JPH08148922A - レドーム用複合材、ミリ波用レドームおよびその製造方法 - Google Patents
レドーム用複合材、ミリ波用レドームおよびその製造方法Info
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Abstract
の厚さに設定することができるレドーム用複合材、ミリ
波用レドームおよびミリ波用レドームの製造方法を提供
する。 【構成】 レドーム1は、少なくとも1枚の第1シート
状部材3が貼合わせて形成される第1層L2の両側表面
に、第1シート状部材3よりも厚さの薄い複数の第2シ
ート状部材2が貼合わせて形成される第2層L1,L3
が貼合わされて構成される。第1および第2シート状部
材3および2は、低誘電率で低誘電損失のFRPなどの
材料で形成される。第2層L1,L3の第2シート状部
材2は1枚ずつ引剥がし可能となっており、第2シート
状部材2を1枚ずつ引剥がすことによって全体の厚さT
1がミリ波の波長の半分の整数倍に対応した厚さに設定
される。
Description
の鉄道車両、航空機、ヘリコプター、競争用自動車など
の高速移動体などに用いられるミリ波アンテナ用レドー
ムにおいて、レドーム用複合材、ミリ波用レドームおよ
びミリ波用レドームの製造方法に関する。
護するためのレドームは、レドーム自体の構造剛性によ
って形状を保持する硬質レドームと呼ばれるレドーム
と、空気圧によって形状が保持される軟質レドームと呼
ばれるレドームとに大別される。前者の硬質レドームと
呼ばれるレドームは、レドーム自体の構造剛性によって
レドームの形状を保持するため、剛性の材料で構成さ
れ、厚みも形状を保持するために充分な厚みに設定され
る。
1種類の厚さを有するFRP(fiber reinforced plast
ic)などによって形成される複合材によって構成され
る。複合材の厚さは、複合材を透過する電波の透過損を
小さくするため、透過する電波の波長の半分の整数倍に
対応した厚さに設定される。
い周波数の電波の利用が拡大しつつあり、通信に用いら
れる周波数帯に、ミリ波領域がよく利用される。またレ
ーダにおいても、波長の短い電波を用いると、解像度の
高い画像が得られるので、ミリ波領域で作動するアンテ
ナの利用が拡大されている。
に、前述の硬質レドームを適用する場合、レドームの厚
さは、アンテナによって伝送される電波の波長が短いの
で、透過損を小さくするためには高い精度で所定の厚さ
に設定する必要がある。
開平3−224304、特開平5−170483に開示
されている。また、セラミックスまたは耐熱性プラスチ
ックから成る内層と、内層の両表面を被覆した高強度セ
ラミックスから成る外層とから構成されるレドームが開
示されている(特開平6−21713)。
は、1種類の厚さを有する複合材によって構成されるの
で、複合材の製造段階で、複合材の厚さを、ミリ波の波
長の半分の整数倍に対応させて精度よく設定する必要が
ある。このため、複合材の厚みを調節するための加工に
手間がかかり、その結果、レドームの製造工程が煩雑に
なる。
合材の厚さにばらつきが生じると、所定の厚さである波
長の半分の整数倍に対応した厚さから厚さのずれてしま
った部分を透過する電波の透過損が大きくなってしま
う。たとえば、波長が6.7mmのミリ波がレドームを
透過するとき、レドームの厚みが上述の所定の厚さから
1mmずれると、約3dBの透過損が生じる例がある。
作業で精度よく所定の厚さに設定することができるレド
ーム用複合材、ミリ波用レドームおよびミリ波用レドー
ムの製造方法を提供することである。
枚の第1シート状部材と、前記第1シート状部材よりも
厚さの薄い複数の第2シート状部材とを備え、前記第1
シート状部材が貼合わされて形成される第1層の少なく
とも片側表面に、前記第2シート状部材が貼合わされて
形成される第2層が貼合わされることを特徴とするレド
ーム用複合材である。また本発明は、ミリ波領域で作動
するアンテナを保護するミリ波用レドームであって、少
なくとも1枚の第1シート状部材が貼合わされて形成さ
れる第1層の少なくとも片側表面に、前記第1シート状
部材よりも厚さの薄い複数の第2シート状部材が貼合わ
されて形成される第2層が貼合わされて構成され、全体
の厚さが、ミリ波用レドームを透過する電波の波長の半
分の整数倍に対応して設定されることを特徴とするミリ
波用レドームである。また本発明は、少なくとも1枚の
第1シート状部材を貼合わせて第1層を形成し、前記第
1層の少なくとも片側表面に、前記第1シート状部材よ
りも厚さの薄い複数の第2シート状部材が貼合わされて
形成される第2層を貼合わせ、前記第2層の第2シート
状部材を剥がして全体の厚さを所定の厚さに設定するこ
とを特徴とするミリ波用レドームの製造方法である。
は、レドーム用複合材の全体の厚さが、後述する所定の
厚さよりも厚くなるように複数の第2シート状部材を多
めに貼合わせて形成される。レドーム用複合材によって
レドームを構成する際、レドーム用複合材の厚さは、第
2層の第2シート状部材を1枚ずつ剥がすことによって
所定の厚さ、すなわちレドーム用複合材を透過する電波
の波長の半分の整数倍に対応した厚さに設定される。
材の厚さを調節するための手間のかかる加工操作を行わ
なくても、第2シート状部材を剥がす簡単な作業でレド
ーム用複合材の厚さを前記所定の厚さに設定することが
できる。
の厚さに対して充分薄い厚さに設定することによって、
たとえばレドーム用複合材を透過する電波がミリ波であ
ってもレドーム用複合材の厚さを精度よく前記所定の厚
さに設定することができる。その結果、レドーム用複合
材を透過する電波の透過損を小さくすることができる。
シート状部材よりも厚さの厚い少なくとも1枚の第1シ
ート状部材が貼合わされて形成されるので、たとえばレ
ドーム用複合材全体を第2シート状部材のみで構成する
場合に比べて、用いる第2シート状部材の枚数を少なく
することができる。その結果、第2シート状部材を貼合
わせる工程を簡略化することができる。
第2層は、ミリ波用レドームの全体の厚さが、前記所定
の厚さよりも厚くなるように複数の第2シート状部材を
多めに貼合わせて形成される。このように全体の厚さが
前記所定の厚さよりも厚くなるように設定されたミリ波
用レドームの厚さは、第2層の第2シート状部材を1枚
ずつ剥がすことによって前記所定の厚さに設定される。
単な作業でミリ波用レドームの厚さを前記所定の厚さに
設定することができるので、レドームの製造工程を簡略
化することができる。
は、ミリ波用レドームの全体の厚さが、前記所定の厚さ
よりも厚くなるように複数の第2シート状部材を多めに
貼合わせて構成した後、第2シート状部材が1枚ずつ剥
がされることによって全体の厚さが前記所定の厚さに設
定される。
ドーム1の部分的な構成を示す一部破断斜視図である。
レドーム1は、少なくとも1枚の第1シート状部材3が
貼合わせて形成される第1層L2の両側表面に、第1シ
ート状部材3よりも厚さの薄い複数の第2シート状部材
2が貼合わせて形成される第2層L1,L3が貼合わさ
れて構成される。第1および第2シート状部材3および
2は、低誘電率で低誘電損失のFRP(fiber reinforc
ed plastic)などの材料で形成される。第1シート状部
材3の厚さT3は、たとえば0.3mmに設定され、第
2シート状部材2の厚さT2は、たとえば0.15mm
に設定される。レドーム1の全体の厚さT1は、レドー
ム1を透過するミリ波の波長の半分の整数倍に対応した
厚さに設定される。本発明のレドーム1において注目す
べきは、第2層L1,L3の第2シート状部材2が1枚
ずつ引剥がし可能となっており、第2シート状部材2を
1枚ずつ引剥がすことによって全体の厚さT1を所定の
厚さに設定することができる点である。
ある。図2(1)の工程では、巻回されたシート体6か
ら第1または第2シート状部材3または2が切出され
る。図2(2)の工程では、レドーム1を成形するため
の成形型7の型表面7aに、散布手段10によって離型
剤10aが散布され、成形型7の準備が行われれる。図
2(3)の工程では、成形型7の型表面7aに、表面に
エポキシ樹脂などの熱硬化樹脂が塗布された第1および
第2シート状部材3,2が積層される。
ト状部材3,2が積層される際、第1および第2シート
状部材3,2は、前述の図1に示されるように第1層L
2および第2層L1,L3の層構造を構成するように積
層される。第2層L1,L3の第2シート状部材2は、
レドーム1の全体の厚さT1が、設定すべき所定の厚さ
よりも僅かに厚くなるように多めに積層される。また、
第1層L2の第1シート状部材3は、第2層L1,L3
の第2シート状部材2の枚数を少なくするために、第1
層L2の厚さT4が、前記設定すべき所定の厚さ未満
で、かつその設定すべき所定の厚さに近い値になるよう
に積層される。
で積層された第1および第2シート状部材3,2の上方
から真空バッグ8が装着される。真空バッグ8が装着さ
れると、真空バッグ8の吸引口8aから真空バッグ8内
の空気が吸出される。真空バッグ8内の空気が吸出され
ると、型表面7a上に積層された第1および第2シート
状部材3,2が真空バッグ8によって型表面7aに押圧
され、これに伴って第1および第2シート状部材3,2
が互いに密着される。
よび第2シート状部材3,2が真空バッグ8によって型
表面7aに押圧されたままの状態で、加熱装置9内に挿
入され、加熱処理が行われる。図2(5)の加熱処理に
よって、第1および第2シート状部材3,2に塗布され
た前述の熱硬化樹脂が硬化し、第1および第2シート状
部材3,2が互いに接着され、その結果成形型7の型表
面7aの形状を有するレドーム1が得られる。
で得られたレドーム1の周辺トリム仕上げが行われる。
ムの厚さに対する透過損の変化を示す図であり、グラフ
A1は直角偏波された電波の透過損の変化を示し、グラ
フA2は平行偏波された電波の透過損の変化を示す。グ
ラフA1およびA2で示される2つの電波の周波数は、
45GHzであり、グラフA1,A2で示される2つの
電波が透過されるレドームは、ここではクォーツ・ガラ
ス繊維で織ったガラス布にビスマレイミドを含浸させた
複合材で構成されている。ここで、直角偏波とは、レド
ームの入射面に対して電波の電場ベクトルが平行になる
ように偏波された電波であり、平行偏波とは電波の電場
ベクトルがレドームの入射平面に対して垂直になるよう
に偏波された電波である。なお本発明のレドームは、直
角偏波された電波および直角偏波と平行偏波の合成の結
果生じる円偏波された電波を伝送するアンテナを保護す
るために用いられるものとする。
ームの厚さが、レドームを透過する電波の波長4.2m
mの半分に対応する値だけ変化される毎に、電波の透過
損が極小値となる。一般に、FRPなどの低誘電率の材
料で構成されるレドームは単層レドームと呼ばれる。単
層レドームの場合では、電波がレドームを一方側から他
方側に透過する際、レドームの厚さが電波の波長の半分
の整数倍に対応する厚さになると、レドームを一方側か
ら他方側へ透過した電波と、一方側表面からレドーム内
部に入射した後、レドームの他方側表面で反射して逆方
向に進行する電波が、一方側の表面でさらに反射した
後、レドームを他方側へ透過する電波とが互いに強めあ
い、これによってレドームを透過する電波の透過損が極
小値になる。
は、全体の厚さT1が、設定すべき所定の厚さよりも僅
かに厚くなるように第2シート状部材2が多めに貼合わ
されている。レドーム1の全体の厚さT1は、厚さT1
が設定すべき所定の厚さ、すなわちレドーム1を透過す
るる電波の波長の半分の整数倍に対応する厚さに最も近
い値になるまで、第2層L1,L3の第2シート状部材
2を1枚ずつ剥がすことによって設定される。
長が6.7mmである場合、レドーム1の全体の厚さT
1は、波長の半分の4倍に対応する値である14mmに
設定される。
ある航空機11の構成を示す側面図である。本適用例で
は、航空機11の胴体11aの上面に、ドーム形のレド
ーム1が備えられている。レドーム1の内部にはレーダ
用アンテナ13が備えられており、アンテナ13がレド
ーム1によって保護されている。アンテナ13は、ミリ
波領域で作動するアンテナであり、アンテナ13によっ
てたとえば他の航空機に関する画像が解像度の高い画像
として得られる。またアンテナ13は、気象レーダ用と
して用いられてもよい。
を調節するための手間のかかる加工作業を行わなくと
も、第2層L1,L3の第2シート状部材2を剥がす簡
単な作業でレドーム1の厚さT1を、設定すべき所定の
厚さに設定することができる。
定すべき所定の厚さに対して充分薄い厚さに設定するこ
とによって、レドーム1の厚さT1を精度よくミリ波に
対応した設定すべき所定の厚さに設定することができ
る。その結果、レドーム1を透過する電波の透過損を小
さくすることができる。
ート状部材2よりも厚さの厚い少なくとも1枚の第1シ
ート状部材3が貼合わされて形成されるので、たとえば
レドーム1全体を第2シート状部材2のみで構成する場
合に比べて、用いる第2シート状部材2の枚数を少なく
することができる。その結果、第2シート状部材2を貼
合わせる工程を簡略化することができる。
電波の透過損が小さいので、レドーム1が通信用アンテ
ナを保護するために用いられた場合では、伝送される電
波の通達距離が増大し、これによって通信用中継器の数
を減らすことができる。またレドーム1がたとえば図4
に示されるようなレーダ用アンテナ13を保護するため
に用いられた場合、アンテナ13によって探知される目
標の探知距離が増大し、これによって監視する範囲を拡
大することができる。
面に第2層L1,L3を設けたが、第1層L2の片側表
面にのみ第2層L1またはL3を設けるようにしてもよ
い。
うなレドーム用複合材の厚さを調節するための手間のか
かる加工作業を行わなくとも、第2シート状部材を引剥
がす簡単な作業でレドーム用複合材の厚さを所定の厚さ
に設定することができる。
の厚さに対して充分薄い厚さに設定することによって、
レドーム用複合材を透過する電波がミリ波である場合で
も、レドーム用複合材の厚さを精度よく前記所定の厚さ
に設定することができる。その結果、レドーム用複合材
を透過する電波の透過損を小さくすることができる。
れるので、たとえばレドーム用複合材全体を第2シート
状部材のみで構成する場合に比べて、用いる第2シート
状部材の枚数を少なくすることができる。その結果、第
2シート状部材を貼合わせる工程を簡略化することがで
きる。
引剥がす簡単な作業でミリ波用レドームの厚さを所定の
厚さに設定することができるので、ミリ波用レドームの
製造工程を簡略化することができる。
的な構成を示す一部破断斜視図である。
する透過損の変化を示す図である。
1の構成を示す側面図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 少なくとも1枚の第1シート状部材と、 前記第1シート状部材よりも厚さの薄い複数の第2シー
ト状部材とを備え、 前記第1シート状部材が貼合わされて形成される第1層
の少なくとも片側表面に、前記第2シート状部材が貼合
わされて形成される第2層が貼合わされることを特徴と
するレドーム用複合材。 - 【請求項2】 ミリ波領域で作動するアンテナを保護す
るミリ波用レドームであって、 少なくとも1枚の第1シート状部材が貼合わされて形成
される第1層の少なくとも片側表面に、前記第1シート
状部材よりも厚さの薄い複数の第2シート状部材が貼合
わされて形成される第2層が貼合わされて構成され、 全体の厚さが、ミリ波用レドームを透過する電波の波長
の半分の整数倍に対応して設定されることを特徴とする
ミリ波用レドーム。 - 【請求項3】 少なくとも1枚の第1シート状部材を貼
合わせて第1層を形成し、 前記第1層の少なくとも片側表面に、前記第1シート状
部材よりも厚さの薄い複数の第2シート状部材が貼合わ
されて形成される第2層を貼合わせ、 前記第2層の第2シート状部材を剥がして全体の厚さを
所定の厚さに設定することを特徴とするミリ波用レドー
ムの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6287975A JP2761360B2 (ja) | 1994-11-22 | 1994-11-22 | レドーム用複合材、ミリ波用レドームおよびその製造方法 |
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JP6287975A JP2761360B2 (ja) | 1994-11-22 | 1994-11-22 | レドーム用複合材、ミリ波用レドームおよびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08148922A true JPH08148922A (ja) | 1996-06-07 |
JP2761360B2 JP2761360B2 (ja) | 1998-06-04 |
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ID=17724180
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