JPH08148479A - 半導体のエッチングマスクとその製造方法及び半導体の加工方法と半導体レーザの製造方法 - Google Patents

半導体のエッチングマスクとその製造方法及び半導体の加工方法と半導体レーザの製造方法

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JPH08148479A
JPH08148479A JP28379494A JP28379494A JPH08148479A JP H08148479 A JPH08148479 A JP H08148479A JP 28379494 A JP28379494 A JP 28379494A JP 28379494 A JP28379494 A JP 28379494A JP H08148479 A JPH08148479 A JP H08148479A
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JP
Japan
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semiconductor
thin film
metal thin
etching
etching mask
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Application number
JP28379494A
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English (en)
Inventor
Shigeo Yoshii
重雄 吉井
Kazuhiro Okawa
和宏 大川
Tsuneo Mitsuyu
常男 三露
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 II-VI 族化合物半導体の表面に形成されたエ
ッチングマスクを、金属薄膜と、前記半導体と前記金属
薄膜の間に設けられたII-VI 族化合物半導体と金属の合
金層から構成することにより、耐エッチング性、および
基板に対する密着性の良好なエッチングマスクとする。 【構成】 GaAs基板2上のZnSe系半導体積層膜
3の上部にに金属薄膜5を形成し、210℃で3分間の
熱処理を行い合金層4を形成する。パターニングしたフ
ォトレジストを形成した後、ヨウ素・ヨウ化カリウムの
混合溶液により金属薄膜を、また、重クロム酸カリウ
ム、硝酸および、硫酸の混合溶液を用いて合金層を除去
し、さらに重クロム酸カリウムの飽和溶液と硫酸の混合
溶液で半導体積層膜3をエッチングすることにより、再
現性良く精密かつ微細な半導体の加工ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はII-VI 族化合物半導体の
エッチングマスクとその製造方法及び半導体の加工方法
と半導体レーザの製造方法の加工方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、II-VI 族化合物半導体の加工方法
としては、フォトレジストをエッチングマスクとして用
いる加工方法が用いられていた。
【0003】例えば、アプライド・フィジックス・レタ
ーズ第59巻第3228頁(Appl.Phys.Lett. Vo159,
(1991) 3228)には通常のフォトリソグラフィで形成し
たフォトレジストマスクを用いてウエットエッチングす
ることにより、リブ状導波路素子を作製したことが記載
されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記フォトレ
ジストマスクはII-VI 族化合物半導体との密着性が低
く、またII-VI 族化合物半導体のエッチャントに対する
耐久性が十分でないため、サイドエッチやフォトレジス
トの侵食を生じ、シャープなエッジを得ることはできな
いという問題があった。
【0005】特に、混晶を含む積層膜から構成される半
導体レーザ等の素子では著しいアンダーカットが生じ、
微細なパターンを再現性良く形成することはできなかっ
た。また重クロム酸カリウムを用いたエッチング工程で
は、フォトレジストが変性して残渣を生じ、マスク部分
やエッチング面を汚染する問題があった。
【0006】本発明は前記従来技術の課題を解決するた
め、II-VI 族化合物半導体との密着性がすぐれ、エッチ
ャントに対して高い耐久性を持つエッチングマスクと、
その加工方法、および再現性の高い半導体の加工方法と
半導体素子の製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明のエッチングマスクは、II-VI 族化合物から
なる半導体の上部に金属薄膜を設け、前記半導体と前記
金属薄膜の間にII-VI 族化合物半導体と金属の合金層を
設けるという構成を備えたものである。
【0008】また、本発明のエッチングマスクの製造方
法は、II-VI 族化合物からなる半導体の上部に金属薄膜
を形成し、前記半導体を前記金属薄膜の形成温度より高
い温度で熱処理し、前記金属薄膜をパターニングしたマ
スクを用いてエッチングし、前記半導体を重クロム酸カ
リウムと、硝酸を含むエッチャントでエッチングすると
いう構成を備えたものである。
【0009】また、本発明の半導体の加工方法は、II-V
I 族化合物からなる半導体の上部に金属薄膜を形成し、
前記半導体を前記金属薄膜の形成温度より高い温度で熱
処理し、前記金属薄膜をパターニングしたマスクを用い
てエッチングし、前記半導体を重クロム酸カリウムと、
硝酸を含むエッチャントでエッチングし、前記半導体を
重クロム酸カリウムと、硫酸を含むエッチャントでエッ
チングするという構成を備えたものである。
【0010】また、本発明の半導体レーザの製造方法
は、II-VI 族化合物からなる半導体積層膜の上部に金属
薄膜を形成し、前記半導体積層膜を前記金属薄膜の形成
温度より高い温度で熱処理し、前記金属薄膜をパターニ
ングしたマスクを用いてエッチングし、前記半導体積層
膜を重クロム酸カリウムと、硝酸を含むエッチャントで
エッチングし、前記半導体積層膜を重クロム酸カリウム
と、硫酸を含むエッチャントでエッチングし、前記半導
体積層膜の上部に絶縁層を形成し、前記金属薄膜および
前記絶縁層の上部に金属電極を形成するという構成を備
えたものである。
【0011】前記構成においては、II-VI 族化合物から
なる半導体として、Zn、Cd、Mg、Mn及びCaか
ら選ばれる少なくとも一つのII族元素と、S、Se及び
Teから選ばれる少なくとも一つのVI族元素からなる化
合物を用いることが好ましい。
【0012】また前記構成においては、金属薄膜とし
て、Au、Pd、Pt、Cr、及びTiから選ばれる少
なくとも1種以上の金属の積層膜を用いることが好まし
い。また前記構成においては、II-VI 族化合物からなる
半導体が、p型伝導型のZnTe層を最上部に設けた積
層膜であることが好ましい。
【0013】また前記構成においては、熱処理温度が、
150℃以上でかつ400℃以下の範囲であることが好
ましい。重クロム酸カリウムと、硝酸を含むエッチャン
トが、重クロム酸カリウムと、硝酸及び硫酸の混合溶液
からなることが好ましい。
【0014】
【作用】前記した本発明の構成によれば、II-VI 族化合
物半導体との密着性がすぐれ、エッチャントに対して高
い耐久性を持つエッチングマスクと、再現性が高く、精
密で、微細な半導体の加工方法および半導体素子の製造
方法が実現できる。
【0015】さらに、Au、Pd、Pt、Cr、Ti等
の金属は、150℃から400℃の間の比較的低い温度
でII-VI 族化合物半導体と反応し、相互拡散による合金
層を形成することができる。さらに形成された合金層は
半導体との密着性が高く、またII-VI 族化合物半導体の
エッチャントに対して耐侵食性が高いので、安定で、強
固なエッチングマスクとして使用することができる。
【0016】合金層のパターニングに際しては金属薄膜
をマスクとして合金層をエッチングすることができる。
重クロム酸カリウムと硝酸の混合溶液は、Au、Pt、
Pd等からなる金属薄膜を侵すことがなく、前記合金層
を溶解することができ、しかも合金層の除去後、II-VI
族化合物半導体の表面を鏡面に保つ作用があるので、良
好なエッチャントとして使用することができる。
【0017】また、合金層のパターン形成が終了した段
階で、これを新たなエッチングマスクとして利用し、重
クロム酸カリウムと硫酸の混合溶液によりII-VI 族化合
物半導体をエッチングすることにより、前記合金層を侵
すことなく精密かつ微細なエッチングを実現することが
できる。重クロム酸カリウムと硫酸の混合溶液はII-VI
族化合物半導体のエッチャントとして優れており、平滑
なエッチング面を保ちながら比較的高いエッチング速度
で加工することができる。さらにエッチャントの組成を
適切に選択することにより、エッチング壁面の面方位を
制御することも可能である。
【0018】以上のような作用によりサイドエッチが少
なく、再現性が良く実用的で、精密かつ微細なII-VI 族
化合物半導体のウエットエッチングによる加工が可能と
なる。
【0019】また、Au、Pd、Pt、Cr、Tiから
なる金属多層膜は、その仕事関数が大きいためp型II-V
I 族化合物半導体の電極として用いることができる。そ
こで、この金属薄膜はエッチング終了後、そのまま半導
体素子のp型電極として用いることができる。
【0020】さらに、本発明の加工方法では作製したII
-VI 族化合物半導体の清浄な表面に、フォトリソグラフ
ィ等の工程を経ることなく、直接初期工程としてp型電
極となる前記金属層を形成することができるので、電極
界面にフォトレジストや、水分等による汚染が残らな
い。このため、密着性が高く・電流−電圧特性の良好な
高品質な電極を得ることができ、さらに電極形成前の洗
浄工程やバッファエッチング等の工程をなくすこともで
きる。
【0021】以上のような作用により、II-VI 族化合物
半導体からなる半導体素子の優れた製造方法を実現でき
る。
【0022】
【実施例】本発明の半導体の加工方法は、例えば半導体
レーザー素子、発光ダイオード素子をはじめとするII-V
I 族化合物半導体からなる半導体素子の製造方法として
有用である。本発明のII-VI 族半導体としては、Zn、
Cd、Mg、Mn、Caのいずれか一つ以上のII族元素
と、S、Se、Teのいずれか一つ以上のVI族元素から
なる化合物を用いることが好ましい。
【0023】上記の元素から選択して得られたII-VI 族
半導体(例えばZnx Cd1-x ySe1-y 、Znx
1-x y Te1-y 、Znx Mg1-x y Se1-y 、Z
xMn1-x y Se1-y (0≦x≦1、0≦y≦1)
等の混晶)は、格子定数やバンドギャップを大きく変化
させることができ、またp型およびn型不純物添加によ
る低抵抗膜作成が容易であるので短波長半導体レーザを
はじめとする半導体素子の構成材料として適している。
【0024】本発明の金属薄膜として、Au、Pd、P
t、Cr、Tiのいずれかから選ばれる少なくとも1種
以上の金属の積層膜を用いることが好ましい。Au、P
d、Ptは化学的に安定で、II-VI 族化合物半導体のエ
ッチャントに対する耐久性が高く、またPd、Pt、C
r、TiはII-VI 族化合物半導体との密着性が高いた
め、エッチングマスクとして優れている。さらに、Pd
はII-VI族化合物半導体と容易に反応して非常に安定な
合金層を形成するので、本発明のエッチングマスクの形
成に適している。Au、Pd、Ptは仕事関数が大きい
ため、p型II-VI 族化合物半導体の電極材料としても優
れている。そこで、これらの金属薄膜はエッチング終了
後、そのまま半導体素子のp型電極として利用できる。
【0025】また本発明のII-VI 族化合物からなる半導
体が、p型伝導型のZnTe層を最上部に設けた積層膜
であることができる。p型伝導型のZnTe層は、キャ
リア密度を1019cm-3台まで高めることができるの
で、p型電極のコンタクト層として用いることができる
が、その格子定数が通常用いられるGaAs等の基板か
ら離れているため、結晶性が低く格子欠陥の多い結晶し
か得られない。このため、従来の加工方法ではパターン
形成が非常に困難であったが、本発明により精度の高い
加工を実現することができる。
【0026】また、本発明の金属薄膜の熱処理温度が1
50〜400℃の範囲であると、II-VI 族化合物半導体
膜の特性の低下を招くことなく、密着性の高い合金層を
形成できるので好ましい。
【0027】以下、具体的実施例により詳細に説明す
る。 (実施例1)本実施例では、GaAs基板上に成長させ
たZnSe薄膜に、本発明のエッチングマスクを形成
し、ウエットエッチングにより、ZnSeのメサエッチ
ングを行なった。
【0028】ZnSe薄膜は、分子線エピタキシー法に
より280℃で成長したもので、膜厚は2.8μmであ
る。まず10mm角に切り出したウエハをソルベントナ
フサ、アセトン、およびメタノールで順次洗浄した後、
水洗し、乾燥させた。
【0029】次に、真空蒸着により、ZnSe薄膜の上
部全面に、膜厚550nmのAuと膜厚5nmのPdか
ら構成される金属薄膜を形成し、さらに、空気中、18
0℃で3分間の熱処理を行った。この熱処理によってP
dとZnSeの合金層が形成された。
【0030】真空中、および窒素雰囲気中での150℃
から400℃の熱処理によっても同じように合金層を形
成することができたが、400℃以上の高温で熱処理を
行うと、半導体積層膜の電気的・光学的特性の劣化が観
測された。
【0031】その上に、フォトリソグラフィにより、順
メサ方向に幅5μmのストライプ状ポジ型フォトレジス
トパターンを形成した。ストライプ以外の部分は金属薄
膜が露出しており、ヨウ素・ヨウ化カリウムの混合溶液
(6g KI:0.2g I2 :100cc H2 O)を用い、室温で
1分間エッチングして、露出部分の金属薄膜4を除去し
た。このとき、PdとZnSeの合金層はヨウ素・ヨウ
化カリウム系エッチャントに侵されないので、エッチン
グ阻止層として利用でき、容易に金属薄膜をパターニン
グすることができた。
【0032】この後フォトレジストをアセトンで溶解・
除去し、金属薄膜のパターン形状を観察したところ、ス
トライプ幅は4.9μmであった。さらに、金属薄膜を
マスクとして、重クロム酸カリウムと、硝酸の混合溶液
(1g K2 Cr2 7 :8g H2 O:5g HNO
3 )を用いて、室温で20秒間エッチングし、合金層を
除去した。このとき、金属薄膜は、このエッチャントに
対して溶解されることなく、合金層のエッチングマスク
として利用できた。
【0033】ここで、硝酸の希釈溶液を用いても、合金
層を除去することはできたが、合金層がエッチングされ
た後、その下のII-VI 族化合物半導体層が激しく侵食さ
れ、エッチング面が著しく劣化してしまった。
【0034】しかし、本発明の重クロム酸カリウムと、
硝酸の混合溶液をエッチャントとして用いることによ
り、合金層も迅速に除去することができ、さらにII-VI
族化合物半導体層のエッチング面も平滑に保つことがで
きた。
【0035】またさらに、重クロム酸カリウムと、硝酸
と、硫酸の混合溶液(1g K2 Cr2 7 :8cc
2 O:3cc HNO3 :3cc H2 SO4 )を用い
ても、まったく同様に、合金層をエッチングすることが
できた。
【0036】次に、ウエハを水洗し、100℃で15分
間乾燥させた後、ZnSeのメサエッチングを行なっ
た。エッチング液は重クロム酸カリウム飽和水溶液15
mlと濃硫酸10mlの混合液であり、温度は40℃と
した。2分間エッチングを行ない、深さ1.2μmのメ
サを形成した。
【0037】この後、前記ヨウ素・ヨウ化カリウムの混
合溶液を用いて室温で1分間エッチングして残っていた
金属薄膜を除去した。ZnSe薄膜のメサ形状の観察を
した結果、メサ頂部のストライプ幅は4.7μm、メサ
底部では6.5μmで均一であり、またエッチング面は
鏡面に保たれ、理想的なメサエッチングが再現性良く行
なわれていた。
【0038】なお、この例ではAuとPdの積層膜を金
属薄膜として用いたが、AuとPt、AuとPtとP
d、AuとCr、AuとPtとTi等の積層膜を用いて
も150゜Cから400゜Cの間の熱処理を行うことに
よりまったく同様の結果を得ることができた。
【0039】これに対し、熱処理による合金層の形成を
行わず、単に金属薄膜をマスクとして同様のエッチング
を行った場合、重クロム酸カリウムと濃硫酸の混合液に
よるエッチングの際に著しいサイドエッチを生じ、金属
薄膜が剥離してしてメサ形状を得ることができなかっ
た。
【0040】以上詳述したように、本発明のエッチング
マスクは耐エッチング性、密着性ともに良好であり、本
発明の半導体の加工方法により再現性良くII-VI 族化合
物半導体を微細な形状に加工することができた。
【0041】次に、発光ダイオード素子の例を取り上
げ、詳細に述べる。 (実施例2)まず、図1に示すように、n型GaAs基
板2上に、分子線エピタキシャル成長(MBE)法によ
ってII-VI 族化合物半導体からなるSQW(単一量子井
戸)構造を持つZnSe系II-VI 族化合物半導体積層膜
3を形成した。ここで、MBE法の成長温度を280℃
とした。
【0042】次に、真空蒸着により、半導体積層膜3の
上部全面に、膜厚220nmのAuと膜厚9nmのPd
から構成される金属薄膜4を形成し、さらに、Ar90
%、H2 10%の還元雰囲気中、200℃で5分間の熱
処理を行った。この熱処理によってPdとp型コンタク
ト層ZnSe3eの合金層5が形成された。
【0043】さらに、金属薄膜4の上部に膜厚2μmの
ポジ型フォトレジストにより500μm×500μmの
正方形のパターン6を形成した。前期フォトレジスト6
をマスクとして、ヨウ素・ヨウ化カリウムの混合溶液
(6g KI:0.2g I2:100cc H2O)で金属薄膜をエッチ
ングした。このとき、PdとZnTeの合金層はヨウ素
・ヨウ化カリウム系エッチャントに侵されないので、エ
ッチング阻止層として利用でき、容易に金属薄膜をパタ
ーニングすることができた。
【0044】その後、フォトレジストと金属薄膜をマス
クとして、重クロム酸カリウムと、硝酸と、硫酸の混合
溶液(1g K2Cr27:8cc H2O:3cc HNO3:3cc H2
SO4)を用いて、室温で30秒間エッチングした。こ
れにより、合金層を迅速に除去することができ、さらに
II-VI 族化合物半導体層のエッチング面も平滑に保つこ
とができた。
【0045】さらに、重クロム酸カリウムの飽和溶液
と、硫酸の混合溶液(1g K2Cr27:8cc H2O:5cc
2SO4)を用い、室温で3分間半導体層をエッチング
した。金属とII-VI 族化合物半導体の合金層は、エッチ
ャントに対して非常に安定であるため、サイドエッチや
パターン形状の乱れを生じることなく深いエッチングを
行うことができ、また再現性良く微細な形状に加工する
ことができた。
【0046】目的のパターンを形成した後、フォトレジ
ストを除去し、前記ヨウ素・ヨウ化カリウムの混合溶液
を用いて室温で1分間エッチングを行い、残っていた金
属薄膜を除去した。
【0047】最後に、真空蒸着法により、マスクされた
領域の上部に膜厚110nmのAuからなる直径200
μmの円形電極を形成し、発光ダイオード素子とした。
この素子は、波長492nmの青色で発光し、駆動電圧
11V、素子電流20mAのとき、1.8mW以上の出
力が得られた。
【0048】以上詳述したように、本発明によるエッチ
ングマスクおよび半導体の加工方法により再現性良くII
-VI 族化合物半導体を加工することができ、発光ダイオ
ード素子を作製することができた。
【0049】次に、半導体レーザ素子の例を取り上げ、
具体例について詳細に述べる。 (実施例3)まず、図2に示すように、n型GaAs基
板2上に、MBE法によってII-VI族化合物半導体から
なるZnSe系SQW−SCH(単一量子井戸型分離閉
じ込めヘテロ)レーザ構造7を形成した。ここで、MB
E法の成長温度を280℃とした。
【0050】次に、真空蒸着により、半導体積層膜3の
上部全面に、膜厚240nmのAuと膜厚50nmのP
tと膜厚11nmのPdから構成される金属薄膜5を形
成した。このとき、フォトリソグラフィ等の工程を経る
ことなく、MBE成長直後の清浄な表面に直接、後にレ
ーザ素子が作製される際にp型電極となる前記金属層を
形成することができたので、電極界面のフォトレジスト
や、水分等による汚染をなくすことができた。このた
め、密着性が高く、高品質な電極を得ることができ、さ
らに電極形成前の洗浄工程やバッファエッチング等の工
程をなくすことができた。
【0051】その後、Ar90%、H2 10%の還元雰
囲気中、210℃で3分間の熱処理を行った。この熱処
理によってPdとp型コンタクト層ZnTe7gの合金
層4が形成された。
【0052】また、金属薄膜5の上部に膜厚2μmのポ
ジ型フォトレジストで、幅4μmのストライプ状パター
ン6を形成した。前期フォトレジスト6をマスクとし
て、ヨウ素・ヨウ化カリウムの混合溶液(6g KI:0.2g
2:100cc H2O)で金属薄膜をエッチングした。
【0053】その後、フォトレジストと金属薄膜をマス
クとして、重クロム酸カリウムと、硝酸と、硫酸の混合
溶液(1g K2Cr27:8cc H2O:3cc HNO3:3cc H2
SO 4)を用いて、室温で30秒間エッチングした。
【0054】さらに、水洗・乾燥の後、重クロム酸カリ
ウムの飽和溶液と、硫酸の混合溶液(1g K2Cr27:8
cc H2O:5cc H2SO4 )を用い、室温で6分間、半導
体積層膜をエッチングした。これによりストライプ幅
3.8μm、エッチング深さ1μmで、メサ壁面の平滑
なメサ型ストライプを再現性良く形成することができ
た。
【0055】この後、図3の様にウエハ全面に膜厚50
0nmの多結晶ZnS8を蒸着し、ストライプ部分をポ
ジ型フォトレジストのアセトン中での溶解によるリフト
オフで除去した。
【0056】最後に、真空蒸着により、ウエハ全面に厚
さ500nmのAuからなる金属電極9を蒸着し、半導
体レーザー素子10を作製した。以上のようにして得ら
れた半導体レーザー素子は、波長511nm、閾値電流
88mAで発振し、このときの素子電圧は12Vであっ
た。
【0057】以上詳述したように、本発明による半導体
レーザの製造方法により再現性良くII-VI 族化合物半導
体の積層膜を微細な形状に加工することができ、半導体
レーザ素子を作製することができた。
【0058】なお、本実施例3においては、単一量子井
戸型半導体レーザー素子を例に挙げて説明したが、必ず
しもこの構造の半導体レーザー素子に限定されるもので
はなく、多量子井戸型など他の構造の半導体レーザー素
子にも適用することができる。
【0059】
【発明の効果】以上説明した通り本発明は、II-VI 族化
合物からなる半導体の上部に金属薄膜を設け、前記半導
体と前記金属薄膜の間にII-VI 族化合物半導体と金属の
合金層を設けた半導体のエッチングマスクであるので、
II-VI 族化合物半導体との密着性が高く、またII-VI 族
化合物半導体のエッチャントに対して耐侵食性が高い、
安定で、強固なエッチングマスクを提供することができ
る。
【0060】また、本発明は、II-VI 族化合物からなる
半導体の上部に金属薄膜を形成する工程と、前記半導体
を前記金属薄膜の形成温度より高い温度で処理する熱処
理工程と、前記金属薄膜をパターニングしたマスクを用
いてエッチングする工程と、前記半導体を重クロム酸カ
リウムと、硝酸を含むエッチャントでエッチングする工
程とからなるエッチングマスクの製造方法であるので、
II-VI 族化合物半導体との密着性が高く、またII-VI 族
化合物半導体のエッチャントに対して耐侵食性が高い、
安定で、強固なエッチングマスクを提供することができ
る。
【0061】また、本発明は、II-VI 族化合物からなる
半導体の上部に金属薄膜を形成する工程と、前記半導体
を前記金属薄膜の形成温度より高い温度で処理する熱処
理工程と、前記金属薄膜をパターニングしたマスクを用
いてエッチングする工程と、前記半導体を重クロム酸カ
リウムと、硝酸を含むエッチャントでエッチングする工
程と、前記半導体を重クロム酸カリウムと、硫酸を含む
エッチャントでエッチングする工程とからなる半導体の
加工方法であるので、サイドエッチが少なく、再現性良
く精密かつ微細なII-VI 族化合物半導体のウエットエッ
チングによる加工が可能となる。
【0062】また、本発明は、II-VI 族化合物からなる
半導体積層膜の上部に金属薄膜を形成する工程と、前記
半導体積層膜を前記金属薄膜の形成温度より高い温度で
処理する熱処理工程と、前記金属薄膜をパターニングし
たマスクを用いてエッチングする工程と、前記半導体積
層膜を重クロム酸カリウムと、硝酸を含むエッチャント
でエッチングする工程と、前記半導体積層膜を重クロム
酸カリウムと、硫酸を含むエッチャントでエッチングす
る工程と、前記半導体積層膜の上部に絶縁層を形成する
工程と、前記金属薄膜および前記絶縁層の上部に金属電
極を形成する工程からなる半導体レーザの製造方法であ
るので、再現性良く精密かつ微細な素子の製造が可能と
なり、また高品質な電極を持ち、電流−電圧特性の良好
な素子を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例2の発光ダイオードの製造方法
を示す図である。
【図2】本発明の実施例3の半導体レーザの製造方法を
示す図である。
【図3】本発明の実施例3の半導体レーザの断面構造を
示す図である。
【符号の説明】
1 金属電極(In) 2 n型GaAs基板 3 ZnSe系SQW構造 3a n型ZnSe層 3b n型ZnSSe層 3c ZnCdSe層(活性層) 3d p型ZnSSe層 3e p型ZnSe層 4 合金層 5 金属薄膜 6 フォトレジスト 7 ZnSe系SQW−SCH構造 7a n型ZnSe層 7b n型ZnMgSSe層 7c n型ZnSSe層 7d ZnCdSe層(活性層) 7e p型ZnSSe層 7f p型ZnMgSSe層 7g p型ZnTe接触層 8 多結晶ZnS絶縁層 9 金属電極(Au) 10 半導体レーザー素子

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 II-VI 族化合物からなる半導体の表面に
    形成されたエッチングマスクであって、前記エッチング
    マスクは、金属薄膜と、前記半導体と前記金属薄膜の間
    に設けられたII-VI 族化合物半導体と金属の合金層から
    構成されることを特徴とする半導体のエッチングマス
    ク。
  2. 【請求項2】 II-VI 族化合物からなる半導体の上部に
    金属薄膜を形成し、前記半導体を前記金属薄膜の形成温
    度より高い温度で熱処理し、前記金属薄膜をパターニン
    グしたマスクを用いてエッチングし、前記半導体を重ク
    ロム酸カリウムと、硝酸を含むエッチャントでエッチン
    グする半導体のエッチングマスクの製造方法。
  3. 【請求項3】 II-VI 族化合物からなる半導体の上部に
    金属薄膜を形成し、前記半導体を前記金属薄膜の形成温
    度より高い温度で熱処理し、前記金属薄膜をパターニン
    グしたマスクを用いてエッチングし、前記半導体を重ク
    ロム酸カリウムと、硝酸を含むエッチャントでエッチン
    グし、前記半導体を重クロム酸カリウムと、硫酸を含む
    エッチャントでエッチングする半導体の加工方法。
  4. 【請求項4】 II-VI 族化合物からなる半導体積層膜の
    上部に金属薄膜を形成し、前記半導体積層膜を前記金属
    薄膜の形成温度より高い温度で熱処理し、前記金属薄膜
    をパターニングしたマスクを用いてエッチングし、前記
    半導体積層膜を重クロム酸カリウムと、硝酸を含むエッ
    チャントでエッチングし、前記半導体積層膜を重クロム
    酸カリウムと、硫酸を含むエッチャントでエッチング
    し、前記半導体積層膜の上部に絶縁層を形成し、前記金
    属薄膜および前記絶縁層の上部に金属電極を形成する半
    導体レーザの製造方法。
  5. 【請求項5】 II-VI 族化合物からなる半導体として、
    Zn、Cd、Mg、Mn及びCaから選ばれる少なくと
    も一つのII族元素と、S、Se及びTeから選ばれる少
    なくとも一つのVI族元素からなる化合物を用いる請求項
    1に記載の半導体のエッチングマスク、請求項2に記載
    のエッチングマスクの製造方法、請求項3に記載の半導
    体の加工方法または請求項4に記載の半導体レーザの製
    造方法。
  6. 【請求項6】 金属薄膜として、Au、Pd、Pt、C
    r、及びTiから選ばれる少なくとも1種以上の金属の
    積層膜を用いる請求項1に記載の半導体のエッチングマ
    スク、請求項2に記載のエッチングマスクの製造方法、
    請求項3に記載の半導体の加工方法または請求項4に記
    載の半導体レーザの製造方法。
  7. 【請求項7】 II-VI 族化合物からなる半導体が、p型
    伝導型のZnTe層を最上部に設けた積層膜である請求
    項1に記載の半導体のエッチングマスク、請求項2に記
    載のエッチングマスクの製造方法、請求項3に記載の半
    導体の加工方法または請求項4に記載の半導体レーザの
    製造方法。
  8. 【請求項8】 熱処理温度が、150℃以上でかつ40
    0℃以下の範囲である請求項2に記載のエッチングマス
    クの製造方法、請求項3に記載の半導体の加工方法また
    は請求項4に記載の半導体レーザの製造方法。
  9. 【請求項9】 重クロム酸カリウムと、硝酸を含むエッ
    チャントが、重クロム酸カリウムと、硝酸及び硫酸の混
    合溶液からなる請求項2に記載のエッチングマスクの製
    造方法、請求項3に記載の半導体の加工方法または請求
    項4に記載の半導体レーザの製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100536593B1 (ko) * 2002-12-05 2005-12-14 삼성전자주식회사 선택적인 막 제거를 위한 세정 용액 및 그 세정 용액을사용하여 실리사이드 공정에서 막을 선택적으로 제거하는방법
JP2013021065A (ja) * 2011-07-08 2013-01-31 Fujifilm Corp 半導体基板製品の製造方法、これに用いられる薄膜除去液
CN113945442A (zh) * 2021-10-15 2022-01-18 上海季丰电子股份有限公司 砷化镓芯片封装结构中取晶粒的方法和应用

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