
    ン活性剤、両性活性剤およびノニオン活性剤から選ばれ
    る少なくとも1種であることを特徴とする請求項1記載
    の水分散体組成物。
  7. 【請求項7】 紙用顔料および顔料バインダーを主成分
    とする塗工液組成物において、紙用顔料100重量部に
    対して、請求項1記載の水分散体組成物0.1〜5重量
    部、顔料バインダー6〜20重量部を含有してなること
    を特徴とする塗工液組成物。
  8. 【請求項8】 水分散体組成物のエポキシ樹脂と非水溶
    性ポリアミン系硬化剤との割合が重量比で0.1〜2.
    0であることを特徴とする請求項1記載の塗工液組成
    物。
  9. 【請求項9】 パルプを主成分とするパルプ組成物にお
    いて、パルプ100重量部に対して、請求項1記載の水
    分散体組成物0.1〜5重量部を含有してなることを特
    徴とするパルプ組成物。
  10. 【請求項10】 水分散体組成物中のエポキシ樹脂と非
    水溶性ポリアミン系硬化剤との割合が重量比で0.1〜
    2.0であることを特徴とする請求項9記載のパルプ組
    成物。
  11. 【請求項11】 セメントおよび骨材を主成分とするモ
    ルタル組成物において、セメント100重量部に対して
    請求項1記載の水分散体組成物3〜35重量部、骨材5
    0〜500重量部を含有してなることを特徴とするモル
    タル組成物。
  12. 【請求項12】 水分散体組成物のエポキシ樹脂と非水
    溶性ポリアミン系硬化剤との割合が重量比で0.5〜
    2.5であることを特徴とする請求項11項記載のモル
    タル組成物。
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