JPH08151445A - シラノール基を有するオルガノシラン又はシロキサンの製造方法 - Google Patents

シラノール基を有するオルガノシラン又はシロキサンの製造方法

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JPH08151445A
JPH08151445A JP31762794A JP31762794A JPH08151445A JP H08151445 A JPH08151445 A JP H08151445A JP 31762794 A JP31762794 A JP 31762794A JP 31762794 A JP31762794 A JP 31762794A JP H08151445 A JPH08151445 A JP H08151445A
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siloxane
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ion
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JP31762794A
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Minoru Igarashi
実 五十嵐
Masaharu Takahashi
政晴 高橋
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 比較的安価な原料から簡便な方法で連続工程
で、しかも高収率でシラノール基を有する低分子量、特
にモノマージオール、ダイマージオール、トリマージオ
ールを含んだ直鎖状オルガノシラン又はシロキサンを製
造する。 【構成】 下記一般式(1)で示されるオルガノアルコ
キシシラン又はシロキサンに、電気伝導度が1010MΩ
以上であるイオン交換水を該式(1)のオルガノアルコ
キシシラン又はシロキサン分子中のアルコキシ基の0.
5倍モル以上5倍モル以下となる割合で添加して混合し
た後、該混合物を陽イオン交換樹脂が充填された充填塔
に通しながら加水分解を行う。 【化1】 (式中、R1及びR2はそれぞれ置換又は非置換の一価炭
化水素基、R3は炭素数1〜4のアルキル基である。ま
た、nは1〜5の整数である。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、末端にシラノール基を
有する低分子量の直鎖状オルガノシラン又はシロキサ
ン、特に対応するアルコキシシラン類のダイマージオー
ル、トリマージオールの簡便かつ連続的な製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】両末端
にヒドロキシル基を有する直鎖状オルガノポリシロキサ
ンはシリコーンゴムコンパウンドを製造する際の分散剤
として有効であり、種々の分散剤が用いられている。分
散剤としての効能はヒドロキシル基の含有量に比例し、
ヒドロキシル基の含有量が大きいポリシロキサン、即ち
末端基にヒドロキシル基を有する低分子量の直鎖状オル
ガノシロキサンの方が使用量が少なくて済み、またシリ
コーンゴムコンパウンドの加工性を考えた場合より有効
であるが、現在工業的に用いられているのはオルガノテ
トラシロキサン以上の直鎖状オルガノポリシロキサンで
あり、より有効なモノマージオール、ダイマージオー
ル、トリマージオールのようなシラノール基を有するオ
ルガノシラン又はシロキサンを工業的有利に得る方法は
殆んど提案されていない。
【0003】即ち、従来より短鎖ヒドロキシシラン及び
シロキサンを合成する方法はいろいろ研究がなされてい
る。実験室的には緩衝溶液等を用いてアルコキシシラン
の溶液を中性の状態に保ちつつ加水分解する方法が知ら
れているが、この方法は工業的には困難である。また、
ジメトキシシランを過剰の中性の蒸留水と混合し、還流
させる方法もあるが、目的物の収率はさほどよくない。
【0004】シラノール末端基を有する低分子量の直鎖
状オルガノポリシロキサンは、工業的には両末端に塩素
原子を有する直鎖状のオルガノクロルシロキサンもしく
はクロルシランを環状体にならないよう弱アルカリ性水
溶液で加水分解することにより製造されている。しか
し、この方法では、シラノール基が酸或いはアルカリに
対して不安定であることに関連して、加水分解によって
生成したHClにより縮合反応が起こり、目的のオルガ
ノポリシロキサン以外に、より高分子のオルガノポリシ
ロキサンや環状のポリシロキサンが生成するといったよ
うな問題があった。従って、この方法では厳密に加水分
解水を中性に保つといったような手法をとらなければ上
記直鎖状オルガノポリシロキサンを合成することは困難
である。
【0005】一方、米国特許第3925285号には、
ヘキサメチルシクロトリシロキサン、メタノール、蟻
酸、水を反応させ、メトキシ基が多少残留したシラノー
ル末端基を有する低分子量の直鎖状オルガノポリシロキ
サンの合成方法が記載されているが、比較的高価なヘキ
サメチルシクロトリシロキサンを使用するためにコスト
がかかり、またD単位〔(CH32SiO〕が3より少
ないシラノール末端基を有する低分子量の直鎖状オルガ
ノポリシロキサンは生成されず、また反応上1,5−ジ
ヒドロキシトリシロキサンより短いものは生成し得ず、
水酸基含有量に限界があるといった問題があった。
【0006】更に、米国特許第5057620号には、
相当するクロルシロキサンを水を含んだプロピレンオキ
サイド、ブチレンオキサイドといったエポキシ系溶媒に
滴下する方法が記載されているが、この方法は比較的高
価なヘキサメチルシクロトリシロキサンを使用するほか
に、溶媒が低沸点のものでは静電気着火といった安全上
の問題があった。
【0007】また、特公昭64−5604号には、アル
コキシシランを活性化白土のような固体酸触媒により加
水分解する短鎖シラノールの合成法が記載されている
が、この方法では、固体酸を中和する必要があるため操
作が煩雑になっている。しかも、この方法では各種短鎖
シラノールの混合物が得られ、ダイマージオールの収率
は50%内外である。また、モノマージオールに関して
は、実施例29に示されているとおり84モル%純度で
10%以下の収率で得られているに過ぎない。
【0008】なお、米国特許第3304318号には、
カチオン交換樹脂を用いてアルコキシシランを加水分解
し、高重合度のレジンを製造する方法が開示されてい
る。しかしながら、短鎖シラノール、特にダイマージオ
ール、トリマージオールの合成、収率には何も触れられ
ていない。
【0009】更に、従来の製造法は回分法による反応で
あり、工程が煩雑である上、コスト的に不利である。ま
た、触媒として用いた酸、塩基と生成物との分離が困難
であり、中和剤を添加して中和処理を行う必要があるた
め連続的に反応を行うことには不向きであった。
【0010】本発明は、上記事情に鑑みなされたもの
で、シラノール基を有する低分子量の直鎖状オルガノシ
ラン又はシロキサンを高収率で、しかも簡便かつ連続工
程で安価に製造する方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者は上記
目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、下記一般式
(1)で示されるオルガノアルコキシシラン又はシロキ
サンに、電気伝導度が1010MΩ以上であるイオン交換
水を該式(1)のオルガノアルコキシシラン又はシロキ
サン分子中のアルコキシ基の0.5倍モル以上5倍モル
以下となる割合で添加し、更に必要により極性有機溶媒
を添加・混合した後、該混合物を陽イオン交換樹脂が充
填された充填塔に通すことにより、上記式(1)のオル
ガノアルコキシシラン類の加水分解が陽イオン交換樹脂
表面で起こり、しかもこの陽イオン交換樹脂を系外に分
離することで簡単に反応を停止させることが可能であ
り、中和等の処理の必要なく簡単な作業工程で加水分解
を行うことができること、それ故、比較的安価なオルガ
ノアルコキシシラン又はシロキサンから簡便な方法で連
続工程で、しかも高収率でシリコーンゴムの分散剤とし
て有用なシラノール基を有する低分子量の直鎖状オルガ
ノシラン又はシロキサンが得られることを見い出し、本
発明をなすに至ったものである。
【0012】
【化2】 (式中、R1及びR2はそれぞれ置換又は非置換の一価炭
化水素基、R3は炭素数1〜4のアルキル基である。ま
た、nは1〜5の整数である。)
【0013】以下、本発明につき更に詳しく説明する
と、本発明の末端にシラノール基を有するオルガノシラ
ン又はシロキサンの製造方法は、下記一般式(1)で示
されるオルガノアルコキシシラン又はシロキサンに、電
気伝導度が1010MΩ以上であるイオン交換水を該式
(1)のオルガノアルコキシシラン又はシロキサン分子
中のアルコキシ基の0.5倍モル以上5倍モル以下とな
る割合で添加して混合した後、該混合物を陽イオン交換
樹脂が充填された充填塔に通しながら加水分解を行うも
のである。
【0014】
【化3】 (式中、R1及びR2はそれぞれ置換又は非置換の一価炭
化水素基、R3は炭素数1〜4のアルキル基である。ま
た、nは1〜5の整数である。)
【0015】ここで、出発原料である上記式(1)のオ
ルガノアルコキシシラン又はシロキサンにおいて、式中
1、R2はそれぞれ置換又は非置換の一価炭化水素基で
あり、好ましくは炭素数1〜10、特に1〜6のもので
ある。具体的には、メチル基、プロピル基、ブチル基、
ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデ
シル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基等のアリ
ール基;β−フェニルエチル基等のアラルキル基;並び
にこれらの炭化水素の炭素原子に結合した水素原子の一
部又は全部がフッ素等のハロゲン原子やシアノ基で置換
された基(例えば3,3,3−トリフルオロプロピル基
やシアノエチル基)等を挙げることができる。この中で
はメチル基、ビニル基、フェニル基が好ましく用いられ
る。
【0016】R3は炭素数1〜4のアルキル基であり、
好ましくはメチル基、エチル基であり、両者が一分子中
に同時に存在していても差し支えない。nは1〜5の整
数である。
【0017】上記オルガノアルコキシシラン又はシロキ
サンとして具体的には、ジメチルジメトキシシラン、フ
ェニルメチルジメトキシシラン、メチルビニルジメトキ
シシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルメチル
メトキシエトキシシラン等のアルコキシシラン、1,3
−ジメトキシテトラメチルジシロキサン、1,5−ジメ
トキシヘキサメチルトリシロキサン、1,7−ジメトキ
シオクタメチルテトラシロキサン等のアルコキシシロキ
サンを例示することができるが、特にジメチルジメトキ
シシランが好適である。なお、これらアルコキシシラン
又はシロキサンは単独で用いてもよく、複数を混ぜて使
用してもよい。ただし、複数のアルコキシシラン又はシ
ロキサンを混ぜて使用する場合には、両者の加水分解速
度が異なるため均一に反応しない可能性があるので注意
が必要である。
【0018】また、上記式(1)のオルガノアルコキシ
シラン又はシロキサンとしては、塩素分の少ないものを
使用することが推奨される。即ち、本発明の目的物質で
ある短鎖シラノールは酸性、アルカリ条件下で不安定で
あり、短鎖シラノールを得るためには、反応中及び減圧
蒸留時に系を中性に保つ必要があるが、通常アルコキシ
シランは対応するクロルシランから合成されることか
ら、その中にはクロルシランが存在し、これらのクロル
シランが水と速やかに反応して塩酸を生成するため、反
応系が酸性になり、好ましくないシラノールの縮合が起
こる。それ故、短鎖シラノールを得るためには、クロル
シランの含有量の少ないオルガノアルコキシシラン又は
シロキサンを用いることが好ましい。従って、上記式
(1)のオルガノアルコキシシラン又はシロキサン中に
含まれる塩素分は、20ppm以下、特に10ppm以
下であることが望ましい。
【0019】次に、加水分解に使用する水としては、N
a,Ca,Mg等のイオンをイオン交換樹脂によって除
去し、比較的低温でかつシラノールが多い状態で加水分
解させるための必須成分であり、電気伝導度が1010
Ω以上、好ましくは1012MΩ以上、とりわけ1015
Ω以上であるイオン交換水が使用される。電気伝導度が
1010MΩより低いと、イオン交換樹脂とイオン交換水
に含まれているイオンとがイオン交換を起こし、イオン
交換水が酸性になってせっかく生成した短鎖シラノール
が安定に存在し得ない場合がある。
【0020】上記イオン交換水の量は、上記式(1)の
オルガノアルコキシシラン又はシロキサン分子中のアル
コキシ基の0.5倍モル以上5倍モル以下、好ましくは
1〜2倍モルとする。イオン交換水の量が0.5倍モル
より少ないとアルコキシ基が完全に加水分解せず、わず
かしか水酸基が生成しないといった問題が生じ、5倍モ
ルを超えると過剰に使用した水の除去に時間がかかると
いったような問題が生じる。
【0021】上記式(1)のオルガノアルコキシシラン
類とイオン交換水とは、単に混合しただけでは均一に溶
解せず2相に分離してしまうことがあるので、均一溶液
とするために更に極性有機溶媒を添加してもよい。極性
有機溶媒を添加することにより、オルガノアルコキシシ
ラン類とイオン交換水とを簡単に均一溶液とすることが
できる上、この均一溶液をそのまま充填塔に供給するこ
とが可能である。
【0022】極性有機溶媒としては、例えばメタノー
ル、エタノール等のアルコール類、テトラヒドロフラ
ン、アセトン等が挙げられる。また、極性溶媒の添加量
は、多すぎると除去に時間がかかるため、オルガノアル
コキシシランとイオン交換水が均一化する最低量の添加
が好ましく、オルガノアルコキシシランと同量程度の添
加で十分である。
【0023】更に、本発明方法では、陽イオン交換樹脂
を充填した充填塔を使用する。本発明において陽イオン
交換樹脂は、加水分解水のpHを中性付近に保ちつつマ
イルドに加水分解を起こさせるための必須の成分であ
る。
【0024】ここで、陽イオン交換樹脂の種類として
は、まず骨格はポリスチレン又はジビニルベンゼンの懸
濁重合高分子体が好ましい。陽イオン交換樹脂のタイプ
としてはゲル型とマクロポーラス型に分かれるが、これ
らの中で空孔体積が水銀注入法による測定で0.1ml
/g以上を示すマクロポーラス型陽イオン交換樹脂が好
適である。また、樹脂についている酸性基としてはスル
ホン基、アクリル基等で、H+型であることが好まし
く、スルホン基がより好ましい。
【0025】これらを満たすイオン交換樹脂の例として
は、具体的にアンバーリスト15(ローム・アンド・ハ
ーズ社製)、ダイアイオンPK−208H,PK−21
6H,PK−228H(以上三菱化成製)、ピュロライ
トCT−175,CT−171,CT−169(以上ピ
ュロライト社製)等を例示することができ、特にピュロ
ライトCT−175(ピュロライト社製)が好ましい。
【0026】本発明においては、加水分解に用いられる
上記の陽イオン交換樹脂が充填されたカラムは必須であ
り、この装置を用いることにより連続的に加水分解反応
を行うことが可能となる。充填塔の内部では、上記式
(1)のオルガノアルコキシシラン類、イオン交換水等
の原料混合物がイオン交換樹脂と接触することにより加
水分解反応が進行するが、充填塔の外部に排出されるこ
とにより加水分解反応、生成したシラノールの縮合反応
は停止する。従って、充填塔を通過して得られた加水分
解生成物は、アルカリ等の中和剤を添加する必要はな
い。
【0027】本発明においては、種々の形態の充填塔が
使用し得るが、充填塔は通常垂直に立てられ、原料が充
填塔上部から供給され、充填塔下部に設けられた排出口
から排出されることが望ましい。
【0028】原料であるオルガノアルコキシシラン類と
水は、供給口を2つ設けて別々に供給することも可能で
あるが、アルコキシシラン類と水は均一には溶解しない
ため、両者の分散が悪く、そのため反応が均一に進行し
ない可能性があり、注意が必要である。このため、上記
したように予め原料混合物に極性溶媒を添加して均一溶
液とするか、あるいは原料混合物を陽イオン交換樹脂が
充填された塔の中に供給される前にダイナミックミキサ
ー等の混合機で攪拌し、良く分散した状態で1つの供給
口から供給することが好ましい。このような場合でも、
供給口からイオン交換樹脂が充填されている部分に到達
する時間が長くなると、2相分離して均一に反応しない
可能性があるため、供給口から陽イオン交換樹脂に到達
するまではできるだけ短い方が好ましい。
【0029】なお、上記陽イオン交換樹脂を用いた加水
分解条件は、陽イオン交換樹脂1gに対しオルガノアル
コキシシランとイオン交換水の合計の流量が0.01〜
100ml/minで、カラム内の滞留時間が3時間以
内が好ましい。
【0030】更に、充填塔の温度は、50℃以下するこ
とが好ましく、より好ましくは30℃以下であり、50
℃より高いと生成したシラノールの縮合反応が起こり、
短鎖のシラノールが得られない場合がある。それ故、必
要に応じ、充填塔の温度制御を行うためにジャケット等
の装置を設置したものが好適に用いられる。
【0031】また、滞留時間は原料のアルコキシシラン
類により異なるが、短鎖シラノールを得るために3時間
以内が望ましい。3時間より長いと加水分解により生成
したシラノール基の縮合が起こる場合がある。
【0032】上記反応生成物は、任意の温度、圧力下で
ストリッピングされ、アルコール等の副生成物が除去さ
れる。ストリッピング時の温度は、80℃以下、特に5
0℃以下が望ましく、80℃より高いとシラノールの縮
合が起こってしまう場合がある。
【0033】
【発明の効果】本発明のシラノール基を有するオルガノ
アルコキシシラン又はシロキサンの製造方法によれば、
比較的安価な原料から簡便な方法で連続工程で、しかも
高収率でシラノール基を有する低分子量、特にモノマー
ジオール、ダイマージオール、トリマージオールを含ん
だ直鎖状オルガノシラン又はシロキサンを製造すること
ができる。このオルガノシラン又はシロキサンは、シリ
コーンゴム組成物を製造する際の分散剤として有効に利
用することができる。
【0034】
【実施例】以下、実施例及び比較例を示して本発明を具
体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるも
のではない。
【0035】〔実施例1〕 ジメチルジメトキシシランの加水分解:連続的に加水分
解を行うための充填塔として、内径20mm、長さ30
0mmの充填塔を用い、この充填塔の外側には、水を循
環させるためにジャケットを取り付け、必要に応じ水を
循環させて温度を制御した。更に、充填塔の中にはイオ
ン交換樹脂(CT−175 ビュロライト社製、水銀注
入法による空孔体積0.49ml/g)56gを詰め
た。
【0036】ここにジメチルジメトキシシラン(含有塩
素分5ppm)を74.0重量%及び電気伝導度が10
15MΩのイオン交換水を26.0重量%となる割合で混
合し、ダイナミックミキサーを用いて良く混合した後、
これを上記充填塔の上部供給口から供給した。なお、充
填塔を通す時はジメチルジメトキシシランとイオン交換
水の合計量が30ml/minの流量になるように供給
した。充填塔の底部より得られた加水分解生成物から2
0℃、5mmHgの条件下で副生するメタノール、水等
を除去したところ、白色板状結晶が得られた。
【0037】この白色結晶をテトラヒドロフランに溶解
し、ガスクロマトグラフィーにより分析したところ、 ジメチルジヒドロキシシラン 72.5% 17.1mol%のテトラメチルジシロキサンジオール 17.1% を含んでいた。
【0038】〔実施例2〕 ジメチルジメトキシシラン加水分解:ジメチルジメトキ
シシランとイオン交換水の合計供給量を10ml/mi
nとする以外は実施例1と同様に反応を進め、得られた
油状物をガスクロマトグラフィーにより分析したとこ
ろ、 ジメチルジヒドロキシシラン 18.7% テトラメチルジシロキサンジオール 40.6% ヘキサメチルトリシロキサンジオール 17.5% オクタメチルテトラシロキサンジオール 3.6% を含んでいた。
【0039】〔実施例3〕 メチルビニルジメトキシシランの加水分解:メチルビニ
ルジメトキシシラン(含有塩素分5ppm)を75.6
重量%及び電気伝導度が1015MΩのイオン交換水を2
4.4重量%となる割合でダイナミックミキサーを用い
て良く混合し、これを実施例1と同様に充填塔の上部供
給口から供給した。なお、充填塔を通す時はジメチルジ
メトキシシランとイオン交換水の合計量が30ml/m
inの流量になるように供給した。充填塔の底部より得
られた加水分解生成物から20℃、5mmHgの条件下
で副生するメタノール、水等を除去したところ、白色板
状結晶が得られた。
【0040】この白色結晶をテトラヒドロフランに溶解
し、ガスクロマトグラフィーにより分析したところ、 メチルビニルジヒドロキシシラン 70.6% テトラメチルジシロキサンジオール 18.2% を含んでいた。
【0041】〔実施例4〕 1,3−ジメトキシテトラメチルジシロキサンの加水分
解:1,3−ジメトキシテトラメチルジシロキサン(含
有塩素分5ppm)を78.1重量%及び電気伝導度が
1015MΩのイオン交換水を21.9重量%となる割合
でダイナミックミキサーを用いて良く混合し、これを実
施例1と同様に充填塔の上部供給口から供給した。な
お、充填塔を通す時はジメチルジメトキシシランとイオ
ン交換水の合計量が20ml/minの流量になるよう
に供給した。充填塔の底部より得られた加水分解生成物
から20℃、5mmHgの条件下で副生するメタノー
ル、水等を除去したところ、白色針状結晶が得られた。
【0042】この白色結晶をテトラヒドロフランに溶解
し、ガスクロマトグラフィーにより分析したところ、 テトラメチルジシロキサンジオール 91.2% を含んでいた。
【0043】〔実施例5〕 1,5−ジメトキシヘキサメチルトリシロキサンの加水
分解:1,5−ジメトキシヘキサメチルトリシロキサン
(含有塩素分5ppm)を83.3重量%及び電気伝導
度が1015MΩのイオン交換水を16.7重量%となる
割合でダイナミックミキサーを用いて良く混合し、これ
を実施例1と同様に充填塔の上部供給口から供給した。
なお、充填塔を通す時はジメチルジメトキシシランとイ
オン交換水の合計量が15ml/minの流量になるよ
うに供給した。充填塔の底部より得られた加水分解生成
物から20℃、5mmHgの条件下で副生するメタノー
ル、水等を除去したところ、油状物が得られた。この油
状物をガスクロマトグラフィーにより分析したところ、 ヘキサメチルトリシロキサンジオール 90.8% を含んでいた。
【0044】〔実施例6〕 ジメチルジメトキシシランの加水分解:ジメチルジメト
キシシラン(含有塩素分5ppm)53.2重量%、電
気伝導度が1015MΩのイオン交換水21.6重量%及
びメタノール25.2重量%となる割合で混合し、均一
溶液とした。この混合溶液を実施例1と同様の充填塔の
上部供給口から供給した。なお、充填塔を通す時はジメ
チルジメトキシシランとイオン交換水の合計量が30m
l/minの流量になるように供給した。充填塔の底部
より得られた加水分解生成物は、次いで20℃、5mm
Hgの条件下で副生するメタノール、水等を除去したと
ころ、白色板状結晶が得られた。
【0045】この白色結晶をテトラヒドロフランに溶解
し、ガスクロマトグラフィーにより分析したところ、 74.7mol%のジメチルジヒドロキシシラン 17.1mol%のテトラメチルジシロキサンジオール を含んでいた。
【0046】〔実施例7〕含有塩素分が200ppmの
ジメチルジアルコキシシランを使用した以外は実施例1
と同様に加水分解を行った。得られた油状物をガスクロ
マトグラフィーにより分析したところ、 ジメチルジヒドロキシシラン 2.1% テトラメチルジシロキサンジオール 20.9% ヘキサメチルトリシロキサンジオール 28.0% オクタメチルテトラシロキサンジオール 20.7% を含んでいた。
【0047】〔比較例〕ジメトキシシラン(含有塩素分
5ppm)を91.8重量%及び電気伝導度が1015
Ωのイオン交換水を8.2重量%(アルコキシ基の0.
3倍モルの加水分解水)とした以外は実施例1と同様に
加水分解を行った。得られた油状物をガスクロマトグラ
フィーにより分析したところ、 ジメトキシジメチルシラン 10.1% 1,3−ジメトキシテトラメチルジシロキサン 49.8% 1,5−ジメトキシヘキサメチルトリシロキサン 23.4% 1,7−ジメトキシオクタメチルテトラシロキサン 7.5% を含んでおり、シラノール基の生成はほとんど認められ
なかった。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で示されるオルガノア
    ルコキシシラン又はシロキサンに、電気伝導度が1010
    MΩ以上であるイオン交換水を該式(1)のオルガノア
    ルコキシシラン又はシロキサン分子中のアルコキシ基の
    0.5倍モル以上5倍モル以下となる割合で添加して混
    合した後、該混合物を陽イオン交換樹脂が充填された充
    填塔に通しながら加水分解を行うことを特徴とするシラ
    ノール基を有するオルガノシラン又はシロキサンの製造
    方法。 【化1】 (式中、R1及びR2はそれぞれ置換又は非置換の一価炭
    化水素基、R3は炭素数1〜4のアルキル基である。ま
    た、nは1〜5の整数である。)
  2. 【請求項2】 陽イオン交換樹脂がマクロポーラス型陽
    イオン交換樹脂であり、樹脂の空孔体積が水銀注入法に
    よる測定で0.1ml/g以上である請求項1記載の製
    造方法。
  3. 【請求項3】 上記式(1)のオルガノアルコキシシラ
    ン又はシロキサン中に残存する塩素分が20ppm以下
    である請求項1又は2記載の製造方法。
JP31762794A 1994-11-28 1994-11-28 シラノール基を有するオルガノシラン又はシロキサンの製造方法 Pending JPH08151445A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011219647A (ja) * 2010-04-12 2011-11-04 Shin-Etsu Chemical Co Ltd シラノール基を有するオルガノシラン及び低分子量オルガノポリシロキサンの製造方法

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