JPH08150727A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JPH08150727A
JPH08150727A JP29639394A JP29639394A JPH08150727A JP H08150727 A JPH08150727 A JP H08150727A JP 29639394 A JP29639394 A JP 29639394A JP 29639394 A JP29639394 A JP 29639394A JP H08150727 A JPH08150727 A JP H08150727A
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JP
Japan
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ink
recording
cap
recording head
image forming
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Application number
JP29639394A
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English (en)
Inventor
Yasuyuki Takanaka
康之 高中
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Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】インクジェット記録方式の画像形成装置におい
て、記録ヘッドの回復操作の際のインク加圧・循環時に
吐出口から排出されるインク量が最小限に抑えられ、イ
ンクチューブ内や記録ヘッドの液室内の気泡を短時間で
インクタンク側に戻すことができるようにする。 【構成】記録ヘッドのインク吐出領域を選択的に密閉す
るキャップ101と、インクを貯留するインクタンク1
4と、インクタンク14と記録ヘッド11の液室とを接
続する加圧チューブ16及び循環チューブ17と、イン
クを記録ヘッドに移送する加圧ポンプ15と、キャップ
101内の液体を外部に導出するために選択的に動作す
るポンプ部500とを備える。動作モードの1つとし
て、キャップ101によりインク吐出領域を密閉して加
圧ポンプ15を作動させるモードを設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、記録媒体上に画像を形
成する画像形成装置に関し、特に、記録媒体として布帛
等を使用し、インクジェット記録ヘッドによりこの記録
媒体上にインク等の液体を吐出して捺染を行う画像形成
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】コンピュータやワードプロセッサ等と併
用され、あるいは単独で使用される複写機、プリンタ、
ファクシミリ等の画像形成装置は、画像信号に基づいて
シート状あるいはウェブ状等の記録媒体に画像を記録す
る。記録媒体としては、通常の場合には紙や樹脂薄板
(例えばOHPシート)が使用されているが、最近で
は、これら以外に、薄紙や加工紙(例えばファイリング
用のパンチ孔付き紙やミシン目付き紙、任意形状の
紙)、あるいは織布等を記録媒体として使用することが
要求されてきている。記録媒体の大きさに関しても、宣
伝広告用のシートや衣類等に使用される織布では、大サ
イズのものが要求されてきている。
【0003】インクジェット記録ヘッド(以下、単に記
録ヘッドとも称する)は、微細な吐出口からインク等の
液体を記録媒体上に吐出することによって記録を行うも
のであり、1個の記録ヘッドに複数個の吐出口が設け、
各吐出口からのインクの吐出を独立に制御することによ
って、所定の印字幅に対する所望の記録が行われる。さ
らに、このようなインクジェット記録ヘッドを搭載して
記録媒体全体への画像記録(以下、印字とも呼ぶ)を行
う画像形成装置としては、記録ヘッドが記録媒体の搬送
方向との交差方向に走査するシリアルタイプのものと、
記録媒体の全幅に対応する長さに1ないし複数本の記録
ヘッドを配置したフルラインタイプのものとがある。シ
リアルタイプの画像形成装置では、記録媒体を所定位置
にセットした後、画像信号に基づき、記録媒体に沿って
移動するキャリッジ上に搭載した記録ヘッドによって画
像記録(以下、印字とも呼ぶ)が行われ、一走査すなわ
ち記録ヘッドの印字幅分の記録を終了した後に記録媒体
をその印字幅分だけ搬送し、その後に次の行の画像を記
録するという動作を繰り返すことによって、記録媒体全
体の画像記録が行われる。また、フルラインタイプの画
像形成装置では、記録媒体の搬送部上に、記録媒体の全
幅を覆うようにして記録ヘッドが固定されており、記録
ヘッドの下を記録媒体が搬送される際に、画像信号に基
づいて記録ヘッドが吐出を行うことにより、記録媒体が
通過するのみをもって全面画像が記録される。
【0004】近年、このような画像形成装置に対して、
全面画像の記録速度の向上と低コスト化が求められてい
る。これに応えるため、前述のシリアルタイプの画像形
成装置では、記録ヘッドを長尺化して印字幅を大きく
し、一走査における印字領域を拡大して記録速度を向上
している。またフルラインタイプの画像形成装置では、
記録速度は変わらないが、同様に記録ヘッドを長尺化す
ることにより、記録媒体の全幅を覆う記録ヘッドの本数
を減らし、構成部材数を低減して装置のコストを下げて
いる。
【0005】ところでインクジェット記録ヘッドでは、
良好な記録品位を維持するため、吐出口内に侵入した異
物を排除したり、吐出口内に長時間滞留していて粘度が
所定値より増大したインクを排出したり、吐出口付近に
付着しているインク液滴やゴミを除去したりするための
回復と呼ばれる操作を定期的に実行する必要がある。長
尺の記録ヘッドを用いた画像形成装置では、例えば特開
平3−246057号公報に開示されるような方法、す
なわち、記録ヘッドにインクを供給する供給手段を用い
てインクを加圧し、これによって記録ヘッドの吐出口か
らインクを強制的に流出させることにより、回復操作が
行われていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の画像形成装置では、記録ヘッドの長尺化に伴っ
て吐出口数が増えているため、回復操作の際のインク加
圧時に吐出口から排出されるインクの量が大きくなる。
もちろん、インク加圧時に記録ヘッドの液室(記録ヘッ
ドにおいて供給系からのインクを一時的に貯える部分)
を介して供給系にインクを戻すいわゆる循環を同時に行
っているが、それでも、吐出口から排出されるインクの
量は依然として多い。吐出口から排出されたインクは無
駄に捨てられるので、その分、コストアップの要因とな
っていた。
【0007】また、記録ヘッドにインクを供給するため
のインクチューブ、記録ヘッドのノズル内あるいは液室
内などのインクに溶存していた気体が分離して気泡が発
生し、印字時の吐出を不安定にすることがある。これら
の気泡を除去するため、インクの加圧・循環を行い、ノ
ズル内の気泡は吐出口から記録ヘッド外部へ排出し、イ
ンクチューブや液室内のインクは循環流路よりインクタ
ンク側に戻すことが行われている。これによりノズル内
の気泡は容易に除去できるが、その分、吐出口から排出
されるインクの量が多いため、供給系を長時間駆動した
り供給系が発生する圧力を高めたりしても、循環して供
給系に戻るインクの量は排出されるインクの量に比べて
非常に小さくなる。したがって、インクチューブや液室
内の気泡をインクタンク側に戻すために、吐出口から多
くのインクを排出しなければならなかった。
【0008】ロールに巻かれた布帛に対して連続的に印
字(捺染)を行うような画像形成装置においては、記録
ヘッドに設けられる吐出口の数が多いことに加え、大量
のインクを使用することから装置全体の規模が大きくな
っているので、上述したような諸問題点は、特に深刻で
ある。
【0009】本発明の目的は、インク加圧・循環時に吐
出口から排出されるインク量が最小限に抑えられ、イン
クチューブ内や記録ヘッドの液室内の気泡を短時間でイ
ンクタンク側に戻すことができ、これによりインクの消
費量を低減するとともに、インクジェット記録ヘッドの
吐出不良をなくした画像形成装置を提供することにあ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の画像形成装置
は、インクを吐出する複数のノズルと前記ノズルに共通
に設けられインクを一時的に貯える液室とを有する記録
手段を使用し、記録媒体に対してインクを吐出すること
により記録を行う画像形成装置において、前記記録手段
のインク吐出領域を選択的に密閉するキャップ部材を有
するキャップ手段と、インクを貯留するインクタンク
と、前記インクタンクと前記液室を接続する加圧流路及
び循環流路と、前記インクタンクから前記加圧流路を経
てインクを前記記録手段に移送する加圧ポンプとを有す
る供給手段と、前記キャップ部材内の液体を外部に導出
するために選択的に動作する吸引手段と、を備え、動作
モードとして、前記キャップ部材からの液体の導出が行
われない状態で前記キャップ部材により前記インク吐出
領域を密閉して前記加圧ポンプを作動させるモードを少
なくとも有する。
【0011】本発明においては、キャップ部材がインク
吐出領域を密閉した状態でその密閉空間内にある気体の
容積をV1、記録手段の全ノズル容積をV2、密閉を行う
直前の雰囲気の気圧をPa、密閉した状態で加圧ポンプ
を駆動することにより液室に発生する実質的な正圧をP
とするとき、V2=V1×P/(P+Pa)なる関係が成
り立つようにすることができる。また、容積V1が、実
質的に0であるようにしてもよい。キャップ部材として
は、例えば、インク吐出領域を密閉するキャップとキャ
ップ内に配置され液体を保持する能力を有する吸収体と
を有するものや、ノズルの先端開口を直接閉鎖する凸部
を有するものを使用できる。
【0012】また本発明において記録手段としては、イ
ンク吐出用のエネルギーを発生するためのエネルギー発
生素子が各ノズルにそれぞれ設けられているものを使用
することができる。この場合、エネルギー発生素子とし
てインク吐出用の熱エネルギーを発生するための電気熱
変換体を好ましく使用することができる。特に、電気熱
変換体によって印加される熱エネルギーによりインクに
生じる膜沸騰を利用して、ノズルの先端に設けられた吐
出口よりインクを吐出させる記録手段を使用することが
できる。さらに記録手段は、吐出口が記録媒体の全幅に
わたって配列されているフルラインタイプであるように
することができる。
【0013】
【作用】キャップ部材からの液体の導出が行われない状
態でキャップ部材によりインク吐出領域を密閉して加圧
ポンプを作動させる動作モードを備えているので、この
動作モードでインクの加圧循環を行うことにより、加圧
循環時に吐出口から排出されるインクの量を最小限に抑
えることができる。したがって、循環するインクの量が
増え、無駄に消費されるインクの量を低減することがで
きる。さらに、循環するインクの量が増えるので、イン
クチューブ内や記録ヘッドの液室内の気泡を短時間でイ
ンクタンク側に戻すことが可能になる。
【0014】
【実施例】次に、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。図1は本発明の一実施例のインクジェット
記録装置の構成を示す斜視図、図2はこのインクジェッ
ト装置の主要部を示す断面図である。
【0015】このインクジェット記録装置は、本発明の
画像形成装置に基づくものとして構成されており、予め
巻かれている布帛等の記録媒体に対してインクを図示下
向きに吐出して記録を行うものである。このインクジェ
ット記録装置は、大きく分けて、記録媒体Aに画像を記
録するプリンタ部1、記録媒体Aを所定量(記録長L)
だけ間欠的に搬送する搬送部2、予め巻いてある連続す
る記録媒体Aを繰り出すための繰り出し部3、記録媒体
Aを巻き取るための巻き取り部4、画像記録後の記録媒
体Aを巻き取りができる状態にまで乾燥する乾燥部5に
よって構成されている。記録媒体Aは、繰り出し部3か
ら繰り出され、搬送部2と乾燥部5とを通過し、巻き取
り部4に巻き取られるように架け渡されている。またプ
リンタ部1は、搬送部2に対向して設けられている。
【0016】インクを吐出して記録するインクジェット
記録方式の記録ヘッド11,12が、後述するように各
列8個ずつで2列、計16個設けられており、これら記
録ヘッド10,11はヘッドキャリッジ10に搭載され
ている。プリンタ部1には、記録媒体Aの表面に平行に
かつ記録媒体Aの搬送方向に直交するように、2本の走
査レール1a,1bが支持されており、ヘッドキャリッ
ジ1は走査レール1a,1bに上を図示矢印P1,P2方向
に往復動するように構成されている。往復動の際、各列
の記録ヘッド11,12により、連続する記録媒体Aに
対し、 (一走査の印字)=(所定の記録長L)×(記録媒体A
の幅W) の範囲で繰り返して印字を行う。
【0017】このインクジェット記録装置では、搬送部
2の上流側の記録ヘッド11と下流側の記録ヘッド12
に50%ずつ画像データを振り分けて印字を行い、全体
の画像データが記録媒体Aに記録されるようになってい
る。すなわち、上流側の記録ヘッド11で50%の画像
データを印字し、記録媒体Aが間欠送りされることによ
って、下流側の記録ヘッド12で残りの50%の画像デ
ータを印字し、記録ヘッド11,12の印字画像を重ね
合わせている。記録媒体Aのうち図1で斜線が付された
領域は、記録済みの領域である。
【0018】図3に記録ヘッド11,12の内部構造を
示す。インクジェット記録方式によるこの記録ヘッド
は、液体(インク)を吐出するための微細な吐出口10
01、吐出口1001ごとに設けられ吐出口1001に
連通するノズル(液路)1002、ノズル1002にイ
ンクを分配する液室1003、各ノズル1002ごとに
配設されるエネルギー作用部1004、このエネルギー
作用部1004の部位にある液体に対して作用させるべ
き液滴形成エネルギー(吐出エネルギー)を発生するエ
ネルギー発生素子1005、液室1003に対してイン
クを供給するための供給口1006、供給口1006に
接続されたインクチューブ1007を備えている。この
記録ヘッドでは、複数個の吐出口1001が一列に並ん
で配置しており、これによって吐出口面1008が形成
されている。図3では記録ヘッドの一部分しか示されて
いないが、実際には、例えば吐出口1001が100個
乃至1000個設けられた長尺タイプの記録ヘッドであ
り、その両端に供給口1006が設けられている。通常
の印字時には両方の供給口1006からインクが供給さ
れるが、後述する加圧供給時には、一方の供給口からイ
ンクが加圧供給され、他方の供給口からこのインクが循
環してインクタンクに戻るようになっている。
【0019】このように液滴形成エネルギーを発生して
インク液滴を吐出させる方法としては、ピエゾ素子等の
電気機械変換体を用いる方法、レーザ光等の電磁波を照
射して発熱させ、この発熱による作用で液滴を吐出させ
る方法、あるいは発熱抵抗体を有する発熱素子等の電気
熱変換体によって液体を加熱して液体を吐出させる方法
等がある。その中でも熱エネルギーによって液体を吐出
させるインクジェット記録方法は、記録用の液滴を吐出
して吐出用液滴を形成するための吐出口を記録ヘッドに
高密度に配列することができるために、高解像度の記録
を実行することが可能である。その中でも特に、電気熱
変換体をエネルギー発生素子として使用する方法は、そ
の用いる記録ヘッドのコンパクト化が容易であり、その
記録ヘッドの製造に際し、最近の半導体分野における技
術の進歩と信頼性の向上が著しいIC技術やマイクロ加
工技術の長所を十二分に活用でき、高密度実装化が容易
で、製造コストも安価なことから有利である。
【0020】各記録ヘッド11,12に供給されるべき
インクは、プリンタ部1の枠体とは別に設けられた供給
装置13から供給される。供給装置13は、使用するイ
ンク色ごとに計8個のインクタンク13a〜13hを有
し、8色分のインクを貯えることができる。各列の記録
ヘッド11,12は、これら8色の内のいずれかの色の
それぞれ対応している。すなわち、各色のインクは、上
流側の記録ヘッド11とそれに対応する下流側の記録ヘ
ッド12の計2つの記録ヘッドに供給されることにな
る。
【0021】インクは、インク色ごとの供給ポンプによ
り、プリンタ部1内を這い回されたチューブ1cを介し
て、対応する色の記録ヘッド11,12に供給される。
印字時には、記録ヘッドから吐出される分だけが、毛管
作用により、自動的にインクタンクから記録ヘッドに供
給される。なお本実施例では、同じ色であっても、濃い
インクと淡いインクのように実質的に色の異なるインク
は、各々別のインクタンクに貯留される。
【0022】図4は、インクの供給経路を示している。
記録ヘッド11と12は、記録媒体Aの搬送方向に関し
て上流側と下流側の区別をしているのみであり、インク
の経路の構成は同一であるため、下流側は省略し、上流
側について以下説明する。また、図1で13a〜13h
で表わされるインクタンクは、インクタンク14で代表
して示されている。
【0023】インクタンク14からインクを記録ヘッド
11に加圧供給する加圧ポンプ15が設けられている。
さらに、この加圧ポンプ15と記録ヘッド11を接続し
加圧供給時のインクの流路となる加圧チューブ16と、
加圧供給時に記録ヘッドからインクタンクにインクを戻
す流路となる循環チューブ17とが設けられている。加
圧チューブ16と循環チューブ17のインクタンク14
側の端部は、それぞれ、インク中に液没している。
【0024】インクタンク14からのインクは、加圧供
給時には加圧ポンプ15で正圧を与えられて加圧チュー
ブ16→記録ヘッド11の液室1003・ノズル100
2→循環チューブ17→インクタンク14と流れる。加
圧ポンプ15が行うインクの加圧供給は、加圧モード
と循環モードに分けられる。加圧モードは、主にノ
ズル1002内の気泡をインクと共に吐出口1001か
ら排出するためのモードであって、後述のキャップを解
除して行われる。循環モードは、液室1003や加圧
チューブ16、循環チューブ17内の気泡をインクタン
ク14に戻すためのモードであって、キャッピングして
行われる。またこの循環モードは、初期に空の(インク
が充填されていない)記録ヘッドやチューブにインクを
充填する際にも実行される。
【0025】プリンタ部1には、記録ヘッド11,12
が常時良好に印字を行えるようにするための回復装置2
0が取り付けられている。回復装置20は、インクの吐
出不安定の原因、すなわち、インクの粘度増加、吐
出口面へのインクやゴミなどの付着、ノズル内の気泡
や異物、を除去または防止し、確実な吐出安定性を得る
ためのものである。回復装置20は、キャップ部10
0、ブレード部200、予備吐出部300、タンク部4
00、ポンプ部500、排出部600から構成されてい
る。以下、各部の構成及び動作を説明する。
【0026】(a)キャップ部100: [構成] キャップ部100は、ヘッドキャリッジ10
のホームポジションにおける記録ヘッドの位置に対向し
て設けられており、記録ヘッド11,12の本数に応じ
た数のキャップ101を備えている。ホームポジション
とは、ヘッドキャリッジ10の往復動の末端であって印
字を行わない場合にヘッドキャリッジ10が留め置かれ
る位置であり、記録媒体Aからは外れた位置のことであ
る。各キャップ101は、インクの蒸発やノズルへの異
物の侵入等を防ぐため、印字休止時に記録ヘッドの吐出
口面をキャッピングするものである。本実施例では記録
ヘッドは16本あるので、キャップ101も16個設け
てある(図1参照)。キャップ101はフッ素ゴム、シ
リコーンゴム、塩素化ブチル等のゴム状の弾性部材から
なり、キャップ時に記録ヘッドとの密着性と気密性とを
高めている。
【0027】各キャップ101は、それぞれ、ホルダ1
02によって支持されている。図5は、1個の記録ヘッ
ド11と、これと対になるキャップ101とのキャッピ
ング状態を示す図であり、記録ヘッド11の長手方向に
沿う断面図として描かれている。記録媒体Aの搬送方向
に関して上流側の記録ヘッド11と下流側の記録ヘッド
12はそれぞれキャップ101と対になっており、その
キャッピング状態は同一であるので、下流側については
説明を省略し、上流側について、図5を参照してホルダ
102の構成を説明する。
【0028】キャップ時に記録ヘッド11に対して隙間
Dを形成して対向するように、液体を保水する吸収体1
03がホルダ102に取り付けられている。吸収体10
3は、発泡ウレタン、焼結体、繊維網等の多孔質体から
なる。吸収体103に保持された保水液によって、キャ
ップ時にキャップ101内部を高湿度に維持し、記録ヘ
ッド11のノズル1002内のインクの増粘を最小限に
抑えている。保水液としては、後述する加圧モード時に
吐出口から排出されるインクが利用される。また吸収体
103は、加圧供給時に吐出口1001から排出された
インクによって吐出口面1008に形成されるインク滴
を、吐出口面1008から吸い取り、速やかにキャップ
101内に転移させる機能も有する。
【0029】キャップ101の取付部102aの周囲に
は受容部104が形成されており、受容部104は、加
圧モード時にインクを受容し、ホルダ102の端部に設
けたドレイン102bを経て、集液部材105にインク
を排出する。集液部材105は、各々のホルダ102か
らのインクを集め、排出管105aからキャップ部10
0の下方に設けた排出部600に、インクを流してい
る。
【0030】さらにキャップ101には、キャップ10
1の内部の液体を外部に導出するための吸引口107
と、キャップ101の内気と外気とを連通するための連
通口108とが設けられている。吸引口107は、後述
のポンプ部500に対してジョイント107aによって
接続されており、ポンプ部500を作動させた際に、キ
ャップ101内のインクを吸引する。また連通口108
は、電磁弁109に対してジョイント108aにより接
続されている。記録ヘッド11をキャップ101がキャ
ップする際、電磁弁109を開き、キャップ101の圧
縮により連通口108を介して内部の空気及び液体をキ
ャップ101外に逃がし、これら空気及び液体の吐出口
1001への逆流を防止している。電磁弁109の端部
109aは、排出部600に導かれており、上記の逃が
した液体は、排出部600に排出される。キャップ操作
が完了した後は、キャップ101内を密閉状態にするた
め、電磁弁109を閉じる。この状態では、キャップ1
01の内圧は、キャッピングする直前の雰囲気の圧力
(大気圧)Paと同じになる。
【0031】[動作] 循環モード時の記録ヘッド11
とキャップ101との位置関係が図6に示されている。
図6は、記録媒体Aの搬送方向に直交する平面に沿う断
面として描かれている。記録ヘッド11は、キャップ1
01と対向して接触(キャッピング)している。インク
ジェット記録装置が停止し、放置が長時間に及ぶ場合に
は、ノズル1002内や液室1003内あるいはインク
チューブ内のインクに溶存していた気体成分が分離して
気泡が発生し、次の稼働時に安定した吐出を妨げること
も皆無ではない。このため、上述したように循環モード
により、印字開始時に、供給装置13に設けた加圧ポン
プ15を駆動し、液室1003内やインクチューブ内の
気泡をインクタンク14に戻して、気泡を除去する。
【0032】循環モード時には、図6に示すように、記
録ヘッド11の吐出口1001の周囲をキャップ101
によって密閉しているので、キャッピングしていない場
合に比べ、加圧ポンプ15を駆動しても、吐出口100
1から排出されるインク量は僅少となる。
【0033】ここで、記録ヘッド11のノズル1002
内にあった分だけのインクを吐出口1001から排出
し、ノズル1002内のインクを新しく置き換えること
を考える。密閉した状態でのキャップ101内の気体の
容積をV1(これはキャップ部材のみの内部容積だけで
はなく吐出口面1008を密閉している容積であって、
吸収体103が含んでいる空気量も含む)、記録ヘッド
11の全ノズル容積、すなわちノズル1002内のイン
ク容積をV2、キャッピング直前の雰囲気の気圧をPa
加圧ポンプ15によって発生する液室1003における
正圧をP、とする。キャップ部の温度は、ほぼ一定とみ
なせるので、ボイルの法則より、 加圧ポンプ15による循環前の(空気容積)×(キャッ
プ内の空気圧)=循環後の(空気容積)×(キャップ内
の空気圧) が成り立つ。キャッピングして循環したとき、液室内の
圧力と吐出口に掛かる圧力とが釣り合ったときに、吐出
口1001からのインクの排出が止まるので、 V1×Pa=(V1−V2)×(P+Pa) ∴ V2=V1×P/(P+Pa) …(1) この関係が成り立つように諸量を決定することができ
る。例えば、加圧ポンプ15が発生する圧力と加圧チュ
ーブ16の流抵抗とから正圧Pを設定したり、キャップ
101の形状を変えて内部容積(V1に関係する)を設
定する。上述の式(1)が成立している場合には、ノズル
1002内のインクのみが排出され、その他のインクは
インクタンク14側に循環される。ノズルの全容積V2
は、ノズルの個数や大きさ、ノズルの配列密度にもよる
が、例えば、ノズル密度14個/mm、ノズル径φ30
μm、記録ヘッド長100mmの場合、10-10〜10
-93程度である。
【0034】次に、加圧モード時での記録ヘッド11と
キャップ101の位置関係を図7によって説明する。加
圧モード時には、記録ヘッド11は、キャップ101と
対向しかつ離間した位置にある。前述したようにインク
ジェット記録装置を放置することによって、記録ヘッド
11のノズル内のインクは、緩慢ではあるが蒸発して増
粘する。また、印字中にも発熱素子による昇温でインク
は増粘してくる。ノズル1002内の増粘したインクを
除去するため、加圧モードは、印字開始時の上記循環モ
ードの実行後および印字時の所定往復数(通常50〜1
00往復程度)ごとに実行され、ノズル1002内部の
増粘したインクや気泡を吐出口1001からキャップ1
01に排出する。これは、吐出口1001からの積極的
な排出であり、吐出口面1008にゴミや毛羽が付着し
たり、吐出口1001内にゴミ等が侵入していても、そ
れらを洗い流して安定した吐出を保つ効果も有する。
【0035】上記の加圧モードの実行後、後述のポンプ
部500により、キャップ101内の液体及び吸収体1
03に保持されている液体を吸引し、後述の排出部60
0に排出する。この吸引により、吸収体103は適正な
湿潤状態に保たれる。
【0036】加圧モードを実行すると、吐出口1001
からインク液滴150がキャップ101に向けて落下す
る。しかしながら、場合によっては、キャップ101内
に落下せずに、キャップ101の外部にインク液滴15
0が落下することがある。そこで、キャップ101の外
周を取り囲むように吸収体106を配し、キャップ10
1の外部に付着したインクを吸収し、キャップ101の
汚れを抑えるように構成してある。
【0037】以上、循環モード時と加圧モード時におけ
るキャップ101と記録ヘッド11との位置関係を説明
したが、循環モードにおいては上述と異なるキャップ状
態とすることができる。図8は、図6とは異なる循環モ
ードでのキャップ状態を示している。すなわち、図6に
示したものでは、キャップ101が吐出口1001を覆
うための開口部を形成しているのに対し、図8に示した
ものでは、凸部110aが形成されたキャップ110を
使用しており、凸部110aによって吐出口1001が
直接キャップされている。この場合、キャップ110と
吐出口1001の間に空間は形成されておらず、循環モ
ードにおいては、吐出口1001からのインク量は0と
なってインクはすべてインクタンク14に戻り、インク
を排出することはない。このキャップ110ではインク
が蒸発することはないので、保湿のための吸収体をキャ
ップ内に設ける必要がない。
【0038】(b)ブレード部200:図9はブレード
部200の断面構成図である。ブレード部200は、キ
ャップ部100より搬送部2側に設けられ、キャップ部
100の吸収体103と同種類の多孔質体からなるブレ
ード201を有し、このブレード201で記録ヘッドの
吐出口面1008をワイピングし、印字中に発生して吐
出口面1008に付着したインクミスト等を除去するた
めのものである。また、加圧モードを実行した場合に発
生するインク液滴150は、キャップ部100の吸収体
103に吸収されるようになっているが、完全にはこの
インク液滴150は吸収されず、吐出口面1008にイ
ンク液滴が残存する。そこでブレード201は、加圧モ
ード実行後に吐出面1008をワイピングして清掃して
いる。本実施例の装置では、記録媒体Aの搬送方向の上
流側と下流側の各記録ヘッド列に対して2本ずつ、合計
4本のブレード201が設けられおり、各ブレード20
1は、それぞれ、4本の記録ヘッドに対応している。
【0039】また、ブレード部200には、記録ヘッド
の吐出口面1008に対してブレード201を前進及び
後退させるための駆動部を有する。各ブレード201は
それぞれホルダ202に支持されており、ホルダ202
の支点202aを中心とする回転動作によって、ブレー
ド201の前進及び後退が行われる。図9において、前
進状態(図示実線)のブレード201が折れ曲がってい
るのは、記録ヘッドの吐出口面1008に当接している
ことを示している。ブレード201を前進状態として、
かつ記録ヘッドを移動させることにより、記録ヘッドの
ワイピングが行われる。さらに、記録ヘッドの吐出口面
1008を清掃した後のブレード201を洗浄するため
の浄化槽203が設けられている。浄化槽203には、
後述のタンク部400から洗浄液が適宜供給されてお
り、余剰の洗浄液は、ドレイン204を介して排出管2
04aにより、キャップ部100の集液部材105と同
様に、後述の排出部600に排出される。ドレイン20
4にを設けたことにより、浄化槽203の液面は一定高
さH2に保たれ、後退時にブレード201が一定量の洗
浄液に浸って洗浄されることになる。
【0040】ブレード201によるワイピング動作は、
前述の加圧モードの実行後には必ず行われる。また、印
字動作において記録ヘッドが一往復する度に、あるいは
予め設定した回数だけ往復する度に行われる。さらに、
前進位置のブレードに近接して、他端が後述のポンプ部
500に接続された吸引管502の一端が開口しており
(図11参照)、浄化槽203でブレード201が余剰
に保水した洗浄液がポンプ部500により吸引されるよ
うに構成されている。このように構成することにより、
ブレード201は、適正な湿潤状態を維持して記録ヘッ
ドをワイピングする。
【0041】(c)予備吐出部300:ブレード部20
0と搬送部2との間に、予備吐出部300が設けられて
いる。図10は、予備吐出部300の構成を示す断面図
である。予備吐出部300は、記録媒体Aへの印字を開
始する前に記録ヘッドが行う予備吐出(ダミーの吐出)
が行われる部材であって、この予備吐出でのインク滴を
受容するための吸収体301と吸収体301を支持する
ホルダ302とを有する。吸収体301は、キャップ部
100の吸収体103と同種類の多孔質体からなってい
る。また、ホルダ302には、予備吐出されたインクを
一定の液面高さH3に保持して貯留する貯留部302a
が形成されており、余剰のインクはドレイン304を介
して排出管304aによって、キャップ部100の集液
部材105と同様に、後述の排出部600に排出され
る。吸収体301は、貯留部302aのインクに浸って
保液しており、予備吐出時のインク滴を吸収しやすくな
っている。つまり保液している液体が、吐出されたイン
ク滴をトラップして記録ヘッドへの跳ね返りが起こらな
いようになっており、これによって記録ヘッドへのミス
トの付着が防止されている。
【0042】(d)タンク部400:タンク部400
は、洗浄液を貯留するタンク401と、このタンク40
1からの洗浄液の供給を制御する電磁弁402とから構
成されている。タンク401は、プリンタ部1の上方部
であってブレード部200より高位に設けられており、
電磁弁402を介して自由落下により洗浄液を適量だけ
供給する(図11参照)。タンク401には外部設備と
しての洗浄液製造装置から洗浄液が供給される。
【0043】(e)ポンプ部500:ポンプ部500
は、ポンプ501と吸引管502と排出管503とを有
し(図11参照)、キャップ部100とブレード部20
0の下方に位置し、高低差を加えて各部からの排出を容
易にしながら、吸引を行っている。吸引管502と排出
管503はポンプ501に接続されている。また、吸引
管502は上述したようにキャップ部100やブレード
部200の各部に接続され、排出管503は排出部60
0に接続している。
【0044】ポンプ501としては、吸収体の湿潤状態
を安定させるために、パルスで駆動するタイプや、時間
あたりの回転数が一定であるダイヤフラムやべローズを
用いた容積式の定量ポンプを使用している。また、これ
らのポンプ501が有する逆止機能により、吸引した液
体がキャップ部100やブレード部200ヘ逆流するこ
とはない。
【0045】(f)排出部600:排出部600は、キ
ャップ部100の排出管105a、ブレード部200の
排出管204a、予備吐出部300の排出管304aあ
るいはポンプ部500により吸引したインクあるいは洗
浄液を排出する際の受液機能、及び受液したこれらのイ
ンクあるいは洗浄液を装置外ヘ排出する機能を有する。
排出部600は、回復装置20の下方に設けられた受液
部601を有し、この受液部601からはホース602
を介して、装置の外部でかつ最低位にある側溝603に
排液を流すようになっている(図2参照)。
【0046】以上、回復装置20の各部を説明したが、
回復装置20の全体的な構成が図11に示されている。
この図は、記録媒体Aの搬送方向に直交する平面に沿っ
た断面図として描かれている。
【0047】次に、このインクジェット記録装置におけ
る印字動作と回復動作について、図12に示すフローチ
ャートを用いて説明する。
【0048】記録媒体Aを繰り出し部3から搬送部2を
経て巻き取り部4まで掛け回してセットした後、画像記
録を開始する。この状態では、ヘッドキャリッジ10は
ホームポジションにある。まず、供給装置13からのイ
ンクの加圧供給により循環モードが実行され(ステップ
S1)、続いて、ホームポジションにおいて記録ヘッド
のキャップが解除され(ステップS2)、加圧モードが
実行され(ステップS3)、ブレード部200により記
録ヘッドのワイピングが行われる(ステップS4)。次
に、コンピュータやリーダ等のデータ送信元からこのイ
ンクジェット記録装置の印字制御部(不図示)に一走査
分(矢印P1方向への往動に相当)の画像データが転送
される(ステップS5)。データ入力後、ヘッドキャリ
ッジ10は、矢印P1方向に移動して予備吐出部300
上に位置し、予備吐出を行い(ステップS6)、予備吐
出に続いて一走査分の画像記録を行う(ステップS
7)。そして搬送部3により記録媒体Aが間欠的に記録
長Lだけ送られる(ステップS8)。
【0049】ここで画像記録(印字)を終了するか否か
判断し(ステップS9)、終了するならばヘッドキャリ
ッジ10をホームポジションに移動し、記録ヘッドをキ
ャッピングして(ステップS10)、装置の稼働を終了
する。ステップS9で画像記録を継続するならば、次に
矢印P2方向の復動時の画像データが転送され(ステッ
プS11)、復動時の画像記録を行い(ステップS1
2)、ステップS8と同様に記録媒体Aが間欠送りされ
る(ステップS13)。
【0050】そしてステップS9と同様に、画像記録を
終了するか否か判断し(ステップS14)、終了するな
らばステップ10に移行し、記録ヘッドをキャッピング
して(ステップS10)装置の稼働を終了し、継続する
ならば、走査回数に応じて加圧モードの実行が必要か否
か判断する(ステップS15)。加圧モードの実行が必
要ならば、ステップS4に戻り加圧モードを行い、前述
と同様の動作を繰り返す。一方、加圧モードの実行が不
要ならば、ステップS5に戻りワイピングを行い、前述
と同様の動作を繰り返す。以上のようにして、回復動作
及び印字動作が行われる。
【0051】本発明は、特にインクジェット記録方式の
中でも、熱エネルギーを利用して飛翔液滴を形成し、記
録を行うインクジェット記録方式の記録ヘッドを使用す
る画像形成装置において、優れた効果をもたらすもので
ある。
【0052】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書、同第4740
796号明細書に開示されており、本発明はこれらの基
本的な原理を用いて行うものが好ましい。この記録方式
はいわゆるオンデマンド型、コンティニュアス型のいず
れにも適用可能である。
【0053】この記録方式を簡単に説明すると、液体
(インク)が保持されているシートや液路に対応して配
置されている電気熱変換体に、記録情報に対応して液体
(インク)に核沸騰現象を越え、膜沸騰現象を生じるよ
うな急速な温度上昇を与えるための少なくとも一つの駆
動信号を印加することによって、熱エネルギーを発生せ
しめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせる。こ
のように液体(インク)から電気熱変換体に付与する駆
動信号に一対一対応した気泡を形成できるため、特にオ
ンデマンド型の記録法には有効である。この気泡の成
長、収縮により吐出孔を介して液体(インク)を吐出さ
せて、少なくとも一つの滴を形成する。この駆動信号を
パルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が行わ
れるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐出が
達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信号と
しては、米国特許第4463359号明細書、同第43
45262号明細書に記載されているようなものが適し
ている。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明
の米国特許第4313124号明細書に記載されている
条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことができ
る。
【0054】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出孔、液流路、電気熱変換
体を組み合わせた構成(直線状液流路または直角液流
路)の他に、米国特許第4558333号明細書、米国
特許第4459600号明細書に開示されているよう
に、熱作用部が屈曲する領域に配置された構成を持つも
のも本発明に含まれる。
【0055】加えて、複数の電気熱変換体に対して、共
通するスリットを電気熱変換体の吐出孔とする構成を開
示する特開昭59年第123670号公報や熱エネルギ
ーの圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を
開示する特開昭59年第138461号公報に基づいた
構成においても本発明は有効である。
【0056】さらに、本発明が有効に利用される記録ヘ
ッドとしては、記録装置が記録できる記録媒体の最大幅
に対応した長さのフルラインタイプの記録ヘッドがあ
る。このフルラインヘッドは、上述した明細書に開示さ
れているような記録ヘッドを複数組み合わせることによ
ってフルライン構成にしたものや、一体的に形成された
一個のフルライン記録ヘッドであっても良い。
【0057】加えて、装置本体に装着されることで、装
置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給
が可能になる交換自在のチップタイプの記録ヘッド、あ
るいは記録ヘッド自体に一体的に設けられたカートリッ
ジタイプの記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効で
ある。
【0058】また、本発明の記録装置に、記録ヘッドに
対する回復手段や、予備的な補助手段等を付加すること
は、本発明の記録装置を一層安定にすることができるの
で好ましいものである。これらを具体的に挙げれば、記
録ヘッドに対しての、キャッピング手段、クリーニング
手段、加圧あるいは吸引手段、電気熱変換体あるいはこ
れとは別の加熱素子、あるいはこれらの組み合わせによ
る予備加熱手段、記録とは別の吐出を行う予備吐出モー
ドを行う手段を付加することも安定した記録を行うため
に有効である。
【0059】さらに、記録装置の記録モードとしては黒
色等の主流色のみを記録するモードだけではなく、記録
ヘッドを一体的に構成したものか、複数個を組み合わせ
て構成したものかのいずれでも良いが、異なる色の複色
カラーまたは、混色によるフルカラーの少なくとも一つ
を備えた装置にも本発明は極めて有効である。
【0060】以上説明した本発明実施例においては、液
体インクを用いて説明しているが、本発明では室温で固
体状であるインクであっても、室温で軟化状態となるイ
ンクであっても用いることができる。上述のインクジェ
ット装置ではインク自体を30℃以上70℃以下の範囲
内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあ
るように温度制御するものが一般的であるから、使用記
録信号付与時にインクが液状をなすものであれば良い。
【0061】加えて、熱エネルギーによるヘッドやイン
クの過剰な昇温をインクの固形状態から液体状態への状
態変化のエネルギーとして使用せしめることで積極的に
防止するかまたは、インクの蒸発防止を目的として放置
状態で固化するインクを用いることもできる。いずれに
しても熱エネルギーの記録信号に応じた付与によってイ
ンクが液化してインク液状として吐出するものや記録媒
体に到達する時点ではすでに固化し始めるもの等のよう
な、熱エネルギーの付与によって初めて液化する性質を
持つインクの使用も本発明には適用可能である。
【0062】このようなインクは、特開昭54−568
47号公報あるいは特開昭60−71260号公報に記
載されるような、多孔質シートの凹部または貫通孔に液
状または固形物として保持された状態で、電気熱変換体
に対して対向するような形態としても良い。
【0063】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、キャップ
部材からの液体の導出が行われない状態でキャップ部材
によりインク吐出領域を密閉して加圧ポンプを作動させ
る動作モードを備えることにより、この動作モードで加
圧循環を行う場合に吐出口から排出されるインクの量を
最小限に抑えられるので、循環するインクの量が増え、
無駄に消費されるインクの量を低減することができると
いう効果がある。さらに、循環するインクの量が増えて
いるので、インクチューブ内や記録ヘッドの液室内の気
泡を短時間でインクタンク側に戻すことが可能になると
いう効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のインクジェット記録装置の
構成を示す斜視図である。
【図2】図1のインクジェット記録装置の主要部の断面
図である。
【図3】記録ヘッドの構成を示す要部破断図である。
【図4】インクの供給経路の構成を示す図である。
【図5】キャッピング状態を示す長手方向の断面に沿っ
た断面図である。
【図6】循環モードを説明する図である。
【図7】加圧モードを説明する図である。
【図8】循環モードの他の例を説明する図である。
【図9】ブレード部の構成を示す断面図である。
【図10】予備吐出部の構成を示す断面図である。
【図11】回復装置の全体構成を示す断面図である。
【図12】印字及び回復動作を説明するフローチャート
である。
【符号の説明】
1 プリンタ部 2 搬送部 3 繰り出し部 4 巻き取り部 5 乾燥部 10 ヘッドキャリッジ 11,12 記録ヘッド 13 供給装置 13a〜13h,14 インクタンク 15 加圧ポンプ 16 加圧チューブ 17 循環チューブ 20 回復装置 100 キャップ部 101,110 キャップ 102 ホルダ 103,106,301 吸収体 104 受容部 105 受液部材 107 吸引口 108 連通口 109 電磁弁 200 ブレード部 201 ブレード 203 浄化槽 300 予備吐出部 400 タンク部 401 タンク 500 ポンプ部 501 ポンプ 502 吸引管 503 排出管 600 排出部 601 受液部 1001 吐出口 1002 ノズル 1003 液室 1004 エネルギー作用部 1005 エネルギー発生素子 1008 吐出口面 A 記録媒体
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B41J 2/185 B41J 3/04 102 R

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクを吐出する複数のノズルと前記ノ
    ズルに共通に設けられインクを一時的に貯える液室を有
    する記録手段を使用し、記録媒体に対してインクを吐出
    することにより記録を行う画像形成装置において、 前記記録手段のインク吐出領域を選択的に密閉するキャ
    ップ部材を有するキャップ手段と、 インクを貯留するインクタンクと、前記インクタンクと
    前記液室を接続する加圧流路及び循環流路と、前記イン
    クタンクから前記加圧流路を経てインクを前記記録手段
    に移送する加圧ポンプとを有する供給手段と、 前記キャップ部材内の液体を外部に導出するために選択
    的に動作する吸引手段と、を備え、 動作モードとして、前記キャップ部材からの液体の導出
    が行われない状態で前記キャップ部材により前記インク
    吐出領域を密閉して前記加圧ポンプを作動させるモード
    を少なくとも有することを特徴とする画像形成装置。
  2. 【請求項2】 前記キャップ部材が前記インク吐出領域
    を密閉した状態でその密閉空間内にある気体の容積をV
    1、前記記録手段の全ノズル容積をV2、前記密閉を行う
    直前の雰囲気の気圧をPa、前記密閉した状態で前記加
    圧ポンプを駆動することにより前記液室に発生する実質
    的な正圧をPとするとき、 V2=V1×P/(P+Pa) なる関係が成り立つ請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 【請求項3】 前記キャップ部材が、前記インク吐出領
    域を密閉するキャップと前記キャップ内に配置され液体
    を保持する能力を有する吸収体とを有する請求項1また
    は2に記載の画像形成装置。
  4. 【請求項4】 前記キャップ部材が前記インク吐出領域
    を密閉した状態でその密閉空間内にある気体の容積V1
    が実質的に0である、請求項1に記載の画像形成装置。
  5. 【請求項5】 前記キャップ部材が、前記ノズルの先端
    開口を直接閉鎖する凸部を有する請求項1または4に記
    載の画像形成装置。
  6. 【請求項6】 前記記録手段において、インク吐出用の
    エネルギーを発生するためのエネルギー発生素子が前記
    各ノズルにそれぞれ設けられている、請求項1乃至5い
    ずれか1項に記載の画像形成装置。
  7. 【請求項7】 前記エネルギー発生素子がインク吐出用
    の熱エネルギーを発生するための電気熱変換体である請
    求項6に記載の画像形成装置。
  8. 【請求項8】 前記電気熱変換体によって印加される熱
    エネルギーによりインクに生じる膜沸騰を利用して、前
    記ノズルの先端に設けられた吐出口よりインクを吐出さ
    せる請求項7に記載の画像形成装置。
  9. 【請求項9】 前記記録手段が、前記吐出口が記録媒体
    の全幅にわたって配列されているフルラインタイプであ
    る、請求項8に記載の画像形成装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7481512B2 (en) 2004-12-03 2009-01-27 Kabushiki Kaisha Toshiba Ink jet applicator
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